JP2003222607A - ガスセンサ - Google Patents
ガスセンサInfo
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- JP2003222607A JP2003222607A JP2002021428A JP2002021428A JP2003222607A JP 2003222607 A JP2003222607 A JP 2003222607A JP 2002021428 A JP2002021428 A JP 2002021428A JP 2002021428 A JP2002021428 A JP 2002021428A JP 2003222607 A JP2003222607 A JP 2003222607A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 短時間にガス濃度検知が可能でしかも、耐久
信頼性と生産性に優れたヒータ膜を有する小型省電力量
タイプのガスセンサを提供する。 【解決手段】 絶縁性耐熱基板12の上部に下部から順
々に積層した発熱体薄膜13と耐熱絶縁性薄膜14と耐
熱ガス感受膜15を少なくとも備えた構成である。発熱
体薄膜13は、耐熱性のヒータ主薄膜16と、膜厚を薄
くしてその下部に配置されたチタンまたはジルコニウム
またはクロムの少なくとも1種の材料を主成分とする金
属ヒータ補助薄膜17とから構成される。発熱体薄膜1
3は、接合性や展性に優れた金属ヒータ補助薄膜17を
ヒータ主薄膜16に併用し、その端部に積層した電圧供
給用リード膜18、19に加熱用リード線20、21を
ワイヤボンジング接合しているので、耐久信頼性と生産
性に優れたヒータ膜を有し、しかも短時間でガス濃度検
知可能な省電力量タイプのガスセンサが実現できる。
信頼性と生産性に優れたヒータ膜を有する小型省電力量
タイプのガスセンサを提供する。 【解決手段】 絶縁性耐熱基板12の上部に下部から順
々に積層した発熱体薄膜13と耐熱絶縁性薄膜14と耐
熱ガス感受膜15を少なくとも備えた構成である。発熱
体薄膜13は、耐熱性のヒータ主薄膜16と、膜厚を薄
くしてその下部に配置されたチタンまたはジルコニウム
またはクロムの少なくとも1種の材料を主成分とする金
属ヒータ補助薄膜17とから構成される。発熱体薄膜1
3は、接合性や展性に優れた金属ヒータ補助薄膜17を
ヒータ主薄膜16に併用し、その端部に積層した電圧供
給用リード膜18、19に加熱用リード線20、21を
ワイヤボンジング接合しているので、耐久信頼性と生産
性に優れたヒータ膜を有し、しかも短時間でガス濃度検
知可能な省電力量タイプのガスセンサが実現できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大気中の一酸化炭
素や炭化水素の濃度を検出するガスセンサであり、特に
耐久信頼性と生産性に優れたヒータ膜を有する小型省電
力量タイプのガスセンサを提供するものである。
素や炭化水素の濃度を検出するガスセンサであり、特に
耐久信頼性と生産性に優れたヒータ膜を有する小型省電
力量タイプのガスセンサを提供するものである。
【0002】
【従来の技術】一酸化炭素などに感応するガスセンサが
提案されている。従来のガスセンサは、特許番号第27
91473号公報に記載されその構成は図14に示す様
に、アルミナなどの非ガラス質基板1にガラス断熱層2
を設け、この上部に酸化ルテニウムなどの膜状ヒータ3
を形成した後、さらにオーバーコート用ガラス4をさら
に積層し、その上部に酸化スズなどのガス感応部5を順
々に積層している。そして、ガラス断熱層2の上部には
金電極6、7を設け、その端部を膜状ヒータ3の端部が
各々覆うとともに、その他端部上部に金線(記載せず)
をワイヤボンジングしている。また、オーバーコート用
ガラス4の上部には金電極8、9を設け、その端部をガ
ス感応部5の端部が各々覆うとともに、その他端部上部
に金線10、11をワイヤボンジングしている。また、
膜状ヒータ3は、白金膜で構成してもよく、その場合は
オーバーコート用ガラス4を不要としてもよい、さらに
ガス感応部5は、金属酸化物半導体もしくはジルコニア
などの酸素イオン導電体を用いてもよく、酸化スズのガ
ス感応部5を使用しそのセンサ出力を膜状ヒータ3の抵
抗変化として使用すると、金線10、11は不要とな
る。これと同種内容は、実公平7−10286号公報に
も記載されている。また、特公平7−99361号公報
にも、アルミナ等の耐熱絶縁性基板の片面に、酸化ルテ
ニウムや白金等のヒータ膜と、酸化スズ等のガス感応部
を設けた構成のガスセンサが記載されている。
提案されている。従来のガスセンサは、特許番号第27
91473号公報に記載されその構成は図14に示す様
に、アルミナなどの非ガラス質基板1にガラス断熱層2
を設け、この上部に酸化ルテニウムなどの膜状ヒータ3
を形成した後、さらにオーバーコート用ガラス4をさら
に積層し、その上部に酸化スズなどのガス感応部5を順
々に積層している。そして、ガラス断熱層2の上部には
金電極6、7を設け、その端部を膜状ヒータ3の端部が
各々覆うとともに、その他端部上部に金線(記載せず)
をワイヤボンジングしている。また、オーバーコート用
ガラス4の上部には金電極8、9を設け、その端部をガ
ス感応部5の端部が各々覆うとともに、その他端部上部
に金線10、11をワイヤボンジングしている。また、
膜状ヒータ3は、白金膜で構成してもよく、その場合は
オーバーコート用ガラス4を不要としてもよい、さらに
ガス感応部5は、金属酸化物半導体もしくはジルコニア
などの酸素イオン導電体を用いてもよく、酸化スズのガ
ス感応部5を使用しそのセンサ出力を膜状ヒータ3の抵
抗変化として使用すると、金線10、11は不要とな
る。これと同種内容は、実公平7−10286号公報に
も記載されている。また、特公平7−99361号公報
にも、アルミナ等の耐熱絶縁性基板の片面に、酸化ルテ
ニウムや白金等のヒータ膜と、酸化スズ等のガス感応部
を設けた構成のガスセンサが記載されている。
【0003】一方、Sensors and Actuators B 65
(2000)190−192に記載された酸化錫系ガス
センサに関する文献には、金属ケイ素基板ウエハー(以
下、シリコンウエハーと記す)の上部に、下から順に膜
厚470nmの酸化珪素と膜厚150nmの窒化珪素とか
らなる絶縁微薄膜を形成し、さらにその上部に、下から
順に膜厚30nmの金属チタンと膜厚240nmの白金か
らなるヒータを積層する旨が記載されている。さらに、
学気学会論文誌E.118巻12号.平成10年版の6
02頁には、「シリコン基板に製作させた集積型ガスセ
ンサ」の文献が紹介されている。このガスセンサは、シ
リコンウエハーの表面に熱酸化により酸化珪素からなる
絶縁微薄膜を形成し、その上部に、白金とタングステン
からなるヒータ膜、酸化珪素とアルミナを積層した絶縁
薄膜、酸化スズや酸化鉄さらに酸化タングステンのガス
感応薄膜を、下から順々に積層した構成である。そし
て、白金とタングステンからなるヒータ膜は、その上下
にクロムを形成して耐久性を高めている。
(2000)190−192に記載された酸化錫系ガス
センサに関する文献には、金属ケイ素基板ウエハー(以
下、シリコンウエハーと記す)の上部に、下から順に膜
厚470nmの酸化珪素と膜厚150nmの窒化珪素とか
らなる絶縁微薄膜を形成し、さらにその上部に、下から
順に膜厚30nmの金属チタンと膜厚240nmの白金か
らなるヒータを積層する旨が記載されている。さらに、
学気学会論文誌E.118巻12号.平成10年版の6
02頁には、「シリコン基板に製作させた集積型ガスセ
ンサ」の文献が紹介されている。このガスセンサは、シ
リコンウエハーの表面に熱酸化により酸化珪素からなる
絶縁微薄膜を形成し、その上部に、白金とタングステン
からなるヒータ膜、酸化珪素とアルミナを積層した絶縁
薄膜、酸化スズや酸化鉄さらに酸化タングステンのガス
感応薄膜を、下から順々に積層した構成である。そし
て、白金とタングステンからなるヒータ膜は、その上下
にクロムを形成して耐久性を高めている。
【0004】次に、上記記載の従来ガスセンサについ
て、用いられる基板とその上部に形成するヒータ膜につ
いて整理してみた。1つは、アルミナ等の非ガラス質基
板にガラス断熱層を積層した基板、の上部に形成した酸
化ルテニウム。2つは、アルミナ等の耐熱絶縁性基板、
の上部に形成した酸化ルテニウムもしくは白金。3つ
は、シリコンウエハーの表面に酸化珪素と窒化珪素とか
らなる絶縁微薄膜を形成した基板、の上部に下から順々
に形成したチタンと白金の積層膜。4つは、シリコンウ
エハーの表面に酸化珪素の絶縁微薄膜を形成した基板、
の上部に下から順々に形成したクロムと白金とタングス
テンとクロムの4積層膜。
て、用いられる基板とその上部に形成するヒータ膜につ
いて整理してみた。1つは、アルミナ等の非ガラス質基
板にガラス断熱層を積層した基板、の上部に形成した酸
化ルテニウム。2つは、アルミナ等の耐熱絶縁性基板、
の上部に形成した酸化ルテニウムもしくは白金。3つ
は、シリコンウエハーの表面に酸化珪素と窒化珪素とか
らなる絶縁微薄膜を形成した基板、の上部に下から順々
に形成したチタンと白金の積層膜。4つは、シリコンウ
エハーの表面に酸化珪素の絶縁微薄膜を形成した基板、
の上部に下から順々に形成したクロムと白金とタングス
テンとクロムの4積層膜。
【0005】一方、特公平7−99361号公報に記載
された従来のガスセンサは、アルミナ等の耐熱絶縁性基
板の片面に、酸化ルテニウムや白金等のヒータ膜と、酸
化スズ等のガス感応部を設け、ヒータ膜およびガス感応
部に金線もしくは白金線のリード線がワイヤボンジング
された構成である。このワイヤボンジング技術について
説明する。金線のワイヤボンジングは、金膜に金線を接
続する技術であり、ヒータ膜およびガス感応部として金
膜は一般に用いられないため、ヒータ膜およびガス感応
部の端部に金膜を別途形成し、この金膜に金線をワイヤ
ボンジングしている。一方、白金線のワイヤボンジング
は、白金膜に白金線を接続する技術であり、白金ヒータ
膜およびガス感応部の端部、もしくはこれらが白金以外
の材質の場合はその端部に白金膜を別途形成し、この白
金膜に白金線をワイヤボンジングしている。また、白金
粉末に少量のガラス粉末を混合したペーストを塗布し焼
成する方法で白金線を接続する技術も有る。
された従来のガスセンサは、アルミナ等の耐熱絶縁性基
板の片面に、酸化ルテニウムや白金等のヒータ膜と、酸
化スズ等のガス感応部を設け、ヒータ膜およびガス感応
部に金線もしくは白金線のリード線がワイヤボンジング
された構成である。このワイヤボンジング技術について
説明する。金線のワイヤボンジングは、金膜に金線を接
続する技術であり、ヒータ膜およびガス感応部として金
膜は一般に用いられないため、ヒータ膜およびガス感応
部の端部に金膜を別途形成し、この金膜に金線をワイヤ
ボンジングしている。一方、白金線のワイヤボンジング
は、白金膜に白金線を接続する技術であり、白金ヒータ
膜およびガス感応部の端部、もしくはこれらが白金以外
の材質の場合はその端部に白金膜を別途形成し、この白
金膜に白金線をワイヤボンジングしている。また、白金
粉末に少量のガラス粉末を混合したペーストを塗布し焼
成する方法で白金線を接続する技術も有る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】350〜500℃で動
作するガスセンサは、内蔵しているヒータ膜によりその
動作温度まで昇温して使用されている。そのため、省電
力タイプを実現するためには、センサのサイズを極力小
型化し、内蔵しているヒータ膜に大電力を短時間に印加
して動作温度まで短時間に昇温する必要が有る。しかし
ながら、従来の技術を用いてこの省電力量タイプを実現
することは、ヒータ膜の耐久信頼性が確保できない課
題、ヒータ膜で発生する熱の大部分が大気に放散するの
で省電力量が容易に実現できない課題、リード線接続に
複雑で高度な製造技術と品質管理技術を必要とする課
題、があった。以下、詳細にその理由を説明する。
作するガスセンサは、内蔵しているヒータ膜によりその
動作温度まで昇温して使用されている。そのため、省電
力タイプを実現するためには、センサのサイズを極力小
型化し、内蔵しているヒータ膜に大電力を短時間に印加
して動作温度まで短時間に昇温する必要が有る。しかし
ながら、従来の技術を用いてこの省電力量タイプを実現
することは、ヒータ膜の耐久信頼性が確保できない課
題、ヒータ膜で発生する熱の大部分が大気に放散するの
で省電力量が容易に実現できない課題、リード線接続に
複雑で高度な製造技術と品質管理技術を必要とする課
題、があった。以下、詳細にその理由を説明する。
【0007】まず、第1課題のヒータ膜の耐久信頼性に
ついて説明する。従来のヒータ膜は、省電力タイプのガ
スセンサとして使用する目的で大電力を短時間に印加
し、450℃といった高温の動作温度まで短時間に昇温
させその後電源オフして降温させる間欠パルス通電を頻
繁に行うと、ヒータ膜の抵抗が大きくなる課題があっ
た。この課題は、短時間に動作温度まで昇温させる通電
モードであるため、ヒータ膜の熱膨張に、耐熱絶縁性基
板の熱膨張が追随できないことで起こる課題であり、こ
の熱膨張の不一致が原因で、ヒータ膜は耐熱絶縁性基板
より剥離して抵抗が大きくなってしまう。このヒータ膜
に関する課題を従来の4種類のヒータ膜ごとに詳細に説
明する。
ついて説明する。従来のヒータ膜は、省電力タイプのガ
スセンサとして使用する目的で大電力を短時間に印加
し、450℃といった高温の動作温度まで短時間に昇温
させその後電源オフして降温させる間欠パルス通電を頻
繁に行うと、ヒータ膜の抵抗が大きくなる課題があっ
た。この課題は、短時間に動作温度まで昇温させる通電
モードであるため、ヒータ膜の熱膨張に、耐熱絶縁性基
板の熱膨張が追随できないことで起こる課題であり、こ
の熱膨張の不一致が原因で、ヒータ膜は耐熱絶縁性基板
より剥離して抵抗が大きくなってしまう。このヒータ膜
に関する課題を従来の4種類のヒータ膜ごとに詳細に説
明する。
【0008】1つ目の、アルミナ等の非ガラス質基板に
ガラス断熱層を積層した基板、の上部に形成した酸化ル
テニウムの場合について説明する。このヒータ膜は、大
電力を短時間に印加して動作温度まで短時間に昇温させ
る間欠パルス通電を頻繁に行うと、ヒータ膜の熱膨張
が、ガラス断熱層の熱膨張に追随できないので、ヒータ
膜がガラス断熱層より剥離して抵抗が大きくなってい
た。
ガラス断熱層を積層した基板、の上部に形成した酸化ル
テニウムの場合について説明する。このヒータ膜は、大
電力を短時間に印加して動作温度まで短時間に昇温させ
る間欠パルス通電を頻繁に行うと、ヒータ膜の熱膨張
が、ガラス断熱層の熱膨張に追随できないので、ヒータ
膜がガラス断熱層より剥離して抵抗が大きくなってい
た。
【0009】2つ目の、アルミナ等の耐熱絶縁性基板、
の上部に形成した酸化ルテニウムもしくは白金の場合も
上記と同じであり、間欠パルス通電を頻繁に行うと、ヒ
ータ膜の熱膨張が、耐熱絶縁性基板の熱膨張に追随でき
ないので、ヒータ膜が剥離して抵抗が大きくなってい
た。
の上部に形成した酸化ルテニウムもしくは白金の場合も
上記と同じであり、間欠パルス通電を頻繁に行うと、ヒ
ータ膜の熱膨張が、耐熱絶縁性基板の熱膨張に追随でき
ないので、ヒータ膜が剥離して抵抗が大きくなってい
た。
【0010】3つ目の、シリコンウエハーの表面に酸化
珪素と窒化珪素とからなる絶縁微薄膜を形成した基板、
の上部に下から順々に形成したチタンと白金の積層膜の
場合について説明する。この基板は、シリコンウエハー
が半導体であるのでその表面に酸化珪素と窒化珪素とか
らなる絶縁微薄膜を予め形成しているのだが、シリコン
ウエハーと絶縁微薄膜との密着力が弱いので、間欠パル
ス通電を頻繁に行うと、この絶縁微薄膜が熱膨張に追随
できずに発熱体薄膜とともに剥離し、ヒータ膜はその抵
抗が大きくなっていた。この原因は、シリコンウエハー
基板の耐熱性がせいぜい300〜400℃前後であり、
動作温度450℃近辺に曝されると、その表面に密着性
の乏しい新たな酸化物が生成することに起因する。この
ため、間欠パルス通電中に、シリコンウエハーの表面に
新たな酸化物が徐々に生成して予め形成されている絶縁
微薄膜の密着力を低下させ、ヒータ膜はその抵抗が徐々
に大きくなっていた。さらにこれに加えて、この種のヒ
ータ加熱型ガスセンサにおいては、その動作温度450
℃より高い温度を付与して耐熱ガス感受膜を形成しなけ
ればならないので、シリコンウエハーは耐熱ガス感受膜
の形成時に600〜800℃といった高温の熱が付与さ
れている。この高温の熱付与は、シリコンウエハーの表
面に生成する密着力の乏しい新たな酸化物量を著しく増
加させ、間欠パルス通電における、ヒータ膜の抵抗増加
を益々助長させていた。
珪素と窒化珪素とからなる絶縁微薄膜を形成した基板、
の上部に下から順々に形成したチタンと白金の積層膜の
場合について説明する。この基板は、シリコンウエハー
が半導体であるのでその表面に酸化珪素と窒化珪素とか
らなる絶縁微薄膜を予め形成しているのだが、シリコン
ウエハーと絶縁微薄膜との密着力が弱いので、間欠パル
ス通電を頻繁に行うと、この絶縁微薄膜が熱膨張に追随
できずに発熱体薄膜とともに剥離し、ヒータ膜はその抵
抗が大きくなっていた。この原因は、シリコンウエハー
基板の耐熱性がせいぜい300〜400℃前後であり、
動作温度450℃近辺に曝されると、その表面に密着性
の乏しい新たな酸化物が生成することに起因する。この
ため、間欠パルス通電中に、シリコンウエハーの表面に
新たな酸化物が徐々に生成して予め形成されている絶縁
微薄膜の密着力を低下させ、ヒータ膜はその抵抗が徐々
に大きくなっていた。さらにこれに加えて、この種のヒ
ータ加熱型ガスセンサにおいては、その動作温度450
℃より高い温度を付与して耐熱ガス感受膜を形成しなけ
ればならないので、シリコンウエハーは耐熱ガス感受膜
の形成時に600〜800℃といった高温の熱が付与さ
れている。この高温の熱付与は、シリコンウエハーの表
面に生成する密着力の乏しい新たな酸化物量を著しく増
加させ、間欠パルス通電における、ヒータ膜の抵抗増加
を益々助長させていた。
【0011】4つ目の、シリコンウエハーの表面に酸化
珪素の絶縁微薄膜を形成した基板、の上部に下から順々
に形成したクロムと白金とタングステンとクロムの4積
層膜の場合も上記3つ目と同じ現象が起こっている。間
欠パルス通電を頻繁に行うと、シリコンウエハーとその
表面に形成した絶縁微薄膜との密着力が弱いので、この
絶縁微薄膜が熱膨張に追随できずに発熱体薄膜とともに
剥離し、このヒータ膜は、その抵抗が大きくなってい
た。
珪素の絶縁微薄膜を形成した基板、の上部に下から順々
に形成したクロムと白金とタングステンとクロムの4積
層膜の場合も上記3つ目と同じ現象が起こっている。間
欠パルス通電を頻繁に行うと、シリコンウエハーとその
表面に形成した絶縁微薄膜との密着力が弱いので、この
絶縁微薄膜が熱膨張に追随できずに発熱体薄膜とともに
剥離し、このヒータ膜は、その抵抗が大きくなってい
た。
【0012】一方、従来の上記記載4技術を単純に組み
合わせてヒータ膜の抵抗増加を抑制する案が考えられ
る。これは、低熱伝導性の耐熱絶縁性基板の上部にチタ
ンもしくはクロムと白金などの積層膜を形成する技術で
あるが、単にチタン等と白金等を積層しても良好な耐久
性は得られずヒータ膜はその抵抗が大きくなってしまう
問題が起こる。この理由について説明する。これは、チ
タンもしくはクロムと白金等を積層してヒータ膜を形成
する場合、耐久性を向上させるに最適な焼成温度がある
ためであり、耐熱絶縁性基板の材料をこの焼成温度に耐
えうる耐熱性にしないと、ヒータ膜は良好な耐久性は得
られない。この良好な耐久性のヒータ膜を得るための、
耐熱絶縁性基板の耐熱性に関する情報は、従来例に記載
されておらず、従来の技術を単純に組み合わせても、耐
久性の優れたヒータ膜は実現できなかった。
合わせてヒータ膜の抵抗増加を抑制する案が考えられ
る。これは、低熱伝導性の耐熱絶縁性基板の上部にチタ
ンもしくはクロムと白金などの積層膜を形成する技術で
あるが、単にチタン等と白金等を積層しても良好な耐久
性は得られずヒータ膜はその抵抗が大きくなってしまう
問題が起こる。この理由について説明する。これは、チ
タンもしくはクロムと白金等を積層してヒータ膜を形成
する場合、耐久性を向上させるに最適な焼成温度がある
ためであり、耐熱絶縁性基板の材料をこの焼成温度に耐
えうる耐熱性にしないと、ヒータ膜は良好な耐久性は得
られない。この良好な耐久性のヒータ膜を得るための、
耐熱絶縁性基板の耐熱性に関する情報は、従来例に記載
されておらず、従来の技術を単純に組み合わせても、耐
久性の優れたヒータ膜は実現できなかった。
【0013】また、一般的な解決案として、耐熱絶縁性
基板とヒータ膜の熱膨張係数を一致させる案が考えられ
る。しかしながら、この案は、短時間に動作温度まで昇
温させる通電モードにおいては、耐熱絶縁性基板におい
て膨張する部分は温度の高いヒータ膜形成側であるた
め、高温のヒータ膜形成側と低温の非ヒータ膜形成側と
で膨張性の違いが生じてしまい、耐熱絶縁性基板が割れ
ると言う新たな問題発生があるので、この案は実用化不
可能であり不適格である。また、耐熱絶縁性基板の熱膨
張係数をヒータ膜の熱膨張係数より僅かに小さくする案
も考えられるのだが、ヒータ膜の抵抗増加防止と耐熱絶
縁性基板の割れ防止を同時に満足することが容易に出来
ず、結果的に耐熱絶縁性基板の割れ防止対策を最優先す
るので、ヒータ膜の抵抗増加を起こしてしまっていた。
基板とヒータ膜の熱膨張係数を一致させる案が考えられ
る。しかしながら、この案は、短時間に動作温度まで昇
温させる通電モードにおいては、耐熱絶縁性基板におい
て膨張する部分は温度の高いヒータ膜形成側であるた
め、高温のヒータ膜形成側と低温の非ヒータ膜形成側と
で膨張性の違いが生じてしまい、耐熱絶縁性基板が割れ
ると言う新たな問題発生があるので、この案は実用化不
可能であり不適格である。また、耐熱絶縁性基板の熱膨
張係数をヒータ膜の熱膨張係数より僅かに小さくする案
も考えられるのだが、ヒータ膜の抵抗増加防止と耐熱絶
縁性基板の割れ防止を同時に満足することが容易に出来
ず、結果的に耐熱絶縁性基板の割れ防止対策を最優先す
るので、ヒータ膜の抵抗増加を起こしてしまっていた。
【0014】次に、第2課題の省電力量が容易に実現で
きないことについて説明する。省電力量を実現するに
は、従来例の様にアルミナ等の非ガラス質基板に低熱伝
導性のガラス断熱層を積層した基板を使用する方法が考
えられる。しかしながら、この方法は、ただ単にガラス
断熱層を積層した基板を使用しているため、間欠パルス
通電によるヒートショックで基板が割れる問題、特に積
層したガラス断熱層が割れる問題が起こる。この基板の
割れを防止するためには、基板は、ヒートショックに耐
えうる耐熱性にするとともに、低熱伝導性に必要が有
る。良好な耐久性と低熱伝導性を有する基板の具体的情
報は、従来例に記載されておらず、従来の技術を単純に
組み合わせても、耐久性と低熱伝導性の優れた基板は実
現できなかった。
きないことについて説明する。省電力量を実現するに
は、従来例の様にアルミナ等の非ガラス質基板に低熱伝
導性のガラス断熱層を積層した基板を使用する方法が考
えられる。しかしながら、この方法は、ただ単にガラス
断熱層を積層した基板を使用しているため、間欠パルス
通電によるヒートショックで基板が割れる問題、特に積
層したガラス断熱層が割れる問題が起こる。この基板の
割れを防止するためには、基板は、ヒートショックに耐
えうる耐熱性にするとともに、低熱伝導性に必要が有
る。良好な耐久性と低熱伝導性を有する基板の具体的情
報は、従来例に記載されておらず、従来の技術を単純に
組み合わせても、耐久性と低熱伝導性の優れた基板は実
現できなかった。
【0015】最後に、第3課題のリード線接続技術につ
いて説明する。金線をワイヤボンジングする場合、その
リード線接合部は、金膜を必要とし、一般に金膜はヒー
タ膜として使用されないため、メッキや厚膜印刷等で形
成させた金膜を別途形成する必要が有る。ところで、リ
ード線接合部に単純に使用された金膜は、直流電圧電流
の印加により350〜500℃の動作温度に長期間保持
されると金分子が拡散してヒータ膜まで移動し、白金や
酸化ルテニウムなどのヒータ膜の抵抗を徐々に変化させ
るとともに、金膜はこれらヒータ膜材料との親和力に乏
しく接合不良が発生し易い。これを防止するため例え
ば、リード線接合部を白金膜と金膜の積層膜とし、上部
の金膜に金線を接合し、下部の白金膜で金分子の拡散移
動を防止する案が有る。しかしながら、この案は、金膜
が下部の白金膜に埋没して露出した金膜が僅かとなるた
め、小型化したガスセンサの小さなリード接合面積部の
微少露出した金膜に金線を接合しさらにその接合信頼性
を確保することは、複雑で高度な製造技術と品質管理技
術を必要とする課題があった。
いて説明する。金線をワイヤボンジングする場合、その
リード線接合部は、金膜を必要とし、一般に金膜はヒー
タ膜として使用されないため、メッキや厚膜印刷等で形
成させた金膜を別途形成する必要が有る。ところで、リ
ード線接合部に単純に使用された金膜は、直流電圧電流
の印加により350〜500℃の動作温度に長期間保持
されると金分子が拡散してヒータ膜まで移動し、白金や
酸化ルテニウムなどのヒータ膜の抵抗を徐々に変化させ
るとともに、金膜はこれらヒータ膜材料との親和力に乏
しく接合不良が発生し易い。これを防止するため例え
ば、リード線接合部を白金膜と金膜の積層膜とし、上部
の金膜に金線を接合し、下部の白金膜で金分子の拡散移
動を防止する案が有る。しかしながら、この案は、金膜
が下部の白金膜に埋没して露出した金膜が僅かとなるた
め、小型化したガスセンサの小さなリード接合面積部の
微少露出した金膜に金線を接合しさらにその接合信頼性
を確保することは、複雑で高度な製造技術と品質管理技
術を必要とする課題があった。
【0016】白金線のワイヤボンジングについて説明す
る。白金線は白金膜への接合に適しているのだが、白金
膜を単純に基板に形成すると両者が充分に密着しないの
で、接合した白金線が、その取り扱い時の不注意で白金
膜ごと剥離して外れてしまうことが起こる。白金線が外
れない様にしながら、小型化したガスセンサの小さなリ
ード接合面積部の白金膜に白金線を接合することは、複
雑で高度な製造技術と品質管理技術を用いて取り扱わな
ければならない課題があった。また、この様に密着性に
乏しい状態でリード線接合されたセンサは、少ない動作
回数でヒータ膜との接続抵抗が増加する課題があった。
一方、白金粉末に少量のガラス粉末を混合したペースト
を塗布し焼成する方法で白金線を固定する技術は、大き
なリード接合面積を必要とするため、小さなリード接合
面積部に白金線を接合するには、複雑な製造技術と高度
の品質管理技術を必要とする課題があった。
る。白金線は白金膜への接合に適しているのだが、白金
膜を単純に基板に形成すると両者が充分に密着しないの
で、接合した白金線が、その取り扱い時の不注意で白金
膜ごと剥離して外れてしまうことが起こる。白金線が外
れない様にしながら、小型化したガスセンサの小さなリ
ード接合面積部の白金膜に白金線を接合することは、複
雑で高度な製造技術と品質管理技術を用いて取り扱わな
ければならない課題があった。また、この様に密着性に
乏しい状態でリード線接合されたセンサは、少ない動作
回数でヒータ膜との接続抵抗が増加する課題があった。
一方、白金粉末に少量のガラス粉末を混合したペースト
を塗布し焼成する方法で白金線を固定する技術は、大き
なリード接合面積を必要とするため、小さなリード接合
面積部に白金線を接合するには、複雑な製造技術と高度
の品質管理技術を必要とする課題があった。
【0017】本発明は、前記する従来の課題を解決し
て、小型省電力量タイプのガスセンサに使用できる、耐
久信頼性と生産性に優れたヒータ膜を提供することを目
的とするものである。
て、小型省電力量タイプのガスセンサに使用できる、耐
久信頼性と生産性に優れたヒータ膜を提供することを目
的とするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明のガスセンサは、
上記課題を解決するために、各々の構成品の耐熱性が少
なくとも650℃を越える、絶縁性耐熱基板の上部に下
から順々に積層した発熱体薄膜と耐熱絶縁性薄膜と耐熱
ガス感受膜と、発熱体薄膜の端部を各々覆って絶縁性耐
熱基板の上部に形成された一対の電圧供給用リード膜
と、電圧供給用リード膜に接続した一対の加熱用リード
線を少なくとも備える構成とした。そして、絶縁性耐熱
基板は、熱伝導率が少なくとも7W/mKを越えない低熱伝
導性材料の単一基板もしくはこの低熱伝導性材料の遮熱
板を耐熱板の上部に積層した二層基板で構成した。ま
た、発熱体薄膜は、チタンまたはジルコニウムまたはク
ロム少なくとも1種の材料を主成分とする金属ヒータ補
助薄膜と、金属ヒータ補助薄膜より膜厚を厚くしてその
上部に配置された耐熱性の金属または無機材料の少なく
とも1種の材料を主成分とするヒータ主薄膜とで構成し
た。さらに、電圧供給用リード膜は、加熱用リード線の
成分と同一材料を主成分とした。
上記課題を解決するために、各々の構成品の耐熱性が少
なくとも650℃を越える、絶縁性耐熱基板の上部に下
から順々に積層した発熱体薄膜と耐熱絶縁性薄膜と耐熱
ガス感受膜と、発熱体薄膜の端部を各々覆って絶縁性耐
熱基板の上部に形成された一対の電圧供給用リード膜
と、電圧供給用リード膜に接続した一対の加熱用リード
線を少なくとも備える構成とした。そして、絶縁性耐熱
基板は、熱伝導率が少なくとも7W/mKを越えない低熱伝
導性材料の単一基板もしくはこの低熱伝導性材料の遮熱
板を耐熱板の上部に積層した二層基板で構成した。ま
た、発熱体薄膜は、チタンまたはジルコニウムまたはク
ロム少なくとも1種の材料を主成分とする金属ヒータ補
助薄膜と、金属ヒータ補助薄膜より膜厚を厚くしてその
上部に配置された耐熱性の金属または無機材料の少なく
とも1種の材料を主成分とするヒータ主薄膜とで構成し
た。さらに、電圧供給用リード膜は、加熱用リード線の
成分と同一材料を主成分とした。
【0019】絶縁性耐熱基板が、耐熱性が少なくとも6
50℃を越えしかも、熱伝導率が少なくとも7W/mKを越
えない低熱伝導性材料の単一基板もしくはこの低熱伝導
性材料の遮熱板を耐熱板の上部に積層した二層基板で構
成されるので、発熱体薄膜で発生する熱の少量がこの絶
縁性耐熱基板の加熱に使用される。そして、発生熱の大
部分が、耐熱絶縁性薄膜の薄膜を介してその上部の耐熱
ガス感受膜に伝達され、耐熱ガス感受膜は、低電力を用
いて短時間に動作温度まで温度上昇してガス濃度検知可
能状態となり、省電力量が容易に実現できる。
50℃を越えしかも、熱伝導率が少なくとも7W/mKを越
えない低熱伝導性材料の単一基板もしくはこの低熱伝導
性材料の遮熱板を耐熱板の上部に積層した二層基板で構
成されるので、発熱体薄膜で発生する熱の少量がこの絶
縁性耐熱基板の加熱に使用される。そして、発生熱の大
部分が、耐熱絶縁性薄膜の薄膜を介してその上部の耐熱
ガス感受膜に伝達され、耐熱ガス感受膜は、低電力を用
いて短時間に動作温度まで温度上昇してガス濃度検知可
能状態となり、省電力量が容易に実現できる。
【0020】一方、チタンやジルコニウムさらにクロム
は、接合性と展性に優れた材料であり、少なくとも65
0℃を越える温度で焼成すると、耐熱性の金属または無
機材料のヒータ主薄膜に良好に接合して展性を持つ発熱
体薄膜をつくり、さらに絶縁性耐熱基板や耐熱絶縁性薄
膜とも良好に接合する。大電力を短時間に印加すると、
発熱体薄膜は短時間に動作温度まで温度上昇して熱膨張
し、その上下に配置された絶縁性耐熱基板や耐熱絶縁性
薄膜も同時に温度上昇して熱膨張するのだが、この積層
型の発熱体薄膜は、この熱膨張に良好に追随して剥離を
生じることがない。そのため、発熱体薄膜は、優れた耐
熱衝撃性を示して絶縁性耐熱基板や耐熱絶縁性薄膜に良
好に密着し続け、その抵抗増加が抑制されて優れた耐久
信頼性を示す。
は、接合性と展性に優れた材料であり、少なくとも65
0℃を越える温度で焼成すると、耐熱性の金属または無
機材料のヒータ主薄膜に良好に接合して展性を持つ発熱
体薄膜をつくり、さらに絶縁性耐熱基板や耐熱絶縁性薄
膜とも良好に接合する。大電力を短時間に印加すると、
発熱体薄膜は短時間に動作温度まで温度上昇して熱膨張
し、その上下に配置された絶縁性耐熱基板や耐熱絶縁性
薄膜も同時に温度上昇して熱膨張するのだが、この積層
型の発熱体薄膜は、この熱膨張に良好に追随して剥離を
生じることがない。そのため、発熱体薄膜は、優れた耐
熱衝撃性を示して絶縁性耐熱基板や耐熱絶縁性薄膜に良
好に密着し続け、その抵抗増加が抑制されて優れた耐久
信頼性を示す。
【0021】また、一対の電圧供給用リード膜が、発熱
体薄膜の端部を各々覆って絶縁性耐熱基板の上部に形成
されており、このリード膜に一対の加熱用リード線が接
続された構成である。発熱体薄膜が、前述の様に絶縁性
耐熱基板に良好に接合しているので、その端部上部に積
層した電圧供給用リード膜も発熱体薄膜および絶縁性耐
熱基板に良好に接合している。しかも、電圧供給用リー
ド膜の主成分と、一対の加熱用リード線は同一材料であ
るので、加熱用リード線に白金線を使用すると、電圧供
給用リード膜はワイヤボンジング性に優れた白金膜を使
用できる。これらのことより、加熱用リード線として使
用した白金線が、電圧供給用リード膜として使用した白
金膜に外れることなく簡単にワイヤボンジング接合でき
しかもその接合の耐久信頼性が高いので、ヒータ膜への
リード線接合は、簡単な製造技術と品質管理技術を用い
て生産対応できる。
体薄膜の端部を各々覆って絶縁性耐熱基板の上部に形成
されており、このリード膜に一対の加熱用リード線が接
続された構成である。発熱体薄膜が、前述の様に絶縁性
耐熱基板に良好に接合しているので、その端部上部に積
層した電圧供給用リード膜も発熱体薄膜および絶縁性耐
熱基板に良好に接合している。しかも、電圧供給用リー
ド膜の主成分と、一対の加熱用リード線は同一材料であ
るので、加熱用リード線に白金線を使用すると、電圧供
給用リード膜はワイヤボンジング性に優れた白金膜を使
用できる。これらのことより、加熱用リード線として使
用した白金線が、電圧供給用リード膜として使用した白
金膜に外れることなく簡単にワイヤボンジング接合でき
しかもその接合の耐久信頼性が高いので、ヒータ膜への
リード線接合は、簡単な製造技術と品質管理技術を用い
て生産対応できる。
【0022】以上の3点より、耐久信頼性と生産性に優
れたヒータ膜を有する小型省電力量タイプのガスセンサ
が実現できる。
れたヒータ膜を有する小型省電力量タイプのガスセンサ
が実現できる。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明は、各請求項に記載した形
態で実施することができる。
態で実施することができる。
【0024】請求項1記載の発明は、各々の構成品の耐
熱性が少なくとも650℃を越える、絶縁性耐熱基板の
上部に下から順々に積層した発熱体薄膜と耐熱絶縁性薄
膜と耐熱ガス感受膜と、前記発熱体薄膜の端部を各々覆
って前記絶縁性耐熱基板の上部に形成された一対の電圧
供給用リード膜と、前記電圧供給用リード膜に接続した
一対の加熱用リード線を少なくとも備え、前記絶縁性耐
熱基板は、熱伝導率が少なくとも7W/mKを越えない低熱
伝導性材料の単一基板もしくは前記低熱伝導性材料の遮
熱板を耐熱板の上部に積層した二層基板で構成され、前
記発熱体薄膜は、チタンまたはジルコニウムまたはクロ
ム少なくとも1種の材料を主成分とする金属ヒータ補助
薄膜と、前記金属ヒータ補助薄膜より膜厚を厚くしてそ
の上部に配置された耐熱性の金属または無機材料の少な
くとも1種の材料を主成分とするヒータ主薄膜とから構
成され、前記電圧供給用リード膜は、前記加熱用リード
線の成分と同一材料を主成分とした。
熱性が少なくとも650℃を越える、絶縁性耐熱基板の
上部に下から順々に積層した発熱体薄膜と耐熱絶縁性薄
膜と耐熱ガス感受膜と、前記発熱体薄膜の端部を各々覆
って前記絶縁性耐熱基板の上部に形成された一対の電圧
供給用リード膜と、前記電圧供給用リード膜に接続した
一対の加熱用リード線を少なくとも備え、前記絶縁性耐
熱基板は、熱伝導率が少なくとも7W/mKを越えない低熱
伝導性材料の単一基板もしくは前記低熱伝導性材料の遮
熱板を耐熱板の上部に積層した二層基板で構成され、前
記発熱体薄膜は、チタンまたはジルコニウムまたはクロ
ム少なくとも1種の材料を主成分とする金属ヒータ補助
薄膜と、前記金属ヒータ補助薄膜より膜厚を厚くしてそ
の上部に配置された耐熱性の金属または無機材料の少な
くとも1種の材料を主成分とするヒータ主薄膜とから構
成され、前記電圧供給用リード膜は、前記加熱用リード
線の成分と同一材料を主成分とした。
【0025】絶縁性耐熱基板が、耐熱性が少なくとも6
50℃を越えしかも、熱伝導率が少なくとも7W/mKを越
えない低熱伝導性材料の単一基板もしくはこの低熱伝導
性材料の遮熱板を耐熱板の上部に積層した二層基板で構
成されるので、発熱体薄膜で発生する熱の少量がこの絶
縁性耐熱基板の加熱に使用される。そして、発生熱の大
部分が、耐熱絶縁性薄膜の薄膜を介してその上部の耐熱
ガス感受膜に伝達され、耐熱ガス感受膜は、低電力を用
いて短時間に動作温度まで温度上昇してガス濃度検知可
能状態となり、省電力量が容易に実現できる。
50℃を越えしかも、熱伝導率が少なくとも7W/mKを越
えない低熱伝導性材料の単一基板もしくはこの低熱伝導
性材料の遮熱板を耐熱板の上部に積層した二層基板で構
成されるので、発熱体薄膜で発生する熱の少量がこの絶
縁性耐熱基板の加熱に使用される。そして、発生熱の大
部分が、耐熱絶縁性薄膜の薄膜を介してその上部の耐熱
ガス感受膜に伝達され、耐熱ガス感受膜は、低電力を用
いて短時間に動作温度まで温度上昇してガス濃度検知可
能状態となり、省電力量が容易に実現できる。
【0026】一方、チタンやジルコニウムさらにクロム
は、接合性と展性に優れた材料であり、少なくとも65
0℃を越える温度で焼成すると、耐熱性の金属または無
機材料のヒータ主薄膜に良好に接合して展性を持つ発熱
体薄膜をつくり、さらに絶縁性耐熱基板や耐熱絶縁性薄
膜とも良好に接合する。大電力を短時間に印加すると、
発熱体薄膜は短時間に動作温度まで温度上昇して熱膨張
し、その上下に配置された絶縁性耐熱基板や耐熱絶縁性
薄膜も同時に温度上昇して熱膨張するのだが、この積層
型の発熱体薄膜は、この熱膨張に良好に追随して剥離を
生じることがない。そのため、発熱体薄膜は、優れた耐
熱衝撃性を示して絶縁性耐熱基板や耐熱絶縁性薄膜に良
好に密着し続け、その抵抗増加が抑制されて優れた耐久
信頼性を示す。
は、接合性と展性に優れた材料であり、少なくとも65
0℃を越える温度で焼成すると、耐熱性の金属または無
機材料のヒータ主薄膜に良好に接合して展性を持つ発熱
体薄膜をつくり、さらに絶縁性耐熱基板や耐熱絶縁性薄
膜とも良好に接合する。大電力を短時間に印加すると、
発熱体薄膜は短時間に動作温度まで温度上昇して熱膨張
し、その上下に配置された絶縁性耐熱基板や耐熱絶縁性
薄膜も同時に温度上昇して熱膨張するのだが、この積層
型の発熱体薄膜は、この熱膨張に良好に追随して剥離を
生じることがない。そのため、発熱体薄膜は、優れた耐
熱衝撃性を示して絶縁性耐熱基板や耐熱絶縁性薄膜に良
好に密着し続け、その抵抗増加が抑制されて優れた耐久
信頼性を示す。
【0027】また、一対の電圧供給用リード膜が、発熱
体薄膜の端部を各々覆って絶縁性耐熱基板の上部に形成
されており、このリード膜に一対の加熱用リード線が接
続された構成である。発熱体薄膜が、前述の様に絶縁性
耐熱基板に良好に接合しているので、その端部上部に積
層した電圧供給用リード膜も発熱体薄膜および絶縁性耐
熱基板に良好に接合している。しかも、電圧供給用リー
ド膜の主成分と、一対の加熱用リード線は同一材料であ
るので、加熱用リード線に白金線を使用すると、電圧供
給用リード膜はワイヤボンジング性に優れた白金膜を使
用できる。そのため、加熱用リード線として使用する白
金線は、密着性を高めた白金膜からなる電圧供給用リー
ド膜に、その面積が小さいにも関わらず外れることなく
簡単にワイヤボンジング接合でき、しかもその接合の耐
久信頼性が高いので発熱体薄膜との接続抵抗が増加しに
くくい。その結果、ヒータ膜へのリード線接合は、簡単
な製造技術と品質管理技術を用いてその生産が対応でき
る様になる。
体薄膜の端部を各々覆って絶縁性耐熱基板の上部に形成
されており、このリード膜に一対の加熱用リード線が接
続された構成である。発熱体薄膜が、前述の様に絶縁性
耐熱基板に良好に接合しているので、その端部上部に積
層した電圧供給用リード膜も発熱体薄膜および絶縁性耐
熱基板に良好に接合している。しかも、電圧供給用リー
ド膜の主成分と、一対の加熱用リード線は同一材料であ
るので、加熱用リード線に白金線を使用すると、電圧供
給用リード膜はワイヤボンジング性に優れた白金膜を使
用できる。そのため、加熱用リード線として使用する白
金線は、密着性を高めた白金膜からなる電圧供給用リー
ド膜に、その面積が小さいにも関わらず外れることなく
簡単にワイヤボンジング接合でき、しかもその接合の耐
久信頼性が高いので発熱体薄膜との接続抵抗が増加しに
くくい。その結果、ヒータ膜へのリード線接合は、簡単
な製造技術と品質管理技術を用いてその生産が対応でき
る様になる。
【0028】以上の3点より、耐久信頼性と生産性に優
れたヒータ膜を有する小型省電力量タイプのガスセンサ
が実現できる。また、ヒータの耐久性が優れているの
で、センサ動作温度が変化することがなくセンサ出力が
長時間安定する利点や、ヒータの抵抗変化検知や抵抗変
化に伴うセンサ出力の変化防止対策に纏わる制御回路が
簡素化できる利点が有る。
れたヒータ膜を有する小型省電力量タイプのガスセンサ
が実現できる。また、ヒータの耐久性が優れているの
で、センサ動作温度が変化することがなくセンサ出力が
長時間安定する利点や、ヒータの抵抗変化検知や抵抗変
化に伴うセンサ出力の変化防止対策に纏わる制御回路が
簡素化できる利点が有る。
【0029】請求項2記載の発明は、請求項1記載の絶
縁性耐熱基板が転移温度が少なくとも650℃を越える
硝子材であるとした。熱伝導率が非常に小さい硝子材の
絶縁性耐熱基板であるので、発熱体薄膜で発生した熱
は、絶縁性耐熱基板に僅かしか伝達されず、その多くが
耐熱ガス感受膜に伝達される。そのため、動作温度まで
一層少ない消費電力量で到達でき、消費電力量を一層低
減したガスセンサが実現できるとともに、発熱体薄膜
は、消費電力が小さいので印加される電圧電流値が小さ
く、優れた耐久特性が得られる。一方、発熱体薄膜を構
成するチタンおよびジルコニウムさらにクロムは、真空
中600℃以上で焼成すると発熱体薄膜と良好な接合性
と展性が得られる特性が有る。そのため、転移温度(急
激な体積変化が起こる温度のこと)が650℃を越える
硝子材の絶縁性耐熱基板とすると、最小の最適焼成温度
600℃で発熱体薄膜を焼成しても、絶縁性耐熱基板は
急激な体積変化(転移)を起こすことがない。従がっ
て、発熱体薄膜は絶縁性耐熱基板に良好に接着して一層
優れた耐久特性が得られる。さらに、絶縁性耐熱基板が
硝子材であるため、絶縁性耐熱基板との密着性が一層優
れた金属ヒータ補助薄膜が得られ、その上部の電圧供給
用リード膜は絶縁性耐熱基板に一層強固に密着される。
このため、ワイヤボンジング法を用いて加熱用リード線
を電圧供給用リード膜に一層簡単に接合できる。
縁性耐熱基板が転移温度が少なくとも650℃を越える
硝子材であるとした。熱伝導率が非常に小さい硝子材の
絶縁性耐熱基板であるので、発熱体薄膜で発生した熱
は、絶縁性耐熱基板に僅かしか伝達されず、その多くが
耐熱ガス感受膜に伝達される。そのため、動作温度まで
一層少ない消費電力量で到達でき、消費電力量を一層低
減したガスセンサが実現できるとともに、発熱体薄膜
は、消費電力が小さいので印加される電圧電流値が小さ
く、優れた耐久特性が得られる。一方、発熱体薄膜を構
成するチタンおよびジルコニウムさらにクロムは、真空
中600℃以上で焼成すると発熱体薄膜と良好な接合性
と展性が得られる特性が有る。そのため、転移温度(急
激な体積変化が起こる温度のこと)が650℃を越える
硝子材の絶縁性耐熱基板とすると、最小の最適焼成温度
600℃で発熱体薄膜を焼成しても、絶縁性耐熱基板は
急激な体積変化(転移)を起こすことがない。従がっ
て、発熱体薄膜は絶縁性耐熱基板に良好に接着して一層
優れた耐久特性が得られる。さらに、絶縁性耐熱基板が
硝子材であるため、絶縁性耐熱基板との密着性が一層優
れた金属ヒータ補助薄膜が得られ、その上部の電圧供給
用リード膜は絶縁性耐熱基板に一層強固に密着される。
このため、ワイヤボンジング法を用いて加熱用リード線
を電圧供給用リード膜に一層簡単に接合できる。
【0030】請求項3記載の発明は、請求項1記載の絶
縁性耐熱基板が水酸基を0.20wt%超えないで含有す
る石英硝子であるとした。熱伝導率が非常に小さい石英
硝子の絶縁性耐熱基板であるので、発熱体薄膜で発生し
た熱は、絶縁性耐熱基板に僅かしか伝達されず、その多
くが耐熱ガス感受膜に伝達される。しかも、石英硝子は
熱膨張係数が非常に小さいので、絶縁性耐熱基板の熱膨
張が小さくなり、これにともない発熱体薄膜は絶縁性耐
熱基板に良好に接着して優れた耐久特性が得られるとと
もに、動作温度まで極めて少ない電力量で到達でき、消
費電力量を極めて低減したガスセンサが実現できる。さ
らに、石英硝子に含有される水酸基を0.20wt%未満
としたため、チタンやジルコニウムやクロムの金属ヒー
タ補助薄膜が石英硝子製の絶縁性耐熱基板に一層良好に
接着して一層優れた耐久特性が得られる。さらに、絶縁
性耐熱基板が石英硝子であるため、絶縁性耐熱基板との
密着性がさらに一層優れた金属ヒータ補助薄膜が得ら
れ、その上部の電圧供給用リード膜は絶縁性耐熱基板に
さらに一層強固に密着される。このため、ワイヤボンジ
ング法を用いて加熱用リード線を電圧供給用リード膜に
一層簡単に接合できる。
縁性耐熱基板が水酸基を0.20wt%超えないで含有す
る石英硝子であるとした。熱伝導率が非常に小さい石英
硝子の絶縁性耐熱基板であるので、発熱体薄膜で発生し
た熱は、絶縁性耐熱基板に僅かしか伝達されず、その多
くが耐熱ガス感受膜に伝達される。しかも、石英硝子は
熱膨張係数が非常に小さいので、絶縁性耐熱基板の熱膨
張が小さくなり、これにともない発熱体薄膜は絶縁性耐
熱基板に良好に接着して優れた耐久特性が得られるとと
もに、動作温度まで極めて少ない電力量で到達でき、消
費電力量を極めて低減したガスセンサが実現できる。さ
らに、石英硝子に含有される水酸基を0.20wt%未満
としたため、チタンやジルコニウムやクロムの金属ヒー
タ補助薄膜が石英硝子製の絶縁性耐熱基板に一層良好に
接着して一層優れた耐久特性が得られる。さらに、絶縁
性耐熱基板が石英硝子であるため、絶縁性耐熱基板との
密着性がさらに一層優れた金属ヒータ補助薄膜が得ら
れ、その上部の電圧供給用リード膜は絶縁性耐熱基板に
さらに一層強固に密着される。このため、ワイヤボンジ
ング法を用いて加熱用リード線を電圧供給用リード膜に
一層簡単に接合できる。
【0031】請求項4記載の発明は、請求項1記載の絶
縁性耐熱基板が、絶縁性耐熱基板は、耐熱板と前記耐熱
板の上部に積層した結晶化硝子からなる遮熱板の二層基
板で構成され、前記結晶化硝子膜は、その転移温度が少
なくとも650℃を越える結晶化硝子を主成分とした。
熱伝導率が非常に小さい結晶化硝子膜の遮熱板が積層さ
れた絶縁性耐熱基板であるので、発熱体薄膜で発生した
熱は、絶縁性耐熱基板に僅かしか伝達されず、その多く
が耐熱ガス感受膜に伝達される。そのため、動作温度ま
で一層少ない電力量で到達でき、消費電力量を一層低減
したガスセンサが実現できる。また、発熱体薄膜は、消
費電力が小さいので印加される電圧電流値が小さく、優
れた耐久特性が得られる。一方、結晶化硝子は、転移温
度(急激な体積変化が起こる温度のこと)が650℃を
越えるので、最小の最適焼成温度600℃で発熱体薄膜
を焼成しても、絶縁性耐熱基板は急激な体積変化(転
移)を起こすことがない。そのため、発熱体薄膜は絶縁
性耐熱基板に良好に接着して一層優れた耐久特性が得ら
れる。さらに、絶縁性耐熱基板が結晶化硝子であるた
め、絶縁性耐熱基板との密着性が一層優れた金属ヒータ
補助薄膜が得られ、その上部の電圧供給用リード膜は絶
縁性耐熱基板に一層強固に密着される。このため、ワイ
ヤボンジング法を用いて加熱用リード線を電圧供給用リ
ード膜に一層簡単に接合できる。
縁性耐熱基板が、絶縁性耐熱基板は、耐熱板と前記耐熱
板の上部に積層した結晶化硝子からなる遮熱板の二層基
板で構成され、前記結晶化硝子膜は、その転移温度が少
なくとも650℃を越える結晶化硝子を主成分とした。
熱伝導率が非常に小さい結晶化硝子膜の遮熱板が積層さ
れた絶縁性耐熱基板であるので、発熱体薄膜で発生した
熱は、絶縁性耐熱基板に僅かしか伝達されず、その多く
が耐熱ガス感受膜に伝達される。そのため、動作温度ま
で一層少ない電力量で到達でき、消費電力量を一層低減
したガスセンサが実現できる。また、発熱体薄膜は、消
費電力が小さいので印加される電圧電流値が小さく、優
れた耐久特性が得られる。一方、結晶化硝子は、転移温
度(急激な体積変化が起こる温度のこと)が650℃を
越えるので、最小の最適焼成温度600℃で発熱体薄膜
を焼成しても、絶縁性耐熱基板は急激な体積変化(転
移)を起こすことがない。そのため、発熱体薄膜は絶縁
性耐熱基板に良好に接着して一層優れた耐久特性が得ら
れる。さらに、絶縁性耐熱基板が結晶化硝子であるた
め、絶縁性耐熱基板との密着性が一層優れた金属ヒータ
補助薄膜が得られ、その上部の電圧供給用リード膜は絶
縁性耐熱基板に一層強固に密着される。このため、ワイ
ヤボンジング法を用いて加熱用リード線を電圧供給用リ
ード膜に一層簡単に接合できる。
【0032】請求項5記載の発明は、請求項1記載の絶
縁性耐熱基板が、その中心線表面粗さが0.05〜1μ
mであるとした。中心線表面粗さが0.05〜1μmの絶
縁性耐熱基板にすると、発熱体薄膜が一層良好に接合し
て熱膨張に良好に追随できるので、剥離を生じることが
なく、一層優れた耐久特性が得られる。さらに、この中
心線表面粗さを持つ絶縁性耐熱基板であるため、絶縁性
耐熱基板との密着性が一層優れた発熱体薄膜が得られ、
その上部の電圧供給用リード膜は絶縁性耐熱基板に一層
強固に密着される。このため、ワイヤボンジング法を用
いて加熱用リード線を電圧供給用リード膜に一層簡単に
接合できる。
縁性耐熱基板が、その中心線表面粗さが0.05〜1μ
mであるとした。中心線表面粗さが0.05〜1μmの絶
縁性耐熱基板にすると、発熱体薄膜が一層良好に接合し
て熱膨張に良好に追随できるので、剥離を生じることが
なく、一層優れた耐久特性が得られる。さらに、この中
心線表面粗さを持つ絶縁性耐熱基板であるため、絶縁性
耐熱基板との密着性が一層優れた発熱体薄膜が得られ、
その上部の電圧供給用リード膜は絶縁性耐熱基板に一層
強固に密着される。このため、ワイヤボンジング法を用
いて加熱用リード線を電圧供給用リード膜に一層簡単に
接合できる。
【0033】請求項6記載の発明は、請求項1記載のヒ
ータ主薄膜は、(1、1、1)面に配向した白金が主成
分の金属であるとした。(1、1、1)面に配向した白
金が主成分の金属は、粒径の大きい白金薄膜が得られる
ので、結晶粒界の数が減少するとともに粒界欠陥や不連
続性が減少する特性を有する。そのため、これを使用し
た発熱体薄膜は、結晶粒界における電流集中が減少し
て、一層優れた耐久特性が得られる。また、この結晶構
造のヒータ主薄膜は密着性にも優れているため、発熱体
薄膜が絶縁性耐熱基板の表面に強固に密着する。そのた
め、ワイヤボンジング法を用いて加熱用リード線を電圧
供給用リード膜に一層簡単に接合できる。
ータ主薄膜は、(1、1、1)面に配向した白金が主成
分の金属であるとした。(1、1、1)面に配向した白
金が主成分の金属は、粒径の大きい白金薄膜が得られる
ので、結晶粒界の数が減少するとともに粒界欠陥や不連
続性が減少する特性を有する。そのため、これを使用し
た発熱体薄膜は、結晶粒界における電流集中が減少し
て、一層優れた耐久特性が得られる。また、この結晶構
造のヒータ主薄膜は密着性にも優れているため、発熱体
薄膜が絶縁性耐熱基板の表面に強固に密着する。そのた
め、ワイヤボンジング法を用いて加熱用リード線を電圧
供給用リード膜に一層簡単に接合できる。
【0034】請求項7記載の発明は、請求項1記載のヒ
ータ主薄膜は、ロジウムを2〜20重量%含有した白金
を主成分とするとした。ロジウム含有量が2〜20重量
%である白金ロジウム合金は耐熱衝撃に優れる性質が有
るので、これを使用した発熱体薄膜はさらに一層優れた
耐久特性が得られる。さらに、また、この材料組成のヒ
ータ主薄膜は密着性にも優れているため、発熱体薄膜が
絶縁性耐熱基板の表面に強固に密着する。そのため、ワ
イヤボンジング法を用いて加熱用リード線を電圧供給用
リード膜に一層簡単に接合できる。
ータ主薄膜は、ロジウムを2〜20重量%含有した白金
を主成分とするとした。ロジウム含有量が2〜20重量
%である白金ロジウム合金は耐熱衝撃に優れる性質が有
るので、これを使用した発熱体薄膜はさらに一層優れた
耐久特性が得られる。さらに、また、この材料組成のヒ
ータ主薄膜は密着性にも優れているため、発熱体薄膜が
絶縁性耐熱基板の表面に強固に密着する。そのため、ワ
イヤボンジング法を用いて加熱用リード線を電圧供給用
リード膜に一層簡単に接合できる。
【0035】請求項8記載の発明は、請求項1記載の耐
熱絶縁性薄膜はその熱伝導率が1〜25W/mKの材料であ
るとした。耐熱絶縁性薄膜はその熱伝導率を1〜25W/
mKとすると良好な放熱薄膜として働く。そのため、発熱
体薄膜はその局部温度上昇が抑制され一層優れた耐久特
性が得られる。
熱絶縁性薄膜はその熱伝導率が1〜25W/mKの材料であ
るとした。耐熱絶縁性薄膜はその熱伝導率を1〜25W/
mKとすると良好な放熱薄膜として働く。そのため、発熱
体薄膜はその局部温度上昇が抑制され一層優れた耐久特
性が得られる。
【0036】請求項9記載の発明は、請求項1記載の耐
熱絶縁性薄膜は発熱体薄膜と接触する側に石英硝子を用
いるとした。石英硝子は、発熱体薄膜や金属ヒータ補助
薄膜と良好に接合する性質が有るので、発熱体薄膜と接
触する側の耐熱絶縁性薄膜に、石英硝子を配置すると発
熱体薄膜に良好に接合する。そのため、発熱体薄膜は熱
膨張に良好に追随して一層優れた耐久特性が得られる。
熱絶縁性薄膜は発熱体薄膜と接触する側に石英硝子を用
いるとした。石英硝子は、発熱体薄膜や金属ヒータ補助
薄膜と良好に接合する性質が有るので、発熱体薄膜と接
触する側の耐熱絶縁性薄膜に、石英硝子を配置すると発
熱体薄膜に良好に接合する。そのため、発熱体薄膜は熱
膨張に良好に追随して一層優れた耐久特性が得られる。
【0037】請求項10記載の発明は、請求項1記載に
おいて、絶縁性耐熱基板の上部に形成した一対の補助接
合膜と、ガス感受部に設けた一対の電極の端部を覆い前
記補助接合膜の上部に積層された一対の電極端部膜と、
前記電極端部膜の上部に接続した一対の検出用リード線
とを少なくとも備え、前記補助接合膜は発熱体薄膜と同
一材料組成とし、前記電極端部膜は、前記検出用リード
線の成分と同一材料を主成分とした。
おいて、絶縁性耐熱基板の上部に形成した一対の補助接
合膜と、ガス感受部に設けた一対の電極の端部を覆い前
記補助接合膜の上部に積層された一対の電極端部膜と、
前記電極端部膜の上部に接続した一対の検出用リード線
とを少なくとも備え、前記補助接合膜は発熱体薄膜と同
一材料組成とし、前記電極端部膜は、前記検出用リード
線の成分と同一材料を主成分とした。
【0038】絶縁性耐熱基板の上部に補助接合膜が積層
されており、この補助接合膜は密着性に優れた発熱体薄
膜と同一材料組成である。しかも、補助接合膜の上部に
は、検出用リード線を接続するための電極端部膜が積層
されている。そのため、電極端部膜は、補助接合膜を介
して絶縁性耐熱基板に強固に密着し、その上部にワイヤ
ボンジング法を用いて検出用リード線が簡単に接合でき
しかも容易に外れない。
されており、この補助接合膜は密着性に優れた発熱体薄
膜と同一材料組成である。しかも、補助接合膜の上部に
は、検出用リード線を接続するための電極端部膜が積層
されている。そのため、電極端部膜は、補助接合膜を介
して絶縁性耐熱基板に強固に密着し、その上部にワイヤ
ボンジング法を用いて検出用リード線が簡単に接合でき
しかも容易に外れない。
【0039】請求項11記載の発明は、請求項1記載の
耐熱ガス感受膜は、酸素イオン導電性固体電解質薄膜
と、前記酸素イオン導電性固体電解質薄膜の上部に配置
した通気性の第1電極薄膜および第2電極薄膜と、前記
第1電極薄膜を覆って積層した通気多孔性の酸化触媒膜
を少なくとも備え、前記酸素イオン導電性固体電解質薄
膜はその熱伝導率が1〜7W/mKの材料であるとした。酸
素イオン導電性固体電解質薄膜は、その熱伝導率を1〜
7W/mKとすると良好な放熱薄膜として働く。そのため、
発熱体薄膜はその局部温度上昇が抑制され一層優れた耐
久特性が得られる。
耐熱ガス感受膜は、酸素イオン導電性固体電解質薄膜
と、前記酸素イオン導電性固体電解質薄膜の上部に配置
した通気性の第1電極薄膜および第2電極薄膜と、前記
第1電極薄膜を覆って積層した通気多孔性の酸化触媒膜
を少なくとも備え、前記酸素イオン導電性固体電解質薄
膜はその熱伝導率が1〜7W/mKの材料であるとした。酸
素イオン導電性固体電解質薄膜は、その熱伝導率を1〜
7W/mKとすると良好な放熱薄膜として働く。そのため、
発熱体薄膜はその局部温度上昇が抑制され一層優れた耐
久特性が得られる。
【0040】請求項12記載の発明は、請求項11記載
の第1電極薄膜および第2電極薄膜は(1、1、1)面
に配向した白金が主成分の金属膜であるとした。第1電
極薄膜および第2電極薄膜は、(1、1、1)面に配向
した白金が主成分の金属膜であると良好な放熱薄膜とし
て働く。そのため、発熱体薄膜はその局部温度上昇が抑
制され一層優れた耐久特性が得られる。
の第1電極薄膜および第2電極薄膜は(1、1、1)面
に配向した白金が主成分の金属膜であるとした。第1電
極薄膜および第2電極薄膜は、(1、1、1)面に配向
した白金が主成分の金属膜であると良好な放熱薄膜とし
て働く。そのため、発熱体薄膜はその局部温度上昇が抑
制され一層優れた耐久特性が得られる。
【0041】請求項13記載の発明は、請求項11記載
の酸化触媒膜はその熱伝導率が1〜25W/mKの材料であ
るとした。酸化触媒膜はその熱伝導率を1〜25W/mKと
すると良好な放熱薄膜として働く。そのため、発熱体薄
膜はその局部温度上昇が抑制され一層優れた耐久特性が
得られる。
の酸化触媒膜はその熱伝導率が1〜25W/mKの材料であ
るとした。酸化触媒膜はその熱伝導率を1〜25W/mKと
すると良好な放熱薄膜として働く。そのため、発熱体薄
膜はその局部温度上昇が抑制され一層優れた耐久特性が
得られる。
【0042】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。
説明する。
【0043】(実施例1)図1は本発明の実施例である
ガスセンサの断面図である。ガスセンサは、絶縁性耐熱
基板12と、この絶縁性耐熱基板12に積層した発熱体
薄膜13と、発熱体薄膜13に積層した耐熱性の耐熱絶
縁性薄膜14と、耐熱絶縁性薄膜14に積層した耐熱ガ
ス感受膜15を備えた構成であり、これら材料は少なく
とも650℃を越える耐熱性を有している。650℃を
越える耐熱性を有する材料は、650℃を超える高温度
領域において、急激な体積変化(例えば、硝子における
転移)や軟化さらに溶解が起こる材料であり、逆に言え
ば、650℃未満においてはこれら症状が決して起こら
ない材料のことである。
ガスセンサの断面図である。ガスセンサは、絶縁性耐熱
基板12と、この絶縁性耐熱基板12に積層した発熱体
薄膜13と、発熱体薄膜13に積層した耐熱性の耐熱絶
縁性薄膜14と、耐熱絶縁性薄膜14に積層した耐熱ガ
ス感受膜15を備えた構成であり、これら材料は少なく
とも650℃を越える耐熱性を有している。650℃を
越える耐熱性を有する材料は、650℃を超える高温度
領域において、急激な体積変化(例えば、硝子における
転移)や軟化さらに溶解が起こる材料であり、逆に言え
ば、650℃未満においてはこれら症状が決して起こら
ない材料のことである。
【0044】絶縁性耐熱基板13は、熱伝導率が少なく
とも7W/mKを越えない低熱伝導性材料の単一基板もしく
は低熱伝導性材料の遮熱板を耐熱板の上部に積層した二
層基板で構成される。
とも7W/mKを越えない低熱伝導性材料の単一基板もしく
は低熱伝導性材料の遮熱板を耐熱板の上部に積層した二
層基板で構成される。
【0045】発熱体薄膜13は、ヒータ主薄膜16と、
ヒータ主薄膜16より膜厚を薄くして少なくともその下
部に配置された金属ヒータ補助薄膜17で構成されてい
る。ヒータ主薄膜16は、耐熱性の金属または無機材料
の少なくとも1種の材料を主成分とする。金属ヒータ補
助薄膜17は、チタンまたはジルコニウムまたはクロム
より選択した少なくとも1種の材料を主成分としてい
る。
ヒータ主薄膜16より膜厚を薄くして少なくともその下
部に配置された金属ヒータ補助薄膜17で構成されてい
る。ヒータ主薄膜16は、耐熱性の金属または無機材料
の少なくとも1種の材料を主成分とする。金属ヒータ補
助薄膜17は、チタンまたはジルコニウムまたはクロム
より選択した少なくとも1種の材料を主成分としてい
る。
【0046】一対の電圧供給用リード膜18、19が、
絶縁性耐熱基板12の上部に形成されており、その端部
は発熱体薄膜13の端部を各々覆っている。また、電圧
供給用リード膜18、19の上部には、一対の加熱用リ
ード線20、21が接続されており、この電圧供給用リ
ード膜18、19は、加熱用リード線20、21の成分
と同一材料を主成分としている。
絶縁性耐熱基板12の上部に形成されており、その端部
は発熱体薄膜13の端部を各々覆っている。また、電圧
供給用リード膜18、19の上部には、一対の加熱用リ
ード線20、21が接続されており、この電圧供給用リ
ード膜18、19は、加熱用リード線20、21の成分
と同一材料を主成分としている。
【0047】本発明品を試作してその効果の確認を行っ
た。
た。
【0048】絶縁性耐熱基板12は、石英硝子の板であ
り2mm角×厚み0.3mmの寸法を有する。その物性値
は、熱膨張係数が0.5×10-6(1/deg)、熱伝導率
が1.7W/mK、転移温度が1075℃、軟化点が158
0℃である。石英硝子は、その組成は酸化珪素が99.
99%で水酸基が0.01%弱含有されており、表面を
研磨して中心線表面粗さが0.05〜0.2μmであ
る。なお、特に言及しない限り以後はこの材質を使用し
た。
り2mm角×厚み0.3mmの寸法を有する。その物性値
は、熱膨張係数が0.5×10-6(1/deg)、熱伝導率
が1.7W/mK、転移温度が1075℃、軟化点が158
0℃である。石英硝子は、その組成は酸化珪素が99.
99%で水酸基が0.01%弱含有されており、表面を
研磨して中心線表面粗さが0.05〜0.2μmであ
る。なお、特に言及しない限り以後はこの材質を使用し
た。
【0049】発熱体薄膜13は、白金のヒータ主薄膜1
6と、ヒータ主薄膜16より膜厚を薄くして少なくとも
その下部に配置されたチタンまたはジルコニウムまたは
クロムの金属ヒータ補助薄膜17で構成されている。ヒ
ータ主薄膜16は、スパッタ法を用いて膜厚約0.5μ
mの白金の抵抗膜を形成したものでありその物性値は、
熱膨張係数が9×10-6(1/deg)、熱伝導率が69.
5W/mKである。金属ヒータ補助薄膜17は、スパッタ法
を用いて膜厚約0.005μmのチタンまたはジルコニ
ウムまたはクロムより選択した少なくとも1種の材料を
主成分とした膜を形成したものである。その物性値は、
チタンは熱膨張係数が8.5×10-6(1/deg)、ジル
コニウムは熱膨張係数が6.3×10-6(1/deg)、ク
ロムは熱膨張係数が6.2×10-6(1/deg)である。
6と、ヒータ主薄膜16より膜厚を薄くして少なくとも
その下部に配置されたチタンまたはジルコニウムまたは
クロムの金属ヒータ補助薄膜17で構成されている。ヒ
ータ主薄膜16は、スパッタ法を用いて膜厚約0.5μ
mの白金の抵抗膜を形成したものでありその物性値は、
熱膨張係数が9×10-6(1/deg)、熱伝導率が69.
5W/mKである。金属ヒータ補助薄膜17は、スパッタ法
を用いて膜厚約0.005μmのチタンまたはジルコニ
ウムまたはクロムより選択した少なくとも1種の材料を
主成分とした膜を形成したものである。その物性値は、
チタンは熱膨張係数が8.5×10-6(1/deg)、ジル
コニウムは熱膨張係数が6.3×10-6(1/deg)、ク
ロムは熱膨張係数が6.2×10-6(1/deg)である。
【0050】耐熱絶縁性薄膜14は、石英ガラスをスパ
ッタ法を用いて形成した2μm膜厚であり、発熱体薄膜
13の上部に積層されている。その物性値は、熱膨張係
数が0.5×10-6(1/deg)、熱伝導率が1.7W/mK
である。石英ガラスの耐熱絶縁性薄膜14を発熱体薄膜
13の上部に積層したのち、真空中で700℃3時間焼
成した。
ッタ法を用いて形成した2μm膜厚であり、発熱体薄膜
13の上部に積層されている。その物性値は、熱膨張係
数が0.5×10-6(1/deg)、熱伝導率が1.7W/mK
である。石英ガラスの耐熱絶縁性薄膜14を発熱体薄膜
13の上部に積層したのち、真空中で700℃3時間焼
成した。
【0051】耐熱ガス感受膜15は、酸素イオン導電性
固体電解質薄膜22と、その上部同一面に形成されてい
る通気性の第1電極薄膜23および第2電極薄膜24
と、第1電極薄膜23に積層した通気多孔性の酸化触媒
膜25で構成される。酸素イオン導電性固体電解質薄膜
22は、酸化イットリウム8モル%と酸化ジルコニウム
92モル%の固溶体である安定化ジルコニア体であり、
スパッタ法を用いて形成された約2μm膜厚が耐熱絶縁
性薄膜14に積層されている。その物性値は、熱膨張係
数が10×10-6(1/deg)、熱伝導率が5W/mKであ
る。第1電極薄膜23および第2電極薄膜24は、白金
をスパッタして形成した白金の通気性多孔質薄膜であ
り、酸素イオン導電性固体電解質薄膜22の上部同一表
面に約0.5μmの膜厚で形成されている。酸化触媒膜
25は、白金触媒を結晶化硝子の表面に担持させた通気
性の多孔質膜であり、第1電極薄膜23の上部に約20
μmの膜厚で積層されている。その物性値は、熱膨張係
数が9×10-6(1/deg)、熱伝導率が2.5W/mKであ
る。
固体電解質薄膜22と、その上部同一面に形成されてい
る通気性の第1電極薄膜23および第2電極薄膜24
と、第1電極薄膜23に積層した通気多孔性の酸化触媒
膜25で構成される。酸素イオン導電性固体電解質薄膜
22は、酸化イットリウム8モル%と酸化ジルコニウム
92モル%の固溶体である安定化ジルコニア体であり、
スパッタ法を用いて形成された約2μm膜厚が耐熱絶縁
性薄膜14に積層されている。その物性値は、熱膨張係
数が10×10-6(1/deg)、熱伝導率が5W/mKであ
る。第1電極薄膜23および第2電極薄膜24は、白金
をスパッタして形成した白金の通気性多孔質薄膜であ
り、酸素イオン導電性固体電解質薄膜22の上部同一表
面に約0.5μmの膜厚で形成されている。酸化触媒膜
25は、白金触媒を結晶化硝子の表面に担持させた通気
性の多孔質膜であり、第1電極薄膜23の上部に約20
μmの膜厚で積層されている。その物性値は、熱膨張係
数が9×10-6(1/deg)、熱伝導率が2.5W/mKであ
る。
【0052】一対の電圧供給用リード膜18、19は、
白金の95重量%とガラスの5重量%が混合された印刷
膜であり、絶縁性耐熱基板12の上部に形成され、その
端部は発熱体薄膜13の端部を各々覆っている。そし
て、電圧供給用リード膜18、19の上部には、白金か
らなる一対の加熱用リード線20、21がワイヤボンジ
イングされている。
白金の95重量%とガラスの5重量%が混合された印刷
膜であり、絶縁性耐熱基板12の上部に形成され、その
端部は発熱体薄膜13の端部を各々覆っている。そし
て、電圧供給用リード膜18、19の上部には、白金か
らなる一対の加熱用リード線20、21がワイヤボンジ
イングされている。
【0053】最後に、耐熱ガス感受膜15の第1電極薄
膜23および第2電極薄膜24に白金リード線を接続し
たのち、実装ケースに収納して完成である。
膜23および第2電極薄膜24に白金リード線を接続し
たのち、実装ケースに収納して完成である。
【0054】上記構成の耐熱ガス感受膜15は固体電解
質型と称されており、その一酸化炭素ガスの検知メカニ
ズムを説明する。まず、ガスセンサは、発熱体薄膜13
より450℃まで加熱させる。酸化触媒膜25の表面で
は、一酸化炭素ガスはその触媒作用で酸素ガスと反応し
て二酸化炭素ガスとなり消耗して無くなるが、酸素濃度
はその濃度が圧倒的に高いため略雰囲気濃度のままで第
1電極薄膜23に到達する。一方、他方の第2電極薄膜
24の表面では、その触媒作用で一酸化炭素ガスと酸素
ガスが反応して二酸化炭素ガスとなり、表面における酸
素ガス濃度が減少する。このため、酸素濃度に着目する
と、第1電極薄膜23側の方が第2電極薄膜24より高
濃度となり、第1電極薄膜23側より第2電極薄膜24
に向かって、酸素ガスが酸素イオン導電性固体電解質薄
膜22の中を酸素イオンとなって移動し、この酸素移動
によって起電力が発生する。この起電力がセンサ出力で
あり、一酸化炭素ガス濃度の対数値に略比例した値が得
られる。
質型と称されており、その一酸化炭素ガスの検知メカニ
ズムを説明する。まず、ガスセンサは、発熱体薄膜13
より450℃まで加熱させる。酸化触媒膜25の表面で
は、一酸化炭素ガスはその触媒作用で酸素ガスと反応し
て二酸化炭素ガスとなり消耗して無くなるが、酸素濃度
はその濃度が圧倒的に高いため略雰囲気濃度のままで第
1電極薄膜23に到達する。一方、他方の第2電極薄膜
24の表面では、その触媒作用で一酸化炭素ガスと酸素
ガスが反応して二酸化炭素ガスとなり、表面における酸
素ガス濃度が減少する。このため、酸素濃度に着目する
と、第1電極薄膜23側の方が第2電極薄膜24より高
濃度となり、第1電極薄膜23側より第2電極薄膜24
に向かって、酸素ガスが酸素イオン導電性固体電解質薄
膜22の中を酸素イオンとなって移動し、この酸素移動
によって起電力が発生する。この起電力がセンサ出力で
あり、一酸化炭素ガス濃度の対数値に略比例した値が得
られる。
【0055】白金からなるヒータ主薄膜16と、チタン
またはジルコニウムまたはクロムからなる金属ヒータ補
助薄膜17とを積層した構成の発熱体薄膜13の本発明
品を試作し、この効果を確認した。本実施例は、石英硝
子の絶縁性耐熱基板12を用いその上部に、構成および
材質の異なる発熱体薄膜13を、スパッタ法を用いて石
英硝子の絶縁性耐熱基板13の片側表面に形成したもの
である。そして、その上部に石英硝子の耐熱絶縁性薄膜
14を形成し高温で数時間焼成した後、酸素イオン導電
性固体電解質薄膜22と第1電極薄膜23および第2電
極薄膜24、さらに酸化触媒膜25を前述の様に順々に
積層している。最後に、白金が主成分の電圧供給用リー
ド膜18、19の上部に、白金からなる一対の加熱用リ
ード線20、21をワイヤボンジングした。
またはジルコニウムまたはクロムからなる金属ヒータ補
助薄膜17とを積層した構成の発熱体薄膜13の本発明
品を試作し、この効果を確認した。本実施例は、石英硝
子の絶縁性耐熱基板12を用いその上部に、構成および
材質の異なる発熱体薄膜13を、スパッタ法を用いて石
英硝子の絶縁性耐熱基板13の片側表面に形成したもの
である。そして、その上部に石英硝子の耐熱絶縁性薄膜
14を形成し高温で数時間焼成した後、酸素イオン導電
性固体電解質薄膜22と第1電極薄膜23および第2電
極薄膜24、さらに酸化触媒膜25を前述の様に順々に
積層している。最後に、白金が主成分の電圧供給用リー
ド膜18、19の上部に、白金からなる一対の加熱用リ
ード線20、21をワイヤボンジングした。
【0056】本発明1は、膜厚50Åのクロム薄膜から
なる金属ヒータ補助薄膜17と、その上部に積層した膜
厚0.5μmの白金薄膜からなるヒータ主薄膜16で、
発熱体薄膜13を構成したものである。
なる金属ヒータ補助薄膜17と、その上部に積層した膜
厚0.5μmの白金薄膜からなるヒータ主薄膜16で、
発熱体薄膜13を構成したものである。
【0057】本実施例の他の例は、金属ヒータ補助薄膜
17として膜厚50Åのチタン薄膜を使用し、膜厚0.
5μmの白金薄膜からなるヒータ主薄膜16をその上部
に積層して発熱体薄膜13を構成したものである。
17として膜厚50Åのチタン薄膜を使用し、膜厚0.
5μmの白金薄膜からなるヒータ主薄膜16をその上部
に積層して発熱体薄膜13を構成したものである。
【0058】本発明3は、金属ヒータ補助薄膜17とし
てジルコニウム薄膜を使用し、膜厚0.5μmの白金薄
膜からなるヒータ主薄膜16をその上部に積層して発熱
体薄膜13を構成したものである。
てジルコニウム薄膜を使用し、膜厚0.5μmの白金薄
膜からなるヒータ主薄膜16をその上部に積層して発熱
体薄膜13を構成したものである。
【0059】比較例は、金属ヒータ補助薄膜17を使用
せず、膜厚0.5μmの白金薄膜からなるヒータ主薄膜
16だけで発熱体薄膜13を構成したものである。
せず、膜厚0.5μmの白金薄膜からなるヒータ主薄膜
16だけで発熱体薄膜13を構成したものである。
【0060】参考例は、金属ヒータ補助薄膜17を使用
せず、膜厚0.5μmの白金薄膜からなるヒータ主薄膜
16だけで発熱体薄膜13を構成した。そして、電圧供
給用リード膜18、19を使用することなく、発熱体薄
膜13の端部に直接的に、白金からなる一対の加熱用リ
ード線20、21をワイヤボンジングした。
せず、膜厚0.5μmの白金薄膜からなるヒータ主薄膜
16だけで発熱体薄膜13を構成した。そして、電圧供
給用リード膜18、19を使用することなく、発熱体薄
膜13の端部に直接的に、白金からなる一対の加熱用リ
ード線20、21をワイヤボンジングした。
【0061】本実施例の効果の判定を行った。その結果
を(表1)に示す。リード線の接続時間は、白金からな
る加熱用リード線20、21の片端を、白金を主成分と
する電圧供給用リード膜18、19に接続した後、実装
ケースに収納してその端子に加熱用リード線20、21
の他端を接続するに要する総時間である。ヒータ部の抵
抗変化は、実装ケースの端子に直流電圧電流を印加して
発熱体薄膜13を動作温度450℃まで2ミリ秒で到達
させ8ミリ秒保持したのち、電源を切るON―OFF試
験を10万回行っており、実験前後の抵抗値よりヒータ
の抵抗変化率を算出している。
を(表1)に示す。リード線の接続時間は、白金からな
る加熱用リード線20、21の片端を、白金を主成分と
する電圧供給用リード膜18、19に接続した後、実装
ケースに収納してその端子に加熱用リード線20、21
の他端を接続するに要する総時間である。ヒータ部の抵
抗変化は、実装ケースの端子に直流電圧電流を印加して
発熱体薄膜13を動作温度450℃まで2ミリ秒で到達
させ8ミリ秒保持したのち、電源を切るON―OFF試
験を10万回行っており、実験前後の抵抗値よりヒータ
の抵抗変化率を算出している。
【0062】
【表1】
【0063】本実施例1〜3は、絶縁性耐熱基板12と
ヒータ主薄膜16とが、両者との密着性に優れた材料の
金属ヒータ補助薄膜17を介して接合されているため、
発熱体薄膜13が絶縁性耐熱基板12の表面に強固に密
着する。しかも、電圧供給用リード膜18、19が、そ
の端部が発熱体薄膜13の端部を各々覆って絶縁性耐熱
基板12の上部に形成されているため、その端部上部に
積層した電圧供給用リード膜も発熱体薄膜および絶縁性
耐熱基板に良好に接合している。そのため、加熱用リー
ド線20、21にワイヤボンジング接合した電圧供給用
リード膜18、19は、容易に外れないので簡単にで
き、リード線の接続時間が短い。また、この様にして密
着性を増してリード線接合したものは、ヒータ部の抵抗
が増加しにくい。
ヒータ主薄膜16とが、両者との密着性に優れた材料の
金属ヒータ補助薄膜17を介して接合されているため、
発熱体薄膜13が絶縁性耐熱基板12の表面に強固に密
着する。しかも、電圧供給用リード膜18、19が、そ
の端部が発熱体薄膜13の端部を各々覆って絶縁性耐熱
基板12の上部に形成されているため、その端部上部に
積層した電圧供給用リード膜も発熱体薄膜および絶縁性
耐熱基板に良好に接合している。そのため、加熱用リー
ド線20、21にワイヤボンジング接合した電圧供給用
リード膜18、19は、容易に外れないので簡単にで
き、リード線の接続時間が短い。また、この様にして密
着性を増してリード線接合したものは、ヒータ部の抵抗
が増加しにくい。
【0064】一方、金属ヒータ補助薄膜17を形成して
いないヒータ主薄膜16だけの比較例は、ヒータ主薄膜
16が絶縁性耐熱基板12の表面に充分に密着していな
い。そのため、加熱用リード線20、21が、電圧供給
用リード膜18、19から簡単に外れ易く、複雑で高度
な接続技術と品質管理技術を必要とするので、リード線
接続時間が長い。また、密着性が不充分でリード線接合
したものは、ヒータ部の抵抗が大きく増加した。
いないヒータ主薄膜16だけの比較例は、ヒータ主薄膜
16が絶縁性耐熱基板12の表面に充分に密着していな
い。そのため、加熱用リード線20、21が、電圧供給
用リード膜18、19から簡単に外れ易く、複雑で高度
な接続技術と品質管理技術を必要とするので、リード線
接続時間が長い。また、密着性が不充分でリード線接合
したものは、ヒータ部の抵抗が大きく増加した。
【0065】さらに、ヒータ主薄膜16だけの発熱体薄
膜13であり、電圧供給用リード膜18、19を形成し
ていない参考例は、ヒータ主薄膜16が絶縁性耐熱基板
12の表面に充分に密着していない。そのため、加熱用
リード線20、21が、発熱体薄膜13から直ぐに外れ
るので、益々複雑で高度な接続技術と品質管理技術を必
要とし、リード線接続時間が一層長い。また、密着性が
不充分なままでリード線接合しているので、ヒータ部の
抵抗が大きく増加しやがて断線した。
膜13であり、電圧供給用リード膜18、19を形成し
ていない参考例は、ヒータ主薄膜16が絶縁性耐熱基板
12の表面に充分に密着していない。そのため、加熱用
リード線20、21が、発熱体薄膜13から直ぐに外れ
るので、益々複雑で高度な接続技術と品質管理技術を必
要とし、リード線接続時間が一層長い。また、密着性が
不充分なままでリード線接合しているので、ヒータ部の
抵抗が大きく増加しやがて断線した。
【0066】この構成の発熱体薄膜が、優れた耐久性を
持つ理由を説明する。白金は展性および耐熱性に優れた
材料で、チタンやジルコニウムさらにクロムは接合性に
優れ良好な展性を持つ材料である。これらは積層される
と良好に接合して展性を持つ発熱体薄膜が得られ、この
発熱体薄膜は、絶縁性耐熱基板や耐熱絶縁性薄膜にも良
好に接合する。通電すると、発熱体薄膜は短時間に動作
温度まで温度上昇して熱膨張し、その上下に配置された
絶縁性耐熱基板や耐熱絶縁性薄膜も同時に温度上昇して
熱膨張するのだが、絶縁性耐熱基板や耐熱絶縁性薄膜の
熱膨張に、積層膜とした発熱体薄膜は良好に追随して剥
離や断線を生じることがないためである。また、本発明
1〜3は、その上部の耐熱ガス感受膜が、耐熱絶縁性薄
膜の薄膜を介して発熱体薄膜で発生した熱が効果的に伝
達されるので、10ミリ秒の通電で動作状態となって一
酸化炭素ガス濃度が検知可能となり、その電力量は14
mW秒であった。
持つ理由を説明する。白金は展性および耐熱性に優れた
材料で、チタンやジルコニウムさらにクロムは接合性に
優れ良好な展性を持つ材料である。これらは積層される
と良好に接合して展性を持つ発熱体薄膜が得られ、この
発熱体薄膜は、絶縁性耐熱基板や耐熱絶縁性薄膜にも良
好に接合する。通電すると、発熱体薄膜は短時間に動作
温度まで温度上昇して熱膨張し、その上下に配置された
絶縁性耐熱基板や耐熱絶縁性薄膜も同時に温度上昇して
熱膨張するのだが、絶縁性耐熱基板や耐熱絶縁性薄膜の
熱膨張に、積層膜とした発熱体薄膜は良好に追随して剥
離や断線を生じることがないためである。また、本発明
1〜3は、その上部の耐熱ガス感受膜が、耐熱絶縁性薄
膜の薄膜を介して発熱体薄膜で発生した熱が効果的に伝
達されるので、10ミリ秒の通電で動作状態となって一
酸化炭素ガス濃度が検知可能となり、その電力量は14
mW秒であった。
【0067】なお、比較のため、シリコンウエハーの表
面に酸化珪素と窒化珪素とからなる絶縁微薄膜を形成し
た基板を使用し、その上部に下部から順々にチタンと白
金を積層した従来型の発熱体薄膜を有するガスセンサを
試作し、ON―OFF試験を行ったところ、この従来型
の発熱体薄膜は1万回で断線してしまった。この原因
は、このシリコンウエハー系の基板は、耐熱性がせいぜ
い300〜400℃前後であり、センサ製造における7
00℃の熱付与により、その表面に密着力の乏しい新た
な酸化物を著しく生成させたため、パルス通電中に発熱
体薄膜が剥離して断線したためである。
面に酸化珪素と窒化珪素とからなる絶縁微薄膜を形成し
た基板を使用し、その上部に下部から順々にチタンと白
金を積層した従来型の発熱体薄膜を有するガスセンサを
試作し、ON―OFF試験を行ったところ、この従来型
の発熱体薄膜は1万回で断線してしまった。この原因
は、このシリコンウエハー系の基板は、耐熱性がせいぜ
い300〜400℃前後であり、センサ製造における7
00℃の熱付与により、その表面に密着力の乏しい新た
な酸化物を著しく生成させたため、パルス通電中に発熱
体薄膜が剥離して断線したためである。
【0068】次に、耐久性の優れた発熱体薄膜13を得
るための最適な焼成条件について検討した。まず、発熱
体薄膜13の焼成方法について検討した。焼成は、発熱
体薄膜13を焼成した後に耐熱絶縁性薄膜14を形成す
る方法が有るが、良好な耐久特性が得られにくい。そこ
で、良好な耐久特性が得られる、発熱体薄膜13と耐熱
絶縁性薄膜14の積層品を同時焼成する方法、を採用し
て以後の検討を進めた。
るための最適な焼成条件について検討した。まず、発熱
体薄膜13の焼成方法について検討した。焼成は、発熱
体薄膜13を焼成した後に耐熱絶縁性薄膜14を形成す
る方法が有るが、良好な耐久特性が得られにくい。そこ
で、良好な耐久特性が得られる、発熱体薄膜13と耐熱
絶縁性薄膜14の積層品を同時焼成する方法、を採用し
て以後の検討を進めた。
【0069】検討実験は、石英硝子の絶縁性耐熱基板1
2を用いて行った。まずその上部に、チタンもしくはジ
ルコニウムもしくはクロムからなる金属ヒータ補助薄膜
17と、白金からなるヒータ主薄膜16を、順々に積層
して発熱体薄膜13を形成した。そしてその上部に、石
英硝子からなる耐熱絶縁性薄膜14を積層し、焼成温度
を変えて真空中で3時間焼成した。図2は、発熱体薄膜
の材質および焼成温度を変化させ、その抵抗変化率を測
定したものである。発熱体薄膜の抵抗変化率は、実装ケ
ースの端子に直流電圧電流を印加して発熱体薄膜13を
動作温度450℃まで10ミリ秒で到達させそののち電
源を切るON―OFF試験を10万回行った際の抵抗変
化率である。
2を用いて行った。まずその上部に、チタンもしくはジ
ルコニウムもしくはクロムからなる金属ヒータ補助薄膜
17と、白金からなるヒータ主薄膜16を、順々に積層
して発熱体薄膜13を形成した。そしてその上部に、石
英硝子からなる耐熱絶縁性薄膜14を積層し、焼成温度
を変えて真空中で3時間焼成した。図2は、発熱体薄膜
の材質および焼成温度を変化させ、その抵抗変化率を測
定したものである。発熱体薄膜の抵抗変化率は、実装ケ
ースの端子に直流電圧電流を印加して発熱体薄膜13を
動作温度450℃まで10ミリ秒で到達させそののち電
源を切るON―OFF試験を10万回行った際の抵抗変
化率である。
【0070】図2より、発熱体薄膜は、600℃以上で
焼成すると抵抗変化率が小さく、優れた耐久特性を有す
ることがわかる。これは、600℃以上の焼成により絶
縁性耐熱基板や耐熱絶縁性薄膜と良好に接合して展性を
持つ発熱体薄膜が得られるためである。特に600〜8
00℃焼成は最も耐久性の優れた発熱体薄膜が得られ
た。一方、550℃焼成は、絶縁性耐熱基板や耐熱絶縁
性薄膜と良好に接合しないため展性を持つ発熱体薄膜が
得られにくく、抵抗変化率が少し大きくなっていた。発
熱体薄膜13は、耐熱絶縁性薄膜14とともに600℃
以上で焼成すると優れた耐久特性を有することより、そ
の上部に形成する耐熱ガス感受膜15の形成温度は60
0℃以上とした。また、チタンもしくはジルコニウムも
しくはクロムからなる金属ヒータ補助薄膜17の膜厚
は、300〜20Åが適正であり特に100〜30Åは
最適であった。一方、白金からなるヒータ主薄膜16の
膜厚は、0.3〜1.0μmが適正であり特に0.4〜
0.7μmは最適であった。
焼成すると抵抗変化率が小さく、優れた耐久特性を有す
ることがわかる。これは、600℃以上の焼成により絶
縁性耐熱基板や耐熱絶縁性薄膜と良好に接合して展性を
持つ発熱体薄膜が得られるためである。特に600〜8
00℃焼成は最も耐久性の優れた発熱体薄膜が得られ
た。一方、550℃焼成は、絶縁性耐熱基板や耐熱絶縁
性薄膜と良好に接合しないため展性を持つ発熱体薄膜が
得られにくく、抵抗変化率が少し大きくなっていた。発
熱体薄膜13は、耐熱絶縁性薄膜14とともに600℃
以上で焼成すると優れた耐久特性を有することより、そ
の上部に形成する耐熱ガス感受膜15の形成温度は60
0℃以上とした。また、チタンもしくはジルコニウムも
しくはクロムからなる金属ヒータ補助薄膜17の膜厚
は、300〜20Åが適正であり特に100〜30Åは
最適であった。一方、白金からなるヒータ主薄膜16の
膜厚は、0.3〜1.0μmが適正であり特に0.4〜
0.7μmは最適であった。
【0071】上記記載の結果は、絶縁性耐熱基板12と
耐熱絶縁性薄膜14として、転移温度が1075℃で軟
化点が1580℃の石英硝子を用いた結果である。一
方、発熱体薄膜13の最適焼成温度が600℃以上であ
るという結果は、金属ヒータ補助薄膜17として用いる
チタンおよびジルコニウムもしくはクロムの材料物性か
ら得られる結果であり、この材料を使用する限り、その
値は大きく変化しない結果である。この優れた耐久性を
実現する発熱体薄膜13の最適焼成温度600℃以上を
実現するためには、ガスセンサを構成する絶縁性耐熱基
板12とヒータ主薄膜16と耐熱絶縁性薄膜14と耐熱
ガス感受膜15は、この最適焼成温度に対して充分に余
裕の有る耐熱性が必要であり、その耐熱温度条件を検討
した結果、少なくとも650℃を越える耐熱性を必要で
あることが判明した。
耐熱絶縁性薄膜14として、転移温度が1075℃で軟
化点が1580℃の石英硝子を用いた結果である。一
方、発熱体薄膜13の最適焼成温度が600℃以上であ
るという結果は、金属ヒータ補助薄膜17として用いる
チタンおよびジルコニウムもしくはクロムの材料物性か
ら得られる結果であり、この材料を使用する限り、その
値は大きく変化しない結果である。この優れた耐久性を
実現する発熱体薄膜13の最適焼成温度600℃以上を
実現するためには、ガスセンサを構成する絶縁性耐熱基
板12とヒータ主薄膜16と耐熱絶縁性薄膜14と耐熱
ガス感受膜15は、この最適焼成温度に対して充分に余
裕の有る耐熱性が必要であり、その耐熱温度条件を検討
した結果、少なくとも650℃を越える耐熱性を必要で
あることが判明した。
【0072】絶縁性耐熱基板12は、硝子材、表面に結
晶化硝子膜を配置した耐熱基板、どのセラミック板が有
効である。しかしながら、その熱伝導率は、発熱体薄膜
13の消費電力量および耐久性およびに大きな影響を及
ぼすので、その影響について検討した。
晶化硝子膜を配置した耐熱基板、どのセラミック板が有
効である。しかしながら、その熱伝導率は、発熱体薄膜
13の消費電力量および耐久性およびに大きな影響を及
ぼすので、その影響について検討した。
【0073】検討は、熱伝導率の異なる絶縁性耐熱基板
12を用いその上部に、クロムからなる金属ヒータ補助
薄膜17と白金からなるヒータ主薄膜16を順々に積層
した発熱体薄膜13を用い、石英硝子からなる耐熱絶縁
性薄膜14をさらに積層し、最後に前述の固体電解質型
の耐熱ガス感受膜15を600℃以下で形成して積層し
たガスセンサで行った。
12を用いその上部に、クロムからなる金属ヒータ補助
薄膜17と白金からなるヒータ主薄膜16を順々に積層
した発熱体薄膜13を用い、石英硝子からなる耐熱絶縁
性薄膜14をさらに積層し、最後に前述の固体電解質型
の耐熱ガス感受膜15を600℃以下で形成して積層し
たガスセンサで行った。
【0074】本発明1の絶縁性耐熱基板は、コージェラ
イトであり、その熱伝導率は1.3W/mK、組成は2Mg
O・2Al2O3・5SiO2である。
イトであり、その熱伝導率は1.3W/mK、組成は2Mg
O・2Al2O3・5SiO2である。
【0075】本発明2の絶縁性耐熱基板は、石英硝子で
あり、その熱伝導率は1.7W/mK、組成はSiO2であ
る。
あり、その熱伝導率は1.7W/mK、組成はSiO2であ
る。
【0076】本発明3の絶縁性耐熱基板は、3Yジルコ
ニアであり、その熱伝導率は2.1W/mK、組成は酸化イ
ットリウム(Y2O3)3モル%と酸化ジルコニウム(Z
rO 2)97モル%の固溶体である。
ニアであり、その熱伝導率は2.1W/mK、組成は酸化イ
ットリウム(Y2O3)3モル%と酸化ジルコニウム(Z
rO 2)97モル%の固溶体である。
【0077】本発明4の絶縁性耐熱基板は、フォルステ
ライトであり、その熱伝導率は3.3W/mK、組成は2M
gO・SiO2である。
ライトであり、その熱伝導率は3.3W/mK、組成は2M
gO・SiO2である。
【0078】本発明5の絶縁性耐熱基板は、ジルコニア
であり、熱伝導率は5W/mK、組成はZrO2である。
であり、熱伝導率は5W/mK、組成はZrO2である。
【0079】本発明6の絶縁性耐熱基板は、ジルコニア
に微量シリカを混合した複合材であり、熱伝導率は7W/
mK、その組成はZrO2・SiO2である。比較例1の絶
縁性耐熱基板は、ジルコニアに微量アルミナを混合した
複合材であり、その熱伝導率は10W/mK、組成はZrO
2・Al2O3である。
に微量シリカを混合した複合材であり、熱伝導率は7W/
mK、その組成はZrO2・SiO2である。比較例1の絶
縁性耐熱基板は、ジルコニアに微量アルミナを混合した
複合材であり、その熱伝導率は10W/mK、組成はZrO
2・Al2O3である。
【0080】比較例2の絶縁性耐熱基板は、アルミナで
あり、その熱伝導率は25W/mK、組成はAl2O3であ
る。
あり、その熱伝導率は25W/mK、組成はAl2O3であ
る。
【0081】熱伝導率の異なる絶縁性耐熱基板12を用
いたガスセンサにパルス通電を行い、発熱体薄膜の消費
電力量を測定した。図3は、絶縁性耐熱基板12の熱伝
導率と消費電力量の相関特性図である。消費電力量は、
実装ケースの端子に直流電圧電流を印加して発熱体薄膜
13を動作温度450℃まで2ミリ秒で到達させそのの
ち8ミリ秒保持させた場合の値である。絶縁性耐熱基板
12の熱伝導率が小さいほど、ガスセンサの消費電力量
が小さいことがわかる。消費電力量は、絶縁性耐熱基板
12の材料の熱伝導率と相関があり、熱伝導率が小さい
硝子材ほど絶縁性耐熱基板12が加熱されにくいので消
費電力量が小さく、熱伝導率が大きいセラミック板ほど
絶縁性耐熱基板12が多く加熱されるので消費電力量が
大きい傾向にあった。そして特に、絶縁性耐熱基板12
が、熱伝導率が少なくとも7W/mKを越えない低熱伝導性
材料であると、発熱体薄膜で発生する熱の少量がこの絶
縁性耐熱基板の加熱に使用される。そのため、発生熱の
大部分が、耐熱絶縁性薄膜の薄膜を介してその上部の耐
熱ガス感受膜に伝達され、耐熱ガス感受膜は、低電力を
用いて短時間に動作温度まで温度上昇してガス濃度検知
可能状態となり、省電力量が容易に実現できる。また、
石英硝子は、耐熱性に優れており、しかも熱伝導率およ
び熱膨張係数が最も小さい理由から消費電力量が最も小
さのでパルス通電用の絶縁性耐熱基板12として最適で
あった。
いたガスセンサにパルス通電を行い、発熱体薄膜の消費
電力量を測定した。図3は、絶縁性耐熱基板12の熱伝
導率と消費電力量の相関特性図である。消費電力量は、
実装ケースの端子に直流電圧電流を印加して発熱体薄膜
13を動作温度450℃まで2ミリ秒で到達させそのの
ち8ミリ秒保持させた場合の値である。絶縁性耐熱基板
12の熱伝導率が小さいほど、ガスセンサの消費電力量
が小さいことがわかる。消費電力量は、絶縁性耐熱基板
12の材料の熱伝導率と相関があり、熱伝導率が小さい
硝子材ほど絶縁性耐熱基板12が加熱されにくいので消
費電力量が小さく、熱伝導率が大きいセラミック板ほど
絶縁性耐熱基板12が多く加熱されるので消費電力量が
大きい傾向にあった。そして特に、絶縁性耐熱基板12
が、熱伝導率が少なくとも7W/mKを越えない低熱伝導性
材料であると、発熱体薄膜で発生する熱の少量がこの絶
縁性耐熱基板の加熱に使用される。そのため、発生熱の
大部分が、耐熱絶縁性薄膜の薄膜を介してその上部の耐
熱ガス感受膜に伝達され、耐熱ガス感受膜は、低電力を
用いて短時間に動作温度まで温度上昇してガス濃度検知
可能状態となり、省電力量が容易に実現できる。また、
石英硝子は、耐熱性に優れており、しかも熱伝導率およ
び熱膨張係数が最も小さい理由から消費電力量が最も小
さのでパルス通電用の絶縁性耐熱基板12として最適で
あった。
【0082】熱伝導率の異なる絶縁性耐熱基板12を用
いたガスセンサのON―OFF通電試験を行い、発熱体
薄膜の抵抗変化率を測定した。図4は、絶縁性耐熱基板
12の熱伝導率と抵抗変化率の相関特性図である。発熱
体薄膜13の抵抗変化率は、実装ケースの端子に直流電
圧電流を印加して発熱体薄膜13を動作温度450℃ま
で2ミリ秒で到達させそののち8ミリ秒保持させたの
ち、電源を切るON―OFF試験を10万回行った際の
抵抗変化率である。
いたガスセンサのON―OFF通電試験を行い、発熱体
薄膜の抵抗変化率を測定した。図4は、絶縁性耐熱基板
12の熱伝導率と抵抗変化率の相関特性図である。発熱
体薄膜13の抵抗変化率は、実装ケースの端子に直流電
圧電流を印加して発熱体薄膜13を動作温度450℃ま
で2ミリ秒で到達させそののち8ミリ秒保持させたの
ち、電源を切るON―OFF試験を10万回行った際の
抵抗変化率である。
【0083】図4より分かる様に、抵抗変化率は、絶縁
性耐熱基板の熱伝導率が7W/mKを境に大きく変化するこ
とがわかる。本発明品は、熱伝導率が7W/mKを越えない
セラミック製の絶縁性耐熱基板であるため、発熱体薄膜
で発生した熱が絶縁性耐熱基板に僅かしか伝達されず、
その多くが耐熱ガス感受膜に伝達される。従って、動作
温度450℃まで少ない電力で到達でき、消費電力を一
層低減したガスセンサが実現できる。また、発熱体薄膜
は、消費電力が小さいので印加される電圧電流値が小さ
く、一層優れた耐久特性が得られる。
性耐熱基板の熱伝導率が7W/mKを境に大きく変化するこ
とがわかる。本発明品は、熱伝導率が7W/mKを越えない
セラミック製の絶縁性耐熱基板であるため、発熱体薄膜
で発生した熱が絶縁性耐熱基板に僅かしか伝達されず、
その多くが耐熱ガス感受膜に伝達される。従って、動作
温度450℃まで少ない電力で到達でき、消費電力を一
層低減したガスセンサが実現できる。また、発熱体薄膜
は、消費電力が小さいので印加される電圧電流値が小さ
く、一層優れた耐久特性が得られる。
【0084】一方、熱伝導率が7W/mKを越える絶縁性耐
熱基板であると、発熱体薄膜で発生した熱は、絶縁性耐
熱基板に多く伝達され、耐熱ガス感受膜には僅かしか伝
達されない。そのため、動作温度450℃到達に多くの
電力を必要とし、消費電力の高いガスセンサとなってし
まう。また、発熱体薄膜は、消費電力が大きいので印加
される電圧電流値が大きく、幾分の耐久性低下が観察さ
れた。
熱基板であると、発熱体薄膜で発生した熱は、絶縁性耐
熱基板に多く伝達され、耐熱ガス感受膜には僅かしか伝
達されない。そのため、動作温度450℃到達に多くの
電力を必要とし、消費電力の高いガスセンサとなってし
まう。また、発熱体薄膜は、消費電力が大きいので印加
される電圧電流値が大きく、幾分の耐久性低下が観察さ
れた。
【0085】また、本発明は上記実施例以外の下記の様
な実施例でも同様な効果が得られた。
な実施例でも同様な効果が得られた。
【0086】ヒータ主薄膜16は、少量のロジウムやパ
ラジウム等が20重量%以下で混合された白金の80重
量%以上を主成分とする白金系金属、酸化ルテニウムを
主成分とした金属酸化物、酸化ジルコニウムを主成分と
した金属酸化物、ケイ化モリブデンを主成分とした無機
材料、クロムを10〜25%含有し残部大半がニッケル
であるニッケルクロム系合金、クロムを10〜30%含
有し必要に応じてアルミニウムを1〜8%添加する場合
も有り残部大半が鉄である鉄クロム系合金などの発熱材
料が有効であった。これら発熱材料のヒータ主薄膜16
は、その膜厚を薄くしてその下部もしくは上部に少なく
とも配置されたチタンもしくはジルコニウムまたはクロ
ムの少なくとも1種の材料を主成分とする金属ヒータ補
助薄膜17と積層して発熱体薄膜13とすると、ヒータ
薄膜だけの発熱体薄膜と比較して上記検討実験での抵抗
変化率が1/(100〜500)に減少しており、優れ
た耐久性を持っていた。また、これらヒータ主薄膜16
の中で特に白金および前述の白金系金属は、前述材料の
金属ヒータ補助薄膜17との組み合わせにおいて、最も
優れた耐久性を持っており、パルス通電用として最適で
あった。そして特に、石英硝子の上部に、前述材料の金
属ヒータ補助薄膜17とヒータ主薄膜16としての白金
または前述の白金系金属とを積層した発熱体薄膜13
は、抵抗安定性に優れており最も優れた耐久性を示し
た。
ラジウム等が20重量%以下で混合された白金の80重
量%以上を主成分とする白金系金属、酸化ルテニウムを
主成分とした金属酸化物、酸化ジルコニウムを主成分と
した金属酸化物、ケイ化モリブデンを主成分とした無機
材料、クロムを10〜25%含有し残部大半がニッケル
であるニッケルクロム系合金、クロムを10〜30%含
有し必要に応じてアルミニウムを1〜8%添加する場合
も有り残部大半が鉄である鉄クロム系合金などの発熱材
料が有効であった。これら発熱材料のヒータ主薄膜16
は、その膜厚を薄くしてその下部もしくは上部に少なく
とも配置されたチタンもしくはジルコニウムまたはクロ
ムの少なくとも1種の材料を主成分とする金属ヒータ補
助薄膜17と積層して発熱体薄膜13とすると、ヒータ
薄膜だけの発熱体薄膜と比較して上記検討実験での抵抗
変化率が1/(100〜500)に減少しており、優れ
た耐久性を持っていた。また、これらヒータ主薄膜16
の中で特に白金および前述の白金系金属は、前述材料の
金属ヒータ補助薄膜17との組み合わせにおいて、最も
優れた耐久性を持っており、パルス通電用として最適で
あった。そして特に、石英硝子の上部に、前述材料の金
属ヒータ補助薄膜17とヒータ主薄膜16としての白金
または前述の白金系金属とを積層した発熱体薄膜13
は、抵抗安定性に優れており最も優れた耐久性を示し
た。
【0087】耐熱絶縁性薄膜14は、アルミナや窒化珪
素などのセラミックおよび硝子の印刷膜、スパッタ膜、
蒸着膜、ゾルゲル膜が有効である。
素などのセラミックおよび硝子の印刷膜、スパッタ膜、
蒸着膜、ゾルゲル膜が有効である。
【0088】ガス感受素子薄膜8は、酸化スズや酸化鉄
さらに酸化タングステンなどの金属酸化物半導体膜、固
体電解質型耐熱ガス感受膜有効が有効である。
さらに酸化タングステンなどの金属酸化物半導体膜、固
体電解質型耐熱ガス感受膜有効が有効である。
【0089】ガス感受素子薄膜8が固体電解質型の場
合、酸素イオン導電性固体電解質薄膜22は、酸化イッ
トリウム3モル%と酸化ジルコニウム97モル%の部分
安定化ジルコニア体に代表される各種ジルコニア系酸素
イオン導電性固体電解質やセリア系酸素イオン導電性固
体電解質のスパッタ膜、蒸着膜、ゾルゲル膜が有効であ
る。第1電極薄膜23および第2電極薄膜24は、白金
などの貴金属もしくは酸素イオン導電性金属酸化物の通
気性印刷膜およびスパッタ膜もしくは蒸着膜が有効であ
る。酸化触媒膜25は、結晶化硝子などの無機接着材に
白金等の貴金属もしくは金属酸化物を混合させた通気性
多孔質膜が有効である。
合、酸素イオン導電性固体電解質薄膜22は、酸化イッ
トリウム3モル%と酸化ジルコニウム97モル%の部分
安定化ジルコニア体に代表される各種ジルコニア系酸素
イオン導電性固体電解質やセリア系酸素イオン導電性固
体電解質のスパッタ膜、蒸着膜、ゾルゲル膜が有効であ
る。第1電極薄膜23および第2電極薄膜24は、白金
などの貴金属もしくは酸素イオン導電性金属酸化物の通
気性印刷膜およびスパッタ膜もしくは蒸着膜が有効であ
る。酸化触媒膜25は、結晶化硝子などの無機接着材に
白金等の貴金属もしくは金属酸化物を混合させた通気性
多孔質膜が有効である。
【0090】(実施例2)実施例2は、絶縁性耐熱基板
12に用いる硝子の物性について検討した。硝子は、熱
伝導率が小さい絶縁性耐熱基板であるため、発熱体薄膜
で発生した熱が絶縁性耐熱基板に僅かしか伝達されず、
その多くが耐熱ガス感受膜に伝達されので、動作温度4
50℃まで少ない電力で到達でき、消費電力を一層低減
したガスセンサが実現できる利点が有る。しかしなが
ら、硝子は、温度を上昇させるとその熱膨張係数に従が
って一定割合で体積膨張するのだが、或る温度を境にそ
の体積が急激に膨張する性質がある。この体積が急激に
膨張する温度を転移温度と言い、この体積急激膨張によ
り、その上部に積層した発熱体薄膜13などが損傷され
ることが懸念されるので、この転移温度の影響について
検討した。
12に用いる硝子の物性について検討した。硝子は、熱
伝導率が小さい絶縁性耐熱基板であるため、発熱体薄膜
で発生した熱が絶縁性耐熱基板に僅かしか伝達されず、
その多くが耐熱ガス感受膜に伝達されので、動作温度4
50℃まで少ない電力で到達でき、消費電力を一層低減
したガスセンサが実現できる利点が有る。しかしなが
ら、硝子は、温度を上昇させるとその熱膨張係数に従が
って一定割合で体積膨張するのだが、或る温度を境にそ
の体積が急激に膨張する性質がある。この体積が急激に
膨張する温度を転移温度と言い、この体積急激膨張によ
り、その上部に積層した発熱体薄膜13などが損傷され
ることが懸念されるので、この転移温度の影響について
検討した。
【0091】図2の結果より600℃焼成は、最も耐久
性の優れた発熱体薄膜が得られる最低焼成温度である。
そこで、この600℃焼成が実現できる絶縁性耐熱基板
の硝子材について検討した。検討に先立ちまず、前述の
固体電解質型の耐熱ガス感受膜15の形成が600℃を
超えない様に材料組成と製法の調整を行った。
性の優れた発熱体薄膜が得られる最低焼成温度である。
そこで、この600℃焼成が実現できる絶縁性耐熱基板
の硝子材について検討した。検討に先立ちまず、前述の
固体電解質型の耐熱ガス感受膜15の形成が600℃を
超えない様に材料組成と製法の調整を行った。
【0092】検討は、材質を異ならしてその転移温度を
変化させた絶縁性耐熱基板12を用いその上部に、クロ
ムからなる金属ヒータ補助薄膜17と白金からなるヒー
タ主薄膜16を順々に積層して発熱体薄膜13とし、石
英硝子からなる耐熱絶縁性薄膜14をさらに積層して真
空中で600℃3時間焼成し、最後に、前述の固体電解
質型の耐熱ガス感受膜15を600℃以下で形成して積
層し、ガスセンサとした。
変化させた絶縁性耐熱基板12を用いその上部に、クロ
ムからなる金属ヒータ補助薄膜17と白金からなるヒー
タ主薄膜16を順々に積層して発熱体薄膜13とし、石
英硝子からなる耐熱絶縁性薄膜14をさらに積層して真
空中で600℃3時間焼成し、最後に、前述の固体電解
質型の耐熱ガス感受膜15を600℃以下で形成して積
層し、ガスセンサとした。
【0093】図5は、硝子の材質を異ならせて転移温度
を変化させ、発熱体薄膜の抵抗変化率を測定したもので
あり、転移温度と抵抗変化率の相関特性である。発熱体
薄膜の抵抗変化率は、実装ケースの端子に直流電圧電流
を印加して発熱体薄膜13を動作温度450℃まで2ミ
リ秒で到達させそののち8ミリ秒保持させたのち、電源
を切るON―OFF試験を10万回行った際の抵抗変化
率である。
を変化させ、発熱体薄膜の抵抗変化率を測定したもので
あり、転移温度と抵抗変化率の相関特性である。発熱体
薄膜の抵抗変化率は、実装ケースの端子に直流電圧電流
を印加して発熱体薄膜13を動作温度450℃まで2ミ
リ秒で到達させそののち8ミリ秒保持させたのち、電源
を切るON―OFF試験を10万回行った際の抵抗変化
率である。
【0094】本発明1の絶縁性耐熱基板は、石英硝子で
あり、転移温度は1075℃、熱膨張係数は0.5×1
0-6(1/deg)である。
あり、転移温度は1075℃、熱膨張係数は0.5×1
0-6(1/deg)である。
【0095】本発明2の絶縁性耐熱基板は、96%珪酸
硝子であり、転移温度は890℃、熱膨張係数は0.8
×10-6で(1/deg)である。
硝子であり、転移温度は890℃、熱膨張係数は0.8
×10-6で(1/deg)である。
【0096】本発明3の絶縁性耐熱基板は、硼珪酸アル
ミナ硝子であり、転移温度は850℃、熱膨張係数は
1.3×10-6で(1/deg)である。
ミナ硝子であり、転移温度は850℃、熱膨張係数は
1.3×10-6で(1/deg)である。
【0097】本発明4の絶縁性耐熱基板は、アルミノ珪
酸硝子であり、転移温度は750℃、熱膨張係数は4.
4×10-6で(1/deg)である。
酸硝子であり、転移温度は750℃、熱膨張係数は4.
4×10-6で(1/deg)である。
【0098】本発明5の絶縁性耐熱基板は、アルミノ珪
酸硝子であり、転移温度は650℃、熱膨張係数は4.
2×10-6で(1/deg)である。
酸硝子であり、転移温度は650℃、熱膨張係数は4.
2×10-6で(1/deg)である。
【0099】比較例の絶縁性耐熱基板は、ソーダ石灰硝
子であり、転移温度は620℃、熱膨張係数は5.2×
10-6で(1/deg)である。
子であり、転移温度は620℃、熱膨張係数は5.2×
10-6で(1/deg)である。
【0100】図5よりわかる様に、ヒータの抵抗変化率
は、絶縁性耐熱基板に用いる硝子材の転移温度が、65
0℃を境に変化することがわかる。本発明品は、絶縁性
耐熱基板がその転移温度が650℃を越える硝子材であ
るため、最適焼成温度の600℃で発熱体薄膜を焼成し
ても、発熱体薄膜は絶縁性耐熱基板に良好に接着して優
れた耐久特性が得られる。また、熱伝導率が非常に小さ
い硝子材の絶縁性耐熱基板であるので、発熱体薄膜で発
生した熱は、絶縁性耐熱基板に僅かしか伝達されず、そ
の多くが耐熱ガス感受膜に伝達される。そのため、動作
温度まで少ない電力で到達でき、消費電力を一層低減し
たガスセンサが実現できる。また、発熱体薄膜は、消費
電力が小さいので印加される電圧電流値が小さくなり、
一層優れた耐久特性が得られる効果が生じている。
は、絶縁性耐熱基板に用いる硝子材の転移温度が、65
0℃を境に変化することがわかる。本発明品は、絶縁性
耐熱基板がその転移温度が650℃を越える硝子材であ
るため、最適焼成温度の600℃で発熱体薄膜を焼成し
ても、発熱体薄膜は絶縁性耐熱基板に良好に接着して優
れた耐久特性が得られる。また、熱伝導率が非常に小さ
い硝子材の絶縁性耐熱基板であるので、発熱体薄膜で発
生した熱は、絶縁性耐熱基板に僅かしか伝達されず、そ
の多くが耐熱ガス感受膜に伝達される。そのため、動作
温度まで少ない電力で到達でき、消費電力を一層低減し
たガスセンサが実現できる。また、発熱体薄膜は、消費
電力が小さいので印加される電圧電流値が小さくなり、
一層優れた耐久特性が得られる効果が生じている。
【0101】一方、620℃の転移温度を有する硝子材
を絶縁性耐熱基板として使用すると、最適焼成温度60
0℃で発熱体薄膜を焼成しても、発熱体薄膜が絶縁性耐
熱基板に良好に接着せず幾分の耐久性低下が観察され
る。これは、硝子材の転移温度620℃が、発熱体薄膜
の焼成温度600℃に近い温度であるため、硝子材の転
移(急激な体積変化が起こること)により発熱体薄膜の
接着が阻害されるためである。
を絶縁性耐熱基板として使用すると、最適焼成温度60
0℃で発熱体薄膜を焼成しても、発熱体薄膜が絶縁性耐
熱基板に良好に接着せず幾分の耐久性低下が観察され
る。これは、硝子材の転移温度620℃が、発熱体薄膜
の焼成温度600℃に近い温度であるため、硝子材の転
移(急激な体積変化が起こること)により発熱体薄膜の
接着が阻害されるためである。
【0102】なお、発熱体薄膜13として、各種材料の
ヒータ主薄膜16とその下部に少なくとも配置されたチ
タンやジルコニウムやクロムの金属ヒータ補助薄膜17
を積層した構成を用いても、同様な効果が得られた。
ヒータ主薄膜16とその下部に少なくとも配置されたチ
タンやジルコニウムやクロムの金属ヒータ補助薄膜17
を積層した構成を用いても、同様な効果が得られた。
【0103】(実施例3)前述の結果より、絶縁性耐熱
基板に石英硝子を用いると優れた耐久特性を持つことが
わかる。そこで、実施例3は、絶縁性耐熱基板に用いる
石英硝子の組成について検討した。石英硝子は、珪酸
(SiO2)を主成分とする硝子であるが、水酸基(O
H基と称す)を微量含有する。そこで、水酸基の含有量
を異ならした石英硝子の絶縁性耐熱基板を用い、その影
響の解析を行った。
基板に石英硝子を用いると優れた耐久特性を持つことが
わかる。そこで、実施例3は、絶縁性耐熱基板に用いる
石英硝子の組成について検討した。石英硝子は、珪酸
(SiO2)を主成分とする硝子であるが、水酸基(O
H基と称す)を微量含有する。そこで、水酸基の含有量
を異ならした石英硝子の絶縁性耐熱基板を用い、その影
響の解析を行った。
【0104】検討は、水酸基の含有量を異ならした石英
硝子の絶縁性耐熱基板12を用いその上部に、クロムか
らなる金属ヒータ補助薄膜17と白金からなるヒータ主
薄膜16を順々に積層して発熱体薄膜13とし、石英硝
子からなる耐熱絶縁性薄膜14をさらに積層して真空中
で600℃3時間焼成し、最後に、前述の固体電解質型
の耐熱ガス感受膜15を600℃以下で形成して積層し
てガスセンサで行った。
硝子の絶縁性耐熱基板12を用いその上部に、クロムか
らなる金属ヒータ補助薄膜17と白金からなるヒータ主
薄膜16を順々に積層して発熱体薄膜13とし、石英硝
子からなる耐熱絶縁性薄膜14をさらに積層して真空中
で600℃3時間焼成し、最後に、前述の固体電解質型
の耐熱ガス感受膜15を600℃以下で形成して積層し
てガスセンサで行った。
【0105】図6は、石英硝子の水酸基の含有量を変化
させ、発熱体薄膜の抵抗変化率を測定したものであり、
石英硝子の水酸基含有量と抵抗変化率の相関特性であ
る。発熱体薄膜の抵抗変化率は、実装ケースの端子に直
流電圧電流を印加して発熱体薄膜13を動作温度450
℃まで2ミリ秒で到達させそののち8ミリ秒保持させた
のち、電源を切るON―OFF試験を10万回行った際
の抵抗変化率である。
させ、発熱体薄膜の抵抗変化率を測定したものであり、
石英硝子の水酸基含有量と抵抗変化率の相関特性であ
る。発熱体薄膜の抵抗変化率は、実装ケースの端子に直
流電圧電流を印加して発熱体薄膜13を動作温度450
℃まで2ミリ秒で到達させそののち8ミリ秒保持させた
のち、電源を切るON―OFF試験を10万回行った際
の抵抗変化率である。
【0106】本発明1の絶縁性耐熱基板は、0.01wt
%の水酸基を含有する石英硝子であり、その安全使用温
度は1050℃である。
%の水酸基を含有する石英硝子であり、その安全使用温
度は1050℃である。
【0107】本発明2の絶縁性耐熱基板は、0.04wt
%の水酸基を含有する石英硝子であり、その安全使用温
度は1000℃である。
%の水酸基を含有する石英硝子であり、その安全使用温
度は1000℃である。
【0108】本発明3の絶縁性耐熱基板は、0.12wt
%の水酸基を含有する石英硝子であり、その安全使用温
度は950℃である。
%の水酸基を含有する石英硝子であり、その安全使用温
度は950℃である。
【0109】本発明4の絶縁性耐熱基板は、0.20wt
%の水酸基を含有する石英硝子であり、その安全使用温
度は900℃である。
%の水酸基を含有する石英硝子であり、その安全使用温
度は900℃である。
【0110】比較例2の絶縁性耐熱基板は、0.25wt
%の水酸基を含有する石英硝子であり、その安全使用温
度は800℃である。
%の水酸基を含有する石英硝子であり、その安全使用温
度は800℃である。
【0111】ヒータの抵抗変化率は、石英硝子に含まれ
る水酸基が0.20wt%を境に変化することがわかる。
本発明品は、石英硝子に含まれる水酸基が0.20wt%
以下であるため、クロムの金属ヒータ補助薄膜が石英硝
子に良好に接着して一層優れた耐久特性が得られる。ま
た、熱膨張係数が非常に小さい石英硝子を絶縁性耐熱基
板として使用しているので、発熱体薄膜の発熱に起因す
る絶縁性耐熱基板の熱膨張が小さくなり、これにともな
い発熱体薄膜は絶縁性耐熱基板に一層良好に接着して優
れた耐久特性が得られる。さらに、熱伝導率が非常に小
さい石英硝子の絶縁性耐熱基板であるので、発熱体薄膜
で発生した熱は、絶縁性耐熱基板に僅かしか伝達され
ず、その多くが耐熱ガス感受膜に伝達される。そのた
め、動作温度まで少ない電力で到達でき、消費電力を一
層低減したガスセンサが実現できる。また、発熱体薄膜
は、消費電力が小さいので印加される電圧電流値が小さ
くなり、一層優れた耐久特性が得られる効果が生じてい
る。これに加え、石英硝子に含まれる水酸基が0.20
wt%以下であると、その上部に積層される耐熱絶縁性薄
膜の形成に、高温処理を施こすことができ、欠陥の少な
い耐熱絶縁性薄膜が生成されて優れた絶縁特性が確保で
きる。そのため、酸素イオン導電性固体電解質薄膜は、
発熱体薄膜の影響を受けることが少なく、適正動作温度
450℃で良好な酸素イオン導電性を発揮する。この効
果により、酸素イオン導電性固体電解質薄膜や電極薄膜
そして酸化触媒膜で構成される耐熱ガス感受膜は、その
下部に配置した発熱体薄膜により短時間で加熱されて動
作状態となり、極めて短時間に暖気される利点もある。
る水酸基が0.20wt%を境に変化することがわかる。
本発明品は、石英硝子に含まれる水酸基が0.20wt%
以下であるため、クロムの金属ヒータ補助薄膜が石英硝
子に良好に接着して一層優れた耐久特性が得られる。ま
た、熱膨張係数が非常に小さい石英硝子を絶縁性耐熱基
板として使用しているので、発熱体薄膜の発熱に起因す
る絶縁性耐熱基板の熱膨張が小さくなり、これにともな
い発熱体薄膜は絶縁性耐熱基板に一層良好に接着して優
れた耐久特性が得られる。さらに、熱伝導率が非常に小
さい石英硝子の絶縁性耐熱基板であるので、発熱体薄膜
で発生した熱は、絶縁性耐熱基板に僅かしか伝達され
ず、その多くが耐熱ガス感受膜に伝達される。そのた
め、動作温度まで少ない電力で到達でき、消費電力を一
層低減したガスセンサが実現できる。また、発熱体薄膜
は、消費電力が小さいので印加される電圧電流値が小さ
くなり、一層優れた耐久特性が得られる効果が生じてい
る。これに加え、石英硝子に含まれる水酸基が0.20
wt%以下であると、その上部に積層される耐熱絶縁性薄
膜の形成に、高温処理を施こすことができ、欠陥の少な
い耐熱絶縁性薄膜が生成されて優れた絶縁特性が確保で
きる。そのため、酸素イオン導電性固体電解質薄膜は、
発熱体薄膜の影響を受けることが少なく、適正動作温度
450℃で良好な酸素イオン導電性を発揮する。この効
果により、酸素イオン導電性固体電解質薄膜や電極薄膜
そして酸化触媒膜で構成される耐熱ガス感受膜は、その
下部に配置した発熱体薄膜により短時間で加熱されて動
作状態となり、極めて短時間に暖気される利点もある。
【0112】一方、石英硝子に含まれる水酸基が0.2
0wt%を超えると、クロムの金属ヒータ補助薄膜が石英
硝子に接着しにくくなり、幾分の耐久性低下が観察され
た。
0wt%を超えると、クロムの金属ヒータ補助薄膜が石英
硝子に接着しにくくなり、幾分の耐久性低下が観察され
た。
【0113】なお、発熱体薄膜13として、各種材料の
ヒータ主薄膜16とその下部に少なくとも配置されたチ
タンやジルコニウムやクロムの金属ヒータ補助薄膜17
を積層した構成を用いても、同様な効果が得られた。
ヒータ主薄膜16とその下部に少なくとも配置されたチ
タンやジルコニウムやクロムの金属ヒータ補助薄膜17
を積層した構成を用いても、同様な効果が得られた。
【0114】(実施例4)実施例4は、結晶化硝子から
なる遮熱板26を耐熱板27の上部に積層した二層基板
で構成される絶縁性耐熱基板12に用いる際の、結晶化
硝子の物性について検討した。その実施例を図7に示
す。
なる遮熱板26を耐熱板27の上部に積層した二層基板
で構成される絶縁性耐熱基板12に用いる際の、結晶化
硝子の物性について検討した。その実施例を図7に示
す。
【0115】検討は、転移温度の異なる結晶化硝子の遮
熱板26を耐熱板27の上部に積層した構成の絶縁性耐
熱基板12を用いその上部に、クロムからなる金属ヒー
タ補助薄膜17と白金からなるヒータ主薄膜16を順々
に積層して発熱体薄膜13とし、石英硝子からなる耐熱
絶縁性薄膜14をさらに積層して真空中で600℃3時
間焼成し、最後に、前述の固体電解質型の耐熱ガス感受
膜15を600℃以下で形成して積層したガスセンサで
行った。なお、発熱体薄膜13には、その端部に電圧供
給用リード膜18、19(記載せず)および加熱用リー
ド線20、21(記載せず)が、取り付けられている。
熱板26を耐熱板27の上部に積層した構成の絶縁性耐
熱基板12を用いその上部に、クロムからなる金属ヒー
タ補助薄膜17と白金からなるヒータ主薄膜16を順々
に積層して発熱体薄膜13とし、石英硝子からなる耐熱
絶縁性薄膜14をさらに積層して真空中で600℃3時
間焼成し、最後に、前述の固体電解質型の耐熱ガス感受
膜15を600℃以下で形成して積層したガスセンサで
行った。なお、発熱体薄膜13には、その端部に電圧供
給用リード膜18、19(記載せず)および加熱用リー
ド線20、21(記載せず)が、取り付けられている。
【0116】結晶化硝子の材質を異ならせて転移温度を
変化させた絶縁性耐熱基板12を用いたガスセンサのO
N―OFF通電試験を行い、発熱体薄膜の抵抗変化率を
測定した。図8は、結晶化硝子の転移温度と抵抗変化率
の相関特性である。発熱体薄膜の抵抗変化率は、実装ケ
ースの端子に直流電圧電流を印加して発熱体薄膜13を
動作温度450℃まで2ミリ秒で到達させそののち8ミ
リ秒保持させたのち、電源を切るON―OFF試験を1
0万回行った際の抵抗変化率である。
変化させた絶縁性耐熱基板12を用いたガスセンサのO
N―OFF通電試験を行い、発熱体薄膜の抵抗変化率を
測定した。図8は、結晶化硝子の転移温度と抵抗変化率
の相関特性である。発熱体薄膜の抵抗変化率は、実装ケ
ースの端子に直流電圧電流を印加して発熱体薄膜13を
動作温度450℃まで2ミリ秒で到達させそののち8ミ
リ秒保持させたのち、電源を切るON―OFF試験を1
0万回行った際の抵抗変化率である。
【0117】本発明1の絶縁性耐熱基板は、転移温度6
50℃で軟化温度850℃で熱膨張係数6.6×10-6
deg-1の物性を有する結晶化硝子膜(膜厚60μm)をア
ルミナ製の耐熱板の上部に積層した構成である。
50℃で軟化温度850℃で熱膨張係数6.6×10-6
deg-1の物性を有する結晶化硝子膜(膜厚60μm)をア
ルミナ製の耐熱板の上部に積層した構成である。
【0118】本発明2の絶縁性耐熱基板は、転移温度7
20℃で軟化温度900℃で熱膨張係数6.8×10-6
deg-1の物性を有する結晶化硝子膜(膜厚70μm)をア
ルミナ製の耐熱板の上部に積層した構成である。
20℃で軟化温度900℃で熱膨張係数6.8×10-6
deg-1の物性を有する結晶化硝子膜(膜厚70μm)をア
ルミナ製の耐熱板の上部に積層した構成である。
【0119】比較例の絶縁性耐熱基板は、転移温度63
0℃で軟化温度870℃で熱膨張係数6.7×10-6de
g-1の物性を有する結晶化硝子膜(膜厚60μm)をアル
ミナ製の耐熱板の上部に積層した構成である。
0℃で軟化温度870℃で熱膨張係数6.7×10-6de
g-1の物性を有する結晶化硝子膜(膜厚60μm)をアル
ミナ製の耐熱板の上部に積層した構成である。
【0120】図8からわかる様に、ヒータの抵抗変化率
は、結晶化硝子膜の転移温度が650℃を境に変化する
ことがわかる。本発明品は、転移温度が650℃を越え
る結晶化硝子膜であるため、最適焼成温度の600℃で
発熱体薄膜を焼成しても、発熱体薄膜は絶縁性耐熱基板
に良好に接着して優れた耐久特性が得られる。また、熱
伝導率が非常に小さい結晶化硝子膜が積層された絶縁性
耐熱基板であるので、発熱体薄膜で発生した熱は、絶縁
性耐熱基板に僅かしか伝達されず、その多くが耐熱ガス
感受膜に伝達される。そのため、動作温度まで少ない電
力で到達でき、消費電力を一層低減したガスセンサが実
現できる。また、発熱体薄膜は、消費電力が小さいので
印加される電圧電流値が小さくなり、一層優れた耐久特
性が得られる効果が生じている。
は、結晶化硝子膜の転移温度が650℃を境に変化する
ことがわかる。本発明品は、転移温度が650℃を越え
る結晶化硝子膜であるため、最適焼成温度の600℃で
発熱体薄膜を焼成しても、発熱体薄膜は絶縁性耐熱基板
に良好に接着して優れた耐久特性が得られる。また、熱
伝導率が非常に小さい結晶化硝子膜が積層された絶縁性
耐熱基板であるので、発熱体薄膜で発生した熱は、絶縁
性耐熱基板に僅かしか伝達されず、その多くが耐熱ガス
感受膜に伝達される。そのため、動作温度まで少ない電
力で到達でき、消費電力を一層低減したガスセンサが実
現できる。また、発熱体薄膜は、消費電力が小さいので
印加される電圧電流値が小さくなり、一層優れた耐久特
性が得られる効果が生じている。
【0121】一方、630℃の転移温度を有する結晶化
硝子膜を有する耐熱板を絶縁性耐熱基板として使用する
と、最適焼成温度600℃で発熱体薄膜を焼成しても、
発熱体薄膜が絶縁性耐熱基板に良好に接着せず幾分の耐
久性低下が観察される。これは、結晶化硝子膜の転移温
度630℃が、発熱体薄膜の焼成温度600℃に近い温
度であるため、結晶化硝子膜の転移(急激な体積変化が
起こること)により発熱体薄膜の接着が阻害されるため
である。
硝子膜を有する耐熱板を絶縁性耐熱基板として使用する
と、最適焼成温度600℃で発熱体薄膜を焼成しても、
発熱体薄膜が絶縁性耐熱基板に良好に接着せず幾分の耐
久性低下が観察される。これは、結晶化硝子膜の転移温
度630℃が、発熱体薄膜の焼成温度600℃に近い温
度であるため、結晶化硝子膜の転移(急激な体積変化が
起こること)により発熱体薄膜の接着が阻害されるため
である。
【0122】なお、発熱体薄膜13として、各種材料の
ヒータ主薄膜16とその下部に少なくとも配置されたチ
タンやジルコニウムやクロムの金属ヒータ補助薄膜17
を積層した構成を用いても、同様な効果が得られた。
ヒータ主薄膜16とその下部に少なくとも配置されたチ
タンやジルコニウムやクロムの金属ヒータ補助薄膜17
を積層した構成を用いても、同様な効果が得られた。
【0123】(実施例5)実施例5は、絶縁性耐熱基板
12の中心線表面粗さについて検討した。検討は、中心
線表面粗さを変化させた石英硝子の絶縁性耐熱基板12
の上部に、クロムからなる金属ヒータ補助薄膜17と白
金からなるヒータ主薄膜16を順々に積層して発熱体薄
膜13とし、石英硝子からなる耐熱絶縁性薄膜14をさ
らに積層して真空中で700℃3時間焼成し、最後に、
前述の固体電解質型の耐熱ガス感受膜15を800℃以
下で形成して積層したガスセンサで行った。
12の中心線表面粗さについて検討した。検討は、中心
線表面粗さを変化させた石英硝子の絶縁性耐熱基板12
の上部に、クロムからなる金属ヒータ補助薄膜17と白
金からなるヒータ主薄膜16を順々に積層して発熱体薄
膜13とし、石英硝子からなる耐熱絶縁性薄膜14をさ
らに積層して真空中で700℃3時間焼成し、最後に、
前述の固体電解質型の耐熱ガス感受膜15を800℃以
下で形成して積層したガスセンサで行った。
【0124】中心線表面粗さを変化させた絶縁性耐熱基
板12を用いたガスセンサのON―OFF通電試験を行
い、発熱体薄膜の抵抗変化率を測定した。図9は、中心
線表面粗さと抵抗変化率の相関特性を整理した特性図で
ある。発熱体薄膜の抵抗変化率は、実装ケースの端子に
直流電圧電流を印加して発熱体薄膜13を動作温度45
0℃まで2ミリ秒で到達させそののち8ミリ秒保持させ
たのち、電源を切るON―OFF試験を10万回行った
際の抵抗変化率である。
板12を用いたガスセンサのON―OFF通電試験を行
い、発熱体薄膜の抵抗変化率を測定した。図9は、中心
線表面粗さと抵抗変化率の相関特性を整理した特性図で
ある。発熱体薄膜の抵抗変化率は、実装ケースの端子に
直流電圧電流を印加して発熱体薄膜13を動作温度45
0℃まで2ミリ秒で到達させそののち8ミリ秒保持させ
たのち、電源を切るON―OFF試験を10万回行った
際の抵抗変化率である。
【0125】図9からわかる様に、抵抗変化率は、中心
線表面粗さが0.05μmおよび1μmを境に大きく変化
することがわかる。本発明品は、中心線表面粗さが0.
05〜1μmであるため、焼成により発熱体薄膜が絶縁
性耐熱基板に良好に接着して優れた耐久特性が得られ
る。
線表面粗さが0.05μmおよび1μmを境に大きく変化
することがわかる。本発明品は、中心線表面粗さが0.
05〜1μmであるため、焼成により発熱体薄膜が絶縁
性耐熱基板に良好に接着して優れた耐久特性が得られ
る。
【0126】一方、中心線表面粗さが0.05μm未満
および1μmを超える絶縁性耐熱基板にすると、焼成し
ても発熱体薄膜が絶縁性耐熱基板に良好に接着せず幾分
の耐久性低下が観察される。
および1μmを超える絶縁性耐熱基板にすると、焼成し
ても発熱体薄膜が絶縁性耐熱基板に良好に接着せず幾分
の耐久性低下が観察される。
【0127】なお、上記結果は、絶縁性耐熱基板とし
て、転移温度720℃で軟化温度900℃で熱膨張係数
6.8×10-6deg-1の物性を有する結晶化硝子の遮熱
板(膜厚70μm)をアルミナ製の耐熱板の上部に積層
した2層基板、各種硝子の基板を用いても同様であっ
た。また、耐熱絶縁性薄膜14として、アルミナや窒化
珪素などのセラミックおよび各種硝子を用いても、同様
な効果が得られた。さらに、発熱体薄膜13として、各
種材料のヒータ主薄膜16とその下部に少なくとも配置
されたチタンやジルコニウムやクロムの金属ヒータ補助
薄膜17を積層した構成を用いても、同様な効果が得ら
れた。
て、転移温度720℃で軟化温度900℃で熱膨張係数
6.8×10-6deg-1の物性を有する結晶化硝子の遮熱
板(膜厚70μm)をアルミナ製の耐熱板の上部に積層
した2層基板、各種硝子の基板を用いても同様であっ
た。また、耐熱絶縁性薄膜14として、アルミナや窒化
珪素などのセラミックおよび各種硝子を用いても、同様
な効果が得られた。さらに、発熱体薄膜13として、各
種材料のヒータ主薄膜16とその下部に少なくとも配置
されたチタンやジルコニウムやクロムの金属ヒータ補助
薄膜17を積層した構成を用いても、同様な効果が得ら
れた。
【0128】(実施例6)実施例6は、ヒータ主薄膜1
6を構成する白金の結晶構造について検討した。
6を構成する白金の結晶構造について検討した。
【0129】検討は、石英硝子の絶縁性耐熱基板12の
上部に、チタンからなる金属ヒータ補助薄膜17と白金
を主成分とするヒータ主薄膜16を順々に積層して発熱
体薄膜13とし、石英硝子からなる耐熱絶縁性薄膜14
をさらに積層して真空中700℃で3時間焼成したのち
最後に、前述の固体電解質型の耐熱ガス感受膜15を8
00℃以下で形成して積層したガスセンサで行った。
上部に、チタンからなる金属ヒータ補助薄膜17と白金
を主成分とするヒータ主薄膜16を順々に積層して発熱
体薄膜13とし、石英硝子からなる耐熱絶縁性薄膜14
をさらに積層して真空中700℃で3時間焼成したのち
最後に、前述の固体電解質型の耐熱ガス感受膜15を8
00℃以下で形成して積層したガスセンサで行った。
【0130】結晶構造が異なる白金を主成分とするヒー
タ薄膜を用いたガスセンサのON―OFF通電試験を行
い、発熱体薄膜の抵抗変化率を測定した。その結果を
(表2)に示す。発熱体薄膜の抵抗変化率は、実装ケー
スの端子に直流電圧電流を印加して発熱体薄膜13を動
作温度450℃まで2ミリ秒で到達させそののち8ミリ
秒保持させたのち、電源を切るON―OFF試験を10
万回行った際の抵抗変化率である。
タ薄膜を用いたガスセンサのON―OFF通電試験を行
い、発熱体薄膜の抵抗変化率を測定した。その結果を
(表2)に示す。発熱体薄膜の抵抗変化率は、実装ケー
スの端子に直流電圧電流を印加して発熱体薄膜13を動
作温度450℃まで2ミリ秒で到達させそののち8ミリ
秒保持させたのち、電源を切るON―OFF試験を10
万回行った際の抵抗変化率である。
【0131】本発明1のヒータ薄膜は、白金をスパッタ
して形成した薄膜であり、(1、1、1)面に配向した
白金の結晶構造を持つ。
して形成した薄膜であり、(1、1、1)面に配向した
白金の結晶構造を持つ。
【0132】本発明2のヒータ薄膜は、白金90重量%
とロジウム10重量%の白金ロジウム合金をスパッタし
て形成した薄膜であり、(1、1、1)面に配向した白
金が主成分の結晶構造を持つ。
とロジウム10重量%の白金ロジウム合金をスパッタし
て形成した薄膜であり、(1、1、1)面に配向した白
金が主成分の結晶構造を持つ。
【0133】比較例のヒータ薄膜は、白金を蒸着して形
成した薄膜であり、正常な白金の結晶構造を持つ。
成した薄膜であり、正常な白金の結晶構造を持つ。
【0134】
【表2】
【0135】本発明1および2の様に、(1、1、1)
面に配向した白金が主成分のヒータ薄膜は、抵抗変化率
は小さいことがわかる。(1、1、1)面に配向した白
金が主成分の金属は、粒径の大きい白金薄膜が得られる
ので、結晶粒界の数が減少するとともに粒界欠陥や不連
続性が減少する特性を有する。そのため、これを使用し
た発熱体薄膜は、結晶粒界における電流集中が減少して
電流密度が小さくなり、エレクトロマイグレーション現
象が起こり難くなるので、一層優れた耐久特性が得られ
る訳である。
面に配向した白金が主成分のヒータ薄膜は、抵抗変化率
は小さいことがわかる。(1、1、1)面に配向した白
金が主成分の金属は、粒径の大きい白金薄膜が得られる
ので、結晶粒界の数が減少するとともに粒界欠陥や不連
続性が減少する特性を有する。そのため、これを使用し
た発熱体薄膜は、結晶粒界における電流集中が減少して
電流密度が小さくなり、エレクトロマイグレーション現
象が起こり難くなるので、一層優れた耐久特性が得られ
る訳である。
【0136】なお、金属ヒータ補助薄膜17とてチタン
やジルコニウムを用いても、同様に一層優れた耐久特性
が得られた。また、上記結果は、絶縁性耐熱基板とし
て、転移温度720℃で軟化温度900℃で熱膨張係数
6.8×10-6deg-1の物性を有する結晶化硝子の遮熱
板(膜厚70μm)をアルミナ製の耐熱板の上部に積層
した2層基板、各種硝子の基板を用いても同様であっ
た。また、耐熱絶縁性薄膜14として、アルミナや窒化
珪素などのセラミックおよび各種硝子を用いても、同様
な効果が得られた。
やジルコニウムを用いても、同様に一層優れた耐久特性
が得られた。また、上記結果は、絶縁性耐熱基板とし
て、転移温度720℃で軟化温度900℃で熱膨張係数
6.8×10-6deg-1の物性を有する結晶化硝子の遮熱
板(膜厚70μm)をアルミナ製の耐熱板の上部に積層
した2層基板、各種硝子の基板を用いても同様であっ
た。また、耐熱絶縁性薄膜14として、アルミナや窒化
珪素などのセラミックおよび各種硝子を用いても、同様
な効果が得られた。
【0137】(実施例7)実施例7は、ヒータ主薄膜1
6を構成する材料組成について検討した。
6を構成する材料組成について検討した。
【0138】検討は、石英硝子の絶縁性耐熱基板12の
上部に、クロムからなる金属ヒータ補助薄膜17と白金
ロジウム合金からなるヒータ主薄膜16を順々に積層し
て発熱体薄膜13とし、石英硝子からなる耐熱絶縁性薄
膜14をさらに積層して真空中700℃で3時間焼成し
たのち最後に、前述の固体電解質型の耐熱ガス感受膜1
5を800℃以下で形成して積層したガスセンサで行っ
た。
上部に、クロムからなる金属ヒータ補助薄膜17と白金
ロジウム合金からなるヒータ主薄膜16を順々に積層し
て発熱体薄膜13とし、石英硝子からなる耐熱絶縁性薄
膜14をさらに積層して真空中700℃で3時間焼成し
たのち最後に、前述の固体電解質型の耐熱ガス感受膜1
5を800℃以下で形成して積層したガスセンサで行っ
た。
【0139】白金とロジウムの組成を変化させたヒータ
主薄膜16を用いたガスセンサのON―OFF通電試験
を行い、発熱体薄膜の抵抗変化率を測定した。図10
は、白金ロジウム合金中のロジウム含有量と抵抗変化率
の相関特性を整理した特性図である。発熱体薄膜の抵抗
変化率は、実装ケースの端子に直流電圧電流を印加して
発熱体薄膜13を動作温度450℃℃まで2ミリ秒で到
達させそののち8ミリ秒保持させたのち、電源を切るO
N―OFF試験を10万回行った際の抵抗変化率であ
る。
主薄膜16を用いたガスセンサのON―OFF通電試験
を行い、発熱体薄膜の抵抗変化率を測定した。図10
は、白金ロジウム合金中のロジウム含有量と抵抗変化率
の相関特性を整理した特性図である。発熱体薄膜の抵抗
変化率は、実装ケースの端子に直流電圧電流を印加して
発熱体薄膜13を動作温度450℃℃まで2ミリ秒で到
達させそののち8ミリ秒保持させたのち、電源を切るO
N―OFF試験を10万回行った際の抵抗変化率であ
る。
【0140】図10から判る様に、抵抗変化率は、ロジ
ウム含有量が2wt%および20wt%を境に大きく変化する
ことがわかる。本発明品は、ロジウム含有量が2〜20
wt%であるため、耐熱衝撃に優れた発熱体薄膜が絶縁性
耐熱基板に良好に接着してさらに一層優れた耐久特性が
得られる。
ウム含有量が2wt%および20wt%を境に大きく変化する
ことがわかる。本発明品は、ロジウム含有量が2〜20
wt%であるため、耐熱衝撃に優れた発熱体薄膜が絶縁性
耐熱基板に良好に接着してさらに一層優れた耐久特性が
得られる。
【0141】一方、ロジウム含有量が20wt%を超える
または2wt%未満であると、発熱体薄膜が絶縁性耐熱基
板に良好に接着せず幾分の耐久性低下が観察される。
または2wt%未満であると、発熱体薄膜が絶縁性耐熱基
板に良好に接着せず幾分の耐久性低下が観察される。
【0142】なお、金属ヒータ補助薄膜17とてジルコ
ニウムやチタンを用いても、同様に一層優れた耐久特性
が得られた。また、上記結果は、絶縁性耐熱基板とし
て、転移温度720℃で軟化温度900℃で熱膨張係数
6.8×10-6deg-1の物性を有する結晶化硝子の遮熱
板(膜厚70μm)をアルミナ製の耐熱板の上部に積層
した2層基板、各種硝子の基板を用いても同様であっ
た。また、耐熱絶縁性薄膜14として、アルミナや窒化
珪素などのセラミックおよび各種硝子を用いても、同様
な効果が得られた。
ニウムやチタンを用いても、同様に一層優れた耐久特性
が得られた。また、上記結果は、絶縁性耐熱基板とし
て、転移温度720℃で軟化温度900℃で熱膨張係数
6.8×10-6deg-1の物性を有する結晶化硝子の遮熱
板(膜厚70μm)をアルミナ製の耐熱板の上部に積層
した2層基板、各種硝子の基板を用いても同様であっ
た。また、耐熱絶縁性薄膜14として、アルミナや窒化
珪素などのセラミックおよび各種硝子を用いても、同様
な効果が得られた。
【0143】(実施例8)実施例8は、耐熱絶縁性薄膜
14を構成する材料の熱伝導率について検討した。
14を構成する材料の熱伝導率について検討した。
【0144】検討は、石英硝子の絶縁性耐熱基板12の
上部に、クロムからなる金属ヒータ補助薄膜17と白金
のヒータ主薄膜16をスパッタ法を用いて順々に0.6
μm積層して発熱体薄膜13とし、熱伝導率が異なる耐
熱絶縁性薄膜14をさらに約2μm積層して真空中70
0℃で3時間焼成したのち最後に、前述の固体電解質型
の耐熱ガス感受膜15を800℃以下で形成して積層し
たガスセンサで行った。
上部に、クロムからなる金属ヒータ補助薄膜17と白金
のヒータ主薄膜16をスパッタ法を用いて順々に0.6
μm積層して発熱体薄膜13とし、熱伝導率が異なる耐
熱絶縁性薄膜14をさらに約2μm積層して真空中70
0℃で3時間焼成したのち最後に、前述の固体電解質型
の耐熱ガス感受膜15を800℃以下で形成して積層し
たガスセンサで行った。
【0145】比較例1の耐熱絶縁性薄膜は、ジルコニア
セリア系膜であり、その熱伝導率は0.5W/mK、組成は
ZrO260%−CeO240%である。本発明1の耐熱
絶縁性薄膜は、ランタンジルコニア系膜膜であり、その
熱伝導率は1.0W/mK、組成はLa2O3 −ZrO2系で
ある。
セリア系膜であり、その熱伝導率は0.5W/mK、組成は
ZrO260%−CeO240%である。本発明1の耐熱
絶縁性薄膜は、ランタンジルコニア系膜膜であり、その
熱伝導率は1.0W/mK、組成はLa2O3 −ZrO2系で
ある。
【0146】本発明2の耐熱絶縁性薄膜は、石英硝子膜
であり、その熱伝導率は1.7W/mK、その組成はSiO
2である。
であり、その熱伝導率は1.7W/mK、その組成はSiO
2である。
【0147】本発明3の耐熱絶縁性薄膜は、フォルステ
ライト膜であり、その熱伝導率は3.3W/mK、組成は2
MgO・SiO2である。
ライト膜であり、その熱伝導率は3.3W/mK、組成は2
MgO・SiO2である。
【0148】本発明4の耐熱絶縁性薄膜は、ジルコニア
膜であり、その熱伝導率は5W/mK、その組成はZrO2
である。
膜であり、その熱伝導率は5W/mK、その組成はZrO2
である。
【0149】本発明5の耐熱絶縁性薄膜は、窒化珪素膜
であり、その熱伝導率は13W/mK、組成はSi3N4であ
る。
であり、その熱伝導率は13W/mK、組成はSi3N4であ
る。
【0150】本発明6の耐熱絶縁性薄膜は、アルミナ膜
であり、その熱伝導率は25W/mK、組成はAl2O3であ
る。
であり、その熱伝導率は25W/mK、組成はAl2O3であ
る。
【0151】比較例2の耐熱絶縁性薄膜は、酸化マグネ
シウム膜であり、その熱伝導率は38W/mK、組成はMg
Oである。
シウム膜であり、その熱伝導率は38W/mK、組成はMg
Oである。
【0152】熱伝導率が異なる耐熱絶縁性薄膜14を用
いたガスセンサのON―OFF通電試験を行い、発熱体
薄膜の抵抗変化率を測定した。図11は、耐熱絶縁性薄
膜の熱伝導率と抵抗変化率の相関特性を整理した特性図
である。発熱体薄膜の抵抗変化率は、実装ケースの端子
に直流電圧電流を印加して発熱体薄膜13を動作温度4
50℃まで2ミリ秒で到達させそののち8ミリ秒保持さ
せたのち、電源を切るON―OFF試験を10万回行っ
た際の抵抗変化率である。
いたガスセンサのON―OFF通電試験を行い、発熱体
薄膜の抵抗変化率を測定した。図11は、耐熱絶縁性薄
膜の熱伝導率と抵抗変化率の相関特性を整理した特性図
である。発熱体薄膜の抵抗変化率は、実装ケースの端子
に直流電圧電流を印加して発熱体薄膜13を動作温度4
50℃まで2ミリ秒で到達させそののち8ミリ秒保持さ
せたのち、電源を切るON―OFF試験を10万回行っ
た際の抵抗変化率である。
【0153】図11よりわかるように、抵抗変化率は、
耐熱絶縁性薄膜の熱伝導率が1W/mK未満および25W/mK
を越えると、大きく変化することがわかる。本発明品
は、熱伝導率が1〜25W/mKであるため、耐熱絶縁性薄
膜が良好に放熱し、発熱体薄膜はその温度上昇が抑制さ
れ優れた耐久特性が得られる。
耐熱絶縁性薄膜の熱伝導率が1W/mK未満および25W/mK
を越えると、大きく変化することがわかる。本発明品
は、熱伝導率が1〜25W/mKであるため、耐熱絶縁性薄
膜が良好に放熱し、発熱体薄膜はその温度上昇が抑制さ
れ優れた耐久特性が得られる。
【0154】一方、熱伝導率が1W/mK未満であると、耐
熱絶縁性薄膜からの放熱が悪いため、発熱体薄膜はその
温度が上昇し幾分の耐久性低下が観察された。また、熱
伝導率が25W/mKを越えると、耐熱絶縁性薄膜からの放
熱が良いため、発熱体薄膜はその温度を保持しようと大
きな電流が流れて幾分の耐久性低下が観察された。
熱絶縁性薄膜からの放熱が悪いため、発熱体薄膜はその
温度が上昇し幾分の耐久性低下が観察された。また、熱
伝導率が25W/mKを越えると、耐熱絶縁性薄膜からの放
熱が良いため、発熱体薄膜はその温度を保持しようと大
きな電流が流れて幾分の耐久性低下が観察された。
【0155】なお、上記結果は、絶縁性耐熱基板とし
て、転移温度720℃で軟化温度900℃で熱膨張係数
6.8×10-6deg-1の物性を有する結晶化硝子の遮熱
板(膜厚70μm)をアルミナ製の耐熱板の上部に積層
した2層基板、各種硝子の基板を用いても同様であっ
た。また、発熱体薄膜13として、各種材料のヒータ主
薄膜16に、その下部もしくは上部に少なくとも配置さ
れたチタンやジルコニウムさらにクロムの金属ヒータ補
助薄膜17を積層した構成を用いても、同様な効果が得
られた。
て、転移温度720℃で軟化温度900℃で熱膨張係数
6.8×10-6deg-1の物性を有する結晶化硝子の遮熱
板(膜厚70μm)をアルミナ製の耐熱板の上部に積層
した2層基板、各種硝子の基板を用いても同様であっ
た。また、発熱体薄膜13として、各種材料のヒータ主
薄膜16に、その下部もしくは上部に少なくとも配置さ
れたチタンやジルコニウムさらにクロムの金属ヒータ補
助薄膜17を積層した構成を用いても、同様な効果が得
られた。
【0156】(実施例9)実施例9は、耐熱絶縁性薄膜
14の材料構成について検討した。
14の材料構成について検討した。
【0157】検討は、前述の実施例9と同じであり、そ
の結果を(表3)に示す。
の結果を(表3)に示す。
【0158】本発明1の耐熱絶縁性薄膜は、石英硝子膜
を2.0μm形成した膜である。
を2.0μm形成した膜である。
【0159】本発明2の耐熱絶縁性薄膜は、発熱体薄膜
の側に石英硝子膜を1.5μm形成しその上部にアルミ
ナ膜を0.5μm積層した積層膜である。
の側に石英硝子膜を1.5μm形成しその上部にアルミ
ナ膜を0.5μm積層した積層膜である。
【0160】比較例の耐熱絶縁性薄膜は、発熱体薄膜の
側にアルミナ膜を0.5μm形成しその上部に石英硝子
膜を1.5μm積層した積層膜である。
側にアルミナ膜を0.5μm形成しその上部に石英硝子
膜を1.5μm積層した積層膜である。
【0161】
【表3】
【0162】発明1および発明2は、発熱体薄膜の側に
石英硝子を用いた耐熱絶縁性薄膜であり、その抵抗変化
率は、(表3)に記載した様に他材料構成より小さく、
優れた耐久特性である。これは、ヒータ薄膜が石英硝子
製の絶縁性耐熱基板に良好に接着して優れた耐久特性が
得られるためである。
石英硝子を用いた耐熱絶縁性薄膜であり、その抵抗変化
率は、(表3)に記載した様に他材料構成より小さく、
優れた耐久特性である。これは、ヒータ薄膜が石英硝子
製の絶縁性耐熱基板に良好に接着して優れた耐久特性が
得られるためである。
【0163】なお、上記結果は、絶縁性耐熱基板とし
て、転移温度720℃で軟化温度900℃で熱膨張係数
6.8×10-6deg-1の物性を有する結晶化硝子膜(膜
厚70μm)をアルミナ製の耐熱板の上部に積層した基
板、コージェライト基板などのセラミック基板を用いて
も同様であった。また、発熱体薄膜13として、各種材
料のヒータ主薄膜16に、その下部もしくは上部に少な
くとも配置されたチタンやジルコニウムさらにクロムの
金属ヒータ補助薄膜17を積層した構成を用いても、同
様な効果が得られた。
て、転移温度720℃で軟化温度900℃で熱膨張係数
6.8×10-6deg-1の物性を有する結晶化硝子膜(膜
厚70μm)をアルミナ製の耐熱板の上部に積層した基
板、コージェライト基板などのセラミック基板を用いて
も同様であった。また、発熱体薄膜13として、各種材
料のヒータ主薄膜16に、その下部もしくは上部に少な
くとも配置されたチタンやジルコニウムさらにクロムの
金属ヒータ補助薄膜17を積層した構成を用いても、同
様な効果が得られた。
【0164】(実施例10)実施例10は、ガス感受部
に設けた一対の電極に、センサ出力を検出するための検
出用リード線が簡単にワイヤボンジングできる構成につ
いて検討した。その実施例を図7に示す。発熱体薄膜1
3と同一材料組成である一対の補助接合膜28、29
が、絶縁性耐熱基板12の上部に形成されている。一
方、一対の電極端部膜30、31が、ガス感受部15に
設けられた一対の電極23、24の端部を覆って、補助
接合膜28、29の上部に積層されている。そして、こ
の電極端部膜30、31には、検出用リード線32,3
3がワイヤボンジングされて接続されおり、検出用リー
ド線32,33の成分と同一材料を主成分としている。
に設けた一対の電極に、センサ出力を検出するための検
出用リード線が簡単にワイヤボンジングできる構成につ
いて検討した。その実施例を図7に示す。発熱体薄膜1
3と同一材料組成である一対の補助接合膜28、29
が、絶縁性耐熱基板12の上部に形成されている。一
方、一対の電極端部膜30、31が、ガス感受部15に
設けられた一対の電極23、24の端部を覆って、補助
接合膜28、29の上部に積層されている。そして、こ
の電極端部膜30、31には、検出用リード線32,3
3がワイヤボンジングされて接続されおり、検出用リー
ド線32,33の成分と同一材料を主成分としている。
【0165】本発明品を試作し、この効果を確認した。
本発明品は、石英硝子の絶縁性耐熱基板12を用いその
上部に、構成および材質の異なる補助接合膜28、29
を、スパッタ法を用いて石英硝子の絶縁性耐熱基板13
の片側表面に形成したものである。そして、その上部に
石英硝子の耐熱絶縁性薄膜14を形成し高温で数時間焼
成した後、酸素イオン導電性固体電解質薄膜22と第1
電極薄膜23および第2電極薄膜24、さらに酸化触媒
膜25を前述の様に順々に積層している。最後に、白金
が主成分の電極端部膜30、31を、補助接合膜28、
29の上部に積層しその上部に、白金からなる一対の検
出用リード線32,33をワイヤボンジングした。な
お、発熱体薄膜13には、その端部に電圧供給用リード
膜18、19(記載せず)および加熱用リード線20、
21(記載せず)が、取り付けられている。
本発明品は、石英硝子の絶縁性耐熱基板12を用いその
上部に、構成および材質の異なる補助接合膜28、29
を、スパッタ法を用いて石英硝子の絶縁性耐熱基板13
の片側表面に形成したものである。そして、その上部に
石英硝子の耐熱絶縁性薄膜14を形成し高温で数時間焼
成した後、酸素イオン導電性固体電解質薄膜22と第1
電極薄膜23および第2電極薄膜24、さらに酸化触媒
膜25を前述の様に順々に積層している。最後に、白金
が主成分の電極端部膜30、31を、補助接合膜28、
29の上部に積層しその上部に、白金からなる一対の検
出用リード線32,33をワイヤボンジングした。な
お、発熱体薄膜13には、その端部に電圧供給用リード
膜18、19(記載せず)および加熱用リード線20、
21(記載せず)が、取り付けられている。
【0166】本発明1は、膜厚50Åのクロム薄膜から
なる補助薄膜と、その上部に積層した膜厚0.5μmの
白金薄膜からなる主薄膜で、補助接合膜28、29を構
成したものである。
なる補助薄膜と、その上部に積層した膜厚0.5μmの
白金薄膜からなる主薄膜で、補助接合膜28、29を構
成したものである。
【0167】本発明2は、補助薄膜として膜厚50Åの
チタン薄膜を使用し、膜厚0.5μmの白金薄膜からな
る主薄膜をその上部に積層して補助接合膜28、29を
構成したものである。
チタン薄膜を使用し、膜厚0.5μmの白金薄膜からな
る主薄膜をその上部に積層して補助接合膜28、29を
構成したものである。
【0168】本発明3は、補助薄膜としてジルコニウム
薄膜を使用し、膜厚0.5μmの白金薄膜からなる主薄
膜をその上部に積層して補助接合膜28、29を構成し
たものである。
薄膜を使用し、膜厚0.5μmの白金薄膜からなる主薄
膜をその上部に積層して補助接合膜28、29を構成し
たものである。
【0169】比較例は、補助薄膜を使用せず、膜厚0.
5μmの白金薄膜からなる主薄膜だけで補助接合膜2
8、29を構成したものである。
5μmの白金薄膜からなる主薄膜だけで補助接合膜2
8、29を構成したものである。
【0170】参考例は、補助薄膜を使用せずに膜厚0.
5μmの白金薄膜からなる主薄膜だけで補助接合膜2
8、29を構成した。そして、電極端部膜30、31を
使用することなく、電極膜の端部に直接的に、白金から
なる一対の検出用リード線32,33をワイヤボンジイ
ングした。
5μmの白金薄膜からなる主薄膜だけで補助接合膜2
8、29を構成した。そして、電極端部膜30、31を
使用することなく、電極膜の端部に直接的に、白金から
なる一対の検出用リード線32,33をワイヤボンジイ
ングした。
【0171】本発明の効果の判定を行った。その結果を
(表4)に示す。リード線の接続時間は、白金からなる
検出用リード線32,33の片端を、白金を主成分とす
る電極端部膜30、31に接続した後、実装ケースに収
納してその端子に検出用リード線32,33の他端を接
続するに要する総時間である。
(表4)に示す。リード線の接続時間は、白金からなる
検出用リード線32,33の片端を、白金を主成分とす
る電極端部膜30、31に接続した後、実装ケースに収
納してその端子に検出用リード線32,33の他端を接
続するに要する総時間である。
【0172】
【表4】
【0173】本発明1〜3は、リード線の接続時間が短
い。これは、絶縁性耐熱基板12と電極端部膜30、3
1が、両者との密着性に優れた補助接合膜28、29を
介して接合されているためであり、検出用リード線3
2,33を電極端部膜30、31にワイヤボンジングし
ても、容易に外れないのでその接合が簡単にできるため
である。
い。これは、絶縁性耐熱基板12と電極端部膜30、3
1が、両者との密着性に優れた補助接合膜28、29を
介して接合されているためであり、検出用リード線3
2,33を電極端部膜30、31にワイヤボンジングし
ても、容易に外れないのでその接合が簡単にできるため
である。
【0174】(実施例11)実施例11は、耐熱ガス感
受膜として固体電解質型ガス感受膜を用いる際の、酸素
イオン導電性固体電解質薄膜17の熱伝導率について検
討した。
受膜として固体電解質型ガス感受膜を用いる際の、酸素
イオン導電性固体電解質薄膜17の熱伝導率について検
討した。
【0175】検討は、石英硝子の絶縁性耐熱基板12の
上部に、クロムからなる金属ヒータ補助薄膜17と白金
のヒータ主薄膜16を順々に積層して発熱体薄膜13と
し、石英硝子からなる耐熱絶縁性薄膜14をさらに積層
して真空中700℃で3時間焼成したのち最後に、後述
の固体電解質型の耐熱ガス感受膜15を800℃以下で
形成して積層したガスセンサで行った。
上部に、クロムからなる金属ヒータ補助薄膜17と白金
のヒータ主薄膜16を順々に積層して発熱体薄膜13と
し、石英硝子からなる耐熱絶縁性薄膜14をさらに積層
して真空中700℃で3時間焼成したのち最後に、後述
の固体電解質型の耐熱ガス感受膜15を800℃以下で
形成して積層したガスセンサで行った。
【0176】固体電解質型の耐熱ガス感受膜15は、酸
素イオン導電性固体電解質薄膜12と、その同一面に形
成された通気性の第1電極薄膜23および第2電極薄膜
24と、第1電極薄膜23に積層した酸化触媒膜25で
構成される。第1電極薄膜23および第2電極薄膜24
は、白金をスパッタして形成した通気性の薄膜であり、
熱膨張係数が9×10-6(1/deg)で熱伝導率が69.
5W/mKの物性値を持つ。酸化触媒膜25は、白金触媒を
結晶化硝子の表面に担持させた通気性の多孔質膜であ
り、熱膨張係数が8×10-6(1/deg)で熱伝導率が
2.5W/mKの物性値を持つ。
素イオン導電性固体電解質薄膜12と、その同一面に形
成された通気性の第1電極薄膜23および第2電極薄膜
24と、第1電極薄膜23に積層した酸化触媒膜25で
構成される。第1電極薄膜23および第2電極薄膜24
は、白金をスパッタして形成した通気性の薄膜であり、
熱膨張係数が9×10-6(1/deg)で熱伝導率が69.
5W/mKの物性値を持つ。酸化触媒膜25は、白金触媒を
結晶化硝子の表面に担持させた通気性の多孔質膜であ
り、熱膨張係数が8×10-6(1/deg)で熱伝導率が
2.5W/mKの物性値を持つ。
【0177】比較例1の酸素イオン導電性固体電解質薄
膜は、セリウム添加のイットリウム系部分安定化ジルコ
ニアであり、結晶粒径をナノオーダまで微細化している
のでその熱伝導率は0.8W/mK、組成はZrO296モ
ル%とY2O33モル%とCeO21モル%の固溶体であ
る。
膜は、セリウム添加のイットリウム系部分安定化ジルコ
ニアであり、結晶粒径をナノオーダまで微細化している
のでその熱伝導率は0.8W/mK、組成はZrO296モ
ル%とY2O33モル%とCeO21モル%の固溶体であ
る。
【0178】本発明1の酸素イオン導電性固体電解質薄
膜は、スカンジウム添加のセリア系ジルコニアであり、
結晶粒径をナノオーダまで微細化しているのでその熱伝
導率は1.0W/mK、組成はZrO290モル%とCeO2
10モル%とSc2O310モル%の固溶体である。
膜は、スカンジウム添加のセリア系ジルコニアであり、
結晶粒径をナノオーダまで微細化しているのでその熱伝
導率は1.0W/mK、組成はZrO290モル%とCeO2
10モル%とSc2O310モル%の固溶体である。
【0179】本発明2の酸素イオン導電性固体電解質薄
膜は、イットリウム系部分安定化ジルコニアであり、熱
伝導率は3.0W/mKとなり、その組成はZrO297モ
ル%とY2O33モル%の固溶体である。
膜は、イットリウム系部分安定化ジルコニアであり、熱
伝導率は3.0W/mKとなり、その組成はZrO297モ
ル%とY2O33モル%の固溶体である。
【0180】本発明3の酸素イオン導電性固体電解質薄
膜は、イットリウム系安定化ジルコニアであり、熱伝導
率は5.0W/mKとなり、その組成はZrO292モル%
とY2O38モル%の固溶体である。
膜は、イットリウム系安定化ジルコニアであり、熱伝導
率は5.0W/mKとなり、その組成はZrO292モル%
とY2O38モル%の固溶体である。
【0181】本発明4の酸素イオン導電性固体電解質薄
膜は、イットリアをドープしたセリア系材料であり、熱
伝導率は6.5W/mKとなり、その組成は(CeO2)
1-0.7(YO1.5)0.3である。
膜は、イットリアをドープしたセリア系材料であり、熱
伝導率は6.5W/mKとなり、その組成は(CeO2)
1-0.7(YO1.5)0.3である。
【0182】本発明5の酸素イオン導電性固体電解質薄
膜は、サマリウムをドープしたセリア系材料であり、熱
伝導率は7.0W/mKとなり、組成は(CeO2)0.8(S
mO1 .5)0.2である。
膜は、サマリウムをドープしたセリア系材料であり、熱
伝導率は7.0W/mKとなり、組成は(CeO2)0.8(S
mO1 .5)0.2である。
【0183】比較例2の絶縁性耐熱基板は、イットリウ
ム系酸化ビスマスであり、その熱伝導率は10W/mK、組
成はBi2O396モル%とY2O34モル%の固溶体であ
る。
ム系酸化ビスマスであり、その熱伝導率は10W/mK、組
成はBi2O396モル%とY2O34モル%の固溶体であ
る。
【0184】熱伝導率が異なる酸素イオン導電性固体電
解質薄膜を用いたガスセンサのON―OFF通電試験を
行い、発熱体薄膜の抵抗変化率を測定した。図12は、
酸素イオン導電性固体電解質薄膜の熱伝導率と抵抗変化
率の相関特性を整理した特性図である。発熱体薄膜の抵
抗変化率は、実装ケースの端子に直流電圧電流を印加し
て発熱体薄膜13を動作温度450℃まで2ミリ秒で到
達させそののち8ミリ秒保持させたのち、電源を切るO
N―OFF試験を10万回行った際の抵抗変化率であ
る。
解質薄膜を用いたガスセンサのON―OFF通電試験を
行い、発熱体薄膜の抵抗変化率を測定した。図12は、
酸素イオン導電性固体電解質薄膜の熱伝導率と抵抗変化
率の相関特性を整理した特性図である。発熱体薄膜の抵
抗変化率は、実装ケースの端子に直流電圧電流を印加し
て発熱体薄膜13を動作温度450℃まで2ミリ秒で到
達させそののち8ミリ秒保持させたのち、電源を切るO
N―OFF試験を10万回行った際の抵抗変化率であ
る。
【0185】図12からわかる様に、抵抗変化率は、酸
素イオン導電性固体電解質薄膜の熱伝導率が1W/mK未満
および7W/mKを越えると、大きく変化することがわか
る。本発明品は、熱伝導率が1〜7W/mKであるため、酸
素イオン導電性固体電解質薄膜が良好に放熱し、発熱体
薄膜はその温度上昇が抑制され優れた耐久特性が得られ
る。
素イオン導電性固体電解質薄膜の熱伝導率が1W/mK未満
および7W/mKを越えると、大きく変化することがわか
る。本発明品は、熱伝導率が1〜7W/mKであるため、酸
素イオン導電性固体電解質薄膜が良好に放熱し、発熱体
薄膜はその温度上昇が抑制され優れた耐久特性が得られ
る。
【0186】一方、熱伝導率が1W/mK未満であると、酸
素イオン導電性固体電解質薄膜からの放熱が悪いため、
発熱体薄膜はその温度が上昇し幾分の耐久性低下が観察
された。また、熱伝導率が7W/mKを越えると、酸素イオ
ン導電性固体電解質薄膜からの放熱が良いため、発熱体
薄膜はその温度を保持しようと大きな電流が流れて幾分
の耐久性低下が観察された。
素イオン導電性固体電解質薄膜からの放熱が悪いため、
発熱体薄膜はその温度が上昇し幾分の耐久性低下が観察
された。また、熱伝導率が7W/mKを越えると、酸素イオ
ン導電性固体電解質薄膜からの放熱が良いため、発熱体
薄膜はその温度を保持しようと大きな電流が流れて幾分
の耐久性低下が観察された。
【0187】なお、上記結果は、絶縁性耐熱基板とし
て、転移温度720℃で軟化温度900℃で熱膨張係数
6.8×10-6deg-1の物性を有する結晶化硝子の遮熱
板(膜厚70μm)をアルミナ製の耐熱板の上部に積層
した基板、各種硝子の基板を用いても同様であった。ま
た、発熱体薄膜13として、各種材料のヒータ主薄膜1
6に、その下部もしくは上部に少なくとも配置されたチ
タンやジルコニウムさらにクロムの金属ヒータ補助薄膜
17を積層した構成を用いても、同様な効果が得られ
た。さらに、耐熱絶縁性薄膜14としてアルミナや窒化
珪素などのセラミックおよび各種硝子を用いても、耐熱
ガス感受膜として固体電解質型ガス感受膜を用いる際に
おける酸化触媒膜13に熱伝導率が異なる各種材料を用
いても、同様な効果が得られた。
て、転移温度720℃で軟化温度900℃で熱膨張係数
6.8×10-6deg-1の物性を有する結晶化硝子の遮熱
板(膜厚70μm)をアルミナ製の耐熱板の上部に積層
した基板、各種硝子の基板を用いても同様であった。ま
た、発熱体薄膜13として、各種材料のヒータ主薄膜1
6に、その下部もしくは上部に少なくとも配置されたチ
タンやジルコニウムさらにクロムの金属ヒータ補助薄膜
17を積層した構成を用いても、同様な効果が得られ
た。さらに、耐熱絶縁性薄膜14としてアルミナや窒化
珪素などのセラミックおよび各種硝子を用いても、耐熱
ガス感受膜として固体電解質型ガス感受膜を用いる際に
おける酸化触媒膜13に熱伝導率が異なる各種材料を用
いても、同様な効果が得られた。
【0188】(実施例12)実施例12は、耐熱ガス感
受膜として固体電解質型ガス感受膜を用いる際におけ
る、第1電極薄膜23および第2電極薄膜24の白金の
結晶構造について検討した。
受膜として固体電解質型ガス感受膜を用いる際におけ
る、第1電極薄膜23および第2電極薄膜24の白金の
結晶構造について検討した。
【0189】検討は、石英硝子の絶縁性耐熱基板12の
上部に、クロムからなる金属ヒータ補助薄膜17と白金
のヒータ主薄膜16を順々に積層して発熱体薄膜13と
し、石英硝子からなる耐熱絶縁性薄膜14をさらに積層
して真空中700℃で3時間焼成したのち最後に、後述
の固体電解質型の耐熱ガス感受膜15を800℃以下で
形成して積層したガスセンサで行った。固体電解質型の
耐熱ガス感受膜15は、酸素イオン導電性固体電解質薄
膜12と、その同一面に形成された通気性の第1電極薄
膜23および第2電極薄膜24と、第1電極薄膜23に
積層した酸化触媒膜25で構成される。酸素イオン導電
性固体電解質薄膜12は、イットリウム系安定化ジルコ
ニアであり、熱伝導率は5W/mK、その組成はZrO29
2モル%とY2O38モル%の固溶体である。第1電極薄
膜23および第2電極薄膜24は、白金を主成分とする
通気性の薄膜であり、熱膨張係数が9×10-6(1/de
g)で熱伝導率が69.5W/mKである。酸化触媒膜25
は、白金触媒を結晶化硝子の表面に担持させた通気性の
多孔質膜であり、熱膨張係数が8×10-6(1/deg)で
熱伝導率が2.5W/mKの物性値を持つ。
上部に、クロムからなる金属ヒータ補助薄膜17と白金
のヒータ主薄膜16を順々に積層して発熱体薄膜13と
し、石英硝子からなる耐熱絶縁性薄膜14をさらに積層
して真空中700℃で3時間焼成したのち最後に、後述
の固体電解質型の耐熱ガス感受膜15を800℃以下で
形成して積層したガスセンサで行った。固体電解質型の
耐熱ガス感受膜15は、酸素イオン導電性固体電解質薄
膜12と、その同一面に形成された通気性の第1電極薄
膜23および第2電極薄膜24と、第1電極薄膜23に
積層した酸化触媒膜25で構成される。酸素イオン導電
性固体電解質薄膜12は、イットリウム系安定化ジルコ
ニアであり、熱伝導率は5W/mK、その組成はZrO29
2モル%とY2O38モル%の固溶体である。第1電極薄
膜23および第2電極薄膜24は、白金を主成分とする
通気性の薄膜であり、熱膨張係数が9×10-6(1/de
g)で熱伝導率が69.5W/mKである。酸化触媒膜25
は、白金触媒を結晶化硝子の表面に担持させた通気性の
多孔質膜であり、熱膨張係数が8×10-6(1/deg)で
熱伝導率が2.5W/mKの物性値を持つ。
【0190】結晶構造が異なる白金を主成分とする第1
電極薄膜および第2電極薄膜を用いたガスセンサのON
―OFF通電試験を行い、発熱体薄膜の抵抗変化率を測
定した。その結果を(表5)に示す。発熱体薄膜の抵抗
変化率は、実装ケースの端子に直流電圧電流を印加して
発熱体薄膜13を動作温度450℃まで2ミリ秒で到達
させそののち8ミリ秒保持させたのち、電源を切るON
―OFF試験を10万回行った際の抵抗変化率である。
電極薄膜および第2電極薄膜を用いたガスセンサのON
―OFF通電試験を行い、発熱体薄膜の抵抗変化率を測
定した。その結果を(表5)に示す。発熱体薄膜の抵抗
変化率は、実装ケースの端子に直流電圧電流を印加して
発熱体薄膜13を動作温度450℃まで2ミリ秒で到達
させそののち8ミリ秒保持させたのち、電源を切るON
―OFF試験を10万回行った際の抵抗変化率である。
【0191】本発明1の第1電極薄膜および第2電極薄
膜は、白金をスパッタして形成した通気性の薄膜であ
り、(1、1、1)面に配向した白金の結晶構造を持
つ。
膜は、白金をスパッタして形成した通気性の薄膜であ
り、(1、1、1)面に配向した白金の結晶構造を持
つ。
【0192】本発明2の第1電極薄膜および第2電極薄
膜は、白金90wt%とロジウム10wt%の白金ロジウム合
金をスパッタして形成した通気性の薄膜であり、(1、
1、1)面に配向した白金が主成分の結晶構造を持つ。
膜は、白金90wt%とロジウム10wt%の白金ロジウム合
金をスパッタして形成した通気性の薄膜であり、(1、
1、1)面に配向した白金が主成分の結晶構造を持つ。
【0193】比較例の第1電極薄膜および第2電極薄膜
は、白金を蒸着して形成した通気性の薄膜であり、正常
な白金の結晶構造を持つ。
は、白金を蒸着して形成した通気性の薄膜であり、正常
な白金の結晶構造を持つ。
【0194】
【表5】
【0195】本発明1および2の様に、(1、1、1)
面に配向した白金が主成分の第1電極薄膜および第2電
極薄膜は、抵抗変化率は小さいことがわかる。この理由
は、(1、1、1)面に配向した白金が主成分の電極薄
膜にすると、これら電極薄膜が良好に放熱し、発熱体薄
膜はその温度上昇が抑制され優れた耐久特性が得られる
ためと思われる。一方、正常な白金の結晶構造の電極薄
膜にすると、これら電極薄膜からの放熱が悪いため、発
熱体薄膜はその温度が上昇し幾分の耐久性低下が観察さ
れた。
面に配向した白金が主成分の第1電極薄膜および第2電
極薄膜は、抵抗変化率は小さいことがわかる。この理由
は、(1、1、1)面に配向した白金が主成分の電極薄
膜にすると、これら電極薄膜が良好に放熱し、発熱体薄
膜はその温度上昇が抑制され優れた耐久特性が得られる
ためと思われる。一方、正常な白金の結晶構造の電極薄
膜にすると、これら電極薄膜からの放熱が悪いため、発
熱体薄膜はその温度が上昇し幾分の耐久性低下が観察さ
れた。
【0196】なお、上記結果は、絶縁性耐熱基板とし
て、転移温度720℃で軟化温度900℃で熱膨張係数
6.8×10-6deg-1の物性を有する結晶化硝子の遮熱
板(膜厚70μm)をアルミナ製の耐熱板の上部に積層
した基板、各種硝子の基板を用いても同様であった。ま
た、発熱体薄膜13として、各種材料のヒータ主薄膜1
6に、その下部もしくは上部に少なくとも配置されたチ
タンやジルコニウムさらにクロムの金属ヒータ補助薄膜
17を積層した構成を用いても、同様な効果が得られ
た。さらに、耐熱絶縁性薄膜14としてアルミナや窒化
珪素などのセラミックおよび各種硝子を用いても、酸素
イオン導電性固体電解質薄膜12として熱伝導率が異な
る各種材料を用いても、同様な効果が得られた。
て、転移温度720℃で軟化温度900℃で熱膨張係数
6.8×10-6deg-1の物性を有する結晶化硝子の遮熱
板(膜厚70μm)をアルミナ製の耐熱板の上部に積層
した基板、各種硝子の基板を用いても同様であった。ま
た、発熱体薄膜13として、各種材料のヒータ主薄膜1
6に、その下部もしくは上部に少なくとも配置されたチ
タンやジルコニウムさらにクロムの金属ヒータ補助薄膜
17を積層した構成を用いても、同様な効果が得られ
た。さらに、耐熱絶縁性薄膜14としてアルミナや窒化
珪素などのセラミックおよび各種硝子を用いても、酸素
イオン導電性固体電解質薄膜12として熱伝導率が異な
る各種材料を用いても、同様な効果が得られた。
【0197】(実施例13)実施例12は、耐熱ガス感
受膜として固体電解質型ガス感受膜を用いる際におけ
る、酸化触媒膜13の熱伝導率について検討した。
受膜として固体電解質型ガス感受膜を用いる際におけ
る、酸化触媒膜13の熱伝導率について検討した。
【0198】検討は、石英硝子の絶縁性耐熱基板12の
上部に、クロムからなる金属ヒータ補助薄膜17と白金
のヒータ主薄膜16を順々に積層して発熱体薄膜13と
し、石英硝子からなる耐熱絶縁性薄膜14をさらに積層
して真空中700℃で3時間焼成したのち最後に、後述
の固体電解質型の耐熱ガス感受膜15を800℃以下で
形成して積層したガスセンサで行った。固体電解質型の
耐熱ガス感受膜15は、酸素イオン導電性固体電解質薄
膜12と、その同一面に形成された通気性の第1電極薄
膜23および第2電極薄膜24と、第1電極薄膜23に
積層した酸化触媒膜25で構成される。酸素イオン導電
性固体電解質薄膜12は、イットリウム系安定化ジルコ
ニアであり、熱伝導率は5W/mK、その組成はZrO29
2モル%とY2O38モル%の固溶体である。第1電極薄
膜23および第2電極薄膜24は、白金をスパッタして
形成した通気性の薄膜であり、熱膨張係数が9×10-6
(1/deg)で熱伝導率が69.5W/mKである。
上部に、クロムからなる金属ヒータ補助薄膜17と白金
のヒータ主薄膜16を順々に積層して発熱体薄膜13と
し、石英硝子からなる耐熱絶縁性薄膜14をさらに積層
して真空中700℃で3時間焼成したのち最後に、後述
の固体電解質型の耐熱ガス感受膜15を800℃以下で
形成して積層したガスセンサで行った。固体電解質型の
耐熱ガス感受膜15は、酸素イオン導電性固体電解質薄
膜12と、その同一面に形成された通気性の第1電極薄
膜23および第2電極薄膜24と、第1電極薄膜23に
積層した酸化触媒膜25で構成される。酸素イオン導電
性固体電解質薄膜12は、イットリウム系安定化ジルコ
ニアであり、熱伝導率は5W/mK、その組成はZrO29
2モル%とY2O38モル%の固溶体である。第1電極薄
膜23および第2電極薄膜24は、白金をスパッタして
形成した通気性の薄膜であり、熱膨張係数が9×10-6
(1/deg)で熱伝導率が69.5W/mKである。
【0199】比較例1の酸化触媒膜は、白金触媒をコー
ジライト系結晶化硝子の表面に担持させた通気性の多孔
質膜であり、熱伝導率が0.7W/mKの物性値を持つ。
ジライト系結晶化硝子の表面に担持させた通気性の多孔
質膜であり、熱伝導率が0.7W/mKの物性値を持つ。
【0200】本発明1の酸化触媒膜は、白金ロジウム触
媒をシリカアルミナ系結晶化硝子の表面に担持させた通
気性の多孔質膜であり、熱伝導率が1.0W/mKの物性値
を持つ。
媒をシリカアルミナ系結晶化硝子の表面に担持させた通
気性の多孔質膜であり、熱伝導率が1.0W/mKの物性値
を持つ。
【0201】本発明2の酸化触媒膜は、白金パラジウム
触媒をシリカアルミナ硼素系結晶化硝子の表面に担持さ
せた通気性の多孔質膜であり、熱伝導率が2.5W/mKの
物性値を持つ。
触媒をシリカアルミナ硼素系結晶化硝子の表面に担持さ
せた通気性の多孔質膜であり、熱伝導率が2.5W/mKの
物性値を持つ。
【0202】本発明3の酸化触媒膜は、白金触媒をアル
ミナジルコニア系結合材の表面に担持させた通気性の多
孔質膜であり、熱伝導率が7.0W/mKの物性値を持つ。
ミナジルコニア系結合材の表面に担持させた通気性の多
孔質膜であり、熱伝導率が7.0W/mKの物性値を持つ。
【0203】本発明4の酸化触媒膜は、白金触媒をアル
ミナシリカ系結合材の表面に担持させた通気性の多孔質
膜であり、熱伝導率が12.5W/mKの物性値を持つ。
ミナシリカ系結合材の表面に担持させた通気性の多孔質
膜であり、熱伝導率が12.5W/mKの物性値を持つ。
【0204】本発明5の酸化触媒膜は、白金触媒をアル
ミナ系結合材の表面に担持させた通気性の多孔質膜であ
り、熱伝導率が25W/mKの物性値を持つ。
ミナ系結合材の表面に担持させた通気性の多孔質膜であ
り、熱伝導率が25W/mKの物性値を持つ。
【0205】比較例2の酸化触媒膜は、白金触媒を炭化
珪素系結合材の表面に担持させた通気性の多孔質膜であ
り、熱伝導率が40W/mKの物性値を持つ。
珪素系結合材の表面に担持させた通気性の多孔質膜であ
り、熱伝導率が40W/mKの物性値を持つ。
【0206】熱伝導率が異なる酸化触媒膜を用いたガス
センサのON―OFF通電試験を行い、発熱体薄膜の抵
抗変化率を測定した。図13は、酸化触媒膜の熱伝導率
と抵抗変化率の相関特性を整理した特性図である。発熱
体薄膜の抵抗変化率は、実装ケースの端子に直流電圧電
流を印加して発熱体薄膜13を動作温度450℃まで2
ミリ秒で到達させそののち8ミリ秒保持させたのち、電
源を切るON―OFF試験を10万回行った際の抵抗変
化率である。
センサのON―OFF通電試験を行い、発熱体薄膜の抵
抗変化率を測定した。図13は、酸化触媒膜の熱伝導率
と抵抗変化率の相関特性を整理した特性図である。発熱
体薄膜の抵抗変化率は、実装ケースの端子に直流電圧電
流を印加して発熱体薄膜13を動作温度450℃まで2
ミリ秒で到達させそののち8ミリ秒保持させたのち、電
源を切るON―OFF試験を10万回行った際の抵抗変
化率である。
【0207】図13からわかる様に、抵抗変化率は、酸
化触媒膜の熱伝導率が1W/mK未満および25W/mKを越え
ると、大きく変化することがわかる。本発明品は、熱伝
導率が1〜25W/mKであるため、酸化触媒膜が良好に放
熱し、発熱体薄膜はその温度上昇が抑制され優れた耐久
特性が得られる。
化触媒膜の熱伝導率が1W/mK未満および25W/mKを越え
ると、大きく変化することがわかる。本発明品は、熱伝
導率が1〜25W/mKであるため、酸化触媒膜が良好に放
熱し、発熱体薄膜はその温度上昇が抑制され優れた耐久
特性が得られる。
【0208】一方、熱伝導率が1W/mK未満であると、酸
化触媒膜からの放熱が悪いため、発熱体薄膜はその温度
が上昇し幾分の耐久性低下が観察される。一方、熱伝導
率が25W/mKを越えると、酸化触媒膜からの放熱が良い
ため、発熱体薄膜はその温度を保持しようと大きな電流
が流れて幾分の耐久性低下が観察される。
化触媒膜からの放熱が悪いため、発熱体薄膜はその温度
が上昇し幾分の耐久性低下が観察される。一方、熱伝導
率が25W/mKを越えると、酸化触媒膜からの放熱が良い
ため、発熱体薄膜はその温度を保持しようと大きな電流
が流れて幾分の耐久性低下が観察される。
【0209】なお、上記結果は、絶縁性耐熱基板とし
て、転移温度720℃で軟化温度900℃で熱膨張係数
6.8×10-6deg-1の物性を有する結晶化硝子の遮熱
板(膜厚70μm)をアルミナ製の耐熱板の上部に積層
した基板、各種硝子の基板を用いても同様であった。ま
た、発熱体薄膜13として、各種材料のヒータ主薄膜1
6に、その下部もしくは上部に少なくとも配置されたチ
タンやジルコニウムさらにクロムの金属ヒータ補助薄膜
17を積層した構成を用いても、同様な効果が得られ
た。さらに、耐熱絶縁性薄膜14としてアルミナや窒化
珪素などのセラミックおよび各種硝子を用いても、酸素
イオン導電性固体電解質薄膜12として熱伝導率が異な
る各種材料を用いても、同様な効果が得られた。
て、転移温度720℃で軟化温度900℃で熱膨張係数
6.8×10-6deg-1の物性を有する結晶化硝子の遮熱
板(膜厚70μm)をアルミナ製の耐熱板の上部に積層
した基板、各種硝子の基板を用いても同様であった。ま
た、発熱体薄膜13として、各種材料のヒータ主薄膜1
6に、その下部もしくは上部に少なくとも配置されたチ
タンやジルコニウムさらにクロムの金属ヒータ補助薄膜
17を積層した構成を用いても、同様な効果が得られ
た。さらに、耐熱絶縁性薄膜14としてアルミナや窒化
珪素などのセラミックおよび各種硝子を用いても、酸素
イオン導電性固体電解質薄膜12として熱伝導率が異な
る各種材料を用いても、同様な効果が得られた。
【0210】
【発明の効果】以上のように、本発明のガスセンサは、
耐久信頼性と生産性に優れたヒータ膜を有する小型省電
力量タイプのガスセンサが実現できる。また、ヒータの
耐久性が優れているので、センサ動作温度が変化するこ
とがなくセンサ出力が長時間安定する利点や、ヒータの
抵抗変化検知や抵抗変化に伴うセンサ出力の変化防止対
策に纏わる制御回路が簡素化できる利点が有る。この効
果および利点は、次の構成に起因するものである。
耐久信頼性と生産性に優れたヒータ膜を有する小型省電
力量タイプのガスセンサが実現できる。また、ヒータの
耐久性が優れているので、センサ動作温度が変化するこ
とがなくセンサ出力が長時間安定する利点や、ヒータの
抵抗変化検知や抵抗変化に伴うセンサ出力の変化防止対
策に纏わる制御回路が簡素化できる利点が有る。この効
果および利点は、次の構成に起因するものである。
【0211】絶縁性耐熱基板が、耐熱性が少なくとも6
50℃を越えしかも、熱伝導率が少なくとも7W/mKを越
えない低熱伝導性材料の単一基板もしくはこの低熱伝導
性材料の遮熱板を耐熱板の上部に積層した二層基板で構
成されるので、発熱体薄膜で発生する熱の少量がこの絶
縁性耐熱基板の加熱に使用される。そのため、発生熱の
大部分が、耐熱絶縁性薄膜の薄膜を介してその上部の耐
熱ガス感受膜に伝達され、耐熱ガス感受膜は、低電力を
用いて短時間に動作温度まで温度上昇してガス濃度検知
可能状態となり、省電力量が容易に実現できる。
50℃を越えしかも、熱伝導率が少なくとも7W/mKを越
えない低熱伝導性材料の単一基板もしくはこの低熱伝導
性材料の遮熱板を耐熱板の上部に積層した二層基板で構
成されるので、発熱体薄膜で発生する熱の少量がこの絶
縁性耐熱基板の加熱に使用される。そのため、発生熱の
大部分が、耐熱絶縁性薄膜の薄膜を介してその上部の耐
熱ガス感受膜に伝達され、耐熱ガス感受膜は、低電力を
用いて短時間に動作温度まで温度上昇してガス濃度検知
可能状態となり、省電力量が容易に実現できる。
【0212】一方、チタンやジルコニウムさらにクロム
は、接合性と展性に優れた材料であり、少なくとも65
0℃を越える温度で焼成すると、耐熱性の金属または無
機材料のヒータ主薄膜に良好に接合して展性を持つ発熱
体薄膜をつくり、さらに絶縁性耐熱基板や耐熱絶縁性薄
膜とも良好に接合する。大電力を短時間に印加すると、
発熱体薄膜は短時間に動作温度まで温度上昇して熱膨張
し、その上下に配置された絶縁性耐熱基板や耐熱絶縁性
薄膜も同時に温度上昇して熱膨張するのだが、この積層
型の発熱体薄膜は、この熱膨張に良好に追随して剥離を
生じることがない。そのため、発熱体薄膜は、優れた耐
熱衝撃性を示して絶縁性耐熱基板や耐熱絶縁性薄膜に良
好に密着し続け、その抵抗増加が抑制されて優れた耐久
信頼性を示す。
は、接合性と展性に優れた材料であり、少なくとも65
0℃を越える温度で焼成すると、耐熱性の金属または無
機材料のヒータ主薄膜に良好に接合して展性を持つ発熱
体薄膜をつくり、さらに絶縁性耐熱基板や耐熱絶縁性薄
膜とも良好に接合する。大電力を短時間に印加すると、
発熱体薄膜は短時間に動作温度まで温度上昇して熱膨張
し、その上下に配置された絶縁性耐熱基板や耐熱絶縁性
薄膜も同時に温度上昇して熱膨張するのだが、この積層
型の発熱体薄膜は、この熱膨張に良好に追随して剥離を
生じることがない。そのため、発熱体薄膜は、優れた耐
熱衝撃性を示して絶縁性耐熱基板や耐熱絶縁性薄膜に良
好に密着し続け、その抵抗増加が抑制されて優れた耐久
信頼性を示す。
【0213】また、一対の電圧供給用リード膜が、発熱
体薄膜の端部を各々覆って絶縁性耐熱基板の上部に形成
されており、このリード膜に一対の加熱用リード線が接
続された構成である。発熱体薄膜が、前述の様に絶縁性
耐熱基板に良好に接合しているので、その端部上部に積
層した電圧供給用リード膜も発熱体薄膜および絶縁性耐
熱基板に良好に接合している。しかも、電圧供給用リー
ド膜の主成分と、一対の加熱用リード線は同一材料であ
るので、加熱用リード線に白金線を使用すると、電圧供
給用リード膜はワイヤボンジング性に優れた白金膜を使
用できる。そのため、加熱用リード線として使用する白
金線は、密着性を高めた白金膜からなる電圧供給用リー
ド膜に、その面積が小さいにも関わらず外れることなく
簡単にワイヤボンジング接合でき、しかもその接合の耐
久信頼性が高いので発熱体薄膜との接続抵抗が増加しに
くくい。その結果、ヒータ膜へのリード線接合は、簡単
な製造技術と品質管理技術を用いてその生産が対応でき
る様になる。
体薄膜の端部を各々覆って絶縁性耐熱基板の上部に形成
されており、このリード膜に一対の加熱用リード線が接
続された構成である。発熱体薄膜が、前述の様に絶縁性
耐熱基板に良好に接合しているので、その端部上部に積
層した電圧供給用リード膜も発熱体薄膜および絶縁性耐
熱基板に良好に接合している。しかも、電圧供給用リー
ド膜の主成分と、一対の加熱用リード線は同一材料であ
るので、加熱用リード線に白金線を使用すると、電圧供
給用リード膜はワイヤボンジング性に優れた白金膜を使
用できる。そのため、加熱用リード線として使用する白
金線は、密着性を高めた白金膜からなる電圧供給用リー
ド膜に、その面積が小さいにも関わらず外れることなく
簡単にワイヤボンジング接合でき、しかもその接合の耐
久信頼性が高いので発熱体薄膜との接続抵抗が増加しに
くくい。その結果、ヒータ膜へのリード線接合は、簡単
な製造技術と品質管理技術を用いてその生産が対応でき
る様になる。
【図1】本発明の実施例1におけるガスセンサの断面図
【図2】本発明の効果特性図(発熱体薄膜の焼成温度と
抵抗変化率の相関)
抵抗変化率の相関)
【図3】本発明の効果特性図(絶縁性耐熱基板の熱伝導
率と発熱体薄膜の消費電力量の相関)
率と発熱体薄膜の消費電力量の相関)
【図4】本発明の効果特性図(絶縁性耐熱基板の熱伝導
率と発熱体薄膜の抵抗変化率の相関)
率と発熱体薄膜の抵抗変化率の相関)
【図5】本発明の効果特性図(硝子材の転移温度と発熱
体薄膜の抵抗変化率の相関)
体薄膜の抵抗変化率の相関)
【図6】本発明の効果特性図(石英硝子中の水酸基含有
量と発熱体薄膜の抵抗変化率の相関)
量と発熱体薄膜の抵抗変化率の相関)
【図7】本発明の実施例2におけるガスセンサの断面図
【図8】本発明の効果特性図(結晶化硝子の転移温度と
発熱体薄膜の抵抗変化率の相関)
発熱体薄膜の抵抗変化率の相関)
【図9】本発明の効果特性図(絶縁性耐熱基板の中心線
表面粗さと発熱体薄膜の抵抗変化率の相関)
表面粗さと発熱体薄膜の抵抗変化率の相関)
【図10】本発明の効果特性図(PtPh合金中のPh
含有量と発熱体薄膜の抵抗変化率の相関)
含有量と発熱体薄膜の抵抗変化率の相関)
【図11】本発明の効果特性図(耐熱絶縁性薄膜の熱伝
導率と発熱体薄膜の抵抗変化率の相関)
導率と発熱体薄膜の抵抗変化率の相関)
【図12】本発明の効果特性図(酸素イオン導電性固体
電解質薄膜の熱伝導率と発熱体薄膜の抵抗変化率の相
関)
電解質薄膜の熱伝導率と発熱体薄膜の抵抗変化率の相
関)
【図13】本発明の効果特性図(酸化触媒膜の熱伝導率
と発熱体薄膜の抵抗変化率の相関)
と発熱体薄膜の抵抗変化率の相関)
【図14】従来のガスセンサの断面図
12 絶縁性耐熱基板
13 発熱体薄膜
14 耐熱絶縁性薄膜
15 耐熱ガス感受膜
16 ヒータ主薄膜
17 金属ヒータ補助薄膜
18、19 電圧供給用リード膜
20、21 加熱用リード線
22 酸素イオン導電性固体電解質薄膜
23 第1電極薄膜
24 第2電極薄膜
25 酸化触媒膜
26 遮熱板
27 耐熱板
28、29 補助接合膜
30、31 電極端部膜
32、33 検出用リード線
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 宇野 克彦
大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器
産業株式会社内
(72)発明者 丹羽 孝
大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器
産業株式会社内
(72)発明者 梅田 孝裕
大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器
産業株式会社内
Fターム(参考) 2G004 BB04 BC02 BE12 BF07 BJ03
BM01 BM04 BM07
Claims (13)
- 【請求項1】 各々の構成品の耐熱性が少なくとも65
0℃を越える、絶縁性耐熱基板の上部に下から順々に積
層した発熱体薄膜と耐熱絶縁性薄膜と耐熱ガス感受膜
と、前記発熱体薄膜の端部を各々覆って前記絶縁性耐熱
基板の上部に形成された一対の電圧供給用リード膜と、
前記電圧供給用リード膜に接続した一対の加熱用リード
線を少なくとも備え、前記絶縁性耐熱基板は、熱伝導率
が少なくとも7W/mKを越えない低熱伝導性材料の単一基
板もしくは前記低熱伝導性材料の遮熱板を耐熱板の上部
に積層した二層基板で構成され、前記発熱体薄膜は、チ
タンまたはジルコニウムまたはクロム少なくとも1種の
材料を主成分とする金属ヒータ補助薄膜と、前記金属ヒ
ータ補助薄膜より膜厚を厚くしてその上部に配置された
耐熱性の金属または無機材料の少なくとも1種の材料を
主成分とするヒータ主薄膜とから構成され、前記電圧供
給用リード膜は、前記加熱用リード線の成分と同一材料
を主成分としたガスセンサ。 - 【請求項2】 絶縁性耐熱基板は、その転移温度が少な
くとも650℃を越える硝子材の単一基板である請求項
1記載のガスセンサ。 - 【請求項3】 絶縁性耐熱基板は、水酸基を0.20wt
%超えないで含有する石英硝子の単一基板である請求項
1記載のガスセンサ。 - 【請求項4】 絶縁性耐熱基板は、耐熱板と前記耐熱板
の上部に積層した結晶化硝子からなる遮熱板の二層基板
で構成され、前記結晶化硝子は、その転移温度が少なく
とも650℃を越える結晶化硝子を主成分とする請求項
1記載のガスセンサ。 - 【請求項5】 絶縁性耐熱基板は、その中心線表面粗さ
が0.05〜1μmである請求項1記載のガスセンサ。 - 【請求項6】 ヒータ主薄膜は、(1、1、1)面に配
向した白金が主成分の金属である請求項1記載のガスセ
ンサ。 - 【請求項7】 ヒータ主薄膜は、ロジウムを2〜20重
量%含有した白金を主成分とする金属である請求項1記
載のガスセンサ。 - 【請求項8】 耐熱絶縁性薄膜は、その熱伝導率が1〜
25W/mKの材料である請求項1記載のガスセンサ。 - 【請求項9】 耐熱絶縁性薄膜は、発熱体薄膜に接触す
る側に石英硝子を用いている請求項1記載のガスセン
サ。 - 【請求項10】 絶縁性耐熱基板の上部に形成した一対
の補助接合膜と、ガス感受部に設けた一対の電極の端部
を覆い前記補助接合膜の上部に積層された一対の電極端
部膜と、前記電極端部膜の上部に接続した一対の検出用
リード線とを少なくとも備え、前記補助接合膜は発熱体
薄膜と同一材料組成とし、前記電極端部膜は、前記検出
用リード線の成分と同一材料を主成分とした請求項1記
載のガスセンサ。 - 【請求項11】 耐熱ガス感受膜は、酸素イオン導電性
固体電解質薄膜と、前記酸素イオン導電性固体電解質薄
膜の上部に配置した通気性の第1電極薄膜および第2電
極薄膜と、前記第1電極薄膜を覆って積層した通気多孔
性の酸化触媒膜を少なくとも備え、前記酸素イオン導電
性固体電解質薄膜はその熱伝導率が1〜7W/mKの材料で
ある請求項1記載のガスセンサ。 - 【請求項12】 第1電極薄膜および第2電極薄膜は、
(1、1、1)面に配向した白金が主成分の金属膜であ
る請求項11記載のガスセンサ。 - 【請求項13】 酸化触媒膜は、その熱伝導率が1〜2
5W/mKの材料が主成分である請求項11記載のガスセン
サ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002021428A JP2003222607A (ja) | 2002-01-30 | 2002-01-30 | ガスセンサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002021428A JP2003222607A (ja) | 2002-01-30 | 2002-01-30 | ガスセンサ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003222607A true JP2003222607A (ja) | 2003-08-08 |
Family
ID=27744674
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002021428A Pending JP2003222607A (ja) | 2002-01-30 | 2002-01-30 | ガスセンサ |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2003222607A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016070740A (ja) * | 2014-09-29 | 2016-05-09 | 株式会社デンソー | 積層型ガスセンサ素子およびその製造方法 |
EP3317654A4 (en) * | 2015-06-30 | 2018-12-12 | Rosemount Analytical Inc. | Oxygen sensor for co breakthrough measurements |
-
2002
- 2002-01-30 JP JP2002021428A patent/JP2003222607A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2016070740A (ja) * | 2014-09-29 | 2016-05-09 | 株式会社デンソー | 積層型ガスセンサ素子およびその製造方法 |
EP3317654A4 (en) * | 2015-06-30 | 2018-12-12 | Rosemount Analytical Inc. | Oxygen sensor for co breakthrough measurements |
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