JP6291895B2 - 赤外線検出器及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、赤外線検出器及びその製造方法に関する。
離れたところから物体の表面温度を測定したり、暗所で物体の動きを観察したりするのに使用される高性能な赤外線検出器として、量子井戸型赤外線検出器(Quantum Well Infrared Photo-detector:QWIP)が開発されている。量子井戸型赤外線検出器は、バンドギャップが相互に異なる2種類以上の半導体層を交互に積み重ねてなる活性層と、活性層を挟んで配置された一対の電極層とを有する。
また、相互に異なる2つの波長の赤外線を同時に検出する赤外線検出器(以下、「2波長赤外線検出器」と呼ぶ)も開発されている。2波長赤外線検出器では、第1の電極層、第1の活性層、中間電極層、第2の活性層及び第2の電極層を下からこの順で積層した構造を有する。第1の活性層と第2の活性層とでは、それぞれ検出対象の赤外線の波長が異なる。
特開2012−69801号公報 特開平9−107121号公報
第1の活性層と第2の活性層との面積が同じであり、より一層の小型且つ高精細化に対応できる赤外線検出器及びその製造方法を提供することを目的とする。
開示の技術の一観点によれば、第1の電極層と、前記第1の電極層の上に配置された第1の活性層と、前記第1の活性層の上に配置された中間電極層と、前記中間電極層の上に配置された第2の活性層と、前記第2の活性層の上に配置された第2の電極層と、前記第2の電極層の上側から前記第1の電極層の上側の面に到達、上から見たときに第1の方向に延びる第1の分離溝と、前記第2の電極層の上側から前記中間電極層の上側の面に到達、前記第1の方向に交差する第2の方向に延びる第2の分離溝と、前記第1の電極層の下側から前記中間電極層の下側の面に到達、前記第2の方向に延びる第3の分離溝とを有し、前記第1の電極層、前記第1の活性層、前記中間電極層、前記第2の活性層及び前記第2の電極層により構成され、前記第1の分離溝、前記第2の分離溝及び前記第3の分離溝により相互に分離された複数の画素が、前記第1の方向及び前記第2の方向に配列している赤外線検出器が提供される。
開示の技術の他の一観点によれば、第1の基板の上に、第1の電極層、第1の活性層、中間電極層、第2の活性層及び第2の電極層を順次形成する工程と、前記第2の電極層の上側から前記第1の電極層の上側の面に到達し、上から見たときに第1の方向に延びる第1の分離溝と、前記第2の電極層の上側から前記中間電極層の上側の面に到達し、前記第1の方向に交差する第2の方向に延びる第2の分離溝とを形成する工程と、前記第1の基板を除去して前記第1の電極層を露出させる工程と、前記第1の電極層の表面から前記中間電極層の下側の面に到達し、前記第2の方向に延びる第3の分離溝を形成する工程とを有し、前記第1の電極層、前記第1の活性層、前記中間電極層、前記第2の活性層及び前記第2の電極層により構成され、前記第1の分離溝、前記第2の分離溝及び前記第3の分離溝により相互に分離された複数の画素が、前記第1の方向及び前記第2の方向に配列している赤外線検出器の製造方法が提供される。
上記一観点に係る赤外線検出器は、第1の活性層と第2の活性層との面積が同じであり、より一層の小型且つ高精細化に対応できる。また、上記一観点に係る赤外線検出器の製造方法によれば、第1の活性層と第2の活性層との面積が同じであり、より一層の小型且つ高精細化に対応できる赤外線検出器を製造できる。
図1は、量子井戸型の2波長赤外線検出器の一例を示す模式断面図である。 図2は、量子井戸型の2波長赤外線検出器の他の例を示す模式断面図である。 図3(a)は実施形態に係る赤外線検出器の一例を示す上面図であり、図3(b)は同じくその下面図である。 図4(a)は図3(a)のI−I線による断面図であり、図4(b)は図3(a)のII−II線による断面図である、 図5は、実施形態に係る赤外線検出器の駆動方法を示す図である。 図6は、2行2列目の画素の遠赤外線検出部から信号を取り出すときの各スイッチの状態を示す図である。 図7は、2行2列目の画素の中赤外線検出部から信号を取り出すときの各スイッチの状態を示す図である。 図8は、実施形態に係る赤外線検出器の製造方法を示す図(その1)である。 図9は、実施形態に係る赤外線検出器の製造方法を示す図(その2)である。 図10は、実施形態に係る赤外線検出器の製造方法を示す図(その3)である。 図11は、実施形態に係る赤外線検出器の製造方法を示す図(その4)である。 図12は、実施形態に係る赤外線検出器の製造方法を示す図(その5)である。 図13は、実施形態に係る赤外線検出器の製造方法を示す図(その6)である。
以下、実施形態について説明する前に、実施形態の理解を容易にするための予備的事項について説明する。
図1は、量子井戸型の2波長赤外線検出器の一例を示す模式断面図である。
この図1に示す赤外線検出器10は、ノンドープのGaAs基板11の上に下部電極層12、下部活性層13、中間電極層14、上部活性層15及び上部電極層16を下からこの順で積層した構造を有する。光(赤外線)は、GaAs基板11側から赤外線検出器10内に入射する。
下部電極層12、中間電極層14及び上部電極層16は、いずれもn型GaAsにより形成されている。また、下部活性層13及び上部活性層16は、いずれもバンドギャップが相互に異なる2種類以上の半導体層を交互に積み重ねた構造を有する。
上部電極層16の上にはグレーティングカプラ17及び金属膜18が形成されている。量子井戸型赤外線検出器では、活性層13,15に垂直に入射した赤外線を検知することができない。そのため、グレーティングカプラ17及び金属膜18により活性層13,15に垂直に入射した赤外線を斜め方向に散乱させて、活性層13,15に平行な成分を増加させている。
図1では赤外線検出器の1画素分を示しているが、実際の赤外線検出器では、多数の画素が2次元方向に配列しており、各画素は溝により分割されている。各画素の上面及び側面は絶縁膜19に覆われており、絶縁膜19の上には信号処理回路(Readout Integrated Circuit:ROIC)と接続するためのバンプ電極が配置されている。
図1に示す2波長赤外線検出器10では、1画素毎に3個のバンプ電極21a,21b,21cが設けられている。バンプ電極21aは引出電極22a及び絶縁膜19に設けられた開口部を介して下部電極層12に電気的に接続されており、バンプ電極21bは引出電極22b及び絶縁膜19に設けられた開口部を介して中間電極層14に電気的に接続されている。また、バンプ電極21cは、絶縁膜19に形成された開口部を介して金属膜18及び上部電極層16に電気的に接続されている。
近年、各種電気機器の小型化及び高性能化が促進されており、それに伴って小型且つ高精細な赤外線検出器が要望されている。しかし、図1に例示した赤外線検出器10では、画素毎に3個のバンプ電極21a,21b,21cが必要であり、小型化しつつ高精細化することは困難である。
図2は、量子井戸型の2波長赤外線検出器の他の例を示す模式断面図である。図2において、図1と同一物には同一符号を付している。
この量子井戸型赤外線検出器20では、下部電極層12が各画素共通となっている。また、各画素の上部電極層16も、配線22cにより相互に電気的に接続されている。これにより、図1のバンプ電極21a,21cを不要としており、図1の量子井戸型赤外線検出器10に比べて小型且つ高精細化を可能としている。
しかしながら、図1,図2の2波長赤外線検出器10,20では、いずれも中間電極層14とバンプ電極21bとを電気的に接続する引出電極22bを形成する必要上、上部活性層15の一部を切り欠いている。そのため、上部活性層15の面積(上から見たときの面積:以下同じ)は下部活性層13の面積よりも小さく、下部活性層13に比べて上部活性層15の感度が低くなっている。また、切り欠きのために、上部活性層15の面内感度分布も悪くなる。
画素のサイズが大きいときには、下部活性層13と上部活性層15との面積の差は大きな問題とはならない。しかし、画素のサイズが小さくなると、下部活性層13では感度が十分であるものの、上部活性層15では感度が不足してしまうということがある。
以下の実施形態では、下部活性層と上部活性層との面積が同じであり、より一層の小型且つ高精細化に対応できる赤外線検出器及びその製造方法について説明する。
(実施形態)
図3(a)は実施形態に係る赤外線検出器の一例を示す上面図であり、図3(b)は同じくその下面図である。また、図4(a)は図3(a)のI−I線による断面図であり、図4(b)は図3(a)のII−II線による断面図である、なお、本実施形態では、量子井戸型の2波長赤外線検出器に適用した例を示している。
図4(a),(b)に示すように、本実施形態に係る赤外線検出器30は、下部電極層31と、下部活性層32と、中間電極層33と、上部活性層34と、上部電極層35とを、下からこの順で積層した構造を有する。光(赤外線)は、下部電極層31側から赤外線検出器30内に入射する。下部電極層31及び上部電極層35はそれぞれ第1の電極層及び第2の電極層の一例であり、下部活性層32及び上部活性層34はそれぞれ第1の活性層及び第2の活性層の一例である。
下部電極層31、中間電極層33及び上部電極層35は、いずれもn型GaAsにより形成されている。また、下部活性層32及び上部活性層34は、いずれもバンドギャップが相互に異なる2種類以上の半導体層を交互に積み重ねてなる量子井戸構造を有する。
図3(a),(b)に示すように、各画素40は、X方向に延びる分離溝41aと、Y方向に伸びる分離溝41b,41cとにより分割されている。
分離溝41aは上部電極層35の上側から下部電極層31の上側の面に到達するように形成されており、分離溝41bは上部電極層35の上側から中間電極層33の上側の面に到達するように形成されている。また、分離溝41cは下部電極層31の下側から中間電極層33の下側の面に到達するように形成されている。
下部電極層31はY方向に延びる帯状に形成されており、X方向に一定のピッチで配列している。各下部電極層31は、Y方向に並んだ複数の画素40に共通の電極となっている。下部電極層31間は、分離溝41cにより分離されている。
下部活性層32は、前述したように下部電極層31の上に配置されている。この下部活性層32は、分離溝41aと分離溝41cとにより画素40毎に分割されている。
中間電極層33は、下部活性層32の上に配置されている。この中間電極層33は、X方向に延びる帯状に形成されており、Y方向に一定のピッチで配列している。各中間電極層33は、X方向に並んだ複数の画素40に共通の電極となっている。中間電極層33間は、分離溝41aにより分離されている。
上部活性層34は、中間電極層33の上に配置されている。この上部活性層34も、分離溝41aと分離溝41bとにより画素40毎に分割されている。
上部電極層35は、上部活性層34の上に配置されている。この上部電極層35も、上部活性層34と同様に、分離溝41a,41bにより画素40毎に分割されている。
上部電極層35の上にはグレーティングカプラ36及び金属膜37が形成されている。そして、金属膜37の上側、並びに分離溝41a,41bの側壁面及び底面は、絶縁膜38により覆われている。
絶縁膜38の上には、バンプ電極39が配置されている。このバンプ電極39は、絶縁膜38に形成された開口部を介して金属膜37及び上部電極層35に電気的に接続されている。
以下、本実施形態に係る赤外線検出器30の駆動方法について、図5を参照して説明する。なお、図5において、破線よりも外側は信号処理回路(ROIC)を示している。
本実施形態に係る赤外線検出器30では、各画素40に、波長が2.5μm〜5μm程度の中赤外線を検出する中赤外線検出部と、波長が8μm〜12μm程度の遠赤外線を検出する遠赤外線検出部とを有する。中赤外線検出部は、下部活性層32と中間電極層33及び下部電極層31とにより構成される。また、遠赤外線検出部は、上部活性層34と中間電極層33及び上部電極層35とにより構成される。
図5では、中赤外線検出部をMWxy(x,yは画素の位置(行、列)を示す数字)で表わし、遠赤外線検出部をLWxyで表わしている。また、2行2列目の画素40のみ、中赤外線検出部MW22と遠赤外線検出部LW22とを一点鎖線で囲んでいる。
図5に示すように、y番目の列の各画素40の下部電極層31は、信号処理回路のスイッチSWByに接続される。また、x番目の行の各画素40の中間電極層33は、信号処理回路のスイッチSWMxに接続される。更に、xyの位置の画素40の上部電極層35は、信号処理回路のスイッチSWxyに接続される。
スイッチSWByは端子Byに接続されている。信号処理回路は、中赤外線検出部MWxyから信号を取り出すときに、スイッチSWByを介してy番目の列の画素40の下部電極層31にバイアス電圧を供給する。
スイッチSWxyは、信号処理回路の端子Txyに接続されている。信号処理回路は、遠赤外線検出部LWxyから信号を取り出すときに、スイッチTxyを介してxyの位置の画素40の上部電極層35にバイアス電圧を供給する。
スイッチSWMxは端子Mxに接続されている。中赤外線検出部MWxy又は遠赤外線検出部LWxyから信号を取り出すときには、この端子Mxから信号処理回路の信号処理部内に信号が取り込まれる。
なお、図5に示す例において、端子Mxと接地との間のCxは、信号を蓄積するための蓄積容量である。信号処理回路は、蓄積容量Cxの電圧を読み取って信号処理(画像化処理)を行う。
図6は、2行2列目の画素40の遠赤外線検出部LW22から信号を取り出すときの各スイッチの状態を示す図である。
この図6に示すように、遠赤外線検出部LW22から信号を取り出すときには、スイッチSW22をオンとし、他のスイッチSWxyをオフとする。また、SWM2をオンとし、他のスイッチSWMxをオフとする。更に、スイッチSWByを全てオフとする。更にまた、端子T22からスイッチSW22を介して、2行2列目の画素40の上部電極層35にバイアス電圧を供給する。
これにより、遠赤外線検出部LW22から端子M2に、遠赤外線検出部LW22で検出した遠赤外線の強度に応じた信号が出力される。
図7は、2行2列目の画素40の中赤外線検出部MW22から信号を取り出すときの各スイッチの状態を示す図である。
この図7に示すように、中赤外線検出部MW2から信号を取り出すときには、スイッチSWxyを全てオフにする。また、スイッチSWM2をオンにし、他のスイッチSWMxをオフにする。更に、スイッチSWB2をオンとし、他のスイッチSWByはオフとする。更にまた、端子B2からスイッチSWB2を介して、2列目の画素40の下部電極層31にバイアス電圧を供給する。
これにより、中赤外線検出部MW22から端子M2に、中赤外線検出部MW22で検出した中赤外線の強度に応じた信号が出力される。
このように、本実施形態に係る赤外線検出器30では、信号処理回路(ROIC)内の各スイッチを適宜オン−オフすることにより、任意の画素40の中赤外線検出部及び遠赤外線検出部から信号を取り出すことができる。
以下、本実施形態に係る赤外線検出器30の感度について、図1の赤外線検出器10と比較して説明する。
ここでは、1画素のサイズ(上から見たときのサイズ)を20μm×20μmとする。また、図1の赤外線検出器10では、引出電極22bを形成するために、上から見たときに5μm×5μmの大きさの切り欠きを上部電極層15に形成しているものとする。
そうすると、本実施形態の赤外線検出器30では上部活性層34の面積が400μm2であるのに対し、図1に示す赤外線検出器10では上部活性層15の面積が375μm2となる。すなわち、本実施形態の赤外線検出器30は、図1に示す赤外線検出器10に対し上部活性層の面積が約7%拡大している。従って、本実施形態の赤外線検出器30は、図1に示す赤外線検出器10に比べて、感度が約7%高いということができる。
また、本実施形態に係る赤外線検出器30では、図1に示す赤外線検出器10と異なり、上部活性層34に切り欠きを設けていない。このため、上部活性層34の面内感度分布は良好である。
なお、実際には、溝や切り欠きを形成する際に活性層がダメージを受けるため、溝や切り欠きの近傍に赤外線を検知できない領域が発生する。このため、本実施形態に係る赤外線検出器30と図1に示す赤外線検出器10との感度の差は、上記の値よりも大きくなると考えられる。
以下、本実施形態に係る赤外線検出器30の製造方法について説明する。図8〜図13は、本実施形態に係る赤外線検出器30の製造方法を工程順に示す図である。
まず、図8に示す構造を得るまでの工程を説明する。
ノンドープのGaAs基板51を用意し、このGaAs基板51の上に、下部電極層31、下部活性層32、中間電極層33、上部活性層34、上部電極層45、及びグレーティングカプラ層52を順次形成する。これらの下部電極層31、下部活性層32、中間電極層33、上部活性層34、上部電極層45、及びグレーティングカプラ層52は、分子線エピタキシー法(MBE)又は有機金属気相成長(OMVPE)法等により形成することができる。GaAs基板51は第1の基板の一例である。
下部電極層31、中間電極層33及び上部電極層35は、例えばSiを1×1018cm-3以上の濃度でドーピングしたn型GaAsにより形成する。また、下部活性層32は、AlGaAsとGaAsとを交互に例えば10層〜50層程度ずつ積層して形成する。このとき、各層の厚さとAlGaAsAlの組成とにより、下部活性層32の感度波長が決定される。
上部活性層34は、InGaAsとGaAsとAlGaAsとを交互に例えば10層〜50層程度ずつ積層して形成する。各層の厚さとInGaAs及びAlGaAsの組成により、上部活性層34の感度波長が決定される。必要に応じて、InGaAs層にSiをドーピングしてもよい。
下部電極層31の厚さは例えば1.5μmとし、下部活性層32の厚さは例えば0.3μm〜2.0μmとする。また、中間電極層33の厚さは例えば1.5μmとし、上部活性層34の厚さは例えば0.3μm〜2.0μmとする。更に、上部電極層35の厚さは例えば0.5μm〜1.5μmとし、グレーティングカプラ層52の厚さは例えば0.5μm〜1.0μmとする。
次に、図9に示す構造を得るまでの工程について説明する。
上述の工程でグレーティングカプラ層52を形成した後、フォトリソグラフィ法により、グレーティングカプラ層52の上に所定のパターンのレジスト膜(図示せず)を形成する。そして、このレジスト膜をマスクとしてグレーティングカプラ層52をエッチングして、グレーティングカプラ36を形成する。エッチングは、塩素又はアルゴン等のガスを用いたドライエッチングにより行ってもよく、リン酸を主成分とする薬液を用いたウェットエッチングにより行ってもよい。
次に、真空蒸着法又は真空スパッタ法等を使用して、GaAs基板51の上側全面にAu等の金属膜37を形成する。そして、フォトリソグラフィ法により金属膜37上に所定のパターンが設けられたレジスト膜(図示せず)を形成し、このレジスト膜をマスクとして金属膜37をエッチングする。このエッチングにより、金属膜37は各画素領域毎に分割される。金属膜37のエッチングが終了した後、レジスト膜は除去する。
次に、図10(a),(b)に示す構造を得るまでの工程について説明する。なお、図10(a)は図4(a)に対応する位置の断面を示し、図10(b)は図4(b)に対応する位置の断面を示している。
上述の工程で金属膜37を形成した後、フォトリソグラフィ法及びエッチング法を使用して、分離溝41a,41bを形成する。分離溝41aを形成する際には、GaAs基板51の上側全面に感光性のレジスト膜(図示せず)を形成した後、露光及び現像処理を実施して、分離溝41aに対応する部分に開口部を形成する。そして、このレジスト膜をマスクとして上部電極層35、上部活性層34、中間電極層33及び下部活性層32を順次エッチングする。エッチングは、例えば塩素又はアルゴン等のガスを用いたドライエッチングで行ってもよく、リン酸を主成分とする薬液を用いたウェットエッチングにより行ってもよい。分離溝41aを形成後、レジスト膜は除去する。
また、分離溝41bを形成する際には、GaAs基板51の上側全面に感光性のレジスト膜(図示せず)を形成した後、露光及び現像処理を実施して、分離溝41bに対応する部分に開口部を形成する。そして、このレジスト膜をマスクとして、上部電極層35及び上部活性層34を順次エッチングする。分離溝41bを形成後、レジスト膜は除去する。
このようにして分離溝41a,41bを形成した後、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法等を使用して、GaAs基板51の上側全面に絶縁膜38としてSiON膜を0.2μm〜0.5μmの厚さに形成する。この絶縁膜38により、金属膜37の上と、分離溝41a,41bの壁面及び底面とが覆われる。
次に、図11(a),(b)に示す構造を得るまでの工程について説明する。なお、図11(a)は図4(a)に対応する位置の断面を示し、図11(b)は図4(b)に対応する位置の断面を示している。
上述の工程で絶縁膜38を形成した後、絶縁膜38の上に、バンプ電極39に対応する位置に開口部が設けられたレジスト膜(図示せず)を形成する。そして、このレジスト膜をマスクとして絶縁膜38をエッチングして、金属膜37が露出するコンタクト穴を形成する。その後、レジスト膜を除去する。
次に、絶縁膜38の上に所定のパターンの開口部が設けられたマスク(図示せず)を配置し、GaAs基板51の上側からIn(インジウム)を真空蒸着又はスパッタリングして、バンプ電極39を形成する。バンプ電極39を形成した後、レジスト膜をその上に付着したInとともに除去する。
次に、図12(a),(b)に示す構造を得るまでの工程について説明する。なお、図12(a)は図4(a)に対応する位置の断面を示し、図12(b)は図4(b)に対応する位置の断面を示している。
上述の工程でバンプ電極39を形成した後、ダイシング装置を使用してGaAs基板51及びその上の構造物をチップ毎に分割する。以下、チップ毎に分割したGaAs基板51及びその上の構造物を、センサチップ50と呼ぶ。
一方、公知の半導体製造技術を使用して、信号処理回路(ROIC)55を形成する。信号処理回路55の上には、センサチップ50と接合するためのバンプ電極(図示せず)を形成する。信号処理回路55は第2の基板の一例である。
その後、信号処理回路55上に、センサチップ50をフリップチップボンディングする。このとき、センサチップ50は、バンプ電極39が形成された面を下にする。このフリップチップボンディングでは、センサチップ50側のバンプ電極39とシリコン基板55側のバンプ電極とが溶融して一体化する。図12(a),(b)では、一体化した後のバンプ電極も、符号39で示している。
次に、図13(a),(b)に示す構造を得るまでの工程について説明する。なお、図13(a)は図4(a)に対応する位置の断面を示し、図13(b)は図4(b)に対応する位置の断面を示している。
上述の工程で信号処理回路55上にセンサチップ50をボンディングした後、GaAs基板51をエッチング除去して、下部電極層31を露出させる。エッチングは、例えば塩素又はアルゴン等のガスを用いたドライエッチングで行ってもよく、リン酸を主成分とする薬液を用いたウェットエッチングにより行ってもよい。
次いで、下部電極層31の上に、分離溝41cに対応する部分に開口部が設けられたレジスト膜(図示せず)を形成する。そして、このレジスト膜をマスクとして下部電極層31及び下部活性層32をエッチングし、中間電極層33に到達する分離溝41cを形成する。分離溝41cを形成後、レジスト膜を除去する。このようにして、本実施形態に係る赤外線検出器30が完成する。
なお、上述した方法ではエッチングにより分離溝41a,41b,41cを形成しているが、レーザ加工により分離溝41a,41b,41cを形成してもよい。
また、上述した方法では信号処理回路55上にセンサチップ50をボンディングした後にセンサチップ50に分離溝41cを形成している。しかし、センサチップ50に分離溝41cを形成した後にセンサチップ50を信号処理回路55上にボンディングしてもよい。但し、ボンディング時にセンサチップ50が破損するおそれを回避するために、信号処理回路55上にセンサチップ50をボンディングした後に分離溝41cを形成することが好ましい。
更に、上述した実施形態では下部活性層31及び上部活性層34が量子井戸構造を有する量子井戸型赤外線検出器について説明している。しかし、開示した技術は、下部活性層31及び上部活性層34が量子ドット構造を有する量子ドット型赤外線検出器に適用することもできる。
以上の諸実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)第1の電極層と、
前記第1の電極層の上に配置された第1の活性層と、
前記第1の活性層の上に配置された中間電極層と、
前記中間電極層の上に配置された第2の活性層と、
前記第2の活性層の上に配置された第2の電極層と、
前記第2の電極層の上側から前記第1の電極層に到達する深さで形成され、上から見たときに第1の方向に延びる第1の分離溝と、
前記第2の電極層の上側から前記中間電極層に到達する深さで形成され、前記第1の方向に交差する第2の方向に延びる第2の分離溝と、
前記第1の電極層の下側から前記中間電極層に到達する深さで形成され、前記第2の方向に延びる第3の分離溝と
を有することを特徴とする赤外線検出器。
(付記2)前記第1の活性層及び前記第2の活性層は量子井戸構造又は量子ドット構造を有することを特徴とする付記1に記載の赤外線検出器。
(付記3)前記第1の電極層、前記第1の活性層、前記中間電極層、前記第2の活性層及び前記第2の電極層により構成され、前記第1の分離溝、前記第2の分離溝及び前記第3の分離溝により相互に分離された複数の画素が、前記第1の方向及び前記第2の方向に配列していることを特徴とする付記1又は2に記載の赤外線検出器。
(付記4)1個の前記画素の上にはバンプ電極が1個だけ設けられており、前記バンプ電極は前記第2の電極層と電気的に接続されていることを特徴とする付記3に記載の赤外線検出器。
(付記5)更に、電子回路が設けられた半導体基板を有し、前記半導体基板と前記バンプ電極とが接続されていることを特徴とする付記4に記載の赤外線検出器。
(付記6)前記第1の活性層で検知する赤外線の波長と前記第2の活性層で検知する赤外線の波長とが異なることを特徴とする付記1乃至5のいずれか1項に記載の赤外線検出器。
(付記7)第1の基板の上に、第1の電極層、第1の活性層、中間電極層、第2の活性層及び第2の電極層を順次形成する工程と、
前記第2の電極層の上側から前記第1の電極層に到達し、上から見たときに第1の方向に延びる第1の分離溝と、前記第2の電極層の上側から前記中間電極層に到達し、前記第1の方向に交差する第2の方向に延びる第2の分離溝とを形成する工程と、
前記第1の基板を除去して前記第1の電極層を露出させる工程と、
前記第1の電極層の表面から前記中間電極層に到達し、前記第2の方向に延びる第3の分離溝を形成する工程と
を有することを特徴とする赤外線検出器の製造方法。
(付記8)前記第1の活性層及び前記第2の活性層は量子井戸構造又は量子ドット構造を有することを特徴とする付記7に記載の赤外線検出器の製造方法。
(付記9)前記第2の分離溝を形成する工程と前記第1の基板を除去する工程との間に、前記第1の分離溝及び前記第2の分離溝の壁面を覆う絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜の上側にバンプ電極を形成する工程とを有することを特徴とする付記7又は8に記載の赤外線検出器の製造方法。
(付記10)更に、電子回路が設けられた第2の基板の上に、前記第1の基板を前記バンプ電極が設けられた面を下側にして接合する工程を有し、その後前記第1の基板を除去する工程を実施することを特徴とする付記9に記載の赤外線検出器の製造方法。
10,20,30…赤外線検出器、11,51…GaAs基板、12,31…下部電極層、13,32…下部活性層、14,33…中間電極層、15,34…上部活性層、16,35…上部電極層、17,36…グレーティングカプラ、18,37…金属膜、19,38…絶縁膜、21a,21b,21c,39…バンプ電極、40…画素、41a,41b,41c…分離溝、50…センサチップ、52…グレーティングカプラ層、55…シリコン基板。

Claims (5)

  1. 第1の電極層と、
    前記第1の電極層の上に配置された第1の活性層と、
    前記第1の活性層の上に配置された中間電極層と、
    前記中間電極層の上に配置された第2の活性層と、
    前記第2の活性層の上に配置された第2の電極層と、
    前記第2の電極層の上側から前記第1の電極層の上側の面に到達、上から見たときに第1の方向に延びる第1の分離溝と、
    前記第2の電極層の上側から前記中間電極層の上側の面に到達、前記第1の方向に交差する第2の方向に延びる第2の分離溝と、
    前記第1の電極層の下側から前記中間電極層の下側の面に到達、前記第2の方向に延びる第3の分離溝とを有し、
    前記第1の電極層、前記第1の活性層、前記中間電極層、前記第2の活性層及び前記第2の電極層により構成され、前記第1の分離溝、前記第2の分離溝及び前記第3の分離溝により相互に分離された複数の画素が、前記第1の方向及び前記第2の方向に配列していることを特徴とする赤外線検出器。
  2. 前記第1の活性層及び前記第2の活性層は量子井戸構造又は量子ドット構造を有することを特徴とする請求項1に記載の赤外線検出器。
  3. 1個の前記画素の上にはバンプ電極が1個だけ設けられており、前記バンプ電極は前記第2の電極層と電気的に接続されていることを特徴とする請求項に記載の赤外線検出器。
  4. 更に、電子回路が設けられた半導体基板を有し、前記半導体基板と前記バンプ電極とが接続されていることを特徴とする請求項に記載の赤外線検出器。
  5. 第1の基板の上に、第1の電極層、第1の活性層、中間電極層、第2の活性層及び第2の電極層を順次形成する工程と、
    前記第2の電極層の上側から前記第1の電極層の上側の面に到達し、上から見たときに第1の方向に延びる第1の分離溝と、前記第2の電極層の上側から前記中間電極層の上側の面に到達し、前記第1の方向に交差する第2の方向に延びる第2の分離溝とを形成する工程と、
    前記第1の基板を除去して前記第1の電極層を露出させる工程と、
    前記第1の電極層の表面から前記中間電極層の下側の面に到達し、前記第2の方向に延びる第3の分離溝を形成する工程とを有し、
    前記第1の電極層、前記第1の活性層、前記中間電極層、前記第2の活性層及び前記第2の電極層により構成され、前記第1の分離溝、前記第2の分離溝及び前記第3の分離溝により相互に分離された複数の画素が、前記第1の方向及び前記第2の方向に配列していることを特徴とする赤外線検出器の製造方法。
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