JP5853454B2 - 赤外線検知器及び赤外線検知器の製造方法 - Google Patents

赤外線検知器及び赤外線検知器の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、赤外線検知器及び赤外線検知器の製造方法に関するものである。
赤外線イメージセンサ等の赤外線検知器は、夜間の侵入者監視等をするため、また、火災等の発熱の監視等を行なうため、幅広く用いられている。このような赤外線検知器は、対象から発せされる赤外線を検出するものであるが、高性能な赤外線センサとして2波長を同時に検出することのできる赤外線センサがある。また、このような赤外線イメージセンサは、小型化や高画質化の観点から、画素ピッチを狭くすることにより、画素の高密度化が求められている。
米国特許第5149956号明細書 特表2002−503877号公報 特許第3776266号公報
図1に基づき、従来からある2波長検出可能な赤外線イメージセンサについて説明する。この2波長赤外線イメージセンサは、高抵抗なGaAs基板910上に、第1のコンタクト層921、第1の赤外光吸収層922、共通コンタクト層923、第2の赤外光吸収層924、第2のコンタクト層925等が積層されている。このような構造の2波長検出可能な赤外線イメージセンサとしては、各々の画素に入射した光を効率よく吸収させるため多重反射を用いたQWIP(Quantum Well Infrared Photodetector:量子井戸型赤外線検知器)がある。QWIPでは、多重反射をさせるための不図示の回折格子等が第2のコンタクト層925の表面に形成されており、形成された半導体層を画素ごとに分離する画素分離溝930が形成されている。この画素分離溝930は、隣接する画素間の光学的なクロストーク及び電気的なクロストークを防ぐことができるため、QWIPでは必要不可欠なものである。尚、QWIPでは、第1の赤外光吸収層922及び第2の赤外光吸収層924は、MQW(Multiple Quantum Well:多重量子井戸)を有する量子井戸層により形成されている。
また、各々の画素には、第1のコンタクト穴931と第2のコンタクト穴932が設けられており、第2のコンタクト層925上には、不図示の絶縁膜等を介しIn等により形成されたバンプ941、942、943が設けられている。バンプ941は、第1のコンタクト穴931に形成された配線951により、共通コンタクト層923上に設けられたオーミック電極961を介し、共通コンタクト層923と接続されている。バンプ943は、第2のコンタクト穴932に形成された配線953により第1のコンタクト層921上に設けられたオーミック電極963を介し、第1のコンタクト層921と接続されている。また、バンプ942は、第2のコンタクト層925上に形成されている不図示の絶縁膜の開口部に形成されたオーミック電極962を介し、第2のコンタクト層925と接続されている。
このため、図1に示す構造の2波長赤外線イメージセンサでは、1つの画素あたり2つの穴、即ち、第1のコンタクト穴931及び第2のコンタクト穴932を設ける必要がある。尚、第1の赤外光吸収層922において検出された赤外線の信号は、バンプ941とバンプ943との間で検出され、第2の赤外光吸収層924において検出された赤外線の信号は、バンプ941とバンプ942との間で検出される。よって、2波長の画像を同時に検出することができる。
ところで、2波長赤外線イメージセンサにおいては、画素数の増加に応じてチップあたりの面積が増加すると、コストアップとなってしまうため、1画素あたりの画素ピッチを狭くする必要がある。しかしながら、第1のコンタクト穴931及び第2のコンタクト穴932の大きさを小さくするには限界があり、画素ピッチを狭めると、1画素あたりの画素面積が画素ピッチを狭めた以上に狭くなり、赤外線に対する感度が低下してしまう。このため、2波長赤外線イメージセンサにおける特性が低下してしまう。
即ち、1画素あたりの画素ピッチPを40μmとし、画素分離溝930の幅を2μmとし、第1のコンタクト穴931及び第2のコンタクト穴932の一辺を7μmの略正方形とした場合、画素面積におけるコンタクト穴の比率は約7%である。この場合、全体における画素面積は84.1%である。これに対し、1画素あたりの画素ピッチPを20μmとし、画素分離溝930の幅を2μmとし、第1のコンタクト穴931及び第2のコンタクト穴932の一辺が7μmの略正方形とした場合、画素面積におけるコンタクト穴の比率は約30%である。この場合、全体における画素面積は56.5%である。このため、画素ピッチPを狭くすると、それ以上に画素面積が狭くなり、赤外線に対する感度が低下してしまい、2波長赤外線イメージセンサの特定が低下してしまう。
よって、画素面積をあまり狭くすることなく、画素ピッチを狭くすることのできる構造の赤外線検知器及び赤外線検知器の製造方法が求められている。
本実施の形態の一観点によれば、共通コンタクト層の一方の面に積層形成された第1の赤外光吸収層及び第1のコンタクト層と、前記共通コンタクト層の他方の面に積層形成された第2の赤外光吸収層及び第2のコンタクト層と、前記第2の赤外光吸収層及び前記第2のコンタクト層を分離する上側画素分離溝と、前記共通コンタクト層を挟んで前記上側画素分離溝の前記共通コンタクト層の一方の面に設けられ、前記第1の赤外光吸収層及び前記第1のコンタクト層を分離する下側画素分離溝と、前記上側画素分離溝及び前記下側画素分離溝により分離された各々の画素ごとに、前記第2のコンタクト層、前記第2の赤外光吸収層、前記共通コンタクト層、前記第1の赤外光吸収層を除去した状態で形成されたコンタクト穴と、を有し、前記各々の画素の間には、前記共通コンタクト層が存在することを特徴とする。
また、本実施の形態の他の一観点によれば、共通コンタクト層の一方の面に積層形成された第1の赤外光吸収層及び第1のコンタクト層と、前記共通コンタクト層の他方の面に積層形成された第2の赤外光吸収層及び第2のコンタクト層と、前記第2の赤外光吸収層及び前記第2のコンタクト層を分離する上側画素分離溝と、前記共通コンタクト層を挟んで前記上側画素分離溝の前記共通コンタクト層の一方の面に設けられ、前記第1の赤外光吸収層及び前記第1のコンタクト層を分離する誘電体層と、前記上側画素分離溝及び前記誘電体層により分離された各々の画素ごとに、前記第2のコンタクト層、前記第2の赤外光吸収層、前記共通コンタクト層、前記第1の赤外光吸収層を除去した状態で形成されたコンタクト穴と、を有し、前記各々の画素の間には、前記共通コンタクト層が存在することを特徴とする。
また、本実施の形態の他の一観点によれば、半導体基板上に格子状の誘電体層を形成する工程と、前記半導体基板の表面に、エピタキシャル成長により、第1のコンタクト層、第1の赤外光吸収層を形成し、前記第1の赤外光吸収層及び前記誘電体層上に共通コンタクト層を形成し、前記共通コンタクト層上に、第2の赤外光吸収層、第2のコンタクト層を形成する工程と、前記誘電体層に対応する領域の前記第2のコンタクト層及び前記第2の赤外光吸収層を除去し上側画素分離溝を形成する工程と、前記第2のコンタクト層、前記第2の赤外光吸収層、前記共通コンタクト層、前記第1の赤外光吸収層を除去し、各々の画素ごとにコンタクト穴を形成する工程と、前記半導体基板をエッチングにより除去する工程と、を有することを特徴とする。
開示の赤外線検知器及び赤外線検知器の製造方法によれば、1画素あたりに形成されるコンタクト穴を減らすことができるため、同じ画素ピッチにおける画素面積を広くすることができ、画素面積をあまり狭くすることなく、画素ピッチを狭くすることができる。
従来の赤外線検知器の構造図 第1の実施の形態における赤外線検知器の構造図 第1の実施の形態における赤外線検知器の斜視図 第1の実施の形態における赤外線検知器の要部拡大図 第1の実施の形態における赤外線検知器の製造方法の工程図(1) 第1の実施の形態における赤外線検知器の製造方法の工程図(2) 第1の実施の形態における赤外線検知器の製造方法の工程図(3) 第1の実施の形態における赤外線検知器の製造方法の工程図(4) 第2の実施の形態における赤外線検知器の構造図
実施するための形態について、以下に説明する。尚、同じ部材等については、同一の符号を付して説明を省略する。
〔第1の実施の形態〕
(赤外線検知器)
第1の実施の形態における赤外線検知器について説明する。図2及び図3に基づき本実施の形態における赤外線検知器について説明する。尚、図3は、図2の構造を模式的に示す斜視図であり、第2のバンプ電極42等が形成される位置が異なっている。
本実施の形態における赤外線検知器である赤外線イメージセンサは、共通コンタクト層11の一方の面に形成された第1の赤外光吸収層12及び第1のコンタクト層13と、他方の面に形成された第2の赤外光吸収層14及び第2のコンタクト層15とを有している。
共通コンタクト層11、第1のコンタクト層13及び第2のコンタクト層15は、n−GaAsにより形成されており、導電性を有している。
第1の赤外光吸収層12は、共通コンタクト層11の一方の面上に、AlGaAsとGaAsとを交互に積層することにより量子井戸層となるMQWが形成されており、各々の層の組成及び膜厚は、波長が3〜5μmの赤外線を吸収する光吸収層となるように調整されている。尚、第1のコンタクト層13は、第1の赤外光吸収層12上に形成されている。
第2の赤外光吸収層14は、共通コンタクト層11の他方の面上に、AlGaAsとGaAsとを交互に積層することにより量子井戸層となるMQWが形成されており、各々の層の組成及び膜厚は、波長が8〜12μmの赤外線を吸収する光吸収層となるように調整されている。尚、第2のコンタクト層15は、第2の赤外光吸収層14上に形成されている。
共通コンタクト層11の一方の面には、第1のコンタクト層13及び第1の赤外光吸収層12が除去された下側画素分離溝21が形成されており、他方の面には、第2のコンタクト層15及び第2の赤外光吸収層14が除去された上側画素分離溝22が形成されている。尚、下側画素分離溝21及び上側画素分離溝22は格子状に形成されており、下側画素分離溝21と上側画素分離溝22とは、共通コンタクト層11を介して、同じ位置となるように形成されている。
また、第2のコンタクト層15の側から、第2のコンタクト層15、第2の赤外光吸収層14、共通コンタクト層11、第1の赤外光吸収層12を除去し、第1のコンタクト層13を露出させたコンタクト穴30が形成されている。尚、コンタクト穴30は、下側画素分離溝21及び上側画素分離溝22に接して形成されている。
また、第2のコンタクト層15の表面には、不図示の絶縁膜を介し、第1のバンプ電極41及び第2のバンプ電極42がIn等により形成されている。第1のバンプ電極41は、コンタクト穴30に設けられた配線61により、コンタクト穴30の底に設けられたオーミック電極51を介し第1のコンタクト層13と接続されている。また、第2のバンプ電極42は、オーミック電極52を介し第2のコンタクト層15と接続されている。具体的には、第2のコンタクト層15上における不図示の絶縁膜には開口部が形成されており、この開口部にはオーミック電極52が形成されており、第2のバンプ電極42は、このオーミック電極52を介し第2のコンタクト層15と接続されている。
尚、本実施の形態では、第1の赤外光吸収層12において検出された赤外線の信号は、第1のバンプ電極41と共通コンタクト層11との間で検出される。また、第2の赤外光吸収層14において検出された赤外線の信号は、第2のバンプ電極42と共通コンタクト層11との間で検出される。よって、共通コンタクト層11を共通の電極として、2波長における画像を同時に検出することができる。
また、第2のコンタクト層15の表面には、回折格子が形成されており、入射した赤外線を多重反射させることができるように形成されている。具体的には、図4に示すように、第2のコンタクト層15の表面には回折格子16が形成されており、回折格子16が形成されている第2のコンタクト層15上には、赤外線を反射する反射膜17となる金属膜が形成されている。反射膜17上には、絶縁膜18が形成されており、第1のバンプ電極41及び第2のバンプ電極42は、絶縁膜18上に形成されている。尚、第2のバンプ電極42は、絶縁膜18に設けられた開口に形成されているオーミック電極52の上に形成されている。
本実施の形態における赤外線検知器である赤外線イメージセンサは、QWIPまたは、QDIP(Quantum Dot Infrared Photodetector 量子ドット型赤外線検知器)である。具体的には、QWIPの場合には、第1の赤外光吸収層12及び第2の赤外光吸収層14には量子井戸構造を有する量子井戸層が形成されており、QDIPの場合には、第1の赤外光吸収層12及び第2の赤外光吸収層14に対応するものとして量子ドット構造を有する量子ドット層が形成されている。このため、第1の赤外光吸収層12及び第2の赤外光吸収層14を画素ごとに2次元的に分離することができるように、格子状に下側画素分離溝21及び上側画素分離溝22が形成されている。
本実施の形態においては、2波長赤外線イメージセンサにおいて、1画素あたりに形成されるコンタクト穴を一つにすることができる。よって、例えば、画素ピッチが20μmの場合であって、コンタクト穴30の一辺が7μmの略正方形とした場合、画素面積におけるコンタクト穴の比率は約15%となり、コンタクト穴が2つの場合に比べて、コンタクト穴の占める面積を半分にすることができる。これにより、全体における画素面積は68.8%にすることができ、従来のコンタクト穴を2つ設けた場合における画素面積の56.5%よりも画素面積を広くすることができる。尚、下側画素分離溝21及び上側画素分離溝22の幅は2μmである。
これにより、本実施の形態では、画素ピッチを狭くしても、従来のように2つのコンタクト穴を設けた場合と比べて、1画素あたりの画素面積の減少の割合を少なくすることができる。言い換えるならば、同じ画素ピッチにおいて、本実施の形態における赤外線検知器は、2つのコンタクト穴を設けた従来のものと比べて、画素面積を広くすることができる。
(赤外線検知器の製造方法)
次に、図5〜図8に基づき本実施の形態における赤外線検知器の製造方法について説明する。
最初に、図5(a)に示すように、n−GaAs基板71上に誘電体膜となるSiO膜72をCVD(Chemical Vapor Deposition)により略全面に形成する。尚、n−GaAs基板71の表面における面方位は、(001)面である。
次に、図5(b)に示すように、n−GaAs基板71上において、後述する下側画素分離溝21が形成される領域に、格子状の誘電体層となるSiO層72aを形成する。具体的には、SiO膜72上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行なうことにより、格子状のSiO層72aが形成される領域にレジストが残存している不図示のレジストパターンを形成する。この後、バッファドフッ酸等を用いたウェットエッチングにより、レジストパターンが形成されていない領域におけるSiO膜72を除去し、n−GaAs基板71を露出させる。更に、この後、レジストパターンを有機溶剤等により除去することにより、SiO層72aを形成する。
次に、図5(c)に示すように、SiO層72aが形成されている面のn−GaAs基板71上に、MOVPE(Metal-Organic Vapor Phase Epitaxy)により半導体層を形成する。具体的には、SiO層72aが形成されている面のn−GaAs基板71上に、n−InGaP層81を100nm、n−GaAs層82を1000nm、第1の赤外光吸収層12を1000nm、エピタキシャル成長により形成する。このように、n−InGaP層81、n−GaAs層82、第1の赤外光吸収層12は、エピタキシャル成長により形成されるため、これらの層はn−GaAs基板71上にのみ形成され、SiO層72a上には形成されない。尚、図5〜図8に示す場合では、n−InGaP層81とn−GaAs層82により第1のコンタクト層13が形成されており、第1の赤外光吸収層12においては、AlGaAsとGaAsとを交互に積層することによりMQWが形成されている。
この後、n−GaAs層83を1000nm、MOVPEまたはALE(Atomic Layer Epitaxy)等により形成する。この際、n−GaAs層83は、例えば、MOVPEにおいて、基板温度を低くし、成膜レートを遅くした条件等により、n−GaAs層83が横方向にも成長する条件により形成する。これにより、第1の赤外光吸収層12上のみならずSiO層72a上にもn−GaAs層83を形成する。この後、更に、MOVPEにより、n−GaAs層83上に、n−InGaP層84を50nm、第2の赤外光吸収層14を1000nm、n−GaAsにより形成される第2のコンタクト層15を50nm形成する。尚、図5〜図8に示す場合では、n−GaAs層83とn−InGaP層84とにより共通コンタクト層11が形成されており、第2の赤外光吸収層14においては、AlGaAsとGaAsとを交互に積層することによりMQWが形成されている。
次に、図6(a)に示すように、コンタクト穴30を形成する。具体的には、第2のコンタクト層15の表面にフォトレジストを形成し、露光装置による露光、現像を行なうことにより、コンタクト穴30が形成される領域に開口を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、RIE(Reactive Ion Etching)等のドライエッチングにより、レジストパターンの形成されていない領域の第2のコンタクト層15、第2の赤外光吸収層14、共通コンタクト層11、第1の赤外光吸収層12を除去することにより、コンタクト穴30を形成する。これにより、コンタクト穴30の底面において、第1のコンタクト層13を形成しているn−GaAs層82の表面が露出する。
次に、図6(b)に示すように、コンタクト穴30の底面となる第1のコンタクト層13の表面にオーミック電極51を形成し、第2のコンタクト層15の表面にオーミック電極52を形成する。更に、オーミック電極52及びオーミック電極51が形成されている領域を除き、SiON等により形成される絶縁膜18を形成する。尚、図4に示されるように、絶縁膜18及びオーミック電極52が形成される前において、第2のコンタクト層15の表面には、回折格子16が形成されており、回折格子16が形成されている第2のコンタクト層15の面には、反射膜となる金属膜17が形成されている。オーミック電極52は、この反射膜17上に形成されている。
次に、図6(c)に示すように、コンタクト穴30の側面及び第2のコンタクト層15上に、絶縁膜18を介して配線61を形成する。配線61は、第1のコンタクト層13上に形成されたオーミック電極51と後述する第2のコンタクト層15上に形成される第1のバンプ電極41とを接続するためのものである。具体的には、絶縁膜18の形成されている面にチタン(Ti)と金(Au)により形成される金属膜を形成する。この後、金属膜上にフォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行なうことにより配線61が形成される領域にレジストが残存する不図示のレジストパターンを形成し、スパッタエッチングによりレジストパターンの形成されていない領域の金属膜を除去する。更に、この後、レジストパターンを除去することにより、配線61を形成する。
次に、図7(a)に示すように、上側画素分離溝22を形成する。具体的には、絶縁膜18等が形成されている面の表面にフォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行なうことにより、上側画素分離溝22が形成される領域に開口を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、RIE等によるドライエッチングによりレジストパターンが形成されていない領域における第2のコンタクト層15、第2の赤外光吸収層14を除去し、上側画素分離溝22を形成する。この後、レジストパターンは有機溶剤等により除去する。
次に、図7(b)に示すように、第1のバンプ電極41及び第2のバンプ電極42を形成する。第1のバンプ電極41及び第2のバンプ電極42はともに、Inにより形成されており、第1のバンプ電極41は配線61と接触するように形成し、第2のバンプ電極42は、オーミック電極52と接触するように形成する。これにより、第1のバンプ電極41は、配線61及びオーミック電極51を介し、第1のコンタクト層13と接続され、第2のバンプ電極42は、オーミック電極52を介し第2のコンタクト層15と接続される。
次に、図7(c)に示すように、シリコン等により形成された読み出し回路チップ90における不図示の電極端子と第1のバンプ電極41及び第2のバンプ電極42とをフリップチップボンディングにより接続する。尚、本実施の形態では、回路チップ90を回路基板と記載する場合がある。
次に、図8(a)に示すように、n−GaAs基板71をウェットエッチングにより除去する。
次に、図8(b)に示すように、フッ酸等を用いたウェットエッチングによりSiO層72aを除去し、下側画素分離溝21を形成する。これにより本実施の形態における赤外線検知器である赤外線イメージセンサを作製することができる。
本実施の形態では、1画素あたりのコンタクト穴の数が1となる2波長赤外線イメージセンサを通常の微細加工のプロセスを用いて容易に作製することができる。
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態について図9に基づき説明する。
本実施の形態における赤外線検知器である赤外線イメージセンサは、共通コンタクト層11の一方の面に形成された第1の赤外光吸収層12及び第1のコンタクト層13と、他方の面に形成された第2の赤外光吸収層14及び第2のコンタクト層15とを有している。尚、共通コンタクト層11はn−GaAs層83とn−InGaP層84とにより形成されており、第1のコンタクト層13はn−InGaP層81とn−GaAs層82とにより形成されており、第2のコンタクト層15は、n−GaAsにより形成されている。よって、共通コンタクト層11、第1のコンタクト層13及び第2のコンタクト層15は、導電性を有している。
第1の赤外光吸収層12は、共通コンタクト層11の一方の面上に、AlGaAsとGaAsとを交互に積層することにより量子井戸層となるMQWが形成されており、各々の層の組成及び膜厚は、波長が3〜5μmの赤外線を吸収するように調整されている。尚、第1のコンタクト層13は、第1の赤外光吸収層12上に形成されている。
第2の赤外光吸収層14は、共通コンタクト層11の他方の面上に、AlGaAsとGaAsとを交互に積層することにより量子井戸層となるMQWが形成されており、各々の層の組成及び膜厚は、波長が8〜12μmの赤外線を吸収するように調整されている。尚、第2のコンタクト層15は、第2の赤外光吸収層14上に形成されている。
共通コンタクト層11の一方の面には、第1のコンタクト層13及び第1の赤外光吸収層12を分離するSiO等の誘電体層73が形成されており、他方の面には、第2の赤外光吸収層14及び第2のコンタクト層15を除去することにより、上側画素分離溝22が形成されている。尚、上側画素分離溝22及び誘電体層73は格子状に形成されており、上側画素分離溝22と誘電体層73とは、共通コンタクト層11を介して、同じ位置となるように形成されている。
また、第2のコンタクト層15の側から、第2のコンタクト層15、第2の赤外光吸収層14、共通コンタクト層11、第1の赤外光吸収層12を除去し、第1のコンタクト層13の表面を露出させたコンタクト穴30が形成されている。尚、コンタクト穴30は、上側画素分離溝22及び誘電体層73に接して形成されている。
また、第2のコンタクト層15の表面には、絶縁膜18を介し、In等により第1のバンプ電極41及び第2のバンプ電極42が形成されている。第1のバンプ電極41は、配線61及びコンタクト穴30の底に設けられたオーミック電極51を介し第1のコンタクト層13と接続されている。また、第2のバンプ電極42は、オーミック電極52を介し第2のコンタクト層15と接続されている。具体的には、第2のコンタクト層15上における絶縁膜18には開口部が形成され、この開口部にはオーミック電極52が形成されており、第2のバンプ電極42は、オーミック電極52を介し第2のコンタクト層15と接続されている。
本実施の形態では、上側画素分離溝22に対応する位置に誘電体層73が設けられており、各々の画素間を電気的に分離することができる。また、GaAs等の半導体の屈折率とSiO等の誘電体の誘電体の屈折率との差は大きいため、各々の画素間を光学的に分離することができる。また、本実施の形態においては、誘電体層73が形成されたままであるため、物理的な強度を高めることができる。
尚、本実施の形態における赤外線検知器である赤外線イメージセンサにおいて、誘電体層73がSiOにより形成される場合には、第1の実施の形態における赤外線イメージセンサの製造工程のうち、図5(a)から図8(a)までに示される製造工程により製造することができる。また、誘電体層73をSiON、SiN等の材料により形成することも可能であり、この場合、第1の実施の形態におけるSiO層72aをこれらの材料に置き換えることにより作製することができる。また、上記以外の内容については、第1の実施の形態と同様である。
以上、実施の形態について詳述したが、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。
11 共通コンタクト層
12 第1の赤外光吸収層
13 第1のコンタクト層
14 第2の赤外光吸収層
15 第2のコンタクト層
16 回折格子
17 反射膜
18 絶縁膜
21 下側画素分離溝
22 上側画素分離溝
30 コンタクト穴
41 第1のバンプ電極
42 第2のバンプ電極
51 オーミック電極
52 オーミック電極
61 配線

Claims (8)

  1. 共通コンタクト層の一方の面に積層形成された第1の赤外光吸収層及び第1のコンタクト層と、
    前記共通コンタクト層の他方の面に積層形成された第2の赤外光吸収層及び第2のコンタクト層と、
    前記第2の赤外光吸収層及び前記第2のコンタクト層を分離する上側画素分離溝と、
    前記共通コンタクト層を挟んで前記上側画素分離溝の前記共通コンタクト層の一方の面に設けられ、前記第1の赤外光吸収層及び前記第1のコンタクト層を分離する下側画素分離溝と、
    前記上側画素分離溝及び前記下側画素分離溝により分離された各々の画素ごとに、前記第2のコンタクト層、前記第2の赤外光吸収層、前記共通コンタクト層、前記第1の赤外光吸収層を除去した状態で形成されたコンタクト穴と、
    を有し、
    前記各々の画素の間には、前記共通コンタクト層が存在することを特徴とする赤外線検知器。
  2. 共通コンタクト層の一方の面に積層形成された第1の赤外光吸収層及び第1のコンタクト層と、
    前記共通コンタクト層の他方の面に積層形成された第2の赤外光吸収層及び第2のコンタクト層と、
    前記第2の赤外光吸収層及び前記第2のコンタクト層を分離する上側画素分離溝と、
    前記共通コンタクト層を挟んで前記上側画素分離溝の前記共通コンタクト層の一方の面に設けられ、前記第1の赤外光吸収層及び前記第1のコンタクト層を分離する誘電体層と、
    前記上側画素分離溝及び前記誘電体層により分離された各々の画素ごとに、前記第2のコンタクト層、前記第2の赤外光吸収層、前記共通コンタクト層、前記第1の赤外光吸収層を除去した状態で形成されたコンタクト穴と、
    を有し、
    前記各々の画素の間には、前記共通コンタクト層が存在することを特徴とする赤外線検知器。
  3. 前記第2のコンタクト層の上に形成された第1のバンプ電極及び第2のバンプ電極を有し、
    前記第1のバンプ電極は、前記コンタクト穴に形成された配線により前記第1のコンタクト層と接続されており、
    前記第2のバンプ電極は、前記第2のコンタクト層と接続されていることを特徴とする請求項1または2に記載の赤外線検知器。
  4. 前記第1の赤外光吸収層及び前記第2の赤外光吸収層は、量子井戸層または量子ドット層であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の赤外線検知器。
  5. 半導体基板上に格子状の誘電体層を形成する工程と、
    前記半導体基板の表面に、エピタキシャル成長により、第1のコンタクト層、第1の赤外光吸収層を形成し、前記第1の赤外光吸収層及び前記誘電体層上に共通コンタクト層を形成し、前記共通コンタクト層上に、第2の赤外光吸収層、第2のコンタクト層を形成する工程と、
    前記誘電体層に対応する領域の前記第2のコンタクト層及び前記第2の赤外光吸収層を除去し上側画素分離溝を形成する工程と、
    前記第2のコンタクト層、前記第2の赤外光吸収層、前記共通コンタクト層、前記第1の赤外光吸収層を除去し、各々の画素ごとにコンタクト穴を形成する工程と、
    前記半導体基板をエッチングにより除去する工程と、
    を有することを特徴とする赤外線検知器の製造方法。
  6. 前記半導体基板をエッチングにより除去する工程の後、前記誘電体層を除去し下側画素分離溝を形成する工程を有することを特徴とする請求項5に記載の赤外線検知器の製造方法。
  7. 前記コンタクト穴を形成する工程の後、前記半導体基板をエッチングにより除去する工程の前に、
    前記コンタクト穴に配線を形成し、前記配線を介し前記第1のコンタクト層と接続される第1のバンプ電極と、前記第2のコンタクト層に接続される第2のバンプ電極とを前記第2のコンタクト層の形成されている側に形成する工程と、
    前記第1のバンプ電極及び前記第2のバンプ電極を回路基板に接続する工程と、
    を有することを特徴とする請求項5または6に記載の赤外線検知器の製造方法。
  8. 前記第1の赤外光吸収層及び前記第2の赤外光吸収層は、量子井戸層または量子ドット層であることを特徴とする請求項5から7のいずれかに記載の赤外線検知器の製造方法。
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