JP6295906B2 - 積層型ガスセンサ素子およびその製造方法 - Google Patents

積層型ガスセンサ素子およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6295906B2
JP6295906B2 JP2014198403A JP2014198403A JP6295906B2 JP 6295906 B2 JP6295906 B2 JP 6295906B2 JP 2014198403 A JP2014198403 A JP 2014198403A JP 2014198403 A JP2014198403 A JP 2014198403A JP 6295906 B2 JP6295906 B2 JP 6295906B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
heater
gas sensor
sensor element
ceramic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014198403A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016070740A (ja
Inventor
孝敏 菅沼
孝敏 菅沼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2014198403A priority Critical patent/JP6295906B2/ja
Publication of JP2016070740A publication Critical patent/JP2016070740A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6295906B2 publication Critical patent/JP6295906B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Measuring Oxygen Concentration In Cells (AREA)

Description

本発明は、例えば、車両用内燃機関の排気浄化システムに利用されて、排出ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)等を検知する積層型ガスセンサ素子およびその製造方法に関する。
NOxセンサ等に用いられるガスセンサ素子は、一般に、排出ガスが導入されるチャンバを内蔵し、チャンバ上流側に、排出ガス中の酸素を汲み出すポンプセルを、チャンバ下流側に、排出ガス中の酸素濃度をモニタするモニタセルと排出ガス中のNOx濃度を検知するセンサセルを配置した3セル構造のものが知られている。各セルは、酸素イオン導電性の固体電解質シートの両面に形成される一対の電極からなり、固体電解質シートを挟んで、チャンバ形成層やヒータ層を形成する複数のセラミックシートを積層してガスセンサ素子とする。このような複数のセルを有する積層型ガスセンサ素子とその検出原理は、例えば、特許文献1に開示されている。
図8は、従来の積層型ガスセンサ素子の一例を示す図で、固体電解質シート101の上下面に、複数のセルを構成する複数の電極102、103、104と共通の電極105を対向配置したセンサ層を有する。センサ層の上方には、チャンバ形成層106、遮蔽層107が、下方には、ダクト層108、ヒータ層109が積層される。この積層体110の上下面にはそれぞれ複数の端子111が形成され、素子内部に形成されるスルーホール112および中間パッド113を介して、センサ層の電極リード114、115またはヒータ層109のヒータリード116と、それぞれ接続されている。
特開2007−101387号公報
ガスセンサ素子の小型化には、図8の従来構造のように、複数の端子111を素子上下面に均等配置することが望ましい。この時、センサ層の電極の一部、例えば、下面側の電極105を素子下面側へ引き回して端子111と内部接続するために、ダクト層108、ヒータ層109を貫通するスルーホール112を形成することになる。特に、ダクト層108、ヒータ層109が複数のセラミックシートで構成される場合には、各セラミックシートにそれぞれスルーホール112を形成して導体材料を充填し、さらに、積層ズレによるスルーホール112間の接合不良を防止するために中間パッド113を介在させる必要がある。このため、製造工程数が増加し、導体使用量が増加して、製作コストが増大する問題があった。
一方、特許文献1には、素子表面または裏面に形成した端子部と、素子内部に形成される複数の電極を、素子側面に露出する側面導通部を介して接続する構成が開示されている。ただし、このような構成では、素子側面に露出する導通部の剥離が問題となりやすく、特許文献1のガスセンサ素子は、貴金属粉末と特定のアルミナ粉末を混合した導電性材料を用いて、積層体と一体焼成し、素子基材との密着性を高めている。
しかしながら、側面導通部の密着強度を向上させようとすると、アルミナ粉末の混合割合が大きくなり、側面導通部の電気抵抗が上昇して導電性が低下する。このため、所望の導電性を確保するために導電性材料の使用量が増加して、コスト高となりやすい。また、積層数の多い素子構造では、複数のセラミックシートに渡って側面導通部が形成されることから、部分的に密着性が低下して素子信頼性を低下させるおそれがある。
そこで、本願発明は、積層型ガスセンサ素子の内部電極を外表面の端子部と接続するための構造を見直し、製造工程数の増加や導体使用量の増加による製作コストの上昇を抑制しながら、小型で信頼性の高いガスセンサ素子を実現することを目的とする。
本願請求項1の発明は、平板状のセラミックシートを積層したセラミック積層体からなり、該セラミック積層体の長手方向の一端側に検知部およびヒータ部を設け、長手方向の他端側にこれら検知部およびヒータ部と接続される端子部を設けた積層型ガスセンサ素子であって、
上記検知部は、酸素イオン導電性の固体電解質セラミックシートとその表面に形成した一対の電極からなる複数のセルと、上記固体電解質セラミックシートの一方の面側に積層される絶縁性のセラミックシートにて形成されるチャンバと、他方の面側に積層される絶縁性のセラミックシートにて形成されるダクトを有し、
上記ヒータ部は、上記固体電解質セラミックシートの他方の面側に積層される絶縁性のセラミックシートとヒータ電極を有し、
上記端子部は、上記検知部および上記ヒータ部の電極とそれぞれリード部を介して接続される複数の端子電極を有し、該複数の端子電極を、上記セラミック積層体の積層方向の両表面に対称配置し、
上記検知部および上記ヒータ部の電極のうち、少なくとも1つの電極に接続される上記リード部を、上記セラミック積層体の上記他端側の側部表面に焼き付け形成した側面リード部によって、上記複数の端子電極の1つに接続させるとともに、
上記セラミック積層体は、少なくとも上記検知部およびヒータ部が形成される上記一端側の側部表面の面粗度(Rz)を8μm以下とし、かつ、上記側面リード部が形成される側部表面の面粗度(Rz)を10μm≦Rz≦80μmとすることを特徴とする。
本願請求項2の発明は、上記側面リード部が、上記セラミック積層体の焼成温度以下で焼き付け可能な導電性材料からなる。
本願請求項3の発明は、上記側面リード部が、貴金属成分とガラス成分を含有する焼き付け可能な導電性材料からなる。
本願請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の積層型ガスセンサ素子の製造方法であって、
上記検知部およびヒータ部となる複数の上記セラミックシートの所定位置に上記電極および上記リード部を形成して積層し、焼成して上記セラミック積層体とする工程と、
上記セラミック積層体の側部表面全体を研削加工して、上記検知部およびヒータ部が形成される上記一端側の側部表面に対応する8μm以下の面粗度(Rz)とする工程と、
上記側面リード部が形成される側部表面を研削加工して、面粗度(Rz)を10μm≦Rz≦80μmとする工程と、
上記他端側の側部表面に、上記側面リード部を焼き付け形成する工程と、を有することを特徴とする。
本発明の積層型ガスセンサ素子は、複数の端子電極をセラミック積層体の両表面に対称形状となるように配置して、素子幅や素子長さを最小とすることができる。また、検知部側とヒータ部側の電極数が均等でない場合でも、セラミック積層体に少なくとも1つの側面リード部を設けて、検知部側またはヒータ部側へ引き回すことで、端子電極への接続が容易になる。側面リード部は、セラミック積層体の焼成後に焼き付けにより形成することで、内部接続のためのスルーホールや中間パッドを省略でき、工数および導体使用量を低減できるだけでなく、スルーホールや中間パッドの重なりで部分的に厚みが変わり焼成時に割れや膨れを生じる不具合を解消できる。セラミック積層体の表面は、予め研削により、側面リード部が形成される部位のみ面粗度を粗くしておくことで、側面リード部と素子基体との接触面積が増加し、表面の凹凸に側面リード部の材料が入り込むアンカー効果により、密着性が大きく向上する。検知部およびヒータ部が形成される一端側は、素子表面の面粗度がより小さいので、被水による割れ等を防止して品質を確保できる。側部表面の面粗度を調整する場合には、まず、一端側の面粗度の設定値となるように全体を加工し、次いで、接合面となる表面をさらに研削して粗面化するとよく、研削による割れ等の不具合のおそれが小さくなる。
したがって、積層数が比較的多い構成であっても素子サイズをコンパクトにすることができ、製作コストの増大を抑制しつつ側面リード部の剥離を防止して、接合の信頼性を向上させた高品質の積層型ガスセンサ素子を得ることができる。
本発明の第1実施形態であり、積層型ガスセンサ素子の全体構成を示す分解斜視図である。 第1実施形態の積層型ガスセンサ素子の全体構成を示す斜視図である。 ガスセンサ素子の先端部の積層構造を示す要部拡大断面図である。 ガスセンサ素子の先端部の平面構造を示す図で、図3AのI−I線断面図である。 ガスセンサ素子のロア側への電極取り出し方法を模式的に示すセラミック積層体の斜視図である。 従来のガスセンサ素子のロア側への電極取り出し方法を模式的に示すセラミック積層体の斜視図である。 第1実施形態の素子構造と従来の素子構造とを比較して示す分解斜視図である。 ガスセンサ素子のアッパ側への電極取り出し方法を模式的に示すセラミック積層体の断面図である。 本発明の効果を説明するための模式的な図で、ガスセンサ素子の要部拡大断面図である。 従来のガスセンサ素子の積層構造を示す分解斜視図である。
以下、本発明を適用した第1実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。本発明の積層型ガスセンサ素子は、例えば、NOxセンサとして内燃機関の排気通路に設置されるガスセンサに用いられ、被測定ガスである排出ガス中の特定ガス成分としてNOx(窒素酸化物)を検出する。図2は、本実施形態のガスセンサ素子1の概略構成を示しており、図1に示すように、細長い平板状のセラミックシートを、板厚方向(図の上下方向)を積層方向として、多数積層したセラミック積層体からなる。セラミック積層体は、長手方向の一端側(図の左端側)に、検知部2およびヒータ部6が設けられ、長手方向の他端側(図の右端側)に、これら検知部2およびヒータ部6と接続される端子部7を設けている。通常、ガスセンサ素子1をNOxセンサとして使用する場合には、図示しないハウジングに支持し、排気通路壁に取り付ける。この時、検知部2およびヒータ部3が設けられる一端側(先端側)半部が排気通路内に突出し、端子部7が設けられる他端側(基端側)半部は、排気通路の外部空間に配置される。
ガスセンサ素子1は、具体的には、酸素イオン導電性の固体電解質セラミックシート(以下、固体電解質シート)21の一方の面(図の上面)側に、絶縁性のセラミックシートであるチャンバ形成シート12と、遮蔽シート13を順次積層する一方、固体電解質シート21の他方の面(図の下面)側に、絶縁性のセラミックシートであるダクト形成シート14〜16を挟んで、絶縁性のセラミックシートであるヒータシート62、63が順次積層される。チャンバ形成シート12には、セラミック積層体の一端側にチャンバ22となる矩形開口が打ち抜き形成され、拡散層23が隣接形成される。ダクト形成シート14、15には、一端側のチャンバ22に対向する位置からセラミック積層体の基端部に至る開口が打ち抜き形成され、ダクト24を構成する。絶縁性のセラミックシートには、アルミナ等の絶縁材料からなるシートが用いられる。
検知部2は、固体電解質シート21とその上下表面に形成した電極31、32、41、51が複数の電極対を形成して、複数のセル3、4、5を構成する。これら電極のうち、ポンプ電極31、センサ電極41、モニタ電極51は、チャンバ22に面する固体電解質シート21の上面に配置され、複数の電極対に共通の大気側電極32は、ダクト24に面する固体電解質シート21の下面に配置される。ヒータ部6は、検知部2の下方に積層される複数のヒータシート62、63と、上方のヒータシート62上面に配置されるヒータ電極61とで構成される。端子部7は、積層方向において、セラミック積層体の両表面となる遮蔽シート13の上面右端部に配置される端子電極71、72、73と、ヒータシート63の下面右端部に配置される端子電極74、75、76を有している。端子部7の端子電極71〜76と、検知部2およびヒータ部6との接続構造は、本発明の特徴部分であり、詳細は後述する。
図3Aは、積層型ガスセンサ素子1の先端側半部の積層構造を示しており、検知部2には、固体電解質シート21の上方に、素子内部空間であるチャンバ22が形成されている。チャンバ22内には、セラミック積層体の先端面に配置される拡散層23を介して、排気通路の排出ガスが導入されるようになっている。図3Bに示すように、ガス流れの上流側(図の左端側)に、ポンプセル3が配置され、その下流側に、センサセル4とモニタセル5が、並列配置されている。固体電解質シート21の下方には、ダクト24となる空間が形成されており、排気通路の外部空間から図示しない基端側の開口を通って、基準ガスとなる大気が導入されるようになっている。
ポンプセル3は、固体電解質シート21と、その両面の対向位置に形成される一対の電極としてのポンプ電極31と、共通の大気側電極32からなる。固体電解質シート21は、部分安定化ジルコニア等の酸素イオン導電性を有する固体電解質のシートであり、ポンプ電極31および大気側電極32には、貴金属を主成分とする電極が用いられる。好適には、ポンプ電極31を、NOxの分解活性の低い電極、例えば、Pt(白金)とAu(金)を含有する多孔質サーメット電極とするのがよい。この時、一対の電極間に所定の電圧を印加することにより、ポンプ電極31上に達した排出ガス中のOガスが分解され、固体電解質シート21内を透過して、ダクト24側へ排出される。このポンピング作用により、排出ガス中のNOxの分解を抑制しながらチャンバ22に面するポンプ電極31側から、ダクト24に面する大気側電極32側へOガスを排出し、ポンプセル3を通過する排出ガス中のO濃度を低減することができる。
センサセル4は、固体電解質シート21と、その両面の対向位置に形成される一対の電極としてのセンサ電極41と、大気側電極32からなる。モニタセル5は、固体電解質シート21と、その両面の対向位置に形成される一対の電極としてのモニタ電極51と、大気側電極32からなる。センサ電極41およびモニタ電極51には、貴金属を主成分とする電極が好適に用いられる。好適には、センサ電極41を、排出ガス中のNOxガスに対する分解活性が高い電極、例えば、PtとRh(ロジウム)を含有する多孔質サーメット電極とし、モニタ電極31を、NOxの分解活性の低い電極、例えば、Pt(白金)とAu(金)を含有する多孔質サーメット電極とする。大気側電極32は、ポンプセル3、センサセル4、モニタセル5の共通電極として、ダクト24側の固体電解質シート21表面に、ポンプ電極31、センサ電極41およびモニタ電極51に対向するように設けられ、例えば、Pt(白金)を主成分とする多孔質サーメット電極が用いられる。
この時、センサセル4に達した排出ガス中のNOxガスが、センサ電極41上で分解され、発生した酸素イオンが固体電解質シート21を透過して、大気側電極32側へ排出される。その際に流れる電流が、排出ガス中に含まれるNOx濃度として検出される。一方、モニタセル5では、モニタ電極51上に達したOガスが分解されて大気側電極32側へ排出され、その際に流れる電流が、排出ガス中の残留酸素濃度として検出される。モニタセル5は、チャンバ2内において、センサセル4とガス流れ方向の同等位置にあるので、残留酸素濃度をモニタすることで、効果的にポンプセル3をフィードバック制御することが可能になる。
図1において、ポンプ電極31は、センサ電極41、モニタ電極51に対して十分大きい面積を有し、導入される排出ガス中のOガスを効率よく排出する。センサ電極41およびモニタ電極51の表面は、多孔質の電極保護層25で被覆保護される。ポンプ電極31、センサ電極41、モニタ電極51は、それぞれリード部33、42、52を介して端子部7に接続される。大気側電極32は、これらポンプ電極31、センサ電極41、モニタ電極51の全てに対向し、リード部34を介して端子部7に接続される。リード部33、34、42、52は、固体電解質シート21の上面または下面に長手方向に平行に延び、基端側において、端子部7のスルーホールTH1〜TH3または側面リード部8と接続している。ヒータ電極61は、検知部2の複数の電極対の直下に位置し、ヒータ電極61両端のリード部64、65は、ヒータシート62の上面に長手方向に平行に延び、基端側において、端子部7のスルーホールTH4、TH5と接続している。
ここで、端子部7の端子電極71〜76の配置と接続構造について説明する。ガスセンサ素子1の外表面に配置されて内部電極に接続される端子電極71〜76は、セラミック積層体の対向する2つの面に同数ずつ均等配置されることが望ましい。これは、ガスセンサ素子1から電気信号を取り出す際、例えば素子端子にバネ接点を設ける等の構造が採用されることから、上下面の端子数が不均一であると、バネ接点により発生する力のバランスが崩れるためであり、その結果、端子数の多い側で1端子あたりの荷重が小さくなり、導通抵抗が悪化する懸念がある。さらに、一面に形成される端子数が多くなると、素子幅あるいは素子長さが大きくなり、接続構造が複雑化すると同時にコストアップの要因になることから、両表面を同一端子数に揃えて、素子幅、素子長さを最小とすることが望ましい。
具体的には、ガスセンサ素子1の検知部2側をアッパ側、ヒータ部6側をロア側とすると、アッパ側の遮蔽シート13の上面に3つの端子電極71〜73を、ロア側のヒータシート63の下面に3つの端子電極74〜76を、それぞれシート基端縁に沿ってシート幅方向に並列配置する。端子電極71〜73と端子電極74〜76は、同一の長方形状で、積層方向に対称形状に対向位置している。本実施形態のガスセンサ素子1は、検知部2に4つの電極31、32、41、51から延びる4つのリード部33、34、42、52を、ヒータ部6にヒータ電極61から延びる2つのリード部64、65を有することから、アッパ側の1つをロア側の端子部7まで、引き回すことになる。
ここでは、例えば、固体電解質シート21上面の3つのポンプ電極31、センサ電極41、モニタ電極51を、アッパ側の3つの端子電極71〜73に接続する一方、固体電解質シート21下面の大気側電極32をダクト形成シート14〜16、ヒータシート62、63を経てロア側へ引き回す。そして、ヒータ電極61の2つのリード部64、65とともに、端子電極74〜76に接続する。リード部64、65の端部には、スルーホールTH7、8が貫通形成され、ヒータシート63のスルーホールTH7、8を介してその下面側に形成した端子電極74、75と接続する。
本発明では、セラミック積層体の側面に、アッパ側からロア側の端子部7へ引き回すための側面リード部8を設けている。この側面リード部8は、固体電解質シート21より下方のダクト形成シート14〜16とヒータシート62、63の基端部側面に、所定幅で形成された側面リード81〜85からなり、互いに電気的に接続している。このうち側面リード81〜84は、板厚方向の両端に渡って形成され、側面リード85は、板厚方向の上端部に形成されて、ヒータシート63の上面に形成される中間パッド77に接続する。中間パッド77は、所定幅で略L字状に形成され、一端がヒータシート63の側縁部に至り、側面リード85に接続する。中間パッド77の他端側には、スルーホールTH6が貫通形成され、ヒータシート63の下面に対向して形成した端子電極76と接続する。アッパ側の側面リード81は、固体電解質シート21上端縁部に至り、大気側電極32のリード部34に接続する。リード部34は、先端が略L字状に屈曲して固体電解質シート21の側縁部に露出している。
アッパ側の端子電極71〜73には、遮蔽シート13を貫通するスルーホールTH1〜TH3が設けられ、チャンバ形成シート12に設けたスルーホール(図略)および中間パッド78を介して、固体電解質シート21上面のリード部33、42、52と接続する。リード部33、42、52の端部上面には、中間パッド79が形成される。このように、セラミック積層体のアッパ側では、内部電極であるポンプ電極31、センサ電極41、モニタ電極51と端子電極71〜73との間に介在するセラミックシートが、チャンバ形成シート12のみであり、スルーホールTH1〜TH3や中間パッド78、79形成による工程数やコスト増加、積層ズレによる不具合のおそれは比較的小さい。
図4Aは、ガスセンサ素子1のロア側への電極取り出し方法を示す模式図で、セラミック積層体11の側面に沿って側面リード部8がアッパ側からロア側へ延びている。図4Bに比較して示す従来構造では、複数のセラミックシートを貫通するスルーホールTHと中間パッドPを介して、内部電極リードRが電気信号取出し端子Tと接続される。図示を略すアッパ側は、いずれもスルーホールと中間パッドを介して、素子上面に取り出される(図2参照)。セラミック積層体11のロア側では、大気側電極32と端子電極71〜73との間に複数のダクトシート14〜16、ヒータシート62、63が介在するために、アッパ側と同様の構成とすると、スルーホールの位置あわせや導体材料の充填、中間パッドの形成といった工程が煩雑になる。本実施形態の側面リード部8は、このような工程を不要にするので、製造工程数や導体使用量の増加を抑制できる利点がある。
端子部7を側面リード部8で外部接続する場合には、アッパ側のように電極やリード部をセラミックシートに予め形成して同時焼成する方法ではなく、セラミック積層体11の焼成後に、側面に焼き付けによって形成する方法が採用される。図5は、本実施形態の素子構造(左図)を、従来構造(右図)と比較して示したもので、ガスセンサ素子1を製造する際には、まず、セラミック積層体となるセラミックシート21、12〜16、62、63の未焼成シートを用意する。これら未焼成シートは、それぞれ所定箇所にチャンバ22やダクト24となる開口を打ち抜き形成し、複数のセル3、4、5の電極31、32、41、51やリード部33、34、42、52、ヒータ電極61のリード部64、65の形成箇所に導電ペーストを印刷等により塗布形成する。また、端子部7の端子電極71〜76、スルーホールTH1〜8、中間パッド77〜79等を形成する。図6(左図)は、一例としてヒータシート63を示し、その所定箇所にスルーホールTH6を打ち抜き形成した後、印刷等によりスルーホールTH6内に導電ペーストを充填する。その後、スルーホールTH6を覆って中間パッド77となる導電ペーストを印刷して、スルーホールTH6内の導電材料と密着させる。
ここで、図5(右図)の従来構造の場合には、さらに、固体電解質シート101下面の電極105を、積層体110の内部で接続するために、ダクト層108、ヒータ層109を構成する複数のセラミックシートを貫通するスルーホールを形成し、その上面を中間パッド113で覆う工程が必要となる。なお、図6(右図)のように、大気電極を下方へ引き回さずに、アッパ側の電極を全て積層体110上面の端子111に接続する構成とした場合には、ロア側のスルーホールTHの形成や位置合わせは容易になるが、上下面の端子111数が均等とならず、信号取り出し時に不具合が生じるおそれがある。
次いで、これら未焼成シートを積層して一体焼成し、所定の外形に切断する。その後、セラミック積層体の側面に、側面リード部8を焼き付け形成する。また、これに先立ち、セラミック積層体の表面を研削加工して、所定の面粗度に整える。この時、本発明のガスセンサ素子1は2つの粗さの素子側面を有し、少なくとも検知部2とヒータ部6が形成される先端側では、側部表面の面粗度を小さくして、平滑性を高め、側面リード部8が形成される側部表面は、他の側部表面より粗面として、接合性を高める。この詳細を次に説明する。
側面リード部8が形成される表面以外、特に検知部2が形成される先端側半部は、使用環境において排出ガスに晒されることから、排出ガス中の水分が付着した状態で加熱されると、熱衝撃による割れ(被水割れ)を生じて、信頼性を低下させるおそれがある。これを回避するためには、少なくとも先端側半部の表面は、面粗度を極力小さくするのがよく、排出ガス中の水分等が付着することによる被水割れ等の不具合を防止する効果が高い。この効果を得るために、具体的には、面粗度を十点平均粗さRzで表した時に、少なくとも先端側半部表面の面粗度Rzを、8(μm)以下の設定値とし、使用環境等に応じた所望の値を選択することで信頼性を確保できる。好適には、面粗度Rzが8(μm)より小さく、例えば5(μm)以下となるように設定すると信頼性が高まる。これにより、素子表面を平滑化して、焼成後の切断により生じるバリ等を除去し、使用環境において被水等が生じることにより、割れが発生する起点となる不具合をなくし、信頼性を向上させることができる。
一方、側面リード部8が形成される表面は、面粗度が小さいほど表面積が小さくなって、接合強度が低下するおそれがある。また、側面リード部8を焼き付ける際、セラミック積層体を再度焼成温度付近まで上昇させると基板割れが発生するため、焼き付け温度を焼成温度と比較して低温とする必要があるが、焼き付け温度が低下すると、リード材料とセラミック積層体11との接合性が低下し、剥離する問題が発生する。これを回避するため、本発明では、側面リード部8が形成される表面の面粗度をより大きくして、接合性を向上させる。この時、例えば、セラミック積層体11の側部表面全体または接合部以外の表面に、平滑化処理を施し、さらに側面リード部8が形成される表面のみを粗面化処理して、それ以外の表面よりも粗い、所定の面粗度とするとよい。これにより、ガスセンサ素子1の基端側において、側面リード部8との接合面を、隣接する表面より凹凸の大きい粗面とし、アンカー効果により接合強度を高めることができる。
側面リード部8が形成される表面を除く基端側半部の側面は、使用環境において不具合が生じない面粗度であれば、必ずしも先端側半部と同じ面粗度とする必要はない。例えば、セラミック積層体11の側部表面全体を、基端側半部に対応する面粗度となるように研削加工した後、先端側半部にさらに平滑化処理を施す一方、基端側半部の側面リード部8が形成される表面にさらに粗面化処理を施すこともできる。この場合も、好適には、基端側半部の面粗度Rzを8(μm)以下とし、先端側半部と同等範囲に設定することで、より高い信頼性と接合性が得られる。基端側半部を先端側半部と同じ面粗度とする場合は、研削工程が簡略になる。
この効果を得るために、具体的には、面粗度を十点平均粗さRzで表した時に、側面リード部8との接合面となる側部表面を、面粗度Rzが10(μm)以上となるようにするのがよい。図7は、ガスセンサ素子1の側面の拡大図で、セラミック積層体11の側面に、研削による多数の凹凸が形成されており、その表面を覆って側面リード部8が形成されている。セラミック積層体11の内部に形成されるリード部34は、焼成後の素子形状調整のために研削加工により、セラミック積層体11の側面と同様の凹凸を有している。これら凹凸により接合部の表面積が増大し、また、側面リード部8となる導電性材料が入り込んで、剥離を防止する。このように、側面リード部8が形成される部位に、研削により粗さを付与することで、側面リード材料のアンカー効果により付着性を向上させ、接合力を向上することができる。
ただし、素子表面の面粗度が大きくなると、例えば、温度変化の大きい環境において使用された時に、熱履歴による割れ等が発生しやすくなる。このため、側面リード部8が形成される基端側の側部表面は、面粗度Rzを80(μm)以下とするのがよい。これらから、側面リード部8の信頼性を高めるには、その形成部位の面粗度Rzが10≦Rz≦80(μm)の範囲となるように設定することがより望ましい。ここで、面粗度Rz(十点平均粗さ)とは、粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さを抜き取り、この抜取り部分の平均線から測定した、最も高い山から5番目までの平均値と、最も低い谷から5番目までの平均値との和を求めた値(μm)で表される。
このように、側面リード部8が形成される表面のみ接合力を確保できる粗面とし、側面リード部8を除く素子表面を、検知部2の被水の観点からRz≦8(μm)の平滑面とすることで、センサ使用環境下での線膨張による応力や素子組付時の外力等に対する信頼性が大きく向上する。また、側面リード部8により従来のようなスルーホールによる引き回しが不要となり、スルーホールと中間パッドを複数層に形成する必要がないので、スルーホール部分が盛り上がって焼成の際に割れ、膨れを生じるといった不具合もない。
側面リード部8を形成する導電性材料は、セラミック積層体の焼成温度より低い温度、例えば1000℃以下で焼き付け可能な材料であればよい。具体的には、導体となるPt等の貴金属にガラス成分、好適にはホウ珪酸ガラスを添加した材料が用いられ、再加熱によりガスセンサ素子1に割れが生じない温度、例えば900℃以下で熱処理することが望ましい。この際にホウ珪酸ガラス等のガラス成分が溶解することで、素子割れを防止しながら接合力を確保することができる。導電性材料へのガラス成分の添加割合は、所望の導電性と接合強度が確保できるように適宜選択され、側面リード部8の形成部位の面粗度を粗くしたことで、ガラス成分の添加割合が小さくても、良好な付着性を得ることができる。好適には、ガラス成分の含有量を1〜10重量%の範囲とするとよく、導電性材料の使用量を必要最小限として材料コストを抑制しつつ、側面リード部8の剥離を防止して信頼性を確保することが可能になる。
次に、上述した方法で、図1、2に示した構成のガスセンサ素子1を製作し、各種試験を行って本発明の効果を確認した。
(実施例1)
まず、固体電解質シート21となるイットリア添加ジルコニアシートと、セラミック積層体を構成するセラミックシート12〜16、62、63となるアルミナシートを、公知のドクターブレード法により製作した。得られた未焼成のセラミックシートに、内部電極および内部リード部となる導電性ペーストを印刷形成し、セラミック基材の焼結温度以上に昇温して同時焼成した。導電性ペーストは、焼成時の割れ(クラック)等の発生を抑制するため、焼成挙動を合わせる目的で、導体となる貴金属にシートに含有されているセラミック粉末(共材)を添加してペースト状としたものを用いた。貴金属は、セル3、5を構成する電極31、51はPt-Au、セル4を構成する電極41はPt-Rhとし、それ以外はPtとした。
得られたセラミック積層体は、所定の素子体格(4mm×55mm×1.6mm)となるように加工した。素子体格は、素子幅(4mm)を焼成後に研削することで調整し、素子長さ、厚みは焼成後の形状とした。さらに、セラミック積層体の表面を研削加工し、各部位が所望の面組度となるようにした。この時、研削の際にクラックを発生させないために検知部2に対応する面粗度で全体を研削し、その後、研削治具の刃具を変更して、側面リード部8が形成される表面が、検知部2側より粗い所望の面粗度となるよう研削加工した。このようにして、側面リード部8の形成部位とそれ以外の部位の面組度を、表1のように変化させた種々のセラミック積層体を準備し、それぞれに側面リード部用の導電性材料を印刷形成した。その後、約900℃で熱処理して、側面リード部8を形成したガスセンサ素子1を得た。側面リード部8の形状は1.4mm×1.5mmとし、側面リード部8の膜厚は、形成部位の面粗度に応じて異なり、約1〜20μmの範囲となるように形成した。側面リード部8となる導電性材料は、Ptにホウ珪酸ガラスを添加した材料であり、ホウ珪酸ガラスの添加割合が、Pt:ホウ珪酸ガラス=95:5(重量%)のものを用いた。
得られたガスセンサ素子1について、NOxセンサの使用環境と同等の雰囲気・温度条件において被水試験を行って、検知部2となる表面の面粗度とクラック発現の有無の関係を調べた。具体的には、車両使用環境に合わせ、ガスセンサ素子1のポンプ電極31温度を750〜900℃(例えば、760℃)に加熱し、次いで、素子側面部分に0.1〜3μL(例えば、0.3μL)の水を滴下した。この状態で15秒間放置し、次いで、ガスセンサ素子1の表面温度を再び上昇させた。この作業を所定回数繰り返し行った後、ガスセンサ素子1に割れが生じているか確認した結果を表1に示す。表中の○は、目視によりクラックが確認されなかったもの(◎は状態が特に良好であったもの)、×は、クラックの発生が確認されたものである。
Figure 0006295906
表1に明らかなように、ガスセンサ素子1の表面粗さ(面粗度Rz)が10μm以上であると、被水によるクラックの発生が見られ、面粗度Rzが1、3、5、8μmではクラックが発生しなかった。この結果から、ガスセンサ素子1の側面リード部8の形成部位以外、特に、排出ガスに晒される検知部2側の表面は平滑であるのがよく、面粗度Rzが8μm以下となるようにするとよい。また、この被水試験において、ガスセンサ素子1の側面リード部に剥離は発生しなかった。
(実施例2)
実施例1と同様の方法によって、セラミックシートを積層し、焼成して得られたセラミック積層体の側面に、側面リード部8となる導電性材料を焼き付けて、ガスセンサ素子1を製作した。その際、側面リード部8が形成される側部表面の面粗度と、検知部2を含む他の側部表面の面粗度を、それぞれ表2のように組み合わせた種々のセラミック積層体を準備した。得られたガスセンサ素子1に対し、NOxセンサの使用環境と同等の温度条件において、側面リード部8が形成される部位の面粗度と、側面リード部8の接合性、熱履歴によるクラック発現の有無との関係を調べた。側面リード部8とガスセンサ素子1との付着の評価のため、具体的には、実施例1と同様にガスセンサ素子1の使用動作温度まで昇温した後、室温に冷却することで繰り返し熱履歴を付与し、側面リード部8における剥離の有無を確認した。繰り返し熱履歴は、使用環境を考慮して連続2万回とした。結果を表2に示す。表中、目視により剥離の発生が確認されなかったものを○、剥離の発生が確認されたものを×とした。また、繰り返し熱履歴後に、クラック発生が確認されなかったものを○、クラックの発生が確認されたものを×とした。
Figure 0006295906
表2に明らかなように、側面リード部8が形成される表面は、面粗度Rzが4μmを超えると付着力が改善し、面粗度Rzが10μm以上では、剥離が生じなかった。熱履歴によるクラックは、面粗度Rzが100μmで発生しており、面粗度Rzが80μm以下では発生しなかった。これらの結果から、ガスセンサ素子1の基端側では、少なくとも側面リード部8との接合面の面粗度Rzを、10μm≦Rz≦80μmの範囲とすることで、付着性の向上と剥離防止を両立させることができる。
(実施例3)
実施例1と同様の方法によって、セラミックシートを積層し、焼成して得られたセラミック積層体の側面に、側面リード部8となる導電性材料を焼き付けて、ガスセンサ素子1を製作した。その際、検知部2を含む他の側部表面の面粗度が5μm、側面リード部8が形成される側部表面の面粗度が15μmとなるように、セラミック積層体の側面を研削加工し、側面リード用の導電性材料として、Ptにホウ珪酸ガラスを種々の割合で添加した材料を用意し、ガラス添加量と素子基体との接合性、導電性を調べた。結果を表3に示す。ガスセンサ素子1の体格、側面リード部8以外の材料、熱処理温度等の条件は、実施例1と同様とした。表中、素子との接合性については、実施例2と同様とし、センサが成立する導通抵抗は、本実施例の形状、膜厚とした側面リード部8が、ガスセンサ素子1に要求される導通抵抗の基準値を満足している場合を○、満足しない場合を×とした。
Figure 0006295906
表3に明らかなように、ガラス添加量が少ないと接合性が悪化し、ホウ珪酸ガラスを添加しない場合(ガラス比率0%)は、側面リード部8が素子基体に接合せず、ガラス比率0.5重量%の場合は、側面リード部8の剥離が発生した。ガラス比率を1重量%ないしそれ以上とした場合は、いずれも剥離の発生は見られなかった。一方、導通抵抗は、ガラス添加量が少ない方が良好であり、ガラス比率が20重量%、30重量%の場合は、所望の導電性が得られない。ガラス比率を10重量%以下とした場合は、いずれも良好な導電性が得られた。これらの結果から、導電性材料のガラス添加量は、貴金属(Pt)とガラス成分(ホウ珪酸ガラス)の比率が99:1〜90:10(重量%)の範囲となるように、側面リード部8を形成すれば、ガスセンサ素子1として要求される品質を確保できることがわかる。
以上のように、本発明によれば、積層型ガスセンサ素子1の基端側に側面リード部8を設けて、その形成部位の面粗度を他の表面より粗い所定の面粗度とし、検知部2が形成される先端側半部の面粗度を適切に設定することにより、簡易な構成で信頼性の高いガスセンサを実現できる。なお、積層型ガスセンサ素子1となるセラミック積層体の面粗度を調整する方法としては、少なくとも側面リード部8が形成される部位を含む所定の表面と、それ以外の表面とが、それぞれ最終的に所望の面粗度となるようにすれば、どのような方法を採用してもよい。例えば、実施例の工程のように、検知部2に対応する面粗度で全体を研削してから、側面リード部8に対応する表面を研削する方法であれば、製造工程における割れ等の発生を抑制して、高品質の素子を効率よく製造することができる。
上記実施形態では、ガスセンサ素子1を3セル構造の検知部2にヒータ部6が積層された構成とし、側面リード部8を、共通の大気側電極32に接続するように構成したが、他の電極に続くリード部あるいは複数のリード部を側面に配置する構成とすることもできる。また、セル構造や電極配置、その他の構成は適宜変更することができる。
本発明の積層型ガスセンサ素子は、例えば内燃機関に設置されるガスセンサとして、NOxセンサ以外の用途に利用することができる。また、内燃機関用に限らず、種々の分野において被測定ガス中の特定ガス成分を検出するためのガスセンサに利用することができる。
1 積層型ガスセンサ素子
11 セラミック積層体
12 チャンバ形成シート(セラミックシート)
13 遮蔽シート(セラミックシート)
2 検知部
21 固体電解質セラミックシート
22 チャンバ
24 ダクト
3、4、5 セル
31 ポンプ電極
32 大気側電極
41 センサ電極
51 モニタ電極
6 ヒータ部
7 端子部
71〜76 端子電極
8 側面リード部

Claims (4)

  1. 平板状のセラミックシートを積層したセラミック積層体からなり、該セラミック積層体の長手方向の一端側に検知部(2)およびヒータ部(6)を設け、長手方向の他端側にこれら検知部およびヒータ部と接続される端子部(7)を設けた積層型ガスセンサ素子(1)であって、
    上記検知部は、酸素イオン導電性の固体電解質セラミックシート(21)とその表面に形成した一対の電極からなる複数のセル(3〜5)と、上記固体電解質セラミックシートの一方の面側に積層される絶縁性のセラミックシート(12)にて形成されるチャンバ(22)と、他方の面側に積層される絶縁性のセラミックシート(14〜16)にて形成されるダクト(24)を有し、
    上記ヒータ部は、上記固体電解質セラミックシートの他方の面側に積層される絶縁性のセラミックシート(62、63)とヒータ電極(61)を有し、
    上記端子部は、上記検知部および上記ヒータ部の電極とそれぞれリード部(33、34、42、52、64、64)を介して接続される複数の端子電極(71〜76)を有し、該複数の端子電極を、上記セラミック積層体の積層方向の両表面に対称配置し、
    上記検知部および上記ヒータ部の電極のうち、少なくとも1つの電極に接続される上記リード部を、上記セラミック積層体の上記他端側の側部表面に焼き付け形成した側面リード部(8)によって、上記端子電極に接続させるとともに、
    上記セラミック積層体は、少なくとも上記検知部およびヒータ部が形成される上記一端側の側部表面の面粗度(Rz)を8μm以下とし、かつ、上記側面リード部が形成される側部表面の面粗度(Rz)を10μm≦Rz≦80μmとすることを特徴とする積層型ガスセンサ素子。
  2. 上記側面リード部が、上記セラミック積層体の焼成温度以下で焼き付け可能な導電性材料からなる請求項1記載の積層型ガスセンサ素子。
  3. 上記側面リード部が、貴金属成分とガラス成分を含有する導電性材料からなる請求項1または2記載の積層型ガスセンサ素子。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の積層型ガスセンサ素子の製造方法であって、
    上記検知部およびヒータ部となる複数の上記セラミックシートの所定位置に上記電極および上記リード部を形成して積層し、焼成して上記セラミック積層体とする工程と、
    上記セラミック積層体の側部表面全体を研削加工して、上記検知部およびヒータ部が形成される上記一端側の側部表面に対応する8μm以下の面粗度(Rz)とする工程と、
    上記側面リード部が形成される側部表面を研削加工して、面粗度(Rz)を10μm≦Rz≦80μmとする工程と、
    上記他端側の側部表面に、上記側面リード部を焼き付け形成する工程と、を有することを特徴とする積層型ガスセンサ素子の製造方法。
JP2014198403A 2014-09-29 2014-09-29 積層型ガスセンサ素子およびその製造方法 Active JP6295906B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014198403A JP6295906B2 (ja) 2014-09-29 2014-09-29 積層型ガスセンサ素子およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014198403A JP6295906B2 (ja) 2014-09-29 2014-09-29 積層型ガスセンサ素子およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016070740A JP2016070740A (ja) 2016-05-09
JP6295906B2 true JP6295906B2 (ja) 2018-03-20

Family

ID=55866534

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014198403A Active JP6295906B2 (ja) 2014-09-29 2014-09-29 積層型ガスセンサ素子およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6295906B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6937167B2 (ja) * 2017-06-07 2021-09-22 日本特殊陶業株式会社 ガスセンサ素子の製造方法
JP7140059B2 (ja) * 2019-06-27 2022-09-21 株式会社デンソー 積層型ガスセンサ素子及びその製造方法
JP7270565B2 (ja) * 2020-02-17 2023-05-10 日本特殊陶業株式会社 センサ素子及びガスセンサ

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4740288A (en) * 1987-03-02 1988-04-26 Stemcor Corporation Oxygen-sensing element
JPS63256253A (ja) * 1987-04-13 1988-10-24 Toyota Motor Corp 金型鋳造法
JP2003222607A (ja) * 2002-01-30 2003-08-08 Matsushita Electric Ind Co Ltd ガスセンサ
JP4304963B2 (ja) * 2002-11-08 2009-07-29 株式会社デンソー ガスセンサ素子およびその製造方法
JP4628920B2 (ja) * 2005-10-05 2011-02-09 日本碍子株式会社 ガスセンサ素子
EP2605299A3 (en) * 2006-03-07 2017-03-15 Kyocera Corporation Method for manufacturing ceramic member
US7967964B2 (en) * 2007-02-27 2011-06-28 Honeywell International Inc. Single cell sensor for measuring the partial pressure of oxygen
JP5951522B2 (ja) * 2012-03-28 2016-07-13 日本碍子株式会社 セラミックスペースト及び積層体
JP5996981B2 (ja) * 2012-09-13 2016-09-21 日本特殊陶業株式会社 ガスセンサ素子、及びガスセンサ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016070740A (ja) 2016-05-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4014513B2 (ja) セラミックヒータ、積層型ガスセンサ素子及びその製造方法、並びに積層型ガスセンサ素子を備えるガスセンサ
JP2020034435A (ja) センサ素子
JP4570091B2 (ja) 積層型ガスセンサ素子及びガスセンサ
JP4014623B2 (ja) ガスセンサ
JPS60108745A (ja) 電気化学的装置
JPS60259951A (ja) 電気化学的素子
JP6295906B2 (ja) 積層型ガスセンサ素子およびその製造方法
JP2007206082A (ja) セラミックヒータ、積層型ガスセンサ素子及びその製造方法、並びに積層型ガスセンサ素子を備えるガスセンサ
JP2006171013A (ja) セラミックヒータ、積層型ガスセンサ素子及び積層型ガスセンサ素子を備えるガスセンサ
JP4383897B2 (ja) 積層型ガスセンサ素子の製造方法
JP4637671B2 (ja) セラミック積層体及びそれを具備するガスセンサ
US20200309730A1 (en) Sensor element for gas sensor
JP2003322636A (ja) NOx分解電極及びNOx濃度測定装置
JP2007132954A (ja) セラミックヒータ、積層型ガスセンサ素子及び積層型ガスセンサ素子を備えるガスセンサ
JP4093784B2 (ja) 積層型ガスセンサ素子及びその製造方法並びにガスセンサ
JP4228975B2 (ja) 積層型ガスセンサ素子
JP2019158494A (ja) ガスセンサ
JP2019158554A (ja) センサ素子及びガスセンサ
JP4494283B2 (ja) ガスセンサおよびガスセンサの製造方法
JP6439649B2 (ja) ガスセンサ素子
JP2003294690A (ja) 積層型ガスセンサ素子及びその製造方法並びにガスセンサ
JP4413362B2 (ja) 積層型ガスセンサ素子及びその製造方法並びにそれを備えるガスセンサ
JP2008157649A (ja) 積層型ガスセンサ
JP5115247B2 (ja) ガスセンサ素子
JP4166403B2 (ja) ガスセンサ素子及びこれを備えるガスセンサ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170324

TRDD Decision of grant or rejection written
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180117

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180123

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180205

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6295906

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250