JPS6049675B2 - コ−クス炉築炉工事用移設足場 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はコークス炉における炭化室の炉壁を煉瓦積み
施工する場合に使用するコークス炉築炉工事用移設足場
に関するものである。

従来、コークス炉における炉壁を煉瓦積みにより施工す
る場合は、ます第１図および第２図に示すように、列壁
築造位置の間において、炭化室床９の上部に、多数木製
支持台１４を、炉壁長手方向に間隔をおいて設置し、か
つ各木製支持台１４にわたつて木製足場板１５を載置し
て釘により固定することにより第１段の足場１６を構成
し、その第１段の足場１６の上で、足場上面レベルより
も上方の複数段の耐火煉瓦１７Ｂを積む作業を行ない、
次に第３図に示すように、第１段の足場１６の上にこれ
と同一構造の木製足場からなる第２段の足場１８を組立
設置したのち、第２段の足場１８の上で、その足場の上
面レベルよりも上方の複数段の耐火煉瓦１７Ｃを積む作
業を行ない、以下同様にして必要高さまで木製足場の組
立設置作業と煉瓦積み作業とを反復して行なつていた。

しかるに、このようにして炉壁の煉瓦積み施工を行なう
場合は、足場の組立てに相当の手数を要すると共に時間
が長くかかり、かつ足場が多段式に積み重ねられるので
安定性が悪く、さらに築炉途中における足場組立てのた
めの煉瓦積み持ち時間が長いので、築炉能率が低いとい
う問題がある。この発明は前述の問題を有利に解決でき
るコークス炉築炉工事用移設足場を提供することを目的
とするものである。

次にこの発明を図示の例によつて詳細に説明する。

第４図および第５図はこの発明において用いら’れる支
持枠ユニット１０の一例を示すものであつて、平行に配
置された１対の垂直な鋼管製支柱１９の上部および中間
部が銅管製連結材２０を介して連結され、かつ各支柱１
９には複数のフレーズ取付用螺杆２１が溶接により固着
されている。

第６図ないし第１４図は前記支持枠ユニット１０を使用
したこの発明の一実施例を示すものてあつて、箱形断面
を有するトラス構造の２本の鋼製中間ビームユニット２
Ａの一端部が突き合わされてボルト２２により締付結合
され、かつ各中間ビームユニット２Ａの他端部には、箱
形断面を有する鋼製端部ビームユニット２Ｂの一端部が
突き合わされてボルト２２により締付結合され、前記各
中間ビームユニット２Ａおよび各端部ビームユニット２
Ｂによりビーム２が構成され、さらに各ビームユニット
２Ａ，２Ｂの上面には縞鋼板からなる足場板３が溶接等
により固定され、前記ビーム２と足場板３とにより炉内
足場４が構成されている。前記各中間ビームユニット２
Ａにおける上部の巾方向の両側に吊材係巾金具２３が固
定され、かつ各中間ビームユニット２Ａにおける下部の
巾方向の両側には、垂直な鋼製継手管２４の上端部が溶
接により固着されている。

また前述のように構成された炉内足場４は、炭化室１の
炉壁築造位置の間において水平に延長するように配置さ
れる。前述のように構成された複数の支持枠ユニット１
０は炉内足場４の中間下部において足場長手方向に間隔
をおいて配置され、かつ各支持枠ユニット１０における
支柱１９の下端部には、鋼製座板２５に固着された挿込
杆２６が嵌挿され、さらに各支持枠ユニット１０に付属
する座板２５は足場長手方向に延長する床保護用木製角
材２７に載置され、その角材２７は炭化室床９に載置さ
れている。また足場長手方向に隣り合う支持枠ユニット
１０の支柱１９は、前記螺杆２１に嵌挿されてナットに
より固定されたブレース２８を介して連結され、かつ下
位の支持枠ユニットと上位の支持枠．ユニットとは支柱
１９に挿込まれる挿込継手２９を介して連結され、前述
のようにして組立連結された支持枠ユニット１０により
支持枠１１が構成され、さらに前記継手管２４とその下
部に位置する支持枠ユニット１０の支柱１９とは挿込継
手２９を介して着脱自在に連結され、炉内足場４の中間
部は支持枠１１により支持されている。炭化室１の外側
のコークス出側に炉外足場６が、組立設置され、その炉
外足場６は、組立式足場枠と、その上部に架設固定され
た足場板３０と、その足場板３０の周囲に取付けられた
安全柵３１とを有し、か一つ前記組立式足場枠は、炉壁
巾方向に間隔をおいて配置されると共に上方に積み重ね
られた多数の鋼製門形足場枠ユニット５を有し、かつ上
下の足場枠ユニット５における鋼管製支柱３２は挿込継
手２９を介して着脱自在に連結され、さらに炉壁巾方向
に隣り合う足場枠ユニット５における炭化室側の支柱３
２にわたつて延長する多数の水平な鋼管製連結杆８が、
前記支持枠ユニット１０における支柱１９の長さと同一
の間隔で上下方向に間隔をおいて配置され、また連結杆
８とこれに交叉する支柱３２とは締付ボルトを有する開
閉式クランプ３３により結合されてい″る。

炭化室１の外側の押出装置側にも炉外足場７が組立設置
され、この炉外足場７の場合は、炉壁長手方向にも複数
の門形足場枠ユニット５が並べられ、コークス出側の炉
外足場６の場合よりも広い足場板３４が架設されている
が、その他の構成はコークス出側の炉外足場の場合と同
様てある。

なお、コークス出側の炉外足場６の足場枠ユニット５に
おける建屋壁側の支柱も連結杆およびクランプを介して
連結され、かつ押出装置側の炉外足場７における炭化室
側の足場枠ユニット以外の足場枠ユニット５の支柱も連
結杆およびクランプを介して連結される。前記炉内足場
４の両端部は炉外足場６，７における炭化室側の連結杆
８に載置され、かつ炉内足場４におけるビーム２の下弧
材と連結杆８とはＵボルト３５および締付座金３６から
なるクランプ３７により着脱自在に結合され、さらに炉
内足場４の長手方向の中間部とその両側の築造途中の炉
壁３８との間に足場の横振れを防止するための振れ止め
用楔３９が挿入されている。

コークス炉建屋１２の梁４０の下面に炉壁巾方向に延長
する水平な３本の固定レール４１が平行状態で架設固定
され、かつ炉壁長手方向に延長する水平な可動レール４
２には、前記固定レール４１の下部フランジに載置され
る走行用車輪４３が取付けられると共に走行用駆動装置
４４が固定され、さらに走行用駆動装置４５が備えてい
るトロリ４６の車輪４７は可動レール４２の下部フラン
ジに載置され、またトロリ４６には吊掛用フック４８お
よび昇降用ローブ４９を有する巻上機５０が固定されて
、天井走行クレーン１３が構成されている。

炉壁３８を築造するための耐火煉瓦は、パレットに載置
されて前記天井走行クレーン１３により押出装置側の炉
外足場７における足場板３４の上に運搬され、その足場
板３４の上にある耐火煉瓦を炉内足場４の上まで天井走
行クレーンまたは人力により運搬し、作業員が炉内足場
４の上に乗つてＨ形鋼からなるバックステー５１間で耐
火煉瓦１７を設け、炉壁３８の築造作業を行なう。

一定高さだけ炉壁３８の築造を進行させたのち、クラン
プ３７を外して炉内足場４の両端部と連結杆８との結合
を解き、次いで天井走行クレーン１３により吊掛ローブ
５２を介して炉内足場４を若干吊上移動し、続いて天井
走行クレーン１３により、炉内足場４をその長手方向の
一方例えば炉外足場６側に若干移動して、炉内足場４の
一部端（炉外足楊７側の端部）を連結杆８よりも炭化室
側に配置する。次に天井走行クレーン１３により炉内足
場４を吊上移動していくことにより、炉内足場４の他端
部を炉外足場６の上位の連結杆８に係合させ、続いて天
井走行クレーン１３の吊上運転をさらに継続することに
より、炉内足場４の一端部が他端部よりも高くなるよう
に傾斜させて行き、炉内足場４の一端部の下面が炉外足
場７の上位の連結杆８よりも高レベルになつたとき、天
井走行クレーン１３の巻上運転を停止する。

次に天井走行クレーン１３により炉内足場４をその長手
方向の他方すなわち炉外足場７側に移動して、炉内足場
の他端部を炉外足場６の上位の連結杆８よりも炭化室側
の位置させると共に炉内足場４の他端部を炉外足場６の
上位の連結杆８よりも高レベルに配置し、次いで天井走
行クレーン１３により炉内足場４をその長手方向の他方
すなわち炉外足場６側に移動して炉内足場の両端部を連
結杆８の上方に配置する。

また一方、前記支持枠１１における各支持枠ユニット１
１に他の支持枠ユニットを継ぎ足してブレースにより連
結する。

次に天井走行クレーン１３を巻下運転して、炉内足場４
の継手管２４を増結された支持枠ユニットの上端部に装
着された挿込継手２９に嵌挿すると共に炉内足場４の両
端部を前記上位の連結杆８に載置し、かつ炉内足場４の
両端部を連結杆８に対し再び前記クランプ３７により結
合し、炉内足場４の中間部を支持枠１１により支持する
と共に炉内足場の両端部を炉外足場６，７の連結杆８に
より支持し、さらに炉内足場の中間部とその両側に築造
された炉壁３８との間に振れ止め用楔３９を打設する。

以下同様にして、複数段の煉瓦積み作業と炉内足場４の
上昇移設とを交互に行なつて必要高さの炉壁を築造する
。また炉壁築造の進行に伴なつて押出装置側の炉外足場
７を上方に継き足して行く。前記実施例の場合は、炉内
足楊４を支持する連結杆８を取外さないで、その連結杆
８をかわしながら炉内足場４を上昇移動しているが、こ
のようにしないで、例えば炉内足場を載置している下位
の連結杆８と炉内足場４との結合を解き、かつ上位の連
結杆を予め取外しておき、次に天井走行クレーン１３に
より炉内足場４を上昇移動したのち、支持枠１１に支持
枠ユニット１０を増結し、続いて炉内足場４を下降移動
して、炉内足場４の継手管２４を増結された支持枠ユニ
ット１０の上端部に装着された挿込継手２９に嵌挿する
ことにより、炉内足場の中間部を高さ増大された支持枠
１１により支持し、次に上位の連結杆８を、炉内足場４
の両端下部に当接した状態で足場枠ユニット５における
支柱３２に対しクランプ３３により結合したのち、上位
の連結杆８と炉内足場４とをクランプ３７により結合し
てもよい。

またこの発明を実施する場合、炭化室１内の炉壁巾方向
の複数個所で煉瓦積み作業を行なうために複数の炉内足
場４を設置してもよく、また巻上機５０を走行自在に装
備している複数の可動レー”ル４２を固定レール４１に
対し走行自在に架設してもよい。

この発明によれば、炭化室１の炉壁築造位置の間に、炉
壁長手方向に延長するビーム２とその上面に固定された
足場板３とからなる炉内足場４が・配置され、その炉内
足場４の両端部は炭化室外において組立てられた多数の
足場枠ユニット５からなる炉外足場６，７における水平
な連結杆８により支持され、前記炉内足場４の中間部は
、炭化室床９上に組立てられた支持枠ユニット１０から
なノる支持枠１１により支持されているので、炉内足場
４を安定状態で強固に支持することができ、そのため安
全性を向上させることができ、また予め製作された炉内
足場４を、炉壁３８の築造進行に伴つて、天井走行クレ
ーン１３により吊上移動し、かつ支持枠ユニット１０を
上方に継ぎ足して支持枠１１の高さを増大させると共に
、その高さ増大された支持枠１１により炉内足場４の中
間部を支持し、さらに炉内足場４の両端部を炉外足場６
，７における上位の連結杆８によつて支持することによ
り、炉内足場４を容易に上方に移設して安定状態で固定
することができ、しかも炉内足場４の上昇移設を迅速に
行なうことができるので、煉瓦積み持ち時間を少なくし
て築炉能率を向上させることができ、さらにまた、所要
高さの炉壁３８の築造を終了したのちは、天井走行クレ
ーン１３により炉内足場４を他の築炉場所まで容易に吊
上搬送することができる等の効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は従来のコークス炉築工事用足場と
炉壁築造状態とを示すものであつて、第１図は第１段足
場および築造中の炉壁を示す縦断正面図、第２図は第１
図のＡ−Ａ線断面図、第３図は２段に積まれた足場およ
び築造中の炉壁を示す縦断正面図である。 第４図ないし第１４図はこ，の発明の一実施例を示すも
のであつて、第４図は支持枠ユニットの正面図、第５図
はその側面図、第６図はこの発明のコークス炉築炉工事
用移設足場および関連設備を示す縦断側面図、第７図は
炉内足場およびその中間部の支持状態を示す一部縦断側
面図、第８図はその一部拡大して示す一部切欠縦断側面
図、第９図は移設足場の中間部の支持状態と築造途中の
炉壁との関係を示す一部切欠縦断正面図、第１０図はビ
ームユニット相互の連結部を示す側面図、第１１図はそ
のＢ−Ｂ線断面図、第１２図は炉内足場の端部の支持状
態を示す側面図、第１３図はその一部切欠平面図、第１
４図は天井走行クレーンの一部を示す側面図である。図
において、１は炭化室、２はビーム、３は足場板、４は
炉内足場、５は足場枠ユニット、６および７は炉外足場
、８は連結杆、９は炭化室床、１０は支持枠ユニット、
１１は支持枠、１２はコークス炉建屋、１３は天井走行
クレーン、１７は耐火煉瓦、２２はボルト、２３は吊材
係止金具、２４は銅製継手管、２５は銅製座板、２９は
挿込継手、３２は支柱、３３は開閉式クランプ、３７は
クランプ、３８は炉壁、３９は振れ止め用楔、４１は固
定レール、４２は可動レール、４６はトロｌ八５０は巻
上機である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 炭化室１の炉壁築造位置の間に、炉壁長手方向に延
   長するビーム２とその上面に固定された足場板３とから
   なる炉内足場４が配置され、その炉内足場４の両端部は
   炭化室外において組立てられた多数の足場枠ユニット５
   からなる炉外足場６，７における水平な連結杆８により
   支持され、前記炉内足場４の中間部は、炭化室床９上に
   組立てられた支持枠ユニット１０からなる支持枠１１に
   より支持され、コークス炉建屋１２の上部には炉壁長手
   方向および炉壁巾方向に走行する天井走行クレーン１３
   が設けられていることを特徴とするコークス炉築炉工事
   用移設足場。