JP6292549B2 - 放熱フィルム、熱放射層用分散液、放熱フィルムの製造方法、及び、太陽電池 - Google Patents

放熱フィルム、熱放射層用分散液、放熱フィルムの製造方法、及び、太陽電池 Download PDF

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Description

本発明は、電子機器に内蔵されるICチップやLED等から発生する熱を放熱するために用いられる放熱フィルムに関する。また、本発明は、該放熱フィルムの製造に用いる熱放射層用分散液、該熱放射層用分散液を用いる放熱フィルムの製造方法、更に、該放熱フィルムを用いてなる太陽電池に関する。
近年、電子機器の形状が小型化、軽量化、薄型化へと進行する一方で、電子機器に内蔵されるICチップへの多機能化、高機能化に対する要求も高まっており、回路の集積度がますます向上している。これらICチップは、稼動時のリーク電流や、ダイナミックパワーや、導線の抵抗等によって発熱する。回路の高集積化によってICチップの発熱量が増加すると、半導体が破壊され、電子機器の誤作動や故障といった不具合が生じるおそれがある。また、近年では、LEDの照明への利用が拡大しているが、高集積化によって発熱量が増加すると、LEDが短寿命化する等の問題が生じる。そのため、これらの電子部材の熱設計は非常に重要である。電子機器の小型化や薄型化に対応できる好ましい放熱材として、種々の放熱フィルムが開発されている。放熱フィルムには、伝熱や放射による高い放熱性を有することに加えて、用途によっては電気絶縁性も求められる。
このような放熱フィルムとして、例えば、特許文献1には、伝熱層に高い熱伝導率を有するグラファイトシートを用いて、その表面に放射効果を有する無機物層を形成した放熱フィルムが開示されている。特許文献1に開示された放熱フィルムは、軽量であり、かつ、高熱伝導率を有するため熱輸送能力も高い。しかしながら、伝熱層として用いられる銅やアルミニウム等の金属フィルムに比べコストがかかってしまう。また、グラファイトシートは、機械的強度が金属フィルムに比べ弱いためフィルム取り扱い時に破損する可能性が高い。
また、例えば、特許文献2〜4には、伝熱層として金属フィルムを用い、その表面に熱放射層を形成した可撓性を有する放熱フィルムが開示されている。しかしながら、特許文献2、3に開示された放熱フィルムは、熱放射層において、無機物のバインダーとしてシリコーン樹脂を用いているが、シリコーン樹脂を用いた熱放射層は、耐熱性が低く、また、伝熱層である金属フィルムとの付着性が悪く剥離しやすいといった問題がある。特許文献4に開示された放熱フィルムは、熱放射層のフィラーとして無機物ではなく粉体黒鉛を用いており、平均粒径と膜厚との関係を設定することで放熱性に優れ伝熱層との付着性は良好であるが、放熱性を向上させるために樹脂中に黒鉛を高充填した際、電気絶縁性が保たれないという問題がある。
特開2008−78380号公報 特開2004−200199号公報 特開2002−371192号公報 特開2008−120065号公報
本発明は、赤外線放射による放熱性、電気絶縁性、及び、耐熱性に優れる熱放射層を、伝熱性に優れる金属フィルム上に積層した、高い機械的強度と可撓性とを有する放熱フィルムを提供することを目的とする。また、本発明は、該放熱フィルムの製造に用いる熱放射層用分散液、該熱放射層用分散液を用いる放熱フィルムの製造方法、及び、該放熱フィルムを用いてなる太陽電池を提供することを目的とする。
本発明は、伝熱層と、該伝熱層に積層された可撓性の熱放射層とを有する放熱フィルムであって、前記伝熱層は、金属フィルムであり、前記熱放射層は、水不溶性無機化合物と耐熱性合成樹脂とを含有し、前記熱放射層における前記水不溶性無機化合物の含有量が、前記熱放射層全体に対して、30〜90重量%であり、前記熱放射層は、熱放射率が0.8以上であり、かつ、絶縁破壊強さが10kV/mm以上である放熱フィルムである。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、水不溶性無機化合物と耐熱性合成樹脂とを特定の割合で含有し、かつ、特定値以上の熱放射率及び絶縁破壊強さをする熱放射層を、金属フィルムからなる伝熱層と積層することにより、高い機械的強度を有し、放熱性、電気絶縁性、耐熱性、及び、可撓性に優れる放熱フィルムを得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の放熱フィルムは、伝熱層を有する。
前記伝熱層は、熱源から発せられた熱を熱放射層へ伝える役割を有する。
前記伝熱層は、金属フィルムである。
前記金属フィルムとしては、熱伝導率が高い金属からなるものであれば特に限定されない。具体的には、前記金属フィルムを構成する金属の熱伝導率は、放熱特性を向上させるため、30W/m・K以上であることが好ましく、200W/m・K以上であることがより好ましい。
前記金属フィルムとしては、例えば、銅フィルム、アルミニウムフィルム、金フィルム、銀フィルム、錫フィルム、ニッケルフィルム、これらのフィルムを構成する金属を含む合金フィルム等が挙げられる。なかでも、コストの面から、銅フィルム、アルミニウムフィルムが好ましい。
前記金属フィルムの厚みの好ましい下限は10μm、好ましい上限は1000μmである。前記金属フィルムの厚みが10μm未満であると、充分な伝熱性能が発揮されないことがある。前記金属フィルムの厚みが1000μmを超えると、得られる放熱フィルムが重くなり過ぎたり、可撓性に劣るものとなったりすることがある。前記金属フィルムの厚みのより好ましい下限は100μm、より好ましい上限は500μm、更に好ましい上限は300μmである。
本発明の放熱フィルムは、熱放射層を有する。
前記熱放射層は、前記伝熱層から伝えられた熱を、赤外線として放射する役割を有する。
前記熱放射層は、水不溶性無機化合物を含有する。
なお、本発明において前記「水不溶性」とは、20℃の水100mLへの溶解度が1.0g未満であることを意味する。
前記水不溶性無機化合物としては、例えば、シリカ化合物、シリカアルミナ化合物、アルミニウム化合物、カルシウム化合物、窒化物、及び、石炭灰からなる群より選択される少なくとも1種を含有することが好ましい。なかでも、シリカ化合物、シリカアルミナ化合物、石炭灰を含有することがより好ましい。また、熱放射率等の熱放射特性の観点から、層状ケイ酸塩鉱物、石炭灰であることが更に好ましい。
なお、本明細書において、前記「層状ケイ酸塩鉱物」は、シリカ化合物に含まれるものとする。また、前記「石炭灰」とは、フライアッシュやクリンカアッシュといった、火力発電所で石炭を燃焼させた際に発生する灰のことであり、主成分であるシリカ化合物、アルミニウム化合物が全成分中の80〜95%を占める水不溶性無機化合物の混合物である。
前記層状ケイ酸塩鉱物としては、例えば、天然物又は合成物の雲母、タルク、カオリン、パイロフィライト、セリサイト、バーミキュライト、スメクタイト、ベントナイト、スチーブンサイト、モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト、ノントロナイト等が挙げられる。これらの中でも、低コストで均一な放熱フィルムを作製できることから、タルク、カオリン、パイロフィライト、非膨潤性雲母、セリサイト等の非膨潤性粘土鉱物が好ましく、タルク、カオリン、パイロフィライト、及び、非膨潤性雲母からなる群から選択される少なくとも1種であることがより好ましい。
前記層状ケイ酸塩鉱物以外のシリカ化合物としては、ワラステナイト、ガラスビーズ等が挙げられる。
前記シリカアルミナ化合物としては、ゼオライト、ムライト等が挙げられる。
前記アルミニウム化合物としては、例えば、スピネル、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム(アルミナ)、ホウ酸アルミニウム等が挙げられる。
前記カルシウム化合物としては、例えば、炭酸カルシウム等が挙げられる。
前記窒化物としては、例えば、窒化ケイ素、窒化ホウ素等が挙げられる。
前記水不溶性無機化合物は、単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。石炭灰を用いる場合は、石炭灰以外の水不溶性無機化合物と併用することが好ましい。
前記水不溶性無機化合物の平均粒子径によっても得られる放熱フィルムの熱放射層の性質が変わるため、水不溶性無機化合物は、粒子径を選択した上で使用することが好ましい。
前記水不溶性無機化合物の平均粒子径の好ましい下限は0.1μm、好ましい上限は50μmである。前記水不溶性無機化合物の平均粒子径のより好ましい下限は0.2μm、より好ましい上限は40μmであり、更に好ましい下限は0.5μm、更に好ましい上限は30μmである。
なお、前記水不溶性無機化合物の平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布計等を用いて粒度分布を測定することにより求めることができる。
前記熱放射層における水不溶性無機化合物の含有量は、熱放射層全体に対して、下限が30重量%、上限が90重量%である。前記水不溶性無機化合物の含有量が30重量%未満であると、得られる放熱フィルムが、燃焼性の高いものとなったり、放熱特性に劣るものとなったりする。前記水不溶性無機化合物の含有量が90重量%を超えると、後述する熱放射層用分散液を金属フィルムや基板等へ展開した際に塗工ムラが起こりやすくなり、熱放射層の膜厚が薄くなった部分で電気絶縁性を損なう。前記水不溶性無機化合物の含有量の好ましい下限は35重量%、好ましい上限は85重量%であり、より好ましい下限は40重量%、より好ましい上限は80重量%であり、更に好ましい下限は50重量%、更に好ましい上限は70重量%であり、特に好ましい下限は60重量%である。
本発明の放熱フィルムの熱放射層は、耐熱性合成樹脂を含有する。
前記耐熱性合成樹脂は、いわゆるスーパーエンジニアリングプラスチック(スーパーエンプラ)を意味し、具体的には例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フッ素樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂等が挙げられる。なかでも、製膜性や耐熱性に優れることから、ポリイミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂の少なくともいずれかが好適に使用される。
耐熱性の観点から、前記耐熱性合成樹脂は、シクロヘキサン環等の飽和環式炭化水素を含まない構造であることが好ましい。また、得られる放熱フィルムが特に耐熱性に優れるものとなることから、前記耐熱性合成樹脂は、芳香環を含む構造であることがより好ましく、芳香族ポリイミド樹脂及び芳香族ポリアミドイミド樹脂の少なくともいずれかであることが更に好ましい。
前記ポリイミド樹脂は、下記式(1)の繰り返し構造を有する化合物であり、前記ポリアミドイミド樹脂は、下記式(2)の繰り返し構造を有する化合物である。
式(1)中、Rは、4価であり、ベンゼン環を1つ又は2つ有する有機基である。なかでも、Rは、下記式(3)に示した構造であることが好ましい。Rが下記式(3)に示した構造である場合、前記ポリイミド樹脂は、Rとして下記式(3)に示した構造を単独で有するものであってもよいし、2種以上有する共重合体であってもよい。
式(2)中、Rは、3価であり、ベンゼン環を1つ又は2つ有する有機基である。なかでも、Rは、下記式(4)に示した構造であることが好ましい。Rが下記式(4)に示した構造である場合、前記ポリアミドイミド樹脂は、Rとして下記式(4)に示した構造を単独で有するものであってもよいし、2種以上有する共重合体であってもよい。
式(1)、式(2)中、Rは、2価であり、ベンゼン環を1つ又は2つ有する有機基である。なかでも、Rは、下記式(5)に示した構造であることが好ましい。Rが下記式(5)に示した構造である場合、前記ポリイミド樹脂、前記ポリアミドイミド樹脂は、Rとして下記式(5)に示した構造を単独で有するものであってもよいし、2種以上有する共重合体であってもよい。
なかでも、得られる放熱フィルムの熱放射層が安価で機械的強度に優れるものとなることから、R、R、及び、Rは、下記式(6)に示した構造であることが好ましい。前記ポリイミド樹脂は、R、Rとして下記式(6)に示した構造を単独で有するものであってもよいし、2種類以上有する共重合体であってもよい。また、前記ポリアミドイミド樹脂は、R、Rとして下記式(6)に示した構造を単独で有するものであってもよいし、2種類以上有する共重合体であってもよい。
また、前記耐熱性合成樹脂は、前記ポリイミド樹脂、前記ポリアミドイミド樹脂の少なくとも2種類からなる共重合体でもよい。
前記熱放射層は、意匠性の観点から、着色剤を含有してもよい。
前記着色剤としては、例えば、無機顔料、有機顔料等が挙げられる。なかでも、耐熱性の観点から、無機顔料が好ましい。
前記無機顔料としては、カーボンブラック、酸化物系顔料、水酸化物系顔料、硫化物系顔料、無機塩系顔料、金属粉顔料、及び、複合酸化物系顔料からなる群より選択される少なくとも1種を含有することが好ましい。
前記カーボンブラックは、炭素主体の微粒子であり、種類は特に限定されないが、ファーネス法により製造されたファーネスブラックと呼ばれるものを用いることが好ましい。
前記酸化物系顔料としては、例えば、酸化鉄、酸化クロム、二酸化チタン、酸化亜鉛、ウルトラマリン、コバルトブルー等が挙げられる。
前記水酸化物系顔料としては、例えば、アルミナ白、酸化鉄黄、ビリジアンなどが挙げられる。
前記硫化物系顔料としては、例えば、硫化亜鉛、リトポン、カドミウムエロー、朱、カドミウムレッド等が挙げられる。
前記無機塩系顔料としては、例えば、黄鉛、モリブデートオレンジ、ジンククロメート、ストロンチウムクロメート、沈降性硫酸バリウム、バライト粉、炭酸カルシウム、鉛白等が挙げられる。
前記金属粉顔料としては、例えば、銅、鉄、アルミニウム等が挙げられる。
前記複合酸化物系顔料とは、複数の高純度な金属酸化物を均一配合し、高温条件下で合成された単一の化合物である。
前記着色剤の含有量は、前記熱放射層全体に対して、好ましい下限が0.2重量%、好ましい上限が15重量%である。前記着色剤の含有量が0.2重量%未満であると、熱放射層を充分に着色できないことがある。
また、前記着色剤としてカーボンブラックを用いる場合、前記カーボンブラックの含有量の好ましい上限は5重量%である。前記カーボンブラックの含有量が5重量%を超えると、得られる放熱フィルムが電気絶縁性に劣るものとなることがある。
前記熱放射層は、機械的強度を上げるため、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤等のカップリング剤を含有していてもよい。
前記シランカップリング剤としては、例えば、アミノ系シランカップリング剤、ウレイド系シランカップリング剤、ビニル系シランカップリング剤、メタクリル系シランカップリング剤、エポキシ系シランカップリング剤、メルカプト系シランカップリング剤、イソシアネート系シランカップリング剤等が挙げられる。
前記チタネートカップリング剤としては、例えば、少なくとも炭素数1〜60のアルキレート基を有するチタネートカップリング剤、アルキルホスファイト基を有するチタネートカップリング剤、アルキルホスフェート基を有するチタネートカップリング剤、アルキルパイロホスフェート基を有するチタネートカップリング剤等が挙げられる。
これらのカップリング剤は、予め前記水不溶性無機化合物と混合して作用させておいてもよいし、後述する熱放射層用分散液に混合してもよい。
前記カップリング剤の含有量は、水不溶性無機化合物全体に対して、好ましい下限が0.1重量%、好ましい上限が3.0重量%である。前記カップリング剤の含有量が0.1重量%未満であると、カップリング剤を使用する効果が充分に発揮されないことがある。前記カップリング剤を、3.0重量%を超えて含有しても、使用量に見合った効果が得られないことがある。前記カップリング剤の含有量のより好ましい下限は0.5重量%、より好ましい上限は2.0重量%である。
前記熱放射層は、熱放射率が0.8以上であり、0.85以上であることが好ましく、0.9以上であることがより好ましい。
なお、前記「熱放射率」は、TSS−5X(ジャパンセンサー社製)等の熱放射率測定器を用いて測定することができる。
前記熱放射層は、電子機器への使用用途の観点から、絶縁破壊強さが10kV/mm以上であり、15kV/mm以上であることが好ましく、20kV/mm以上であることがより好ましい。
なお、前記「絶縁破壊強さ」は、ASTM D149に準拠した方法で、HAT−300型(日立化成工業社製)等の絶縁破壊試験器を用いて測定することができる。
前記熱放射層は、JIS K5600に準拠したクロスカット法試験において、前記伝熱層として用いる金属フィルムとの付着性分類が0〜2のいずれかであることが好ましく、0又は1であることがより好ましい。前記付着性分類の説明を表1に示した。
前記伝熱層として用いる金属フィルムに対する前記熱放射層の付着性は、該金属フィルムの種類に応じて、前記水不溶性無機化合物及び前記耐熱性合成樹脂の種類及び含有量を適宜変更することにより調整することができる。例えば、金属フィルムとしてアルミニウムフィルムを用いる場合、熱放射層は耐熱性合成樹脂としてポリイミド樹脂又はポリアミドイミド樹脂を含有し、かつ、水不溶性無機化合物として層状ケイ酸塩鉱物を30〜90重量%含有することが好ましい。
前記熱放射層は、UL94規格薄手材料垂直燃焼試験(VTM試験)において、燃焼性分類がVTM−0であることが好ましい。前記VTM試験は、フィルム試験片を円筒状に巻き、クランプに垂直に取付け、20mmの大きさの炎による3秒間接炎を2回行い、その燃焼挙動により表2に示した燃焼性分類の判定を行うものである。
放熱フィルムの熱放射層において、UL94規格VTM試験を行う際のフィルム厚みは100μm以下であることが好ましい。
また、前記熱放射層は、UL94規格垂直燃焼試験(V試験)において、燃焼性分類がV−0であることが好ましい。前記V試験は、試験片クランプに垂直に取付け、20mmの大きさの炎による10秒間接炎を2回行い、その燃焼挙動により表3に示した燃焼性分類の判定を行うものである。
更に、前記熱放射層は、UL94規格125mm垂直燃焼試験(5V試験)において、燃焼性分類が5V−A又は5V−Bであることが好ましい。前記5V試験は、短冊試験片をクランプに垂直に取付け、125mmの大きさの炎による5秒間接炎を5回行い、その燃焼挙動により燃焼性分類の判定を行い、更に、平板試験片を水平に保持し、下方から125mmの大きさの炎の5秒間接炎を5回行い、その燃焼挙動により表4に示した燃焼性分類の判定を行うものである。
前記熱放射層の厚みは、好ましい下限が20μm、好ましい上限が100μmである。前記熱放射層の厚みが20μm未満であると、放熱性や電気絶縁性が低下することがある。前記熱放射層の厚みが100μmを超えると、熱放射層の厚みに対する放射性の効率が悪くなることがある。前記熱放射層の厚みのより好ましい下限は30μmである。
前記熱放射層は、伝熱層の一方の面に積層されていてもよいし、伝熱層の両面に積層されていてもよい。前記熱放射層が伝熱層の一方の面に積層される場合、伝熱層のもう一方の面には、電気絶縁性を確保するための絶縁層が積層されていてもよい。
前記絶縁層としては、前記熱放射層と同様に、前記水不溶性無機化合物と前記耐熱性合成樹脂とを含有するものを用いることができる。
前記絶縁層における水不溶性無機化合物の含有量は、絶縁層全体に対して、好ましい下限が30重量%、好ましい上限が90重量%である。前記水不溶性無機化合物の含有量が30重量%未満であると、得られる放熱フィルムの燃焼性が高くなったり、放熱特性に劣るものとなったりすることがある。前記水不溶性無機化合物の含有量が90重量%を超えると、絶縁層用分散液を金属フィルムや基板等へ展開した際に塗工ムラが起こりやすくなり、絶縁層の膜厚が薄くなった部分で電気絶縁性を損なうことがある。前記水不溶性無機化合物の含有量のより好ましい下限は50重量%、より好ましい上限は60重量%である。
前記絶縁層の厚みは、好ましい下限が20μm、好ましい上限が100μmである。前記絶縁層の厚みが20μm未満であると、電気絶縁性が低下することがある。前記絶縁層の厚みが100μmを超えると、絶縁層の厚みに対する電気絶縁性の効率が悪くなること
がある。前記絶縁層の厚みのより好ましい下限は30μmである。
本発明の放熱フィルムは、3Wの電力を入力して発熱させた2.4cm角、厚み0.5〜1.5mmのセラミックヒーターの上面に、該セラミックヒーターと同面積で設置した際の冷却温度が15℃以上であることが好ましい。前記冷却温度が15℃未満であると放熱フィルムとして用いた際に充分な放熱性能が発揮されないことがある。
なお、前記冷却温度は、放熱フィルムを設置せずに3Wの電力をセラミックヒーターに入力し、平衡状態となった時の温度(発熱温度)から、放熱フィルムをセラミックヒーター上に設置し、3Wの電力をセラミックヒーターに入力し、平衡状態となった時の温度(フィルム設置温度)を差し引いた温度差を意味する。
また、2.4cm角、厚み0.5〜1.5mmのセラミックヒーターとしては、BPC10(ビーアイテクノロジージャパン社製)等を用いることができる。
本発明の放熱フィルムは、JIS K5600−5−1(1999)に準拠した円筒形マンドレル法による耐屈曲性試験において、前記フィルムの熱放射層にひび割れが初めて生じるマンドレル直径が10mm以下であることが好ましい。ひび割れが起こるマンドレル直径が10mmを超えると、可撓性に劣るものとなることがある。前記熱放射層にひび割れが起こるマンドレル直径は8mm以下であることがより好ましく、5mm以下であることが更に好ましい。
本発明の放熱フィルムの引張強さは、25N/mm以上であることが好ましい。前記引張強さが25N/mm未満であると、フィルムが破断しやすくなり、取扱いが困難となる。前期引張強さは50N/mm以上であることがより好ましく、70N/mm以上であることが、更に好ましい。
なお、前記引張強さは JIS K7127−1に準拠した測定法によって求められる値であり、卓上形精密万能試験機「AGS−X」(島津製作所社製)を用いて、つかみ具間隔80mm、引張速度5mm/分の条件で測定される。
本発明の放熱フィルムは、伝熱層が金属フィルムであるため水蒸気バリア性に非常に優れたものとなる。具体的には、本発明の放熱フィルムは、40℃、90%RHの環境下における水蒸気透過率が0.01g/m・day未満であることが好ましい。
なお、前記「水蒸気透過率」は、GTRテック社製のガス・蒸気透過率測定装置等を用いて測定することができる。
本発明の放熱フィルムの形状は特に限定されず、平板状、リング状、U字状等、放熱する対象物(熱源)や放熱方法に応じた形状で用いられる。
本発明の放熱フィルムにおける前記熱放射層は、分散媒と、不揮発成分である水不溶性無機化合物並びに耐熱性合成樹脂及び/又は耐熱性合成樹脂の前駆体とを含有し、前記水不溶性無機化合物の含有量が不揮発成分全体に対して30重量%以上90重量%以下であり、かつ、不揮発成分の含有量が熱放射層用分散液全体に対して18重量%を超え65重量%以下である熱放射層用分散液を用いて製造することができる。このような熱放射層用分散液もまた、本発明の1つである。
本発明者らは、不揮発成分の含有量、及び、不揮発成分中の水不溶性無機化合物の含有割合が特定の範囲内にある熱放射層用分散液を用いることにより、従来は困難であった、放射による放熱性、電気絶縁性、金属フィルムとの付着性、及び、耐熱性に優れた熱放射層を有する放熱フィルム(本発明の放熱フィルム)を製造することができることを見出した。
また、本発明の熱放射層用分散液は、安価な水不溶性無機化合物を用いているため、得られる放熱フィルムが生産性の高いものとなる。
なお、本明細書において前記「不揮発成分」とは、常圧で沸点を持たない、又は、沸点が300℃以上のものを指す。本発明の熱放射層用分散液における水不溶性無機化合物、耐熱性合成樹脂については、本発明の放熱フィルムと同様のものであるため、その説明を省略する。
前記耐熱性合成樹脂の前駆体としては、例えば、ポリアミド酸が挙げられ、該ポリアミド酸をイミド化することにより、ポリイミド樹脂やポリアミドイミド樹脂が得られる。前記ポリアミド酸をイミド化する方法としては、例えば、ポリアミド酸を加熱閉環してイミド化する方法、ポリアミド酸を化学閉環してイミド化する方法が挙げられる。
前記ポリアミド酸を加熱閉環してイミド化する方法としては、例えば、前記ポリアミド酸を分散媒中に分散させて、120〜400℃で0.5〜10時間加熱する方法が挙げられる。
本発明の熱放射層用分散液に耐熱性合成樹脂の前駆体を配合する場合、前記耐熱性合成樹脂の前駆体の含有量の好ましい下限は2重量%、好ましい上限は45重量%である。前記耐熱性合成樹脂の前駆体の含有量が2重量%未満であると、得られる放熱フィルムが電気絶縁性に劣るものとなることがある。前記耐熱性合成樹脂の前駆体の含有量が45重量%を超えると、得られる放熱フィルムが耐熱性に劣るものとなることがある。前記耐熱性合成樹脂の前駆体の含有量のより好ましい下限は5重量%、より好ましい上限は30重量%である。
前記分散媒としては、例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタン、n−デカン等の炭化水素系溶媒や、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系溶媒や、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチル−イソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒や、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒や、ジエチルエーテル、メチル−tertブチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒や、ベンゼン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、p−ジクロロベンゼン、トルエン、o−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、フェノール、p−クロロフェノール、o−クロロフェノール、o−クレゾール等のベンゼン系溶媒や、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、スルホラン等の含硫黄系溶媒等を使用することができる。なお、添加物が析出しない程度の量であれば、前記分散媒として水を使用してもよい。なかでも、耐熱性合成樹脂の溶解性が高くなることから、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、及び、スルホランからなる群から選択される少なくとも1種類であることが好ましい。これらの分散媒は単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
本発明の熱放射層用分散液における前記水不溶性無機化合物の含有量は、不揮発成分全体に対して、下限が30重量%、上限が90重量%である。前記水不溶性無機化合物の含有量が30重量%未満であると、得られる放熱フィルムの熱放射層の燃焼性が高くなる。前記水不溶性無機化合物の含有量が90重量%を超えると、分散液の粘度が高くなり、熱放射層の金属フィルムへの塗工ムラにより、熱放射層の膜厚が薄くなった部分で電気絶縁性を損なうことがある。前記水不溶性無機化合物の含有量の好ましい下限は35重量%、好ましい上限は85重量%、より好ましい下限は40重量%、より好ましい上限は80重量%、更に好ましい下限は50重量%、更に好ましい上限は70重量%、特に好ましい下限は60重量%である。
本発明の熱放射層用分散液における不揮発成分の含有量は、18重量%を超え65重量%以下である。前記不揮発成分の含有量が18重量%以下であると、熱放射層用分散液が不均一になり、均一なフィルムが得られなくなる。前記不揮発成分の含有量が65重量%を超えると、熱放射層用分散液の粘度が上がり過ぎ、製膜が困難になる。前記不揮発成分の含有量は、20重量%を超え55重量%以下であることが好ましく、25重量%を超え45重量%以下であることがより好ましい。
なお、本発明の熱放射層用分散液における不揮発成分の割合は、熱重量測定(TG)や示差熱−熱重量同時測定(TG−DTA)やエバポレーター等を用いて真空蒸発により溶媒を除去し、残存した固形物の重量から求めることができる。
本発明の放熱フィルムは、分散媒と、不揮発成分である水不溶性無機化合物並びに耐熱性合成樹脂及び/又は耐熱性合成樹脂の前駆体とを混合して本発明の熱放射層用分散液を調製する工程(1−1)と、調製した熱放射層用分散液を、伝熱層となる金属フィルム上に展開して静置する工程(1−2)と、金属フィルム上に展開した熱放射層用分散液から分散媒を除去して成形し、積層フィルムを得る工程(1−3)とを有する方法により、製造することができる。このような放熱フィルムの製造方法もまた、本発明の1つである。
また、本発明の放熱フィルムは、分散媒と、不揮発成分である水不溶性無機化合物並びに耐熱性合成樹脂及び/又は耐熱性合成樹脂の前駆体とを混合して本発明の熱放射層用分散液を調製する工程(2−1)と、調製した熱放射層用分散液を、基板上に展開して静置する工程(2−2)と、前記基板上に展開した熱放射層用分散液から分散媒を除去して成形し、得られたフィルムを前記基板上から分離して熱放射層用フィルムを得る工程(2−3)と、前記熱放射層用フィルムを伝熱層となる金属フィルムに熱プレスによって密着積層させ、積層フィルムを得る工程(2−4)とを有する方法により、製造することができる。このような放熱フィルムの製造方法もまた、本発明の1つである。
以下、工程(1−1)〜(1−3)を有する方法、及び、工程(2−1)〜(2−4)を有する方法を併せて、単に「本発明の放熱フィルムの製造方法」ともいう。
本発明の放熱フィルムの製造方法では、前記工程(1−1)又は(2−1)において、分散媒と、不揮発成分である水不溶性無機化合物並びに耐熱性合成樹脂及び/又は耐熱性合成樹脂の前駆体とを混合して本発明の熱放射層用分散液を調製する。
前記工程(1−1)又は(2−1)における混合温度は特に限定されないが、好ましい下限は10℃、好ましい上限は40℃である。
本発明の放熱フィルムの製造方法では、前記工程(1−2)又は(2−2)において、本発明の熱放射層用分散液を金属フィルム上又は基板上に展開して静置する。
前記工程(1−2)又は(2−2)において、本発明の熱放射層用分散液を金属フィルム上又は基板上に展開する方法としては、ドクターブレードやバーコーター等を用いて膜状に塗布する方法等が挙げられる。
前記工程(2−2)において、分散液を展開する基板としては、分散液と基板との相溶性や濡れ性、乾燥後の剥離性の観点から、ガラス製、ポリエチレンテレフタレート製、ポリイミド製、ポリエチレン製、又は、ポリプロピレン製のものが好ましい。
前記工程(1−2)又は(2−2)において、金属フィルム上又は基板上に展開する本発明の熱放射層用分散液の厚みは30μm以上であることが好ましい。本発明の熱放射層用分散液の厚みが30μm未満であると、得られる放熱フィルムの熱放射層が薄くなり、電気絶縁性を損なうことがある。本発明の熱放射層用分散液の厚みのより好ましい下限は50μm、更に好ましい下限は100μmである。
本発明の放熱フィルムの製造方法では、前記工程(1−3)又は(2−3)において、金属フィルム上又は基板上に展開した熱放射層用分散液から分散媒を除去する。前記工程(1−3)では、該分散媒を除去して成形することにより、積層フィルムが得られる。また、前記工程(2−3)では、分散媒を除去して成形し、得られたフィルムを前記基板上から分離することにより、熱放射層用フィルムが得られる。
前記工程(1−3)又は(2−3)において、金属フィルム上又は基板上に展開した熱放射層用分散液から分散媒を除去する方法としては、種々の固液分離方法、例えば、遠心分離、ろ過、真空乾燥、凍結真空乾燥、加熱蒸発法や、これらの方法の組み合わせが可能である。これらの方法のうち、例えば、加熱蒸発法を用いる場合、金属フィルム上又は基板上に塗布された分散液を、水平を保った状態で、強制送風式オーブンで20〜150℃の温度条件下、好ましくは、30〜120℃の温度条件下で0.5〜24時間程度、好ましくは2〜12時間乾燥することにより、分散媒を除去することができる。
前記工程(2−4)では、前記工程(2−3)で得られた熱放射層用フィルムを伝熱層となる金属フィルムに熱プレスによって密着積層させることにより、積層フィルムが得られる。
前記工程(2−4)において、熱放射層の金属フィルムへの密着性を高める観点から、熱放射層フィルムを金属フィルムに密着積層させる際の熱プレスの温度は、50〜200℃であり、圧力が10〜100kgf/cmであることが好ましい。前記熱プレスの温度は100〜150℃以下であることがより好ましい。
本発明の熱放射層用分散液に耐熱性合成樹脂の前駆体を配合した場合は、前記工程(1−3)又は(2−4)において得られた積層フィルムを、更に電気炉等を使用して加熱する工程を行うことにより、本発明の放熱フィルムを得ることができる。具体的には例えば、耐熱性合成樹脂の前駆体としてポリアミド酸を配合した場合、積層フィルムを得た後、120〜400℃で0.5〜10時間熱処理することにより、熱放射層に耐熱性合成樹脂としてポリイミドを有する放熱フィルムが得られる。
本発明の放熱フィルムは、伝熱と放射による放熱性、電気絶縁性、及び、可撓性に優れ、高い機械的強度を有することから、電子機器に内蔵されるICチップ、又は、LEDから発生する熱を放熱するために好適に用いられる。
本発明の放熱フィルムを用いてなる太陽電池もまた、本発明の1つである。本発明の放熱フィルムは耐湿性、放熱性、及び、電気絶縁性に優れ、高い機械的強度を有するため、本発明の放熱フィルムを用いた本発明の太陽電池は、耐久性、耐候性に優れるものとなる。
本発明の太陽電池の一例を表す断面模式図を図1に示す。
図1に示すように、本発明の太陽電池1は、光起電力により光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池素子2を有しており、該太陽電池素子2は封止剤3によって封止されている。また、本発明の太陽電池1は、太陽光を受ける側の表面に光透過性基板4を有し、光透過性基板4と反対側の面に、本発明の放熱フィルム(伝熱層5と熱放射層6とを積層してなる積層フィルム)を有する。
前記太陽電池素子2としては、光起電力により光エネルギーを電気エネルギーに変換できるものであれば特に限定されず、例えば、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコン、化合物半導体(3−5族、2−6族、その他)等を用いることができ、なかでも、多結晶シリコンが好ましい。
前記封止剤3としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−脂肪族カルボン酸エステル共重合体、あるいはこれらのけん化物等を含む封止剤が挙げられる。
前記光透過性基板4は太陽電池1の太陽光を受ける側の最表層に位置するため、透明性に加え、耐候性、撥水性、耐汚染性、機械強度等に優れることが好ましい。
前記光透過性基板4の材料としては、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体等からなる樹脂製の基板や、ガラス基板等が挙げられ、なかでも、耐候性及び耐衝撃性に優れ、安価に作製することができることからガラス基板が好ましい。また、特に耐侯性が優れることから、フッ素樹脂も好適に用いられる。
本発明の太陽電池1を製造する方法は特に限定されないが、例えば、光透過性基板4、太陽電池素子2が封止された封止剤3、本発明の放熱フィルムの順に重ねて真空ラミネートする方法等が挙げられる。
本発明によれば、赤外線放射による放熱性、電気絶縁性、及び、耐熱性に優れる熱放射層を、伝熱性に優れる金属フィルム上に積層した、高い機械的強度と可撓性を有する放熱フィルムを提供することができる。また、本発明によれば、該放熱フィルムの製造に用いる熱放射層用分散液、該熱放射層用分散液を用いる放熱フィルムの製造方法、及び、該放熱フィルムを用いてなる太陽電池を提供することができる。
本発明の太陽電池の一例を表す断面模式図である。 実施例で作製した放熱フィルムを用いて作製した太陽電池の(a)表面及び(b)裏面の写真である。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1)
(ポリアミド酸ワニスの合成)
撹拌機及び温度計を備えた2L容の反応容器に4,4−ジアミノジフェニルエーテル140.1g(0.70モル)、及び、N−メチル−2−ピロリドン1433.3gを仕込み、30〜40℃で溶解させた。次いで、反応容器に無水ピロメリット酸72.5g(0.33モル)、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物97.8g(0.33モル)を、温度を45〜50℃に保ちながら、40分かけて添加した。同温度で60分間撹拌した後、2.4重量%の無水ピロメリット酸のN−メチル−2−ピロリドン溶液183.3g(0.02モル)を加えて粘度を調整し、4.2重量%の無水フタル酸のN−メチル−2−ピロリドン溶液7.5g(0.002モル)を加えて反応を停止させ、濃度16.3%、粘度6.2Pa・sのポリアミド酸ワニス1933.9gを得た。
(熱放射層用分散液の調製)
タルク(日本タルク社製、「タルクRA」)6.0g、及び、合成したポリアミド酸ワニス24.5g(ポリアミド酸4.0g、N−メチル−2−ピロリドン20.5g)をプラスチック製密閉容器にとり、自転公転ミキサー(シンキー社製、「ARE−310」)で混合モード(2000rpm)を10分間、脱泡モード(2200rpm)を10分間行って撹拌し、不揮発成分全体に対するタルクの割合が60.0重量%、分散液全体に対する不揮発成分の割合が32.8重量%である均一な熱放射層用分散液を得た。
(放熱フィルムの作製)
得られた熱放射層用分散液を、底面が平坦であり、底面の形状が長方形である厚み200μmのアルミフィルムに、溝の深さが200μmのバーコーターを用いて塗布した。アルミを水平に保った状態で強制送風式オーブン中90℃の温度条件で2時間乾燥してアルミフィルム上に熱放射層用フィルムを形成した。この積層フィルムを、順に、120℃で30分、150℃で5分、200℃で5分、250℃で5分、350℃で60分熱処理して、タルクとポリイミド樹脂とからなり、熱放射層全体に対する水不溶性無機化合物(タルク)の含有量が60.0重量%である厚さ49.2μmの熱放射層を有する放熱フィルムを得た。
(実施例2)
「(熱放射層用分散液の調製)」において、タルクの配合量を36.0gとし、N−メチル−2−ピロリドンを更に22.8g添加したこと以外は実施例1と同様にして、不揮発成分全体に対するタルクの割合が90.0重量%、分散液全体に対する不揮発成分の割合が48.0重量%である均一な熱放射層用分散液を得た。
得られた熱放射層用分散液を用い、溝の深さ100μmのバーコーターを用いたこと以外は実施例1と同様にして、タルクとポリイミド樹脂とからなり、熱放射層全体に対する水不溶性無機化合物(タルク)の含有量が90.0重量%である厚さ57.6μmの熱放射層を有する放熱フィルムを得た。
(実施例3)
「(熱放射層用分散液の調製)」において、タルクの配合量を1.7gとしたこと以外は実施例1と同様にして、不揮発成分全体に対するタルクの割合が30.0重量%、分散液全体に対する不揮発成分の割合が21.8重量%である均一な熱放射層用分散液を得た。
得られた熱放射層用分散液を用い、溝の深さ200μmのバーコーターを用いて塗工し、90℃の強制送風式オーブンで30分乾燥し分散媒を除去し、その後、更にその塗工面上に溝の深さ150μmのバーコーターを用いて塗工したこと以外は実施例1と同様にして、タルクとポリイミド樹脂とからなり、熱放射層全体に対する水不溶性無機化合物(タルク)の含有量が30.0重量%である厚さ43.6μmの熱放射層を有する放熱フィルムを得た。
(実施例4)
タルク(日本タルク社製、「タルクRA」)3.0g、石炭灰(相馬環境サービス社製、「クリーンアッシュ」)3.0g、カーボンブラック(三菱化学社製、「MA−100」)0.2g、実施例1で合成したポリアミド酸ワニス24.5g(ポリアミド酸4.0g、N−メチル−2−ピロリドン20.5g)をプラスチック製密閉容器にとり、実施例1の「(熱放射層用分散液の調製)」と同様にして攪拌混合し、不揮発成分全体に対するタルク及び石炭灰、並びに、着色剤(カーボンブラック)の合計の割合が60.8重量%、分散液全体に対する不揮発成分の割合が33.2重量%である均一な熱放射層用分散液を得た。
得られた熱放射層用分散液を用いて、実施例1と同様にして、タルクと、石炭灰と、カーボンブラックと、ポリイミド樹脂とからなり、熱放射層全体に対するタルク及び石炭灰、並びに、着色剤(カーボンブラック)の合計の含有量が60.8重量%である厚さ49.2μmの熱放射層を有する放熱フィルムを得た。
(実施例5)
非膨潤性雲母(ヤマグチマイカ社製、「SJ−010」)6.0g、実施例1で合成したポリアミド酸ワニス24.5g(ポリアミド酸4.0g、N−メチル−2−ピロリドン20.5g)をプラスチック製密閉容器にとり、更に、N−メチル−2−ピロリドン2.8gを添加し、実施例1の「(熱放射層用分散液の調製)」と同様にして攪拌混合し、不揮発成分全体に対する水不溶性無機化合物の割合が60.0重量%、分散液全体に対する不揮発成分の割合が30.0重量%である均一な熱放射層用分散液を得た。
得られた熱放射層用分散液を用いて、実施例1と同様にして、非膨潤性雲母とポリイミド樹脂とからなり、熱放射層全体に対する水不溶性無機化合物(非膨潤性雲母)の含有量が60.0重量%である厚さ45.0μmの熱放射層を有する放熱フィルムを得た。
(比較例1)
不揮発成分全体に対するタルクの割合が60.0重量%、分散液全体に対する不揮発成分の割合が18.0重量%となるように、タルク(日本タルク社製、「タルクRA」)6.0g、実施例1で合成したポリアミド酸ワニス24.5g(ポリアミド酸4.0g、N−メチル−2−ピロリドン20.5g)、及び、N−メチル−2−ピロリドン25.1gをプラスチック製密閉容器にとり、実施例1の「(熱放射層用分散液の調製)」と同様にして撹拌混合したが、静置して数分後にタルクが沈殿し、均一な分散液は得られなかった。
更に実施例1と同様にしてフィルムの作製を試みたが、タルクが沈み均一なフィルムが得られなかった。
(比較例2)
実施例1で合成したポリアミド酸ワニス24.5g(ポリアミド酸4.0g、N−メチル−2−ピロリドン20.5g)をプラスチック製密閉容器にとり、全体量が10.8gになるまで90℃のオーブンに入れ溶媒を蒸発させ、37.0重量%のポリアミド酸N−メチル−2−ピロリドン溶液(ポリアミド酸4.0g、N−メチル−2−ピロリドン6.8g)とした。そこへタルク(日本タルク社製、「タルクMS−K」)9.3gを加え、実施例1の「(熱放射層用分散液の調製)」と同様にして撹拌混合し、不揮発成分全体に対する水不溶性無機化合物(タルク)の含有量が70.0重量%、分散液全体に対する不揮発成分の割合が66.2重量%である均一な熱放射層用分散液を得た。
得られた熱放射層用分散液は、流動性がほとんどなかったため塗布ができず、放熱フィルムを作製することができなかった。
(比較例3)
(ポリアミド酸ワニスの合成)
撹拌機及び温度計を備えた500mL容の反応容器に3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物29.4g(0.10モル)、及び、N,N−ジメチルアセトアミド80.8gを仕込み、室温で溶解させた。次いで、0℃に冷却し、4,4−ジアミノジシクロヘキシルメタン21.0g(0.10モル)、及び、N,N−ジメチルアセトアミド37.0gを混合したものを0〜25℃で2時間かけて添加した。その後、室温で1週間撹拌し、4.2重量%の無水フタル酸のN,N−ジメチルアセトアミド溶液0.7g(0.0002モル)を加えて反応を停止させ、濃度29.8%、粘度10Pa・sのポリアミド酸ワニス168.9gを得た。
(放熱フィルムの作製)
合成したポリアミド酸ワニス30.7g(ポリアミド酸9.1g、N−メチル−2−ピロリドン21.6g)をプラスチック製密閉容器にとり、自転公転ミキサーを用いて脱泡モード(2200rpm)を10分間行って脱泡した。次に、このポリアミック酸ワニスを、ドクターブレードを用いて厚みが250μmとなるように塗布したこと以外は実施例1の「(熱放射層用分散液の調製)」と同様にして、水不溶性無機化合物を含有しない厚さ65.2μmの熱放射層を有する放熱フィルムを得た。
(比較例4)
タルク(日本タルク社製、「タルクRA」)3.0g、石炭灰(相馬環境サービス社製、「クリーンアッシュ」)3.0g、カーボンブラックを2.0g、実施例1で合成したポリアミド酸ワニス24.5g(ポリアミド酸4.0g、N−メチル−2−ピロリドン20.5g)、NMP4.5gをプラスチック製密閉容器にとり、実施例1と同様に攪拌混合し、全不揮発成分に対する水不溶性無機化合物(タルク+石炭灰)と着色剤(カーボンブラック)の割合が66.7重量%、分散液の全体量に対する不揮発成分の割合が32.4重量%である均一な熱放射層用分散液を得た。
得られた熱放射層用分散液を用いて、実施例1と同様にして、タルクとポリイミド樹脂とからなり、全重量に対する水不溶性無機化合物(タルク+石炭灰)と着色剤(カーボンブラック)の割合が66.7重量%である厚さ48.6μmの熱放射層を有する放熱フィルムを得た。
(比較例5)
酸化珪素や酸化アルミニウム等の混合物、及び、バインダーとしてシリコーン樹脂を含有する液体であるセラックα(セラミッション社製)を、伝熱層として底面が平坦であり、底面の形状が長方形である厚み200μmのアルミフィルムに、バーコーターを用いて厚みが50μmとなるように塗布した。アルミを水平に保った状態で強制送風式オーブン中90℃の温度条件で1時間乾燥してアルミ上に熱放射層を形成した。この積層フィルムを、120℃で20分熱処理して、酸化珪素や酸化アルミニウム等の混合物とシリコーン樹脂とからなり、熱放射層全体に対する水不溶性無機化合物(酸化珪素と酸化アルミニウムとの混合物)の含有量が56.0重量%であり、厚さ50.0μmの熱放射層を有する放熱フィルムを得た。
(比較例6)
「(放熱フィルムの作製)」において、伝熱層として、厚み200μmのアルミフィルムに代えて、厚み135μmのグラファイトシート(ジャパンマテックス社製)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、タルクとポリイミド樹脂とからなり、熱放射層全体に対する水不溶性無機化合物(タルク)の含有量が60.0重量%である厚さ49.2μmの熱放射層を有する放熱フィルムを得た。
実施例1〜5、及び、比較例1〜4で調製した熱放射層用分散液の組成、分散液全体に対する不揮発成分の割合、及び、全不揮発成分に対する水不溶性無機化合物の割合を表5に示した。
<評価>
実施例及び比較例で得られた放熱フィルムについて以下の評価を行った。熱放射率、絶縁破壊強さ、付着性、及び、燃焼性の評価は、放熱フィルムの熱放射層のみを作製し行った。
なお、放熱フィルムの作製ができなかった比較例1及び比較例2については以下の評価を行わなかった。
結果を表6に示した。
(熱放射率)
ジャパンセンサー社製の熱放射率測定器「TSS−5X」を用いて熱放射率を測定した。
(絶縁破壊強さ)
ASTM D149に準拠した方法で、日立化成工業社製の絶縁破壊試験器「HAT−300型」を用いて絶縁破壊電圧(kV)を測定し、絶縁破壊強さ(kV/mm)を算出した。
(付着性)
得られた放熱フィルムの熱放射層について、JIS K5600に準拠したクロスカット法試験を行った。熱放射層を単一切り込み工具によって、直角の格子パターン(25マス)に切り込みを入れ、透明付着テープを格子パターンに貼り、60℃に近い角度で、0.5〜1.0秒で確実に引き離し、格子パターン部分での熱放射層の剥離の度合を、1番剥離度合が小さい場合を0とし、表1に従い、目視にて0〜5までの6段階で分類した。
(VTM試験による燃焼性分類)
得られた放熱フィルムの熱放射層について、UL94規格による薄手材料垂直燃焼試験(VTM試験)を行った。
表2に示した各判定基準において、各試験片(長さ約200mm、幅50mm)を5枚使用した。炎の大きさは20mmとした。
なお、接炎時間は3秒間とし、接炎後の残炎時間をそれぞれ測定した。また、火が消えると同時に2回目の接炎を3秒間行って、1回目と同様にして、接炎後の残炎時間をそれぞれ測定した。更に、落下する火種により試験片の下に置いた綿が発火するか否かについても同時に評価した。また、標線は試験片の下端から125mmの位置にあり、標識用綿は試験片の下端から300mm下方に配置した。
VTM試験において、燃焼性分類としては、VTM−0が最高のものであり、VTM−1、VTM−2となるに従って難燃性が低下することを示す。ただし、VTM−0〜VTM−2のランクのいずれにも該当しないものは不合格とした。
(V試験による燃焼性分類)
得られた放熱フィルムの熱放射層について、UL94規格による垂直燃焼試験(V試験)を行った。
表3に示した各判定基準において、各試験片(長さ127mm、幅13mm)を5枚使用した。炎の大きさは20mmとした。
なお、接炎時間は10秒間とし、接炎後の残炎時間をそれぞれ測定した。
また、火が消えると同時に2回目の接炎を10秒間行って、1回目と同様にして、接炎後の残炎時間をそれぞれ測定した。更に、落下する火種により試験片の下に置いた綿が発火するか否かについても同時に評価した。
1回目と2回目の燃焼時間、及び綿の発火の有無等から、UL−94V規格に従って燃焼性分類を判定した。V試験において、燃焼性分類としてはV−0が最高のものであり、V−1、V−2となるに従って難燃性が低下することを示す。ただし、V−0〜V−2のランクのいずれにも該当しないものは不合格とした。
(5V試験による燃焼性分類)
得られた放熱フィルムの熱放射層について、UL94規格による125mm垂直燃焼試験(5V試験)を行った。
表4に示した各判定基準において、試験片(長さ127mm、幅13mm)を使用した。炎の大きさは125mmとした。
なお、接炎時間は5秒間とし、接炎後の残炎時間をそれぞれ測定した。
また、火が消えると同時に2回目の接炎を5秒間行って、1回目と同様にして、接炎後の残炎時間をそれぞれ測定した。これを5回繰り返した。更に、落下する火種により試験片の下に置いた綿が発火するか否かについても同時に評価した。
1回目から5回目の燃焼時間、及び、綿の発火の有無等から、UL−94、5V規格に従って燃焼性分類を判定した。これらを合格するものについて、更に、平板燃焼試験を行った。
平板燃焼試験の評価において、平板試験片(長さ150mm、幅150mm)を使用した。炎の大きさは125mmとした。
なお、接炎時間は5秒間とし、火が消えると同時に2回目の接炎を5秒間行って、これを5回繰り返した。接炎後に平板試験片の穴あきの有無を確認した。穴あきの無いものについて5V−A、穴あきの確認されたものについては5V−Bとして評価した。
(冷却性能)
得られた放熱フィルムについて、以下の方法で冷却性能を評価した。
プラスチック製密閉容器(本体:ポリプロピレン、蓋:ポリエチレン、容器サイズ188mm×225mm、セラミックヒーターから蓋までの距離18mm)の中に、基板(サンハヤト社製、「MODEL ICB−88G」)上に載った2.4cm角、厚み0.5〜1.5mmのセラミックヒーター(ビーアイテクノロジージャパン社製、「BPC10」)(以下、単に「ヒーター」ともいう)を設置した。ヒーター端部に被覆電線を半田付けすることで直流安定化電源(エーアンドデイ社製、「AD−8724D」)とヒーターを接続した。ヒーターのヒートスポット部分(12mm×19mm)には、前記半田付け部分と放熱フィルムとの接触を避けるため、これと同面積のアルミニウムフィルム(厚み1mm)を設置し、また、密閉容器下部には、断熱材として発泡スチロールを設置した。
この状態で直流安定化電源の出力電流を調節し、3Wの電力をヒーターに入力し、データロガーにより平衡状態となった時の温度(発熱温度(A))を計測した。次に、2.4cm角の平板状放熱フィルムを、発熱温度(A)測定時と同様のヒーター上に設置し、平衡状態となった時の温度(フィルム設置温度(B))を計測した。なお、放熱フィルム設置時、ヒーターにシリコーングリス(サンハヤト社製、「SCH−20」)を適量塗布することにより、ヒーターと放熱フィルムとを密着させた。発熱温度(A)とフィルム設置温度(B)との温度差(A−B)を冷却性能として評価した。
なお、放熱フィルムに代えて、厚み200μmのアルミニウムフィルムを用いて同様の操作を行い、冷却性能を評価した。
(耐屈曲性)
得られた放熱フィルムについて、JIS K5600−5−1に準拠した方法で耐屈曲性(円筒形マンドレル法)試験を実施した。試験方法は、1〜10mm径マンドレルを使用し、一つの試験片に対して大きい直径のマンドレルから小さいマンドレルへと順に試験し、放熱フィルムの熱放射層にひび割れが初めて生じるマンドレル直径を示した。1mmのマンドレルでもひび割れの生じなかった熱放射層については評価を1mm以下とした。
(引張強さ)
得られた放熱フィルムについて、JIS K7127−1に準拠して、試験片タイプ5を作製し、卓上形精密万能試験機(島津製作所社製、「AGS−X」)を用い、つかみ具間隔80mm、引張り速度5mm/分の条件で引張り試験を行い、最大引張強度を測定し、引張強さ(N/mm)を求めた。
(水蒸気透過度)
得られた放熱フィルムについて、JIS K―7126 A法(差圧法)に準拠した差圧式のガスクロ法により、GTRテック社製のガス・蒸気透過率測定装置を用いて、40℃、90%RHの条件で水蒸気透過度の測定を行った。
(太陽電池の作製及び性能評価)
6mm幅のタブ線を340℃ではんだ付けすることで、156mm角のc−Si2直ストリングス2枚を繋ぎ、太陽電池セルとした。ガラス板(旭硝子社製、40cm角)の上に封止材EVAシート(サンビック社製、「サンビックFC」、40cm角)を載せ、その上に太陽電池セルを載せた。封止材であるEVAシート2枚で太陽電池セルと同面積の透明テドラーを挟むようにしてセルの上に載せ、最後に、実施例4で作製したフィルムを載せ、スリット部から取付け端子を通し、真空ラミネーターにより135℃、21分で熱圧着した。この熱圧着した板の端部からはみ出したEVAをホットカッターで剥ぎ取り、シーリング材(横浜ゴム社製、「HAMATITE HOTMELT M−155」)を、加熱して溶融させた状態でアルミフレームの溝に充填し、ラミネート板の4辺にはめ込み、ビスでアルミフレームの4隅を取り付け、室温で自然乾燥させた。乾燥後、シーリング材(東レ・ダウコーニング社製、「SH780シーラント」)を用いて、取付け端子部を覆うようにして放熱フィルム上に端子ボックス(オーナンバ社製)を取り付け、室温で自然乾燥させ、取り付け端子を端子ボックスに340℃ではんだ付けした。その後、ポッティング剤(東レ・ダウコーニング社製、「PV−7321」)を30g(ベース剤と硬化剤とを10:1の割合で混ぜ合せたもの)端子ボックスに流し込み自然乾燥させた。約1週間静置させた後に端子ボックスのカバーを取り付け、太陽電池の完成品とした。作製した太陽電池の(a)表面及び(b)裏面の写真を図2に示した。
得られた太陽電池の性能評価を行ったところ、I−V特性評価において、曲線因子(フィルファクタ)の値が0.65〜0.75となり、太陽電池として正常な出力性能を有することを確認した。
本発明によれば、赤外線放射による放熱性、電気絶縁性、及び、耐熱性に優れる熱放射層を、伝熱性に優れる金属フィルム上に積層した、高い機械的強度と可撓性を有する放熱フィルムを提供することができる。また、本発明によれば、該放熱フィルムの製造に用いる熱放射層用分散液、該熱放射層用分散液を用いる放熱フィルムの製造方法、及び、該放熱フィルムを用いてなる太陽電池を提供することができる。
1 太陽電池
2 太陽電池素子
3 封止剤
4 光透過性基板
5 伝熱層
6 熱放射層

Claims (25)

  1. 伝熱層と、該伝熱層に積層された可撓性の熱放射層とを有する放熱フィルムであって、
    前記伝熱層は、金属フィルムであり、
    前記熱放射層は、水不溶性無機化合物と耐熱性合成樹脂とを含有し、前記熱放射層における前記水不溶性無機化合物の含有量が、前記熱放射層全体に対して、30〜90重量%であり、
    前記熱放射層は、熱放射率が0.8以上であり、かつ、絶縁破壊強さが10kV/mm以上であり、
    前記水不溶性無機化合物は、層状ケイ酸塩鉱物、及び、石炭灰からなる群より選択される少なくとも一種を含有する
    ことを特徴とする放熱フィルム。
  2. 熱放射層は、伝熱層の一方の面に積層されており、かつ、伝熱層のもう一方の面には絶縁層が積層されており、
    前記絶縁層は、水不溶性無機化合物と耐熱性合成樹脂とを含有し、前記絶縁層における前記水不溶性無機化合物の含有量が、前記絶縁層全体に対して、30〜90重量%である
    ことを特徴とする請求項1記載の放熱フィルム。
  3. 層状ケイ酸塩鉱物は、非膨潤性粘土鉱物であることを特徴とする請求項1又は2記載の放熱フィルム。
  4. 非膨潤性粘土鉱物は、タルク、カオリン、パイロフィライト、及び、非膨潤性雲母からなる群より選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項記載の放熱フィルム。
  5. 耐熱性合成樹脂は、ポリイミド樹脂又はポリアミドイミド樹脂であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の放熱フィルム。
  6. 熱放射層は、JIS K5600に準拠したクロスカット法試験において、伝熱層として用いる金属フィルムとの付着性分類が0〜2であることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の放熱フィルム。
  7. 熱放射層は、UL94規格VTM試験において燃焼性分類がVTM−0であり、かつ、燃焼性分類がVTM−0となるときの熱放射層の厚みが100μm以下であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の放熱フィルム。
  8. 熱放射層は、厚みが20〜100μmであることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の放熱フィルム。
  9. 伝熱層として用いる金属フィルムは、アルミニウムフィルム又は銅フィルムであることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の放熱フィルム。
  10. 伝熱層は、厚みが10〜1000μmであることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載の放熱フィルム。
  11. 3Wの電力を入力して発熱させた2.4cm角、厚み0.5〜1.5mmのセラミックヒーターの上面に、該セラミックヒーターと同面積で設置した際の冷却温度が15℃以上であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10記載の放熱フィルム。
  12. JIS K5600−5−1(1999)に準拠した円筒形マンドレル法による耐屈曲性試験において、放熱フィルムの熱放射層に割れが生じる際のマンドレル直径が10mm以下であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11記載の放熱フィルム。
  13. 40℃、90%RHの環境下における水蒸気透過度が0.01g/m・day未満であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12記載の放熱フィルム。
  14. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12又は13記載の放熱フィルムの製造に用いる熱放射層用分散液であって、
    分散媒と、不揮発成分である水不溶性無機化合物並びに耐熱性合成樹脂及び/又は耐熱性合成樹脂の前駆体とを含有し、
    前記水不溶性無機化合物の含有量が不揮発成分全体に対して30〜90重量%であり、かつ、不揮発成分の含有量が熱放射層用分散液全体に対して18重量%を超え65重量%以下であり、
    前記水不溶性無機化合物は、層状ケイ酸塩鉱物、及び、石炭灰からなる群より選択される少なくとも一種を含有する
    ことを特徴とする熱放射層用分散液。
  15. 分散媒は、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、及び、スルホランからなる群より選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項14記載の熱放射層用分散液。
  16. 分散媒と、不揮発成分である水不溶性無機化合物並びに耐熱性合成樹脂及び/又は耐熱性合成樹脂の前駆体とを混合して請求項14又は15記載の熱放射層用分散液を調製する工程(1−1)と、
    調製した熱放射層用分散液を、伝熱層となる金属フィルム上に展開して静置する工程(1−2)と、
    金属フィルム上に展開した熱放射層用分散液から分散媒を除去して成形し、積層フィルムを得る工程(1−3)を有することを特徴とする放熱フィルムの製造方法。
  17. 工程(1−2)において、金属フィルム上に展開する分散液の厚みが30μm以上であることを特徴とする請求項16記載の放熱フィルムの製造方法。
  18. 工程(1−3)において、熱放射層用分散液から分散媒を除去する際の温度が20〜150℃であることを特徴とする請求項16又は17記載の放熱フィルムの製造方法。
  19. 分散媒と、不揮発成分である水不溶性無機化合物並びに耐熱性合成樹脂及び/又は耐熱性合成樹脂の前駆体とを混合して請求項14又は15記載の熱放射層用分散液を調製する工程(2−1)と、
    調製した熱放射層用分散液を、基板上に展開して静置する工程(2−2)と、
    前記基板上に展開した熱放射層用分散液から分散媒を除去して成形し、得られたフィルムを前記基板上から分離して熱放射層用フィルムを得る工程(2−3)と、
    前記熱放射層用フィルムを伝熱層となる金属フィルムに熱プレスによって密着積層させ、積層フィルムを得る工程(2−4)を有する
    ことを特徴とする放熱フィルムの製造方法。
  20. 工程(2−2)において、基板上に展開する分散液の厚みが30μm以上であることを特徴とする請求項19記載の放熱フィルムの製造方法。
  21. 工程(2−2)において、基板が、ガラス、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリエチレン、又は、ポリプロピレンからなることを特徴とする請求項19又は20記載の放熱フィルムの製造方法。
  22. 工程(2−3)において、熱放射層用分散液から分散媒を除去する際の温度が20〜150℃であることを特徴とする請求項19、20又は21記載の放熱フィルムの製造方法。
  23. 工程(2−4)において、熱放射層用フィルムを金属フィルムに密着積層させる際の熱プレスの温度が50〜200℃であり、圧力が10〜100kgf/cmであることを特徴とする請求項19、20、21又は22記載の放熱フィルムの製造方法。
  24. 電子機器に内蔵されるICチップ、又は、LEDから発生する熱を放熱するために用いられることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12又は13記載の放熱フィルム。
  25. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12又は13記載の放熱フィルムを用いてなることを特徴とする太陽電池。
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