JP6411861B2 - 方立の支持構造と方立 - Google Patents
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Description
本発明では、躯体の支持面において連結すべき方立に対向する位置に受け部を固定し、方立に設けた連結部材を左右方向(の少なくとも一方)から受け部に挿入して係止させることで、方立を躯体に固定して補強できると共に躯体に対する方立の左右方向の固定位置を連結部材の挿入量で調整できる。しかも躯体への受け部の取り付け高さや方立への連結部材の取り付け位置によって方立の固定位置を上下方向でも調整できる。
この場合には、受け部に対する連結部材の係止高さを調整することができるので、躯体に対する方立の上下方向の高さ位置を受け部と連結部材の高さ方向の幅の範囲で調整できる。
本発明では、方立に固定する第一連結部材と第二連結部材を、受け部の左右方向両側から挿入して第一受け部と第二受け部にそれぞれ挿入して係止させることで、躯体に対する方立の保持強度が高く、地震等による捩じれを防いで、方立を躯体に強固に連結して補強できる。
受け部の第一受け部と第二受け部を上下方向に連続して形成して躯体に取り付けるか、或いは個別に分離して取り付けることができるため、第一及び第二連結部材の方立に対する取り付け位置の自由度が高い。
連結部材における受け部に挿入する係止部に突条や突起等の突部を設けることで、受け部と線接触または点接触することになり、微振動が生じたとしても異音の発生を防止できる。
本発明による方立は第一連結部材と第二連結部材を備えていて、躯体に設けた受け部に対して左右方向の一方と他方の両側から挿入して係止させるため、方立を高い強度で躯体に固定できる。
図1は実施形態による方立を備えた店舗等の前面に設けたフロントサッシ1を示すものである。フロントサッシ1は、上枠3と下枠4との間に方立5で仕切られた枠体内にガラス等のパネル6が納められたフィックス(FIX)窓7として、例えばフィックス窓7A、7B、7Cを備えており、フィックス窓7Aの間に開口枠9が設置されている。
開口枠9は、中間横枠10と下枠4と方立5とで仕切られた枠体であり、その中央部に例えば両開きの自動ドア11が設けられ、その外側に方立5を介してフィックス窓7Bが設置されている。また、上枠3と中間横枠10との間には欄間としてのフィックス窓7Cが設置されている。フィックス窓7Cに代えて、排煙窓を設置してもよい。
なお、本明細書において、見付け方向または見付け面とはパネル6の配列方向をいい、見込み方向または見込み面とはパネル6に直交する奥行方向をいうものとする。
第一方立部材18の屋内側見付け面18cは第一呑込み部18aの底部よりも外側即ち第二方立部材19側(図3において、右側)に突出している。また、第一方立部材18の第一呑込み部18aはそのパネル溝の深さが第二方立部材19の第二呑込み部19aよりも深く設定されている。
しかも、本実施形態では、第一方立部材18と第二方立部材19の間に方立補強材23が設置されている。方立補強材23は、第一方立部材18の第一呑込み部18aの底部と側部、第一見込み面18b、屋内側見付け面18cに沿った屈曲形状を形成しており、その基端部が第一及び第二呑込み部18a,19aの底部の間に介在して連結ねじ24で一体に固定されることで方立5Aの強度を補強している。
なお、中間の方立5Aにおいて、方立補強材23は必ずしも設けなくてもよく、この場合、第一呑込み部18aと第二呑込み部19aの底部同士を連結ねじ24によって直接固定する。
支柱17の方立5Aに対向する上下方向の支持面17aには、図5に示すように、適宜の高さ位置に受け部26が取り付けられている。受け部26は上下方向に延びる例えば板状であり、その長手方向の上下端部と中間部とが支持面17aに当接して固定ねじ27で固定されている。受け部26は各固定ねじ27間の中間部が外側に湾曲していて、支持面17aとの間に隙間を形成する第一受け部26aと第二受け部26bを構成する。
同様に、第二連結板29は方立5Aの第二見込み面19bに固定ねじ27で固定される固定部29aと、受け部26の他方、例えば第二受け部26bの隙間に挿入されて係止される係止片29bとで形成されている。
このように、中間の方立5Aの強度が不足していたとしても、第一及び第二連結板28,29と受け部26を介して支柱17に連結することで方立5Aの強度を補足できる。しかも、地震等が発生した際、支持機構21の受け部26と第一及び第二連結板28,29との間で相対的に微振動が生じたとしても第一受け部26a、第二受け部26bと各係止片28b、29bの突条28c、29cとが係止状態にあるため、微細な振動でカタカタと異音がすることを防止できる。
例えば既設の建物における出入り口の前面にフロントサッシ1を施工する場合、比較的強度の低い中間の方立5Aを既設の躯体である支柱17に連結することで方立5Aの強度を補強する。そのため、まず、既設の支柱17に対して中間の方立5Aを仮置きして中間の方立5Aの位置を決める。そして、図5に示すように、中間の方立5Aの中心に対向する支柱17の支持面17aに受け部26を固定ねじ27によって適宜の高さ位置に取り付ける。受け部26は第一受け部26aと第二受け部26bが上下方向に位置するように取り付ける。
次に、図7に示すように、第二連結板29の係止片29bを受け部26の第二受け部26bに挿入して係止させる。この状態で方立5Aの第二見込み面19bの任意の位置にビス穴を開けて固定部29aを固定ねじ27で固定する。
これによって、中間の方立5Aと躯体の支柱17とを支持機構21によって上下左右及び前後方向に調整して連結するため、方立5Aの保持強度と耐風圧を向上できると共に方立5Aを自由な位置に設置できる。
更に、第一及び第二連結板28,29の係止片28b、29bにそれぞれ突条28c、29cを設けて第一受け部26a、第二受け部26bに線接触させるようにしたため、突条28c、29cを設けない場合よりも保持強度が高く、地震等の際に微振動で接離してカタカタと異音がすることを防止できる。
例えば、図9に示す方立5Aの支持機構21の第一変形例では、受け部26を分割して第一受け部26aと第二受け部26bを個別に支柱17の支持面17aに固定したものである。この場合、第一連結板28と第二連結板29を個別に異なる高さ位置で方立5Aの第一見込み面18bと第二見込み面19bとにそれぞれ連結することができる。
なお、上述した実施形態における受け部26は第一受け部26aと第二受け部26bの間に仕切りを形成して固定ねじ27で固定したが、仕切りを設けずに1つの隙間を有する受け部26内に第一及び第二連結板28,29の係止片28b、29bを互い違いに挿入する構成にしてもよい。
また、第一及び第二連結板28,29の係止片28b、29bに関し、上述した実施形態の構成に代えて、第一連結板28の係止板28bを第二受け部26bに挿入し、第二連結板29の係止板29bを第一受け部26aに挿入するように形成してもよい。
この第二変形例の場合、上述した実施形態による支持機構21と比較して、支柱17への固定強度は劣るが、この構成によっても中間の方立5Aを支柱17に連結でき、構成がより簡単になる。
なお、上述した実施形態や変形例ではフィックス窓7(7A,7B、7C)に設けた中間の方立5Aについて説明したが、本発明はフィックス窓7に代えて排煙窓やその他の窓など、適宜の窓やパネル6等に設置した方立に適用できる。
5、5A、5B 方立
6 パネル
7、7A,7B、7C フィックス窓
17 支柱
21 支持機構
26 受け部
26a 第一受け部
26b 第二受け部
28 第一連結板
28a,29a 固定部
28b、29b 係止片
28c、29c 突条
29 第二連結板
Claims (5)
- 躯体の支持面に方立を連結する方立の支持構造であって、
前記方立の屋内側見付け面に対向する前記躯体の支持面に設けられた受け部と、
前記方立に設けられていて左右方向から前記受け部に挿入して係止する連結部材と、
を備え、
前記受け部は左右方向の幅が前記方立の屋内側見付け面の左右方向の幅より小さく、前記方立の屋内側見付け面と前記躯体の支持面との間で前記連結部材が受け部に係止されていることを特徴とする方立の支持構造。 - 躯体の支持面に方立を連結する方立の支持構造であって、
前記躯体の支持面に設けた受け部と、
前記方立に設けていて左右方向から前記受け部に挿入して係止する連結部材と、
を備え、
前記連結部材は、前記方立に取り付ける固定部と前記受け部に係止する係止部とを有する第一連結部材及び第二連結部材を有しており、
前記受け部は第一受け部と第二受け部を有しており、
前記第一連結部材は前記受け部の左右方向の一方側から第一受け部に挿入して係止させ、前記第二連結部材は前記受け部の左右方向の他方側から挿入して第二受け部に挿入して係止させるようにしたことを特徴とする方立の支持構造。 - 前記受け部の第一受け部と第二受け部は、上下方向に連続して形成されている請求項2に記載された方立の支持構造。
- 前記連結部材は、前記受け部に挿入される係止部に前記受け部に係止する突部を設けた請求項1から3のいずれか1項に記載された方立の支持構造。
- 躯体の支持面に連結する方立であって、
前記躯体に設けた受け部に左右方向の一方から挿入して係止可能な第一連結部材と、
前記躯体に設けた受け部に左右方向の他方から挿入して係止可能な第二連結部材と、
を取り付けたことを特徴とする方立。
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