JP7047653B2 - モルタル目地形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、モルタル目地形成方法に関する。
室炉式コークス炉においては、炭化室と燃焼室とが炉団長方向(炉幅方向)に交互に配置され、炭化室と燃焼室の上部には炉頂部、下部には蓄熱室が配列されている。燃焼室と蓄熱室との間の部分は蛇腹部ともいわれる。蓄熱室の下部にはソールフリューが配置されている。通常、炭化室の寸法は、炉高4~7.5m余、炉幅350~550mm、炉長13~17m程度である。燃焼室は炉長方向に配列された燃焼室フリュー列からなる。炭化室と燃焼室との隔壁および燃焼室フリュー同士の隔壁、炉頂部、蛇腹部、蓄熱室、ソールフリューは、いずれも耐火物煉瓦の煉瓦積み構造で形成される。例えば、炭化室を50室有する室炉式コークス炉(以下単に「コークス炉」という。)においては、上記耐火物煉瓦を合計で100万個用いて構成されている。
既存のコークス炉は、現在、全国的に、40年~50年の稼働期間を経て老朽化してきており、新たなコークス炉を建設する必要が迫ってきている。
コークス炉の建設は、従来、築炉工が耐火物煉瓦を手積みすることで行っている。手積みによる建設では、耐火物煉瓦の一つ一つにコテでモルタルを塗り、これを積み上げるという作業を繰り返し行う必要がある。さらに、コークス炉に使用される耐火物煉瓦は、一つあたり十数kgの重さがあり、これを積み上げる作業は極めて重労働といえる。
また、コークス炉は、様々な形状、大きさの多種類の耐火物煉瓦を複雑に組み合わせる必要があり、据付精度については、±2mm以内に抑える必要がある。そのためには、熟練した築炉工が大人数必要であるが、熟練した築炉工は高齢化し、大人数で確保することが難しくなってきている。
このような事情に対し、工期短縮による必要な築炉工の人数削減を目的とし、予め、築炉現場から離れた作業しやすい広い場所で、複数の耐火物煉瓦を所定の大きさまで積み上げてモルタルにより一体化した大ブロックとし、この大ブロックを築炉現場で組み込んでコークス炉を積み上げる、プレハブ工法が公知である(特許文献1~3)。
また、耐火物煉瓦を大ブロック化するには、粒状の耐火物組成物に水を加えて混練し、型枠に流し込んで、乾燥させることで耐火物の大ブロックを形成する、プレキャスト工法も公知である(特許文献4)。
プレハブ工法、あるいは、プレキャスト工法は、一つあたりの耐火物のブロックが大ブロックになったことにより、築炉現場で積み上げるブロック数が減少し、狭い築炉現場での作業が短縮されるため、作業効率が良く、築炉期間が短くなるとされている。特に、プレキャスト工法は、積み上げるブロック数そのものが減少するため、作業効率がよい。
特許文献5には、コークス炉用プレキャストブロック耐火物の好適な成分組成について開示されている。
特許文献6には、複数のレンガを組み立てたブロックを、接着部材を介して接合することによってコークス炉を建設する築炉方法であって、前記接合の際に、前記ブロックに振動を付与することを特徴とする、コークス炉の築炉方法が開示されている。
特開2015-081300号公報 特開2016-223647号公報 特開2016-222758号公報 特開2016-210643号公報 国際公開WO2017/146254号 特開2018-070693号公報
従来、プレハブ工法、プレキャスト工法であっても、なくとも、築炉現場で耐火物煉瓦やブロック(以下代表して「ブロック」という。)を積み上げる際には、耐火物のブロックにモルタルを先に塗る。その後、耐火物のブロックを積み上げて、耐火物のブロックに塗られたモルタルが、耐火物のブロック同士の目地を形成する。すなわち、従来は、全てこのような、モルタル先塗り工法である。
ブロック積み上げ時に形成される目地は、主に水平方向に向いている水平目地と、垂直方向に向いている縦目地とに分類することができる。
積み上げるブロックが大ブロックである場合、縦目地の上下方向長さが長くなり、所定の厚さに縦目地のモルタルを先塗りするためには高度な技術が要求される。
また、水平目地についても、モルタル先塗り工法では、炉高方向Zに所定の据付精度で築炉するために、必要な目地の厚さ通りに、均一にモルタルを塗布することが困難である。そのため、モルタル先塗り工法では、目地の厚さを所定の厚さに調整するため、揉み作業と呼ばれる作業が必要である。
揉み作業は、載置した耐火物のブロック上に、必要な目地の厚さと同じ厚さのスペーサを配置した上で、目標の目地の厚さよりもモルタルを厚めに塗布する。そして、別の耐火物のブロックをスペーサに当たるまで前後左右に往復させつつ(ぐりぐりと)押し込み、余分なモルタルを目地から押し出して排出する。
揉み作業は、耐火物のブロックを人手により動かすので、耐火物のブロックの一つあたりの大きさが最大1トンと大きい大ブロックとなったプレハブ工法やプレキャスト工法では、特に大人数が必要である。また、スペーサによって、炉高方向Z(垂直方向)は所定の目地の厚さに決定できるが、揉み作業により、炉幅方向X、炉長方向Y(水平方向)が所定の位置からずれる。コークス炉建設における据付精度は、炉幅方向X、炉長方向Y、炉高方向Zとも±2mm以内の据付精度が要求されるため、揉み作業には、ただ人数をそろえるだけでなく、据付位置を再調整して、据付精度良く耐火物のブロックを積み上げられる多くの築炉工が必要となる。
この、縦目地のモルタル先塗り、揉み作業や据付位置の再調整のため、プレハブ工法やプレキャスト工法で、一つあたりの耐火物のブロックを大ブロックとすることにより、築炉現場で積み上げるブロック数を減少させても、必ずしも、築炉現場で必要な築炉工の人数を減らすことができなかった。
そこで本発明者は、モルタルの手塗りと手揉み作業を行わず、モルタルを圧入して目地を形成することを試みた。
具体的には、大ブロックの水平方向の位置を所定の位置に合わせるガイド機構と、大ブロックの垂直方向の位置を所定の位置に合わせるスペーサを配置し、大ブロックを、スペーサの上で、ガイド機構に従った所定の位置に配置し、大ブロックを所定の位置に配置後、ガイド機構を取り除き、その後、目地の開口部にモルタル漏れ防止処理を施し、大ブロックに設けた所定の圧入口よりモルタルを圧入することによりモルタル目地を形成した。
その結果、据付精度良く、モルタルの手塗りと手揉み作業を行わず、モルタルを圧入して目地を形成することができた。
しかしながら、大ブロックの場合、圧入されたモルタルが、圧入口から流れなければならない距離が単純に長くなる。また、コークス炉のモルタル目地は、通常の土木作業のように10mm以上の厚さはなく、4mm程度の薄い厚さしかない。さらに、コークス炉は、様々な形状、大きさの多種類の耐火物のブロックを複雑に組み合わせる必要があるので、目地の形が複雑となり、圧入されたモルタルが流れる経路も複雑となる。そのため、十分にモルタルが行き渡らない部分が出やすい。
薄く、複雑な形状の目地にも、モルタルを十分に行きわたらせるには、モルタルを圧入する圧力を高圧にすることや、圧入するモルタルの水分量を増やし、モルタルを流れやすくする方法が挙げられる。あるいは、圧入口の数を増やしてモルタルの流れる距離を短くすることが考えられる。
しかしながら、これらの方法には以下の問題がある。
圧入するモルタルの圧力を高圧にし過ぎると、モルタルの圧力で大ブロックが浮き上がって、所定の位置からずれてしまい、据付精度が悪くなる場合がある。また、目地の開口部に施したモルタル漏れ防止のためのシールが破れて、モルタルが漏れ出す場合もある。
モルタルの水分量を増やすと、モルタルが固まるまでの時間が長くなり、また、モルタルがるが固まった後も、水分量が少ないモルタルを使用した場合に比べて強度が低下する。
圧入口の数を増やすと、大ブロックの形状がさらに複雑化するため製造コストが上昇し、また、モルタルの圧入に時間がかかる。
本発明は、上記のようなことをかんがみ、大ブロックを積み上げてコークス炉等の建築物を建設する際のモルタル目地形成方法において、圧入の圧力を高圧化せず、モルタルの水分量を増やさずに、モルタルを圧入する距離が長く、厚さが薄く、複雑な形状のモルタル目地を形成するためのモルタル注入を行えるモルタル目地形成方法を提供することを目的とする。
本発明の課題を解決するための要旨は以下のとおりである。
(1)一つあたり300kg以上の耐火物の大ブロックを積み上げて建築物を建設する際のモルタル目地形成方法において、
前記大ブロックの水平方向の位置を所定の位置に合わせるガイド機構と、
前記大ブロックの垂直方向の位置を所定の位置に合わせるスペーサを配置し、
前記大ブロックを、前記スペーサの上で、前記ガイド機構に従った所定の位置に配置し、
前記大ブロックを所定の位置に配置後、前記ガイド機構を取り除き、
その後、目地の開口部にモルタル漏れ防止処理を施し、
前記大ブロックにバイブレータを設置し前記大ブロックを振動させつつ、
前記大ブロック又は目地部に設けた所定の圧入口よりモルタルを圧入する
ことを特徴とするモルタル目地形成方法。
(2)前記振動が、周波数20~100Hzの範囲でブロックの片振幅が0.1mm以上となる振動のエネルギーであることを特徴とする(1)に記載のモルタル目地形成方法。
(3)水平目地のモルタルについては前記大ブロックを所定の位置に配置する前に先塗りし、縦目地のモルタルについては前記目地の開口部にモルタル漏れ防止処理を施した後に前記目地部に設けた圧入口よりモルタルを圧入することを特徴とする(1)又は(2)に記載のモルタル目地形成方法。
本発明によれば、圧入の圧力を高圧化せず、モルタルの水分量を増やさずとも、モルタルを圧入する距離が長く、厚さが薄く、複雑な形状のモルタル目地をモルタル圧入により形成する事ができる。
大ブロックを所定の位置に配置する工程を説明する斜視図である。 (A)大ブロックを所定の位置に配置する工程について、炉幅方向Xの側面図である。(B)大ブロックを所定の位置に配置する工程について、炉長方向Yの側面図である。 (A)配置された大ブロックの上面図である。(B)配置された大ブロックの側面図である。 (A)配置された大ブロックの目地の開口部をシールし、大ブロックにバイブレータを設置したことを示す側面図である。(B)配置された大ブロックの目地に流れるモルタルの流れを示した概念図である。 モルタルが行き渡るポンプ圧と目地部圧を、振動の有無により比較した図である。 縦目地にモルタルを圧入する場合を示す図であり、(A)は平面図、(B)は側面図である。
以下、コークス炉を建設する場合のモルタル目地形成を例に説明するが、本発明は、以下の例や、コークス炉の建設に限定されるものではない。
本発明は、大ブロックを積み上げる発明であることが前提である。大ブロックとは、一つの単位が300kg以上にまとまった耐火物のブロックをいう。より好ましくは一つの単位が800kg以上の大ブロックとすることである。この大ブロックは、プレハブ工法により、複数の耐火物のブロックをモルタルにより結合させ一体化したものでもよいし、プレキャスト工法により大型の耐火物の大ブロックを直接製造したものでもよい。大ブロックとすることにより築炉現場での作業負担が軽減されるため、効率よく築炉を行うことができる。
コークス炉の燃焼室を構成する場合は、大ブロックは、高さが炭化室高さの1/20以上、幅が燃焼室の幅(炉幅方向X)に等しいことが好ましい。
コークス炉の蓄熱室を構成する場合は、大ブロックは、高さが蓄熱室高さの1/6以上、幅が蓄熱室の幅(炉幅方向X)の1/2以上であることが好ましい。
コークス炉のソールフリューを構成する場合は、大ブロックは、高さがソールフリュー高さの1/2以上、幅が1組のソールフリューの幅(炉幅方向X)の1/2以上であることが好ましい。
コークス炉の燃焼室、蓄熱室、ソールフリューを構成する場合、大ブロックの大きさは、高さ750mm以下、幅(炉幅方向X)1000mm以下、長さ(炉高方向Z)2000mm以下であることが好ましい。
本発明の室炉式コークス炉に用いる大型プレキャスト耐火物ブロックは、高い熱間強度と、高温時における荷重下膨張挙動が安定な性質が要求される。このような品質を実現するため、以下のような原料構成とすると好ましい。即ち、特許文献5に記載のように、主成分としてのSiO2成分の含有量は概ね65質量%以上99質量%以下であり、P25成分を0.3質量%以上2質量%以下含有する。SiO2成分源として、溶融シリカの配合量は65質量%以上、珪石の配合量は17質量%以下、ヒュームドシリカの配合量は0.5質量%以上15質量%以下であることが好ましい。溶融シリカの配合量は65質量%以上とすることで、乾燥時の脱水による収縮を打ち消すことができる。P25成分は結合剤成分として機能する。結合剤成分としてP25成分を適用することで、高い熱間強度を維持しつつ、高温時における荷重下膨縮挙動を安定に制御できる。アルカリ土類金属化合物の配合量は、0.05質量%以上が好ましく、1.9質量%以下であることが好ましい。原料配合として上述のシリカ質原料及びリン酸塩を配合し、また必要に応じて、有機繊維、分散剤、硬化促進剤、硬化遅延剤、焼結補助剤等を配合し、得られた原料配合物に適量の施工水を添加したうえで、混練、成形、養生、脱型するという、通常の大型プレキャスト耐火物ブロック耐火物の製造方法によって得ることができる。
積み上げる一つ一つの耐火物のブロックが、大ブロックとなったことにより、一つあたりの重量が大きくなるので、従来のように、手積みでこの大ブロックを積み上げることが難しくなる。また、大ブロックの目地を形成するモルタルを手塗りしたり、モルタルの手揉み作業を行うことや、据付位置を再調整し、据付精度を高めることも難しい。
そこで、本発明では、モルタルの手塗りと手揉み作業を行わず、モルタルを圧入して目地を形成する。
具体的な手順について、以下に詳細に説明する。
図1は、炉高方向Zに三つの孔を有する大ブロック1を、所定の位置に配置しようとする図であり、図2は、その側面図、図3(A)は、所定の位置に配置した大ブロック1を上面から見た上面図、図3(B)は、側面から見た側面図である。
大ブロック1は重量が大きいので、クレーン等の重機により、積み上げることになる。重機を使用するので、築炉工が手積みしなければならない負担が減り、必要な築炉工の人数を減らすことができる。
ところが、重機で大ブロック1を所定の位置に配置する場合、重機の据付精度は±10mmと、コークス炉建設に必要な据付精度である±2mmに足りない。また、作業員の安全も確保しなければならない。
そこで、重機により、安全に精度良く所定の位置に大ブロック1を配置するために、図1、2に示したガイド機構2と、図1~3に示したスペーサ3を配置する。ガイド機構2は、大ブロック1を配置する際に、水平方向、すなわち、炉幅方向Xおよび炉長方向Yの所定の位置を合わせ、スペーサ3は、垂直方向、すなわち、炉高方向Zの位置を所定の位置に合わせる。このガイド機構2とスペーサ3の配置後、大ブロック1を重機により所定位置に配置する。ここで、所定の大ブロック1を配置する前であれば、ガイド機構2とスペーサ3を配置する順序については特に限定されない。
ガイド機構2を配置することにより、据付精度の低い重機で大ブロック1を配置しても、炉幅方向Xおよび炉長方向Yについて、所定の位置に±2mmの据付精度で配置することができる。さらに、人手による精密な据付精度とするための再調整が必要ないので、大ブロック1の下で人が作業する必要がなく、安全に大ブロック1を配置できる。
このガイド機構2は、たとえば、図1、2に示したように、下方から上方(炉高方向Z)に向けて斜めに開いた板状とすることができる。このような斜めに開いた板状とすれば、この開いた板の面を大ブロック1がすべり降りることにより、水平方向位置を所定の位置、すなわち、所定の炉幅方向Xおよび炉長方向Yの位置に大ブロック1を収めることができる。この下方から上方に向けて斜めに開いた面は、一つのガイド機構2において、炉幅方向Xおよび炉長方向Yについてそれぞれに形成してもよい。また、炉幅方向Xを合わせるガイド機構2と、炉長方向Yを合わせるガイド機構2の二種類を各々配置してもよい。
一方、垂直方向位置を所定の位置、すなわち、炉高方向Zの所定の位置に合わせることは、図3に示したように、大ブロック1同士の間にスペーサ3を所定の位置に配置して行う。スペーサ3は、炉高方向Zの目地4の厚さを所定の厚さに調整する役目も有する。なお、スペーサ3は、目地4を形成した後も目地4の中に残留する。そのため、スペーサ3は、目地を形成するモルタルと同じ材質となるように、モルタルを固めて製造することが好ましい。
図3のように、大ブロック1を所定の位置に配置したら、ガイド機構2は取り除く。ガイド機構2を取り除かないと、モルタルを圧入することができない。配置された大ブロック1は、スペーサ3の上に載置されており、ガイド機構2上には載っていないので、大ブロック1配置後にガイド機構2を取り除くことができる。
ガイド機構2を取り除いた後、図4(A)に示したように、目地4の開口部に、シールテープ5等によりモルタル漏れ防止処理を施す。図4(A)では図示を省略しているが、水平方向の目地4のみでなく、垂直方向の目地4の開口部にもシールし、垂直方向の目地4にもモルタルが圧入できるようにする。その後、大ブロック1に設けた所定の圧入口6よりモルタルを圧入するが、この際には、設置金具8によって大ブロック1に設置したバイブレータ9により大ブロック1を振動させる。モルタルはキチソトロピー(せん断応力を受けると粘性が低下する特性)を有するので、大ブロック1を振動させることによりモルタルの粘性が低下すると推定できる。モルタルの粘度が低下すれば、圧入口6より圧入されたモルタルは、図4(B)に示したように、モルタルの流れ7として厚さが薄く、複雑な形状の目地4内にスムーズに行き渡り、目地4を形成する。ここで、振動の周波数や振幅は、大ブロック1の大きさや、目地4の長さや形状により決定すればよいが、たとえば、周波数20~100Hzの範囲でブロックの片振幅が0.1mm以上となる振動のエネルギーであることが好ましい。また、モルタルに振動を与えられれば、バイブレータ9を設置する場所は特に限定されない。コークス炉を建設する場合、目地4の厚さは、2~6mmが好ましく、より好ましくは、4mmである。
このように、本発明では、モルタル施工を大ブロック1の配置後に圧入により行うことで、モルタルの手塗りおよびモルタルの揉み作業を不要とできる。そして、大ブロック1を配置した後は、動かさないため、据付精度を出すための据付位置の再調整も不要となる。そのため、築炉工は、大ブロック1を配置するために重機を操作する機械工の監督を行えばよいので、必要な築炉工の人数を大幅に削減できる。さらに、圧入中に大ブロック1を振動させてモルタルの粘度が低下することが期待できるので、水分量を増やさせず、圧力を高くしなくとも、厚さが薄く、複雑な形状の目地4内にスムーズにモルタルを圧入することができる。
図6は、水平目地4Hのモルタルについては大ブロック1を所定の位置に配置する前に先塗りし、縦目地4Vのモルタルについては目地の開口部にモルタル漏れ防止処理を施した後に目地部に設けた圧入口6よりモルタルを圧入する、本発明のモルタル目地形成方法を示している。水平目地4Hについては、大ブロック1を所定の位置に配置する前に、すでに載置した耐火物のブロック上に、必要な目地の厚さと同じ厚さのスペーサを配置した上で、目標の目地の厚さよりもモルタルを厚めに塗布しておく(先塗り)。縦目地4Vには、モルタルの先塗りは行わない。大ブロック1を載置した後の揉み作業は必要となるが、縦目地に所定の厚さ精度でモルタルを先塗りすることは必要なくなる。
以上の準備と、大ブロックの水平方向の位置を所定の位置に合わせるガイド機構の配置とを行い、大ブロックを所定の位置に配置後、ガイド機構を取り除き、縦目地4Vの開口部にシールテープ5等によりモルタル漏れ防止処理を施す。大ブロックの側面に開口する縦目地4Vにシールテープ5を設けるとともに、大ブロックの上面に開口する縦目地4Vについては、一部を残してその他の部分についてシールテープ5等によりモルタル漏れ防止処理を施す。大ブロックの上面に開口する縦目地4Vのうち、シールテープ5を設けなかった部分が、モルタルの圧入口6となる。その後、圧入口6よりモルタルを圧入する。この際には、設置金具8によって大ブロック1に設置したバイブレータ9により大ブロック1を振動させる。圧入口6より圧入されたモルタルは縦目地4V内に行き渡り、目地4を形成する。
簡易ブロックを用いた実験を行い、振動の有無による効果を確認した。
実験は、炉幅方向Xの長さ900mm、炉長方向Yの長さ1200mm、炉高方向Zの長さ400mmの大きさとした大ブロック1を用い、目地4の厚さ4mmとして、モルタルが行き渡るポンプ圧と目地部圧を測定した。
振動を与える場合、ユーラステクノ社製、製品名標準型ユーラスバイブレータ KEE2-2C(最大振動力 2kN)のバイブレータ9を用いた。
結果を図5に示した。振動がない場合、大ブロック1の浮き上がり限界圧力までポンプ圧を上げないとモルタルが行き渡らないのに対し、振動を与えると、モルタルを行き渡らせることができるポンプ圧と目地部圧が顕著に減少した。
以上のように、本発明により、耐火物のブロックの積み上げ作業を、大ブロック化し、機械化し、モルタルを圧入するのでモルタルの施工効率が向上し、築炉工等の煉瓦職人の労力を低減でき、据付精度も良好であるので、大ブロック1を積み上げた建築物の建設を安価で安全に、短い工期で行うことができる。また、圧入中に大ブロック1を振動させてモルタルの粘度が低下するので、水分量を増やさずに、圧力を高くしなくとも、厚さが薄く、複雑な形状の目地4内にスムーズにモルタルを圧入することができる。
1…大ブロック、2…ガイド機構、3…スペーサ、4…目地、4H…水平目地、4V…縦目地、5…シールテープ、6…圧入口、7…モルタルの流れ、8…設置金具、9…バイブレータ、X…炉幅方向、Y…炉長方向、Z…炉高方向

Claims (3)

  1. 一つあたり300kg以上の耐火物の大ブロックを積み上げて建築物を建設する際のモルタル目地形成方法において、
    前記大ブロックの水平方向の位置を所定の位置に合わせるガイド機構と、
    前記大ブロックの垂直方向の位置を所定の位置に合わせるスペーサを配置し、
    前記大ブロックを、前記スペーサの上で、前記ガイド機構に従った所定の位置に配置し、
    前記大ブロックを所定の位置に配置後、前記ガイド機構を取り除き、
    その後、目地の開口部にモルタル漏れ防止処理を施し、
    前記大ブロックにバイブレータを設置し前記大ブロックを振動させつつ、
    前記大ブロック又は目地部に設けた所定の圧入口よりモルタルを圧入する
    ことを特徴とするモルタル目地形成方法。
  2. 前記振動が、周波数20~100Hzの範囲でブロックの片振幅が0.1mm以上となる振動のエネルギーであることを特徴とする請求項1に記載のモルタル目地形成方法。
  3. 水平目地のモルタルについては前記大ブロックを所定の位置に配置する前に先塗りし、縦目地のモルタルについては前記目地の開口部にモルタル漏れ防止処理を施した後に前記目地部に設けた圧入口よりモルタルを圧入することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のモルタル目地形成方法。
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