JP6289403B2 - 冷媒不足判定装置、これを備えた冷凍サイクル、及び冷凍サイクルの冷媒不足判定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用空調装置等に用いられる冷凍サイクルの冷媒不足の有無を正確に判定する技術に関する。
車両用空調装置に用いられる冷凍サイクルは、サイクル内を循環する冷媒量が不足すると、以下のような不都合が生じる。
すなわち、サイクル内を循環する冷媒量が不足すると、
1. 圧縮機から冷媒と共に吐出される潤滑油が圧縮機に十分に戻らなくなり、圧縮機内の潤滑油が不足して圧縮機の焼き付きが生じる、または、
2. 蒸発器での吸熱効果が低下し、十分な冷却能力が得られなくなる。
そこで、従来においては、圧縮機を起動させる前に(冷凍サイクルを稼動させる前に)、サイクル内部の圧力を検出し、この検出冷媒圧が外気温によって決定される冷媒の飽和蒸気圧から所定範囲を超えて減少している場合に、冷凍サイクル内の冷媒量が不足しているとして、圧縮機を起動させないようにする技術が提案されている(特許文献1参照)。
このような技術は、冷凍サイクル内の冷媒量が圧縮機の焼き付きを誘発するほど不足している状態を検知する場合には有効であるが、圧縮機が焼き付きを起こさずに作動するものの蒸発器の冷却能力が低下して蒸発器で冷却された空気温度が目標温度から乖離してくる程度に冷凍サイクル内の冷媒量が少なくなっている状態を有効に検知することができない。
そこで、従来においては、蒸発器を通過した直後の空気温度が、蒸発器での蒸発圧力に基づいて決定される所定温度(目標温度)より高いときに、冷媒量の不足を判定する技術が提案されている(特許文献2参照)。また、外気温センサで検出された外気温度と高圧センサで検出された冷凍サイクルの高圧圧力とに基づき、検出された高圧圧力が外気温度によって決定される高圧圧力の適正範囲以下であれば、冷媒が漏れていると判定する技術も公知となっている(特許文献3参照)。
特開平2−78874号公報 特開平10−185372号公報 特開平6−123529号公報
しかしながら、蒸発器を通過した直後の空気温度と目標温度との乖離をもって冷媒量の不足を判定する従来構成(特許文献2で示す構成)においては、冷凍サイクル内の冷媒量が適正であっても冷媒量が不足していると誤判定される場合がある。
この点を、冷凍サイクル内の冷媒量とサイクル稼動時の蒸発器の温度(又は、蒸発器を通過した直後の空気温度)との関係を示す図7を用いて説明すると、外気温度が低い低熱負荷時においては(外部の熱負荷が高くない場合には)、実線で示されるように、圧縮機が固定容量型である場合は、冷凍サイクル内の冷媒量が適正状態から徐々に減ってくると、それにほぼ比例してサイクル稼動時の蒸発器の温度(又は、蒸発器を通過した直後の空気温度)が高くなってくる。また、圧縮機が可変容量型である場合は、容量可変が可能な範囲にあっては、冷媒量が不足しても目標温度を維持することは可能であるが、冷媒量が容量可変で対応できなくなるほど減ってくると、冷媒量の減少にほぼ比例してサイクル稼動時の蒸発器の温度(又は、蒸発器を通過した直後の空気温度)が高くなってくる。したがって、熱負荷が高くない場合は、実際の蒸発器の温度(又は、蒸発器を通過した直後の空気温度)が目標温度から所定の許容範囲を超えて高くなった時点で警報を発令すれば、冷媒量の不足を的確に捉えることが可能となる。
しかしながら、外気温度が高い高熱負荷時においては(外部の熱負荷が高い場合には)、凝縮器での放熱量が不十分となり、冷凍サイクル内の冷媒量が適正であっても、蒸発器の温度(又は、蒸発器を通過した直後の空気温度)が目標温度に到達せず、破線で示すように、目標温度から所定の許容範囲を超えて高くなると、冷媒量の不足を示す警報が誤って発令される不都合がある。
これに対して、検出された高圧圧力が外気温度によって決定される高圧圧力の適正範囲以下である場合に冷媒が不足していると判定する構成を利用して冷凍サイクル内の冷媒量の不足の有無を判定する場合は、図8に示されるように行なわれる。
図8は、冷凍サイクル内の冷媒量とサイクル稼動時の高圧側ラインの冷媒圧力(冷媒飽和圧力)との関係を示すものであるが、外気温度が低い低熱負荷時においては(外部の熱負荷が高くない場合には)、実線で示されるように、圧縮機が固定容量型である場合は、冷凍サイクル内の冷媒量が適正状態から徐々に減ってくると、それにほぼ比例してサイクル稼動時の高圧側ラインの冷媒圧力(冷媒飽和圧力)が外気温度から導かれる冷媒飽和圧力(冷媒量が適正時の冷媒飽和圧力)よりも低下してくる。また、圧縮機が可変容量型である場合は、容量可変が可能な範囲にあっては、冷媒量が不足しても冷媒量が適正時の飽和圧力を維持することは可能であるが、冷凍サイクル内の冷媒量が容量可変では対応できなくなるほど減ってくると、冷媒量の減少にほぼ比例してサイクル稼動時の高圧側ラインの冷媒圧力(冷媒飽和圧力)も外気温度から導かれる冷媒飽和圧力(冷媒量が適正時の冷媒飽和圧力)よりも低下してくる。
したがって、熱負荷が高くない場合には、サイクル稼動時の高圧側ラインの冷媒圧力(冷媒飽和圧力)が適正範囲を外れて低くなった時点で警報を発令すれば、冷媒量が不足していることを捉えることが可能となる。
また、外気温度が高い高熱負荷時においても(外部の熱負荷が高い場合には)、冷凍サイクル内の冷媒量が適正状態から徐々に減ってくると、圧縮機が固定容量型か可変容量型かに関わらず、破線で示されるように、それにほぼ比例してサイクル稼動時の高圧側ラインの冷媒圧力(冷媒飽和圧力)が外気温度から導かれる冷媒飽和圧力(冷媒量が適正時の冷媒飽和圧力)よりも低下してくるので、冷凍サイクル内の高圧側ラインの冷媒圧力(冷媒飽和圧力)が適正範囲を外れて低くなった時点で警報を発令すれば、冷媒量が不足していることを捉えることが可能となる。
したがって、この判定手法を用いれば、外気温度が高い高熱負荷時(外部の熱負荷が高い場合)においても、冷媒量の不足を示す警報が誤って発令される不都合がなくなる。
しかしながら、このような構成においては、熱負荷の変動による判定のばらつきは少なくなるものの、検出された高圧圧力が低い原因が冷媒の漏れ(冷媒量の不足)に起因するものであるのかそれ以外の要因に起因するものであるのか判然としない不都合がある。例えば、外気温センサは車両の前方に配置されることが多いところ、車両が停車したときにエンジンルームの熱風が外気温センサに伝わることがあり、その場合、外気温度から導かれる冷媒飽和圧力が高めに設定されることとなる。そして、冷媒の漏れが無いとしても、高圧側ラインの冷媒圧力から導かれる冷媒飽和圧力が適正範囲を外れて低くなったと看做して、冷媒量の不足を示す警報が誤って発令される確率が上昇する。また、高圧側ラインの冷媒圧力は、走行用エンジンの回転数、車両の速度、車両周囲の風向き等の要因により常に変動しており、冷媒量の不足を検知するうえで、精度は高くない。
このように、冷却能力が低下しているか否かの評価は、蒸発器の温度(又は、蒸発器を通過した直後の空気温度)に基づいて行なう方がより直接的である。
そこで、特許文献3においては、外気温センサの検出値と高圧センサの検出値とに基づき冷媒の過不足を複数回チェックし、チェック結果に基づいて冷媒減少傾向の有無を判定し、減少傾向であると判定された場合に、その判定結果を表示し、又は、警報を発する手法が提案されている。
しかし、このような手法によれば、冷媒漏れ(冷媒不足)の検出精度を向上できるが、外気温センサの検出値と高圧センサの検出値とに基づき冷媒の過不足を時間をおいて複数回チェックし、冷媒減少傾向の有無を判定する必要があるので、判定結果を得るまでに時間を要する不都合がある。
本発明は係る事情に鑑みてなされたものであり、冷凍サイクル内の冷媒量が適正であっても冷媒量が不足しているとの誤判定を防ぎ、また、時間をかけずに冷媒量の不足の有無を正確に判定することが可能な冷媒不足判定技術を提供することを主たる課題としている。
上記課題を達成するために、本発明に係る冷媒不足判定装置は、冷媒を圧縮する圧縮機と、前記圧縮機によって圧縮された冷媒を凝縮する凝縮器と、前記凝縮器で凝縮された冷媒を減圧する膨張装置と、前記膨張装置から流出する冷媒を蒸発する蒸発器と、を有する冷凍サイクルに用いられる冷媒不足判定装置であって、前記圧縮機と前記膨張装置との間の冷媒経路を流れる冷媒の圧力を検出する冷媒圧力検出器と、前記蒸発器の温度、又は、前記蒸発器を通過した直後の空気温度を検出する蒸発器温度検出器と、被空調空間の外部の熱負荷を検出する外部熱負荷検出器と、前記被空調空間の内部の熱負荷を検出する内部熱負荷検出器と、前記被空調空間の制御温度を設定する温度設定器と、前記外部熱負荷検出器により検出された熱負荷、前記内部負荷検出器により検出された熱負荷、および前記温度設定器で設定された制御温度により、前記蒸発器、又は、前記蒸発器を通過した直後の空気の目標温度を演算する目標温度演算手段と、前記蒸発器温度検出器により検出された温度と前記目標温度演算手段により演算された目標温度との差が第1の所定値以上となった場合に前記冷凍サイクル内の冷媒量の不足を仮判定する第1の判定手段と、前記外部熱負荷検出器により検出された熱負荷から導かれる第1冷媒飽和圧力と前記冷媒圧力検出器により検出された冷媒の圧力である第2冷媒飽和圧力との差が第2の所定値以上となった場合に前記冷凍サイクル内の冷媒量の不足を仮判定する第2の判定手段と、前記第1の判定手段により前記冷凍サイクル内の冷媒量が不足していると仮判定され、且つ、前記第2の判定手段により前記冷凍サイクル内の冷媒量が不足していると仮判定された場合に、前記冷凍サイクル内の冷媒量の不足判定を確定する冷媒不足判定確定手段と、を具備することを特徴としている。
したがって、第1の判定手段により、蒸発器温度検出器により検出された温度と目標温度設定手段により設定された目標温度との差が第1の所定値以上となって冷凍サイクル内の冷媒量の不足が仮判定され、また、第2の判定手段により、外部熱負荷検出器により検出された熱負荷から導かれる第1冷媒飽和圧力と冷媒圧力検出器により検出された冷媒の圧力である第2冷媒飽和圧力との差が第2の所定値以上となって冷凍サイクル内の冷媒量の不足が仮判定された場合に、冷媒不足判定確定手段によって冷凍サイクル内の冷媒量の不足判定が確定するので、冷凍サイクル内の冷媒量の不足の有無を、冷却能力に直接影響する蒸発器の温度(又は、蒸発器を通過した直後の空気温度)に基づく評価と、熱負荷の変動による判定のばらつきが少ない冷媒飽和圧力に基づく評価との両方から行なうことが可能となり、冷凍サイクル内の冷媒量が適正であっても不足していると誤判定されることを防ぐことが可能となる。
即ち、第1の判定手段によって冷凍サイクル内の冷媒量の不足が仮判定された状態においては、外部熱負荷が高い場合において、蒸発器温度検出器により検出された温度が目標温度に到達せず、誤判定する恐れがあるが、これに熱負荷の変動による判定のばらつきが少ない第2の判定手段による判定がさらに加味されるので、誤判定の恐れが無くなる。
また、第1の判定手段による判定も第2の判定手段による判定も時間を空けて行なう必要がないため、冷凍サイクル内の冷媒量の不足の有無の判定結果を時間をかけずに行なうことが可能となり、しかも、冷媒圧力検出器として冷媒の高圧側流路に配置される圧力センサ、蒸発器温度検出器として蒸発器又はその直後に配置されるサーモセンサ、外部熱負荷検出器として車両に搭載されている車室外温度センサ、内部熱負荷検出器として車両に搭載されている車室内温度センサなど、既存のセンサを流用できるので、追加部品を不要とすることも可能となる。
ここで、前記冷凍サイクル内の冷媒量の不足を仮判定する第2の判定手段は、前記第1冷媒飽和圧力に代えて前記外部熱負荷検出器により検出された熱負荷から導かれる第1冷媒飽和温度を用い、また、前記第2冷媒飽和圧力に代えて該第2冷媒飽和圧力から決定される第2冷媒飽和温度を用いるようにしてもよい。
飽和状態の冷媒は圧力と温度とが一義的に対応する関係にあるので、第2の判定手段において、飽和圧力のみならず飽和温度を用いることも可能であり、判定手段の設計自由度を広げることが可能となる。
また、前記被空調空間の外部の熱負荷の大きさに応じて前記第2の所定値の大きさを変更させるようにしてもよい。
このような構成においては、第2の判定手段の冷媒量の不足の有無を判定する閾値が、被空調空間の外部の熱負荷の大きさに応じて変更されるので、冷媒不足の有無の誤判定の可能性を一層なくすことが可能となる。
さらに、前記圧縮機を起動させる前の前記冷媒圧力検出器により検出された冷媒圧力が所定の圧力値よりも低いか否かを判定する第3の判定手段を更に備え、前記第3の判定手段により前記圧縮機を起動する前の冷媒圧力が所定の圧力値よりも低いと判定された場合に、前記圧縮機を起動させないようにするとよい。
このような構成により、圧縮機が焼き付くほどの冷媒不足を圧縮機を稼動させる前に判定することができ、圧縮機が作動して焼き付く不都合を回避することが可能となる。
なお、上述した冷媒不足判定装置が用いられる圧縮機は、固定容量型であっても、可変容量型であってもよい。また、上述した冷媒不足判定装置は冷凍サイクルと一体化させるようにしてもよい。
また、上記課題を達成するために、本発明に係る冷凍サイクルの冷媒不足判定方法は、冷媒を圧縮する圧縮機と、前記圧縮機によって圧縮された冷媒を凝縮する凝縮器と、前記凝縮器で凝縮された冷媒を減圧する膨張装置と、前記膨張装置から流出する冷媒を蒸発する蒸発器と、を有する冷凍サイクルと、前記圧縮機と前記膨張装置との間の冷媒経路を流れる冷媒の圧力を検出する冷媒圧力検出器と、前記蒸発器の温度、又は、前記蒸発器を通過した直後の空気温度を検出する温度検出器と、被空調空間の外部の熱負荷を検出する外部熱負荷検出器と、前記被空調空間の内部の熱負荷を検出する内部熱負荷検出器と、前記被空調空間の制御温度を設定する温度設定器と、前記外部熱負荷検出器により検出された熱負荷、前記内部負荷検出器により検出された熱負荷、および前記温度設定器で設定された制御温度により、前記蒸発器、又は、前記蒸発器を通過した直後の空気の目標温度を演算する目標温度演算手段と、を備えて構成される方法であって、前記蒸発器温度検出器により検出された温度と前記目標温度演算手段により演算された目標温度との差が第1の所定値以上と判定され、且つ、前記外部熱負荷検出器により検出された熱負荷から導かれる第1冷媒飽和圧力と前記冷媒圧力検出器により検出された冷媒の圧力である第2冷媒飽和圧力との差が第2の所定値以上と判定された場合に、前記冷凍サイクル内の冷媒量が不足であると判定することを特徴としている。
ここで、前記第1冷媒飽和圧力に代えて前記外部熱負荷検出器により検出された熱負荷から導かれる第1冷媒飽和温度を用い、前記第2冷媒飽和圧力に代えて該第2冷媒飽和圧力から決定される第2冷媒飽和温度を用いてもよい。
また、誤判定の可能性を一層なくすために、前記被空調空間の外部の熱負荷の大きさに応じて前記第2の所定値の大きさを変更させるようにするとよい。
さらに、圧縮機の焼き付きを回避するために、前記圧縮機を起動する前の前記冷媒圧力検出器により検出された冷媒圧力が所定の圧力値よりも低いと判定された場合に、前記圧縮機を起動させないようにするとよい。
以上述べたように、本発明によれば、蒸発器温度検出器により検出された温度と目標温度設定手段により設定された目標温度との差が第1の所定値以上となった場合に冷凍サイクル内の冷媒量の不足を仮判定し、また、外部熱負荷検出器により検出された熱負荷から導かれる第1冷媒飽和圧力(又は、第1冷媒飽和温度)と冷媒圧力検出器により検出された冷媒の圧力である第2冷媒飽和圧力(又は、第2冷媒飽和圧力から決定される第2冷媒飽和温度)との差が第2の所定値以上となった場合に冷凍サイクル内の冷媒量の不足を仮判定し、これら両方の仮判定がされた場合に、冷凍サイクル内の冷媒量の不足判定を確定するようにしたので、冷凍サイクル内の冷媒量が適正であっても不足していると誤判定することを防ぐことが可能となる。
また、第1の判定手段による判定と第2の判定手段による判定を同時に行なうことが可能であるので、冷凍サイクル内の冷媒量の不足の有無の判定結果を瞬時に行なうことが可能となり、短時間で冷媒量の不足の有無を正確に判定することが可能となる。
しかも、冷媒圧力検出器として冷媒の高圧側流路に配置される圧力センサ、蒸発器温度検出器として蒸発器サーモセンサ、外部熱負荷検出器として車室外温度センサ、内部熱負荷検出器として車室内温度センサなど、従来から用いているセンサを流用できるので、追加部品を不要とすることが可能となり、コストの増加を避けることが可能となる。
ここで、被空調空間の外部の熱負荷の大きさに応じて第2の所定値(第2の判定手段の前記冷媒量の不足を判定する閾値)の大きさを変更させることで、被空調空間の外部の熱負荷に応じて冷媒量の不足の有無を適切に判定することが可能となり、誤判定の可能性を一層なくすことが可能となる。
また、圧縮機を起動させる前の冷媒圧力が所定の圧力値よりも低い場合に、圧縮機を起動させないようにすることで、圧縮機が焼き付くほどの冷媒不足を圧縮機を起動させる前に判定でき、圧縮機が作動して焼き付く不都合を回避することが可能となる。
図1は、車両に搭載された冷凍サイクルの全体構成を示す図である 図2は、冷凍サイクル内の冷媒量の不足を判定する処理フローである。 図3は、冷凍サイクル内の冷媒量の変化に対する、サイクル稼動時の蒸発器の温度(又は、蒸発器を通過した直後の空気温度)の変化を示す特性線図である。 図4は、冷凍サイクル内の冷媒量の変化に対する、サイクル稼動時の高圧側ラインの冷媒圧力(冷媒飽和圧力)の変化を示す特性線図である。 図5は、冷凍サイクルの冷媒量の不足を判定する他の処理フローである。 図6は、冷凍サイクル内の冷媒量の変化に対する、サイクル稼動時の高圧側ラインの冷媒温度(冷媒飽和温度)の変化を示す特性線図である。 図7は、冷凍サイクル内の冷媒量とサイクル稼動時の蒸発器の温度(又は、蒸発器を通過した直後の空気温度)との関係を示す特性線図であり、冷媒量の不足の有無を判定する従来の手法を説明する図である。 図8は、冷凍サイクル内の冷媒量とサイクル稼動時の高圧側ラインの冷媒圧力(冷媒飽和圧力)との関係を示す特性線図であり、冷媒量の不足の有無を判定する従来の手法を説明する図である。
以下、本発明の冷媒不足判定装置について、図面を参照して説明する。
図1には、車両に搭載される車両用空調装置の一例が示されている。
この車両用空調装置1は、HVACユニット2と、冷凍サイクル3と、冷凍サイクル3を監視・制御する制御ユニット4とを有して構成されている。
HVACユニット2は、車両のエンジンルームとキャビンルームとを仕切るファイヤーボード(図示せず)よりも、キャビンルーム側に配置されるもので、空気流路が内部に形成された空調ケース21を備え、この空調ケース21に冷凍サイクル3の一部を構成する蒸発器34やエンジンの冷却水を熱源とする図示しない加熱用熱交換器が収納されると共に、空気流路の蒸発器34よりも上流側に送風機22が配置されている。
そして、送風機22よりも上流側には、空調ケース21内に導入される空気の導入口を外気導入口と内気導入口とに切り替える図示しないインテークドアが配置されている。したがって、送風機22の回転により、インテークドアによって選択された外気導入口または内気導入口を介して空調ケース内に空気が導入され、導入された空気は空気流路の下流側に圧送される。
冷凍サイクル3は、図示しない走行用エンジンからの動力を受けて回転する圧縮機31と、この圧縮機31によって圧縮された高温高圧の冷媒を放熱・凝縮する凝縮器32と、この凝縮器32によって冷却された冷媒を減圧して低温低圧の気液混合冷媒にする膨張装置33と、この膨張装置33から送られる低温低圧の気液混合冷媒を蒸発気化する前記空調ケース21内に収容された蒸発器34とを、この順で配管接続して構成されている。
圧縮機31は、走行用エンジンの回転に伴ってベルト駆動されるプーリ31aを有し、該プーリ31aと圧縮機31の回転軸とが電磁クラッチ31bを介して接続・切断されることで、その駆動が制御される。また、圧縮機31が可変容量型である場合には、この圧縮機31の吐出容量を外部制御信号に基づいて制御する容量可変機構が設けられる。
したがって、圧縮機31が稼動して冷凍サイクル3内の冷媒が圧縮機31に吸引されて圧縮されると、圧縮機31によって圧縮された冷媒は、凝縮器32において放熱・凝縮して低温、高圧の冷媒となり、膨張装置33において膨張して更に低温、低圧の冷媒となって蒸発器34に供給され、この蒸発器34において通過する空気から吸熱して蒸発し、しかる後に再び圧縮機31に吸引される。
制御ユニット4は、図示しない中央演算処理装置(CPU)、読出専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、入出力ポート(I/O)等を備え、圧縮機31の電磁クラッチ31bをオンオフ制御する制御信号を形成すると共に、冷凍サイクル3内の冷媒量を監視するようにしている。
即ち、冷凍サイクル3の高圧側ライン(圧縮機31の吐出口から凝縮器32を介して膨張装置33に至る冷媒経路)の冷媒圧力(Pref)を検知する冷媒圧力検出センサ41と、蒸発器34のフィン間、又は、蒸発器34の下流側直近に配置されて蒸発器34の温度、又は、蒸発器34を通過した直後の空気温度(Tev)を検出する蒸発器温度検出センサ42と、外気温度(Tamb)を検出する外気温度検出センサ43、車室内温度(Tinc)を検出する車室内温度検出センサ44等の各センサからの信号や、操作パネル45上の温度設定器46の操作によって設定された設定温度(Tset)を入力し、メモリに与えられた所定のプログラムにしたがって各種入力信号を処理し、圧縮機31の電磁クラッチ31bを駆動回路47を介してオンオフ制御すると共に、冷凍サイクル3内の冷媒量を監視するようにしている。
ここで、冷媒圧力検出センサ41により検知される高圧側ラインの圧力は、例えば、圧縮機31の吐出口と凝縮器32との間や凝縮器32と膨張装置33との間の配管に設けられた圧力センサにより検出するとよい(この例では、凝縮器32と膨張装置33との間の配管に設けられている)。
本発明に係る冷媒不足判定装置は、車両用空調装置や車両に搭載されている上述した既存の各種センサや温度設定器46からの情報に基づき、冷凍サイクル3とは別体に設けられた、又は、冷凍サイクル3と一体化された制御ユニット4により、以下のような処理を行う装置として構成されている。
図2において、制御ユニット4による処理例がフローチャートとして示され、以下、このフローチャートに基づき、圧縮機31の制御動作、及び、冷凍サイクル3の冷媒量の不足判定について説明する。
ここで示す処理例は、イグニッションスイッチが投入された後に所定の初期設定を経て実行されるもので、先ず、ステップ50において、冷媒圧力検出センサ41で検出された高圧側ラインの冷媒圧力(冷凍サイクルの停止時の平衡状態にある場合の冷媒圧)Prefが、許容できる所定の冷媒圧γより低くなっているか否かを判定する。このステップ50において、Prefが所定の冷媒圧γより低くなっている場合には、冷凍サイクル3内の冷媒量が許容できない程度まで減っているので、このまま圧縮機31を起動させると、圧縮機31が焼き付く恐れがあるため、冷媒不足であることを示す警報を発信して注意喚起を行い(ステップ52)、圧縮機31を稼動させずに停止状態を維持する(ステップ54)。
これに対して、このステップ50において、高圧側ラインの冷媒圧力Prefが所定圧力γ以上であると判定された場合には、圧縮機31を稼動させても焼き付きの恐れがないため、圧縮機31を起動し(ステップ56)、蒸発器温度検出センサ42で検出された温度Tevと目標温度Toとの差が所定値:α以上であるか否か(Tev−To≧α)を判定する(ステップ58)。
なお、目標温度Toは、例えば、下記の(1)式において演算されるもので、外気温度検出センサ43により検出された外気温度(Tamb)、車室内温度検出センサ44により検出された車室内温度(Tinc)、および温度設定器46を介して設定された設定温度(Tset)により演算された蒸発器、又は、蒸発器を通過した直後の空気の目標温度である。
To=A・Tset+B・Tamb+C・Tinc+D ・・・・(1)
ここで、A,B,Cはそれぞれの信号の重み付けの演算定数であり、Dは補正項である。このように目標温度Toは、外気温度検出センサ43により検出された外気温度(Tamb)だけでなく、車室内温度(Tinc)や設定温度(Tset)も用いて演算されるものなので、仮にエンジンルームの熱風が外気温度検出センサ43に伝わり外気温度検出センサ43が正確な外気温度を検出しない場合であっても、正確な温度からの逸脱量は限定的なものとなる。
このステップ58は、冷凍サイクル3内の冷媒量の不足を仮判定する第1の判定手段を構成するもので、冷凍サイクル3の冷媒量の不足を蒸発器温度検出センサ42で検出された温度Tevに基づき評価しようとするものである。
即ち、図3に示されるように、冷凍サイクル3内の冷媒量とサイクル稼動時の蒸発器34の温度(又は、蒸発器34を通過した直後の空気温度)との関係を見ると、外部の熱負荷が高くない場合には、実線で示されるように、圧縮機31が固定容量型である場合は、冷媒量が適正にある状態から徐々に減ってくると、それにほぼ比例してサイクル稼動時の蒸発器34の温度(又は、蒸発器34を通過した直後の空気温度)が高くなってくる。また、圧縮機が可変容量型である場合においても、容量可変が可能な範囲にあっては、冷媒量が不足しても目標温度Toを維持することは可能であるが、冷媒量が容量可変で対応できなくなるほど減ってくると、冷媒量の減少にほぼ比例してサイクル稼動時の蒸発器34の温度(又は、蒸発器34を通過した直後の空気温度)が高くなってくる。したがって、熱負荷が高くない場合には、実際の蒸発器34の温度(又は、蒸発器34を通過した直後の空気温度)が目標温度Toから所定の許容範囲:αを超えて高くなったか否かを判定すれば、冷媒量の不足の有無を捉えることが可能となる。
そこで、このステップ58において、蒸発器温度検出センサ42で検出された温度Tevと目標温度Toとの差が第1の所定値:αより小さい場合には、蒸発器温度検出センサ42で検出された温度の目標温度Toからの乖離は許容範囲内であることから、冷凍サイクル3内の冷媒量は適正範囲内であるとみなして、正常状態であることを示す表示等を行なう等の正常時のオペレーションを継続する(ステップ60)。
しかしながら、外気温度が高い高熱負荷時においては(外部の熱負荷が高い場合には)、凝縮器32での放熱量が不十分となり、冷凍サイクル3内の冷媒量が適正であっても、蒸発器34の温度(又は、蒸発器34を通過した直後の空気温度)が目標温度Toに到達せず、破線で示すように、目標温度Toから所定の許容範囲:αを超えて高くなると、誤って冷媒量が不足していると判定される恐れがある。
そこで、ステップ58において、蒸発器温度検出センサ42で検出された温度Tevと目標温度Toとの差が第1の所定値:α以上であると判定された場合には、冷凍サイクル3内の冷媒量が不足している可能性はあるものの、この判定結果が冷凍サイクル3の冷媒量の不足に起因するものであるのか、熱負荷に起因するものであるのか判然としないので、この段階では冷凍サイクルの冷媒量が不足であるとの判定を確定せず、ステップ62へ進む。
ステップ62においては、外気温度検出センサ43により検出された外気温(Tamb)から導かれる冷媒飽和圧力(第1冷媒飽和圧力PHL)と冷媒圧力検出センサ41により検出された高圧側ラインの冷媒の圧力(圧縮機が稼働している状態にある場合の高圧側ラインの冷媒圧であって、第2冷媒飽和圧力Psa)との差が第2の所定値:β1以上であるか否か(PHL−Psa≧β1)を判定する(ステップ62)。
このステップ62は、冷凍サイクル3内の冷媒量の不足を仮判定する第2の判定手段を構成するもので、冷凍サイクル3の冷媒量の不足を冷媒圧力検出センサ41で検出された冷凍サイクル3の高圧側ラインの圧力Psaに基づき評価しようとするものである。
即ち、図4に示されるように、冷凍サイクル3内の冷媒量とサイクル稼動時の高圧側ラインの冷媒圧力との関係を見ると、外気温度が低い低熱負荷時においては(外部の熱負荷が高くない場合には)、実線で示されるように、圧縮機が固定容量型である場合は、冷凍サイクル内の冷媒量が適正状態から徐々に減ってくると、それにほぼ比例してサイクル稼動時の高圧側ラインの冷媒圧力(冷媒飽和圧力)が外気温度から導かれる冷媒飽和圧力(冷媒量が適正時の冷媒飽和圧力)よりも低下してくる。また、圧縮機が可変容量型である場合においても、容量可変が可能な範囲にあっては、冷媒量が不足しても冷媒量が適正時の飽和圧力を維持することは可能であるが、冷凍サイクル内の冷媒量が容量可変では対応できなくなるほど減ってくると、冷媒量の減少にほぼ比例してサイクル稼動時の高圧側ラインの冷媒圧力(冷媒飽和圧力)も外気温度から導かれる冷媒飽和圧力(冷媒量が適正時の冷媒飽和圧力)よりも低下してくる。したがって、熱負荷が高くない場合には、サイクル稼動時の高圧側ラインの冷媒圧力(冷媒飽和圧力)が適正範囲:β1を外れて低くなったか否かを判定すれば、冷媒量の不足の有無を捉えることが可能となる。
また、外気温度が高い高熱負荷時においても(外部の熱負荷が高い場合においても)、冷凍サイクル内の冷媒量が適正状態から徐々に減ってくると、破線で示されるように、それにほぼ比例してサイクル稼動時の高圧側ラインの冷媒圧力(冷媒飽和圧力)が外気温度から導かれる冷媒飽和圧力(冷媒量が適正時の冷媒飽和圧力)よりも低下してくるので、冷凍サイクル3内の高圧側ラインの冷媒圧力(冷媒飽和圧力)が適正範囲:β1を外れて低くなったか否かを判定すれば、冷媒量の不足の有無を捉えることが可能となる(熱負荷の変動によって判定にばらつきが生じることがなくなる)。
そこで、このステップ62において、外気温度検出センサ43により検出された外気温Tambから導かれる冷媒飽和圧力(第1冷媒飽和圧力PHL)と冷媒圧力検出センサ41により検出された高圧側ラインの冷媒圧力(第2冷媒飽和圧力Psa)との差が第2の所定値:β1より小さいと判定された場合には、高圧側ラインの冷媒圧力Psaが、外気温度検出センサ43により検出された外気温Tambから導かれる冷媒飽和圧力PHLから乖離していても許容範囲内であることから、ステップ58で蒸発器温度検出センサ42で検出された温度Tevと目標温度Toとの差が第1の所定値:α以上であると判定されたにも拘らず、この判定結果は冷媒量の不足に起因するものではないことが確認できたので、冷凍サイクル内の冷媒量は適正範囲内であると判定し、正常時のオペレーションを継続する(ステップ60)。
これに対して、ステップ62において、外気温度検出センサ43により検出された外気温から導かれる冷媒飽和圧力(第1冷媒飽和圧力PHL)と冷媒圧力検出センサ41により検出された高圧側ラインの冷媒の圧力(第2冷媒飽和圧力Psa)との差が所定値:β1以上であると判定された場合には、車室外の熱負荷から導かれた冷媒飽和圧力と高圧側ラインの実際の冷媒圧力との差に基づいて冷媒量の不足の有無を判定した場合でも、冷凍サイクル内の冷媒不足があると判定された場合であるので、冷凍サイクル内の冷媒量が不足していることは間違いないと看做して、冷媒量が不足しているとの判定を確定し(ステップ64)、前記操作パネル45に冷媒不足であることを表示したり搭乗者に対して冷媒不足であることを示す警報を発信したりする等の注意喚起を行う(ステップ66)。
したがって、以上の冷媒不足判定装置によれば、ステップ58において、蒸発器温度検出センサ42で検出された温度Tevと目標温度Toとの乖離があった場合でも、必ずしも冷凍サイクル3の冷媒量の不足に起因しているとは言えない場合があることから、ステップ62において、熱負荷の変動による判定のばらつきが少ない冷媒飽和圧力に基づく判定(車室外の熱負荷に基づいて決定される冷媒飽和圧力からの高圧側ラインの冷媒圧力の乖離状態に基づく冷媒量の不足の有無の判定)を加味して冷媒不足の有無を再度確認し、いずれの判定においても冷媒不足の条件を満たした場合に、冷媒不足であるとの判定を確定するようにしたので、誤判定をなくすことが可能となる。
また、上述の構成においては、冷凍サイクル3内の冷媒量が不足しているか否かを判定するにあたり、冷却能力に直接影響する蒸発器の温度、又は、蒸発器を通過した直後の空気温度に基づいて評価する判定(ステップ58の第1の判定手段による判定)を先に行い、その後、冷凍サイクル3の高圧側ラインの圧力に基づいて評価する判定(ステップ62の第2の判定手段による判定)を行なって第1の判定手段による判定の適否を確認するようにしたので、蒸発器による冷却能力から評価した判定結果を重視しつつ、その判定結果を過信することによる不都合を回避できる。仮に、第1の判定手段による判定と第2の判定手段による判定との順序を逆とし、ステップ62の第2の判定手段による判定を先に行い、その後、ステップ58の第1の判定手段による判定を行って第2の判定手段による判定の適否を確認するようにすると、冷却能力に直接影響せず、車両や周囲の環境により常に変動する高圧側ラインの冷媒圧力に基づいた判定結果を重視することになるので、冷媒量の不足を高い精度で判定することができない不都合がある。
したがって、本発明では、乗員に対する注意喚起がなされる場合でも、冷凍サイクル内の冷媒量の不足を冷却能力の不足によって捉える点を基準としているので、高い精度で判定することができ、かつ、乗員の感覚に沿ったものとなる。
さらに、冷媒量の不足判定を行なうに当たり、蒸発器の温度(又は、蒸発器を通過した直後の空気温度)に基づく評価と、冷凍サイクルの高圧側ラインの圧力(冷媒飽和圧力)に基づく評価とは、時間を空けて行なう必要がないため、冷凍サイクル内の冷媒量の不足の有無の判定結果を時間をかけずに行なうことが可能となる。
しかも、冷媒量の不足判定を行なうにあたり、既存のセンサ(冷媒圧力検出センサ41、蒸発器温度検出センサ42、外気温度検出センサ43、車室内温度検出センサ44)を用いて対応できるので、新たなセンサの追加が不要となり、コストをかけずに冷媒量の不足の有無の正確な判定が可能となる。
なお、以上の構成のおいては、第2の判定手段であるステップ62において、外気温度検出センサ43により検出された外気温から導かれる冷媒飽和圧力(第1冷媒飽和圧力)と冷媒圧力検出センサ41により検出された高圧側ラインの冷媒の圧力(第2冷媒飽和圧力)との差が所定値:β1以上であると判定された場合に、冷凍サイクル内の冷媒量の不足を仮判定するようにしているが、冷媒飽和圧力と冷媒飽和温度とは一義的に対応する関係にあるので、図5及び図6に示されるように、外気温度検出センサ43により検出された外気温から導かれる冷媒飽和圧力(第1冷媒飽和圧力)に代えて外気温度検出センサ43により検出された外気温から導かれる冷媒飽和温度(第1冷媒飽和温度)THLを用い、冷媒圧力検出センサ41により検出された高圧側ラインの冷媒の圧力(第2冷媒飽和圧力)に代えて該第2冷媒飽和圧力Psaから決定される第2冷媒飽和温度Tsaを用いるようにしてもよい。
即ち、図5に示されるステップ62を、外気温度検出センサ43により検出された外気温から導かれる冷媒の飽和温度(第1冷媒飽和温度THL)と冷媒圧力検出センサ41により検出された高圧側ラインの冷媒の圧力から決定される冷媒の飽和温度(第2冷媒飽和温度Tsa)との差が所定値:β2以上であると判定された場合には、冷媒量が不足していると仮判定し、前記ステップ58において冷媒量が不足していると仮判定されていることを前提として、冷凍サイクル3の冷媒量が不足しているとの判定を確定し(ステップ64)、前記操作パネル45に冷媒不足であることを表示したり、搭乗者に対して冷媒不足であることを示す警報を発信したりする等の注意喚起を行うようにしてもよい(ステップ66)。
また、以上の構成においては、冷媒量の不足を仮判定する閾値(β1及びβ2)を車室外の熱負荷の大きさに拘らず所定値として設定した例を示したが、車室外の熱負荷の大きさに応じて閾値の大きさを変更させるようにしてもよい。例えば、車室外の熱負荷が大きいほど、閾値(β1及びβ2)を小さく設定すれば、冷房機能が重要な高い熱負荷のときに、冷媒量の不足をより精度よく検知することができる。このように外部の熱負荷に応じてそれぞれの閾値を可変させることで、冷媒不足の有無の判定をより正確に行なうことが可能となり、誤判定の可能性を一層低減することが可能となる。
3 冷凍サイクル
31 圧縮機
32 凝縮器
33 膨張装置
34 蒸発器
41 冷媒圧力検出センサ
42 蒸発器温度検出センサ
43 外気温度検出センサ
44 車室内温度検出センサ
46 温度設定器

Claims (11)

  1. 冷媒を圧縮する圧縮機と、前記圧縮機によって圧縮された冷媒を凝縮する凝縮器と、前記凝縮器で凝縮された冷媒を減圧する膨張装置と、前記膨張装置から流出する冷媒を蒸発する蒸発器と、を有する冷凍サイクルに用いられる冷媒不足判定装置であって、
    前記圧縮機と前記膨張装置との間の冷媒経路を流れる冷媒の圧力を検出する冷媒圧力検出器と、
    前記蒸発器の温度、又は、前記蒸発器を通過した直後の空気温度を検出する蒸発器温度検出器と、
    被空調空間の外部の熱負荷を検出する外部熱負荷検出器と、
    前記被空調空間の内部の熱負荷を検出する内部熱負荷検出器と、
    前記被空調空間の制御温度を設定する温度設定器と、
    前記外部熱負荷検出器により検出された熱負荷、前記内部負荷検出器により検出された熱負荷、および前記温度設定器で設定された制御温度により、前記蒸発器、又は、前記蒸発器を通過した直後の空気の目標温度を演算する目標温度演算手段と、
    前記蒸発器温度検出器により検出された温度と前記目標温度演算手段により演算された目標温度との差が第1の所定値以上となった場合に前記冷凍サイクル内の冷媒量の不足を仮判定する第1の判定手段と、
    前記外部熱負荷検出器により検出された熱負荷から導かれる第1冷媒飽和圧力と前記冷媒圧力検出器により検出された冷媒の圧力である第2冷媒飽和圧力との差が第2の所定値以上となった場合に前記冷凍サイクル内の冷媒量の不足を仮判定する第2の判定手段と、
    前記第1の判定手段により前記冷凍サイクル内の冷媒量が不足していると仮判定され、且つ、前記第2の判定手段により前記冷凍サイクル内の冷媒量が不足していると仮判定された場合に、前記冷凍サイクル内の冷媒量の不足判定を確定する冷媒不足判定確定手段と、
    を具備することを特徴とする冷媒不足判定装置。
  2. 前記冷凍サイクル内の冷媒量の不足を仮判定する第2の判定手段は、前記第1冷媒飽和圧力に代えて前記外部熱負荷検出器により検出された熱負荷から導かれる第1冷媒飽和温度を用い、前記第2冷媒飽和圧力に代えて該第2冷媒飽和圧力から決定される第2冷媒飽和温度を用いることを特徴とする請求項1記載の冷媒不足判定装置。
  3. 前記被空調空間の外部の熱負荷の大きさに応じて前記第2の所定値の大きさを変更させることを特徴とする請求項1又は2記載の冷媒不足判定装置。
  4. 前記圧縮機を起動する前の前記冷媒圧力検出器により検出された冷媒圧力が所定の圧力値よりも低いか否かを判定する第3の判定手段を更に備え、
    前記第3の判定手段により前記圧縮機を起動する前の冷媒圧力が所定の圧力値よりも低いと判定された場合に、前記圧縮機を起動させないことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の冷媒不足判定装置。
  5. 前記圧縮機は、固定容量型であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の冷媒不足判定装置。
  6. 前記圧縮機は、可変容量型であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の冷媒不足判定装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の冷媒不足判定装置を備えた冷凍サイクル。
  8. 冷媒を圧縮する圧縮機と、前記圧縮機によって圧縮された冷媒を凝縮する凝縮器と、前記凝縮器で凝縮された冷媒を減圧する膨張装置と、前記膨張装置から流出する冷媒を蒸発する蒸発器と、を有する冷凍サイクルと、
    前記圧縮機と前記膨張装置との間の冷媒経路を流れる冷媒の圧力を検出する冷媒圧力検出器と、
    前記蒸発器の温度、又は、前記蒸発器を通過した直後の空気温度を検出する温度検出器と、
    被空調空間の外部の熱負荷を検出する外部熱負荷検出器と、
    前記被空調空間の内部の熱負荷を検出する内部熱負荷検出器と、
    前記被空調空間の制御温度を設定する温度設定器と、
    前記外部熱負荷検出器により検出された熱負荷、前記内部負荷検出器により検出された熱負荷、および前記温度設定器で設定された制御温度により、前記蒸発器、又は、前記蒸発器を通過した直後の空気の目標温度を演算する目標温度演算手段と、
    を備えて構成される前記冷凍サイクルの冷媒不足判定方法であって、
    前記蒸発器温度検出器により検出された温度と前記目標温度演算手段により演算された目標温度との差が第1の所定値以上と判定され、且つ、前記外部熱負荷検出器により検出された熱負荷から導かれる第1冷媒飽和圧力と前記冷媒圧力検出器により検出された冷媒の圧力である第2冷媒飽和圧力との差が第2の所定値以上と判定された場合に、前記冷凍サイクル内の冷媒量が不足であると判定することを特徴とする冷凍サイクルの冷媒不足判定方法。
  9. 前記第1冷媒飽和圧力に代えて前記外部熱負荷検出器により検出された熱負荷から導かれる第1冷媒飽和温度を用い、前記第2冷媒飽和圧力に代えて該第2冷媒飽和圧力から決定される第2冷媒飽和温度を用いることを特徴とする請求項8記載の冷凍サイクルの冷媒不足判定方法。
  10. 前記被空調空間の外部の熱負荷の大きさに応じて前記第2の所定値の大きさを変更させることを特徴とする請求項8又は9記載の冷凍サイクルの冷媒不足判定方法。
  11. 前記圧縮機を起動させる前の前記冷媒圧力検出器により検出された冷媒圧力が所定の圧力値よりも低いと判定された場合に、前記圧縮機を起動させないことを特徴とする請求項8乃至10のいずれかに記載の冷凍サイクルの冷媒不足判定方法。
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