JP4637886B2 - 建具および建具の施工方法 - Google Patents
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Description
しかし、見込み寸法を拡大した窓枠では、一般的なサイズの窓枠に対して建物躯体や外装材との取り合いや止水構造などを変更したり、窓枠回りに用いる部品を新規に製造したりする必要が生じ、設計や施工の手間が増大してコスト増加の原因となってしまう。このため、窓枠としては一般的な見込み寸法のものを用い、この窓枠に対して複層ガラスを用いた障子を設けることがある。
また、単板ガラスを用いた障子と一般的な見込み寸法を有した窓枠とを有する既設の窓を改装し、複層ガラスを用いた障子を設けることもある。
特許文献1に記載された縦枠装置は、縦枠の室外側片に補助縦枠を取り付け、この補助縦枠に形成された摺接面部を室外側片よりも室外側に突出した位置、網戸のタイト材が摺接可能な位置に設けることで、タイト材と縦枠の室外側片との間の隙間が塞がれ、これにより虫の侵入が防止できるように構成されている。
また、縦枠の延出片部を当接面部とスペーサとの隙間に挿入し、スペーサを係合部に係合させることで、延出片部を当接面部とスペーサとで挟み込むことができ、副縦枠材の取付強度を高めることができる。
さらに、延出片部に設けた貫通孔を係合部としたことで、係合部を形成するための加工が容易にでき、すなわち工場のみならず現場においても比較的簡便な工具を用いて孔開け加工を実施することができる。さらに、スペーサを弾性変形可能に構成したことで、スペーサを撓ませながら副縦枠材を延出片部に押し込むことで、スナップ式にスペーサを貫通孔に嵌合させることができ、取付作業を一層簡単化することができる。
このような本発明によれば、副縦枠材に設けたスペーサを延出片部の係合部に係合させるだけで副縦枠材が取り付けられるので、副縦枠材および延出片部の構造が簡単化できるとともに、工場等の設備が整っていなくても取付作業が容易にでき、現場作業によって副縦枠材を取り付けることが可能になる。従って、新設の場合のみならず、既設の建具を改装する場合であっても本発明の構造が採用できる。
また、縦枠の延出片部を当接面部とスペーサとの隙間に挿入し、スペーサを係合部に係合させることで、延出片部を当接面部とスペーサとで挟み込むことができ、副縦枠材の取付強度を高めることができる。さらに、副縦枠材の当接面部と突出片部とで延出片部の先端を挟むことで、取付強度を一層高めることができ、取付後に作用する力に対して副縦枠材の脱落を防止することができる。
このような構成によれば、窓枠に固定可能な上端部キャップおよび下端部キャップを副縦枠材の上下端部に取り付けることで、副縦枠材の取付強度をさらに高めることができる。また、上端部キャップおよび下端部キャップで副縦枠材の上下端部を塞ぐことで、副縦枠材の内部への雨水等の浸入が防止できるとともに、副縦枠材の小口に衣服や物が引っかかることが防止できる。
このような本発明によれば、前述と同様に、工場等の設備が整った場所でなくても副縦枠材の取付作業が容易にできるので、新設の場合のみならず既設の建具を改装する場合で現場作業によって副縦枠材を縦枠に確実に取り付けることができる。
このような構成によれば、上端部キャップおよび下端部キャップのうちの一方を先に窓枠に固定しておいてから、これに副縦枠材を取り付け、他方の端部キャップを固定することで、副縦枠材の上下方向の移動を端部キャップによって拘束して副縦枠材の脱落を確実に防止することができる。この際、窓枠に対する端部キャップの固定方向は、延出片部に対して略直交する方向であることが好ましく、これによれば、副縦枠材が延出片部から抜け出すような力が作用した場合でも、その力を端部キャップで支持することができ、副縦枠材の取付強度をさらに一層向上させることができる。
図1は、本発明の実施形態に係る建具である引違い窓1を示す縦断面図である。図2は、引違い窓1を示す横断面図である。
図1、図2において、引違い窓1は、戸建て住宅等の建物の外壁開口部に設けられて建物の室内空間と室外空間とを仕切る建具であり、上枠2、下枠3、および左右の縦枠4を四周枠組みした窓枠5と、この窓枠5の内側に左右スライド開閉自在に支持された室内外一対の障子10(室内側障子10Aおよび室外側障子10B)と、室外側障子10Bの室外側に左右スライド開閉自在に支持された網戸20とを備えて構成されている。
図3は、引違い窓1の縦枠4の一部を拡大して示す横断面図である。図4は、副縦枠材40を示す横断面図である。図5は、副縦枠材40におけるスペーサ50を示す斜視図である。図6は、副縦枠材40における端部キャップ60を示す側面図および横断面図である。
縦枠4の延出片部4Cには、当該延出片部4Cを貫通する係合部としての貫通孔4Dが形成されており、副縦枠材40は、延出片部4Cの先端部を覆うようにして取り付けられ、貫通孔4Dに係合されて固定されている。
先ず、図7(A)に示すように、縦枠4の延出片部4Cに貫通孔4Dを設けるとともに、延出片部4Cの上端部に上端部キャップ60を固定しておくとともに、貫通孔4Dに対応した高さ位置において副縦枠材40にスペーサ50を取り付け、副縦枠材40の下端部に下端部キャップ70を取り付けておく。
次に、図7(B)に示すように、延出片部4Cの先端側から副縦枠材40のコ字形開口に延出片部4Cを挿入しつつ、副縦枠材40の上端部に上端部キャップ60のキャップ挿入部62を挿入しつつ、副縦枠材40を上方に移動させる。
以上のようにしてスペーサ50を貫通孔4Dに係合させ、図8(B)に示すように、副縦枠材40を所定の取付位置に位置させてから、下端部キャップ70を延出片部4Cの下端部に固定して副縦枠材40の取り付けが完了する。
なお、副縦枠材40の取付手順としては、上端部キャップ60を先に延出片部4Cに固定しておくものに限らず、下端部キャップ70を先に延出片部4Cに固定しておき、副縦枠材40に上端部キャップ60およびスペーサ50を取り付けてから、副縦枠材40の下端部を下端部キャップ70に取り付ける手順であってもよい。
(1)すなわち、副縦枠材40のコ字形内部に設けたスペーサ50の被係合突部52と、延出片部4Cの貫通孔4Dとをクリップ式に嵌合させることで、副縦枠材40が縦枠4に取り付けられる。従って、副縦枠材40および延出片部4Cの構造が簡単化できるとともに、工場等の設備が整っていなくても取付作業が容易にでき、現場作業によって副縦枠材40を取り付けることが可能になるので、新設の場合のみならず、既設の引違い窓1を改装する場合であっても低コストかつ短工期で副縦枠材40の取り付け作業が実施できる。
例えば、前記実施形態においては、室内外一対の障子10A,10Bを有した引違い窓1を例示して説明したが、本発明の建具はこのような引違い窓1に限られない。すなわち、本発明の建具は、3枚以上の障子を有する3枚建てや4枚建ての引違い窓でもよく、また、前記実施形態における室内外のいずれか一方の障子が窓枠に固定された片引き窓でもよく、さらには一対の障子が離れる方向に開放される引分け窓であってもよい。
さらに、縦枠4の延出片部4Cに設ける係合部としては、前記貫通孔4Dに限らず、延出片部4Cから室外側または室内側に突出した突起によって係合部を構成してもよく、この場合には、突起と係合可能な凹部をスペーサに形成しておけばよい。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
Claims (6)
- 上枠、下枠、および左右の縦枠を有する窓枠と、この窓枠内に開閉自在に支持される障子と、この障子の室外側にて前記窓枠に開閉自在に支持される網戸とを備えた建具であって、
前記縦枠の室外側端縁には、前記網戸の見込み位置よりも室内寄りにて見付け方向内側または見込み方向外側に延びる延出片部が、当該縦枠の長手方向に沿って形成され、この延出片部には、前記網戸の側端縁と防虫材を介して当接可能な副縦枠材が取り付けられており、
前記副縦枠材は、前記延出片部の一方の側面に沿って設けられて当該一方の側面に当接する当接面部と、当該当接面部に連続する側面部とを有して形成されるとともに、前記当接面部と隙間を介して当該副縦枠材に保持されかつ前記延出片部の他方の側面に当接する少なくとも1つのスペーサを有して構成され、
前記縦枠の延出片部には、当該延出片部を貫通する貫通孔から形成されて前記スペーサと係合する係合部が設けられ、前記スペーサには、弾性変形可能でかつ前記貫通孔と嵌合する突状の被係合部が形成され、
前記被係合部には、前記副縦枠材の側面部に近づくにしたがって前記当接面部との隙間が小さくなる方向に傾斜する傾斜面が形成され、
前記延出片部が前記副縦枠材の当接面部とスペーサとの隙間に挿入されるとともに、当該延出片部に前記傾斜面が摺接して前記被係合部が撓み、前記副縦枠材を所定位置まで押し込むことで前記被係合部が初期位置に戻って前記貫通孔に係合することで、当該副縦枠材が前記縦枠に取り付けられている建具。 - 上枠、下枠、および左右の縦枠を有する窓枠と、この窓枠内に開閉自在に支持される障子と、この障子の室外側にて前記窓枠に開閉自在に支持される網戸とを備えた建具であって、
前記縦枠の室外側端縁には、前記網戸の見込み位置よりも室内寄りにて見付け方向内側または見込み方向外側に延びる延出片部が、当該縦枠の長手方向に沿って形成され、この延出片部には、前記網戸の側端縁と防虫材を介して当接可能な副縦枠材が取り付けられており、
前記副縦枠材は、前記延出片部の一方の側面に沿って設けられて当該一方の側面に当接する当接面部と、当該当接面部に連続する側面部と、この側面部から前記当接面部と略平行に突出した突出片部とを有して形成されるとともに、前記当接面部と隙間を介して当該副縦枠材に保持されかつ前記延出片部の他方の側面に当接する少なくとも1つのスペーサを有して構成され、このスペーサは、前記突出片部の一方の面に当接することで前記副縦枠材に移動不能に取り付けられ、
前記縦枠の延出片部には、前記スペーサと係合する係合部が設けられ、
前記延出片部が前記副縦枠材の当接面部とスペーサとの隙間に挿入されるとともに、前記突出片部の他方の面と前記当接面部との間に前記延出片部の先端が挿入され、前記係合部が前記スペーサに係合することで、当該副縦枠材が前記縦枠に取り付けられている建具。 - 前記副縦枠材の側面部には、その先端から前記当接面部に向かって折れ曲がった折返し片が形成され、この折返し片と前記突出片部との間に係止されて前記スペーサが当該副縦枠材取り付けられている請求項2に記載の建具。
- 前記副縦枠材の上下端部には、当該副縦枠材の小口を塞ぐ上端部キャップおよび下端部キャップが設けられ、当該上端部キャップが前記縦枠の延出片部または前記上枠に固定され、当該下端部キャップが前記縦枠の延出片部または前記下枠に固定されている請求項1から請求項3のいずれかに記載の建具。
- 上枠、下枠、および左右の縦枠を有する窓枠と、この窓枠内に開閉自在に支持される障子と、この障子の室外側にて前記窓枠に開閉自在に支持される網戸とを備えた建具の施工方法であって、
前記縦枠は、その室外側端縁において長手方向に沿い、かつ前記網戸の見込み位置よりも室内寄りにて見付け方向内側または見込み方向外側に延びる延出片部を有して形成されており、この延出片部を貫通する貫通孔によって係合部を形成しておき、
前記延出片部の一方の側面に当接可能な当接面部と当該当接面部に連続する側面部とを有して形成された副縦枠材と、この副縦枠材に保持されて前記延出片部の他方の側面に当接可能であるとともに、弾性変形可能かつ前記貫通孔と嵌合する突状の被係合部が形成された少なくとも1つのスペーサとを用意しておき、このスペーサ前記被係合部には、前記副縦枠材の側面部に近づくにしたがって前記当接面部との隙間が小さくなる方向に傾斜する傾斜面が形成され、
前記窓枠を外壁開口部に固定した状態において、
前記当接面部と隙間を介して前記副縦枠材に前記スペーサを取り付け、
前記副縦枠材の当接面部とスペーサとの隙間に前記縦枠の延出片部を挿入するとともに、当該延出片部に前記傾斜面を摺接させて前記被係合部を撓ませ、前記副縦枠材を所定位置まで押し込むことで初期位置に戻る前記被係合部を前記貫通孔に係合させることで、前記副縦枠材を前記縦枠に取り付け、
前記縦枠に取り付けた副縦枠材と前記網戸の側端縁とが防虫材を介して当接可能に構成される建具の施工方法。 - 前記副縦枠材の上下端部に取り付け可能でその小口を塞ぐ上端部キャップおよび下端部キャップとを用意するとともに、これらの上端部キャップおよび前記下端部キャップの一方を前記窓枠に固定し、他方を前記副縦枠材に取り付けておき、
前記上端部キャップおよび前記下端部キャップの一方に前記副縦枠材の端部を取り付けてから、当該副縦枠材の当接面部とスペーサとの隙間に前記縦枠の延出片部を挿入するとともに、当該スペーサに前記係合部を係合させ、
その後に、前記上端部キャップおよび前記下端部キャップの他方を前記窓枠に固定して前記副縦枠材を前記縦枠に取り付ける請求項5に記載の建具の施工方法。
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