JP6290089B2 - マイクロ波加熱装置 - Google Patents

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Description

本発明は、マイクロ波加熱装置に関する。
マイクロ波により金属等の材料やその薄膜を加熱する技術が従来から知られている。その一例には、特許文献1に開示されるように、金属酸化物半導体の前駆体となる無機金属塩材料から形成された薄膜に、大気圧下でマイクロ波を照射し、半導体に変換するといったものがある。
また特許文献2には、フィルム基材上の特定の層を選択的に加熱し、緻密化・結晶化を促進する技術において、マイクロ波源をパルス駆動して、パルス状のマイクロ波を照射する技術が開示されている。
特開2009−177149号公報 特開2011−150911号公報
しかしながら、上記従来の技術では、導体や半導体を含んだ対象物をマイクロ波で加熱する場合に生じる、スパークに対する配慮がされていない。スパークが生じると、対象物に不慮の変形や破損が生じるため、これを効果的に防止する技術が要望されている。
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、導体や半導体を含んだ対象物をマイクロ波の電界で加熱する場合にスパークの発生を効果的に防止できるマイクロ波加熱装置を提供することを、その目的の一つとする。
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、マイクロ波加熱装置であって、導波管と、前記導波管内に配される、導体、金属酸化物、または半導体を含むパターンが形成された平面状基板の、前記パターンの形成面に実質的に平行となる方向に電気力線の方向が一致するようマイクロ波を供給するマイクロ波供給手段と、前記マイクロ波供給手段をパルス幅制御し、前記パターンの形成面にパルス状のマイクロ波を供給させる制御手段と、を備えたものである。
本発明によると、導体(金属酸化物等の金属前駆体を含む)や半導体を含んだ対象物をマイクロ波で加熱する場合にスパークの発生を効果的に防止できる。
本発明の実施の形態に係るマイクロ波加熱装置の例を表す構成ブロック図である。 本発明の実施の形態に係るマイクロ波加熱装置のパルス制御の例を表す説明図である。 本発明の実施の形態に係るマイクロ波加熱装置の加熱部を構成する導波管の一例を示す説明図である。 本発明の実施の形態に係るマイクロ波加熱装置が導波管内に発生させるマイクロ波の電磁界分布の例を表す説明図である。 本発明の実施の形態に係るマイクロ波加熱装置の加熱部を構成する導波管のもうひとつの例を示す説明図である。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本発明の実施の形態に係るマイクロ波加熱装置は、図1に例示するように、マイクロ波源制御部11、マイクロ波発生部12、モニタ部13、チューナ部14、導波管160を含む加熱部16、被加熱対象物供給部18及び可動短絡部20を含んで構成されている。
マイクロ波源制御部11は、断続的にマイクロ波を放射させるようマイクロ波発生部12をパルス制御する。具体的にこのマイクロ波源制御部11は、図2に例示するように、所定電力の電源をマイクロ波発生部12に供給するオン期間動作(I)と、マイクロ波発生部12への電源供給を遮断するオフ期間動作(O)とを予め定めたタイミングごとに交互に繰り返す。
本実施の形態のある例では、このオン期間動作の期間長さti(秒)と、オフ期間動作の期間長さto(秒)との比(デューティー比)が1:1であり、周波数(1/(ti+to))が50kHzであるが、この周波数やデューティー比、並びにマイクロ波発生部12に供給する電力Pは、加熱の対象等に応じて決定される。
マイクロ波発生部12は、マイクロ波源制御部11から電力が供給されると、加熱部16を構成する導波管160に供給するマイクロ波を発生する。ここでマイクロ波とは、波長範囲が1m〜1mm(周波数が300MHz〜300GHz)の電磁波である。本実施の形態では、このマイクロ波発生器12は、導波管160の長手方向端部に形成したアイリス部22から、発生したマイクロ波を導波管160内に導入する。
モニタ部13は、マイクロ波発生部12が発生したマイクロ波の入射電力と、加熱部16からの反射電力とを測定し、その測定の結果を出力する。チューナ部14は、加熱部16を構成する導波管160に上記マイクロ波が進入する際に発生する反射波と逆位相の電磁波を発生させて反射波を打ち消す。これにより反射波がマイクロ波発生部12に戻ることが防止される。
加熱部16は、導波管160を含んで構成される。この加熱部16は導波管160内に配した被加熱対象物を、導波管160に設けられたアイリス部22(図3参照)を通じて導入されるマイクロ波により加熱する。後述するように、本実施形態では、マイクロ波のエネルギのうち電場のエネルギを使用し被加熱対象物を加熱する。
被加熱対象物供給部18は、マイクロ波の漏洩防止機構を備え、加熱部16を構成する導波管160に被加熱対象物を供給する。この被加熱対象物供給部18は、例えば導波管160に形成した被加熱対象物の供給用の開口であってよい。この場合には、人手により被加熱対象物を上記開口から導波管160内に挿入する。また、ロールツーロール等の適宜な供給装置により、被加熱対象物を導波管160内に供給する構成としてもよい。ロールツーロールで供給する被加熱対象物の幅は0.01〜2mが好ましく、さらに好ましくは0.05〜1.5m、最も好ましくは0.1〜1mである。
本実施の形態において、被加熱対象物の例は、(1)平均粒径20μm以下(より好適には10μm以下)の導電材料Ag,Cu,Al,Ni,Au等を適宜な溶媒に分散させた金属インク、(2)Ag,Cu,Al,Ni,Au等の導電材料を含む合金(はんだペースト等)を適宜な溶媒に分散させた金属インク、(3)当初は絶縁材料(金属前駆体)である酸化銅、酸化ニッケル、酸化コバルト(平均粒径は10μm以下、より好適には1μm以下)等の酸化物インクを還元剤とともに適宜な溶媒に分散させたインク組成物、あるいは(4)平均粒径20μm以下(より好適には10μm以下)の半導体微粒子を適宜な溶媒に分散させた半導体インク(ここで半導体微粒子は、IV族半導体としてSi、Ge等、II−IV族半導体としてZnSe、CdS、ZnO等、III−V族半導体としてGaAs、InP、GaN等)、を、基板上に所定のパターン(全面ベタ印刷を含む)に印刷して形成したインク層(導体、金属酸化物、または半導体を含むパターン)である。 このインク層(導体、金属酸化物、または半導体を含むパターン)は、10nm乃至100μm厚で基板上に形成する。これより薄くなると塗布が困難であり、これより厚くなると均一な加熱が困難となる。より好ましいインク層の厚みは10nm乃至10μmである。ここで当初は絶縁材料である物質は、加熱部16において加熱することにより、導電性を獲得する。なお、本実施の形態において導電性を有することは、抵抗率が10Ωcm以下であることを意味するものとする。なお平均粒径はレーザー回析式粒度分布測定装置(例えば、日機装株式会社製 マイクロトラック粒度分布測定装置 MT3000IIシリーズ USVR)により測定し、球近似により粒径を求めたメジアン径である(以下同じ)。
またこれらの導電材料を分散させる溶媒としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ベンズアルデヒド、オクチルアルデヒドなどのカルボニル化合物;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、酢酸メトキシエチルなどのエステル系化合物;蟻酸、酢酸、蓚酸などのカルボン酸;ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、フェニルセロソルブ、ジオキサン等のエーテル系化合物;トルエン、キシレン、ナフタレン、デカリンなどの芳香族炭化水素化合物;ペンタン、ヘキサン、オクタンなどの脂肪族炭化水素化合物;塩化メチレン、クロロベンゼン、クロロホルムなどのハロゲン系炭化水素;メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール、テルピネオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどのアルコール化合物、水あるいはこれらの混合溶媒などを挙げることができる。以上の溶媒の中では水溶性溶媒が好ましく、特にアルコール、水が好ましい。なお、導電材料の元となる物質として金属酸化物を用いる場合は還元剤を含有させることが好ましい。前述した有機溶媒であれば還元作用を有するが、還元効率を考慮するとエチレングリコール、プロピレングリコールやグリセリン等の多価アルコール、蟻酸、酢酸、蓚酸のようなカルボン酸が好適である。
さらに、こうしたインク組成物を印刷するには、粘度調整等の目的でバインダー樹脂を用いることができる。バインダー樹脂として使用できる高分子化合物としては、ポリビニルピロリドン、ポリビニルカプロラクトンのようなポリ−N−ビニル化合物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリTHFのようなポリアルキレングリコール化合物、ポリウレタン、セルロース化合物およびその誘導体、エポキシ化合物、ポリエステル化合物、塩素化ポリオレフィン、ポリアクリル化合物のような熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂が使用できる。これらのバインダー樹脂は効果の程度に差はあるが、いずれも還元剤としての機能を有する。この中でもバインダー効果を考慮するとポリビニルピロリドンが、還元効果を考慮するとポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコールが、また、バインダーとしての粘着力の観点からはポリウレタン化合物が好ましい。
インク組成物を層状に形成する方法は特に限定されないが、例えばウェットコート等を挙げることができる。ウェットコートとはコーティング層上に液体を塗布することによって製膜するプロセスを指す。本実施形態に用いるウェットコートは公知の方法であれば特に制限はなく、スプレーコート、バーコート、ロールコート、ダイコート、ディップコート、ドロップコート、インクジェット印刷、スクリーン印刷、凸版印刷法、凹版印刷法、平版印刷、グラビア印刷法などを用いることができる。
可動短絡部20は、導波管160内を、その長手方向に移動可能に配されており、導波管160内のマイクロ波を終端する。つまり、導波管160内では、アイリス部22から導入されたマイクロ波が、この可動短絡部20の位置で反射して折り返す。そこでこの可動短絡部20を適宜な位置に移動させれば、マイクロ波を定在波とすることができる。具体的にはモニタ部13が出力する反射電力を測定し、当該反射電力により定在波が形成されたか否かを判断しながら、可動短絡部20を移動させ、定在波が形成されたと判断された位置で可動短絡部20を固定すればよい。
本実施の形態では、導波管内160におけるマイクロ波の波長は、被加熱対象物の材質により短縮が生じるので、定在波の条件はこれに応じて変化してしまう。そこで本実施の形態では、モニタ部13の反射電力を測定しつつ、定在波を維持するための最適な位置に可動短絡部20(より詳しくはその先端部20a)が配置される。
図3には、加熱部16を構成する導波管160の一例(TE10モードの空洞共振器)が示される。図3において、導波管には、マイクロ波を受け入れる側に上記チューナ部14が設けられている。また、マイクロ波の入り口には、アイリス部22が形成され、マイクロ波はこのアイリス部22の開口から導波管160に導入される。また、図3では、被加熱対象物供給部18が破線で示されている。図3中のマイクロ波Mwの波は電界の曲線(波(振幅)の最高点(曲線の最上点)が電界最大点、最下点(曲線の最下限)が電界最小点)を示している。
導波管160のアイリス部22と反対側の端部付近には、上記可動短絡部20が設けられており、アイリス部22と可動短絡部20との間に存在するマイクロ波Mwの電場により被加熱対象物供給部18から供給された被加熱対象物すなわち基板24上に形成された上記膜が加熱される。この電場の影響範囲はマイクロ波の周波数(波長)によって異なるが、例えば2.45GHz(約148mm)の場合は電界の最大点より+/−15mm程度の範囲である。
なお、アイリス部22と可動短絡部20との間にマイクロ波Mwの定在波を発生させるためには、アイリス部22と先端部20aとの距離Lを、
L=(2n−1)λg/2
とする。ここでλgはマイクロ波Mwの導波管内における波長であり、nは自然数である。ただし、導波管160中に発生するマイクロ波は、定在波に限定されず、進行波であってもよい。
図4(a)、(b)、(c)には、導波管160中に発生するマイクロ波の電磁界分布の説明図が示される。図4(a)は、導波管160の斜視図であり、図のx−y平面に直交する方向(z軸方向)に導波管160が伸びている。導波管160にマイクロ波が供給されたときには、x軸方向(y−z平面に直交する方向)に磁界が発生する。このときの磁界を表す磁力線が破線の矢印で表示されている。また、電界は磁界と直交するy軸方向に発生し、電気力線が実線の矢印で表示されている。
図4(b)は、導波管160のx−z平面に平行な面での断面図である。図4(b)では、マイクロ波の電気力線が白丸(○)と黒丸(●)で示されており、白丸が紙面の手前側から裏側に向かう向き、黒丸が紙面の裏側から手前側に向かう向きの電気力線である。また、磁力線は破線で示されている。
基板24は、図4(b)に示されるように、導体の膜または導体を分散させた分散物の膜が形成された面をマイクロ波の電場方向(電気力線の方向)と実質的に平行に維持した状態で導波管160中に配置し、または導波管160中を移動させる。これにより、上記膜に対して電場による誘導加熱を行うことができる。ここで、略平行とは、基板24の面とマイクロ波の電場方向とが平行または電場の方向に対して30度以内の角度を維持した状態をいう。なお、上記30度以内の角度とは、基板24の面に立てた法線と電場の向きとが60度以上の角度をなしている状態をいう。また、基板24が配置され、または移動する導波管160中の位置は、マイクロ波の電場の渦の中心を含む位置(電界が最大となる点を含む位置、つまり電気力線が最も密となる位置)である。
図4(c)は、導波管160のy−z平面に平行な面での断面図である。図4(c)では、マイクロ波の磁力線が白丸(○)と黒丸(●)で示されており、白丸が紙面の手前側から裏側に向かう向き、黒丸が紙面の裏側から手前側に向かう向きの磁力線である。
基板24は、導波管160中の電気力線の密度が高い領域、すなわちマイクロ波の電界の最大点を含んだ位置に配置し、またはその位置を通過させるのが好適である。なお、電界の最大点では、磁界は最小となっている。
図4には、導体の膜または導体を分散させた分散物の膜が形成された基板24の断面図が示される。図4において、基板24の少なくとも一方の面には、導体の膜26または導体を分散させた分散物の膜26が形成されている。
本実施の形態のマイクロ波加熱装置は以上の構成を有してなり、マイクロ波源制御部11が、マイクロ波発生部12の発生するマイクロ波をパルス制御して、加熱部16の導波管160内に配した被加熱対象物である基板24にパルス状のマイクロ波を供給する。また本実施の形態では、導波管160内の可動短絡部20を移動させて、基板24の中心部分と、マイクロ波の電界が最大となる点とが概ね同じ位置となるよう定在波を形成する。これにより、被加熱対象物である基板24をパルス状のマイクロ波で加熱することとなる。
なお、本実施の形態における被加熱対象物は、基板上に堆積された金属ナノワイヤを含む導電パターンであってもよい。金属ナノワイヤにパルス状のマイクロ波を照射することにより金属ナノワイヤ相互の交点を接合させて透明導電膜を製造する。ここで、接合とは、金属ナノワイヤの交点において、ナノワイヤの材料(金属)がパルス光照射を吸収し、交差部分でより効率的に内部発熱を起こすことにより、その部分が熔接されることをいう。
この接合により、交差部分でのナノワイヤ間の接続面積が増え表面抵抗を下げることができる。このように、パルス光を照射して金属ナノワイヤの交点を接合することにより、金属ナノワイヤが網目状となった導電層が形成される。このため、透明導電膜の導電性を向上でき、本実施形態にかかる透明導電膜の表面抵抗値は、10Ω/sq〜800Ω/sqとなる。なお、金属ナノワイヤが形成する網目は、間隔を空けずに密集している状態では好ましくない。間隔を空けないと光の透過率が低下するからである。
ここで、金属ナノワイヤとは、材質が金属である直径がナノメートルサイズの粒子のうち形状が棒状または糸状のものを表す。本発明において用いる金属ナノワイヤには分岐している形状や、球状の粒子を数珠上に繋げた形状は含まない。
この金属ナノワイヤの材料としては、特に限定されないが、例えば、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、カドミウム、オスミウム、イリジウム、白金、金が挙げられ、導電性が高いことから銅、銀、白金、金が好ましく、銀がより好ましい。また、金属ナノワイヤ(銀ナノワイヤ)の直径は、10〜300nm、長さは3〜500μm、より好ましくは直径が30nm〜100nm、長さが10〜100μmであることが好適である。直径があまりに細いと結合したときの強度が足りず、あまりに太いと透明度が低下する。また、長さがあまりに短いと効果的に交点が重なることが出来ず、あまりに長いと印刷性が低下する。
上記金属ナノワイヤは公知の方法によって合成することができる。例えば溶液中で硝酸銀を還元する方法が挙げられる。溶液中で硝酸銀を還元する具体的な方法としては金属複合化ペプチド脂質から成るナノファイバーを還元する方法や、エチレングリコール中で過熱しながら還元する方法、クエン酸ナトリウム中で還元する方法等が挙げられる。中でも、エチレングリコール中で加熱しながら還元する方法が最も容易に金属ナノワイヤを製造できるので好ましい。
基板上に金属ナノワイヤを堆積する方法は、特に限定されないが、例えばウェットコート等を挙げることができる。ウェットコートとは基板上に液体を塗布することによって製膜するプロセスを指す。本実施形態に用いるウェットコートは公知の方法であれば特に制限はなく、スプレーコート、バーコート、ロールコート、ダイコート、インクジェットコート、スクリーンコート、ディップコート、ドロップコート、凸版印刷法、凹版印刷法、グラビア印刷法などを用いることができる。また、ウェットコートの後に基板を加熱して用いた溶媒を除去するプロセスや、分散剤などの添加物を洗浄によって洗い流すプロセスなどが含まれていても良い。なお、上記ウェットコートは1回だけではなく複数回繰り返しても良い。また、グラビア印刷やスクリーン印刷を用いてパターン印刷を行っても良い。
また、上記ウェットコートに使用する溶媒としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系化合物;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、酢酸メトキシエチルなどのエステル系化合物;ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、フェニルセロソルブ、ジオキサン等のエーテル系化合物;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素化合物;ペンタン、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素化合物;塩化メチレン、クロロベンゼン、クロロホルムなどのハロゲン系炭化水素;メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノールなどのアルコール化合物、水あるいはこれらの混合溶媒などを挙げることができる。以上の溶媒の中では水溶性溶媒が好ましく、特にアルコール、水が好ましい。
さらに本実施の形態における被加熱対象物は、扁平状の形状を持つ金属酸化物粒子(以後、扁平状金属酸化物粒子という)と、還元剤とを含む組成物を、基板上に所定のパターン(全面ベタ印刷を含む)に印刷して形成したものであってもよい。このパターン自体は導電性を示さないが、パターンにパルス状のマイクロ波を照射して加熱を行うことにより金属の焼結体を生成し、導電パターンとなる。この扁平状金属酸化物粒子は、例えばスクリーン印刷、グラビア印刷等により、あるいはインクジェットプリンタ等の印刷装置を使用し、基板上に予め定めた印刷パターンを形成すること、あるいは基板の全面に上記組成物層を形成して用いられ、この基板ごと被加熱対象物として加熱される。
上記扁平状金属酸化物粒子の厚みは10〜800nmが好適であり、好ましくは20nm〜500nmの範囲がよく、より好ましくは20nm〜300nmがよい。10nmより薄いものは調製するのが難しく、また800nmよりも厚いと焼結されにくくなるという問題が起こる。また、アスペクト比(粒子の幅/厚さ)については、ある程度大きくないと接触面積を大きくする効果が出ない。また、あまりに大きすぎると印刷精度が落ち、さらに粒子の分散をうまく行うことが出来ないという問題がある。そこで、好ましいアスペクト比は5〜200の範囲であり、より好ましくは5〜100の範囲である。扁平状金属酸化物粒子の形状は、3万倍の倍率で観察箇所を変えて10点SEM観察して厚さと幅を実測し、厚さはその数平均値として求める。
扁平状金属酸化物粒子としては、酸化銅、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化錫等が挙げられる。これらの中でも還元された金属の導電性が高い点から酸化銅がより好ましい。また、磁性等他の物性の点では酸化コバルトがより好ましい。
また、扁平状金属酸化物粒子には、種々の酸化状態を持つ酸化物、例えば酸化第一銅や酸化第二銅のように酸化状態の違うものも含まれる。
さらに他の形状、例えば球状、棒状等の上記金属酸化物粒子や銅、コバルト、ニッケル、鉄、亜鉛、インジウム、錫、あるいはこれらの合金の金属粒子を併用してもよい。その場合扁平状金属酸化物粒子が全粒子に対して70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましい。
本実施形態では、扁平状の形状を持つ扁平状金属酸化物粒子と還元剤とを混合した組成物にパルス状のマイクロ波にて加熱を行うことにより金属の焼結体を効率的に生成し、抵抗が十分に下がった導電膜を形成できる。
本実施形態の導電パターン形成用組成物は扁平状金属酸化物粒子を主成分とするため、パルス状のマイクロ波加熱により導電パターンを形成するための還元剤を含む。還元剤としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、シクロヘキサノール、テルピネオールのようなアルコール化合物、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール、蟻酸、酢酸、蓚酸、コハク酸のようなカルボン酸、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、ベンズアルデヒド、オクチルアルデヒドのようなカルボニル化合物、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸フェニルのようなエステル化合物、ヘキサン、オクタン、トルエン、ナフタリン、デカリンのような炭化水素化合物を使用することが出来る。この中で、還元剤の効率を考えると、エチレングリコール、プロピレングリコールやグリセリン等の多価アルコール、蟻酸、酢酸、蓚酸のようなカルボン酸が好適である。上記還元剤の配合量は扁平状金属酸化物粒子に対してその還元に必要な量であれば制限はいが、通常後述のバインダー樹脂を含む組成物の溶剤としての機能を兼ねるので扁平状金属酸化物粒子100質量部に対して20〜200質量部配合される。
また上記扁平状金属酸化物粒子を主成分とする組成物を印刷するためには、バインダー樹脂を用いることが一般的である。バインダー樹脂として使用できる高分子化合物としては、ポリビニルピロリドン、ポリビニルカプロラクトンのようなポリ−N−ビニル化合物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリTHFのようなポリアルキレングリコール化合物、ポリウレタン、セルロース化合物およびその誘導体、エポキシ化合物、ポリエステル化合物、塩素化ポリオレフィン、ポリアクリル化合物のような熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂が使用できる。これらのバインダー樹脂は効果の程度に差はあるが、いずれも還元剤としての機能を有する。この中でもバインダー効果を考えるとポリビニルピロリドン、ポリウレタン化合物が、還元効果を考えるとポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコールが、好ましい。なお、ポリエチレングリール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコールは多価アルコールの分類に入り、特に還元剤として好適な特性を有する。
上記の通り扁平状金属酸化物粒子を主成分とする導電パターン形成用組成物を印刷するためにはバインダー樹脂を用いることが一般的であるが、あまり多く用いると導電性が発現しにくくなるという問題があり、またあまりに少なすぎると粒子同士を繋ぎ止める能力が低くなってしまう。そのため、扁平状金属酸化物粒子100質量部に対して、1〜50質量部、より好ましくは3〜20質量部の使用量が好ましい。上述の通りバインダー樹脂は還元剤としての機能を有するため、前述のバインダー樹脂を兼用しない還元剤は本発明の導電パターン形成用組成物における必須成分ではない。しかしながら、バインダー樹脂単独でその配合量が少ない場合には還元剤としては不十分となるため、バインダー樹脂の溶剤を兼ねる還元剤を上記配合割合を満たす範囲で併用することが好ましい。
上記扁平状金属酸化物粒子を主成分とする導電パターン形成用組成物には、印刷する方法に応じて組成物の粘度調整等を目的として必要に応じて公知の有機溶媒、水溶媒等を使用することができる。
なお、本実施形態において用いられる導電パターン形成用組成物には、公知のインキの添加剤(消泡剤や、表面調整剤、チクソ剤等)を必要に応じて存在させても良い。
本実施の形態によると、パルス状に制御されたマイクロ波を用いるので、連続波を用いる場合に比べて使用エネルギ量を抑制できる。また、温度上昇がパルス状に発生するので例えば基板24をフィルム基板とする場合、長時間に亘り150度を超える温度で加熱することとなる連続波による加熱に比べ、間欠的に120度を超える程度の加熱となるので、基板に負担をかけずに加熱を行うことができる。
図5には、本実施の形態に係るマイクロ波加熱装置の別の例における加熱部16を構成する導波管161の一例(TE10モードの空洞共振器)が示される。図5において、導波管161は、偶数個(複数対)の導波管161-1,161-2,…を含んで構成される。各導波管161-i(i=1,2,…)は、マイクロ波の進行方向に平行に、かつマイクロ波の進行方向と直交する方向に隣接して配列される。ここでは互いに隣接して配される導波管161-(2n-1),161-2n(ただし、nは自然数)の組が少なくとも一対含まれる。
ここで「マイクロ波の進行方向」との文言を使用しているが、これはマイクロ波が定在波であることを否定していない。定在波は互いに反対方向に進行する進行波の合成により生じるからである。
各導波管161のマイクロ波の進行方向一方側にはアイリス部22が設けられており、他方側には可動短絡部20が設けられる。それぞれの導波管161には当該アイリス部22から、マイクロ波発生部12により発生されたマイクロ波が導入される。
本実施の形態のここでの例では、互いに隣接する導波管161内のマイクロ波の位相を互いに90度ずれた状態に維持する。具体的に、ここでの例においても例えばアイリス部22と可動短絡部20との間にマイクロ波Mwの定在波を発生させるために、アイリス部22と可動短絡部20の先端部20aとの距離Lを、
L=(2n−1)λg/2
とする(λgはマイクロ波Mwの導波管内における波長であり、nは自然数である)か、あるいは進行波とするために、アイリス部22と先端部20aとの距離Lを上記条件とは異なる値に設定するのであるが、アイリス部22と可動短絡部20の位置を導波管161-(2n-1)、つまり奇数番目の導波管と、161-2n(偶数番目の導波管)とで互いに半波長だけずれた状態に設定して、奇数番目の導波管161-(2n-1)と偶数番目の導波管161-2nとの内部のマイクロ波の位相を互いに90度ずれた状態に維持する。これにより、互いに隣接する導波管161内のマイクロ波の位相が互いに90度ずれた状態に維持される。
被加熱対象物は、各導波管161-iに形成した被加熱対象物の供給・退出用の一対の開口である被加熱対象物供給部18を通じて、各導波管161-i(i=1,2,…)内を連続して通過するよう移動される。この被加熱対象物供給部18はマイクロ波の漏洩防止機構を備えるものであってもよい。
すなわち、図5に示された例においても、被加熱対象物供給部18が設けられており、基板24を、導体もしくは半導体の膜または導体もしくは半導体を分散させた分散物の膜が形成されている面が各導波管161-i中のマイクロ波の電気力線方向と略平行に維持した状態で図示していない基板保持、移動手段によって導波管16中を連続して通過させる。ここで、連続して通過とは、基板24が一つの導波管161-iを通過した後、これに隣接し、当該導波管161-iとはマイクロ波の位相が90度ずれた導波管161-(i+1)を続けて通過することをいう。図5の例では、基板24が、図の上から下の方向(矢印B方向)に移動している。
また本実施の形態の図5の例では、互いに隣接する複数の導波管161内のマイクロ波の供給方向を互い違いとする。つまり、奇数番目の導波管161-(2n-1)と偶数番目の導波管161-2nとで、アイリス部22と可動短絡部20との位置を互い違いとする。図5では、奇数番目の導波管161-1では、アイリス部22が図面上左側、可動短絡部20が右側に配されて、図面右側へ向ってマイクロ波が供給される(A1)ものとしている。また偶数番目の導波管161-2では、アイリス部22が図面上右側、可動短絡部20が左側に配されて、図面左側へ向ってマイクロ波が供給される(A2)ものとしている。
実施例1
基板として東レ・デュポン社製ポリイミドフィルム;カプトン(登録商標)150EN(フィルム厚 37.5μm)を使用し、この基板の表面に銀(Ag)ペースト(ドータイト(登録商標)FA−353N 藤倉化成株式会社製、Ag含有量69質量%)を塗布した。この銀ペーストの塗布は、上記基板にスクリーン印刷により2cm×2cmの正方パターンを印刷することにより行った。室温で1日乾燥させた後の印刷したパターン(銀ペースト層)の厚さは、6μm(3点平均値)であった。パターンの厚さの測定は、ミツトヨ製デジタルマイクロメーターを用いて、パターン形成前後の厚さ変化を測定した。
以上のようにして銀ペーストを塗布して銀ペースト層を形成した基板を、石英ガラス(25mm×100mm×1mm)にカプトン(登録商標)テープで貼り付け、これを図1に示した装置内にポリイミドフィルム表面に塗布した銀ペースト層が上述したようにマイクロ波の電気力線方向と略平行となる方向、かつマイクロ波の電界の最大点を含んだ図4(b)に示した条件を満足する位置に配置した。
使用したマイクロ波の周波数は2.457GHz、出力は150W、パルスの周期は50kHz、デューティー比(マイクロ波が放射されている時間tiのパルス周期の時間に対する比ti/(ti+to))は20%とした。このときの電界の最大点(磁界の最小点)は理論上アイリス部22からλg/4離れた位置(磁界の最大点から−λg/4離れた位置)となるが、基板24をセットすると基板の中を進むマイクロ波が波長短縮し、共振位置がずれる。そのため、アイリス部22からλg/2離れた電界の最小点にマイクロ波検出器を配置し、マイクロ波検出器に接続した導波管内電圧計の電圧が極小値を示す位置にプランジャーの位置を微調整した。
加熱前(加熱時間0秒)と、加熱時間をそれぞれ30,60,90,120秒としたときの銀ペースト層の表面温度を放射温度計(ジャパンセンサー株式会社のTMH91)で測定した結果を[表1]に示す。
Figure 0006290089
120秒加熱したとき、銀ペースト層の表面温度は115℃程度まで上昇した。また、マイクロ波加熱中にスパークの発生はなく、基板を破損させずにその表面上に銀膜が形成できた。銀膜の厚みは5μmであり、三菱化学アナリテック製Loresta−GP(MCP−T610)を用いて、得られた銀膜の体積抵抗率を測定した結果、4.3×10−5Ω・cmであった。
比較例1
実施例1と同様にして銀ペースト層を形成した基板を、図1に示した装置を利用し、マイクロ波源制御部11にパルス制御をさせず、マイクロ波を連続波(Continuous Wave)として放射させた。なお、この場合も基板は、上述したように、銀ペーストを塗布した面が、マイクロ波の電気力線方向と略平行となる方向に配置し、かつマイクロ波の電界の最大点を含んだ位置に配置した。
使用したマイクロ波の周波数は2.457GHz、出力は90Wとし、パルスではなく連続的に供給した。この結果、加熱開始直後にスパークが発生して、基板が破損した。
実施例2
基板として東レ・デュポン社製ポリイミドフィルム;カプトン(登録商標)150EN(フィルム厚 37.5μm)を使用し、この基板の表面に還元剤(エチレングリコール、5〜15質量%)を含んだ酸化銅(40〜60質量%)ペースト(NovaCentrix社 Metalon ICI-020)を塗布した。この酸化銅ペーストの塗布は、上記基板にスクリーン印刷により2cm×2cmの正方パターンを印刷することにより行った。室温で1日乾燥させた後、実施例1同様に測定した印刷パターン(酸化銅ペースト層)の厚さは、8μm(3点平均値)であった。
使用したマイクロ波の周波数は2.457GHz、出力は60Wとし、パルスの周期は50kHz、デューティー比(マイクロ波が放射されている時間tiのパルス周期の時間に対する比ti/(ti+to))は30%とした。このときの電界の最大点(磁界の最小点)は理論上アイリス部22からλg/4離れた位置(磁界の最大点から−λg/4離れた位置)となるが、基板24をセットすると基板の中を進むマイクロ波が波長短縮し、共振位置がずれる。そのため、アイリス部22からλg/2離れた電界の最小点にマイクロ波検出器を配置し、マイクロ波検出器に接続した導波管内電圧計の電圧が極小値を示す位置にプランジャーの位置を微調整した。
加熱時間を90秒としたときの酸化銅の表面温度を放射温度計で測定した結果、250℃を超えており、基板を破損させずにその表面上に銅膜が形成できた。得られた銅膜の厚みは7μmであり、体積抵抗率は2.6×10−5Ω・cmであった。
実施例3
銀(Ag)ペースト(ドータイト(登録商標)FA−353N 藤倉化成株式会社製、Ag含有量69質量%)の代わりに銀(Ag)ペースト(ドータイト(登録商標)FA−353N 藤倉化成株式会社製)7gに人造黒鉛微粉末(昭和電工製UF−G10、平均粒径4.5μm)0.14gとテルピネオール0.4gを添加してよく混合したものを用いた以外は実施例1同様の条件で基板に塗布した。実施例1と同様にマイクロ波による加熱を行った結果、マイクロ波加熱中にスパークの発生はなく、基板を破損させずにその表面上に銀膜が形成できた。得られた銀膜の厚みは14μmであり、体積抵抗率は8.9×10−5Ω・cmであった。
実施例4
銀(Ag)ペースト(ドータイト(登録商標)FA−353N 藤倉化成株式会社製、Ag含有量69質量%)の代わりに銀(Ag)ペースト(ドータイト(登録商標)FA−353N 藤倉化成株式会社製)7gに人造黒鉛微粉末(昭和電工製UF−G10、平均粒径4.5μm)0.7gとテルピネオール1.1gを添加してよく混合したものを用いた以外は実施例1同様の条件で基板に塗布した。実施例1と同様にマイクロ波による加熱を行った結果、マイクロ波加熱中にスパークの発生はなく、基板を破損させずにその表面上に銀膜が形成できた。得られた銀膜の厚みは13μmであり、体積抵抗率は2.7×10−4Ω・cmであった。
実施例5
還元剤(エチレングリコール)を含んだ酸化銅ペースト(NovaCentrix社 Metalon ICI-020)の代わりに、還元剤(エチレングリコール)を含んだ酸化銅ペースト(NovaCentrix社 Metalon ICI-020)1gと銀ペースト(NovaCentrix社 Metalon HPS−Series High Performance Silver Inks、銀=50〜90質量%、ジエチレングリコールモノブチルエーテル=2〜15質量%を含有)1gとを混合したペーストを塗布した。室温で1日乾燥させた後の膜厚は8μmであった。実施例2と同様にマイクロ波による加熱を行った結果、基板を破損させずにその表面上に銅と銀の膜を形成できた。得られた銅と銀の膜の厚みは7μmであり、体積抵抗率は1.8×10−5Ω・cmであった。
実施例6
基板として東レ・デュポン社製ポリイミドフィルム;カプトン(登録商標)150EN(フィルム厚 37.5μm)の代わりにガラス基板(コーニング製、EAGLE XG)を用い、銀(Ag)ペースト(ドータイト(登録商標)FA−353N 藤倉化成株式会社製、Ag含有量69質量%)の代わりに酸化インジウムスズナノ粒子(シグマアルドリッチ製、平均粒径50nm)1gにエチレングリコール(和光純薬製)4gを添加してよく混合したものを用いた以外は実施例1同様の条件で基板に塗布した。50℃で1日乾燥させた後の膜厚は4μmであった。実施例1と同様にマイクロ波による加熱を行った結果、マイクロ波加熱中にスパークの発生はなく、基板を破損させずにその表面上に酸化インジウムスズ膜が形成できた。得られた酸化インジウムスズ膜の厚みは3μmであり、体積抵抗率は8.3×10−2Ω・cmであった。
実施例7
東レ・デュポン社製ポリイミドフィルム;カプトン(登録商標)150ENの代わりに、ショウレイアル(登録商標 昭和電工製耐熱フィルム)を基板に用いた以外は実施例1と同様にマイクロ波による加熱を行った結果、基板を破損させずにその表面上に銀膜を形成できた。得られた銀膜の膜厚は5μm、体積抵抗率は3.9×10−5Ω・cmであった。
実施例8
東レ・デュポン社製ポリイミドフィルム;カプトン(登録商標)150ENの代わりに、テオネックス(登録商標)(帝人デュポン製ポリエチレンナフタレートフィルム)を基板に用いた以外は実施例1と同様にマイクロ波による加熱を行った結果、基板を破損させずにその表面上に銀膜を形成できた。得られた銀膜の膜厚は5μm、体積抵抗率は4.6×10−5Ω・cmであった。
実施例9
東レ・デュポン社製ポリイミドフィルム;カプトン150(登録商標)ENの代わりに、トレリナ(登録商標 東レ製ポリフェニレンサルファイトフィルム)を基板に用いた以外は実施例1と同様にマイクロ波による加熱を行った結果、基板を破損させずにその表面上に銀膜を形成できた。得られた銀膜の膜厚は5μm、体積抵抗率は4.3×10−5Ω・cmであった。
本実施の形態に係るマイクロ波加熱装置は、導波管と、前記導波管内に配される、導体、金属酸化物、または半導体を含むパターンが形成された平面状基板の、前記パターンの形成面に実質的に平行となる方向に電気力線の方向が一致するようマイクロ波を供給するマイクロ波供給手段と、前記マイクロ波供給手段をパルス幅制御し、前記パターンの形成面にパルス状のマイクロ波を供給させる制御手段と、を備えることとしたものである。
ここでマイクロ波の進行方向に平行に、かつマイクロ波の進行方向と直交する方向に複数の前記導波管を隣接して並べ、互いに隣接する導波管内のマイクロ波の位相を互いに90度ずれた状態に維持し、前記基板供給手段は、前記基板を前記複数の導波管に連続して通過させてもよい。
また前記隣接する複数の導波管内のマイクロ波の供給方向が互い違いであってもよい。
さらに、前記パターンは10nm乃至100μm厚で前記基板上に形成されていてもよい。また前記パターンの厚みが10nm乃至10μmであることとしてもよい。
さらに、基板が導波管内を通過するように移動させる機能を具備し、ロールツーロールでのマイクロ波加熱を可能としてもよい。
また本実施の形態は、次のことも特徴としている。すなわち本実施の形態の一態様は、導電パターン形成方法であって、マイクロ波加熱装置を用いて平面状基板表面に形成された導体、金属酸化物、または半導体を含むインクパターンを加熱する工程を有することとしたものである。
ここで前記インクパターンが導電材料としてカーボンと金属を含むインクパターンであってもよい。また前記インクパターンが導電材料として金属酸化物を含むインクパターンであってもよい。
11 マイクロ波源制御部、12 マイクロ波発生部、13 モニタ部、14 チューナ部、16 加熱部、18 被加熱対象物供給部、20 可動短絡部、20a 先端部、22 アイリス部、22a 先端部、24 基板、26 膜、160,161 導波管。

Claims (9)

  1. 導波管と、
    前記導波管内に配される、導体、金属酸化物、または半導体を含むパターンが形成された平面状基板の、前記パターンの形成面に実質的に平行となる方向に電気力線の方向が一致するようマイクロ波を供給するマイクロ波供給手段と、
    前記マイクロ波供給手段をパルス幅制御し、前記パターンの形成面にパルス状のマイクロ波を供給させる制御手段と、
    を備えるマイクロ波加熱装置。
  2. 前記マイクロ波の進行方向に平行に、かつマイクロ波の進行方向と直交する方向に複数の前記導波管を隣接して並べ、互いに隣接する導波管内のマイクロ波の位相を互いに90度ずれた状態に維持し、前記基板供給手段は、前記基板を前記複数の導波管に連続して通過させることを特徴とする請求項1に記載のマイクロ波加熱装置。
  3. 前記隣接する複数の導波管内のマイクロ波の供給方向が互い違いである請求項2に記載のマイクロ波加熱装置。
  4. 請求項1記載のマイクロ波加熱装置であって、
    前記パターンは10nm乃至100μm厚で前記基板上に形成されているマイクロ波加熱装置。
  5. 前記パターンの厚みが10nm乃至10μmである請求項4記載のマイクロ波加熱装置。
  6. 基板が導波管内を通過するように移動させる機能を具備し、ロールツーロールでのマイクロ波加熱を可能とした請求項1〜5のいずれかに記載のマイクロ波加熱装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか一に記載のマイクロ波加熱装置を用いて平面状基板表面に形成された導体、金属酸化物、または半導体を含むインクパターンを加熱する工程を有する導電パターン形成方法。
  8. 前記インクパターンが導電材料としてカーボンと金属を含むインクパターンである請求項7に記載の導電パターン形成方法。
  9. 前記インクパターンが導電材料として金属酸化物を含むインクパターンである請求項7に記載の導電パターン形成方法。
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