JP2019112503A - 室炉式コークス炉の築炉方法及び室炉式コークス炉の耐火物構造 - Google Patents

室炉式コークス炉の築炉方法及び室炉式コークス炉の耐火物構造 Download PDF

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道隆 境田
健一 川野
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健一 川野
中村 宏
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宏 中村
幸也 中居
Yukiya Nakai
幸也 中居
正起 福永
Masaki Fukunaga
正起 福永
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Abstract

【課題】コークス炉の煉瓦構築に際し、熟練した築炉工の所要人数を十分に低減するとともに、燃焼室煉瓦壁の変位を低減し、目地部が少ない炉壁構造として、原料炭コストを増大することなく、コークス押出時の耐火物損傷を回避して炉寿命を延長する。【解決手段】燃焼室3、さらには蓄熱室4、さらにはソールフリュー5を構成する耐火物の90%(質量比)以上について、大型プレキャスト耐火物ブロック6を用いて築炉することを特徴とする室炉式コークス炉の築炉方法及び室炉式コークス炉の耐火物構造である。ここで大型プレキャスト耐火物ブロック6とは、不定形耐火物を一体成形してなる耐火物ブロックである。【選択図】図1

Description

本発明は、室炉式コークス炉の築炉方法及び室炉式コークス炉の耐火物構造に関するものである。
室炉式コークス炉においては、炭化室と燃焼室とが炉団長方向に交互に配置され、炭化室と燃焼室の上部には炉頂部、下部には蓄熱室が配列されている。燃焼室と蓄熱室との間の部分は蛇腹部ともいわれる。蓄熱室の下部にはソールフリューが配置されている。通常、炭化室の寸法は、炉高4〜7.5m余、炉幅350〜550mm、炉長13〜17m程度である。燃焼室は炉長方向に配列された燃焼室フリュー列からなる。炭化室と燃焼室との隔壁及び燃焼室フリュー同士の隔壁、炉頂部、蛇腹部、蓄熱室、ソールフリューは、いずれも煉瓦積み構造で形成される。
室炉式コークス炉に用いられる耐火物としては、高温領域で機械的強度が大きく、かつ体積変化が少なく、熱伝導性が比較的良好であるとともに、材料が安価で大量に入手できる等の理由から、その多くが珪石煉瓦で構築されている。耐火物として用いる珪石煉瓦は、原料の珪石を焼成して製造する焼成煉瓦であり、高さは100〜150mm、長さと幅は例えば燃焼室であれば燃焼室フリューの形状から定まり、1個あたりの質量は20kg弱である。煉瓦と煉瓦の合わせ面を構成する目地にはモルタルを充填して耐火物構造が構築される。例えば、炭化室を50室有する室炉式コークス炉においては、上記硅石煉瓦を合計で100万個用いて、耐火物構造が構成されている。
炭化室と燃焼室の炉長方向端部を構成する煉瓦は、炉蓋の開放のたびに温度が低下し、これにともなって煉瓦が損傷しやすく、損傷が進行すると煉瓦の積み替えによる補修が行われている。特許文献1には、大型型成形モジュールを使用してコークス炉を修理する方法が開示されている。炉長方向端部(特許文献1のアイ・ビーム端部)の修理において、大型型成形モジュールが使用される。
特許文献2には、所定の成分組成の粒状の耐火物組成物に水を加えて混練し、型枠に流し込んで、乾燥させてなる耐火物コンクリートブロックが開示されている。コークス炉の窯口付近の炉壁を構築する材料として好適に使用することができるとしている。このように、粒状の耐火物組成物に水を加えて混練し、型枠に流し込んで、乾燥させることで耐火物ブロックを形成する方法を、以下「プレキャスト方式」と呼ぶ。
室炉式コークス炉の新設時、あるいは室炉式コークス炉の老朽化に対応して耐火物構造全体を更新するに際しては、上記硅石煉瓦を、一つ一つ手積みで積み上げて構築する手積み工法が用いられる。手積み工法は、煉瓦積みの専門職である築炉工によって作業が行われる。
室炉式コークス炉は、製鉄所構内に設けられ、当該製鉄所の高炉で使用するコークスを製造している。従って、既設の室炉式コークス炉を老朽更新するに際しては、老朽更新のための休止中には別の手段でコークスを手配することが必要となるので、老朽更新のための休止期間をできるだけ短縮することが要請される。硅石煉瓦を手積み工法で積み上げる作業はすべて手作業であるため、築炉期間を短縮するためには、膨大な人数の熟練した築炉工によって作業を行う必要がある。しかし、熟練した築炉工の人数には限りがあるため、短期間で築炉を行うために十分な人数の築炉工を確保することが困難となる。
また、手積み工法による築炉作業は、労働集約型作業であることに加え、作業を行う築炉工は上述のように熟練した技能を要求されるため、将来はさらに築炉工の確保が困難となることが予想される。
特許文献3には、炉体構築現場から離れた別地において、平面方向に複数の煉瓦を並べ、さらに上下方向に複数段積層された複数の煉瓦壁モジュールを予め形成し、炉体築造現場において、当該複数の煉瓦壁モジュールを積層して煉瓦壁を形成する、コークス炉の炉体構築方法が開示されている。一つの煉瓦壁、例えば炉長方向1列の燃焼室を構成する煉瓦構築物に対して5個の煉瓦壁モジュールを積層する場合、一つの煉瓦壁について最大で5個の煉瓦壁モジュールを別地で同時進行で形成することができる。以下、複数の煉瓦を別地で構築して煉瓦壁モジュールを予め形成する方法を、「プレハブ方式」とも呼ぶ。
特許文献4には、コークス炉の建設方法において、コークス炉基礎上に、蓄熱室内の仕切り壁とギッターれんがを除いて、少なくとも炉床、ソールフリュー部、蓄熱室及び蛇腹部を、耐火物ブロックを使用して施工した後、蓄熱室内の仕切り壁とギッターれんがの施工を行うことを特徴とするコークス炉の建設方法が開示されている。さらに炭化室及び燃焼室、並びに炉頂部もコークス炉を炉長方向及び/又は高さ方向に分割した形状を有する大型ブロックを使用して施工する。炭化室及び燃焼室の施工に使用する耐火物ブロックとして大型ブロックが用いられ、プッシャーサイド側及びコークサイド側の端窯部分をプレキャストブロックとし、窯の中央部分をプレライニングブロック(プレハブ方式で煉瓦を組み合わせたブロック)として一体化した一体化物を使用している。コークス炉においてコークスの押し出し作業時には、プッシャーサイド側及びコークサイド側の端窯部分は、窯の中央部分と比べ、熱スポーリングによる損傷を受けやすい。したがって、炭化室及び燃焼室の施工に使用する大型ブロックとしては、プッシャーサイド側及びコークサイド側の端窯部分をプレキャストブロックとし、窯の中央部分をプレライニングブロックとして一体化した一体化物を使用することが好ましいとしている。ここでプレキャストブロックとは、上記定義したプレキャスト方式で形成された大型ブロックを意味し、プレライニングブロックとは、上記定義したプレハブ方式で形成した大型ブロックを意味している。
特許文献5には、コークス炉用プレキャストブロック耐火物の好適な成分組成について開示されている。
特開平5−230466号公報 特開2016−210643号公報 特開2015−81300号公報 特開2016−222758号公報 国際公開WO2017/146254号
コークス炉の煉瓦構築に際し、硅石煉瓦をコークス炉内において手積み方式で構築することに比較し、炉外においてプレハブ方式によって煉瓦壁モジュールを形成することにより、熟練した築炉工の必要人数を多少は低減することができるが、炉内・炉外作業における築炉工の所要人数はまだ十分に低減することができない。本発明は、コークス炉の煉瓦構築に際し、熟練した築炉工の所要人数を十分に低減することのできる、室炉式コークス炉の築炉方法及び室炉式コークス炉の耐火物構造を提供することを第1の目的とする。
室炉式コークス炉の炭化室でコークスを乾留するに際し、乾留中においてコークスが膨張し、炭化室両側の燃焼室煉瓦壁には、炭化室の炉壁間隔を増大させようとする圧力がかかる。硅石煉瓦によって築造した燃焼室煉瓦壁が、膨張圧によって変位する。その結果、当該乾留中の炭化室に隣接する炭化室において、乾留完了後のコークスの押し出しを行おうとすると、燃焼室耐火物の変位によって押し出し中の炭化室の押し出し抵抗が増大し、押し出し中の炭化室炉壁煉瓦が損傷し、あるいは押し出しが困難となることがある。乾留中の膨張圧が増大しないように原料炭を厳選すると、原料炭コストが増大することとなる。また、燃焼室煉瓦壁の目地部にはカーボン付着が発生し易く、目地にカーボンが付着すると、押し出し抵抗の増大原因となる。本発明は、燃焼室耐火物の剛性増大により、燃焼室煉瓦壁の変位を低減するとともに、目地部が少ない炉壁構造として、原料炭コストを増大することなく、コークス押出時の耐火物損傷を回避して炉寿命延長効果を発揮することを第2の目的とする。
即ち、本発明の要旨とするところは以下のとおりである。
(1)炭化室と燃焼室が炉団長方向に交互に配列され、炭化室と燃焼室の下部には蓄熱室が配列された室炉式コークス炉の築炉方法であって、燃焼室を構成する耐火物の90%(質量比)以上について、燃焼室大型プレキャスト耐火物ブロックを用いて築炉することを特徴とする室炉式コークス炉の築炉方法。
ここで燃焼室大型プレキャスト耐火物ブロックとは、高さが炭化室高さの1/20以上、長さ(炉長方向)が燃焼室1フリュー長以上、幅(炉団長方向)が燃焼室の幅に等しく、不定形耐火物を一体成形してなる耐火物ブロックである。
(2)さらに、蓄熱室を構成する耐火物の90%(質量比)以上について、蓄熱室大型プレキャスト耐火物ブロックを用いて築炉することを特徴とする上記(1)に記載の室炉式コークス炉の築炉方法。
ここで蓄熱室大型プレキャスト耐火物ブロックとは、高さが蓄熱室高さの1/6以上、長さが燃焼室1フリュー長以上であり、不定形耐火物を一体成形してなる耐火物ブロックである。
(3)さらに、蓄熱室下部のソールフリューを構成する耐火物の90%(質量比)以上について、ソールフリュー大型プレキャスト耐火物ブロックを用いて築炉することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の室炉式コークス炉の築炉方法。
ここでソールフリュー大型プレキャスト耐火物ブロックとは、高さがソールフリュー高さの1/2以上、長さが燃焼室1フリュー長以上、幅が1組のソールフリューの幅(炉団長方向)の1/2以上であり、不定形耐火物を一体成形してなる耐火物ブロックである。
(4)さらに、燃焼室の上部の炉頂部、燃焼室と蓄熱室の間の蛇腹部の一方又は両方を構成する耐火物の少なくとも一部について、炉頂部大型プレキャスト耐火物ブロック、蛇腹部大型プレキャスト耐火物ブロックの一方又は両方を用いて築炉することを特徴とする上記(1)から(3)までのいずれか一つに記載の室炉式コークス炉の築炉方法。
ここで炉頂部大型プレキャスト耐火物ブロックとは、炉幅方向は燃焼室幅以上であり、蛇腹部大型プレキャスト耐火物ブロックとは、高さが蛇腹部高さの1/2以上、長さが燃焼室1フリュー長以上であり、不定形耐火物を一体成形してなる耐火物ブロックである。
(5)前記燃焼室大型プレキャスト耐火物ブロック、蓄熱室大型プレキャスト耐火物ブロック、ソールフリュー大型プレキャスト耐火物ブロック、炉頂部大型プレキャスト耐火物ブロック、蛇腹部大型プレキャスト耐火物ブロックの大きさが、高さ750mm以下、幅(炉団長方向)1000mm以下、長さ(炉頂方向)2000mm以下であることを特徴とする上記(1)から(4)までのいずれか一つに記載の室炉式コークス炉の築炉方法。
(6)炭化室と燃焼室が炉団長方向に交互に配列され、炭化室と燃焼室の下部には蓄熱室が配列された室炉式コークス炉の耐火物構造であって、燃焼室を構成する耐火物の90%(質量比)以上が燃焼室大型プレキャスト耐火物ブロックで形成されてなることを特徴とする室炉式コークス炉の耐火物構造。
ここで燃焼室大型プレキャスト耐火物ブロックとは、高さが炭化室高さの1/20以上、長さが燃焼室1フリュー長以上、幅が燃焼室の幅(炉団長方向)に等しく、不定形耐火物を一体成形してなる耐火物ブロックである。
(7)さらに、蓄熱室を構成する耐火物の90%(質量比)以上が蓄熱室大型プレキャスト耐火物ブロックで形成されてなることを特徴とする上記(6)に記載の室炉式コークス炉の耐火物構造。
ここで蓄熱室大型プレキャスト耐火物ブロックとは、高さが蓄熱室高さの1/6以上、長さ(炉長方向)が燃焼室1フリュー長以上、幅(炉団長方向)が蓄熱室の幅の1/2以上であり、不定形耐火物を一体成形してなる耐火物ブロックである。
(8)さらに、蓄熱室下部のソールフリューを構成する耐火物の90%(質量比)以上がソールフリュー大型プレキャスト耐火物ブロックで形成されてなることを特徴とする上記(6)又は(7)に記載の室炉式コークス炉の耐火物構造。
ここでソールフリュー大型プレキャスト耐火物ブロックとは、高さがソールフリュー高さの1/2以上、長さが燃焼室1フリュー長以上、幅が1組のソールフリューの幅(炉団長方向)の1/2以上であり、不定形耐火物を一体成形してなる耐火物ブロックである。
(9)さらに、燃焼室の上部の炉頂部、燃焼室と蓄熱室の間の蛇腹部の一方又は両方を構成する耐火物の少なくとも一部が、炉頂部大型プレキャスト耐火物ブロック、蛇腹部大型プレキャスト耐火物ブロックの一方又は両方で形成されてなることを特徴とする上記(6)から(8)までのいずれか一つに記載の室炉式コークス炉の耐火物構造。
ここで炉頂部大型プレキャスト耐火物ブロックとは、炉幅方向は燃焼室幅以上であり、蛇腹部大型プレキャスト耐火物ブロックとは、高さが蛇腹部高さの1/2以上、長さが燃焼室1フリュー長以上であり、不定形耐火物を一体成形してなる耐火物ブロックである。
(10)前記燃焼室大型プレキャスト耐火物ブロック、蓄熱室大型プレキャスト耐火物ブロック、ソールフリュー大型プレキャスト耐火物ブロック、炉頂部大型プレキャスト耐火物ブロック、蛇腹部大型プレキャスト耐火物ブロックの大きさが、高さ750mm以下、幅(炉団長方向)1000mm以下、長さ(炉頂方向)2000mm以下であることを特徴とする上記(6)から(9)までのいずれか一つに記載の室炉式コークス炉の耐火物構造。
本発明は、燃焼室、さらには蓄熱室、さらにはソールフリュー、さらには炉頂部、蛇腹部を構成する耐火物の大部分について大型プレキャスト耐火物ブロックを用いて築炉することにより、コークス炉の煉瓦構築に際し、熟練した築炉工の所要人数を十分に低減することができる。また、燃焼室煉瓦壁の変位を低減するとともに、目地部が少ない炉壁構造として、原料炭コストを増大することなく、コークス押出時の耐火物損傷を回避して炉寿命を延長することができる。
本発明の大型プレキャスト耐火物ブロックを用いて構築したコークス炉の耐火物構造の一例を示す部分斜視図である。 コークス炉の耐火物構造の一部を示す部分斜視図であり、(A)は本発明、(B)は従来例を示す。 石炭膨張圧と燃焼室壁の変形量について、プレキャスト耐火物ブロック(高さ:3種類)と従来の硅石煉瓦のそれぞれを用いた場合について示す図である。 大型プレキャスト耐火物ブロックの使用比率(質量%)と築炉工削減率との関係を示す図である。
室炉式コークス炉の耐火物を構築するに際し、特許文献3、特許文献4では大型のモジュール(ブロック)を炉外で形成し、炉内に運び込んで耐火物構造を構築している。特許文献3に記載のものは、燃焼室の煉瓦壁として、前記プレハブ方式で形成した大型モジュールを用いている。特許文献4に記載のものは、蓄熱室、蛇腹部、炭化室及び燃焼室の一例として、前記プレハブ方式で形成した大型モジュールを用いている。特許文献4に記載された、炭化室及び燃焼室の他の例では、炉長方向端部のみに前記プレキャスト方式で形成したプレキャストブロックとし、炉長方向端部以外は、前記プレハブ方式によって硅石煉瓦を組み合わせて、一体化した一体化物を用いている。
これに対して本発明においては、図1に示すように、燃焼室3、さらには蓄熱室4、さらにはソールフリュー5、さらには炉頂部11、蛇腹部13を構成する耐火物の90%(質量比)以上について、大型プレキャスト耐火物ブロック6を用いて築炉することを特徴とする。ここで大型プレキャスト耐火物ブロック6とは、不定形耐火物を一体成形してなる耐火物ブロックである。各室の大型プレキャスト耐火物ブロック6の寸法は、燃焼室大型プレキャスト耐火物ブロック7は高さが炭化室高さ(炭化室・燃焼室部12の高さ方向33高さ)の1/20以上、長さが燃焼室1フリュー長以上、幅が燃焼室3の幅(炉団長方向32)に等しく、蓄熱室大型プレキャスト耐火物ブロック8は、高さが蓄熱室4高さの1/6以上、長さが燃焼室1フリュー長以上、幅が蓄熱室の幅(炉団長方向32)の1/2以上であり、ソールフリュー大型プレキャスト耐火物ブロック9とは、高さがソールフリュー5高さの1/2以上、長さが燃焼室1フリュー長以上、幅が1組のソールフリュー5の幅(炉団長方向32)の1/2以上である。炉頂部大型プレキャスト耐火物ブロック15は、炉幅方向は燃焼室幅以上であり、蛇腹部大型プレキャスト耐火物ブロック16は、高さが蛇腹部高さの1/2以上、長さが燃焼室1フリュー長以上である。
図1には、燃焼室3、蓄熱室4、ソールフリュー5、さらには炉頂部11、蛇腹部13のすべてが大型プレキャスト耐火物ブロック6によって構成された本発明の室炉式コークス炉を示している。図1は、炉長方向31については一方の端部(炉長方向端部34)を含む一部のみを図示しているが、炉長方向31の全体が大型プレキャスト耐火物ブロック6で構成された例である。図1において、耐火物構造の実線で区画された一つ一つが、大型プレキャスト耐火物ブロック6である。図1の炭化室炉床部14の上方が炭化室2である。
図2(A)には、図1に示す耐火物構造のうち、燃焼室3の一部を取り出した部分斜視図を示す。図2(B)には、参考のため、図2(A)に対応する位置について、従来の硅石煉瓦21を積み上げた場合の部分斜視図を示している。図2(A)の大型プレキャスト耐火物ブロック6は、一つのブロックで2つの燃焼室フリューを含んでいる。図2(A)と図2(B)の対比からわかるように、図2(A)に記載の大型プレキャスト耐火物ブロック6は、高さ方向33で通常の硅石煉瓦の2段分の高さを有している。図2(A)の大型プレキャスト耐火物ブロック6の1個分は、図2(B)の硅石煉瓦21の20個分によって形成されている。
前述のとおり、室炉式コークス炉の炭化室でコークスを乾留するに際し、乾留中においてコークスが膨張し、炭化室両側の燃焼室煉瓦壁には、炭化室の炉壁間隔を増大させようとする圧力(石炭膨張圧)がかかる。多数の煉瓦あるいはブロックを積み上げて構成した燃焼室壁は、石炭膨張圧によって当該炭化室が拡がる方向に変位する。変位が発生した結果として、当該石炭膨張圧が発生している炭化室に隣接する炭化室は、炭化室の幅が狭まる方向の変位を受ける。燃焼室壁の変位量は、燃焼室壁の高さ方向33では、高さ中間位置において最も大きく、燃焼室壁の炉長方向31では、やはり中間位置において最も大きくなる。そこで、燃焼室壁の変位量について、高さ方向中間位置、炉長方向中間位置において、石炭膨張圧によってどのような値になるのか、数値計算を行った。燃焼室としては、燃焼室3の全体を従来の大きさの硅石煉瓦21を積み上げた場合(従来煉瓦)と、燃焼室3の全体をプレキャスト耐火物ブロック6を積み上げた場合(大型ブロック)とのそれぞれについて計算を行った。プレキャスト耐火物ブロックについては、その高さを、炭化室高さの1/40、1/20、1/10の3種類とし、それぞれのブロックを炭化室の全高さについて用いた場合の数値計算を行った。ブロック高さが炭化室高さの1/20、1/10の2種類が、本発明の大型ブロックである。その結果を図3に示す。図3から明らかなように、同一の石炭膨張率(例えば10kPa)であれば、従来煉瓦(図3の1点鎖線)に比較し、本発明の高さを有する大型ブロック(図3の実線)では変位量が1/2に低減することがわかる。また、同一の変位量(例えば4.5mm)において、従来煉瓦に比較して、本発明の高さを有する大型ブロックであれば石炭膨張圧が2倍になるまで許容できることがわかる。一方、ブロックの高さが本発明に満たない、炭化室高さの1/40の高さのもの(図3の2点鎖線)については、従来煉瓦(図3の1点鎖線)よりは良好であるものの、十分な効果を奏することができなかった。また、本発明の大型ブロックであって、その高さが炭化室高さの1/10である場合(図3の破線)は、1/20である場合(図3の実線)よりも改善されているが、改善代が飽和していることがわかる。
以上のように、燃焼室3を構成する耐火物として、従来の硅石煉瓦21に替えて、大型プレキャスト耐火物ブロック6を採用することにより、石炭膨張圧に起因する燃焼室壁の変位量を大幅に軽減できることが明らかになった。
従来の硅石煉瓦21を積み上げた燃焼室3では、前述のように、乾留中の炭化室2に隣接する炭化室2において、乾留完了後のコークスの押し出しを行おうとすると、燃焼室壁の変位によって押し出し中の炭化室2の押し出し抵抗が増大し、押し出し中の炭化室炉壁耐火物が損傷し、あるいは押し出しが困難となることがあった。乾留中の石炭膨張圧が増大しないように原料炭を厳選すると、原料炭コストが増大することとなる。これに対し、本発明のように、燃焼室3を構成する耐火物を全体として大型プレキャスト耐火物ブロック6で形成することにより、石炭膨張圧が発生しても燃焼室壁の変形が少なくなるので、隣接する炭化室での押し出しが困難になることを防止できる。
燃焼室煉瓦壁の目地部にはカーボン付着が発生し易く、目地にカーボンが付着すると、押し出し抵抗の増大原因となる。本発明は大型プレキャスト耐火物ブロック6を用いて燃焼室を構成するので、硅石煉瓦21を用いた従来に比較して目地部が大幅に低減するので、カーボン付着を低減することが可能となる。
以上のとおり、本発明は、燃焼室耐火物の剛性増大により、燃焼室壁の変位を低減するとともに、目地部が少ない炉壁構造として、原料炭コストを増大することなく、コークス押出時の耐火物損傷を回避して炉寿命延長効果を発揮することが可能となる。
さらに、大型プレキャスト耐火物ブロック6を採用した箇所については、従来の硅石煉瓦21に比較し、耐火物の個数が1/20に減少する。50室のコークス炉の耐火物をすべて大型プレキャスト耐火物ブロックに置き換えるとすると、従来の煉瓦個数100万個からブロック数5万個に減少することができる。その結果として、熟練築炉工の必要人数が大幅に減少するとともに、作業要員の専門性として、築炉工による作業から機械工による作業に転換できる部分が多くなる。従来であれば、熟練築炉工の人数確保が困難であるために工期を十分に短縮することが難しかったのに対し、本発明を適用することにより、十分に短縮した工期で耐火物構造を構築することが可能となる。
従来の、プレハブ方式で煉瓦壁モジュールを形成する方法では、モジュールは多数の煉瓦を目地部で接合して形成しているため、目地部の目地切れ発生を抑制するため、倉庫保管時でも多層積みができず、広大な倉庫が必要であるという弱点を有していた。それに対して、本発明で用いる大型プレキャスト耐火物ブロックは、それ自体が目地を有しないため、目地切れの心配がなく、倉庫の多層積み、迅速な物流が可能となるという利点を有している。
室炉式コークス炉の耐火物構造において、例えば燃焼室3について燃焼室大型プレキャスト耐火物ブロック7を用いるに際し、炉長方向・高さ方向の全体を燃焼室大型プレキャスト耐火物ブロック7とすると好ましい。一方、炉長方向・高さ方向の全体を燃焼室大型プレキャスト耐火物ブロック7とするのではなく、一部について従来の硅石煉瓦21を用いることとしてもよい。燃焼室3を構成する耐火物の90%(質量比)以上が燃焼室大型プレキャスト耐火物ブロック7で形成されていれば、本発明の効果を発揮することができる。蓄熱室4についても同様に、蓄熱室4を構成する耐火物の90%(質量比)以上が蓄熱室大型プレキャスト耐火物ブロック8で形成されていれば、本発明の効果を発揮することができる。また、ソールフリュー5を構成する耐火物の90%(質量比)以上がソールフリュー大型プレキャスト耐火物ブロック9で形成されていれば、本発明の効果を発揮することができる。炉頂部11、蛇腹部13についても同様に、炉頂部11、蛇腹部13の一方又は両方を構成する耐火物の少なくとも一部が、炉頂部大型プレキャスト耐火物ブロック15、蛇腹部大型プレキャスト耐火物ブロック16の一方又は両方で形成されていれば、本発明の効果を発揮することができる。
図4に、大型プレキャスト耐火物ブロックの使用比率(質量%)と、築炉工削減率(%)との関係を示す。図4から明らかなように、大型プレキャスト耐火物ブロックの使用比率(ブロック比率)が高くなるほど、築炉工削減率が上昇する。一方、ブロック比率を100%としても、ブロックの切削加工や端部調整のため築炉工をゼロにはできず、従来煉瓦築炉時の所要築炉工の20%は必要となる。ブロック比率90%とすると残り10%は従来煉瓦を築炉工による手積で対応することとなるが、従来築炉の20%の築炉工で対応可能である。ブロック比率が下がると築炉工所要は増加し、ブロック比率80%では従来築炉の50%は必要となる。築炉工削減効果が顕著となるのはブロック比率90%以上である。
大型プレキャスト耐火物ブロック6の大きさについて説明する。燃焼室大型プレキャスト耐火物ブロックは、高さが炭化室(炭化室・燃焼室部12)高さの1/20以上、幅が燃焼室3の幅(炉団長方向32)に等しければよい。前述のように、ブロックの高さを炭化室高さの1/20以上とすることにより、同一の石炭膨張圧において、燃焼室壁変位量を大幅に低減することができる(図3参照)。炉長方向31には、燃焼室フリュー2個分を1個の燃焼室大型プレキャスト耐火物ブロック7で対応する程度が好ましい。蓄熱室大型プレキャスト耐火物ブロック8は、高さが蓄熱室4高さの1/6以上、幅が蓄熱室の幅(炉団長方向32)の1/2以上であればよい。ソールフリュー大型プレキャスト耐火物ブロック9は、高さがソールフリュー5高さの1/2以上、幅が1組のソールフリューの幅(炉団長方向32)の1/2以上であればよい。炉頂部大型プレキャスト耐火物ブロック15は、幅(炉団長方向32)が燃焼室幅以上であればよい。蛇腹部大型プレキャスト耐火物ブロック16は、高さが蛇腹部高さの1/2以上、長さ(炉長方向)が燃焼室1フリュー長以上あればよい。
大型プレキャスト耐火物ブロック6は、不定形耐火物を一体成形してなる耐火物ブロックである。具体的には、原料としての不定形耐火物(粉状耐火物)に水を加えて混練し、型枠に流し込んで乾燥させることで、構成することができる。
大型プレキャスト耐火物ブロック6の大きさ上限は特に限定されるものではない。ただし、製造コスト、ハンドリングの容易さの観点からは、燃焼室大型プレキャスト耐火物ブロック、蓄熱室大型プレキャスト耐火物ブロック、ソールフリュー大型プレキャスト耐火物ブロック、炉頂部大型プレキャスト耐火物ブロック、蛇腹部大型プレキャスト耐火物ブロックの大きさが、高さ750mm以下、幅(炉団長方向)1000mm以下、長さ(炉頂方向)2000mm以下であると好ましい。
本発明の室炉式コークス炉に用いる大型プレキャスト耐火物ブロック6は、高い熱間強度と、高温時における荷重下膨張挙動が安定な性質が要求される。このような品質を実現するため、以下のような原料構成とすると好ましい。即ち、特許文献5に記載のように、主成分としてのSiO2成分の含有量は概ね65質量%以上99質量%以下であり、P25成分を0.3質量%以上2質量%以下含有する。SiO2成分源として、溶融シリカの配合量は65質量%以上、珪石の配合量は17質量%以下、ヒュームドシリカの配合量は0.5質量%以上15質量%以下であることが好ましい。溶融シリカの配合量は65質量%以上とすることで、乾燥時の脱水による収縮を打ち消すことができる。P25成分は結合剤成分として機能する。結合剤成分としてP25成分を適用することで、高い熱間強度を維持しつつ、高温時における荷重下膨縮挙動を安定に制御できる。アルカリ土類金属化合物の配合量は、0.05質量%以上が好ましく、1.9質量%以下であることが好ましい。原料配合として上述のシリカ質原料及びリン酸塩を配合し、また必要に応じて、有機繊維、分散剤、硬化促進剤、硬化遅延剤、焼結補助剤等を配合し、得られた原料配合物に適量の施工水を添加したうえで、混練、成形、養生、脱型するという、通常の大型プレキャスト耐火物ブロック耐火物の製造方法によって得ることができる。
50室の室炉式コークス炉の耐火物を老朽更新するに際し、本発明の室炉式コークス炉の築炉方法を適用し、本発明の室炉式コークス炉の耐火物構造を構築した。
炭化室10室分については、燃焼室3の耐火物のみ、燃焼室3を構成する耐火物の95%(質量比)以上について、本発明の燃焼室大型プレキャスト耐火物ブロック7を適用した。燃焼室大型プレキャスト耐火物ブロック7は、高さが炭化室高さの1/20、幅が燃焼室の幅(炉団長方向32)に等しい。炉長方向31には、燃焼室フリュー2個分を1個の燃焼室大型プレキャスト耐火物ブロック7で対応した。燃焼室については、従来の硅石煉瓦を積み上げる方式に比較し、耐火物の個数が1/20に減少した。
炭化室10室分については、燃焼室耐火物に加え、蓄熱室4を構成する耐火物の95%(質量比)について蓄熱室大型プレキャスト耐火物ブロック8を用いた。蓄熱室大型プレキャスト耐火物ブロック8は、高さが蓄熱室高さの1/5、幅が蓄熱室の幅(炉団長方向32)の1/2とした。蓄熱室4については、従来の硅石煉瓦を積み上げる方式に比較し、耐火物の個数が1/40に減少した。
炭化室10室分については、燃焼室3、蓄熱室4に加え、ソールフリュー5を構成する耐火物の100%(質量比)についてソールフリュー大型プレキャスト耐火物ブロック9を用いた。ソールフリュー大型プレキャスト耐火物ブロック9は、高さがソールフリュー高さの1/1、幅が1組のソールフリューの幅(炉団長方向32)の1/1である。ソールフリュー5については、従来の硅石煉瓦を積み上げる方式に比較し、耐火物の個数が1/80に減少した。
炭化室20室分については、燃焼室3、蓄熱室4、ソールフリュー5に加え、炉頂部11、蛇腹部13を構成する耐火物の100%(質量比)について、炉頂部大型プレキャスト耐火物ブロック、蛇腹部大型プレキャスト耐火物ブロックを用いた。炉頂部大型プレキャスト耐火物ブロックは、高さが炉頂部高さの1/1、幅が燃焼室幅(炉団長方向32)の1/1であり、蛇腹部大型プレキャスト耐火物ブロックは、高さが蛇腹部高さの1/1、長さが燃焼室1フリュー長の1/1である。炉頂部11、蛇腹部13については、従来の硅石煉瓦を積み上げる方式に比較し、耐火物の個数が1/30に減少した。
それぞれの大型プレキャスト耐火物ブロック6は、主成分としてのSiO2成分の含有量は98質量%、結合材成分としてのP25成分を1質量%含有する。SiO2成分源として、溶融シリカの配合量は90質量%、珪石の配合量は0質量%、ヒュームドシリカの配合量は8質量%である。また、アルカリ土類金属化合物として、マグネシア微粉を0.1質量%含有する。これら成分に加え、有機繊維、分散剤、硬化促進剤、硬化遅延剤、焼結補助剤等を配合し、得られた原料配合物に施工水を添加したうえで、混練、成形、養生、脱型することにより、大型プレキャスト耐火物ブロックを製造した。
それぞれの大型プレキャスト耐火物ブロック6は、まずコークス炉付近の倉庫内に多層積みで保管した。倉庫から搬出した大型プレキャスト耐火物ブロック6は、クレーンによってコークス炉のそれぞれの設置場所に運搬した。隣接するブロックの目地部にはプレキャスト耐火物とほぼ同組成のモルタルを充填し、燃焼室、蓄熱室、ソールフリュー、炉頂部、蛇腹部の耐火物構造を構築した。
燃焼室3、蓄熱室4、ソールフリュー5に加え、炉頂部11、蛇腹部13を構成する耐火物の100%を大型プレキャスト耐火物ブロックによって構築した20室を築造するに際しては、熟練築炉工の人数として、従来法は50人/日、本発明法は10人/日を配置した。また機械工の人数として、従来法は配置なし、本発明法は30人/日を配置した。このような要員配置で築炉を行った結果、築炉期間は、炭化室50室換算で、従来法で6ヶ月、本発明法で4ヶ月であり、要員、特に築炉工の要員を大幅に減少したにもかかわらず、築炉期間を従来よりも短縮することができた。
本発明法で築造したコークス炉について、再開後の運転状況について確認した。押し出し不良は稼働30年以上で発生する現象のため、減少実績はまだ確認できないが、理論的にはゼロにできるものと推定している。安価原料炭の使用状況については、8%の増使用が可能であった。カーボン付着の低減状況については、1/3程度に低減されている。
1 室炉式コークス炉
2 炭化室
3 燃焼室
4 蓄熱室
5 ソールフリュー
6 大型プレキャスト耐火物ブロック
7 燃焼室大型プレキャスト耐火物ブロック
8 蓄熱室大型プレキャスト耐火物ブロック
9 ソールフリュー大型プレキャスト耐火物ブロック
11 炉頂部
12 炭化室・燃焼室部
13 蛇腹部
14 炭化室炉床部
15 炉頂部大型プレキャスト耐火物ブロック
16 蛇腹部大型プレキャスト耐火物ブロック
21 硅石煉瓦
31 炉長方向
32 炉団長方向
33 高さ方向
34 炉長方向端部

Claims (10)

  1. 炭化室と燃焼室が炉団長方向に交互に配列され、炭化室と燃焼室の下部には蓄熱室が配列された室炉式コークス炉の築炉方法であって、燃焼室を構成する耐火物の90%(質量比)以上について、燃焼室大型プレキャスト耐火物ブロックを用いて築炉することを特徴とする室炉式コークス炉の築炉方法。
    ここで燃焼室大型プレキャスト耐火物ブロックとは、高さが炭化室高さの1/20以上、長さ(炉長方向)が燃焼室1フリュー長以上、幅(炉団長方向)が燃焼室の幅に等しく、不定形耐火物を一体成形してなる耐火物ブロックである。
  2. さらに、蓄熱室を構成する耐火物の90%(質量比)以上について、蓄熱室大型プレキャスト耐火物ブロックを用いて築炉することを特徴とする請求項1に記載の室炉式コークス炉の築炉方法。
    ここで蓄熱室大型プレキャスト耐火物ブロックとは、高さが蓄熱室高さの1/6以上、長さが燃焼室1フリュー長以上であり、不定形耐火物を一体成形してなる耐火物ブロックである。
  3. さらに、蓄熱室下部のソールフリューを構成する耐火物の90%(質量比)以上について、ソールフリュー大型プレキャスト耐火物ブロックを用いて築炉することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の室炉式コークス炉の築炉方法。
    ここでソールフリュー大型プレキャスト耐火物ブロックとは、高さがソールフリュー高さの1/2以上、長さが燃焼室1フリュー長以上、幅が1組のソールフリューの幅(炉団長方向)の1/2以上であり、不定形耐火物を一体成形してなる耐火物ブロックである。
  4. さらに、燃焼室の上部の炉頂部、燃焼室と蓄熱室の間の蛇腹部の一方又は両方を構成する耐火物の少なくとも一部について、炉頂部大型プレキャスト耐火物ブロック、蛇腹部大型プレキャスト耐火物ブロックの一方又は両方を用いて築炉することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の室炉式コークス炉の築炉方法。
    ここで炉頂部大型プレキャスト耐火物ブロックとは、炉幅方向は燃焼室幅以上であり、蛇腹部大型プレキャスト耐火物ブロックとは、高さが蛇腹部高さの1/2以上、長さが燃焼室1フリュー長以上であり、不定形耐火物を一体成形してなる耐火物ブロックである。
  5. 前記燃焼室大型プレキャスト耐火物ブロック、蓄熱室大型プレキャスト耐火物ブロック、ソールフリュー大型プレキャスト耐火物ブロック、炉頂部大型プレキャスト耐火物ブロック、蛇腹部大型プレキャスト耐火物ブロックの大きさが、高さ750mm以下、幅(炉団長方向)1000mm以下、長さ(炉頂方向)2000mm以下であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の室炉式コークス炉の築炉方法。
  6. 炭化室と燃焼室が炉団長方向に交互に配列され、炭化室と燃焼室の下部には蓄熱室が配列された室炉式コークス炉の耐火物構造であって、燃焼室を構成する耐火物の90%(質量比)以上が燃焼室大型プレキャスト耐火物ブロックで形成されてなることを特徴とする室炉式コークス炉の耐火物構造。
    ここで燃焼室大型プレキャスト耐火物ブロックとは、高さが炭化室高さの1/20以上、長さ(炉長方向)が燃焼室1フリュー長以上、幅(炉団長方向)が燃焼室の幅に等しく、不定形耐火物を一体成形してなる耐火物ブロックである。
  7. さらに、蓄熱室を構成する耐火物の90%(質量比)以上が蓄熱室大型プレキャスト耐火物ブロックで形成されてなることを特徴とする請求項6に記載の室炉式コークス炉の耐火物構造。
    ここで蓄熱室大型プレキャスト耐火物ブロックとは、高さが蓄熱室高さの1/6以上、長さが燃焼室1フリュー長以上、幅が蓄熱室の幅(炉団長方向)の1/2以上であり、不定形耐火物を一体成形してなる耐火物ブロックである。
  8. さらに、蓄熱室下部のソールフリューを構成する耐火物の90%(質量比)以上がソールフリュー大型プレキャスト耐火物ブロックで形成されてなることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の室炉式コークス炉の耐火物構造。
    ここでソールフリュー大型プレキャスト耐火物ブロックとは、高さがソールフリュー高さの1/2以上、長さが燃焼室1フリュー長以上、幅が1組のソールフリューの幅(炉団長方向)の1/2以上であり、不定形耐火物を一体成形してなる耐火物ブロックである。
  9. さらに、燃焼室の上部の炉頂部、燃焼室と蓄熱室の間の蛇腹部の一方又は両方を構成する耐火物の少なくとも一部が、炉頂部大型プレキャスト耐火物ブロック、蛇腹部大型プレキャスト耐火物ブロックの一方又は両方で形成されてなることを特徴とする請求項6から請求項8までのいずれか1項に記載の室炉式コークス炉の耐火物構造。
    ここで炉頂部大型プレキャスト耐火物ブロックとは、炉幅方向は燃焼室幅以上であり、蛇腹部大型プレキャスト耐火物ブロックとは、高さが蛇腹部高さの1/2以上、長さが燃焼室1フリュー長以上であり、不定形耐火物を一体成形してなる耐火物ブロックである。
  10. 前記燃焼室大型プレキャスト耐火物ブロック、蓄熱室大型プレキャスト耐火物ブロック、ソールフリュー大型プレキャスト耐火物ブロック、炉頂部大型プレキャスト耐火物ブロック、蛇腹部大型プレキャスト耐火物ブロックの大きさが、高さ750mm以下、幅(炉団長方向)1000mm以下、長さ(炉頂方向)2000mm以下であることを特徴とする請求項6から請求項9までのいずれか1項に記載の室炉式コークス炉の耐火物構造。
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