JP6287004B2 - 多層プリント配線板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、多層プリント配線板の製造方法に関する。詳細には、本発明は、キャリア付接着フィルムを使用した多層プリント配線板の製造方法に関する。
多層プリント配線板の製造技術として、絶縁層と導体層を交互に積み重ねるビルドアップ方式による製造方法が知られている。ビルドアップ方式による製造方法において、一般に、絶縁層は樹脂組成物を熱硬化させて形成される。例えば、キャリアフィルム上に樹脂組成物層が形成されたキャリア付接着フィルムを、真空ラミネーターによりコア基板上にラミネートする工程を経て絶縁層を形成する方法が知られている(特許文献1)。
特開2003−127313号公報
キャリア付接着フィルムをコア基板上にラミネートした後、樹脂組成物層を熱硬化させて絶縁層を形成する。樹脂組成物層を熱硬化させるに際しては、得られる絶縁層の平滑性の観点、ビアホール形成時のマスキングの観点等から、キャリアフィルムを付けたまま樹脂組成物層を熱硬化させて絶縁層を形成する場合がある。
他方、多層プリント配線板の製造に使用するコア基板には、加熱の際に基板内部で発生するガスを外部に逃がすためのデガスホール(ガス抜き用の微小な孔)が設けられることがある。
本発明者らは、デガスホールを有するコア基板を使用して多層プリント配線板を製造するにあたって、キャリアフィルムを付けたまま樹脂組成物層を熱硬化させて絶縁層を形成すると、得られる絶縁層がデガスホールに対応した起伏を有するようになり、表面の平滑な絶縁層が得られない場合があることを見出した。
本発明は、デガスホールを有するコア基板上にキャリア付接着フィルムをラミネートし、キャリアフィルムを付けたまま樹脂組成物層を熱硬化させて絶縁層を形成する場合に、表面の平滑性に優れる絶縁層を実現し得る多層プリント配線板の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、デガスホールを有するコア基板上にキャリア付接着フィルムをラミネートする前に、デガスホールを有するコア基板を特定の温度で予備加熱することにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の内容を含む。
[1] (I)デガスホールを有するコア基板に、キャリアフィルムと該キャリアフィルム上に設けられた樹脂組成物層とを含むキャリア付接着フィルムを、樹脂組成物層がコア基板と接合するようにラミネートする工程、
(II)樹脂組成物層を熱硬化して絶縁層を形成する工程、及び
(III)キャリアフィルムを絶縁層から除去する工程
を含む多層プリント配線板の製造方法であって、
デガスホールを有するコア基板が、工程(I)の前に、150℃以上の温度で予備加熱されている、方法。
[2] 樹脂組成物層が、エポキシ樹脂、硬化剤及び無機充填材を含む樹脂組成物から形成される、[1]に記載の方法。
[3] 硬化剤が活性エステル系硬化剤を含む、[2]に記載の方法。
[4] 工程(II)において樹脂組成物層を熱硬化させる際の最高到達温度をTcとするとき、予備加熱が、Tc−10(℃)以上の温度で行われる、[1]〜[3]のいずれかに記載の方法。
[5] キャリアフィルムのガラス転移温度(Tg)が150℃以上である、[1]〜[4]のいずれかに記載の方法。
[6] 工程(II)において樹脂組成物層を熱硬化させる際の温度条件にてキャリアフィルムを熱処理するとき、キャリアフィルムのx−y方向の熱収縮率(S)が0.3%以下である、[1]〜[5]のいずれかに記載の方法。
[7] さらに、絶縁層を粗化処理する工程を含む、[1]〜[6]のいずれかに記載の方法。
[8] さらに、メッキにより導体層を形成する工程を含む、[1]〜[7]のいずれかに記載の方法。
[9] [1]〜[8]のいずれかに記載の方法により製造された多層プリント配線板。
[10] [9]に記載の多層プリント配線板を備える半導体装置。
本発明の方法によれば、デガスホールを有するコア基板上にキャリア付接着フィルムをラミネートし、キャリアフィルムを付けたまま樹脂組成物層を熱硬化させて絶縁層を形成する場合に、表面の平滑性に優れる絶縁層を実現することができる。
図1は、キャリアフィルムの熱収縮率の測定方法を説明するための図である。
本発明の多層プリント配線板の製造方法について詳細に説明する前に、本発明の方法において使用する「デガスホールを有するコア基板」及び「キャリア付接着フィルム」について説明する。
<デガスホールを有するコア基板>
多層プリント配線板の製造に使用される「コア基板」は、基板ベースと、該基板ベースの片面又は両面に設けられた導体層(回路導体)とを有する。
基板ベースとしては、例えば、ガラスエポキシ基板、金属基板、ポリエステル基板、ポリイミド基板、BTレジン基板、及び熱硬化型ポリフェニレンエーテル基板が挙げられる。基板ベースの厚さは、多層プリント配線板の設計にもよるが、通常、30μm〜1.5mmの範囲であり、好ましくは50μm〜1mmの範囲である。
基板ベースの片面又は両面に設けられる導体層の厚さ、ライン/スペース比等は、多層プリント配線板のデザインに応じて適宜設定してよい。導体層は、防錆処理を施されていてもよい。防錆処理は、多層プリント配線板の製造に用いられる、当業者に公知の各種方法に従って実施してよい。
多層プリント配線板は、該コア基板に絶縁層及び導体層を交互に設けることによって製造することができる。多層プリント配線板の製造においては、加熱によってコア基板の基板ベース及び絶縁層からガスが発生する場合がある。基板ベース及び絶縁層で発生したガスは、導体層のパターン加工された部分を通って外部へと排出され得るが、導体層がパターン加工されていない部分(ベタ領域)、特に面積が広いベタ領域においては、発生したガスの逃げ場がなく、基板ベース−導体層間及び絶縁層−導体層間の剥離を生じるおそれがある。そのため、基板ベース及び絶縁層で発生するガスを外部へと円滑に逃がすべく、導体層のベタ領域には導体層を貫通するデガスホール(ガス抜き用の微小な孔)が一般に設けられている(例えば、特開2005−136347号公報等参照)。
本発明の方法において使用する「デガスホールを有するコア基板」とは、斯かるデガスホールが設けられたコア基板をいい、詳細には、基板ベースと、該基板ベースの片面又は両面に設けられた、デガスホールを有する導体層とを含むコア基板をいう。
コア基板が有するデガスホールの形状は、基板ベースで発生するガスが円滑に外部へと排出される限り特に制限されず、円形、矩形、略円形、略矩形等の任意の形状としてよい。
デガスホールの開口寸法は、回路導体の設計にもよるが、例えば、デガスホールの開口形状が円形の場合、デガスホールは、その形成容易性の観点から、好ましくは10μm以上、より好ましくは50μm以上、さらに好ましくは100μm以上、さらにより好ましくは200μm以上、特に好ましくは300μm以上、400μm以上又は500μm以上の直径を有することが好適である。デガスホールの開口形状が矩形の場合、デガスホールは、その形成容易性の観点から、好ましくは10μm×10μm以上、より好ましくは50μm×50μm以上、さらに好ましくは100μm×100μm以上、さらにより好ましくは200μm×200μm以上、特に好ましくは300μm×300μm以上、400μm×400μm以上又は500μm×500μm以上の寸法を有することが好適である。
デガスホールの開口寸法が大きくなるにつれて、デガスホールに起因する絶縁層の起伏は大きくなる傾向にある。特にデガスホールが100μm以上の直径又は100μm×100μm以上の寸法を有する場合、デガスホールに起因する絶縁層の起伏は顕著に増大する傾向にある。これに対し、本発明の方法によれば、開口寸法が大きなデガスホールを有するコア基板を使用する場合であっても、コア基板上に形成される絶縁層の起伏を有利に抑制することができる。
デガスホールの開口寸法の上限は特に制限されないが、例えば、デガスホールの開口形状が円形の場合、デガスホールの直径は、通常、1000μm以下、800μm以下などとし得る。デガスホールの開口形状が矩形の場合、デガスホールの寸法は、通常、1000μm×1000μm以下、800μm×800μm以下などとし得る。なお、デガスホールの開口形状及び開口寸法は、コア基板にわたって同じである必要はなく、異なっていてもよい。
デガスホールは、互いに所定の間隔をあけて複数設けることができる。デガスホール間のピッチは、デガスホールの開口寸法にもよるが、好ましくは10mm以下、より好ましくは8mm以下、さらに好ましくは6mm以下、さらにより好ましくは4mm以下、特に好ましくは3mm以下又は2mm以下である。デガスホール間のピッチの下限は、デガスホールの開口寸法にもよるが、通常、100μm以上とし得る。デガスホール間のピッチは、コア基板にわたって同じである必要はなく、異なっていてもよい。
デガスホールは、導体層の特性を考慮して、例えば、ドリル、エッチング媒体等を用いる公知の方法により形成することができる。デガスホールをエッチングにより形成する場合、導体層のパターン加工と共にデガスホールを形成してよい。
<キャリア付接着フィルム>
本発明の方法に使用するキャリア付接着フィルムは、キャリアフィルムと、該キャリアフィルム上に設けられた樹脂組成物層とを含む。
キャリアフィルムとしては、例えば、プラスチックフィルム、金属箔、離型紙が挙げられ、プラスチックフィルム、金属箔が好ましく、プラスチックフィルムがより好ましい。
キャリアフィルムとしてプラスチックフィルムを使用する場合、プラスチック材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と略称することがある。)、ポリエチレンナフタレート(以下「PEN」と略称することがある。)等のポリエステル、ポリカーボネート(以下「PC」と略称することがある。)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル、環状ポリオレフィン、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエーテルサルファイド(PES)、ポリエーテルケトン、ポリイミドなどが挙げられる。
キャリアフィルムとして金属箔を使用する場合、金属箔としては、例えば、銅箔、アルミニウム箔等が挙げられ、銅箔が好ましい。銅箔としては、銅の単金属からなる箔を用いてもよく、銅と他の金属(例えば、スズ、クロム、銀、マグネシウム、ニッケル、ジルコニウム、ケイ素、チタン等)との合金からなる箔を用いてもよい。
キャリアフィルムとしてプラスチックフィルムを使用する場合、本発明の方法において表面の平滑性に一層優れる絶縁層を得る観点から、ガラス転移温度(Tg)の高いプラスチックフィルムを使用することが好適である。好ましくは120℃以上、より好ましくは150℃以上、さらに好ましくは180℃以上のTgを有するプラスチックフィルムを使用することが好適である。プラスチックフィルムのTgの上限は特に制限されないが、通常、600℃以下である。
キャリアフィルムとしてプラスチックフィルムを使用する場合、プラスチックフィルムは、キャリア付接着フィルムの形成に使用される前に、アニール処理を施してあってもよい。例えば、100℃〜260℃の温度範囲にて加熱処理することによりアニール処理を実施することができる。アニール処理を施すことにより、後述する熱収縮率(S)の値が低いキャリアフィルムを実現し得る。
キャリアフィルムは市販品を用いてもよい。キャリアフィルムの市販品としては、例えば、東レ(株)製の「ルミラーR56」、「ルミラーR80」(PETフィルム、Tg:80℃)、帝人デュポンフィルム(株)製の「G2LA」(アニール処理済PETフィルム、Tg:80℃)、「テオネックス Q83」(PENフィルム、Tg:120℃)、宇部興産(株)製の「ユーピレックス−S」(ポリイミドフィルム、Tg:>300℃)、(株)カネカ製の「アピカルAH」、「アピカルNPI」(ポリイミドフィルム、Tg:>300℃)が挙げられる。
また、キャリアフィルムとしては、後述する樹脂組成物層と接合する面に離型層を有する離型層付きキャリアフィルムを使用してもよい。離型層に使用する離型剤としては、例えば、アルキド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ウレタン樹脂、及びシリコーン樹脂からなる群から選択される1種以上の離型剤が挙げられる。離型層は、例えば、離型剤を含む溶液をキャリアフィルムの表面に塗布し乾燥させることにより形成することができる。離型層付きキャリアフィルムは、市販品を用いてもよく、例えば、アルキド樹脂系離型剤を主成分とする離型層を有するPETフィルムである、リンテック(株)製の「SK−1」、「AL−5」、「AL−7」などが挙げられる。
キャリアフィルムの厚さは、特に限定されないが、5μm〜75μmの範囲が好ましく、10μm〜60μmの範囲がより好ましく、12.5μm〜55μmの範囲がさらに好ましい。なお、離型層付きキャリアフィルムを使用する場合、離型層付きキャリアフィルム全体の厚さが上記範囲であることが好ましい。
本発明の方法において表面の平滑性に一層優れる絶縁層を得る観点から、キャリアフィルムは、以下の手順で求められるx−y方向の熱収縮率(S)が0.3%以下であることが好ましく、0.25%以下であることがより好ましく、0.2%以下であることがさらに好ましく、0.18%以下であることがさらにより好ましい。なお、離型層付きキャリアフィルムを使用する場合、以下の手順において「キャリアフィルム」は「離型層付きキャリアフィルム」と読み替えて適用する。
−キャリアフィルムのx−y方向の熱収縮率(S)の測定−
(1)初期長さLの測定
200mm角状のキャリアフィルムを用意する。該キャリアフィルムの4角から中心方向に20mm程度の部分に、貫通穴を、パンチングによって4つ形成する。便宜上、形成した4つの穴を時計回りに穴A、穴B、穴C、穴Dと称する。形成した各穴の中央間の長さL(LAB、LBC、LCD、LDA、LAC、LBD)(図1参照)を非接触型画像測定器で測定する。
(2)キャリアフィルムの熱処理
測長の終了したキャリアフィルムを、後述する工程(II)において樹脂組成物層を熱硬化させる際の温度条件にて加熱する。
(3)熱処理後長さL’の測定
熱処理後のキャリアフィルムについて、各穴の中央間の長さL’(L’AB、L’BC、L’CD、L’DA、L’AC及びL’BD)を、非接触型画像測定器で測定する。
(4)熱収縮率の算出
測定したL及びL’の値に基づき、各穴の中央間の長さの収縮率s(sAB、sBC、sCD、sDA、sAC及びsBD)を算出する。sABは、測定したLAB及びL’ABの値に基づき、下記式により算出される。
AB(%)={(LAB−L’AB)/LAB}×100
同様にして、sBC、sCD、sDA、sAC及びsBDを算出する。
キャリアフィルムのx−y方向の熱収縮率(S)は、得られたsAB、sBC、sCD、sDA、sAC及びsBDの値に基づき、下記式により算出される。
S(%)=(sAB+sBC+sCD+sDA+sAC+sBD)/6
樹脂組成物層に用いる樹脂組成物は、その硬化物が十分な硬度と絶縁性を有するものであれば特に限定されず、多層プリント配線板の絶縁層の形成に用いられる従来公知の樹脂組成物を用いてよい。
好適な実施形態において、樹脂組成物層に使用する樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤及び無機充填材を含む。
−エポキシ樹脂−
エポキシ樹脂としては、特に限定されないが、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂が好ましい。具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂及びビスフェノールAF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、tert-ブチル-カテコール型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂、ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、スピロ環含有エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂、トリメチロール型エポキシ樹脂、ハロゲン化エポキシ樹脂等が挙げられる。エポキシ樹脂は、1種単独で使用してもよく、2種以上組み合わせて使用してもよい。
これらの中でも、耐熱性、絶縁信頼性及び流動性の観点から、ビスフェノール型エポキシ樹脂(好ましくは、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂)、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂が好ましい。特に、エポキシ樹脂が、ビスフェノール型エポキシ樹脂(好ましくはビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂)、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂及びジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂からなる群から選択される1種以上を含むことが好ましい。具体的には、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「jER828EL」、「YL980」)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「jER806H」、「YL983U」)、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂の混合品(新日鐵化学(株)製「ZX1059」)、ナフタレン型2官能エポキシ樹脂(DIC(株)製「HP4032」、「HP4032D」、「HP4032SS」、「EXA4032SS」)、ナフタレン型4官能エポキシ樹脂(DIC(株)製「HP4700」、「HP4710」)、ナフトール型エポキシ樹脂(新日鐵化学(株)製「ESN−475V」)、ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂(ダイセル化学工業(株)製「PB−3600」)、ビフェニル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製「NC3000H」、「NC3000L」、「NC3100」、三菱化学(株)製「YX4000」、「YX4000H」、「YX4000HK」、「YL6121」)、アントラセン型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「YX8800」)、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂(DIC(株)製「EXA−7310」、「EXA−7311」、「EXA−7311L」、「EXA−7311G3」、「EXA−7311G4」)、グリシジルエステル型エポキシ樹脂(ナガセケムテックス(株)製「EX711」、「EX721」、(株)プリンテック製「R540」)、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(DIC(株)製「HP7200H」)などが挙げられる。
エポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂を含むことが好ましい。エポキシ樹脂の不揮発成分を100質量%とした場合に、少なくとも50質量%以上は1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂であることが好ましい。
コア基板の表面凹凸への樹脂組成物層の追従性を向上させる観点から、エポキシ樹脂は、温度20℃で液状のエポキシ樹脂(以下、「液状エポキシ樹脂」ともいう。)を含むことが好ましい。コア基板の表面凹凸への樹脂組成物層の追従性を向上させると共に樹脂組成物層を熱硬化して形成される絶縁層の硬化物性を向上させる観点から、エポキシ樹脂は、液状エポキシ樹脂と、温度20℃で固体状のエポキシ樹脂(以下、「固体状エポキシ樹脂」ともいう。)とを含むことが好ましい。液状エポキシ樹脂としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する液状エポキシ樹脂が好ましく、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する芳香族系液状エポキシ樹脂がより好ましい。固体状エポキシ樹脂としては、1分子中に3個以上のエポキシ基を有する固体状エポキシ樹脂が好ましく、1分子中に3個以上のエポキシ基を有する芳香族系固体状エポキシ樹脂がより好ましい。本発明において、芳香族系のエポキシ樹脂とは、その分子内に芳香環を有するエポキシ樹脂を意味する。
液状エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂等が挙げられ、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂が好ましい。液状エポキシ樹脂は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。固体状エポキシ樹脂としては、ナフタレン型4官能エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリスフェノールエポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂等が挙げられ、ナフタレン型4官能エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂がより好ましく、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂がさらに好ましい。固体状エポキシ樹脂は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
エポキシ樹脂として、液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂を併用する場合、得られる絶縁層の硬化物性を向上させる観点から、それらの配合割合(液状エポキシ樹脂:固体状エポキシ樹脂)は、質量比で、1:0.1〜1:8の範囲が好ましく、1:0.3〜1:7の範囲がより好ましく、1:0.6〜1:6の範囲がさらに好ましく、1:0.9〜1:5.5の範囲がさらにより好ましい。
エポキシ樹脂のエポキシ当量は、好ましくは50〜3000、より好ましくは80〜2000、さらに好ましくは110〜1000である。なお、エポキシ当量は、JIS K7236に従って測定することができ、1当量のエポキシ基を含む樹脂の質量である。
樹脂組成物中のエポキシ樹脂の含有量は、3質量%〜40質量%が好ましく、5質量%〜35質量%がより好ましく、10質量%〜30質量%がさらに好ましい。
なお、本発明において、樹脂組成物中の各成分の含有量は、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたときの値である。
−硬化剤−
硬化剤としては、エポキシ樹脂を硬化する機能を有する限り特に限定されないが、例えば、フェノール系硬化剤、活性エステル系硬化剤、シアネートエステル系硬化剤、ベンゾオキサジン系硬化剤、及び酸無水物系硬化剤が挙げられる。本発明におけるデガスホール上の課題は、特にエポキシ樹脂の硬化剤として活性エステル系硬化剤を使用した場合に顕著となる傾向が見られるため、特に本発明を好適に使用することができる。硬化剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
フェノール系硬化剤としては、特に制限されないが、ビフェニル型硬化剤、ナフタレン型硬化剤、フェノールノボラック型硬化剤、ナフチレンエーテル型硬化剤、トリアジン骨格含有フェノール系硬化剤が好ましい。フェノール系硬化剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
フェノール系硬化剤の市販品としては、ビフェニル型硬化剤としてMEH−7700、MEH−7810、MEH−7851(明和化成(株)製)、ナフタレン型硬化剤としてNHN、CBN、GPH(日本化薬(株)製)、SN170、SN180、SN190、SN475、SN485、SN495、SN375、SN395(新日鐵化学(株)製)、EXB9500、HPC9500(DIC(株)製)、フェノールノボラック型硬化剤としてTD2090(DIC(株)製)、ナフチレンエーテル型硬化剤としてEXB−6000(DIC(株)製)、トリアジン骨格含有フェノール系硬化剤としてLA3018、LA7052、LA7054、LA1356(DIC(株)製)等が挙げられる。中でも、ナフタレン型硬化剤、トリアジン骨格含有フェノール系硬化剤が好ましい。
活性エステル系硬化剤としては、特に制限はないが、一般にフェノールエステル類、チオフェノールエステル類、N−ヒドロキシアミンエステル類、複素環ヒドロキシ化合物のエステル類等の反応活性の高いエステル基を1分子中に2個以上有する化合物が好ましく用いられる。当該活性エステル系硬化剤は、カルボン酸化合物及び/又はチオカルボン酸化合物とヒドロキシ化合物及び/又はチオール化合物との縮合反応によって得られるものが好ましい。特に耐熱性向上の観点から、カルボン酸化合物とヒドロキシ化合物とから得られる活性エステル系硬化剤が好ましく、カルボン酸化合物とフェノール化合物及び/又はナフトール化合物とから得られる活性エステル系硬化剤がより好ましい。カルボン酸化合物としては、例えば、安息香酸、酢酸、コハク酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸等が挙げられる。フェノール化合物又はナフトール化合物としては、例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノールフタリン、メチル化ビスフェノールA、メチル化ビスフェノールF、メチル化ビスフェノールS、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、カテコール、α−ナフトール、β−ナフトール、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、フロログルシン、ベンゼントリオール、ジシクロペンタジエン型ジフェノール、フェノールノボラック等が挙げられる。
活性エステル系硬化剤としては、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル系硬化剤、ナフタレン構造を含む活性エステル系硬化剤、フェノールノボラックのアセチル化物である活性エステル系硬化剤、フェノールノボラックのベンゾイル化物である活性エステル系硬化剤等が好ましく、中でも、コア基板の表面凹凸への追従性を向上させる観点から、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル系硬化剤がより好ましい。なお本発明において、「ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造」とは、フェニレン−ジシクロペンタレン−フェニレンからなる2価の構造単位を表す。活性エステル系硬化剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
活性エステル系硬化剤の市販品としては、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル系硬化剤としてEXB9451、EXB9460、EXB9460S−65T、HPC8000−65T(DIC(株)製)、フェノールノボラックのアセチル化物である活性エステル系硬化剤としてDC808(三菱化学(株)製)、フェノールノボラックのベンゾイル化物である活性エステル系硬化剤としてYLH1026(三菱化学(株)製)、YLH1030(三菱化学(株)製)、YLH1048(三菱化学(株)製)等が挙げられる。
シアネートエステル系硬化剤としては、特に制限はないが、例えば、ノボラック型(フェノールノボラック型、アルキルフェノールノボラック型など)シアネートエステル系硬化剤、ジシクロペンタジエン型シアネートエステル系硬化剤、ビスフェノール型(ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールS型など)シアネートエステル系硬化剤、及びこれらが一部トリアジン化したプレポリマーなどが挙げられる。シアネートエステル系硬化剤の重量平均分子量は、特に限定されないが、好ましくは500〜4500、より好ましくは600〜3000である。
シアネートエステル系硬化剤の具体例としては、例えば、ビスフェノールAジシアネート、ポリフェノールシアネート(オリゴ(3−メチレン−1,5−フェニレンシアネート)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジメチルフェニルシアネート)、4,4’−エチリデンジフェニルジシアネート、ヘキサフルオロビスフェノールAジシアネート、2,2−ビス(4−シアネート)フェニルプロパン、1,1−ビス(4−シアネートフェニルメタン)、ビス(4−シアネート−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,3−ビス(4−シアネートフェニル−1−(メチルエチリデン))ベンゼン、ビス(4−シアネートフェニル)チオエーテル、ビス(4−シアネートフェニル)エーテル等の2官能シアネート樹脂、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ジシクロペンタジエン構造含有フェノール樹脂等から誘導される多官能シアネート樹脂、これらシアネート樹脂が一部トリアジン化したプレポリマーなどが挙げられる。シアネートエステル系硬化剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
シアネートエステル系硬化剤の市販品としては、フェノールノボラック型多官能シアネートエステル樹脂としてPT30(ロンザジャパン(株)製)、ビスフェノールAジシアネートの一部又は全部がトリアジン化され三量体となったプレポリマーとしてBA230(ロンザジャパン(株)製)、ジシクロペンタジエン構造含有シアネートエステル樹脂としてDT−4000、DT−7000(ロンザジャパン(株)製)等が挙げられる。
ベンゾオキサジン系硬化剤の具体例としては、昭和高分子(株)製の「HFB2006M」、四国化成工業(株)製の「P−d」、「F−a」が挙げられる。ベンゾオキサジン系硬化剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
酸無水物系硬化剤としては、例えば、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルナジック酸無水物、水素化メチルナジック酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、ドデセニル無水コハク酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、オキシジフタル酸二無水物、3,3’−4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−C]フラン−1,3−ジオン、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、スチレンとマレイン酸が共重合したスチレン・マレイン酸樹脂などのポリマー型の酸無水物等が挙げられる。酸無水物系硬化剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明者らは、硬化剤として活性エステル系硬化剤及びシアネートエステル系硬化剤からなる群から選択される1種以上を含む樹脂組成物、とりわけ硬化剤として活性エステル系硬化剤を含む樹脂組成物を使用する場合に、デガスホールに起因する絶縁層の起伏の問題が発生し易いことを見出した。この点、デガスホールを有するコア基板上にキャリア付接着フィルムをラミネートする前に、デガスホールを有するコア基板を特定の温度で予備加熱する本発明の方法によれば、硬化剤として活性エステル系硬化剤を含む樹脂組成物を使用する場合であっても、表面の平滑性に優れる絶縁層を実現することができる。活性エステル系硬化剤の使用は優れた硬化物性(例えば、導体層に対する高い密着強度等)に帰着する傾向に鑑みれば、活性エステル系硬化剤を使用する場合の絶縁層の起伏の問題を解消した本発明によれば、活性エステル系硬化剤を使用する利点を有利に享受し得る。したがって、好適な実施形態において、樹脂組成物に用いられる硬化剤は、活性エステル系硬化剤を含む。
エポキシ樹脂と硬化剤の配合比率は、エポキシ樹脂のエポキシ基数を1としたときに硬化剤の反応基数が0.3〜2.0の範囲となる比率が好ましく、0.3〜1.5の範囲となる比率がより好ましく、0.4〜1.1の範囲となる比率がさらに好ましい。なお、エポキシ樹脂のエポキシ基数とは、樹脂組成物に含まれる各エポキシ樹脂の固形分質量をエポキシ当量で除した値を全てのエポキシ樹脂について合計した値である。また、硬化剤の反応基数とは、樹脂組成物に含まれる各硬化剤の固形分質量を反応基当量で除した値を全ての硬化剤について合計した値である。
硬化剤が活性エステル系硬化剤を含む場合、硬化剤全体の反応基数を1としたときに活性エステル系硬化剤の反応基数は0.2〜1の範囲であることが好ましく、0.4〜1の範囲であることがより好ましく、0.6〜1の範囲であることがさらに好ましく、0.8〜1の範囲であることがさらにより好ましい。
−無機充填材−
無機充填材としては、例えば、シリカ、アルミナ、ガラス、コーディエライト、シリコン酸化物、硫酸バリウム、タルク、クレー、雲母粉、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化マンガン、ホウ酸アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ビスマス、酸化チタン、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム、リン酸ジルコニウム、及びリン酸タングステン酸ジルコニウム等が挙げられる。これらの中でも無定形シリカ、溶融シリカ、結晶シリカ、合成シリカ、中空シリカ等のシリカが特に好適である。またシリカとしては球状シリカが好ましい。無機充填材は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。市販されている球状溶融シリカとして、(株)アドマテックス製「SOC4」、「SOC2」、「SOC1」が挙げられる。
無機充填材の平均粒径は、絶縁信頼性及び表面平滑性の良好な絶縁層を得る観点から、好ましくは2μm以下、より好ましくは1μm以下、さらに好ましくは0.8μm以下、さらにより好ましくは0.6μm以下である。一方、無機充填材の分散性向上の観点から、無機充填材の平均粒径は、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.05μm以上、さらに好ましくは0.1μm以上である。無機充填材の平均粒径はミー(Mie)散乱理論に基づくレーザー回折・散乱法により測定することができる。具体的にはレーザー回折散乱式粒度分布測定装置により、無機充填材の粒度分布を体積基準で作成し、そのメディアン径を平均粒径とすることで測定することができる。測定サンプルは、無機充填材を超音波により水中に分散させたものを好ましく使用することができる。レーザー回折散乱式粒度分布測定装置としては、(株)堀場製作所製 LA−950等を使用することができる。
樹脂組成物中の無機充填材の含有量は、得られる絶縁層の熱膨張係数を低く抑える観点から、好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上、さらに好ましくは50質量%以上、さらにより好ましくは60質量%以上、特に好ましくは70質量%以上である。無機充填材の含有量の上限は特に限定されないが、得られる絶縁層の機械強度の観点から、好ましくは90質量%以下、より好ましくは85質量%以下である。
無機充填材は、エポキシシラン系カップリング剤、アミノシラン系カップリング剤、メルカプトシラン系カップリング剤、シラン系カップリング剤、オルガノシラザン化合物、チタネート系カップリング剤等の1種以上の表面処理剤で処理されていることが好ましい。表面処理剤の中でも、アミノシラン系カップリング剤は、耐湿性、分散性、硬化物の特性などに優れていることから好適である。無機充填材は、樹脂組成物に混合する前に表面処理剤で予め処理してよい。あるいはまた、無機充填材は、樹脂組成物に無機充填剤と表面処理剤を添加することによって(すなわち、インテグラルブレンド法によって)表面処理剤で処理してもよい。表面処理剤の市販品としては、信越化学工業(株)製「KBM403」(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業(株)製「KBM803」(3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業(株)製「KBE903」(3−アミノプロピルトリエトキシシラン)、信越化学工業(株)製「KBM573」(N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業(株)製「KBM103」(フェニルトリメトキシシラン)、信越化学工業(株)製「SZ−31」(ヘキサメチルジシラザン)等が挙げられる。
表面処理剤による表面処理の程度は、無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量によって評価することができる。無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量は、無機充填材の分散性向上の観点から、0.02mg/m以上が好ましく、0.1mg/m以上がより好ましく、0.2mg/m以上が更に好ましい。一方、樹脂ワニスの溶融粘度やシート形態での溶融粘度の上昇を防止する観点から、1mg/m以下が好ましく、0.8mg/m以下がより好ましく、0.5mg/m以下が更に好ましい。
無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量は、表面処理後の無機充填材を溶剤(例えば、メチルエチルケトン(MEK))により洗浄処理した後に測定することができる。具体的には、溶剤として十分な量のMEKを表面処理剤で表面処理された無機充填材に加えて、25℃で5分間超音波洗浄する。上澄液を除去し、固形分を乾燥させた後、カーボン分析計を用いて無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量を測定することができる。カーボン分析計としては、(株)堀場製作所製「EMIA−320V」等を使用することができる。
樹脂組成物層に用いる樹脂組成物は、必要に応じて、熱可塑性樹脂、硬化促進剤、難燃剤及びゴム粒子等の添加剤をさらに含んでいてもよい。
−熱可塑性樹脂−
樹脂組成物は、樹脂組成物層を硬化させた後に表面を粗化処理して適度な粗化面を有する絶縁層を形成し得る観点から、熱可塑性樹脂を含んでもよい。熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、及びポリスルホン樹脂等が挙げられる。熱可塑性樹脂は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
熱可塑性樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は8,000〜70,000の範囲が好ましく、10,000〜60,000の範囲がより好ましく、15,000〜60,000の範囲がさらに好ましく、20,000〜60,000の範囲がさらにより好ましい。熱可塑性樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定される。具体的には、熱可塑性樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は、測定装置として(株)島津製作所製LC−9A/RID−6Aを、カラムとして昭和電工(株)製Shodex K−800P/K−804L/K−804Lを、移動相としてクロロホルム等を用いて、カラム温度40℃にて測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて算出することができる。
フェノキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA骨格、ビスフェノールF骨格、ビスフェノールS骨格、ビスフェノールアセトフェノン骨格、ノボラック骨格、ビフェニル骨格、フルオレン骨格、ジシクロペンタジエン骨格、ノルボルネン骨格、ナフタレン骨格、アントラセン骨格、アダマンタン骨格、テルペン骨格、及びトリメチルシクロヘキサン骨格からなる群から選択される1種以上の骨格を有するフェノキシ樹脂が挙げられる。フェノキシ樹脂の末端は、フェノール性水酸基、エポキシ基等のいずれの官能基でもよい。フェノキシ樹脂は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。フェノキシ樹脂の具体例としては、三菱化学(株)製の「1256」及び「4250」(いずれもビスフェノールA骨格含有フェノキシ樹脂)、「YX8100」(ビスフェノールS骨格含有フェノキシ樹脂)、及び「YX6954」(ビスフェノールアセトフェノン骨格含有フェノキシ樹脂)が挙げられ、その他にも、東都化成(株)製の「FX280」及び「FX293」、三菱化学(株)製の「YL7553」、「YL6794」、「YL7213」、「YL7290」及び「YL7482」等が挙げられる。
ポリビニルアセタール樹脂の具体例としては、電気化学工業(株)製の電化ブチラール4000−2、5000−A、6000−C、6000−EP、積水化学工業(株)製のエスレックBHシリーズ、BXシリーズ、KSシリーズ、BLシリーズ、BMシリーズ等が挙げられる。
ポリイミド樹脂の具体例としては、新日本理化(株)製の「リカコートSN20」及び「リカコートPN20」が挙げられる。ポリイミド樹脂の具体例としてはまた、2官能性ヒドロキシル基末端ポリブタジエン、ジイソシアネート化合物及び四塩基酸無水物を反応させて得られる線状ポリイミド(特開2006−37083号公報記載のもの)、ポリシロキサン骨格含有ポリイミド(特開2002−12667号公報及び特開2000−319386号公報等に記載のもの)等の変性ポリイミドが挙げられる。
ポリアミドイミド樹脂の具体例としては、東洋紡績(株)製の「バイロマックスHR11NN」及び「バイロマックスHR16NN」が挙げられる。ポリアミドイミド樹脂の具体例としてはまた、日立化成工業(株)製のポリシロキサン骨格含有ポリアミドイミド「KS9100」、「KS9300」等の変性ポリアミドイミドが挙げられる。
ポリエーテルスルホン樹脂の具体例としては、住友化学(株)製の「PES5003P」等が挙げられる。
ポリスルホン樹脂の具体例としては、ソルベイアドバンストポリマーズ(株)製のポリスルホン「P1700」、「P3500」等が挙げられる。
樹脂組成物中の熱可塑性樹脂の含有量は、好ましくは0.1質量%〜60質量%、より好ましくは0.1質量%〜50質量%、さらに好ましくは0.5質量%〜30質量%、さらにより好ましくは0.5質量%〜10質量%である。
−硬化促進剤−
樹脂組成物層に用いる樹脂組成物は、樹脂組成物層の熱硬化を円滑に進行させる観点から、硬化促進剤を含んでもよい。硬化促進剤としては、例えば、リン系硬化促進剤、アミン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤、グアニジン系硬化促進剤、金属系硬化促進剤が挙げられる。硬化促進剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
樹脂組成物中の硬化促進剤の含有量は、エポキシ樹脂と硬化剤の不揮発成分の合計を100質量%としたとき、好ましくは0.01質量%〜3質量%、より好ましくは0.01質量%〜2質量%、さらに好ましくは0.01質量%〜1質量%である。
−難燃剤−
樹脂組成物層に用いる樹脂組成物は、難燃性を向上させる観点から、難燃剤を含んでもよい。難燃剤としては、例えば、有機リン系難燃剤、有機系窒素含有リン化合物、窒素化合物、シリコーン系難燃剤、金属水酸化物等が挙げられる。有機リン系難燃剤としては、三光(株)製のHCA、HCA−HQ、HCA−NQ等のフェナントレン型リン化合物、昭和高分子(株)製のHFB−2006M等のリン含有ベンゾオキサジン化合物、味の素ファインテクノ(株)製のレオフォス30、50、65、90、110、TPP、RPD、BAPP、CPD、TCP、TXP、TBP、TOP、KP140、TIBP、北興化学工業(株)製のTPPO、PPQ、クラリアント(株)製のOP930、大八化学(株)製のPX200等のリン酸エステル化合物が挙げられる。有機系窒素含有リン化合物としては、四国化成工業(株)製のSP670、SP703等のリン酸エステルアミド化合物、大塚化学(株)製のSPB100、SPE100、(株)伏見製薬所製FP−series等のホスファゼン化合物等が挙げられる。金属水酸化物としては、宇部マテリアルズ(株)製のUD65、UD650、UD653等の水酸化マグネシウム、巴工業(株)製のB−30、B−325、B−315、B−308、B−303、UFH−20等の水酸化アルミニウム等が挙げられる。難燃剤は1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。樹脂組成物中の難燃剤の含有量は特に限定はされないが、0.5質量%〜10質量%が好ましく、1質量%〜9質量%がより好ましい。
−ゴム粒子−
樹脂組成物層に用いる樹脂組成物は、樹脂組成物層を硬化させた後に表面を粗化処理して適度な粗化面を有する絶縁層を形成し得る観点から、ゴム粒子を含んでもよい。ゴム粒子としては、例えば、後述する有機溶剤に溶解せず、上述のエポキシ樹脂、硬化剤、及び熱可塑性樹脂などとも相溶しないものが使用される。このようなゴム粒子は、一般には、ゴム成分の分子量を有機溶剤や樹脂に溶解しないレベルまで大きくし、粒子状とすることで調製される。
ゴム粒子としては、例えば、コアシェル型ゴム粒子、架橋アクリロニトリルブタジエンゴム粒子、架橋スチレンブタジエンゴム粒子、アクリルゴム粒子などが挙げられる。コアシェル型ゴム粒子は、コア層とシェル層とを有するゴム粒子であり、例えば、外層のシェル層がガラス状ポリマーで構成され、内層のコア層がゴム状ポリマーで構成される2層構造、又は外層のシェル層がガラス状ポリマーで構成され、中間層がゴム状ポリマーで構成され、コア層がガラス状ポリマーで構成される3層構造のものなどが挙げられる。ガラス状ポリマー層は、例えば、メチルメタクリレート重合物などで構成され、ゴム状ポリマー層は、例えば、ブチルアクリレート重合物(ブチルゴム)などで構成される。コアシェル型ゴム粒子の具体例としては、スタフィロイドAC3832、AC3816N、AC3401N、IM−401改7−17(アイカ工業(株)製)、メタブレンKW−4426(三菱レイヨン(株)製)が挙げられる。架橋アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)粒子の具体例としては、XER−91(平均粒径0.5μm、JSR(株)製)などが挙げられる。架橋スチレンブタジエンゴム(SBR)粒子の具体例としては、XSK−500(平均粒径0.5μm、JSR(株)製)などが挙げられる。アクリルゴム粒子の具体例としては、メタブレンW300A(平均粒径0.1μm)、W450A(平均粒径0.2μm)(三菱レイヨン(株)製)を挙げることができる。ゴム粒子は1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ゴム粒子の平均粒径は、好ましくは0.005μm〜1μmの範囲であり、より好ましくは0.2μm〜0.6μmの範囲である。ゴム粒子の平均粒径は、動的光散乱法を用いて測定することができる。例えば、適当な有機溶剤にゴム粒子を超音波などにより均一に分散させ、濃厚系粒径アナライザー(FPAR−1000;大塚電子(株)製)を用いて、ゴム粒子の粒度分布を質量基準で作成し、そのメディアン径を平均粒径とすることで測定することができる。樹脂組成物中のゴム粒子の含有量は、好ましくは1質量%〜10質量%であり、より好ましくは2質量%〜5質量%である。
−その他成分−
樹脂組成物層に用いる樹脂組成物は、必要に応じて他の成分を配合することができる。他の成分としては、例えば、ビニルベンジル化合物、アクリル化合物、マレイミド化合物、ブロックイソシアネート化合物のような熱硬化性樹脂、シリコンパウダー、ナイロンパウダー、フッ素パウダー等の有機充填剤、オルベン、ベントン等の増粘剤、シリコーン系、フッ素系、高分子系の消泡剤又はレベリング剤、イミダゾール系カップリング剤、チアゾール系カップリング剤、トリアゾール系カップリング剤、シラン系カップリング剤等の密着性付与剤、フタロシアニン・ブルー、フタロシアニン・グリーン、アイオジン・グリーン、ジスアゾイエロー、カーボンブラック等の着色剤等を挙げることができる。
樹脂組成物層に用いる樹脂組成物は、上記の各成分を適宜混合し、また、必要に応じて混練手段(三本ロール、ボールミル、ビーズミル、サンドミル等)あるいは撹拌手段(スーパーミキサー、プラネタリーミキサー等)により混練または混合することにより製造することができる。
キャリア付接着フィルムの製造方法は、特に制限されず、例えば、有機溶剤に樹脂組成物を溶解した樹脂ワニスを調製し、この樹脂ワニスを、ダイコーターなどを用いてキャリアフィルム上に塗布し、樹脂ワニスを乾燥させることによって作製することができる。
有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン及びシクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びカルビトールアセテート等の酢酸エステル類、セロソルブ及びブチルカルビトール等のカルビトール類、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド及びN−メチルピロリドン等のアミド系溶媒等を挙げることができる。有機溶剤は1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
樹脂ワニスの乾燥は、加熱、熱風吹きつけ等の公知の乾燥方法により実施してよい。乾燥条件は特に限定されないが、後述する多層プリント配線板の製造方法において樹脂組成物層が流動性(フロー性)及び接着性を有する必要がある。したがって、樹脂ワニスの乾燥時には、樹脂組成物の硬化をできる限り進行させないことが重要である。他方において、樹脂組成物層中に有機溶剤が多く残留すると、硬化後に膨れが発生する原因となる。そのため、樹脂組成物層中の残留有機溶剤量が通常5質量%以下、好ましくは2質量%以下となるように乾燥させる。樹脂ワニス中の有機溶剤の沸点によっても異なるが、例えば30質量%〜60質量%の有機溶剤を含むワニスを用いる場合、通常80℃〜180℃で3分間〜20分間乾燥させることが好適である。
キャリア付接着フィルムにおいて、樹脂組成物層のキャリアフィルムと接合していない面(即ち、キャリアフィルムとは反対側の面)には、キャリアフィルムに準じた保護フィルムをさらにラミネートしてもよい。保護フィルムをラミネートすることにより、樹脂組成物層の表面へのゴミ等の付着やキズを防止することができる。多層プリント配線板を製造する際には、保護フィルムを剥がすことによって使用可能となる。
キャリア付接着フィルムにおいて、樹脂組成物層の厚さは、絶縁層の厚さを薄くして多層プリント配線板の薄型化を図る観点から、好ましくは100μm以下、より好ましくは90μm以下、さらに好ましくは80μm以下、さらにより好ましくは70μm以下、特に好ましくは60μm以下又は50μm以下である。樹脂組成物層の厚さの下限は、絶縁層として所望される機械強度を確保する観点から、好ましくは10μm以上、より好ましくは20μm以上である。
キャリア付接着フィルムにおいて、樹脂組成物層は、シート状繊維に上記の樹脂組成物を含浸させたプリプレグであってもよい。
プリプレグに用いるシート状繊維基材は特に限定されず、ガラスクロス、アラミド不織布、液晶ポリマー不織布等のプリプレグ用基材として常用されているものを用いることができる。多層プリント配線板の絶縁層の形成に用いる場合には、厚さが50μm以下の薄型のシート状繊維基材が好適に用いられ、特に厚さが10μm〜40μmのシート状繊維基材が好ましく、10μm〜30μmのシート状繊維基材がより好ましく、10〜20μmのシート状繊維基材が更に好ましい。シート状繊維基材として用いられるガラスクロス基材の具体例としては、旭シュエーベル(株)製の「スタイル1027MS」(経糸密度75本/25mm、緯糸密度75本/25mm、布重量20g/m、厚さ19μm)、旭シュエーベル(株)製の「スタイル1037MS」(経糸密度70本/25mm、緯糸密度73本/25mm、布重量24g/m、厚さ28μm)、(株)有沢製作所製の「1078」(経糸密度54本/25mm、緯糸密度54本/25mm、布重量48g/m、厚さ43μm)、(株)有沢製作所製の「1037NS」(経糸密度72本/25mm、緯糸密度69本/25mm、布重量23g/m、厚さ21μm)(株)有沢製作所製の「1027NS」(経糸密度75本/25mm、緯糸密度75本/25mm、布重量19.5g/m、厚さ16μm)、(株)有沢製作所製の「1015NS」(経糸密度95本/25mm、緯糸密度95本/25mm、布重量17.5g/m、厚さ15μm)、(株)有沢製作所製の「1000NS」(経糸密度85本/25mm、緯糸密度85本/25mm、布重量11g/m、厚さ10μm)等が挙げられる。また液晶ポリマー不織布の具体例としては、(株)クラレ製の、芳香族ポリエステル不織布のメルトブロー法による「ベクルス」(目付け量6〜15g/m)や「ベクトラン」などが挙げられる。
プリプレグは、ホットメルト法、ソルベント法等の公知の方法により製造することができる。
樹脂組成物層としてプリプレグを使用する場合にも、樹脂組成物層の厚さは、上述の範囲とすることが好ましい。
以下、本発明の多層プリント配線板の製造方法を詳細に説明する。
[多層プリント配線板の製造方法]
本発明の多層プリント配線板の製造方法は、
(I)デガスホールを有するコア基板に、キャリアフィルムと該キャリアフィルム上に設けられた樹脂組成物層とを含むキャリア付接着フィルムを、樹脂組成物層がコア基板と接合するようにラミネートする工程、
(II)樹脂組成物層を熱硬化して絶縁層を形成する工程、及び
(III)キャリアフィルムを絶縁層から除去する工程
を含み、デガスホールを有するコア基板が、工程(I)の前に、150℃以上の温度で予備加熱されていることを特徴とする。
先述のとおり、デガスホールを有するコア基板を使用して多層プリント配線板を製造するにあたって、キャリアフィルムを付けたまま樹脂組成物層を熱硬化させて絶縁層を形成すると、得られる絶縁層がデガスホール上において陥没し、デガスホールに対応した起伏を有するようになる場合があることを本発明者らは見出した。絶縁層の陥没が生じるのはコア基板のデガスホール上のみであり、ビルドアップ導体層(コア基板上にビルドアップ方式にて積層された導体層)のデガスホール上においては斯かる問題は確認されない。このような事実に鑑みると、コア基板のデガスホール上における絶縁層の陥没は、コア基板上にラミネートされた樹脂組成物層を熱硬化させる際に、コア基板の基板ベースで発生したガスがコア基板のデガスホールを通って樹脂組成物層に接触し、熱硬化処理に伴う加熱によって樹脂組成物層の硬化あるいは生じた絶縁層の構造に影響を与えることによって引き起こされるものと推定される。ビルドアップ導体層のデガスホール上において同様の問題が生じないのは、ビルドアップ導体層の直下に設けられたビルドアップ絶縁層は自己の熱硬化処理の際に既に高温加熱されており、また厚さも薄いため、発生するガス量が少ないためと推察される。
また、キャリアフィルムを除去した後に樹脂組成物層を熱硬化させて絶縁層を形成する場合には、コア基板のデガスホール上にあっても絶縁層の陥没は生じない。キャリアフィルムを除去した後に樹脂組成物層を熱硬化する場合は、コア基板の基板ベースで発生したガスは樹脂組成物層を通過して外部へ排出されるものと考えられる。キャリアフィルムを付けたまま樹脂組成物層を熱硬化させる場合は、ガスの逃げ場がなく、デガスホール上の樹脂組成物層の硬化あるいは生じた絶縁層の構造に影響を与え、絶縁層の陥没を引き起こすものと推定される。
本発明においては、デガスホールを有するコア基板上にキャリア付接着フィルムをラミネートする前に、デガスホールを有するコア基板を150℃以上の温度で予備加熱することにより、上記のようなコア基板のデガスホール上における絶縁層の陥没の問題を解消するに至ったものである。なお、比較的低温(例えば、70℃〜130℃)における予備加熱においても、コア基板の保管時に基板ベースに吸湿された水分等を排出するには十分であるが、コア基板のデガスホールに起因する絶縁層の起伏の問題を解消するには至らない。したがって、コア基板のデガスホールに起因する絶縁層の起伏の問題は、水分以外のガス(例えば、コア基板製造時に使用された有機溶剤、有機処理剤)が要因となっているものと推察される。
コア基板のデガスホールに起因する絶縁層の起伏をさらに抑制する観点から、デガスホールを有するコア基板の予備加熱は、好ましくは155℃以上、より好ましくは160℃以上、さらに好ましくは165℃以上、さらにより好ましくは170℃以上、特に好ましくは175℃以上、180℃以上、185℃以上又は190℃以上の温度で実施することが好適である。予備加熱の温度の上限は、コア基板の物性に品質上問題となる影響を及ぼさない限りにおいて特に制限はないが、好ましくは260℃以下、より好ましくは220℃以下である。
好適な実施形態において、デガスホールを有するコア基板の予備加熱は、上記の温度条件を満たす限りにおいて、後述する工程(II)における樹脂組成物層を熱硬化させる際の最高到達温度(すなわち、Tc)との関係でTc−10(℃)以上の温度で実施し得る。コア基板のデガスホールに起因する絶縁層の起伏をさらに抑制する観点から、予備加熱の温度は、上記の温度条件を満たす限りにおいて、より好ましくはTc−5(℃)以上、さらに好ましくはTc(℃)以上である。予備加熱の温度の上限は、コア基板の物性に品質上問題となる影響を及ぼさない限りにおいて特に制限はないが、好ましくはTc+30(℃)以下、より好ましくはTc+20(℃)以下である。
デガスホールを有するコア基板の予備加熱の時間は、予備加熱の温度にもよるが、好ましくは10分間以上、より好ましくは20分間以上、さらに好ましくは30分間以上である。予備加熱の時間の上限は、コア基板の物性に品質上問題となる影響を及ぼさない限りにおいて特に制限はないが、好ましくは4時間以下、より好ましくは2時間以下である。
デガスホールを有するコア基板の予備加熱は、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気下で行ってもよく、空気中で行ってもよい。あるいはまた、酸素濃度を低下させた調整空気中で行ってもよい。
デガスホールを有するコア基板の予備加熱は、大気圧下で行ってもよく、減圧下で行ってもよい。簡便なため、予備加熱は、大気圧下で行うことが好ましい。
デガスホールを有するコア基板の予備加熱は、加熱オーブン等の従来公知の任意の加熱手段を使用して行うことができる。
デガスホールを有するコア基板の予備加熱は、デガスホールを有するコア基板上にキャリア付接着フィルムをラミネートする前(すなわち、工程(I)の前)に実施される限り、特に実施時期は制限されない。例えば、コア基板にデガスホールを形成した後、直ちに予備加熱を実施してもよい。予備加熱の後、デガスホールを有するコア基板を保管する場合は、保管時に基板ベースに吸湿された水分等を排出すべく、工程(I)の前に、比較的低温(例えば、70℃〜130℃)の加熱処理をさらに施してもよい。
あるいはまた、予備加熱の後、工程(I)を直ちに実施してもよい。したがって一実施形態において、本発明の多層プリント配線板の製造方法は、
(i)デガスホールを有するコア基板を150℃以上の温度で予備加熱する工程、
(I)デガスホールを有するコア基板に、キャリアフィルムと該キャリアフィルム上に設けられた樹脂組成物層とを含むキャリア付接着フィルムを、樹脂組成物層がコア基板と接合するようにラミネートする工程、
(II)樹脂組成物層を熱硬化して絶縁層を形成する工程、及び
(III)キャリアフィルムを絶縁層から除去する工程
を含む。
斯かる実施形態において、工程(I)は、工程(i)の後、好ましくは1日以内、より好ましくは12時間以内、さらに好ましくは6時間以内、さらにより好ましくは3時間以内、特に好ましくは2時間以内、1時間以内又は30分以内に実施することが好適である。
以下、工程(I)乃至工程(III)について説明する。
<工程(I)>
工程(I)において、デガスホールを有するコア基板に、キャリアフィルムと該キャリアフィルム上に設けられた樹脂組成物層とを含むキャリア付接着フィルムを、樹脂組成物層がコア基板と接合するようにラミネートする。
デガスホールを有するコア基板及びキャリア付接着フィルムに関しては、上記のとおりである。工程(I)に使用するデガスホールを有するコア基板は、150℃以上の温度で予備加熱されていることを特徴とする。なお、工程(I)を実施する前に、デガスホールを有するコア基板の導体層表面をエッチング媒体によりエッチングしてもよい。エッチング媒体としては、例えば、メック(株)製「CZ8100」が挙げられる。該エッチングは、先述の予備加熱の前に実施してもよく、予備加熱の後に実施してもよい。エッチング量は、通常、0.1μm〜2μmとし得る。
工程(I)におけるラミネート処理は、例えば、減圧条件下、樹脂組成物層がコア基板と接合するように、キャリア付接着フィルムをコア基板に加熱圧着することにより行うことができる。キャリア付接着フィルムをコア基板に加熱圧着する部材(以下、「加熱圧着部材」ともいう。)としては、例えば、加熱された金属板(SUS鏡板等)又は金属ロール(SUSロール)等が挙げられる。なお、加熱圧着部材をキャリア付接着フィルムに直接プレスするのではなく、コア基板の表面凹凸に樹脂組成物層が十分に追従するように、耐熱ゴム等の弾性材を介してプレスするのが好ましい。キャリア付接着フィルムは、コア基板の片面にラミネートしてもよく、コア基板の両面にラミネートしてもよい。
ラミネート処理の条件は特に限定されず、キャリア付接着フィルムを用いて多層プリント配線板の絶縁層を形成するにあたり使用される公知の条件を採用することができる。例えば、ラミネート処理は、圧着圧力を1kgf/cm〜11kgf/cm(0.098MPa〜1.078MPa)の範囲とし、圧着温度を70〜150℃の範囲とし、圧着時間を5〜180秒の範囲とし、空気圧が20mmHg(26.7hPa)以下の減圧下で実施することができる。なお、ボイドの発生を抑制する観点から、真空引き時間は、好ましくは20秒間以上、より好ましくは30秒間以上、40秒間以上、50秒間以上又は60秒間以上である。
ラミネート処理の後、キャリア付接着フィルムを熱プレスして平滑化してもよい。
平滑化処理は、例えば、加熱圧着部材をキャリアフィルム側からプレスすることにより実施してよい。加熱圧着部材としては、ラミネート処理について説明したものと同じ部材を使用してよい。
平滑化処理時の圧着圧力及び圧着時間は、ラミネート処理条件と同様とし得る。また、平滑化処理は、常圧下(大気圧下)で実施することが好適である。
ラミネート処理(及び平滑化処理)は、市販の真空ラミネーターによって連続的に行うことができる。市販の真空ラミネーターとしては、例えば、(株)名機製作所製の真空加圧式ラミネーター、ニチゴー・モートン(株)製のバキュームアップリケーター等が挙げられる。
<工程(II)>
工程(II)において、樹脂組成物層を熱硬化して絶縁層を形成する。
本発明の方法においては、キャリアフィルムを付けたまま樹脂組成物層を熱硬化して絶縁層を形成することを特徴とする。キャリアフィルムは、後述する工程(III)において除去される。
熱硬化の条件は特に限定されず、多層プリント配線板の絶縁層を形成するに際して通常採用される条件を使用してよい。
樹脂組成物層の熱硬化条件は、樹脂組成物層に用いる樹脂組成物の組成等によっても異なるが、最終的に適切な絶縁層が形成され得る条件であれば特に限定されず、例えば、熱硬化温度は、120℃〜240℃の範囲が好ましく、150℃〜210℃の範囲がより好ましく、160℃〜190℃の範囲がさらに好ましい。ここで、熱硬化温度は、必ずしも上記温度範囲のうち所定の温度に固定されている必要はなく、最終的に適切な絶縁層が形成される限り経時的に変化させてもよく、異なる硬化温度で複数段階に分けて硬化してもよい。また硬化温度の最高到達温度が上記範囲内にあるのが好ましい。本発明においては、工程(II)において樹脂組成物層を熱硬化させる際の最高到達温度を「Tc」ともいう。
熱硬化時間は、樹脂組成物層に用いる樹脂組成物の組成や熱硬化温度によっても異なるが、最終的に適切な絶縁層が形成される限り特に限定されず、例えば、20分間〜150分間、好ましくは30分間〜120分間、より好ましくは40分間〜120分間とすることができる。
工程(II)における樹脂組成物層の熱硬化は、大気圧下(常圧下)にて行うことが好ましい。
工程(II)の熱硬化は、加熱オーブンを用いて実施してよい。加熱オーブンを用いて樹脂組成物層の熱硬化を実施する場合、樹脂組成物層を加熱オーブン内で垂直状態に配置し、熱硬化して絶縁層を形成することにより、一度に多くの枚数を加熱オーブン内に投入することができ、工程(I)から工程(II)への連続的でスムーズな作業を可能とし、生産性向上に寄与する。加熱オーブンとしては、例えば、クリーンオーブン(ヤマト科学(株)製「クリーンオーブンDE610」)等を用いることができる。
<工程(III)>
工程(III)において、キャリアフィルムを絶縁層から除去する。
キャリアフィルムは、手動又は自動剥離装置により機械的に剥離して除去してよい。キャリアフィルムとして金属箔を使用した場合は、エッチングによりキャリアフィルムを除去してもよい。
なお、キャリアフィルムは、絶縁層上に導体層を設ける工程の前に除去すればよく、例えば、工程(II)と後述するビア形成工程との間に除去してもよく、後述するビア形成工程と粗化工程との間に除去してもよく、後述する粗化工程と導体層形成工程との間に除去してもよい。
本発明の方法によれば、コア基板のデガスホール上における絶縁層の陥没を抑制することができ、表面の平滑性に優れる絶縁層を実現することができる。コア基板のデガスホール上における絶縁層の陥没深さは、該絶縁層表面に微細な配線パターンにて導体層を形成し得る観点から、2μm以下であることが好ましく、1.5μm以下であることがより好ましい。該陥没深さの下限は特に限定されず、0μmであってよい。
コア基板のデガスホール上における絶縁層の陥没深さは、キャリアフィルムを除去した後の絶縁層の露出表面について、非接触型表面粗さ計を用いて測定することができる。非接触型表面粗さ計の具体例としては、ビーコインスツルメンツ社製の「WYKO NT9300」が挙げられる。
<その他の工程>
本発明の多層プリント配線板の製造方法は、a)絶縁層にビアホールを形成する工程(ビアホール形成工程)、b)絶縁層を粗化処理する工程(粗化工程)、c)メッキにより導体層を形成する工程(導体層形成工程)をさらに含んでもよい。これらの工程は、多層プリント配線板の製造に用いられる、当業者に公知の各種方法に従って実施してよい。
−ビアホール形成工程−
ビアホール形成工程において、絶縁層にビアホールを形成する。ビアホールは、層間の電気接続のために設けられ、絶縁層の特性を考慮して、ドリル、レーザー、プラズマ等を用いる公知の方法により形成することができる。例えば、キャリアフィルムが存在する場合は、キャリアフィルム上からレーザー光を照射して、絶縁層にビアホールを形成することができる。
レーザー光源としては、例えば、炭酸ガスレーザー、YAGレーザー、エキシマレーザー等が挙げられる。中でも、加工速度、コストの観点から、炭酸ガスレーザーが好ましい。
ビアホールの形成は、市販されているレーザー装置を用いて実施することができる。市販されている炭酸ガスレーザー装置としては、例えば、日立ビアメカニクス(株)製のLC−2E21B/1C、三菱電機(株)製のML605GTWII、松下溶接システム(株)製の基板穴あけレーザー加工機が挙げられる。
−粗化工程−
粗化工程において、絶縁層を粗化処理する。粗化処理の手順、条件は特に限定されず、多層プリント配線板の絶縁層を形成するに際して通常使用される公知の手順、条件を採用することができる。例えば、膨潤液による膨潤処理、酸化剤による粗化処理、中和液による中和処理をこの順に実施して絶縁層を粗化処理することができる。膨潤液としては特に限定されないが、アルカリ溶液、界面活性剤溶液等が挙げられ、好ましくはアルカリ溶液であり、該アルカリ溶液としては、水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液がより好ましい。市販されている膨潤液としては、例えば、アトテックジャパン(株)製のスウェリング・ディップ・セキュリガンスP、スウェリング・ディップ・セキュリガンスSBU等が挙げられる。膨潤液による膨潤処理は、特に限定されないが、例えば、30〜90℃の膨潤液に絶縁層を1分間〜20分間浸漬することにより行うことができる。絶縁層の樹脂の膨潤を適度なレベルに抑える観点から、40〜80℃の膨潤液に絶縁層を5秒間〜15分間浸漬させることが好ましい。酸化剤としては、特に限定されないが、例えば、水酸化ナトリウムの水溶液に過マンガン酸カリウムや過マンガン酸ナトリウムを溶解したアルカリ性過マンガン酸溶液が挙げられる。アルカリ性過マンガン酸溶液等の酸化剤による粗化処理は、60℃〜80℃に加熱した酸化剤溶液に絶縁層を10分間〜30分間浸漬させて行うことが好ましい。また、アルカリ性過マンガン酸溶液における過マンガン酸塩の濃度は5質量%〜10質量%が好ましい。市販されている酸化剤としては、例えば、アトテックジャパン(株)製のコンセントレート・コンパクトP、ドージングソリューション・セキュリガンスP等のアルカリ性過マンガン酸溶液が挙げられる。また、中和液としては、酸性の水溶液が好ましく、市販品としては、例えば、アトテックジャパン(株)製のリダクションショリューシン・セキュリガントPが挙げられる。中和液による処理は、酸化剤溶液による粗化処理がなされた処理面を30〜80℃の中和液に5分間〜30分間浸漬させることにより行うことができる。作業性等の点から、酸化剤溶液による粗化処理がなされた対象物を、40〜70℃の中和液に5分間〜20分間浸漬する方法が好ましい。
粗化工程は、いわゆるデスミア工程を兼ねてもよい。
先述のとおり、従来の技術においては、デガスホールを有するコア基板を使用して多層プリント配線板を製造するにあたって、キャリアフィルムを付けたまま樹脂組成物層を熱硬化させて絶縁層を形成すると、得られる絶縁層は、デガスホール上において陥没し、デガスホールに対応した起伏を有する問題があった。絶縁層の起伏が大きくなると(特に、デガスホール上における絶縁層の陥没深さが2μmより大きくなると)、起伏の凸部と凹部とが粗化処理後に大きく異なる表面粗さを呈するようになる場合がある(以下、斯かる現象を「粗度ムラ」ともいう。)。斯かる粗度ムラは、後述する導体層形成工程において局所的な微細配線形成不良に帰着する場合がある。この点、本発明の方法によれば、コア基板のデガスホールに起因する絶縁層の起伏を抑制することができ、粗度ムラを抑えることができる。したがって本発明の方法は、多層プリント配線板の微細配線化に寄与するものである。
−導体層形成工程−
導体層形成工程において、絶縁層表面にメッキにより導体層を形成する。
導体層に使用する導体材料は特に限定されない。好適な実施形態では、導体層は、金、白金、パラジウム、銀、銅、アルミニウム、コバルト、クロム、亜鉛、ニッケル、チタン、タングステン、鉄、スズ及びインジウムからなる群から選択される1種以上の金属を含む。導体層は、単金属層であっても合金層であってもよく、合金層としては、例えば、上記の群から選択される2種以上の金属の合金(例えば、ニッケル・クロム合金、銅・ニッケル合金及び銅・チタン合金)から形成された層が挙げられる。中でも、導体層形成の汎用性、コスト、パターニングの容易性等の観点から、クロム、ニッケル、チタン、アルミニウム、亜鉛、金、パラジウム、銀若しくは銅の単金属層、又はニッケル・クロム合金、銅・ニッケル合金、銅・チタン合金の合金層が好ましく、クロム、ニッケル、チタン、アルミニウム、亜鉛、金、パラジウム、銀若しくは銅の単金属層、又はニッケル・クロム合金の合金層がより好ましく、銅の単金属層が更に好ましい。
導体層は、単層構造であっても、異なる種類の金属若しくは合金からなる単金属層又は合金層が2層以上積層した複層構造であってもよい。導体層が複層構造である場合、絶縁層と接する層は、クロム、亜鉛若しくはチタンの単金属層、又はニッケル・クロム合金の合金層であることが好ましい。
導体層の厚さは、所望の多層プリント配線板のデザインによるが、一般に3μm〜35μm、好ましくは5μm〜30μmである。
導体層は、メッキにより形成することができる。例えば、セミアディティブ法、フルアディティブ法等の従来公知の技術により絶縁層の表面にメッキして、所望の配線パターンを有する導体層を形成することができる。
一般に、絶縁層表面にパターン形成用ドライフィルムを配して所望のパターンを現像した後、メッキすることにより所望のパターンを有する導体層を形成する。このとき、絶縁層の起伏が大きいと(特に、デガスホール上における絶縁層の陥没深さが2μmより大きいと)、パターン形成用ドライフィルムの密着性、解像性が低下し、所望のパターンにて導体層を形成することが困難となる場合がある。これに対し、本発明の方法においては、先述のとおり、絶縁層の起伏の問題を生じないことから、絶縁層表面に微細な配線パターンを有する導体層を有利に形成することが可能である。
本発明の方法により製造された多層プリント配線板を用いることで半導体装置を製造することができる。本発明の多層プリント配線板の導通箇所に、半導体チップを実装することにより半導体装置を製造することができる。「導通箇所」とは、「多層プリント配線板における電気信号を伝える箇所」であって、その場所は表面であっても、埋め込まれた箇所であってもいずれでも構わない。また、半導体チップは半導体を材料とする電気回路素子であれば特に限定されない。
本発明の半導体装置を製造する際の半導体チップの実装方法は、半導体チップが有効に機能しさえすれば、特に限定されないが、具体的には、ワイヤボンディング実装方法、フリップチップ実装方法、バンプなしビルドアップ層(BBUL)による実装方法、異方性導電フィルム(ACF)による実装方法、非導電性フィルム(NCF)による実装方法、などが挙げられる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の記載中の「部」は「質量部」を意味する。
まず、本明細書での物性評価における測定方法・評価方法について説明する。
〔測定・評価用基板の調製〕
(1)デガスホールを有するコア基板の予備加熱
デガスホールを有するコア基板として、直径200μmの円形デガスホールが2mmピッチで形成された導体層(銅層)を両面に有するガラス布基材エポキシ樹脂両面積層板(導体層の厚さ35μm、基板ベースの厚さ0.8mm、Panasonic(株)製「R1515A」)を用意した。該コア基板の両面を、メック(株)製「CZ8100」に浸漬して導体層表面をエッチングした(エッチング量1μm)。
その後、表2に示す条件にて、デガスホールを有するコア基板を予備加熱した。なお、予備加熱の後、1時間以内に次工程(2)を行った。
(2)キャリア付接着フィルムのラミネート
下記作製例で作製したキャリア付接着フィルムを、バッチ式真空加圧ラミネーター((株)ニチゴー・モートン製 2ステージビルドアップラミネーター「CVP700」)を用いて、樹脂組成物層がコア基板と接合するように、コア基板の両面にラミネートした。ラミネート処理は、30秒間減圧して気圧を13hPa以下とした後、100℃、圧力0.74MPaにて30秒間圧着させることにより実施した。次いで、ラミネートされたキャリア付接着フィルムを、大気圧下、100℃、圧力0.5MPaにて60秒間熱プレスして平滑化した。
(3)樹脂組成物層の熱硬化
キャリア付き接着フィルムがラミネートされたコア基板を、100℃にて30分間、次いで180℃にて30分間加熱し、樹脂組成物層を熱硬化して絶縁層を形成した。
(4)キャリアフィルムの除去
熱硬化の後、室温下、手動でキャリアフィルムを剥離し除去した。
(5)絶縁層の粗化
キャリアフィルムの除去後、絶縁層を以下の手順で粗化処理した。すなわち、絶縁層表面を、膨潤液(アトテックジャパン(株)製「スエリングディップ・セキュリガンドP」、ジエチレングリコールモノブチルエーテル及び水酸化ナトリウムの水溶液)に60℃で10分間、次いで酸化剤溶液(アトテックジャパン(株)製「コンセントレート・コンパクトP」、過マンガン酸カリウム濃度約6%、水酸化ナトリウム濃度約4%の水溶液)に80℃で20分間浸漬し、水洗処理した。その後、絶縁層表面を、中和液(アトテックジャパン(株)製「リダクションソリューシン・セキュリガントP」)に40℃で5分間浸漬した後、130℃で15分間乾燥した。
得られた評価基板について、デガスホール上における絶縁層の陥没深さを測定した。
<デガスホール上における絶縁層の陥没深さの測定>
デガスホール上における絶縁層の陥没深さは、非接触型表面粗さ計(ビーコインスツルメンツ社製「WYKO NT3300」)を用いて、VSIコンタクトモード、10倍レンズにより測定範囲を1100μm×825μmとして得られる数値により求めた。測定は、デガスホール上の絶縁層部分について10箇所の平均値を求めることにより実施した。なお、表2においては、絶縁層の陥没深さが1.5μm以下の場合を「◎」、1.5μmより大きく2μm以下の場合を「○」、2μmより大きい場合を「×」とした。
<キャリアフィルムのx−y方向の熱収縮率(S)の測定>
(1)初期長さLの測定
下記作製例で作製した離型層付キャリアフィルムを200mm角状に切り出しサンプルフィルムを用意した。該サンプルの4角から中心方向に20mmの部分に、貫通穴(直径約6mm)を、パンチングによって4つ形成した。便宜上、形成した4つの穴を時計回りに穴A、穴B、穴C、穴Dと称する。形成した各穴の中央間の長さL(LAB、LBC、LCD、LDA、LAC、LBD)(図1参照)を、非接触型画像測定器((株)ミツトヨ製、Quick Vision 型式:QVH1X606−PRO III_BHU2G)により測定した。
(2)キャリアフィルムの熱処理
測長の終了したサンプルフィルムを、255mm角状のガラス布基材エポキシ樹脂両面銅張積層板(厚さ0.7mm、松下電工(株)製「R5715ES」)上に配置し、四辺をポリイミド接着テープ(幅10mm)で固定した。固定後、サンプルフィルムを、上記〔測定・評価用基板の調製〕における樹脂組成物層の熱硬化温度条件(すなわち、100℃にて30分間、次いで180℃にて30分間)にて加熱した。
(3)熱処理後長さL’の測定
熱処理後、ポリイミド接着テープを剥がし、サンプルフィルムを積層板から取り外した。取り外したサンプルフィルムについて、各穴の中央間の長さL’(L’AB、L’BC、L’CD、L’DA、L’AC、L’BD)を、非接触型画像測定器で測定した。
(4)熱収縮率の算出
測定したL及びL’の値に基づき、各穴の中央間の長さの収縮率s(sAB、sBC、sCD、sDA、sAC及びsBD)を算出した。sABは、測定したLAB及びL’ABの値に基づき、下記式により算出した。
AB(%)={(LAB−L’AB)/LAB}×100
同様にして、sBC、sCD、sDA、sAC及びsBDを算出した。
キャリアフィルムのx−y方向の熱収縮率(S)は、得られたsAB、sBC、sCD、sDA、sAC及びsBDの値に基づき、下記式により算出した。
S(%)=(sAB+sBC+sCD+sDA+sAC+sBD)/6
実施例及び比較例で使用した樹脂シート1乃至5は、下記の手順で作製した。
〔作製例1〕(キャリア付接着フィルム1の作製)
(1)離型層付きキャリアフィルム1の調製
PETフィルム(東レ(株)製「ルミラーR56」、厚さ38μm)の片面に、アルキド樹脂(日立化成ポリマー(株)製「テスファイン303」、固形分48質量%、トルエン/イソプロピルアルコール=4/1混合液)100質量部、及びp−トルエンスルホン酸溶液(日立化成ポリマー(株)製「ドライヤー900」、固形分50質量%、トルエン/イソプロピルアルコール=4/1混合液)2.5質量部を、トルエン/イソプロピルアルコール=4/1混合液により固形分濃度が1.5質量%となるように希釈した溶液を、乾燥後の厚さが0.1μmとなるように塗布し、150℃で1分間乾燥させて離型層を設けた。
(2)樹脂ワニス1の調製
ビスフェノール型エポキシ樹脂(新日鐵化学(株)製「ZX1059」、ビスフェノールA型とビスフェノールF型の1:1混合品、エポキシ当量約169)5部、ビフェニル型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「YX4000HK」、エポキシ当量約185)12部、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(DIC(株)製「HP7200H」、エポキシ当量約275)9部、及びフェノキシ樹脂(三菱化学(株)製「YL7553BH30」、固形分30質量%のMEK/シクロヘキサノン=1/1溶液)10部を、ソルベントナフサ30部に撹拌しながら加熱溶解させた。室温にまで冷却した後、そこへ、活性エステル系硬化剤(DIC(株)製「HPC8000−65T」、活性基当量約223、不揮発成分65質量%のトルエン溶液)40部、硬化促進剤(4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、固形分5質量%のMEK溶液)3部、アミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製「KBM573」)で表面処理された球形シリカ(平均粒径0.5μm、(株)アドマテックス製「SOC2」、単位面積当たりのカーボン量0.39mg/m)150部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂ワニス1を調製した。
(3)キャリア付接着フィルム1の作製
次いで、離型層付きキャリアフィルム1の離型層上に、乾燥後の樹脂組成物層の厚さが40μmとなるように樹脂ワニス1を均一に塗布し、80〜120℃(平均100℃)で5分間乾燥させて、キャリア付接着フィルム1を作製した。得られた樹脂組成物層の残留溶剤量(130℃にて15分間加熱した後の質量減少から算出)は、2.1質量%であった。
〔作製例2〕(キャリア付接着フィルム2の作製)
PETフィルム(東レ(株)製「ルミラーR56」、厚さ38μm)に代えてアニール処理済PETフィルム(帝人デュポンフィルム(株)製「G2LA」、厚さ50μm)を使用した以外は作製例1(1)と同様の手順で離型層付きキャリアフィルム2を調製した。
得られた離型層付キャリアフィルム2を使用して、作製例1(2)及び(3)と同様の手順でキャリア付接着フィルム2を作製した。得られた樹脂組成物層の残留溶剤量は、2.2重量%であった。
〔作製例3〕(キャリア付接着フィルム3の作製)
PETフィルム(東レ(株)製「ルミラーR56」、厚さ38μm)に代えてポリイミドフィルム(宇部興産(株)製「ユーピレックス−S」、厚さ25μm)を使用した以外は作製例1(1)と同様の手順で離型層付きキャリアフィルム3を調製した。
得られた離型層付キャリアフィルム3を使用して、作製例1(2)及び(3)と同様の手順でキャリア付接着フィルム3を作製した。得られた樹脂組成物層の残留溶剤量は、2.1重量%であった。
〔作製例4〕(キャリア付接着フィルム4の作製)
PETフィルム(東レ(株)製「ルミラーR56」、厚さ38μm)に代えてPENフィルム(帝人デュポンフィルム(株)製「テオネックス Q83」、厚さ25μm)を使用した以外は作製例1(1)と同様の手順で離型層付きキャリアフィルム4を調製した。
得られた離型層付キャリアフィルム4を使用して、作製例1(2)及び(3)と同様の手順でキャリア付接着フィルム4を作製した。得られた樹脂組成物層の残留溶剤量は、2.0重量%であった。
〔作製例5〕(キャリア付接着フィルム5の作製)
(1)樹脂ワニス2の調製
ビスフェノール型エポキシ樹脂(新日鐵化学(株)製「ZX1059」、ビスフェノールA型とビスフェノールF型の1:1混合品、エポキシ当量約169)5部、ビフェニル型樹脂(三菱化学(株)製「YX4000HK」、エポキシ当量約185)10部、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(DIC(株)製「HP7200H」、エポキシ当量約275)10部、及びフェノキシ樹脂(三菱化学(株)製「YL7553BH30」、固形分30質量%のMEK溶液)5部を、ソルベントナフサ20部に撹拌しながら加熱溶解させた。室温にまで冷却した後、そこへ、ビスフェノールAジシアネートのプレポリマー(ロンザジャパン(株)製「BA230S75」、シアネート当量約232、不揮発分75質量%のMEK溶液)20部、活性エステル系硬化剤(DIC(株)製「HPC8000−65T」、活性基当量約223の不揮発分65質量%のトルエン溶液)20部、硬化促進剤(4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、固形分5質量%のMEK溶液)0.5部、硬化促進剤(東京化成(株)製、コバルト(III)アセチルアセトナート(Co(III)Act)、固形分1質量%のMEK溶液)2部、アミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製「KBM573」)で表面処理された球形シリカ(平均粒径0.5μm、(株)アドマテックス製「SOC2」、単位表面積当たりのカーボン量0.39mg/m)110部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂ワニス2を調製した。
(2)キャリア付接着フィルム5の作製
次いで、離型層付きキャリアフィルム1の離型層上に、乾燥後の樹脂組成物層の厚さが40μmとなるように樹脂ワニス2を均一に塗布し、80〜120℃(平均100℃)で5分間乾燥させて、キャリア付接着フィルム5を作製した。得られた樹脂組成物層の残留溶剤量は、1.8重量%であった。
キャリア付接着フィルム1乃至5の仕様を表1にまとめて示す。
Figure 0006287004
<実施例1>
キャリア付接着フィルム1を使用して、上記〔測定・評価用基板の調製〕の手順に従って、評価基板を調製した。表2に示すとおり、予備加熱は180℃にて30分間行った。評価結果を表2に示す。
<実施例2>
キャリア付接着フィルム2を使用して、上記〔測定・評価用基板の調製〕の手順に従って、評価基板を調製した。表2に示すとおり、予備加熱は180℃にて30分間行った。評価結果を表2に示す。
<実施例3>
キャリア付接着フィルム3を使用して、上記〔測定・評価用基板の調製〕の手順に従って、評価基板を調製した。表2に示すとおり、予備加熱は180℃にて30分間行った。評価結果を表2に示す。
<実施例4>
キャリア付接着フィルム4を使用して、上記〔測定・評価用基板の調製〕の手順に従って、評価基板を調製した。表2に示すとおり、予備加熱は170℃にて30分間行った。評価結果を表2に示す。
<実施例5>
キャリア付接着フィルム5を使用して、上記〔測定・評価用基板の調製〕の手順に従って、評価基板を調製した。表2に示すとおり、予備加熱は190℃にて30分間行った。評価結果を表2に示す。
<比較例1>
キャリア付接着フィルム1を使用して、上記〔測定・評価用基板の調製〕の手順に従って、評価基板を調製した。表2に示すとおり、予備加熱は130℃にて30分間行った。評価結果を表2に示す。
<比較例2>
キャリア付接着フィルム5を使用して、上記〔測定・評価用基板の調製〕の手順に従って、評価基板を調製した。表2に示すとおり、予備加熱は100℃にて60分間行った。評価結果を表2に示す。
Figure 0006287004

Claims (8)

  1. (I)デガスホールを有するコア基板に、キャリアフィルムと該キャリアフィルム上に設けられた樹脂組成物層とを含むキャリア付接着フィルムを、樹脂組成物層がコア基板と接合するようにラミネートする工程、
    (II)樹脂組成物層を熱硬化して絶縁層を形成する工程、及び
    (III)キャリアフィルムを絶縁層から除去する工程
    を含む多層プリント配線板の製造方法であって、
    デガスホールを有するコア基板が、基板ベースと、該基板ベースに設けられた、デガスホールを有する導体層とを含み、基板ベースが、ガラスエポキシ基板、ポリエステル基板、ポリイミド基板、BTレジン基板及び熱硬化型ポリフェニレンエーテル基板から選択され、
    デガスホールを有するコア基板が、工程(I)の前に、150℃以上の温度で予備加熱されている、方法。
  2. 樹脂組成物層が、エポキシ樹脂、硬化剤及び無機充填材を含む樹脂組成物から形成される、請求項1に記載の方法。
  3. 硬化剤が活性エステル系硬化剤を含む、請求項2に記載の方法。
  4. 工程(II)において樹脂組成物層を熱硬化させる際の最高到達温度をTcとするとき、予備加熱が、Tc−10(℃)以上の温度で行われる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. キャリアフィルムのガラス転移温度(Tg)が150℃以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 工程(II)において樹脂組成物層を熱硬化させる際の温度条件にてキャリアフィルムを熱処理するとき、キャリアフィルムのx−y方向の熱収縮率(S)が0.3%以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. さらに、絶縁層を粗化処理する工程を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. さらに、メッキにより導体層を形成する工程を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
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