JP6290663B2 - 開口部装置及びその施工方法 - Google Patents
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Description
このように、方立の見付方向の幅を大きくした場合には、開口部の面積が小さくなり、開口部装置の採光性や意匠性が低下してしまう。一方、方立の見込方向の幅を大きくした場合には、開口部装置を設置するためのスペースが大きくなり屋内の床面積が狭くなってしまう。
ところで、特許文献2で開示されたカーテンウォールは、方立が2部材で構成され且つ方立の支持部が中空の形成されたホロー構造となっている。この方立を構成する一方の部材側の中空には、両部材を締結するビスの先端が進入する。中空内にビスの先端が進入することで、溝にガラスを挿入する際に、ガラスがビスの先端に接触するのを防止できる一方、方立の見付方向の幅が大きくなってしまう。また、この方立では、中空が形成されることで、支持部のガラスよりも屋外側の部分の幅及び方立の見込方向の幅が厚くなる。このように、特許文献2で開示されたカーテンウォールの方立は、見付方向及び見込方向の幅が大きい上に、屋外側から観察した際には、ガラスが奥(屋内側)に配置されているように見えることから、意匠性が低い。
これにより、方立の強度を十分に向上させつつも、方立の見付方向及び見込方向の幅を十分に小さくすることができる。方立の見付方向の幅を十分に小さくすることで開口部装置の採光性が高くなる。一方、方立の見込方向の幅を十分に小さくすることで屋内の床面積を大きくすることができる。
また、一対の溝が屋外側に形成されることで、ガラス又は障子も屋外側に寄せることができるので、開口部装置をカーテンウォール風にすることができ、開口部装置を屋外側から観察した際の意匠性が向上する。
図1は、本実施形態に係る開口部装置1を屋内側から見た姿図である。開口部装置1は、店舗等に設置される排煙機構を有する開口部装置であり、開口部装置1は、本発明の一例としての連段窓である。
開口部装置1は、更に、枠体2を見付方向に並んだ複数の開口部に区画する方立3と、更に枠体2及び方立3によって形成される開口部を上下に区画する無目4と、を備える。
上枠21は、例えば、アルミニウムを押し出し成型することによって形成することができる。
無目4は、例えば、アルミニウムを押し出し成型することによって形成することができる。
下枠22の屋外上側には、下枠延設部222に係止されるガラス保持部材223が配置される。下枠22及びガラス保持部材223によって、ガラス62aの下端部を保持する溝223aが形成される。なお、図示しない右側の縦枠の下部には、キャップ部材241が配置される。
図3及び4に示すように、方立3は、屋内側から見て、右側に配置される第1の方立部材31と、左側に配置される第2の方立部材32と、を備える。
第1の保持部312は、第1の方立本体部311から見込方向(屋外側)に延出される第1の方立見込部312aと、第1の方立見込部312aの先端から見付方向(屋内側から見て右側)に延設される第1の方立見付部312bと、第1の方立見込部312aの先端から第1の方立見付部312bの延びる方向とは反対側(屋内側から見て左側)に突出する突出部312cと、を有する。
第1の方立見付部312bは、先端から屋内側に突出して形成される凸部312gを有する。
突出部312cは、その先端に気密材315の配置される溝部を有する。
第2の保持部322は、第2の方立本体部321から見込方向(屋外側)に延出される第2の方立見込部322aと、第2の方立見込部322aの先端から見付方向(屋内側から見て左側)に延設される第2の方立見付部322bと、を有する。第2の方立見込部322aは、屋外側の見込面において気密材315と接する。
本実施形態において、隣り合う一対のガラス62a,62aは、それぞれ溝312d,322cに対向する側端部が挿入されて保持される。溝312dと溝322cとでは、溝312dの方が深い溝に形成される。
補強材8は、第1の方立本体部311及び第2の方立本体部321の内部に配置された補強材本体部81と、見込方向(屋外側)に延出する補強材延出部82と、を有する。
補強材延出部82は、補強材本体部81から第1の保持部312と第2の保持部322との間(第1の方立見込部312aと第2の方立見込部322aとの間)を通って延出する。より詳しくは、補強材延出部82は、第1の方立見込部312a、第2の方立見込部322a及び突出部312cによって形成される空間に侵入する。このように、補強材延出部82は、第1の方立見込部と前記第2の方立見込部との間に配置される。また、補強材延出部82は、方立3の見付方向の中心よりも屋内側から見て左側に偏心した部位において見込方向(屋外側)に延出する。補強材延出部82は、締結部材としてのビス83によって第1の方立見込部312a及び第2の方立見込部322aと共締めされる。
なお、方立3を、屋内側から見て、図3及び図4とは左右対称の構造にしてもよい。つまり、第1の方立部材31と第2の方立部材32は左右逆に配置してもよい。また、補強材8についても、屋内側から見て、図3及び図4とは左右対称の構造にしてもよい。更には、補強材延出部82を、方立3の見付方向の中心よりも屋内側から見て右側に偏心した部位において見込方向(屋外側)に延出させてもよい。
本実施形態に係る施工方法は、補強材本体部81を方立3(第1の方立部材31)とともに横枠(上枠21及び下枠22)に締結部材で固定する工程を含む。
この工程において、補強材本体部81を第1の方立部材31とともに下枠22に固定する場合は、締結部材としてのビス84a,84bを用いる。ビス84a,84bは、それぞれ下枠22における溝221c,221b(図2参照)の端部から螺入され、補強材本体部81及び第1の方立部材31が下枠22に固定される。補強材本体部81を第1の方立部材31とともに上枠21に固定する場合も同様である。更に、この工程においては、第2の方立部材32が、締結部材としてのビス84c,84dによって下枠22に固定される、上枠21にも同様に固定される。なお、無目4についても図示しない締結部材を用いて上枠21及び下枠22と同様に、第1の方立部材31及び第2の方立部材32に締結される。
この工程において、横材としての上枠21及び下枠22並びに縦材としての第2の方立部材32及び補強材8が一体化された第1の方立部材31を含む枠体が形成される。
この工程においては、上述した、横材としての上枠21及び下枠22並びに縦材としての第2の方立部材32及び補強材8が一体化された第1の方立部材31を含む枠体を複数並べて、これらをビス83によって締結する。この工程では、方立3の延びる方向において所定間隔を開けてビス83を複数締結する。
この工程は、建物の開口に上述した枠体を配置した上で行ってもよい。
本実施形態では、方立3と、方立3を補強する補強材8を備える開口部装置1において、方立3が、筒状の、第1の方立本体部311及び第2の方立本体部321と、その屋外側に設けられ且つ隣り合う一対のガラス61a,62aの側端部が挿入されて保持される一対の溝312d,322cを有する第1の保持部312及び第2の保持部322と、を有するものとした。また、補強材8が、筒状の第1の方立本体部311及び第2の方立本体部321の内部に配置された補強材本体部81と、補強材本体部81から一対の溝312d,322c間を通って屋外側に延出する補強材延出部と、を有するものとした。
これにより、ガラスの延長面上も補強することで方立3の強度(耐風圧性能)を十分に向上させつつも、方立3の見付方向及び見込方向の幅を十分に小さくすることができる。方立3の見付方向の幅を十分に小さくすることで開口部装置1の採光性が高くなる。一方、方立3の見込方向の幅を十分に小さくすることで屋内の床面積を大きくすることができる。
また、一対の溝312d,322cが屋外側に形成されることで、ガラス61a,62aも屋外側に寄せることができるので、開口部装置1をカーテンウォール風にすることができ、開口部装置1を屋外側から観察した際の意匠性が向上する。
これにより、開口部装置1を施工する際に、ガラス61a,62aを枠体内にやり返しによって納めるのが容易になる。
これにより、方立3の組み立てとともに補強材8を容易に方立3に緊結できるようになり、施工性の高い開口部装置を提供できる。
これにより、より強固に補強材8を方立3に緊結できるので、方立3の強度が向上する。
このように、補強材8を容易に方立3に緊結できるので、工場ではなく、開口部装置1が設置される現場において、開口部装置1の部材を組み立てるのが可能になる。
上記実施形態では、方立3を含む枠体にガラス61a,62aが納められるものとしたがこれに限定されず、例えば引違い戸や辷り出し窓等の障子を開口部に納める構成としてもよい。
また、本発明によれば、例えば、店舗等の低階層用カーテンウォールにおいても、方立の見付け寸法及び見込み寸法を小さくできるとともに、方立に風圧(負圧や正圧)が作用した場合に十分な性能を示すことができる。
2…枠体
3…方立
31…第1の方立部材
311…第1の方立本体部(方立本体部)
312…第1の保持部(保持部)
312a…第1の方立見込部
312b…第1の方立見付部
312c…突出部
312d…溝
32…第2の方立部材
321…第2の方立本体部
322…第2の保持部
322a…第2の方立見込部
322b…第2の方立見付部
322c…溝
61a,62a…ガラス(ガラス又は障子)
8…補強材
81…補強材本体部
82…補強材延出部
83…ビス(締結部材)
84a,84b…ビス(締結部材)
Claims (3)
- 縦枠と横枠により枠組みされた枠体と、
該枠体を複数の開口部に区画する方立と、
該方立を補強する補強材と、
前記開口部に納められるガラス又は障子と、を備え、
前記方立は、筒状の方立本体部と、該方立本体部の屋外側に設けられ且つ隣り合う一対のガラス又は障子の側端部が挿入されて保持される一対の溝を有する保持部と、を有し、
さらに、前記方立は、第1の方立部材と、第2の方立部材と、を備え、
前記第1の方立部材は、前記方立本体部の一部である第1の方立本体部と、前記保持部としての第1の保持部と、を有し、
前記第2の方立部材は、前記方立本体部の一部である第2の方立本体部と、前記保持部としての第2の保持部と、を有し、
前記第1の保持部は、前記第1の方立本体部から屋外側に延出される第1の方立見込部と、前記第1の方立見込部の先端から第1の見付方向に延設される第1の方立見付部と、
を有し、
前記第2の保持部は、前記第2の方立本体部から屋外側に延出される第2の方立見込部と、第2の方立見込部の先端から前記第1の見付方向とは逆方向の第2の見付方向に延設される第2の方立見付部と、を有し、
前記補強材は、前記方立本体部内に配置された補強材本体部と、前記補強材本体部から前記一対の溝間を通って屋外側に延出する補強材延出部と、を有し、
前記補強材延出部は、前記第1の方立見込部と前記第2の方立見込部との間に配置され且つ締結部材によって前記第1の方立見込部及び前記第2の方立見込部と共締めされ、
前記第1の方立部材は、前記第1の方立見込部の屋外側先端から前記第2の方立見込部へ突出し、前記第2の方立見込部の見込面に当接する突出部を有する開口部装置。 - 前記保持部に形成された一対の溝の深さが異なり、
前記補強材延出部は、前記方立の見付方向の中心よりも一方側に偏心した部位において前記補強材本体部から屋外側に延出する請求項1記載の開口部蔵置。 - 前記補強材本体部を前記方立とともに前記横枠に締結部材で固定する工程と、
前記補強材延出部を、前記第1の方立見込部及び前記第2の方立見込部と締結部材で共締めする工程と、を含む請求項1又は2記載の開口部装置の施工方法。
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