JP6293684B2 - 管理システムおよび管理サーバ - Google Patents

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Description

本発明は、建設機械、管理サーバおよび管理システムに関する。
吊り荷の荷重を検出する荷重検出装置を備えた建設機械が知られている(特許文献1参照)。特許文献1に記載の荷重検出装置は、フックの荷重検知部位に生じている弾性変形量を電気信号として無線で送信する送信アンテナを備えている。送信アンテナから送信された電気信号は、先端アンテナにより受信され、建設機械の機体に設けられた荷重算出部に送出される。
荷重検出装置により検出された吊荷重は、過負荷による車両の転倒を防止するために設けられた過負荷防止装置(モーメントリミッタ)などを作動させる際に用いられる。しかしながら、荷重検出装置は、建設機械の姿勢や経年変化等の要因によって、そのゼロ点がずれてしまうことがある。このため、測定精度を向上させる目的で、吊り荷のない状態でのゼロ点を調整することが行われる。
特開2008−214021号公報
荷重検出装置を備えた建設機械の中には、荷重検出装置にゼロ点異常が発生したことを作業者(運転者)に報知する機能を備えたものがある。ゼロ点異常が報知されると、車両の転倒を防止するために、作業を行うことができなくなり、荷重検出装置を点検する必要性が生じる。点検には手間がかかり、作業工程に大きな影響を与えてしまうおそれがある。たとえば、クレーンの荷重検出装置としてのロードセルを点検する場合、ブームを地面に倒伏させ、ロードセルに取り付けられた起伏ロープを取り外した上で、ロードセルの電圧値を測定する。
このように、作業期間中に荷重検出装置の点検の必要性が生じた場合、作業工程に大きな影響を与えてしまい作業遅延が発生するおそれがある。
請求項1に記載の管理システムは、吊り荷の荷重を検出する吊荷重検出装置を備えた建設機械と、前記建設機械と通信可能に設けられた管理サーバとを含む管理システムであって、前記建設機械は、吊荷重検出装置のゼロ点の補正に用いる補正係数を決定する補正係数決定部と、前記管理サーバに対して、前記補正係数を第1送信部により送信させる第1送信制御部と、前記補正係数が、第1の所定範囲内にある場合は異常なしと判定し、前記第1の所定範囲内にない場合は異常ありと判定する第1の判定部と、前記第1の判定部により異常ありと判定されたことを第1の報知装置に伝える第1の報知制御部とを備え、前記管理サーバは、前記第1送信部により送信される前記補正係数を受信する受信部と、前記受信部で受信される補正係数が、前記第1の所定範囲より狭い範囲である第2の所定範囲内にある場合は異常の予兆なしと判定し、前記補正係数が前記第2の所定範囲内にない場合は異常の予兆ありと判定する第2の判定部と、前記第2の判定部により異常の予兆ありと判定されたことを第2の報知装置に報知させる第2の報知制御部とを備えている
また請求項2に記載の管理システムは、吊り荷の荷重を検出する吊荷重検出装置を備えた建設機械と、前記建設機械と通信可能に設けられた管理サーバとを含む管理システムであって、前記建設機械は、作業者が入力部を介して実行開始の指示を入力することで、前記吊荷重検出装置のゼロ点の補正に用いる補正係数を決定する補正係数決定部と、前記補正係数決定部により前記補正係数が決定される都度、前記補正係数を第1送信部により送信させる第1送信制御部とを備え、前記管理サーバは、前記第1送信部により送信される前記補正係数を受信する受信部と、前記受信部で受信される補正係数の受信間隔が、所定の間隔よりも短くなったこと、および、前記受信部における前記補正係数の受信回数が所定の回数よりも多くなったことの少なくともいずれか一方の条件が満たされた場合、異常の予兆ありと判定する判定部と、前記判定部により異常の予兆ありと判定されたことを報知装置に報知させる報知制御部とを備えている。
本発明によれば、管理サーバに送信された補正係数に基づいて、管理サーバの管理者が、荷重検出装置に異常の予兆があることを知ることができる。このため、管理サーバの管理者は、建設機械を操作する作業者や、作業者を指導する現場監督者に電話などで、荷重検出装置に異常の予兆があることを伝えることができる。作業者は、荷重検出装置に異常が発生する前に、作業工程に影響を与えないタイミングで荷重検出装置の点検を行うことができる。その結果、荷重検出装置の異常に伴い作業が中断されることを防止することができ、作業遅延を防止することができる。
クレーンの管理システムの概略を説明する図。 クレーンの側面図。 クレーンの構成を示すブロック図。 吊荷重Wの算出方法について説明する図。 ブーム角度に応じて設けられた補正係数を示すテーブルを示す図。 定格荷重曲線の一例を示す図。 管理サーバの構成を示すブロック図。 ゼロ点調整情報データベースに格納されるデータの一例を示す図。 顧客情報データベースに格納されるデータの一例を示す図。 コントローラにより実行される補正係数決定・送信処理の動作の一例を示すフローチャート。 管理サーバの制御装置により実行されるロードセルの異常の予兆判定・送信処理の動作の一例を示すフローチャート。
−第1の実施の形態−
図1は、建設機械の一実施形態であるクレーンの管理システムの概略を説明する図である。図1に示すように、管理システム1は、複数のクレーン100を管理する。管理システム1は、クレーン100と、クレーン100と通信可能に設けられた管理サーバ500とを含む。管理サーバ500は、一般公衆回線網等であるネットワーク400に接続されている。ネットワーク400には管理サーバ500の他に基地局300と複数の情報端末800,900とがそれぞれ接続されている。管理サーバ500はネットワーク400に接続されたこれらのノード、すなわち基地局300および複数の情報端末800,900とデータの授受を行うことができる。
各々のクレーン100は、クレーン100自身の各部の状態を検出する種々のセンサを有している。各々のクレーン100が有するコントローラ20(図3参照)は、種々のセンサで検出された情報(物理量)や検出された情報に基づいて決定された情報(以下、総称してセンサ情報と記す)を、送信機30(図3参照)により、所定のタイミングで基地局300に送信する。所定のタイミングとは、たとえば数分〜数時間周期毎、あるいは、所定の操作が行われたときやセンサにより検出された物理量が閾値を超えたときなどの所定の条件が成立したときである。クレーン100のコントローラ20には受信機35(図3参照)も接続されている。受信機35は、通信衛星200を介して基地局300から送られてくる信号を受信してコントローラ20へ送出する。
基地局300は、通信衛星200を介してセンサ情報を受信すると、センサ情報をネットワーク400を介して管理サーバ500に送信する。センサ情報には、後述するゼロ点調整情報、すなわち補正係数K(m)を表す情報が含まれる(図8参照)。管理サーバ500には、ゼロ点調整情報データベース(DB)600と、顧客情報データベース(DB)700とが接続されている。管理サーバ500が有する制御装置510(図7参照)は、基地局300を経由してクレーン100から受信したゼロ点調整情報に、ゼロ点調整情報を送信したクレーン100を識別するための情報である作業機IDや、ゼロ点調整情報を受信した日時等の情報を付加して、ゼロ点調整情報データベース600に格納する。つまり、管理サーバ500が有する制御装置510(図7参照)は、複数のクレーン100からのゼロ点調整情報を収集してゼロ点調整情報データベース600に格納する。
管理サーバ500が有する制御装置510(図7参照)は、ゼロ点調整情報データベース600に格納されたゼロ点調整情報や、ゼロ点調整情報に基づいて決定された情報等を、ネットワーク400を介して所定の情報端末800,900に送信する。管理サーバ500が有する制御装置510(図7参照)は、情報の送信先を、顧客情報データベース700の内容に基づいて決定する。情報は、たとえばクレーン100の現場監督者等が利用する情報端末800や、クレーン100の販売者が利用する情報端末900に送信され、情報端末800,900の表示画面に表示される。
図2はクレーン100の側面図である。図2に示すように、クレーン100は、走行体101と、旋回輪を介して走行体101の上部に旋回可能に設けられた旋回体103と、旋回体103にブームフートピン111を回動支点として支持されたブーム104とを有する。走行体101は、トラックフレーム(不図示)と、トラックフレーム(不図示)の両側に設けられたサイドフレーム101aとを有し、サイドフレーム101aには無限軌道履帯101bが装着されている。旋回体103の前部には運転室(キャビン)107が設けられ、旋回体103の後部にはカウンタウエイト109が取り付けられている。
旋回体103には、フック昇降用の巻上ウインチ105と、ブーム起伏用の起伏ウインチ106とが搭載されている。巻上ウインチ105のドラムには巻上ロープ105aが巻回され、巻上ウインチ105の回転により巻上ロープ105aが巻き取られまたは繰り出され、フック108が昇降する。起伏ウインチ106のドラムには起伏ロープ112が巻回され、起伏ウインチ106の回転により起伏ロープ112が巻き取られまたは繰り出され、ブーム104が起伏する。
旋回体103上には、ガントリ130が旋回体103に対して起伏可能に装着されている。ガントリ130の上端部には、シーブ群を備える下部スプレッダ131が取り付けられている。下部スプレッダ131とブーム104の先端部との間には、シーブ群を備える上部スプレッダ132が介装されている。上部スプレッダ132のシーブ群と下部スプレッダ131のシーブ群とには、起伏ロープ112が複数回、掛け回されている。
上部スプレッダ132には、一端がブーム104の先端部に固定されたペンダントロープ110の他端が接続されている。起伏ロープ112は、一端が起伏ウインチ106のドラムに固定され、他端が下部スプレッダ131に取り付けられたロードセル201に接続されている。起伏ウインチ106の回転により、起伏ロープ112が巻き取りまたは繰り出されると、下部スプレッダ131と上部スプレッダ132との間隔が変化し、起伏ロープ112を介してブーム104が起伏する。
図3はクレーン100の構成を示すブロック図であり、クレーン100に搭載される過負荷防止装置の制御系を示している。過負荷防止装置は、CPUや記憶装置であるROMおよびRAM、その他の周辺回路などを有する演算処理装置を含んで構成されているコントローラ20を備えている。
図3に示すように、コントローラ20には、ロードセル201、ブーム角度センサ202、入力部203、操作量センサ204、警報器205、停止装置206、および表示装置207が接続されている。
ロードセル201は、ガントリ130の上端部に設けられた下部スプレッダ131に取り付けられており(図2参照)、ブーム104を起伏させる起伏ロープ112に作用する張力を検出し、検出した張力に対応する制御信号をコントローラ20に出力する。入力部203は、たとえば、タッチパネルであり、作業者からの操作に対応する制御信号をコントローラ20に出力する。作業者は、入力部203を操作してフックロープ掛け数(不図示)、ブーム長さやフック108の質量等を設定できる。
ブーム角度センサ202は、ブーム104の基端側に取り付けられており(図2参照)、ブーム104の起伏角度(以下、ブーム角度とも記す)を検出し、検出したブーム角度に対応する制御信号をコントローラ20に出力する。ブーム角度センサ202は、たとえば、水平面に対する角度である対地角をブーム角度として検出する。
操作量センサ204は、たとえば、油圧パイロット式操作レバーと方向制御弁との間の上げ操作側パイロット管路に設けられるパイロット圧センサと、油圧パイロット式操作レバーと方向制御弁との間の下げ操作側パイロット管路に設けられるパイロット圧センサにより構成される。操作量センサ204は、油圧パイロット式操作レバーの操作量を検出し、検出した操作量に対応する制御信号をコントローラ20に出力する。
表示装置207は、たとえば、入力部203としても利用されるタッチパネル式のディスプレイを備え、コントローラ20から出力される制御信号に基づいて、表示画面に吊荷重の情報や作業姿勢の情報を表示する。警報器205は、コントローラ20から出力される制御信号に基づいて、警報を発生する。
停止装置206は、コントローラ20から出力される制御信号に基づいて、巻上ウインチ105および起伏ウインチ106のそれぞれに連結された油圧モータ(不図示)の駆動を停止させる。停止装置206は、たとえば、油圧パイロット式の操作レバーと、この操作レバーの操作量に応じて動作する方向制御弁との間のパイロット管路に設けられた電磁切換弁である。電磁切換弁が全開位置に制御されている場合、操作レバーの操作量に応じて方向制御弁が動作し、方向制御弁を介して油圧ポンプから油圧モータへ圧油が供給されることで、油圧モータが駆動する。
コントローラ20によって電磁切換弁が全閉位置に制御されると、操作レバーが操作されている場合であっても、方向制御弁のパイロット部に供給される圧油が遮断される。その結果、方向制御弁を介して油圧ポンプから油圧モータへ供給される圧油が遮断され、油圧モータの駆動が停止される。
コントローラ20は、荷重演算部20aと、補正係数決定部20bと、ゼロ点異常判定部20cと、作業半径演算部20dと、ウインチ制御部20eと、表示制御部20gと、送信制御部20hと、信号異常判定部20fとを機能的に備えている。荷重演算部20aは、吊り荷の荷重(以下、吊荷重Wと記す)を演算する。図4は、吊荷重Wの算出方法について説明する図であり、クレーン100の構成を模式的に示している。
荷重演算部20aは、次式(1)により、吊荷重Wを演算する。
W=NB×(T−K×TB0)×L/RB ・・・(1)
ここで、NBは起伏ロープ112の掛け数、Tはロードセル201により検出されたロープ張力、TB0は吊り荷を吊っていないときのロープ張力であり、自重分の張力である。
図4に示すように、Lはブームフートピン111からペンダントロープ110までの垂直距離であり、RBはブームフートピン111から吊り荷までの水平距離である。Kは補正係数である。
掛け数NBは機械固有のデータで、記憶装置に記憶されている。垂直距離L,水平距離RB、自重分張力TB0は、ブーム角度センサ202で検出されたブーム角度θb、入力部203で入力されたブーム長さやフック108の質量に基づいて、荷重演算部20aにより演算される。
ロードセル201にはゼロ点ずれがあり、ゼロ点調整が必要である。本実施の形態では、式(1)のように、補正係数Kを自重分張力TB0に乗じて、自重分張力のゼロ点ずれを補正している。以下、ゼロ点調整の方法について説明する。
一般的には、既知であるフック108の質量Whが適正に表示されるように補正係数Kを求める。フック108の質量Whは、式(1)の吊荷重Wにフック108の質量Whを代入することで、式(1)のように表される。
Wh=NB×(T−K×TB0)×L/RB ・・・(2)
式(2)を変形すると、補正係数Kは式(3)のように表される。
K=(T−(Wh×RB)/(NB×L))/TB0 ・・・(3)
本実施の形態では、補正係数決定部20bは、ブーム角度θb(m)に応じた補正係数K(m)を決定する。ここで、K(m)およびθb(m)の「m」は1からnまでの整数を表しており、nは図5に示すテーブルの補正係数K(m)の数に対応している。
図5は、ブーム角度θb(m)に応じて設けられた補正係数K(m)を示すテーブルを示す図である。図5に示すように、コントローラ20の記憶装置には、ロードセル201のゼロ点の補正に用いる補正係数K(m)がブーム104の起伏角度θb(m)に応じて記憶される。
式(4)で表されるように、荷重演算部20aにより演算されたフック108の質量(吊り荷のない吊荷重)Whcが、フック108の実際の質量Whaと同じ場合、補正係数Kは1となる。式(5)で表されるように、演算された質量Whcが実際の質量Whaよりも大きい場合、補正係数Kは1よりも大きい値が設定される。式(6)で表されるように、演算された質量Whcが実際の質量Whaよりも小さい場合、補正係数Kは1よりも小さい値が設定される。
Whc=Wha のとき K=1 ・・・(4)
Whc>Wha のとき K>1 ・・・(5)
Whc<Wha のとき K<1 ・・・(6)
つまり、補正係数Kが1から大きくかい離しているほど、ゼロ点ずれが大きいことを表している。図3に示すゼロ点異常判定部20cは、1を基準値として設定し、この基準値からのかい離が所定値を超えたときに、ゼロ点異常が発生していると判定する。
ゼロ点異常判定部20cは、補正係数決定部20bにより決定された補正係数K(m)の絶対値が閾値(1+α)以下の場合、すなわち、補正係数K(m)が基準値である1から所定範囲内にある場合は正常と判定する。ゼロ点異常判定部20cは、補正係数K(m)の絶対値が閾値(1+α)よりも大きい場合、すなわち、補正係数K(m)が基準値である1から所定範囲内にない場合はゼロ点異常が発生していると判定する。なお、αは、0よりも大きな値であり(0<α)、ロードセル201の仕様やクレーン100の機種等が考慮され、予め試験等により定められる。
荷重演算部20aは、図5のテーブルのθb(m)のうち、検出されたブーム角度θbの上下2点のテーブルデータ、たとえばθb(m)、θb(m−1)を選択し、検出されたブーム角度θbに適したKの値を2点のデータを使って補間して算出する。荷重演算部20aは、算出した補正係数Kを用いて式(1)により吊荷重Wを演算する。
図3に示す作業半径演算部20dは、ブーム角度センサ202で検出されたブーム角度θb、入力部203で入力されたブーム長さに基づいて、旋回中心Xから吊り荷までの水平距離である作業半径rを演算する。
ウインチ制御部20eは、荷重演算部20aにより演算された吊荷重Wが、作業半径演算部20dで演算された作業半径rにおける定格総荷重Waよりも小さいか否かを判定する。図6は、定格荷重曲線の一例を示す図である。コントローラ20の記憶装置には、図6に示すような、作業半径rと定格総荷重Waとの関係である定格荷重曲線のデータテーブルが複数記憶されている。
定格総荷重Waとは、その作業半径rにおける吊り上げ可能な荷重の限界値であり、クレーン100の転倒や構成部材の破損を防止するために設定される。各データテーブルは、ブーム104の長さ(ブームの種類)ごとに設けられている。作業者によってブーム長さが入力部203(図3参照)によって設定されると、入力部203からの信号に応じて設定されたブーム104の長さに対応するデータテーブルが読み出される。
図3に示すウインチ制御部20eは、吊荷重Wが定格総荷重Wa以上である場合、停止装置206に停止信号を出力するとともに、警報器205に警報信号を出力する。停止装置206に停止信号が入力されると、停止装置206は巻上ウインチ105および起伏ウインチ106に連結された油圧モータの駆動を停止させる。警報器205に警報信号が入力されると、警報器205は警報を発生する。
たとえば、クレーン作業において、ブーム104の倒伏動作中にウインチ制御部20eから停止装置206に停止信号が出力されると、起伏ウインチ106の駆動源である油圧モータ(不図示)の駆動が停止され、ブーム104の倒伏動作が自動的に停止する。
信号異常判定部20fは、ロードセル201の出力信号(電圧値)に基づいて、断線異常または短絡異常が発生しているか否かを判定する。具体的には、信号異常判定部20fは、ロードセル201からの出力信号が0になったときに、断線異常が発生していると判定し、ロードセル201からの出力信号が所定値よりも高い値になった場合に短絡異常が発生していると判定する。ウインチ制御部20eは、信号異常判定部20fにより断線異常または短絡異常が発生していると判定された場合、停止装置206に停止信号を出力する。
表示制御部20gは、表示装置207の表示画面に表示する画像を制御する。表示制御部20gは、荷重演算部20aで演算された吊荷重Wを表示装置207の表示画面に表示させる。表示制御部20gは、ゼロ点異常判定部20cによりゼロ点異常が発生していると判定された場合、ゼロ点異常が発生していることを表す表示画像を表示装置207の表示画面に表示させる。表示制御部20gは、信号異常判定部20fにより断線異常または短絡異常が発生していると判定された場合、断線異常または短絡異常が発生していることを表す表示画像を表示装置207の表示画面に表示させる。
送信制御部20hは、コントローラ20の記憶装置に記憶させた情報を所定のタイミングで送信機30を介して送信する。送信機30から送信された情報は通信衛星200を経由して基地局300で受信され、管理サーバ500へ送信される。
送信制御部20hは、補正係数決定部20bにより補正係数が決定される度に、ブーム角度θb(m)に対応する補正係数K(m)を表す情報を送信機30により管理サーバ500へ送信する。送信制御部20hは、ゼロ点異常判定部20cによりゼロ点異常が発生していると判定された場合、ゼロ点異常が発生していることを表す情報を送信機30により管理サーバ500へ送信させる。送信制御部20hは、信号異常判定部20fにより断線異常または短絡異常が発生していると判定された場合、断線異常または短絡異常が発生していることを表す情報を送信機30により管理サーバ500へ送信させる。
図7は、管理サーバ500の構成を示すブロック図である。管理サーバ500は、制御装置510と、記憶部520と、通信部530とを有する。制御装置510は、CPUや周辺回路などを有する演算処理装置を含んで構成される。制御装置510は、記憶部520に予め記憶されている制御プログラムを読み込んで実行することにより、管理サーバ500の各部を制御する。記憶部520は、たとえば固定ディスク等の不揮発性の記憶装置である。通信部530は、所定の手順に則ってネットワーク400を介したデータ通信(送信および受信)を行う。通信部530で受信する情報には、上述した補正係数K(m)や異常判定されたことを表す情報が含まれる。制御装置510には表示装置540が接続されており、制御装置510は記憶部520やゼロ点調整情報データベース600、顧客情報データベース700に格納された情報を表示装置540の表示画面に表示させる。
制御装置510には、ゼロ点調整情報データベース600および顧客情報データベース700が接続されている。図8は、ゼロ点調整情報データベース600に格納される情報の一例を示す図である。制御装置510は、ゼロ点調整情報データベース600に、基地局300を介して各クレーン100から受信した補正係数630と、補正係数630を受信した日時を表す日時情報610と、補正係数630を送信したコントローラ20を有するクレーン100、すなわち補正係数630の発信元に対応するクレーン100に固有の作業機ID620とをそれぞれ関連付けて記憶する。
図9は、顧客情報データベース700に格納される情報の一例を示す図である。顧客情報データベース700には、クレーン100毎に、クレーン100の作業機ID710と、クレーン100を保有する顧客に関する1以上の顧客情報720と、1以上の顧客の送付先アドレス750とが関連付けて格納されている。なお、一の作業機ID710に対応する顧客の送付先アドレス750は、任意に変更することができる。一の作業機ID710に対応する顧客の送付先アドレス750を複数設定することもできる。
図7に示す制御装置510は、ゼロ点調整情報データベース600に記憶された補正係数630および日時情報610を、補正係数630を受信したときに自動で表示装置540に表示させる、あるいは、管理サーバ500の管理者による操作により、表示装置540に表示させる。
図10は、コントローラ20により実行される補正係数決定・送信処理の動作の一例を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、たとえば、入力部203に対して補正係数設定ガイダンスの実行操作がなされることにより開始される。図示していないが、コントローラ20は、所定の制御周期でブーム角度センサ202からのブーム角度θbの情報を取得し、記憶装置に記憶する。なお、図10に示す処理が開始される前に、作業者による入力部203に対する操作により、ブーム長さやフック108の質量、フックロープ掛け数が設定されている。
図10に示すように、ステップS101において、コントローラ20は、表示装置207に「空フックにしてください」というメッセージを表示させてステップS103へ進む。ステップS103において、コントローラ20は、入力部203に対して、空フックへの作業が完了したことを指示するための作業完了操作が作業者によってなされたか否かを判定する。ステップS103で肯定判定されるとコントローラ20は空フック状態であると判定し、ステップS106へ進む。ステップS103で否定判定されるとコントローラ20は空フック状態でないと判定し、ステップS101に戻る。なお、ステップS103における空フック判定処理は、ロードセル201で検出された張力が予め記憶装置に記憶されている閾値未満ときには空フック状態であると判定し、ロードセル201で検出された張力が閾値以上のときには空フック状態でないと判定してもよい。
ステップS106において、コントローラ20は、表示装置207に「ブームを上限停止するまで起立させてください」というメッセージを出力させてステップS111へ進む。ステップS111において、コントローラ20は、ブーム104の起伏角度が上限位置に達しているか否か、すなわちブーム角度θbが上限位置に対応する角度よりも大きいか否かを判定する。ステップS111で肯定判定されるとステップS113へ進み、否定判定されるとステップS106へ戻る。
ステップS113において、コントローラ20は、停止装置206に停止信号を出力して、起伏ウインチ106の油圧モータ(不図示)の駆動を停止させ、ステップS116へ進む。
ステップS116において、コントローラ20は、表示装置207に「微速で倒伏させてください」というメッセージを表示させてステップS118へ進む。ステップS118において、コントローラ20は、操作レバーによってブーム下げ操作が行われたか否かを判定する。ステップS118で肯定判定されるとステップS120へ進み、否定判定されるとステップS116へ戻る。
ステップS120において、コントローラ20は、停止装置206に停止解除信号を出力して、起伏ウインチ106の油圧モータ(不図示)の駆動停止を解除させ、ステップS121へ進む。
ステップS121において、コントローラ20は、ブーム104の起伏角度が下限位置に達しているか否か、すなわちブーム角度θbが下限位置に対応する角度よりも小さいか否かを判定する。ステップS121で否定判定されるとステップS126へ進み、肯定判定されるとステップS131へ進む。
ステップS126において、コントローラ20は、ブーム角度センサ202で検出されたブーム角度θbの情報とロードセル201で検出された起伏ロープ112に作用するロープ張力Tの情報とを読み込んで、記憶装置に記憶させ、ステップS121へ戻る。この記憶処理では、ブーム角度θbがθb(1)〜θb(n)までの範囲にある状態において、Δθごとに実行され、ブーム角度θb(m)ごとにロープ張力T(m)が記憶される。
たとえば、n=6の場合、θb(1)のときに検出されたロープ張力Tをロープ張力T(1)として記憶装置に記憶させ、θb(2)のときに検出されたロープ張力Tをロープ張力T(2)として記憶装置に記憶させる。同様に、Δθごとに、θb(3),θb(4)・・・θb(6)まで、検出したロープ張力Tをロープ張力T(3),T(4)・・・T(6)として記憶装置に記憶させる。なお、θb(1)〜θb(6)の大小関係は、θb(1)>θb(2)>θb(3)>θb(4)>θb(5)>θb(6)である。
ステップS131において、コントローラ20は、停止装置206に停止信号を出力して、起伏ウインチ106の油圧モータ(不図示)の駆動を停止させ、ステップS136へ進む。
ステップS136において、コントローラ20は、上述した式(3)より、補正係数K(m)(m=1,2,・・・,n−1,n)を演算し、記憶装置に記憶させ、ステップS141へ進む。ステップS141において、コントローラ20は、補正係数K(m)を表す情報を送信機30を介して、基地局300に送信して、ステップS146へ進む。
ステップS146において、コントローラ20は、補正係数K(m)の絶対値が閾値(1+α)よりも大きいか否かを判定する。ステップS146で肯定判定されると、すなわちゼロ点異常が発生していると判定されるとステップS151へ進み、ステップS146で否定判定されると、すなわち正常と判定されると図10に示す処理を終了する。
ステップS151において、コントローラ20は、記憶装置に記憶されたゼロ点異常が発生していることを表す表示画像を表示装置207に表示させるとともに、ゼロ点異常を表す情報を送信機30を介して、基地局300に送信して、図10に示す処理を終了する。
図10に示すフローチャートの処理にしたがって行われる作業者による作業について説明する。作業者が、入力部203に対して補正係数設定ガイダンスの実行操作を行うと、表示装置207に「空フックにしてください」というメッセージが表示される(ステップS101)。
作業者は、吊り荷がフック108に吊り下げられている場合、メッセージにしたがって、フック108から吊り荷を取り外して、入力部203に対して作業完了操作を行う。作業完了操作が行われると、表示装置207に「ブームを上限停止するまで起立させてください」というメッセージが表示される(ステップS103→S106)。
ブーム104が上限位置にない場合、作業者は、メッセージにしたがって、ブーム操作レバーを上げ側に操作し、ブーム104を起立させる。ブーム104を上限位置まで起立させると、ブーム104が自動で停止して、表示装置207に「微速で倒伏させてください」というメッセージが表示される(ステップS111→S113→S116)。
作業者は、メッセージにしたがって、ブーム操作レバーを下げ側に操作し、ブーム104をゆっくりと倒伏させる(ステップS118→S120)。ブーム104の倒伏動作中には、ロードセル201で検出されたロープ張力Tが所定の制御周期ごとに取得され、所定の起伏角度θb(m)(mは、1からnまでの整数)となったときのロープ張力T(m)が記憶装置に記憶される(ステップS121→S126)。ロープ張力T(1)〜T(n)は、たとえばブーム104の起伏角度がθb(1)=80度、θb(2)=70度、θb(3)=60度、θb(4)=50度、θb(5)=40度、θb(6)=30度まで10度変化するごとに設定され、6つの張力T(m)の情報が記憶装置に記憶される。
ブーム104が下限位置まで倒伏すると、ブーム104が自動で停止する(ステップS121→S131)。補正係数K(m)(m=1,2,・・・,n−1,n)が算出され、図5に示すテーブルが記憶装置に記憶され(ステップS136)、算出された補正係数K(m)を表す情報が管理サーバ500に送信される(ステップS141)。
上述した実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)本実施の形態に係るクレーン100は、吊り荷の荷重を検出するロードセル201を備えた建設機械であって、ロードセル201のゼロ点の補正に用いる補正係数K(m)を決定し、クレーン100と通信可能に設けられた管理サーバ500に対して、補正係数K(m)を送信機30により送信させるコントローラ20を備えている。これにより、作業遅延を防止することができる。
ゼロ点調整を実行し、ゼロ点異常が報知されると、車両の転倒を防止するため、クレーン100による作業を行うことができなくなり、ロードセル201を点検する必要性が生じる。ロードセル201を点検する場合、ブーム104を地面に倒伏させ、ロードセル201に取り付けられた起伏ロープ112を取り外した上で、ロードセル201の電圧値を測定する。作業期間中にロードセル201の点検の必要性が生じた場合、その点検には手間がかかるので、作業工程に大きな影響を与えてしまい作業遅延が発生するおそれがある。
ロードセル201のゼロ点のずれが大きくなる傾向は、経年劣化に起因する断線や短絡などの荷重検出装置の不具合につながる予兆といえる。作業中にロードセル201に不具合が発生した場合、過負荷防止装置によりクレーン100の動作が制限される。この場合にも、作業を中断して、点検、交換を行う必要があるので、作業工程に大きな影響を与えてしまい作業遅延が発生するおそれがある。
これに対して、本実施の形態では、管理サーバ500に送信された情報に基づいて、管理サーバ500の管理者が、ロードセル201にゼロ点異常や断線異常、短絡異常の予兆があることを知ることができる、すなわち、ロードセル201を点検する時期に近づいたことを知ることができる。このため、管理サーバの管理者は、クレーン100を操作する作業者や、作業者を指導する現場監督者に電話などで、ロードセル201のゼロ点異常や断線異常、短絡異常の予兆があること、ならびに、ロードセル201を点検する時期に近づいたことを伝えることができる。作業者は、作業工程に影響を与えないタイミング(たとえば、休車時や作業現場を移る日など)でロードセル201の点検を行うことができる。その結果、作業中に意図せずにロードセル201の不具合(断線異常や短絡異常)が生じたときや、作業前のゼロ点調整時におけるゼロ点異常が発生したことに伴い作業が中断されることを防止することができ、作業遅延を防止することができる。
−第2の実施の形態−
図11を参照して、第2の実施の形態に係る管理サーバ500について説明する。第1の実施の形態と同一もしくは相当部分には同一の参照番号を付し、相違点を主に説明する。図11は、管理サーバ500の制御装置510により実行されるロードセル201の異常の予兆判定・送信処理の動作の一例を示すフローチャートである。第2の実施の形態に係る管理サーバ500は、第1の実施の形態と同様の構成を有する(図7参照)。
第2の実施の形態に係る管理サーバ500の制御装置510は、通信部530における補正係数630の受信間隔Δtが閾値Δt0よりも短くなった場合、ロードセル201の異常の予兆ありと判定する判定部としての機能を備えている。受信間隔は、前回受信した補正係数630の受信日時情報と今回受信した補正係数630の受信日時情報とから演算される。
顧客情報データベース700には、各作業機IDに関連付けられた閾値Δt0を表す情報が記憶されている。受信間隔の閾値Δt0は、クレーン100に搭載されるロードセル201の仕様や、クレーン100の機種等によって予め定められている。
判定部として機能する制御装置510は、補正係数K(m)の絶対値が閾値(1+β)以下の場合、すなわち、補正係数K(m)が基準値である1から所定範囲内にある場合はロードセル201の異常の予兆なしと判定する。判定部として機能する制御装置510は、補正係数K(m)の絶対値が閾値(1+β)よりも大きい場合、すなわち、補正係数K(m)が基準値である1から所定範囲内にない場合はロードセル201の異常の予兆ありと判定する。
閾値(1+β)は、閾値(1+α)よりも小さい値であり(β<α)、ロードセル201の仕様やクレーン100の機種等が考慮され、予め試験等により定められる。閾値(1+β)は、顧客情報データベース700に予め記憶されており、作業機IDに対応して設定されている。つまり、閾値(1+β)は、作業機IDごとに任意に設定される。
制御装置510は、異常の予兆ありと判定されると、その判定結果を表す表示画像を表示装置540に表示させるとともに補正係数K(m)の情報を送信したクレーン100の作業機IDに関連付けられた送付先アドレス750に異常の予兆ありと判定された結果を表す情報を通信部530に送信させる。
制御装置510は、補正係数630が入力される度に、図11に示す処理を実行する。ステップS210において、制御装置510は、通信部530で受信した補正係数K(m)およびこの補正係数K(m)を送信したクレーン100の作業機IDの情報を、受信した日時情報と関連付けて記憶して、ステップS215へ進む。
ステップS215において、制御装置510は、顧客情報データベース700に記憶された複数の閾値(1+β)の中から今回受信した作業機IDに対応する閾値(1+β)を選択する。ステップS215において、制御装置510は、補正係数K(m)の絶対値が閾値(1+β)よりも大きいか否かを判定する。ステップS215で肯定判定されると、すなわち異常の予兆ありと判定されるとステップS250へ進み、ステップS215で否定判定されると、すなわち異常の予兆なしと判定されるとステップS220へ進む。
ステップS220において、制御装置510は、今回受信した補正係数K(m)の発信元であるクレーン100を特定する。ステップS220において、制御装置510は、特定したクレーン100における前回受信した補正係数K(m)に関連付けられた日時情報と、今回受信した補正係数K(m)に関連付けられた日時情報とから、受信間隔Δtを演算し、記憶部520に記憶して、ステップS230へ進む。
ステップS230において、制御装置510は、顧客情報データベース700に記憶された複数の閾値Δt0の中から今回受信した作業機IDに対応する閾値Δt0を選択する。ステップS230において、制御装置510は、受信間隔Δtが閾値Δt0以下であるか否かを判定する。ステップS230で肯定判定されると、すなわち異常の予兆ありと判定されるとステップS250へ進み、ステップS230で否定判定されると、すなわち異常の予兆なしと判定されると図11に示す処理を終了する。
ステップS250において、制御装置510は、顧客情報データベース700に記憶された1以上の送付先アドレス750のうち、補正係数K(m)の情報を送信したクレーン100の作業機IDに関連付けられた送付先アドレス750を選択して、ステップS260へ進む。
ステップS260において、ステップS250(送信先特定処理)で選択された送付先アドレス750に対応する情報端末に対して、ロードセル201における異常の予兆があると判定された結果を表す情報を、通信部530を介して送信して図11に示す処理を終了する。
このような第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の作用効果に加えて次のような作用効果を奏する。
(2)管理サーバ500は、補正係数K(m)を受信する通信部530と、補正係数K(m)が、基準値から所定範囲内にある場合は異常の予兆なしと判定し、補正係数K(m)が所定範囲内にない場合は異常の予兆ありと判定し、異常の予兆ありと判定されたことを表示装置540に表示させる制御装置510とを備えている。
これにより、異常の予兆ありと判定されたことを管理サーバ500の管理者が閲覧することによって、ロードセル201における異常の予兆があること、すなわち、ロードセル201の点検が必要であることについて、管理者からクレーン100の作業者や、現場監督者に向けて連絡することができる。その結果、ロードセル201の異常に伴い作業が中断されることを防止することができ、作業遅延を防止することができる。
(3)管理サーバ500の制御装置510は、異常予兆条件である「通信部530における補正係数K(m)の受信間隔Δtが所定の間隔Δt0よりも短くなったこと」が満たされた場合、異常の予兆ありと判定する。
これにより、上記(2)と同様に、管理者がロードセル201における異常の予兆があることを知ることができ、その旨を作業者や現場監督者に向けて連絡することができる。その結果、ロードセル201の異常に伴い作業が中断されることを防止することができ、作業遅延を防止することができる。
(4)顧客情報データベース700には、1以上の情報端末を表す登録情報としての送付先アドレス750が予め記憶されている。制御装置510は、顧客情報データベース700に記憶された1以上の情報端末を表す登録情報のうち、補正係数K(m)を表す情報を送信したクレーン100に関連付けられた情報端末800の登録情報を選択する。制御装置510は、この登録情報に対応する情報端末800に対して、ロードセル201における異常の予兆ありと判定されたことを表す情報を通信部530により送信させる。
これにより、管理者が介在することなく、自動で、ロードセル201における異常の予兆があること、すなわち、ロードセル201の点検が必要であることを表す情報が作業者、現場監督者が備える情報端末800に送信されるので、クレーン100の管理が容易になる。
次のような変形も本発明の範囲内であり、変形例の一つ、もしくは複数を上述の実施形態と組み合わせることも可能である。
(変形例1)
第2の実施の形態では、制御装置510が、通信部530における補正係数K(m)の受信間隔Δtが所定の間隔Δt0よりも短くなったときに、異常の予兆ありと判定する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。たとえば、制御装置510は、通信部530における補正係数K(m)の受信回数が所定の回数よりも多くなったときに、異常の予兆ありと判定してもよい。制御装置510は、補正係数K(m)の受信間隔Δtと受信回数の両者に基づいて、異常の予兆ありと判定してもよい。
(変形例2)
上述した実施の形態では、起伏ロープ112の張力を検出し、その検出結果に基づいて吊荷重の算出を行う例について説明したが、本発明はこれに限定されない。起伏ロープ112の一端にロードセル201を取り付けることに代えて、フック108などに荷重検出装置を取り付け、この荷重検出装置で検出された荷重に基づいて吊荷重を算出してもよい。
(変形例3)
上述した実施の形態では、報知制御部であるコントローラ20の表示制御部20gや制御装置510が、情報を表示画像で報知させる例について説明したが、本発明はこれに限定されない。音声発生装置に情報を音声で報知させる音声制御部を報知制御部として備えるようにしてもよい。
(変形例4)
上述した実施の形態では、建設機械の一例としてクレーン100について説明したが、本発明はこれに限定されない。本発明は、埠頭クレーン、天井クレーンなどの吊装置を備えた種々の建設機械を管理する管理システムに適用することもできる。
本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。
1 管理システム、20 コントローラ(荷重検出装置、補正係数決定部、第1送信制御部)、30 送信機(第1送信部)、100 クレーン、201 ロードセル(荷重検出装置)、500 管理サーバ、510 制御装置(判定部、報知制御部、第2送信制御部)、530 通信部(受信部、第2送信部)、540 表示装置(報知装置)、600 ゼロ点調整情報データベース(記憶装置)、700 顧客情報データベース(記憶装置)、750 送付先アドレス(登録情報)、800,900 情報端末

Claims (5)

  1. 吊り荷の荷重を検出する吊荷重検出装置を備えた建設機械と、前記建設機械と通信可能に設けられた管理サーバとを含む管理システムであって、
    前記建設機械は、
    前記吊荷重検出装置のゼロ点の補正に用いる補正係数を決定する補正係数決定部と、
    前記管理サーバに対して、前記補正係数を第1送信部により送信させる第1送信制御部と
    前記補正係数が、第1の所定範囲内にある場合は異常なしと判定し、前記第1の所定範囲内にない場合は異常ありと判定する第1の判定部と、
    前記第1の判定部により異常ありと判定されたことを第1の報知装置に伝える第1の報知制御部とを備え
    前記管理サーバは、
    前記第1送信部により送信される前記補正係数を受信する受信部と、
    前記受信部で受信される補正係数が、前記第1の所定範囲より狭い範囲である第2の所定範囲内にある場合は異常の予兆なしと判定し、前記補正係数が前記第2の所定範囲内にない場合は異常の予兆ありと判定する第2の判定部と、
    前記第2の判定部により異常の予兆ありと判定されたことを第2の報知装置に報知させる第2の報知制御部とを備えている、
    管理システム
  2. 吊り荷の荷重を検出する吊荷重検出装置を備えた建設機械と、前記建設機械と通信可能に設けられた管理サーバとを含む管理システムであって、
    前記建設機械は、
    作業者が入力部を介して実行開始の指示を入力することで、前記吊荷重検出装置のゼロ点の補正に用いる補正係数を決定する補正係数決定部と、
    前記補正係数決定部により前記補正係数が決定される都度、前記補正係数を第1送信部により送信させる第1送信制御部とを備え、
    前記管理サーバは、
    前記第1送信部により送信される前記補正係数を受信する受信部と、
    前記受信部で受信される補正係数の受信間隔が、所定の間隔よりも短くなったこと、および、前記受信部における前記補正係数の受信回数が所定の回数よりも多くなったことの少なくともいずれか一方の条件が満たされた場合、異常の予兆ありと判定する判定部と、
    前記判定部により異常の予兆ありと判定されたことを報知装置に報知させる報知制御部とを備えている、
    管理システム。
  3. 請求項1に記載の管理システムにおいて
    前記第2の判定部は、建設機械を識別する識別情報ごとに設定されている第2の所定範囲を記憶装置から取得し、取得した第2の所定範囲を用いて判定する、
    管理システム
  4. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の管理システムにおいて、
    前記管理サーバは、さらに、
    異常の予兆ありと判定される場合、記憶装置に記憶された1以上の情報端末を表す登録情報のうち、前記補正係数を送信した建設機械に関連付けられた情報端末を表す登録情報を選択し、前記選択された登録情報に対応する前記情報端末に対して、異常の予兆ありと判定されたことを第2送信部により送信させる第2送信制御部とを備えている、
    管理システム。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の管理システムに含まれる管理サーバ
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