JP7073973B2 - モルタル目地形成方法 - Google Patents
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Description
コークス炉の建設は、従来、築炉工が耐火物煉瓦を手積みすることで行っている。手積みによる建設では、耐火物煉瓦の一つ一つにコテでモルタルを塗り、これを積み上げるという作業を繰り返し行う必要がある。さらに、コークス炉に使用される耐火物煉瓦は、一つあたり十数kgの重さがあり、これを積み上げる作業は極めて重労働といえる。
また、コークス炉は、様々な形状、大きさの多種類の耐火物煉瓦を複雑に組み合わせる必要があり、据付精度については、±2mm以内に抑える必要がある。そのためには、熟練した築炉工が大人数必要であるが、熟練した築炉工は高齢化し、大人数で確保することが難しくなってきている。
また、耐火物煉瓦を大ブロック化するには、粒状の耐火物組成物に水を加えて混練し、型枠に流し込んで、乾燥させることで耐火物の大ブロックを形成する、プレキャスト工法も公知である(特許文献4)。
プレハブ工法、あるいは、プレキャスト工法は、一つあたりの耐火物のブロックが大ブロックになったことにより、築炉現場で積み上げるブロック数が減少し、狭い築炉現場での作業が短縮されるため、作業効率が良く、築炉期間が短くなるとされている。特に、プレキャスト工法は、積み上げるブロック数そのものが減少するため、作業効率がよい。
特許文献5には、コークス炉用プレキャストブロック耐火物の好適な成分組成について開示されている。
積み上げるブロックが大ブロックである場合、縦目地の上下方向長さが長くなり、所定の厚さに縦目地のモルタルを先塗りするためには高度な技術が要求される。
揉み作業は、載置した耐火物のブロック上に、必要な目地の厚さと同じ厚さのスペーサを配置した上で、目標の目地の厚さよりもモルタルを厚めに塗布する。そして、別の耐火物のブロックをスペーサに当たるまで前後左右に往復させつつ(ぐりぐりと)押し込み、余分なモルタルを目地から押し出して排出する。
(1)一つあたり300kg以上の耐火物の大ブロックを積み上げて建築物を建設する際のモルタル目地形成方法において、
前記大ブロックの水平方向の位置を所定の位置に合わせるガイド機構と、
前記大ブロックの垂直方向の位置を所定の位置に合わせるスペーサを配置し、
前記大ブロックを、前記スペーサの上で、前記ガイド機構に従った所定の位置に配置し、
前記大ブロックを所定の位置に配置後、前記ガイド機構を取り除き、
その後、目地の開口部にモルタル漏れ防止処理を施し、
前記大ブロック又は目地部に設けた所定の圧入口よりモルタルを圧入する
ことを特徴とするモルタル目地形成方法。
(2)水平目地のモルタルについては前記大ブロックを所定の位置に配置する前に先塗りし、縦目地のモルタルについては前記目地の開口部にモルタル漏れ防止処理を施した後に前記目地部に設けた圧入口よりモルタルを圧入することを特徴とする(1)に記載のモルタル目地形成方法。
コークス炉の燃焼室を構成する場合は、大ブロックは、高さが炭化室高さの1/20以上、幅が燃焼室の幅(炉幅方向X)に等しいことが好ましい。
コークス炉の蓄熱室を構成する場合は、大ブロックは、高さが蓄熱室高さの1/6以上、幅が蓄熱室の幅(炉幅方向X)の1/2以上であることが好ましい。
コークス炉のソールフリューを構成する場合は、大ブロックは、高さがソールフリュー高さの1/2以上、幅が1組のソールフリューの幅(炉幅方向X)の1/2以上であることが好ましい。
コークス炉の燃焼室、蓄熱室、ソールフリューを構成する場合、大ブロックの大きさは、高さ750mm以下、幅(炉幅方向X)1000mm以下、長さ(炉高方向Z)2000mm以下であることが好ましい。
そこで、本発明では、モルタルの手塗りと手揉み作業を行わず、モルタルを圧入して目地を形成する。
図1は、炉高方向Zに三つの孔を有する大ブロック1を、所定の位置に配置しようとする図であり、図2は、その側面図、図3(A)は、所定の位置に配置した大ブロック1を上面から見た上面図、図3(B)は、側面から見た側面図である。
ところが、重機で大ブロック1を所定の位置に配置する場合、重機の据付精度は±10mmと、コークス炉建設に必要な据付精度である±2mmに足りない。また、作業員の安全も確保しなければならない。
Claims (2)
- 一つあたり300kg以上の耐火物の大ブロックを積み上げて建築物を建設する際のモルタル目地形成方法において、
前記大ブロックの水平方向の位置を所定の位置に合わせるガイド機構と、
前記大ブロックの垂直方向の位置を所定の位置に合わせるスペーサを配置し、
前記大ブロックを、前記スペーサの上で、前記ガイド機構に従った所定の位置に配置し、
前記大ブロックを所定の位置に配置後、前記ガイド機構を取り除き、
その後、目地の開口部にモルタル漏れ防止処理を施し、
前記大ブロック又は目地部に設けた所定の圧入口よりモルタルを圧入する
ことを特徴とするモルタル目地形成方法。 - 水平目地のモルタルについては前記大ブロックを所定の位置に配置する前に先塗りし、縦目地のモルタルについては前記目地の開口部にモルタル漏れ防止処理を施した後に前記目地部に設けた圧入口よりモルタルを圧入することを特徴とする請求項1に記載のモルタル目地形成方法。
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