JP7081248B2 - ガイド機構およびガイド機構によるブロックの据付位置合わせ方法 - Google Patents
ガイド機構およびガイド機構によるブロックの据付位置合わせ方法 Download PDFInfo
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Description
コークス炉の建設は、従来、築炉工が耐火物煉瓦を手積みすることで行っている。手積みによる建設では、耐火物煉瓦の一つ一つにコテでモルタルを塗り、これを積み上げるという作業を繰り返し行う必要がある。さらに、コークス炉に使用される耐火物煉瓦は、一つあたり十数kgの重さがあり、これを積み上げる作業は極めて重労働といえる。
また、コークス炉は、様々な形状、大きさの多種類の耐火物煉瓦を複雑に組み合わせる必要があり、据付精度については、±2mm以内に抑える必要がある。
また、耐火物煉瓦を大ブロック化するのではなく、粒状の耐火物組成物に水を加えて混練し、型枠に流し込んで、乾燥させることで耐火物の大ブロックを形成する、プレキャスト工法も公知である(特許文献4)。
プレハブ工法、あるいは、プレキャスト工法は、一つあたりの耐火物のブロックが大ブロックになったことにより、築炉現場で積み上げるブロック数が減少し、狭い築炉現場での作業が短縮されるため、作業効率が良く、築炉期間が短くなるとされている。
特に、プレハブ工法、あるいは、プレキャスト工法のように、ブロック一つあたりの大きさと重さが大型化した場合、従来工法では、クレーンで数十mm程度浮かしたブロックを、作業者が手添えしながら下架し、最終的な位置の微調整はハンマリング(ハンマーでブロックを叩いて位置合わせする)等で実施する。
すなわち、所定の据付位置に配置するブロックを持ち上げて、ブロックを下ろすと同時に所定の据付位置に一度で正確に配置することは容易ではないため、一旦、ある程度所定の据付位置から誤差のある場所に下ろし、その後、正確に所定の据付位置に位置合わせする微調整により、精密にブロックを配置している。
しかし、1.手添えやハンマリング時の作業安全性の確保、2.ブロック下架完了までのクレーン占有時間が長い、等の課題があった。
(1)ブロックを積み上げて建築物を建設する際のブロックの水平方向の位置を所定の位置に合わせるガイド機構であって、
前記ガイド機構は、
ブロックの水平方向の一方向の長さよりも長い長尺状の本体部と、
前記本体部の一端側に設けられた側板と、
ブロックの水平方向位置を調整することができるブロック据付位置調整手段とを
備えることを特徴とするガイド機構。
(2)前記ガイド機構は、前記側板が設けられた前記本体部の一端とは反対側の本体部の一端に設けられたクランプ装置と、
積み上げるブロックが滑り降りることによりある程度所定の位置に合わせることができる下方から上方に向けて斜めに開いたスロープを有することを特徴とする(1)に記載のガイド機構。
(3)前記スロープは、各々直行する方向にブロックの位置を合わせることができるように複数設けられていることを特徴とする(2)に記載のガイド機構。
(4)前記ブロック据付位置調整手段は、前記クランプ装置と同じ側の前記本体部の一端側に設けられ、前記側板側にブロックを押し込むことができるように設けられていることを特徴とする(2)又は(3)に記載のガイド機構。
(5)前記ブロック据付位置調整手段は、前記本体部の中央部に、前記本体部の長手方向と垂直方向に、ブロックを押し込むことができるように設けられていることを特徴とする(1)に記載のガイド機構。
(6)前記ブロック据付位置調整手段は、油圧ジャッキ、スクリュージャッキのいずれかまたは双方であることを特徴とする(1)~(5)のいずれか1つに記載のガイド機構。(7)前記ガイド機構は、(4)に記載されたガイド機構と、(5)に記載されたガイド機構を接続し、一体化し、前記本体部の長手方向および垂直方向にブロックを押し込めるものであることを特徴とするガイド機構。
(8)ブロックを積み上げて建築物を建設する際のブロックの据付位置合わせ方法において、
前記ブロックの水平方向の一方向の位置を、所定の位置範囲に合わせる(1)~(7)のいずれか1つに記載のガイド機構と、
前記一方向と直角方向の位置を、所定の位置範囲に合わせる(1)~(7)のいずれか1つに記載のガイド機構と、
前記ブロックの垂直方向の位置を所定の位置に合わせるスペーサを配置し、
前記ブロックを、前記スペーサの上に載置し、前記ブロック据付位置調整手段により、スペーサの上に配置された前記ブロックの前記水平方向の位置を調整する
ことを特徴とするガイド機構によるブロックの据付位置合わせ方法。
例として図1においては、ガイド機構2a、2b、2cの配置後、次に積み上げて、ガイド機構により後に据付位置を微調整するブロック1aを、破線で示した据付位置に配置する場合を示している。また、図1では、炉高方向Zに二つの孔を有するコークス炉を構築するためのブロック1を配置する場合を示している。なお、図1において、コークス炉でいえば、Xは、炉幅方向、Yは、炉長方向、Zは、炉高方向を示している。
本体部20は、長尺状の板状部材を断面L字状、T字状等に組み合わせたものを使用できる。また、強度を確保するためには、本体部20を構成する板状部材の厚さを厚くすることが好ましいが、厚くし過ぎると重量がかさみ、人手での運搬が難しくなる。
クランプ装置23は、ネジとハンドル等でクランプ装置23と側板22との距離をある程度自在に調節することができるから、一片の大きさがさまざまであるブロック1にガイド機構2a、2cを設置することができる。すなわち、クランプ装置23を設けることにより、ブロック1の形状、重量が単一ではない場合でも、ブロック1ごとのガイド機構の専用設計が不要となる。側板22とクランプ装置23により、ブロック1に固定できるように、ガイド機構2bにクランプ装置23を設けてもよい。
図1において、ガイド機構2aを設置している場所は、これから配置して微調整するブロック1aと、同じ段に既に据え付けられたブロック1上の端である。
この場合、ガイド機構2aは、本体部20よりも下に、ブロック据付位置調整手段21を備える(図2(A)参照。)。そうでないと、ブロック据付位置調整手段21と、本体部20の他端に設けられた側板22により、炉幅方向Xの所定の場所まで微調整することができない。
この場合、ガイド機構2bは、本体部20と同じ高さか、本体部20よりも上に、ブロック据付位置調整手段21を備える(図3(A)参照。)。そうでないと、ブロック据付位置調整手段21と、本体部20の他端に設けられた側板22により、炉幅方向Xの所定の場所まで微調整することができない。
さらに、図4(B)に示したように、ガイド機構2cには、ブロック据付位置調整手段21を設けた本体部20の対応する裏側に、本体部20を補強する補強リブ26を設けることが好ましい。補強リブ26を設けることにより、微調整の際に本体部20の変形を防止できる。補強リブ26は、本体部20から、反力受け24にかけて設けることが好ましい。補強リブ26についても、運搬の利便性を考慮し、重量が大きくなりすぎない程度の大きさと厚さで設けることが好ましい。
また、図2(B)においては、微調整するブロック1aが炉幅方向Xのみに滑り降りるスロープ25のみ設けられているが、図3(B)に示したように、炉長方向Yに滑り降りるスロープ25をさらに設けてもよい。あるいは、炉長方向Yのみに滑り降りるスロープ25を設けてもよい。
炉長方向Yに滑り降りるスロープ25は、図3(B)では、本体部20の長手方向に短く、幅が狭いが、より幅広く、本体部20の長手方向全体まで設けてもよい。このようなスロープ25を設けることにより、人手によらず、たとえば、据付精度の悪いクレーン等の重機により、直接配置しても、スロープ25により所定の据付位置近辺までガイドされ、微調整する距離を小さくすることができる。
ガイド機構2bと、ガイド機構2cを連結する場合も、取扱いのしやすさをかんがみると、それぞれに分離可能とし、各々で運搬できるようにすることが好ましい。分離できるようにすることで、作業者2名程度で手軽に持ち運びできるためのガイド機構の軽量化(<20kg)が可能となる。
なお、ガイド機構2bにクランプ装置23を設け、微調整するブロック1aを下すまでガイド機構2bを固定する場合も考えられる。その場合は、ガイド機構2cにより炉長方向Yに微調整するブロック1aを押し込んで据え付け位置を微調整する際は、ガイド機構2bがスライドすることができるように、ガイド機構2bに設けたクランプ装置23は緩めておく。
このように、本発明によれば、ブロック1の据付位置を精密に合わせることができる。
Claims (8)
- ブロックを積み上げて建築物を建設する際のブロックの水平方向の位置を所定の位置に合わせるガイド機構であって、
前記ガイド機構は、
ブロックの水平方向の一方向の長さよりも長い長尺状の本体部と、
前記本体部の一端側に設けられた側板と、
ブロックの水平方向位置を調整することができるブロック据付位置調整手段とを
備えることを特徴とするガイド機構。 - 前記ガイド機構は、前記側板が設けられた前記本体部の一端とは反対側の本体部の一端に設けられたクランプ装置と、
積み上げるブロックが滑り降りることによりある程度所定の位置に合わせることができる下方から上方に向けて斜めに開いたスロープを有することを特徴とする請求項1に記載のガイド機構。 - 前記スロープは、各々直行する方向にブロックの位置を合わせることができるように複数設けられていることを特徴とする請求項2に記載のガイド機構。
- 前記ブロック据付位置調整手段は、前記クランプ装置と同じ側の前記本体部の一端側に設けられ、前記側板側にブロックを押し込むことができるように設けられていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のガイド機構。
- 前記ブロック据付位置調整手段は、前記本体部の中央部に、前記本体部の長手方向と垂直方向に、ブロックを押し込むことができるように設けられていることを特徴とする請求項1に記載のガイド機構。
- 前記ブロック据付位置調整手段は、油圧ジャッキ、スクリュージャッキのいずれかまたは双方であることを特徴とする請求項1~請求項5のいずれか1項に記載のガイド機構。
- 前記ガイド機構は、請求項4に記載されたガイド機構と、請求項5に記載されたガイド機構を接続し、前記本体部の長手方向および垂直方向にブロックを押し込めるものであることを特徴とするガイド機構。
- ブロックを積み上げて建築物を建設する際のブロックの据付位置合わせ方法において、
前記ブロックの水平方向の一方向の位置を、所定の位置範囲に合わせる請求項1~請求項7のいずれか1項に記載のガイド機構と、
前記一方向と直角方向の位置を、所定の位置範囲に合わせる請求項1~請求項7のいずれか1項に記載のガイド機構と、
前記ブロックの垂直方向の位置を所定の位置に合わせるスペーサを配置し、
前記ブロックを、前記スペーサの上に載置し、前記ブロック据付位置調整手段により、スペーサの上に配置された前記ブロックの前記水平方向の位置を調整する
ことを特徴とするガイド機構によるブロックの据付位置合わせ方法。
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JP2018054472A JP7081248B2 (ja) | 2018-03-22 | 2018-03-22 | ガイド機構およびガイド機構によるブロックの据付位置合わせ方法 |
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Country Status (1)
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