JP2008247667A - 改質装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】改質燃料の供給量が多い場合であっても、液体状の改質燃料が触媒表面に吸着することに起因する改質触媒の失活のおそれが少ない改質装置を提供すること。
【解決手段】改質燃料を注入するための反応管12と、反応管12内に挿入されたマイクロ波発熱体16と、改質燃料の注入方向に対してマイクロ波発熱体16の下流側に来るように、反応管12内に挿入された改質触媒18と、反応管12が挿入された空胴共振器20と、マイクロ波発熱体16にマイクロ波を照射するためのマイクロ波発振器30とを備えた改質装置10。
【選択図】図1

Description

本発明は、改質装置に関し、さらに詳しくは、水、アルコール、ガソリンなどの液体を含む改質燃料から水素を含む改質ガスを製造するための改質装置に関する。
燃料電池に燃料ガスを供給する方法としては、タンクに貯蔵された純水素を供給する方法と、炭化水素を改質することにより得られる改質ガスを供給する方法が知られている。炭化水素を改質する方法には、水蒸気を用いる方法(水蒸気改質法)、酸素で部分酸化する方法(部分酸化法)、炭酸ガスを用いる方法などがある。これらの中でも、水蒸気改質法は、改質ガス中の水素濃度が高いという特徴がある。改質ガスを用いた燃料電池システムは、純水素を用いるシステムに比べて、燃料の貯蔵、輸送、保管が容易であるので、車載用動力源への応用が期待されているものである。
燃料改質は、通常、改質触媒を用いて行われる。しかしながら、改質触媒は、種々の原因により失活し、改質効率が低下するという問題がある。改質触媒の失活は、炭素析出、COや硫黄被毒、水などの液体燃料の触媒表面への吸着などが原因と言われている。特に、水蒸気改質においては、触媒の失活が起きやすいので、液体燃料を完全に蒸発させ、触媒表面に接触させる必要がある。そのため、液体燃料を用いた改質においては、一般に、蒸発器を用いて液体燃料を気化させることが行われている(特許文献1参照)。また、蒸発器を加熱する手段としては、燃焼ガスの排熱を利用する方法、電気ヒータを用いる方法などが知られている。
しかしながら、燃焼ガスの排熱を用いる方法は、始動直後に低温で生成される煤や温度の局所的な上昇により、触媒が目詰まりを起こし、失活するおそれがあった。特に、低温時や始動直後には水分を蒸発させるのに時間がかかり、触媒を活性化させるために要する時間が極めて長いという問題があった。
一方、電気ヒータを用いる方法は、蒸発器を加熱するために大電力を必要とし、改質装置全体を小型、軽量化するのが極めて困難であるという問題があった。また、始動性や負荷応答性が悪いという問題があった。
一方、マイクロ波を用いて水やアルコールなどの液体を蒸発させる方法は、セラミックスや木材の乾燥で一般に用いられている。マイクロ波で効率良く液体を蒸発させる方法として、噴出ノズルを用いた方法が提案されている(特許文献2参照)。この方法を用いることにより、短時間で液体を噴霧することができる。しかしながら、この方法は、液体燃料に直接マイクロ波を照射し、液体燃料を高圧にしてノズルから外部に噴霧させながら微粒化するのが目的であり、液体燃料全体を高温に気化させたものではなく、この方法を用いても触媒の失活を防止することは困難である。
また、触媒にマイクロ波吸収体をコーティングさせてマイクロ波照射し、触媒の温度制御を行い、始動時に発生する排気ガス中の有害物質を除去する方法が提案されている(特許文献3参照)。この方法を用いることにより、加熱触媒の溶損ないし触媒の失活を防止することができるとしている。しかしながら、この方法は、触媒を用いて排気ガスを浄化するものであり、液体燃料が触媒表面に吸着すると触媒が瞬時に失活してしまうため、液体燃料を用いた改質には適さない。
特開2002−110212号公報 特開2005−340108号公報 特開2000−104538号公報
水蒸気改質は吸熱反応であるので、改質反応を円滑に進行させるためには、蒸発器を用いて改質燃料を気化させるだけでなく、気化した改質燃料を凝縮させることなく触媒層まで搬送し、触媒層において吸熱反応を行わせる必要がある。蒸発器で蒸発させた改質燃料を触媒層に供給し、触媒層にマイクロ波を照射しながら改質反応を行わせる方法は、触媒層の選択的な加熱が容易であるので、エネルギー効率が高いという利点がある。
しかしながら、水素消費源の負荷が増大し、改質燃料の供給量が多くなると、蒸発器で気化しきれなかった液体状の改質燃料が触媒層まで到達し、改質触媒を失活させる場合がある。一方、これを回避するために蒸発器の負荷を増大させると、エネルギー効率が低下する。
本発明が解決しようとする課題は、改質燃料の供給量が多い場合であっても、液体状の改質燃料が触媒表面に吸着することに起因する改質触媒の失活のおそれが少ない改質装置を提供することにある。
また、本発明が解決しようとする他の課題は、蒸発器の負荷を軽減することが可能であり、しかもエネルギー効率が高い改質装置を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る改質装置は、
改質燃料を注入するための反応管と、
前記反応管内に挿入されたマイクロ波発熱体と、
前記改質燃料の注入方向に対して前記マイクロ波発熱体の下流側に来るように、前記反応管内に挿入された改質触媒と、
前記反応管が挿入された空胴共振器と、
前記マイクロ波発熱体にマイクロ波を照射するためのマイクロ波発振器と
を備えていることを要旨とする。
マイクロ波発熱体及び改質触媒が挿入された反応管を空胴共振器内に挿入し、マイクロ波発熱体にマイクロ波を照射すると、マイクロ波発熱体が急速に発熱する。そのため、液体を含む改質燃料を用いた場合であっても、改質燃料を確実に気化させることができる。また、マイクロ波発熱体は発熱効率が極めて高いので、改質燃料の供給量が多くなっても、改質燃料を確実に気化させることができ、改質触媒を失活させるおそれは少ない。さらに、相対的に多量の改質燃料であっても、マイクロ波発熱体により改質燃料が確実に気化されるので、従来の改質装置では必須であった蒸発器が不要となる。そのため、改質装置全体を小型、軽量化することができる。
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に、本発明に係る改質装置の概略構成図を示す。図1において、改質装置10は、反応管12と、マイクロ波発熱体16と、改質触媒18と、空胴共振器20と、マイクロ波発振器30とを備えている。
[1. 反応管]
反応管12は、改質燃料の注入及び改質ガスの排出を行うためのものであり、空胴共振器20を貫通するように、空胴共振器20に挿入されている。燃料供給器から供給される改質燃料は、反応管12の一端から注入され、改質触媒18で生成した改質ガスは、他端から排出されるようになっている。
反応管12は、マイクロ波を透過しやすく、かつ、耐熱性の高い材料が用いられる。このような材料としては、具体的には、石英ガラス、アルミナ、ムライト、コージェライト、ジルコニア、マグネシアなどがある。
なお、反応管12の周囲は、断熱材14で被覆されていても良い。断熱材14には、マイクロ波を透過しやすい材料(例えば、アルミナファイバーなど)を用いるのが好ましい。
[2. マイクロ波発熱体]
マイクロ波発熱体16は、マイクロ波を吸収することによって発熱し、改質燃料を加熱するためのものであり、反応管12内に挿入される。
マイクロ波発熱体16の形状は、反応管12に注入された改質燃料を効率よく加熱し、かつ、加熱された改質燃料を効率よく改質触媒18に供給することができるものであればよい。マイクロ波発熱体16の形状としては、具体的には、多孔体(ハニカムを含む。以下、同じ。)、ペレットの集合体などがある。
マイクロ波発熱体16は、マイクロ波吸収能を有する材料(マイクロ波吸収材)のみからなるものでも良く、あるいは、マイクロ波吸収材とマイクロ波吸収能を持たない材料(非マイクロ波吸収材)との複合体であっても良い。
マイクロ波発熱体16としては、具体的には、
(1) マイクロ波吸収材のみからなる多孔体又はペレット、
(2) 非マクロ波吸収材からなる多孔体又はペレットの表面に、マイクロ波吸収材の粉末、繊維等が担持されたもの、
(3) マイクロ波発熱体と非マイクロ波発熱体の混合物からなる多孔体又はペレット、
などがある。
特に、マイクロ波発熱体16は、非マイクロ波吸収材からなる多孔質セラミックス(ハニカムを含む)の表面に、マイクロ波吸収材がコーティングされたものが好ましい。
高い発熱効率を得るためには、マイクロ波吸収材は、誘電損率が0.5以上であるものが好ましい。誘電損率は、さらに好ましくは1.0以上である。
このような条件を満たすマイクロ波吸収材としては、具体的には、
(1) SiC、WCなどの炭化物セラミックス、
(2) MnO2、Fe34などの酸化物セラミックス、
(3) Si−C−O、Si−C−Zr−O、Si−C−Ti−OなどのSiC系複合酸化物、
などがある。
マイクロ波発熱体16が非マイクロ波吸収材を含む場合、非マイクロ波吸収材は、マイクロ波を透過しやすく、かつ、耐熱性の高い材料を用いるのが好ましい。このような材料としては、具体的には、石英ガラス、アルミナ、ムライト、コージェライト、ジルコニア、マグネシアなどがある。
[3. 改質触媒]
改質触媒18は、マイクロ波発熱体16で加熱された改質燃料を改質するためのものであり、改質燃料の注入方向に対してマイクロ波発熱体16の下流側に来るように、反応管12内に挿入されている。改質触媒18とマイクロ波発熱体16は、密着していても良く、あるいは、一定の距離をおいて離れていても良い。液体を含む改質燃料が液体状態のまま吸着することに起因する改質触媒18の失活を抑制するためには、改質触媒18とマイクロ波発熱体16とは互いに密着していることが好ましい。
改質触媒18の形状は、マイクロ波発熱体16で加熱された改質燃料を効率よく改質することができるものであればよい。改質触媒18には、通常、多孔体あるいはペレット状の担体表面に、触媒粒子が担持されたものが用いられる。
改質触媒18の材質は、目的に応じて最適なものが用いられる。
例えば、炭化水素系燃料を用いて改質を行う場合、担体には、Al23、CeO2、ZrO2、TiO2、SiO2、MgO、ZnO、La23などを用いるのが好ましい。担体は、これらのいずれか1種からなるものでも良く、あるいは、これらのいずれか2種以上を含む複合体であっても良い。
触媒には、Rh、Ru、Pt、Pdなどの貴金属系触媒を用いるのが好ましい。触媒は、これらのいずれか1種からなるものでも良く、あるいは、これらのいずれか2種以上を含む合金又は複合体であっても良い。なお、低温で改質を行う場合には、貴金属触媒に代えて、Cu系触媒、Ni系触媒などを用いることもできる。
触媒の担持量は、特に限定されるものではないが、担体100重量%に対して、0.1〜10重量%が好ましい。
さらに、改質触媒18には、触媒粒子に加えて、マイクロ波吸収材が含まれていても良い。改質触媒18にマイクロ波吸収材が含まれていると、マイクロ波発熱体16と同時に改質触媒18も加熱することができるので、改質反応をより円滑に進行させることができる。改質触媒18にマイクロ波吸収材(第2のマイクロ波吸収材)が含まれる場合、第2のマクロ波吸収材には、マイクロ波発熱体16に含まれるマイクロ波吸収材(第1のマイクロ波吸収材)と同一の材料を用いても良く、あるいは、異なる材料を用いても良い。
第2のマイクロ波吸収材の詳細は、第1のマクロ波吸収材と同様であるので、説明を省略する。
[4. 空胴共振器]
空胴共振器20は、マイクロ波発生手段30から照射されたマイクロ波を共振させるためのものである。空胴共振器20は、単一モードの直方体型空胴共振器、単一モードの円筒型空胴共振器、又は、多重モードのマイクロ波オーブン(電子レンジ)のいずれであっても良い。単一モードの空胴共振器は、マイクロ波発熱体16(及び、改質触媒18)を急速加熱することができるので、極めて短時間で改質を行うことができるという利点がある。一方、多重モードのマイクロ波オーブンは、空胴共振器内の共振を制御する必要がなく、任意の位置にマイクロ波発熱体16(及び、改質触媒18)を置くことができるという利点がある。加熱速度と加熱効率の点では、空胴共振器20は、単一モード方式が好ましい。
空胴共振器20が単一モード方式である場合、反応管12は、空胴共振器20内の電界成分が最大となる位置(定在波の腹の位置)に挿入される。一方、空胴共振器20が多重モード方式である場合、反応管12の位置は、特に限定されるものではない。
空胴共振器20には、通常、アルミニウム、銅、黄銅などが用いられるが、耐熱性が必要となる場合には、ステンレス鋼を用いても良い。
また、単一モード方式の場合、共振がとれるように、マイクロ波周波数に応じて空胴共振器20の断面寸法が決められている。例えば、直方体型空胴共振器の場合、マイクロ波周波数が2.45GHzであるときには、断面寸法(マイクロ波の進行方向に対して垂直方向の高さ寸法×幅寸法)は、約55mm×110mmとなる。また、マイクロ波周波数が6GHzであるときは、断面寸法は、約20mm×40mmとなる。
図2に、単一モードの直方体型空胴共振器20’の一例を示す。図2において、直方体型空胴共振器20’のほぼ中央には、マイクロ波の進行方向に対して垂直方向に反応管12が挿入されている。反応管12の内部には、マイクロ波発熱体16及び改質触媒18が挿入され、反応管12の周囲は、断熱材14により被覆されている。
直方体型空胴共振器20’の左端には、図2の左右方向に移動可能なプランジャ(反射短絡板)22が設けられ、右端には、マイクロ波が入射する開口部の開口面積を変化させるためのアイリス(マイクロ波導入窓)24が設けられている。
単一モードの電磁界モードには、種々のモードがあるが、高い電界強度を得るためには、TE10n(nは整数)モードを用いるのが好ましい。ここで、1つ目の添字「1」は、直方体型空胴共振器20’の幅方向の定在波(1/2波長)の数が1個であることを意味する。また、2つ目の添字「0」は、直方体型空胴共振器20’の高さ方向の定在波がゼロであることを意味する。さらに、3つ目の添字「n」は、直方体型空胴共振器20’のマイクロ波の進行方向に沿う定在波の数がn個であることを意味する。電界強度を高くするためには、nは、3以下が好ましい。図2中、破線で描いた3つの円弧はn=3であることを表す。また、図2において、反応管12は、2つ目の定在波の腹(電界最大)の位置に挿入されていることを表す。
空胴共振器20の共振状態とは、空胴共振器20の周波数がマイクロ波周波数に一致する状態であり、この状態ではマイクロ波の反射率(=反射電力×100/入射電力)がほぼゼロとなる。しかしながら、空胴共振器20の断面寸法は、空胴共振器20が空の状態において共振を得るように設計されているので、空胴共振器20に反応管12を挿入したり、あるいは、反応管12に改質燃料を注入することによって、共振がとれなくなる場合がある。このような場合には、空胴共振器20の共振を調製する必要がある。
図2に示す直方体型空胴共振器20’においては、プランジャ22により空胴の長さを調整し、アイリスによりマイクロ波導入窓の大きさを調整することによって、反射率がゼロに近い状態に維持し、直方体型空胴共振器20’内にマイクロ波を閉じ込めるようになっている。
なお、反応管12に注入される改質燃料の種類や流量が分かっているときには、加熱前に直方体型空胴共振器20’の共振をとり、プランジャ22とアイリス24を固定しても良い。また、改質燃料及び触媒の種類が決まっている場合には、共振は改質燃料の流量に対してあまり敏感でないので、予め共振をとっておき、プランジャ22及びアイリス24を省略しても良い。
[5. マイクロ波発振器]
マイクロ波発振器30は、反応管12内に挿入されたマイクロ波発熱体16(及び、改質触媒18)にマイクロ波を照射するためのものである。マイクロ波発振器30には、マグネトロン又は固体素子発振器を用いるのが好ましい。マイクロ波発振器は、同軸ケーブル(又は、導波管)32により空胴共振器20に接続されており、同軸ケーブル32を介して空胴共振器20にマイクロ波電力を導入するようになっている。
マイクロ波周波数としては、通常、0.3〜30GHz(波長10mm〜1m)が用いられるが、特に1〜10GHzの範囲が好ましい。
次に、本発明に係る改質装置の使用方法について説明する。
炭化水素を原料として水素を含む改質ガスを得る方法には、水蒸気改質法、部分酸化法、炭酸ガス改質法などがある。本発明は、これらのいずれの方法に対しても適用することができる。特に、液体を含む改質燃料を用いる水蒸気改質法に対して本発明を適用すると、高い効果が得られる。これは、水(水蒸気)の誘電損率が大きいために、改質燃料とマイクロ波との反応性が極めて高くなるためである。
水蒸気改質反応に用いる炭化水素には、
(1) ガソリン、灯油、メタノール、エタノール(バイオマスから得られるエタノールを含む)などの液体燃料、
(2) 天然ガス(主にメタン)、プロパン、ブタン、ナフサなどの気体燃料
のいずれであっても用いることができる。
水蒸気改質を行う場合において、炭化水素として液体燃料を用いるときには、液体燃料と水とを別個に、又はこれらの混合液を反応管12内に直接、注入する。一方、炭化水素として気体燃料を用いる時には、気体燃料と水とを別個に、又はこれらの気液混合物を反応管12に、直接注入する。
水蒸気改質法は、炭化水素と水蒸気とを反応させ、二酸化炭素と水素の混合ガスを得る方法である。例えば、炭化水素がエタノールである場合、改質反応は、次の(1)式及び(2)式で表される。(1)式は、エタノールの分解反応であり、(2)式は、一酸化炭素の変性反応である。
25OH+H2O→4H2+2CO ・・・(1)
2CO+2H2O→2H2+2CO2 ・・・(2)
(1)式及び(2)式は、同時に進行するので、これらをまとめて(3)式で表すこともできる。
25OH+3H2O→2CO2+6H2 (188kj/mol) ・・・(3)
水蒸気改質反応において、炭化水素に含まれるCのモル数に対する水蒸気のモル数の比(S/C比)は、反応効率に影響を与える。好適なS/C比は、使用する炭化水素の種類により異なる。
一般に、水蒸気改質を行う場合において、S/C比が小さくなりすぎると、触媒上に炭素が析出する。従って、S/C比は、0.5以上が好ましい。S/C比は、さらに好ましくは1以上である。
一方、S/C比が大きくなりすぎると、水が過剰となり、多量のエネルギーを消費する。従って、S/C比は5以下が好ましい。S/C比は、さらに好ましくは3以下である。
(3)式に示すエタノールの水蒸気改質の場合、S/C比を1.5とすると、最大量の水素ガス(エタノール1モルに対して6モルの水素ガス)を得ることができる。
改質装置10を用いた改質ガスの生成は、具体的には以下の手順で行う。
まず、マイクロ波発熱体16と改質触媒18が挿入された反応管12を空胴共振器20内に設置する。空胴共振器20が単一モード方式であるときには、反応管12を電界最大位置に設置し、空胴共振器20が共振状態となるようにアイリス24及びプランジャ22を調整する。
次に、マイクロ波発振器30からマイクロ波発熱体16にマイクロ波を照射する。これにより、マイクロ波発熱体16が急速に発熱する。マイクロ波発熱体16及びこれに隣接する改質触媒18が設定温度に達したところで、反応管12内に改質燃料を注入する。改質燃料が水などの液体を含んでいる時には、マイクロ波発熱体16において液体が瞬時に蒸発し、炭化水素と水蒸気の混合気体となる。
加熱された気体は、そのまま下流側の改質触媒18に送られ、触媒表面において改質反応が進行する。この時、改質触媒18にさらにマイクロ波吸収材が含まれている時には、改質触媒18も同時にマイクロ波加熱されている。水蒸気改質は吸熱反応であるので、改質触媒18が加熱されることによって改質反応がより円滑に進行する。生成した改質ガスは、反応管12の他端から排出される。
本発明に係る改質装置10は、改質触媒18の手前にマイクロ波発熱体16が配置されているので、液体を含む改質燃料を用いた場合であっても、改質燃料を確実に気化させることができる。また、マイクロ波発熱体16は発熱効率が極めて高いので、改質燃料の供給量が多くなっても、改質燃料を確実に気化させることができ、改質触媒18を失活させるおそれは少ない。さらに、反応管12全体を加熱する必要がないので、エネルギー効率が高い。また、加熱対象の熱容量が小さいので、負荷応答性及び始動性が高い。
さらに、従来の改質装置を用いて水蒸気改質を行う場合において、改質触媒の失活を抑制するためには、改質燃料を気化させる蒸発器が必須であった。また、蒸発器で蒸発させた改質燃料を気体状態のまま改質触媒まで搬送する必要があるので、蒸発器から改質触媒に至までの経路を断熱する必要があった。
これに対し、本発明に係る改質装置10は、液体を含む改質燃料を相対的に多量に反応さる場合であっても、マイクロ波発熱体16により改質燃料を確実に気化させることができる。そのため、蒸発器そのものが不要となり、液体を含む改質燃料を反応管12に直接、注入することができる。また、これに伴い、蒸発器から改質触媒に至までの経路の断熱も不要となる。そのため、改質装置全体を小型、軽量化することができる。
(実施例1、比較例1〜2)
[1. 改質装置]
図1に示す改質装置10を用いて、エタノールの水蒸気改質を行った。空胴共振器20には、アルミニウム製、TE103モードの直方体型空胴共振器を用い、反応管12には、石英管を用いた。また、マイクロ波発熱体16には、多孔質SiCを用い、改質触媒18には、CeO2担体に1〜5重量%のRhを担持させたペレット状の触媒を用いた。マイクロ波発振器30には、2.45GHzのマグネトロンを用い、同軸ケーブル32を介して空胴共振器20内にマイクロ波電力を導入した。空胴共振器20の断面寸法は約110×55mmとし、マイクロ波発熱体16と改質触媒18が挿入された反応管12を電界最大位置に設置した後、空胴共振器20が共振状態となるように、アイリス24とプランジャ22を調整した(実施例1)。
比較として、反応管12内にマイクロ波発熱体16を挿入することに代えて、反応管12の上流側に蒸発器を設けた改質装置(比較例1)、及び、反応管12内にマイクロ波発熱体16を挿入せず、かつ、反応管12の上流側に蒸発器を設けない改質装置(比較例2)を用いて、同様の実験を行った。
[2. 実験方法]
エタノール1モルと水3モルを混合した改質燃料を、各改質装置の反応管に注入し、水蒸気改質を行った。
なお、実施例1の場合、改質触媒18の温度が約500℃となるように、マイクロ波照射を行った。また、比較例1の場合、蒸発器の出口温度は、140℃とした。
[3. 結果]
実施例1の場合、マイクロ波出力又はプランジャ22を制御することにより、設定通りの温度制御を行うことができた。マイクロ波を照射後、室温から約10秒で改質触媒18を500℃に加熱することができ、マイクロ波の照射を開始してから約20秒で改質ガスを安定して生成することができた。その時のマイクロ波出力は、設定温度500℃で約80Wであった。
図3に、エタノール流量を変えてマイクロ波改質したときのエタノール転化率(改質率)を示す。エタノール流量は、エタノール/水の混合液の流量である。転化率は、投入エタノール(C25OH)と生成ガス(CO2、CO、CH4)のC(カーボン)換算比で求めた。
蒸発器を用いて改質燃料を蒸発させ、改質触媒で改質した場合(比較例1)、エタノール流量が少ないときは、転化率は約95%であった。しかしながら、エタノール流量が多くなるに従い、転化率は急激に悪くなり、エタノール流量1cc/minでは50%以下に低下した。これは、エタノール流量が多くなるにつれて、気化されない液体燃料が液体状のまま触媒表面に吸着する割合が多くなり、触媒の活性が低下したためと考えられる。
また、蒸発器を用いずに改質触媒のみで改質した場合(比較例2)、改質が行われず、転化率は0%であった。これは、液体燃料が触媒表面に直接吸着し、触媒が瞬時に失活したためと考えられる。
これに対し、反応管12内にマイクロ波発熱体16を挿入した場合(実施例1)、エタノール流量を多くしても、転化率は100%であった。これは、改質触媒18の手前にマイクロ波発熱体16を挿入することによって、液体燃料をマイクロ波発熱体16で完全に蒸発・気化させることができ、これによって触媒の失活を防止でき、触媒の活性を常時維持しながら改質燃料を完全に分解することができたためと考えられる。
図4に、触媒温度を変えてマイクロ波改質したときの水素濃度を示す。
比較例1の場合、高温で改質しなければ水素濃度は向上せず、700℃の高温でも約50%の濃度しか得られなかった。一方、比較例2の場合、いずれの温度でも触媒が瞬時に失活してしまい、水素濃度は0%であった。これに対し、実施例1の場合、500℃の低温で既に約70%の高濃度が得られた。
以上の結果から、本発明に係る改質装置を用いて改質すると、500℃の低温域で既に高濃度の水素が得られ、エタノール流量を多くしても触媒活性を維持でき、水素生成率を大幅に向上できることがわかった。
さらに、本発明を用いることにより、従来の改質装置で用いられていた蒸発器が不要となり、短時間で効率よく改質ガスを生成させることも可能となる。そのため、改質装置全体を小型、軽量化できることがわかった。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
本発明に係る改質装置は、燃料電池用の燃料ガスを製造するための装置として用いることができる。
本発明に係る改質装置の概略構成図である。 単一モードの直方体型空胴共振器の概略構成図である。 エタノール流量を変えてマイクロ波改質したときのエタノール転化率を示す図である。 触媒温度を変えてマイクロ波改質したときの水素濃度を示す図である。
符号の説明
10 改質装置
12 反応管
16 マイクロ波発熱体
18 加湿触媒
20 空胴共振器
30 マイクロ波発振器

Claims (5)

  1. 改質燃料を注入するための反応管と、
    前記反応管内に挿入されたマイクロ波発熱体と、
    前記改質燃料の注入方向に対して前記マイクロ波発熱体の下流側に来るように、前記反応管内に挿入された改質触媒と、
    前記反応管が挿入された空胴共振器と、
    前記マイクロ波発熱体にマイクロ波を照射するためのマイクロ波発振器と
    を備えた改質装置。
  2. 前記マイクロ波発熱体は、誘電損率が0.5以上であるマイクロ波吸収材を含む請求項1に記載の改質装置。
  3. 前記マイクロ波発熱体は、多孔質セラミックスの表面に第1のマイクロ波吸収材をコーティングしたものからなる請求項1又は2に記載の改質装置。
  4. 前記改質燃料は、液体を含む請求項1から3までのいずれかに記載の改質装置。
  5. 前記改質触媒は、第2のマイクロ波吸収材をさらに含む請求項1から4までのいずれかに記載の改質装置。
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