JP3997488B2 - 建具 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載されたストッパーは、3枚の戸のうちの室外側および室内側の戸における上框や下框の室内側(または室外側)側面に直接ビス止め固定され、それぞれ真ん中の戸に当接して開放範囲を制限するようになっている。
しかしながら、このような複合の框材において、特許文献1のような従来のストッパーを適用しようとすると、ストッパーを室内側の樹脂材にビス止め固定することになってしまうため、ストッパーの固定強度が十分に確保できないという問題がある。
また、ストッパー受部を室外部材の室内側側面に設けたことで、下框の室外部材に戸車が内蔵されていても、この戸車に干渉することなく障子ストッパーを設けることができる。
このような構成によれば、ストッパー受部を室外部材の室内側側面から室内側に突出して形成することで、前述のように戸車との干渉を防止することができる。また、このようにストッパー受部を室内側に突出させても、室内部材の凹部にストッパー受部が挿入されて収まるので、框材全体の厚さ寸法(見込み寸法)が大きくなることを防止することができる。
このような構成によれば、裏板を介してストッパー本体を固定することで、必要とされる固定強度に応じて裏板の材質や厚さ寸法、長さ寸法等を適宜設定することができるため、簡単かつ確実に固定強度を確保することができる。
このような構成によれば、裏板を略T字形に形成し、その挿入部を戸先側に向かって係合溝に挿入して規制部を係合部に当接させることで、裏板が戸先側に向かって移動しないようになっており、ストッパー本体にパネル体が当接した際の荷重が作用しても、この荷重を裏板の規制部および係合部の切欠部側端面によって確実に支持することができる。
このような構成によれば、框材の室内部材を貫通するスペーサをストッパー本体およびストッパー受部に当接させることで、ストッパー本体を固定する際の固定力(例えば、ビスによる締め付け力)が室内部材に作用することがないため、樹脂製の室内部材の変形や破損を防止することができる。
このような構成によれば、スペーサを仮固定しておいてからストッパー本体を固定することで、ストッパー本体を容易に固定することができる。
このような構成によれば、前述と同様の効果を有する引違い形式の出入り口や、引違い窓を構成することができる。
このような構成によれば、前述と同様の効果を有する外動片引き形式の出入り口や、外動片引き窓を構成することができる。
なお、移動不能に設けられたパネル体は、障子と同様に上下左右の框材を有して構成された固定障子でもよく、また可動する障子を収納する戸袋などの壁体であってもよい。
このような構成によれば、前述と同様の効果を有する内動片引き形式の出入り口や、内動片引き窓を構成することができる。
このような構成によれば、前述と同様の効果を有する3枚引き形式の出入り口や、3枚引き窓、あるいは4枚以上の障子を有する出入り口や窓を構成することができる。
なお、ここで室外側障子が前記障子と略同様の構成を有するとは、室外側障子が請求項1〜請求項6のいずれかに記載の障子の要件と同様という意味であって、縦框形状等の他の構成も前記障子と必ずしも同様ということではない。
なお、第2実施形態以降において、次の第1実施形態で説明する構成部材と同じ構成部材、および同様な機能を有する構成部材には、第1実施形態の構成部材と同じ符号を付し、それらの説明を省略または簡略化する。また、各図においては、主要構成部品の断面を示すハッチングが省略されている。
図1は、本発明の第1実施形態に係る建具である引違い窓1を室内側から見た正面図である。図2、図3は、それぞれ引違い窓1を示す縦断面図、および横断面図である。
図1〜3において、建物の外壁開口部に設けられた引違い窓1は、上枠11、下枠12、および左右の縦枠13を四周枠組みした窓枠(枠体)10と、この窓枠10の内側に開閉自在に支持された室内外一組の障子20とを備えて構成されている。障子20は、上框21、下框22、および左右の縦框23,24を四周框組みした内部に、ガラスパネル25を嵌め込んで構成されている。一組の障子20は、室内側の障子20Aと、室外側の障子20Bとが、窓枠10の見付け方向(図3中、左右方向)略中央位置の召合せ部分26で重なって閉じるようになっている。そして、室内外の障子20A,20Bは、召合せ部分26の縦框(召合せ框)23A,23Bに設けられた引戸錠であるクレセント27により施錠できるようになっている。さらに、室内外の障子20A,20Bにおける戸先側(縦枠13側)の縦框(戸先框)24A,24Bには、各障子20A,20Bを開閉操作するためのハンドル28が取り付けられている。
障子20の上框21、下框22、および左右の縦框23,24は、それぞれ室外側に配置されるアルミ押出形材製の室外部材と、この室外部材の室内側に取り付けられる樹脂押出形材製の室内部材とを備えて構成されている。すなわち、図4〜6に示す下框22について説明すると、下框22は、室外部材221と室内部材222とを備え、室外部材221に室内部材222が係合して一体化されている。
障子ストッパー30は、樹脂製のストッパー本体31と、このストッパー本体31を下框22の室外部材221に固定するためのビス(固着具)32、スペーサ33、および裏板34とを有して構成されている。すなわち、ビス32、スペーサ33、および裏板34によって本発明の固定手段が構成されており、これらを介してストッパー本体31は、室外部材221のストッパー受部としての係合部221Eに固定されるようになっている。
次に、室内部材222の挿通孔222Gにスペーサ33を挿通し、仮固定用のビス33Aによってスペーサ33を室外部材221に仮固定する。
そして、ストッパー本体31のベース部311の固定面部311Bをスペーサ33の室内側側面に当接させた状態で、ビス32を固定面部311Bの挿通孔311Eおよびスペーサ33の本固定用孔331に挿通して裏板34の本固定用ビス孔343に螺合させる。
次に、ストッパー本体31のキャップ部312をベース部311に係合させて、障子ストッパー30の取り付けが完了する。
(1)すなわち、障子ストッパー30を固定する上下の框21,22が樹脂形材製の室内部材222を備えて構成されていても、ビス32、スペーサ33、および裏板34を介してストッパー本体31がアルミ形材製の室外部材221に固定されるので、障子ストッパー30の固定強度を十分確保することができる。従って、障子20A,20Bを開放した際の当該障子20A,20B相互のスライド範囲が適切に制限されるので、室外側の障子20Bのハンドル28が室内側の障子20Aの召合せ框23Aに衝突したり、室内側の障子20Aのクレセント27が縦枠13に衝突したりすることが防止できる。
次に、本発明の第2実施形態に係る建具である片引き窓1Aについて、図10に基づいて説明する。図10は、片引き窓1Aを示す横断面図である。
片引き窓1Aは、前記第1実施形態と同様の窓枠10と、この窓枠10の内側に開閉自在に支持された1枚の障子(可動障子)20(20B)とを備えた外動タイプの片引き窓である。そして、障子20の室内側には、パネル体としての固定障子40が窓枠10に移動不能に固定されている。
固定障子40は、召合せ部26を構成する縦骨43と、縦枠13に固定された縦支持部材44と、図示しない上下の支持部材とを備え、これらの縦骨43および支持部材44の内部にガラスパネル45が嵌め込まれて構成されている。
障子20の上下の框には、障子ストッパー30が固定されており、障子20を開放した際に障子ストッパー30が固定障子40の縦骨43に当接して障子20のスライド範囲を制限するようになっている。
すなわち、障子ストッパー30の固定強度を十分確保することができるとともに、障子20を開放した際のスライド範囲が適切に制限されるので、障子20のハンドル28が固定障子40の縦骨43に衝突することが防止できる。さらに、適切な引き残し寸法を設定することで開口寸法Wが確保できる。
次に、本発明の第3実施形態に係る建具である片引き窓1Bについて、図11に基づいて説明する。図11は、片引き窓1Bを示す横断面図である。
片引き窓1Bは、前記第1実施形態と同様の窓枠10と、この窓枠10の内側に開閉自在に支持された1枚の障子(可動障子)20(20A)とを備えた内動タイプの片引き窓である。そして、障子20の室外側には、固定障子50が窓枠10に移動不能に固定されている。
固定障子50は、召合せ部26を構成する縦骨(框材)53と、縦枠13に固定された縦支持部材(框材)54と、図示しない上下の支持部材(框材)とを備え、これらの縦骨53および支持部材54の内部にガラスパネル55が嵌め込まれて構成されている。固定障子50の上下の支持部材は、前述の第1実施形態の上下の框21,22と同様に、室外側に配置されるアルミ押出形材製の室外部材と、この室外部材の室内側に取り付けられる樹脂押出形材製の室内部材とを備えて構成されている。そして、固定障子50の上下の支持部材には、障子ストッパー30が固定されており、障子20を開放した際に障子ストッパー30が障子20の召合せ框23Aに当接して障子20のスライド範囲を制限するようになっている。
すなわち、障子ストッパー30の固定強度を十分確保することができるとともに、障子20を開放した際のスライド範囲が適切に制限されるので、障子20のクレセントが縦枠13に衝突することが防止できる。
次に、本発明の第4実施形態に係る建具である3枚引きタイプのサッシ窓1Cについて、図12に基づいて説明する。図12は、サッシ窓1Cを示す横断面図である。
サッシ窓1Cは、前記第1実施形態と同様の窓枠10と、この窓枠10の内側に支持された3枚の障子60,70,80とを備えた3枚引きタイプのサッシ窓である。3枚の障子60,70,80は、それぞれ前述の第1実施形態の上下左右の框21,22,23,24と同様の構成を備えた図示しない上下の框および縦框63,64,73,74,83,84と、これらの内部に嵌め込まれたガラスパネル65,75,85を備えている。すなわち、上下の框および縦框63,64,73,74,83,84は、室外側に配置されるアルミ押出形材製の室外部材と、この室外部材の室内側に取り付けられる樹脂押出形材製の室内部材とを備えて構成されている。そして、各障子60,70,80は、それぞれ窓枠10内部における室内外方向の異なる位置に支持されており、最も室内側に設けられる障子60の室外側に沿って障子70がスライド自在に支持され、この障子70の室外側に沿って障子80がスライド自在に支持されている。この際、最も室内側の障子60は、スライド自在に支持されていてもよく、また移動不能に支持されていてもよい。
また、後述するハンドル28を障子80ではなく障子60に設ければ、最も室外側の障子80を移動不能に支持してもよい。
障子70,80の上下の框には、障子ストッパー30が固定されており、障子70,80を開放した際に、室外側の障子80の障子ストッパー30がこの障子80の室内側に設けられた障子70の縦框(召合せ框)73に当接し、中間の障子70の障子ストッパー30が室内側の障子60の縦框(召合せ框)63に当接して、各障子70,80のスライド範囲を制限するようになっている。
すなわち、障子ストッパー30の固定強度を十分確保することができるとともに、障子70,80を開放した際のスライド範囲が適切に制限されるので、障子80の縦框(戸先框)84に設けたハンドル28が障子70の召合せ框73に衝突したり、中間の障子70が室内側の障子60を越えて縦枠13に衝突したりすることが防止できる。さらに、適切な引き残し寸法を設定することで開口寸法Wが確保できる。
例えば、前記各実施形態では、それぞれサッシ窓1,1A,1B,1Cを例示して説明したが、本発明の建具としてはこのようなサッシ窓に限らず、引き戸形式の出入り口であってもよい。引き戸形式の出入り口としては、建物等の外部と内部とを仕切るものでもよく、また建物の部屋等を仕切るものでもよく、例えば浴室の出入り口等に用いることができる。さらに、上げ下げ形式の窓にも用いることができる。
また、前記各実施形態では、障子20B,50,70,80の上下の框に障子ストッパー30を固定したが、これに限らず、上框および下框のいずれか一方に障子ストッパー30を固定してもよい。
また、前記第3実施形態では、窓枠10内部に3枚の障子60,70,80が支持される3枚引きタイプのサッシ窓について説明したが、これに限らず、4枚以上の障子が支持されたサッシ窓であってもよい。
図13に示すサッシ窓1Dは、前記第1実施形態と同様の窓枠10と、この窓枠10の内側にスライド自在に支持された4枚の障子20とを備えた4枚建ての引違い窓である。すなわち、サッシ窓1Dは、室内側に設けられた2枚の室内側の障子20Aと、これらの室外側に設けられた2枚の室外側の障子20Bとを備え、室外側の障子20Bの上下の框に障子ストッパー30が固定されている。そして、図13(B)に示すように、室内側の障子20Aを左右両側に開放した場合や、図13(C)に示すように、左右いずれかの側の室内外の障子20A,20Bを他方の側に開放した場合に、障子ストッパー30が室内側の障子20Aの召合せ框に当接して、各障子20のスライド範囲を制限するようになっている。
図15に示すサッシ窓1Fは、前記第2実施形態と同様の窓枠10と、この窓枠10の内側にスライド自在に支持された2枚の障子20と、窓枠10の内側に移動不能に支持された幅広の固定障子40とを備えた外動タイプの両袖片引き窓である。すなわち、サッシ窓1Fは、室外側に設けられた2枚の室外側の障子(可動障子)20Bと、これらの室内側で左右の縦枠13間の略中央に固定された固定障子40とを備え、室外側の障子20Bの上下の框に障子ストッパー30が固定されている。そして、図15(B)に示すように、室外側の障子20Bを中央側に開放した場合に、障子ストッパー30が固定障子40に当接して、室外側の障子20Bのスライド範囲を制限するようになっている。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
Claims (10)
- 枠体と、上下左右の框材を備えて前記枠体内部に設けられた障子と、この障子の室内側に設けられたパネル体とを備えた建具であって、
前記障子における上および/または下の框材には、前記パネル体に当接して当該障子またはパネル体のスライド範囲を制限する障子ストッパーが固定され、
前記障子の框材は、金属製の室外部材と、この室外部材の室内側に固定される樹脂製の室内部材とを有して構成され、前記上および/または下の框材における室外部材の室内側側面には、ストッパー受部が形成されており、
前記障子ストッパーは、前記室内部材の室内側側面よりも室内側に突出して前記パネル体に当接可能に設けられたストッパー本体と、このストッパー本体を前記室外部材のストッパー受部に固定する固定手段とを備えた建具。 - 前記ストッパー受部は、前記室外部材の室内側側面から室内側に突出して形成され、前記室内部材には、当該室内部材の室外側側面から室内側に凹み、前記ストッパー受部が挿入される凹部が形成されている請求項1に記載の建具。
- 前記ストッパー受部は、前記室外部材の長手方向に沿って延び、かつ室内側に開口して係合溝を形成する断面略C字形の係合部で構成されており、
前記固定手段は、前記室外部材の係合溝に挿入される裏板を有して構成され、前記係合溝に挿入された裏板を介して前記ストッパー本体が前記ストッパー受部に固定される請求項1または請求項2に記載の建具。 - 前記室外部材の係合部には、切欠部が設けられており、
前記裏板は、前記係合溝に挿入される挿入部と、この挿入部の一端側に設けられて当該挿入部よりも幅広とされた規制部とを有して全体略T字形に形成され、前記挿入部の他端側が前記係合部の切欠部から前記障子の戸先側に向かって挿入されるとともに、前記規制部が前記係合部の前記切欠部側端面に当接される請求項3に記載の建具。 - 前記上および/または下の框材における室内部材には、当該室内部材を室内外方向に貫通する挿通孔が形成されており、
前記固定手段は、前記室内部材の挿通孔に挿通されるスペーサを有して構成され、
前記スペーサの室外側側面を前記ストッパー受部に当接し、かつ当該スペーサの室内側側面を当該ストッパー本体に当接した状態で、前記ストッパー本体が前記ストッパー受部に固定される請求項1から請求項4のいずれかに記載の建具。 - 前記スペーサには、当該スペーサを室内外に貫通する仮固定用孔および本固定用孔が設けられ、
前記スペーサは、前記仮固定用孔に挿通した固着具を用いて前記室外部材に仮固定され、前記ストッパー本体は、室内側から当該ストッパー本体および前記スペーサの本固定用孔に挿通した固着具を用いて前記ストッパー受部に固定される請求項5に記載の建具。 - 前記障子およびパネル体は、それぞれ前記枠体内部にスライド自在に設けられ、
前記障子またはパネル体を開放した際に前記ストッパー本体が前記パネル体に当接して当該障子またはパネル体のスライド範囲を制限する請求項1から請求項6のいずれかに記載の建具。 - 前記障子は、前記枠体内部にスライド自在に設けられ、
前記パネル体は、前記障子の室内側に移動不能に設けられ、
前記障子を開放した際に前記ストッパー本体が前記パネル体に当接して当該障子のスライド範囲を制限する請求項1から請求項6のいずれかに記載の建具。 - 前記障子は、前記枠体内部に移動不能に設けられ、
前記パネル体は、前記枠体内部にスライド自在に設けられ、
前記パネル体を開放した際に前記ストッパー本体が当該パネル体に当接して当該パネル体のスライド範囲を制限する請求項1から請求項6のいずれかに記載の建具。 - 前記障子の室外側には、当該障子と略同様の構成を有した少なくとも1枚以上の室外側障子が設けられ、
前記室外側障子における上および/または下の框材には、当該室外側障子または前記障子を開放した際に当該障子または室外側障子に当接して当該障子、当該室外側障子または当該室外側障子の室内側に設けられた他の室外側障子のスライド範囲を制限する障子ストッパーが固定され、この障子ストッパーは、前記障子ストッパーと略同様の構成を有している請求項1から請求項9のいずれかに記載の建具。
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