JP6287628B2 - 微細凹凸構造を表面に有するモールドの製造方法 - Google Patents

微細凹凸構造を表面に有するモールドの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は複数の細孔からなる微細凹凸構造を表面に有するモールド及びその製造方法、並びに前記モールドを用いて製造された微細凹凸構造を表面に有する成形体に関する。
近年、微細加工技術の進歩によって、成形体の表面にナノスケールの微細凹凸構造を付与することが可能となった。ナノスケールの微細凹凸構造は、例えば、モスアイ構造と呼ばれる規則的なナノスケールの微細凹凸構造による反射防止機能や、ロータス効果と呼ばれる超撥水機能のように、微細凹凸構造由来の有用な機能が発現することから、ナノスケールの微細凹凸構造の産業上の利用が盛んに図られている。
成形体の表面に微細凹凸構造を付与する技術は様々である。これらのうち、モールドの表面に形成された微細凹凸構造を、成形体本体の表面に転写する方法は、簡便かつ少ない工程で成形体の表面に微細凹凸構造を付与できるため、工業生産に適している。近年、微細凹凸構造を表面に有する大面積のモールドを簡便に製造する方法として、アルミニウム基材を陽極酸化することによって、複数の細孔からなる微細凹凸構造を有する酸化被膜(陽極酸化ポーラスアルミナともいう)を、アルミニウム基材表面に形成する方法が注目されている(例えば、特許文献1,2参照)。アルミニウム基材を陽極酸化することによって形成される酸化被膜は、印加電圧に比例して細孔の間隔(ピッチ)が大きくなる。従って、細孔の間隔を比較的簡単に制御できる点においても、前記の方法はモールドの製造方法として適している。
陽極酸化ポーラスアルミナをモールドとして使用した場合、前記モールド表面の微細凹凸構造を転写することによって、前記微細凹凸構造の反転構造を有する成形体を得ることができる。この反転構造をテーパー状にする方法として、例えば、特許文献3には、前記モールドの製造方法において、陽極酸化とエッチングとを繰り返して行う方法が提案されている。この方法では、アルミニウム基材を陽極酸化し、前記アルミニウム基材の表面に複数の細孔を有する酸化被膜を形成する工程(i)、前記工程(i)で形成された前記酸化被膜の少なくとも一部を除去する工程(ii)、前記工程(ii)の後、アルミニウム基材を陽極酸化して、複数の細孔を有する酸化被膜を形成する工程(iii)、前記工程(iii)の後、酸化被膜の一部を除去し、細孔の孔径を拡大する工程(iv)、前記工程(iii)と前記工程(iv)とを交互に繰り返す工程(v)により、転写された成形体の微細凹凸構造の突起を円錐状にすることができる。
特許第4658129号公報 特許第4368415号公報 特許第4849183号公報
ところで、陽極酸化を利用してモールドを製造する場合、アルミニウム基材に最初に電圧を印加する際、例えば、前述の工程(i)において、電流値が非常に大きくなる。これは、印加直後はアルミニウム基材表面の酸化被膜が薄いために抵抗値が小さく、その結果、アルミニウム基材表面の電流密度が上昇するためである。アルミニウム基材表面の酸化被膜が成長して、印加電圧に対するバリア層として十分な機能を発揮するまでの間に大きな電流が流れて、アルミニウム基材が過熱状態となる場合がある。一度過熱状態となるとそのまま電流値が大きいままとなり、ヤケと呼ばれる症状が発生して、所望のポーラスアルミナを得ることができなくなる。
そこで、アルミニウム基材に電圧を印加する際は、過電流制限を行う方法が一般的である。過電流制限とはアルミニウム基材表面に流れる電流に上限値を設け、アルミニウム基材表面の電流が前記上限値に達した場合は、アルミニウム基材に印加する電圧を、本来の設定値(目標電圧)より低く調整する方法である。しかしこの方法では、アルミニウム基材表面の電流が上限値になっている間は、印加電圧が低く抑えられてしまう、すなわち目標電圧よりも低くなるため、生成されるポーラスアルミナの細孔の平均間隔が目標からずれてしまう恐れがある。
また、前述の陽極酸化とエッチングとを繰り返す方法では、エッチング後に酸化被膜の厚さが薄くなる。そのため、例えば、前述の工程(iii)において、アルミニウム基材を再度陽極酸化する際に、バリア層の機能が低下して電流値が大きくなるという課題がある。前述の過電流制限を行うと、電圧が一定に保てなくなるため、やはり細孔の配列が乱れる原因となる場合がある。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、アルミニウム基材に陽極酸化とエッチングとを繰り返して、アルミニウム基材表面に、複数の細孔からなる微細凹凸構造を有する酸化被膜が形成されたモールドを作製する方法において、規則性の高い細孔間隔を有するモールドを製造できる方法を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、陽極酸化工程とエッチング工程とを交互に繰り返してモールドを製造する際、陽極酸化工程時の電流値を低く抑え、かつアルミニウム基材に対して一定電圧を印加している時間を長く確保することにより、規則性の高い細孔間隔を有するモールドが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の態様を有する。
<1>アルミニウム基材表面に、複数の細孔からなる微細凹凸構造を有する酸化被膜が形成されているモールドの製造方法であって、アルミニウム基材を電解液中に浸漬させて電圧を印加し、アルミニウム基材の表面を陽極酸化して酸化被膜を形成する工程(a)と、前記工程(a)の後、前記酸化被膜をエッチングする工程(b)とを有し、前記工程(a)と前記工程(b)とが交互に繰り返して行われ、前記工程(a)が、電流の上限値を20mA/cm以下に設定して行われ、且つアルミニウム基材に対して一定電圧を印加している時間が、前記工程(a)の総時間に対して85%以上である、モールドの製造方法。<2>前記工程(a)と前記工程(b)の繰り返し回数が6回以上である、<1>に記載のモールドの製造方法。
<3>前記一定電圧が、55V〜120Vの範囲である、<1>又は<2>に記載のモールドの製造方法。
<4>前記工程(a)と前記工程(b)とを同一の処理槽内で行う、<1>〜<3>のいずれか一項に記載のモールドの製造方法。
<5>前記処理槽内の電解液が、少なくともリン酸を含む、<4>に記載のモールドの製造方法。
<6><1>〜<5>のいずれか一項に記載のモールドの製造方法により得られるモールド。
<7><6>に記載のモールドであって、前記モールド表面に形成された複数の細孔の平均間隔が80〜250nmであり、前記複数の細孔の平均深さが100〜400nmである、モールド。
<8>微細凹凸構造を表面に有する成形体であって、前記微細凹凸構造が、<6>又は<7>に記載のモールドの表面に形成された複数の細孔からなる微細凹凸構造の反転構造である、微細凹凸構造を表面に有する成形体。
本発明によれば、アルミニウム基材表面に、複数の細孔からなる微細凹凸構造を有する酸化被膜が形成されているモールドを作製する方法において、アルミニウム基材に対して一定電圧で印加している時間を十分に確保することで、規則性の高い細孔間隔を有するモールドを得ることができる。
また、陽極酸化時の電流値を低く抑えることで、アルミニウム基材表面の温度が高くなりすぎてヤケが発生することを防ぐことができる。またアルミニウム基材の除熱が容易となり、製造時の電力消費も抑えることができる。
さらに、本発明のモールドの製造方法は、陽極酸化工程とエッチング工程とを同一の処理槽内で行うことも可能であるため、効率的にモールドを製造できる。
アルミニウム基材の表面に、複数の細孔からなる微細凹凸構造を有する酸化被膜が形成されているモールドの製造工程を示す断面図である。 微細凹凸構造を表面に有する成形体の製造装置の一例を示す構成図である。 微細凹凸構造を表面に有する成形体の一例を示す断面図である。
以下本発明の詳細について説明する。
本明細書において、「細孔」とは、アルミニウム基材の表面の酸化被膜に形成された微細凹凸構造の、凹部のことを指す。
「細孔の平均間隔(細孔間隔と記載することもある)」とは、隣接する細孔同士の中心間距離の平均値を指す。
「突起」とは、成形体の表面に形成された微細凹凸構造の、凸部のことを指す。
「微細凹凸構造」とは、隣接する凸部同士の中心間距離の平均値(あるいは隣接する凹部同士の中心間距離の平均値)、及び凸部の高さ(あるいは凹部の深さ)がナノスケールである構造を意味する。
「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートおよびメタクリレートの総称である。
「活性エネルギー線」とは、可視光、紫外光、電子線、プラズマ、熱線(赤外線等)等を意味する。
また、本明細書において「電流値」とは、アルミニウム基材表面に流れる電流密度のことを指す。
<モールドの製造方法>
本発明の1つの態様は、アルミニウム基材表面に、複数の細孔からなる微細凹凸構造を有する酸化被膜が形成されているモールドの製造方法であって、アルミニウム基材を電解液中に浸漬させて電圧を印加し、アルミニウム基材の表面を陽極酸化して酸化被膜を形成する工程(a)と、前記工程(a)の後、前記酸化被膜をエッチングする工程(b)とを有し、前記工程(a)と前記工程(b)とが交互に繰り返して行われ、前記工程(a)が、電流の上限値を20mA/cm以下に設定して行われ、且つアルミニウム基材に対して一定電圧を印加している時間が、前記工程(a)の総時間に対して85%以上である、モールドの製造方法である。
このように、工程(a)の電流値を20mA/cm以下に設定し、且つアルミニウム基材に対して一定電圧を印加している時間が、前記工程(a)の総時間に対して85%以上であることにより、規則性の高い細孔間隔を有するモールドを製造することができる。本発明者らは、工程(a)の電流値を低く抑え、且つアルミニウム基材に対して一定電圧を印加している時間を長く確保するためには、工程(a)と工程(b)の繰り返し回数を増やし、各工程(a)と各工程(b)の実施時間を短くすることが重要であることを見出した。
以下、各工程について詳細に説明する。
なお、本明細書において「工程(a)の総時間」とは、本発明のモールドの製造方法において工程(a)を実施した時間の合計値のことを意味する。本発明は、工程(a)と工程(b)とを交互に繰り返してモールドを製造するが、全ての工程(a)の実施時間の合計値を「工程(a)の総時間」とする。
また、「アルミニウム基材に対して一定電圧を印加している時間」は、工程(a)において陽極酸化時の目標電圧を変化させない場合は、前記工程(a)の総時間から、過電流制御を実施している時間を減じることで求めることができる。また、工程(a)の途中で電圧を変化させる場合は、目標電圧に到達するまで電圧を変化させる時間は、工程(a)の総時間に含めないものとする。
また「一定電圧」とは、目標電圧のことをさす。つまり、目標電圧が40Vの場合、「一定電圧で電圧を印加している時間」は、40Vでアルミニウム基材に電圧を印加している時間を、上述のいずれかの方法で算出することで求めることができる。
(工程(a))
工程(a)は、アルミニウム基材を電解液中に浸漬させて電圧を印加し、アルミニウム基材の表面を陽極酸化して酸化被膜を形成する工程である。本発明のモールドの製造方法では、工程(a)と後述する工程(b)とを交互に繰り返すことによって、モールドを製造する。
また、前記工程(a)は、電流の上限値を20mA/cm以下に設定して行われ、且つアルミニウム基材に対して一定電圧を印加している時間が、前記工程(a)の総時間に対して85%以上であることを特徴とする。
[アルミニウム基材]
本発明の1つの態様において、アルミニウム基材は、純度が高いほど規則性の高い細孔間隔を有する陽極酸化ポーラスアルミナが得られやすい傾向にある。異種元素、特にアルミニウム以外の金属元素が不純物として含まれると、金属間化合物等が形成され、そこが起点となって欠陥が発生する場合がある。従って、アルミニウム基材のアルミニウム純度は、95質量%以上が好ましく、99質量%以上がさらに好ましく、99.5質量%以上が特に好ましい。
ところで、純度の高いアルミニウムをアルミニウム基材として用いた場合、所望の形状(例えば円筒状など)に加工する際に、アルミニウムが柔らかすぎて加工しにくい場合がある。そこで、アルミニウムにマグネシウムを添加して所定の形状に加工したものをアルミニウム基材として用いてもよい。マグネシウムを添加することで、アルミニウムの強度が高まるため加工しやすくなる。ただし、マグネシウムの添加量が増えるに連れて、得られるモールドの微細凹凸構造を、成形体本体の表面に転写した成形体のヘイズが上昇する傾向にある。よって、アルミニウム基材にマグネシウムを添加する場合、その添加量はアルミニウムの強度と成形体のヘイズを考慮して決定するのが好ましく、通常は、アルミニウム基材の総質量に対して0.05〜3質量%が好ましく、0.05〜1質量%がより好ましく、0.05〜0.5質量%が特に好ましい。
また、アルミニウム基材は、ケイ素、鉄、銅、マンガン、クロム、亜鉛、チタン、などの金属元素の含有量が少ないことが好ましい。
工程(a)で陽極酸化を行うアルミニウム基材としては、その表面が鏡面加工されたものを用いることが好ましい。表面が鏡面加工されたアルミニウム基材を用いてモールドを製造することで、該モールドを用いて製造された成形体が優れた反射防止性能と低ヘイズとを両立できるため好ましい。
一方、表面が鏡面加工されていないアルミニウム基材からモールドを製造した場合は、得られる成形体のヘイズが高くなるため、防眩効果の高い成形体を得ることができる。従って、高い防眩効果を有する成形体を所望する場合は、鏡面加工が施されていないアルミニウム基材を用いてモールドを製造してもよい。
アルミニウム基材の表面を鏡面加工する方法としては、鏡面切削や鏡面研磨などの方法が挙げられる。鏡面研磨は、物理的研磨と化学的研磨の片方または両方を利用することができる。
[電解液]
本発明の1つの態様において、工程(a)で用いる電解液としては、アルミニウム基材表面を陽極酸化して、複数の細孔からなる微細凹凸構造を有する酸化被膜を形成できるものであれば、本発明の効果を有する限り特に制限されるものではない。このような電解液としては、例えば、シュウ酸、リン酸、硫酸、マロン酸、酒石酸、クロム酸、コハク酸、リンゴ酸、クエン酸等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
このうち、少なくともリン酸を含む電解液を用いることが好ましい。リン酸は、アルミニウム基材表面を陽極酸化するだけでなく、形成された酸化被膜も溶解することができる。そのため、前記電解液が少なくともリン酸を含むことにより、前記工程(a)と後述する工程(b)とを同一の処理槽内で実施できるため好ましい。
本発明の1つの態様において、前記工程(a)と前記工程(b)とは同一の処理槽内で行われることが好ましく、前記処理槽内の電解液が、少なくともリン酸を含むことが好ましい。
工程(a)で少なくともリン酸を含む電解液を用いる場合、電解液中のリン酸の濃度は、0.5M〜3.0Mが好ましく、0.7M〜2.0Mがさらに好ましく、1.0M〜1.5Mが特に好ましい。リン酸濃度が0.5M以上であれば、細孔の高規則化が見込め、3.0M以下であれば、工程(a)において、電流値の上昇を抑制することができるため好ましい。
工程(a)で用いる電解液は、2種以上の複数の酸を組み合わせた混酸であってもよい。
電解液を混酸とする場合は、リン酸とシュウ酸とを組み合わせることが好ましい。リン酸とシュウ酸とを組み合わせることで、それぞれの酸を単独で用いた場合よりも、陽極酸化時の電流値を下げることが可能となるため好ましい。
本発明において、リン酸とシュウ酸との混酸を電解液として用いる場合、電解液中のシュウ酸の濃度は0.03M〜0.5Mが好ましく、0.05M〜0.3Mがさらに好ましく、0.1M〜0.3Mが特に好ましい。電解液中のシュウ酸濃度が0.03M以上であれば、得られるモールドの細孔間隔の高規則化が可能であり、0.5M以下であれば、電流値が大きくなりすぎるのを抑制することができる。また、後述する工程(b)で、酸化被膜の溶解速度が低下しすぎて、工程(b)の実施時間が長くなりすぎるのを防ぐことができる。
また、リン酸とシュウ酸との混酸を電解液として用いる場合の、電解液中のリン酸の濃度は、0.5M〜3.0Mが好ましく、0.7M〜2.0Mがさらに好ましく、1.0M〜1.5Mが特に好ましい。リン酸濃度が0.5M以上であれば、後述する工程(b)において酸化被膜溶解速度が低下しすぎず、3.0M以下であれば、酸化被膜溶解速度が速すぎて処理ムラが発生することを防止できる。ここで「処理ムラ」とは、酸化被膜の溶解の速度が速すぎて、酸化被膜の厚みや細孔の形状が場所により変化してしまうことを意味する。
工程(a)での電解液の温度は、10℃〜60℃が好ましく、15℃〜50℃がさらに好ましく、20℃〜40℃が特に好ましい。
電解液の温度が10℃以上であれば、アルミニウム基材の陽極酸化によって電解液中に溶解した成分が、電解液中に析出するのを防ぐことができる。また電解液の温度が60℃以下であれば、陽極酸化時のアルミニウム基材表面の発熱を抑え、十分に除熱できる温度に調整することができる。
また、アルミニウム基材表面を効率的に除熱する観点から、前記電解液を循環しながら工程(a)を行うことが好ましい。すなわち、アルミ基材表面の温度と、電解液の循環速度とが、均一になるように処理槽を設計することが好ましい。具体的には、電解液の温度を所定の温度に設定し、かつ所定の循環速度で電解液を循環させた場合に、電圧が印加されたアルミニウム基材の表面温度と、金型表面の電解液の流速(すなわち更新速度)が一定、且つ均一となるように、電解液の温度や循環速度、処理槽の形状を設計することが好ましい。
また、工程(a)において、電解液の温度制御は、得られるモールドの再現性を高め、ロット毎に品質のぶれが発生するのを抑える観点から、工程(a)における電解液の温度は、前述の好ましい温度範囲であって、かつ設定温度に対して±5℃以内に制御されることが好ましく、±2℃以内に制御されることがさらに好ましく、±0.5℃以内に制御されることが特に好ましい。
[印加電圧]
工程(a)において、アルミニウム基材に印加する電圧(目標電圧)は30V〜120Vが好ましく、40V〜120Vがさらに好ましく、55〜120Vが更に好ましく、70〜120Vが特に好ましい 。アルミニウム基材に印加する電圧が30V〜120Vの範囲であれば、得られる酸化被膜に形成された細孔間隔が反射防止に適した範囲となる。例えば、40Vで作製した陽極酸化ポーラスアルミナの細孔間隔は、およそ100nmであり、80Vで作製した陽極酸化ポーラスアルミナの細孔間隔は、およそ180nmである。
本発明では、工程(a)の電流値を低く抑え、アルミニウム基材に対して一定電圧を印加する時間を長く確保することで、規則性の高い細孔間隔を有するモールドを製造することができる。また、前記一定電圧の値が高い方が本発明の効果を得られやすい。
高い電圧をアルミニウム基材に印加する場合、電流値も高くなりやすいことから、過電流制限を実施して上限値以上の電流が流れないように電圧を制御する時間が長くなる傾向にある。高い電流値が流れると、アルミニウム基材の表面が白濁してしまう恐れがあるが、本発明においては、電流の上限値を20mA/cm以下に設定し、かつ該電流値で通電する時間を、工程(a)の15%以下に抑えられることから、上述のような問題が発生することを抑制することができる。
工程(a)でアルミニウム基材に印加する電圧は、陽極酸化工程の最初から最後まで一定の電圧を印加してもよく、途中で変化させても良い。陽極酸化工程の最初から最後まで一定の電圧を印加する場合は、55〜120Vの範囲でアルミニム基材に対して電圧を印加することが好ましい。
また、途中で電圧を変化させる場合は、段階的に電圧を昇圧させても良く、連続的に電圧を上昇させても良い。電圧を変化させながら上昇させる場合、電圧を指定して制御しても良いし、過電流制限で電圧を制御しても良い。ここで「段階的に電圧を昇圧する」とは、電圧を昇圧した後、一定時間その電圧を維持し、その後再度電圧を昇圧した後、その電圧を維持することを繰り返して、目標とする電圧まで昇圧することを意味する。また、連続的に電圧を上昇させるとは、目標とする電圧までワンステップで昇圧することを意味する。また、電圧を途中で変化させる場合は、一定電圧で電圧を印加している時間が、工程(a)の総時間に対して85%以上となるように調整することが必要である。また、段階的に電圧を昇圧する場合、昇圧の途中で電圧を維持している時間は、本発明の「工程(a)の総時間」には含まれないものとする。
工程(a)は、電流の上限値を20mA/cm以下の範囲に設定して行われる。そのため、工程(a)で過電流制限を実施する場合、電流の上限は20mA/cm以下であり、17mA/cm以下が好ましく、15mA/cm以下が特に好ましい。電流の上限値が20mA/cm以下であれば、アルミニウム基材表面での発熱を十分低く抑えることができる。過電流制限を実施している間は、電圧が目標より低い値で制御されることになる。また、本発明の1つの側面においては、工程(a)の電流の下限値は、モールドの製造に要する時間を短くする観点から、0.1mA/cm以上であることが好ましい。
アルミニウム基材表面の酸化被膜に形成される細孔の規則性は、工程(a)において、一定電圧で電圧を印加する時間が長いほど高くなる。そのため、アルミニウム基材に対して、最初に電圧を印加して陽極酸化を行う工程(以下、第1回目の工程(a)ということもある)において、一定電圧で電圧を印加する時間を長くし、その後、該工程(a)で形成した酸化被膜の全て、あるいは一部を工程(b)で除去することにより、規則性の高い細孔間隔を有するポーラスアルミナを得ることができる。
本発明の1つの態様において、第1回目の工程(a)の時間は、10秒間〜30分間が好ましく、1分間〜20分間がより好ましく、2分間〜15分間が特に好ましい。このうち、一定電圧で電圧を印加する時間は、工程(a)の総時間に対して85%以上とすることで、規則性の高い細孔間隔を有するモールドを得ることができる。
また、第2回目以降の工程(a)の時間は、1秒間〜3分間が好ましく、3秒間〜2分間がより好ましい。このうち、一定電圧で電圧を印加する時間は、工程(a)の総時間に対して85%以上とされる。
第2回目以降の工程(a)で、アルミニウム基材に電圧を印加する時間は毎回同じである必要はない。電流が20mA/cm以下であり、かつアルミニウム基材に対して一定電圧を印加している時間が、工程(a)の総時間に対して85%以上となるように調整できれば、各工程(a)において、陽極酸化を実施する時間を変更してもよい。
また、本発明の1つの側面では、各工程(a)を実施する時間を、工程(a)で消費する電気量に基づいて決定してもよい。各工程(a)の実施時間を、工程(a)の消費電気量に基づいて決定することで、各工程(a)で消費されるアルミニウム基材の量を正確に決めることができるため、好ましい。工程(a)の実施時間を電気量に基づいて設定する方法については後述する。
工程(a)において過電流制限を実施している時間は短い方が良い。つまり、過電流制限の必要が無く、一定電圧で印加している時間が、工程(a)の総時間に占める割合が高いほど、規則性の高い細孔間隔を有するモールドを得ることができる。
本発明において、工程(a)でアルミニウム基材に対して、一定電圧で電圧を印加している時間は、工程(a)の総時間に対して85%以上であり、90%以上が特に好ましい。
工程(a)において一定電圧で電圧を印加している時間が、工程(a)の総時間に対して85%以上であれば、アルミニウム基材に対して一定電圧で電圧を印加している時間が十分に長くなり、陽極酸化ポーラスアルミナの細孔の分岐や合流を防ぐことができ、モールドとしての使用に適した微細凹凸構造が得られやすくなる。すなわち、規則性の高い細孔間隔を有するモールドが得られやすくなる。また、工程(a)において、一定電圧で電圧を印加している時間が工程(a)の総時間に占める割合は、長ければ長いほどよい。従って、工程(a)において一定電圧で電圧を印加している時間は、工程(a)の総時間に対して100%であってもよい。
また、本発明のモールドの製造方法は、過電流制限を実施している時間が十分に短く、一定電圧で電圧を印加している時間を長く確保することができる。すなわち、工程(a)での電流値を低く抑えることができるため、アルミニウム基材表面の発熱も抑えることができる。アルミニウム基材表面の発熱を抑えることで、アルミニウム基材表面の温度が急上昇して、酸化被膜形成反応が暴走する現象(いわゆるヤケ)を防ぐことが容易になる。また、アルミニウム基材を除熱するために、特別な装置等を付帯させる必要もないため、装置を簡便化することもできる。また、電流値を低く抑えることで、工程(a)での消費電力も低くなるため好ましい。
(工程(b))
次に、工程(b)について説明する。
工程(b)は、工程(a)で形成された酸化被膜をエッチング(除去)する工程である。本発明の1つの態様において、工程(b)は、工程(a)で形成された酸化被膜の一部を除去する工程であってもよく、又は前記酸化被膜の全てを除去する工程であってもよい。
本発明の1つの態様において、工程(b)で使用する電解液は、工程(a)と同じ電解液を用いてもよく、異なっていても良い。
本発明においては、工程(a)と工程(b)とを繰り返す際に、アルミニウム基材を移動させる手間が省け、処理槽の数を少なくすることができることから、工程(a)と工程(b)とを同一の処理槽内で行うことが好ましい。また、前記処理槽内の電解液は、少なくともリン酸を含むことが好ましく、前述のリン酸とシュウ酸との混酸を含むことがより好ましい。
本発明の1つの態様において、工程(b)における電解液の温度は、10℃〜60℃が好ましく、15℃〜50℃がさらに好ましく、20℃〜40℃が特に好ましい。電解液の温度が10℃以上であれば、酸化被膜の溶解速度を十分な速さとすることができる。また電解液の温度が60℃以下であれば、酸化被膜溶解速度が速すぎて処理ムラが発生することを防止できる。
工程(b)において、前記電解液を循環しながら工程(b)を行うことが好ましい。すなわち、アルミ基材表面の温度と、電解液の循環速度とが、均一になるように処理槽や処理条件を適宜設定することが好ましい。
また、工程(b)においても、電解液の温度制御は、得られるモールドの再現性を高め、ロット毎に品質のぶれが発生するのを抑える観点から、工程(b)における電解液の温度は、前述の好ましい温度範囲であって、かつ設定温度に対して±5℃以内に制御されることが好ましく、±2℃以内に制御されることがさらに好ましく、±0.5℃以内に制御されることが特に好ましい。
工程(b)を実施する時間は、3分間〜12時間が好ましく、5分間〜8時間がより好ましく、7分間〜6時間が特に好ましい。本発明の1つの態様において、工程(b)を実施する時間は、各工程(b)で同じであってもよく、異なっていてもよい。工程(b)の実施時間を長くして、アルミニウム基材表面の酸化被膜を全て除去することも可能である。
工程(b)において、アルミニウム基材表面の酸化被膜の大部分、もしくは全てを除去する場合は、工程(b)の実施時間は、30分間〜12時間が好ましく、1時間〜8時間がより好ましい。工程(b)の実施時間が30分間〜12時間であれば、アルミニウム基材表面の酸化被膜の大部分もしくは全てを除去でき、かつアルミニウム基材の母材自体が電解液中に溶出するのを防ぐことができるため好ましい。
(工程(a)と工程(b)との繰り返し回数)
本発明の1つの態様において、工程(a)と工程(b)との繰り返し回数は、6回以上が好ましく、10回以上がさらに好ましく、12回以上が特に好ましい。工程(a)と工程(b)との繰り返し回数が6回以上であれば、各工程(a)での電流値を十分低く抑えることが可能になる。
また、本発明の1つの態様において、工程(a)と工程(b)の繰り返し回数の上限は特に限定されない。特に、工程(a)と工程(b)を同じ槽内で繰り返す場合は、電圧のオン・オフのみで繰り返すことが可能であることから、モールドの生産性を損なうことなく、繰り返し数を増やすことができる。
本発明のモールドの製造方法においては、工程(a)と工程(b)との繰り返し回数を増やし、かつ各工程(a)と各工程(b)の実施時間を上述の好ましい範囲とすることで、工程(a)で電流値を低く抑え、一定電圧で電圧を印加する時間を長く確保することができる。そしてその結果、得られるモールドの細孔の規則性を高めることができる。工程(a)と工程(b)の繰り返し回数は任意に設定可能であり、各工程を実施する時間は毎回同じである必要はない。
(電流値の抑制方法)
2回目以降の各工程(a)で電圧を印加した際の初期に流れる電流値は、工程(b)で除去される酸化被膜の量によって決まる。これは、工程(b)で酸化被膜が除去されてアルミニウム基材表面の酸化被膜の厚みが薄くなると、次に工程(a)で電圧を印加した際の抵抗値が下がって、電流値が大きくなるためである。
本発明の1つの側面では、各工程(a)と各工程(b)を実施する時間をそれぞれ短くし、それぞれの工程で形成・除去される酸化被膜の厚みを薄くし、その分だけ繰り返し回数を増やすことで、工程(a)で電圧を再印加した時の初期の電流値が大きく変化することを抑制することが可能になる。
また、本発明においては、工程(a)と工程(b)とを同一の処理槽内で行うことができる。従来の方法では、工程(a)と工程(b)とを別々の処理槽で行うことが一般的であったため、異なる処理槽の間でアルミニウム基材を洗浄・運搬する回数を低減するための措置を講じる必要があった。そのため、従来の方法で短時間の工程(a)と、短時間の工程(b)とをそれぞれ複数回繰り返し行うと、アルミニウム基材の運搬・洗浄等に多くの時間が必要となり、効率的にモールドを製造することが難しいという問題がある。本発明においては、工程(a)と工程(b)とを同一の処理槽、かつ同一の処理液を用いて行い、かつ電圧のオン・オフによって工程(a)と工程(b)とを行うことができるため、処理時間が短い工程(a)と工程(b)とを、容易に複数回繰り返すことができる。
(酸化被膜形成量の調整)
工程(a)では、陽極酸化によってアルミニウム基材の表面に酸化被膜が形成され、同時に酸化被膜の一部が電解液に溶出していく。この時、工程(a)で消費されるアルミニウム基材の合計量が多いと、モールドとして用いた際の外観が悪化する恐れがある。これは、アルミニウム基材の結晶粒の向きによって、陽極酸化で被膜が形成される速度が異なったり、ポーラスアルミナの細孔の成長方向がわずかに異なったりするために起こる。また、工程(a)で消費されるアルミニウム基材の合計量が多いと、アルミニウム基材中に含まれるアルミニウム以外の元素の影響で酸化被膜中に欠陥が生じる可能性が増える。
そのため、工程(a)で消費されるアルミニウムの量は、モールドとして用いる際に必要な細孔間隔の規則性を維持できる範囲で、なるべく少なく設定することが好ましい。
本発明の1つの態様において、工程(a)で消費されるアルミニウム基材の厚み量は、6.9μm以下が好ましく、3.45μm以下がさらに好ましく、1.38μm以下が特に好ましい。前記アルミニウムの基材の厚み量は、本発明のモールドの製造方法における全工程(a)で消費されるアルミニウム量の合計量のことを指す。
アルミニウム基材を陽極酸化する際のアルミニウム基材の消費量は、1クーロン/cmあたりおよそ345nm/cmである。従って、アルミニウム基材の単位面積当たりの電気量は、20クーロン/cm以下が好ましく、10クーロン/cmがさらに好ましく、4クーロン/cm以下が特に好ましい。また、前記単位面積当たりの電気量の下限は、所定の深さの細孔形状を得る観点から、0.29クーロン/cm以上であることが好ましい。
各工程(a)の実施時間は、工程(a)で消費される前述の電気量に基づいて設定してもよい。アルミニウム基材の単位面積当たりの電気量が、前述の好ましい範囲となるように工程(a)の実施時間をコントロールすれば、各工程(a)で消費されるアルミニウム基材の量も、好ましい範囲にコントロールすることができる。各工程(a)の実施時間を電気量に基づいて設定する場合、工程(a)での電気量が目標に達した時に通電を終了するように電源装置のプログラムを設計しておけばよい。
工程(a)の電気量の値が一定の値となるように、工程(a)の実施時間をコントロールすることで、各工程(a)で消費されるアルミニウム基材の量を、毎回均等に設定することができる。そのため、各工程(a)で形成する細孔深さを精度よく設定することができ、細孔形状を狙った通りの形状に加工することができる。その結果、該モールドを転写して得られる成形体の微細凹凸構造の各突起の断面構造も、自由に設計することが可能となる。
前述の通り、アルミニウム基材表面の酸化被膜上に形成される細孔の規則性は、工程(a)の電流値を低く抑え、かつ各工程(a)において一定電圧を印加して陽極酸化を行う時間が長いほど高くなる。そのため、第1回目の工程(a)の時間を長めに設定したあとに、工程(a)で形成した酸化被膜の全て(あるいは一部)を第1回目の工程(b)で除去することで、規則性の高い細孔パターンを得ることができる。
第1回目の工程(b)で酸化被膜を除去する場合、電解液としてクロムリン酸を使用すると、クロムリン酸がアルミニウム基材の母材であるアルミニウムと不動態を形成して安定化するため、酸化被膜のみ選択的に除去することができる。また、工程(b)で使用する電解液がクロムリン酸を含まない場合でも、工程(b)の電解液の温度や実施時間をコントロールすることで、アルミニウム基材を溶かすことなく酸化被膜のみを除去することができる。具体的には、工程(b)において少なくともリン酸を含む電解液を使用し、電解液の温度や、工程(b)の実施時間を好ましい範囲に設定することで、酸化被膜のみを除去することができる。
すなわち本発明では、クロムリン酸処理を省略してもよい。クロムリン酸処理を省略することで、工程(a)と工程(b)とを同一の処理槽中で行うことができるため好ましい。
工程(a)と工程(b)を、同一の処理槽内で行うことで、工程ごとに電解液の洗浄や温度調整を行う必要がなく、操作が煩雑にならないため好ましい。また、製造時間全体が長くなりすぎないため好ましい。
また、本発明の1つの側面では、工程(a)と工程(b)の全ての工程を、同一の処理槽内で行うことが好ましい。
本発明の1つの態様において、工程(a)と工程(b)を繰り返した後、最終工程を工程(a)とし、かつ最終工程(a)の実施時間を長めに設定すると、そのモールドを転写して得られた成形体の微細凹凸構造の各突起は、先端が細長く尖った形状になりやすい。逆に最終工程を工程(b)とし、かつ最終工程(b)の実施時間を長めに設定すると、そのモールドを転写して得られた成形体の微細凹凸構造の各突起は、先端が太くて丸い形状になりやすい。
以下、図1を参考に、上記工程(a)と工程(b)とを繰り返して本発明のモールドを製造する方法について、詳細に説明する。
まず、アルミニウム基材10に電圧を印加し、前記アルミニウム基材の表面を陽極酸化して酸化被膜を形成させる(第1回目の工程(a))。工程(a)の初期に形成される細孔は、規則性が低くランダムに近い配列で細孔が発生するが、長時間陽極酸化を行うことで、細孔が深くなるに従って徐々に細孔の配列周期の規則性が高くなっていく。これにより、例えば図1の(A)に示すように、アルミニウム基材10の表面に、規則性が高く配列した複数の細孔12を有する酸化被膜14を形成することができる。また、工程(a)の後に、細孔がランダムに発生した細孔上部などの陽極酸化被膜の少なくとも一部、または陽極酸化被膜を全て除去することで、(第1回目の工程(b))、例えば、図1の(B)に示すように、アルミニウム基材10の表面に規則性が高く配列した複数の窪み16を形成することができる。この第1回目の工程(b)は、第1回目の工程(a)と同じ電解液中で行っても良い。
次に、複数の窪み16が形成されたアルミニウム基材10に電圧を印加して陽極酸化を行うと、図1の(C)に示すように、アルミニウム基材10が陽極酸化されて、複数の細孔12を有する酸化被膜14が形成される(工程(a))。そして、アルミニウム基材10への電圧の印加を中断したのち、図1の(D)に示すように、形成された酸化被膜14の一部を除去して細孔12の孔径を拡大させる(工程(b))。この工程(b)も、工程(a)と同じ電解液中で行っても良い。その後、工程(a)と工程(b)とを交互に繰り返すことで、図1の(E)に示すように、細孔12の形状を開口部から深さ方向に対して徐々に孔径が収縮するテーパー形状とすることができる。その結果、周期的な複数の細孔12からなる酸化被膜14がアルミニウム基材10の表面に形成されたポーラスアルミナ18を得ることができる。
<成形体>
本発明の陽極酸化ポーラスアルミナは、微細凹凸構造を転写するモールドとして使用することができる。モールド表面の微細凹凸構造(細孔)を転写して製造された成形体は、その表面に、モールド表面の微細凹凸構造の反転構造(突起)が、鍵と鍵穴の関係で転写される。
成形体の微細凹凸構造の各突起の先端が尖った形状である場合、親水・撥水制御において、超撥水になりやすい点で有利である。また、反射防止性能においては、反射スペクトルの波長依存性が低くなり、反射光の色味が低く抑えられる点で有利である。
ここで、「超撥水」とは、水の接触角度が100度以上であることを意味する。
一方、成形体の微細凹凸構造の各突起の先端が丸い形状である場合、成型体の耐擦傷性の点で有利である。また、反射防止性能においては、突起の高さを調整することにより、特定波長での反射率を選択的に下げることができるという点で有利である。得られる成形体の突起の高さを調整するには、前述のモールドの製造方法において、工程(a)の時間を調整することが好ましい。
(成形体の製造方法)
本発明のモールドの製造方法により得られたモールドの微細凹凸構造を、成形体本体の表面に転写する方法としては、例えば、前記モールドと透明基材(成形体本体)の間に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(以下、「樹脂組成物」ということもある)を充填し、モールド表面の微細凹凸構造に樹脂組成物が接触した状態で、活性エネルギー線を照射して樹脂組成物を硬化させた後にモールドを離型する方法が好ましい。これらによって、透明基材の上に、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物が積層された、微細凹凸構造を表面に有する成形体を製造できる。得られた成形体の微細凹凸構造は、陽極酸化ポーラスアルミナの微細凹凸構造の反転構造となる。
[透明基材]
透明基材としては、活性エネルギー線の照射を、前記透明基材を介して行うため、活性エネルギー線の照射を著しく阻害しないものが好ましい。透明基材の材料としては、例えば、ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンフタレート等)、ポリメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、スチレン樹脂、トリアセチルセルロール樹脂とその類似構造を有する樹脂、シクロオレフィン樹脂、ガラス等が挙げられる。
[活性エネルギー線硬化性樹脂組成物]
モールド表面の微細凹凸構造を成形体本体の表面に転写する方法として、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いる方法は、熱硬化性樹脂組成物や熱可塑性樹脂組成物を用いる方法に比べて加熱や硬化後の冷却を必要としないため、短時間で微細凹凸構造を転写することができ、量産性に優れている。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の充填方法としては、本発明のモールドと透明基材との間に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を供給した後に圧延して充填する方法、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を塗布したモールド上に透明基材をラミネートする方法、あらかじめ透明基材上に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を塗布してモールドにラミネートする方法などが挙げられる。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、重合性成分と、活性エネルギー線重合開始剤とを含有する。上記の他に、用途に応じて非反応性のポリマーや活性エネルギー線ゾルゲル反応性成分が含まれていても良く、増粘剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、溶剤、離型剤、帯電防止剤、無機フィラー等の各種添加剤が含まれていても良い。
重合性成分としては、ラジカル重合性官能基、及びカチオン重合性官能基からなる群より選択される少なくとも1つの官能基を分子中に有するモノマー、オリゴマー、反応性ポリマー等が挙げられる。
ラジカル重合性官能基を有するモノマーとしては、単官能モノマー、2官能モノマー、3官能以上の多官能モノマーが挙げられる。
ラジカル重合性官能基を有する単官能モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート;イソボルニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート等の脂環構造を有する(メタ)アクリレート;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等のアミノ基を有する(メタ)アクリレート;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリレート;(メタ)アクリロイルモルホリン、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド誘導体;2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、酢酸ビニル等、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル(メタ)アクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル(メタ)アクリレート、アクリル酸2−ターシャリーブチル−6−(3−ターシャリーブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニル、アクリル酸2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−ターシャリーペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−ターシャリーペンチルフェニル、3−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェネチルメタクリレート、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル(メタ)アクリレート等のフッ素を含有する(メタ)アクリレートを挙げることができる。これらは、1種類を単独で用いても良く、2種類以上を組み合わせて用いても良い。
ラジカル重合性官能基を有する2官能モノマーとしては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,7−ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,16−ヘキサデカンジオールジ(メタ)アクリレートアクリレート、バチルアルコールジ(メタ)アクリレート、3−メチル1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチル−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、ダイマージオールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジオキサングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、アルコキシ化アルカンジオールジ(メタ)アクリレート、アルコキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、アルコキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、シリコーンジ(メタ)アクリレート、変性シリコーンジ(メタ)アクリレート、ポリカーボネートジオールジ(メタ)アクリレート、(水添)ポリブタジエン末端(メタ)アクリレート、2官能のウレタン(メタ)アクリレート、2官能のエポキシ(メタ)アクリレート、2官能のポリエステル(メタ)アクリレート、フッ素を含有する2官能の(メタ)アクリレート、などが挙げられる。これらは、1種類を単独で用いても良く、2種類以上を組み合わせて用いても良い。
ラジカル重合性官能基を有する3官能以上の多官能モノマーとしては、例えば、トリメチルールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、(ポリ)グリセリン(ポリ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(テトラ)(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール(ペンタ)ヘキサ(メタ)アクリレート、ポリペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸トリアクリレート、及びこれらのEO変性、PO変性、カプロラクトン変性(メタ)アクリレート、3官能以上のウレタン(メタ)アクリレート、3官能以上のエポキシ(メタ)アクリレート、3官能以上のポリエステル(メタ)アクリレート、3官能以上のシリコーン骨格を有する(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、1種類を単独で用いても良く、2種類以上を組み合わせて用いても良い。
カチオン重合性官能基を有するモノマーとしては、エポキシ基、オキセタニル基、オキサゾリル基、ビニルオキシ基等を有するモノマーが挙げられ、エポキシ基を有するモノマーが特に好ましい。
ラジカル重合性官能基、及びカチオン重合性官能基からなる群より選択される少なくとも1つの官能基を分子中に有するオリゴマー、または反応性ポリマーとしては、例えば、不飽和ジカルボン酸と多価アルコールとの縮合物等の不飽和ポリエステル類;ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、カチオン重合型エポキシ化合物、側鎖にラジカル重合性官能基を有する上述のモノマーの単度または共重合ポリマー等が挙げられる。
[重合開始剤]
活性エネルギー線重合開始剤としては、公知の重合開始剤を用いることができ、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させる際に用いる活性エネルギー線の種類と重合性官能基の種類に応じて適宜選択することが好ましい。
活性エネルギー線に紫外線を使用し、重合性官能基にラジカル重合性官能基を選択する場合、活性エネルギー線重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、メチルオルソベンゾイルベンゾエート、4−フェニルベンゾフェノン、t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、チオキサントン類(2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等)、アセトフェノン類(ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン等)、ベンゾインエーテル類(ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等)、アシルホスフィンオキシド類(2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド等)、メチルベンゾイルホルメート、1,7−ビスアクリジニルヘプタン、9−フェニルアクリジン等が挙げられる。これらは、1種類を単独で用いても良く、2種類以上を組み合わせて用いても良い。併用する場合は、吸収波長の異なる2種以上を併用することが好ましい。また、必要に応じて、過硫酸塩(過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等)、過酸化物(ベンゾイルパーオキシド等)、アゾ系開始剤等の熱重合開始剤を併用してもよい。
活性エネルギー線重合開始剤の含有量は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物中に含まれる重合性成分の総質量に対して、0.01〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましく、0.2〜3質量%がさらに好ましい。活性エネルギー線重合開始剤の含有量が少なすぎると、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化が完結せず、微細凹凸構造を表面に有する成形体の機械物性を損なう場合がある。活性エネルギー線重合開始剤の含有量が多すぎると、硬化物内に未反応の活性エネルギー線重合開始剤が残り、可塑剤として働いてしまい、硬化物の弾性率を低下させ、耐擦傷性を損なう場合もある。また、着色の原因となる場合もある。
すなわち、活性エネルギー線重合開始剤の含有量が、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物中に含まれる重合性成分の総質量に対して、0.01〜10質量%であれば、成型体の機械物性、耐擦傷性が損なわれたり、着色が起こりにくいため好ましい。
[内部離型剤]
本発明の1つの態様において、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、内部離型剤を含んでいてもよい。活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に添加する内部離型剤としては、例えば、(ポリ)オキシアルキレンアルキルリン酸化合物、フッ素含有化合物、シリコーン系化合物、長鎖アルキル基を有する化合物、ポリアルキレンワックス、アミドワックス、テフロンパウダー(テフロンは登録商標)等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。これらの中でも、(ポリ)オキシアルキレンアルキルリン酸化合物を主成分とするものが好ましい。
(ポリ)オキシアルキレンアルキルリン酸化合物としては、離型性の点から、下記式(1)で表わされる化合物が好ましい:
(HO)3−n(O=)P[−O−(RO)−R ・・・(1)
(Rは、アルキル基であり、Rは、アルキレン基であり、mは1〜20の整数であり、nは1〜3の整数である。)
式中、Rとしては、炭素数1〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が好ましく、炭素数3〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基がより好ましい。Rとしては、炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基が好ましく、炭素数2〜3のアルキレン基がより好ましい。mは、1〜10の整数が好ましい。式(1)で示される(ポリ)オキシアルキレンアルキルリン酸化合物は、モノエステル体(n=1)、ジエステル体(n=2)、トリエステル体(n=3)のいずれであってもよい。また、ジエステル体またはトリエステル体の場合、1分子中の複数の(ポリ)オキシアルキレンアルキル基はそれぞれ異なっていてもよい。
前記式(1)で表される(ポリ)オキシアルキレンアルキルリン酸化合物の市販品としては、例えば、下記のものが挙げられる。城北化学社製、商品名:JP−506H、アクセル社製、商品名:モールドウィズINT−1856、日光ケミカルズ社製、商品名:TDP−10、TDP−8、TDP−6、TDP−2、DDP−10、DDP−8、DDP−6、DDP−4、DDP−2、TLP−4、TCP−5、DLP−10。これらの(ポリ)オキシアルキレンアルキルリン酸化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。ここで挙げた内部離型剤は、界面活性剤、レベリング剤、滑剤としての機能も発現する場合がある。
[その他の成分]
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に添加するその他の成分は、必要に応じて添加される成分で、上記の重合性成分、活性エネルギー線重合開始剤、内部離型剤以外の成分である。その他の成分は、難燃助剤、可塑剤、界面活性剤、帯電防止剤、光安定剤、重合禁止剤、充填剤、密着性付与剤、着色剤、強化剤、無機フィラー、耐衝撃性改質剤などを含む。その他、ラジカル重合性の官能基を有さないオリゴマーやポリマー、微量の有機溶媒等を含んでいてもよい。
重合禁止剤としては、例えば、ヒドロキノン系重合禁止剤としては、ヒドロキノン(HQ)、ハイドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ)、フェノール系重合禁止剤としては、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、カテコール、ピクリン酸、ターシャリーブチルカテコール、2,6−ジターシャリーブチル−p−クレゾール(BHT)、4,4’−チオビス[エチレン(オキシ)(カルボニル)(エチレン)]ビス[2,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)フェノール]、などが挙げられる。フェノチアジン系重合禁止剤としては、フェノチアジン、ビス(α−メチルベンジル)フェノチアジン、3,7−ジオクチルフェノチアジン、ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェノチアジン、等が挙げられる。ここで挙げた重合禁止剤のうち、BHTなどのフェノール系重合禁止剤は、酸化防止剤としても使用することができる。
酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系、ベンズイミダゾール系、リン系、イオウ系、ヒンダードアミン系などの酸化防止剤が挙げられる。市販品としては、BASF社製の「IRGANOX(登録商標)」シリーズなどが挙げられる。
光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系の酸化防止剤が挙げられる。ヒンダードアミン系のラジカル補足剤である1次酸化防止剤としては、例えば、下記のものが挙げられる。BASF社製、商品名:Chimassorb 2020FDL,Chimassorb 944FDL,Tinuvin 622SF,Uvinul 5050H,Tinuvin 144,Tinuvin 765,Tinuvin 770DF,Tinuvin4050FF。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系、ベンゾエート系、トリアジン系などの紫外線吸収剤が挙げられる。市販品としては、BASF社製の「Tinuvin400」や「Tinuvin479」、共同薬品(株)製の「Viosorb110」等(いずれも商品名)が挙げられる。
[製造装置]
微細凹凸構造を表面に有する成形体は、例えば、図2に示す製造装置を用いて、下記のようにして製造される。
微細凹凸構造(図示略)を表面に有するロール状モールド20と、ロール状モールド20の表面に沿って移動する帯状のフィルム42(透明基材)との間に、タンク22から活性エネルギー線硬化性樹脂組成物38を供給する。
ロール状モールド20と、空気圧シリンダ24によってニップ圧が調整されたニップロール26との間で、フィルム42および活性エネルギー線硬化性樹脂組成物38をニップし、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物38を、フィルム42とロール状モールド20との間に均一に行き渡らせると同時に、ロール状モールド20の微細凹凸構造の凹部内に充填する。
ロール状モールド20の下方に設置された活性エネルギー線照射装置28から、フィルム42を通して活性エネルギー線硬化性樹脂組成物38に活性エネルギー線を照射し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物38を硬化させることによって、ロール状モールド20の表面の微細凹凸構造が転写された硬化樹脂層44を形成する。
剥離ロール30により、表面に硬化樹脂層44が形成されたフィルム42をロール状モールド20から剥離することによって、図3に示すような成形体40を得る。
活性エネルギー線照射装置28としては、例えば、高圧水銀ランプ、メタルはライドランプ等が挙げられる。
活性エネルギー線照射量は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化が進行するエネルギー量であればよく、通常、100〜1000mJ/cm程度である。
このようにして製造された成形体40は、図3に示すように、フィルム42(透明基材)の表面に硬化樹脂層44が形成されたものである。
硬化樹脂層44は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物からなる膜であり、表面に微細凹凸構造を有する。
本発明の製造方法により得られたモールドを用いた場合の成形体40の表面の微細凹凸構造は、モールド表面の複数の細孔からなる微細凹凸構造を転写して形成されたものであり、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物からなる複数の突起46を有する。
成形体表面の微細凹凸構造としては、略円錐形状、角錐形状等の突起(凸部)が複数並んだ、いわゆるモスアイ構造が好ましい。突起間の間隔が可視光の波長以下であるモスアイ構造は、空気の屈折率から材料の屈折率へと連続的に屈折率が増大していくことで有効な反射防止の手段となることが知られている。
[用途]
本発明のモールドの製造方法により得られたモールドから得られる、微細凹凸構造を表面に有する成形体は、表面の微細凹凸構造によって、反射防止性能、超撥水性能、防曇性能、虫滑落性能、着雪防止性能、ニュートンリング防止性能、ウェットアウト防止性能、等の種々の性能を発揮する。
微細凹凸構造を表面に有する成形体がシート状またはフィルム状の場合には、反射防止膜として、例えば、画像表示装置(テレビ、ノートパソコン、タブレット、スマートフォン、携帯電話、サイネージ、モニター、カメラ等の表示窓、など)、展示パネル、メーターパネル、ウィンドウフィルム等の対象物の表面に貼り付けたり、インサート成型したりして用いることができる。また、撥水性能や防曇性能を活かして、太陽電池部材、自動車等のミラー、看板、メガネレンズ、風呂場の窓や鏡、等の雨、水、蒸気等に曝される対象物の部材として用いることができる。
微細凹凸構造を表面に有する成形体が立体形状の場合には、用途に応じた形状の透明基材を用いて反射防止物品を製造しておき、これを蒸気対象物の表面を構成する部材として用いることもできる。
また、本発明の製造方法により得られたモールドの微細凹凸構造を転写して得られる成形体は、表面に規則性の高い微細凹凸構造を有していることから、反射防止物品(反射防止フィルム、反射防止膜等)、超撥水物品(超撥水フィルム、防汚フィルム等)、光導波路、レリーフホログラム、レンズ、偏光分離素子等の光学物品、細胞培養シートとしての用途展開が期待でき、特に反射防止物品および/または超撥水物品としての用途に適している。
反射防止物品としては、例えば、画像表示装置(液晶表示装置、プラズマディスプレイパネル、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、陰極管表示装置等)、レンズ、ショーウィンドウ、眼鏡等の表面に設けられる反射防止膜、反射防止フィルム、反射防止シート等が挙げられる。画像表示装置に用いる場合は、画像表示面に反射防止フィルムを直接貼り付けてもよく、画像表示面を構成する部材の表面に反射防止膜を直接形成してもよく、前面板に反射防止膜を形成してもよい。
超撥水物品としては、例えば、自動車等の輸送機器のミラー(ドアミラー等)、水回り用リフォームフィルム、ウィンドウフィルム、等が挙げられる。
なお、微細凹凸構造を表面に有する成形体は、図示例の成形体40に限定されない。例えば、微細凹凸構造は、硬化樹脂層44を設けることなく、熱インプリント法によってフィルム42の表面に直接成形されてもよい。ただし、ロール状モールド20を用いて効率よく微細凹凸構造を形成できる点で、硬化樹脂層44の表面に微細凹凸構造が形成されている形態が好ましい。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
各種測定、評価は以下の方法で行った。
(モールド表面の細孔の測定)
陽極酸化ポーラスアルミナからなるモールドの一部の縦断面を1分間Pt蒸着し、電界放出形走査電子顕微鏡(日本電子社製、商品名JSM−7400F)により加速電圧3.00kVで観察し、隣り合う細孔の間隔(周期)及び細孔の深さを測定した。具体的にはそれぞれ10点ずつ測定し、その平均値を測定値とした。また、得られた画像を目視し、細孔の分岐や合一が確認されず、十分規則性の高い構造が得られている場合は○、細孔の分岐や合一が確認され、規則性が低いと認められた場合は×として評価した。
(成形体の突起の測定)
成形体(フィルム)の縦断面を1分間Pt蒸着し、電界放出形走査電子顕微鏡(日本電子社製、商品名JSM−7400F)により加速電圧3.00kVで観察し、隣り合う突起の間隔(周期)及び突起の高さを測定した。具体的にはそれぞれ10点ずつ測定し、その平均値を測定値とした。また、得られた画像を目視し、細孔の分岐や合一が確認されず、十分規則性の高い構造が得られている場合は○、細孔の分岐や合一が確認され、規則性が低いと認められた場合は×として評価した。
<実施例1>
(モールドの製造)
純度99.97質量%のロール状アルミニウム母材を用意し、表面を鏡面加工し、これをアルミニウム基材として用いた。
次に、0.1Mのシュウ酸と1.0Mのリン酸を含む混酸水溶液を23.0℃に調整した。この混酸水溶液で全工程(a)と全工程(b)を実施した。
次に、過電流制限の上限値を15mA/cmに設定し、目標電圧を80Vに設定した。次いで、下記の表1の通り工程(a)と工程(b)とを繰り返し、アルミニウム基材の表面に細孔を有する酸化被膜を形成した。実施例1では、工程(a)を16回、工程(b)を15回繰り返した。それぞれの工程を、工程(a−1)〜工程(a−16)、工程(b−1)〜工程(b−15)と表記した。各工程(a)の実施時間と過電流制限実施時間と、各工程(b)の実施時間とを表1に示した。表1に記載の電流制限の実施時間の秒数は、小数点以下第1位を四捨五入した。
工程(a−1)(第1回目の工程(a))は、モールド表面の細孔配列の規則性を高める目的で360秒間電圧を印加した。工程(b−1)(第1回目の工程(b))では、工程(a−1)で形成された酸化被膜のほとんどを除去するために、15600秒間(260分間)実施した。続いて、工程(a−2)〜工程(a−16)では、それぞれ11秒間電圧を印加した。また、工程(b−2)〜工程(b−15)では、720秒間(12分間)エッチングを行った。工程(a)で電圧を印加した時間の合計は525秒間で、過電流制限の実施時間が44秒間であったから、工程(a)の総時間に対する、一定電圧で印加した時間の割合は、91.6%であった。また、アルミニウム基材に流れた単位面積当たりの電気量は、2.6クーロン/cmとなった。
実施例1で得られたモールドの細孔の平均間隔(周期)は180nmであり、細孔の平均深さは240nmであり、細孔の形状は略円錐形状であった。また、電界放出形走査電子顕微鏡での結果を目視で観察した結果、細孔の分岐や合一が確認されず、十分規則性の高い構造を有していることが確認された。
続いて、得られたモールドを、TDP−8(日光ケミカルズ社製)の0.1w%水溶液に10分間浸漬したのち、風乾することで離型処理した。
(活性エネルギー線硬化性樹脂組成物)
トリメチロールエタン・アクリル酸・無水コハク酸縮合エステル:45質量部、
1,6−ヘキサンジオールジアクリレート:45質量部、
エチレンオキサイド変性ポリジメチルシロキサンジアクリレート(商品名:X−22−1602、信越化学工業社製):10質量部、
重合開始剤(商品名:イルガキュア184、BASF社製):2.7質量部、
フェニルビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド(商品名:イルガキュア819、BASF社製):0.18質量部。
離型処理を施したモールドと、透明基材である厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡社製、商品名:A−4300)との間に、前述の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を充填して、無電極UVランプ(ヘレニウス社製、Dバルブを使用)で365nmの波長で計測した積算光量が1000mJ/cmの紫外線を照射することによって、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させた。その後、モールドから離型し、透明基材と樹脂組成物の硬化物からなる成形体1(フィルム)を得た。
得られた成形体1の表面には微細凹凸構造が形成されており、突起の平均間隔(ピッチ)は180nm、突起の平均高さは約220nmであった。また、電界放出形走査電子顕微鏡での結果を目視で観察した結果、細孔の分岐や合一が確認されず、十分規則性の高い構造を有していることが確認された。
<実施例2>
実施例2では、工程(a)および工程(b)の構成を表1に示した内容に変更した以外は、実施例1と同様の方法でモールドを作成した。続いて実施例1と同様の方法で、モールド表面の微細凹凸構造が転写された成形体2を得た。
実施例2において、工程(a−1)はモールド表面の細孔配列の規則性を高める目的で360秒間電圧を印加した。工程(b−1)では、工程(a−1)で形成された酸化被膜のほとんどを除去するために15600秒間(260分間)実施した。続いて、工程(a−2)〜工程(a−16)では、9秒間電圧を印加した。工程(b−2)〜工程(b−15)では720秒間(12分間)エッチングを実施した。実施例2において、工程(a)で電圧を印加した時間の合計は495秒間で、過電流制限の実施時間が49秒間であったから、工程(a)の総時間に対する、一定電圧で印加した時間の割合は、90.1%であった。また、アルミニウム基材に流れた単位面積当たりの電気量は、2.1クーロン/cmとなった。
実施例2で得られたモールドの細孔の平均間隔(周期)は180nmであり、細孔の平均深さは180nmであり、細孔の形状は略円錐形状であった。また、電界放出形走査電子顕微鏡での結果を目視で観察した結果、細孔の分岐や合一が確認されず、十分規則性の高い構造を有していることが確認された。
実施例2で得られたモールドから製造された成形体表面には微細凹凸構造が形成されており、突起の平均間隔(ピッチ)は180nm、突起の平均高さは180nmであった。電界放出形走査電子顕微鏡での結果を目視で観察した結果、細孔の分岐や合一が確認されず、十分規則性の高い構造を有していることが確認された。
<比較例1>
比較例1では、工程(a)および工程(b)の構成を表1に示した内容に変更した以外は、実施例1と同様の方法でモールドを作成した。続いて実施例1と同様の方法で、モールド表面の微細凹凸構造が転写された成形体3を得た。
比較例1において、工程(a−1)はモールド表面の細孔配列の規則性を高める目的で231秒間電圧を印加した。工程(b−1)は4326秒間(約72分間)実施した。続いて、工程(a−2)〜工程(a−6)では、31秒間電圧を印加した。工程(b−2)〜工程(b−5)では、2160秒間(36分間)エッチングを実施した。比較例1において、工程(a)で電圧を印加した時間の合計は386秒間で、過電流制限の実施時間が68秒であったから、工程(a)の総時間に対する、一定電圧で印加した時間の割合は、82.4%であった。また、アルミニウム基材に流れた単位面積当たりの電気量は、3.8クーロン/cmとなった。
比較例1では、細孔の開口部から最深部まで孔が連続していない状態が確認されたため、微細凹凸構造を表面に有する成形体の製造は困難と判断し、転写は行わなかった。
Figure 0006287628
実施例1、2と比較例1を比較すると、比較例1では工程(a)で電圧を印加した時間の合計が最も短いにも関わらず、過電流制限実施時間が最も長く、電気量の合計が最大となった。その結果、工程(a)の総時間に対する、一定電圧で印加した時間の割合は、実施例1、2は90%を超えているのに対して、比較例1では82.4%と低い値であった。
また、工程(a)の総時間に対する、一定電圧で印加した時間の割合が85%未満である比較例1のモールドは、転写に適した細孔を形成することが困難であった。
以上の結果から、工程(a)と工程(b)の繰り返し数を増やすことで、電流値を低く抑えながら、一定電圧で印加する時間を長くする、すなわち、工程(a)において、工程(a)の総時間に対する一定電圧で印加した時間の割合を85%以上とすることで、規則性の高い細孔間隔を有するモールドを製造することが可能であることがわかった。また、本発明の製造方法であれば、モールド製造時の消費電力を抑え、かつアルミニウム基材の発熱抑制にも効果的であることが確認できた。
本発明のモールドの製造方法によれば、印加電圧が高い場合でも、一定電圧を印加する時間を十分に確保することで規則性の高い細孔間隔を有するモールドを製造することができる。また、本発明の製造方法により得られたモールドの微細凹凸構造を転写して得られる成形体は、表面に規則性の高い微細凹凸構造を有していることから、反射防止物品(反射防止フィルム、反射防止膜等)、超撥水物品(超撥水フィルム、防汚フィルム等)、光導波路、レリーフホログラム、レンズ、偏光分離素子等の光学物品、細胞培養シートとしての用途展開が期待でき、特に反射防止物品および/または超撥水物品としての用途に適している。
10 アルミニウム基材
12 細孔
14 酸化被膜
16 窪み
18 モールド(ポーラスアルミナ)
20 ロール状モールド
22 タンク
24 空気圧シリンダ
26 ニップロール
28 活性エネルギー線照射装置
30 剥離ロール
38 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物
40 成形体
42 フィルム
44 硬化樹脂層
46 凸部

Claims (4)

  1. アルミニウム基材表面に、複数の細孔からなる微細凹凸構造を有する酸化被膜が形成されているモールドの製造方法であって、
    アルミニウム基材を電解液中に浸漬させて電圧を印加し、アルミニウム基材の表面を陽極酸化して酸化被膜を形成する工程(a)と、
    前記工程(a)の後、前記酸化被膜をエッチングする工程(b)とを有し、
    前記工程(a)と前記工程(b)とが交互に繰り返して行われ、
    前記工程(a)と前記工程(b)の繰り返し回数が12回以上であり、
    前記工程(a)が、電流の上限値を20mA/cm以下に設定して行われ、且つアルミニウム基材に対して一定電圧を印加している時間が、前記工程(a)の総時間に対して85%以上である、モールドの製造方法。
  2. 前記一定電圧が、55V〜120Vの範囲である、請求項1に記載のモールドの製造方法。
  3. 前記工程(a)と前記工程(b)とを同一の処理槽内で行う、請求項1〜のいずれか一項に記載のモールドの製造方法。
  4. 前記処理槽内の電解液が、少なくともリン酸を含む、請求項に記載のモールドの製造方法。
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