JP6286996B2 - 機能性シーラント - Google Patents
機能性シーラント Download PDFInfo
- Publication number
- JP6286996B2 JP6286996B2 JP2013202153A JP2013202153A JP6286996B2 JP 6286996 B2 JP6286996 B2 JP 6286996B2 JP 2013202153 A JP2013202153 A JP 2013202153A JP 2013202153 A JP2013202153 A JP 2013202153A JP 6286996 B2 JP6286996 B2 JP 6286996B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- water
- oil
- resin film
- silane coupling
- coupling agent
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Packages (AREA)
- Wrappers (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
Description
1.少なくとも液体成分を含有する内容物を充填する包装容器に用いられるオレフィン系樹脂を主成分とする樹脂フィルムの内容物と接する表面に、フッ素官能基を含有するシランカップリング剤により形成される撥水撥油層が形成され、シランカップリング剤が、表面エネルギーが20mN/m以下のフッ素化合物を含有することを特徴としたシーラント、及びこのシーラントの撥水撥油層同士をヒートシールすることにより容器が形成されるパウチ包材又はレトルト包材。
2.大気中でのコロナ放電処理又は酸素プラズマ処理が実施された樹脂フィルムの内容物が接する表面に、フッ素官能基を有するシランカップリング剤を含む塗料を塗布して上記の撥水撥油層を形成したことを特徴としたシーラント、及びこのシーラントの撥水撥油層同士をヒートシールすることにより容器が形成されるパウチ包材又はレトルト包材。
特に、フッ素官能基を含有するシランカップリング剤は、コロナ放電や酸素プラズマ等の親水化処理により樹脂フィルム表面に生成される水酸基やカルボキシル基との脱水反応に伴う縮合が可能となり、シランカップリング剤と樹脂フィルム表面との強固な密着性が得られるので、安定的に撥水撥油性が得られると共に内容物へのフッ素含有化合物の混入等の危険性が大きく低下する。
樹脂フィルム1には、軟包材として使用可能な公知の樹脂フィルムを使用することが可能であり、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール等が挙げられる。特に、低温ヒートシール、フィルム加工性等の点からポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂を主成分とした樹脂フィルムが、汎用材料として一般的である。また、樹脂フィルム1が内容物と接触する層であるのならば、酸素や水蒸気等のバリア性や、包装材としての基本的特性である密封性等の機械的強度を得るため等、各種特性を考慮した積層体の樹脂フィルムを使用することも可能である。樹脂フィルム1の厚みは特に限定されず、用途や形態に応じた樹脂フィルムの仕様に基づいたフィルム構成に対して、任意に選定することが可能である。
撥水撥油層2を構成するフッ素官能基3を含有するシランカップリング剤は、樹脂フィルム1の表面に対して均一な膜を得られ、かつ、撥水撥油性が得られれば、特に限定されない。シランカップリング剤は、ケイ素を中心にアルコキシ基やアルキル基等の官能基が結合している構造であり、アルコキシ基に対して、水分により加水分解が行われシラノールが生成される。水分は、シランカップリング剤が配合された塗料に含まれる水分、樹脂フィルム1表面への吸着水、大気中の水分等が利用できる。シラノールは、樹脂フィルム1の表面に存在する水酸基との脱水縮合反応によりシロキサン結合を形成するため、樹脂フィルム1と強固な結合を得ることができる。このため、フッ素化合物の樹脂フィルム1からの脱落が大きく抑制され、安定性を得ることが可能となる。反応性の点からアルコキシ基の数は多いほうがよく、アルコキシ基を3つ含有するシランカップリング剤は、基材との縮合以外に、隣接したシランカップリング剤同士の縮合による3次元的な架橋構造を得ることが可能となり、結果的に得られた撥水撥油層2の強度が向上する等、安定性の面からは有利である。アルコキシ基は、-OCH3、-OC2H5が反応性及び汎用性の点から好ましい。
オレフィン系多層フィルム(品名:MZ180、厚み:55μm、接液面の樹脂:ポリエチレン系、片面コロナ放電処理、タマポリ株式会社製)と、PETフィルム(品名:E5100、厚み:12μm、片面コロナ放電処理、東洋紡株式会社製)とが、アンカー層を介して貼り合わされた構成の樹脂フィルムを使用した。アンカー層には、ポリウレタン系樹脂(品名:タケラックA−525、三井化学株式会社製)、イソシアネート系硬化剤(品名:タケネートA−52、三井化学株式会社製)、及び酢酸エチルを使用した。樹脂/硬化剤/酢酸エチル=90/10/100(重量比)の配合比からなるアンカー層塗料を作製した後、ワイヤーバーを使用してPETフィルムのコロナ放電処理面側へ塗料の塗布を行い、80℃3分の乾燥後の厚みが5μmとなるように成膜した。アンカー層が成膜されたPETフィルムについて、オレフィン系多層フィルムのコロナ放電処理面に対してハンドローラによりラミネートを行った後、50℃の恒温槽において2日間のエージングを実施し、樹脂フィルム1を作製した。フッ素官能基3を含有するシランカップリング剤は、フッ素系表面処理剤(品名:オプツールDSX、ダイキン化学工業株式会社製)を使用した。このフッ素系表面処理剤をパーフルオロヘキサンにより濃度が0.1wt%となるように希釈して塗料を作製した。予め塗料を塗布する側の表面張力がぬれ指示薬にて40〜42dyne/cmとなるように大気中でコロナ放電処理を行った樹脂フィルム1に対して、ディップコータ(型式:DC4300(ST200)、株式会社マイディ製)により撥水撥油層2の成膜を行った。なお、浸漬速度10mm/秒、浸漬時間1分、引き上げ速度6mm/秒とした。成膜後の樹脂フィルム1を、70℃に設定した恒温槽を使用し、1時間のエージングを行い樹脂フィルム1へのシランカップリング剤の脱水縮合処理を行った。
比較例は、上記実施例における撥水撥油層2が成膜される樹脂フィルム1表面へのコロナ放電処理と表面処理剤を使用した成膜とを未実施とした以外は、すべて同様のサンプル構成とした。
2 撥水撥油層
3 フッ素官能基
Claims (5)
- 少なくとも液体成分を含有する内容物を充填する容器に形成されるシーラントであって、
前記容器に使用されるオレフィン系樹脂を主成分とする樹脂フィルムの前記内容物と接する表面に、フッ素官能基を含有するシランカップリング剤により撥水撥油層が形成され、
前記シランカップリング剤が、表面エネルギーが20mN/m以下のフッ素化合物を含有することを特徴とした、シーラント。 - 前記撥水撥油層は、大気中でコロナ放電処理が実施された前記樹脂フィルムの前記内容物と接する表面に、前記フッ素官能基を有するシランカップリング剤を含む塗料を塗布して形成されていることを特徴とした、請求項1に記載のシーラント。
- 前記撥水撥油層は、酸素プラズマ処理が実施された前記樹脂フィルムの前記内容物と接する表面に、前記フッ素官能基を有するシランカップリング剤を含む塗料を塗布して形成されていることを特徴とした,請求項1に記載のシーラント。
- 請求項1乃至3のいずれか1項に記載されたシーラントの前記撥水撥油層同士をヒートシールすることにより容器が形成される、パウチ包材。
- 請求項1乃至3のいずれか1項に記載されたシーラントの前記撥水撥油層同士をヒートシールすることにより容器が形成される、レトルト包材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013202153A JP6286996B2 (ja) | 2013-09-27 | 2013-09-27 | 機能性シーラント |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013202153A JP6286996B2 (ja) | 2013-09-27 | 2013-09-27 | 機能性シーラント |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015066770A JP2015066770A (ja) | 2015-04-13 |
JP6286996B2 true JP6286996B2 (ja) | 2018-03-07 |
Family
ID=52834029
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013202153A Active JP6286996B2 (ja) | 2013-09-27 | 2013-09-27 | 機能性シーラント |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6286996B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7106905B2 (ja) * | 2018-03-16 | 2022-07-27 | 東洋製罐グループホールディングス株式会社 | レトルトパウチ、及びレトルトパウチ食品 |
JP6530101B1 (ja) | 2018-04-11 | 2019-06-12 | 日本テトラパック株式会社 | 包装容器及び包装材料の製造方法 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
SE0004610D0 (sv) * | 2000-12-13 | 2000-12-13 | Astrazeneca Ab | Surface modification process |
JP2005208290A (ja) * | 2004-01-22 | 2005-08-04 | Konica Minolta Opto Inc | 防汚性光学薄膜、防汚性反射防止フィルム及びそれを用いた偏光板、表示装置 |
JP5225836B2 (ja) * | 2006-05-26 | 2013-07-03 | ポーラ化成工業株式会社 | 化粧料の選択方法及び設計方法 |
JP5915012B2 (ja) * | 2011-07-15 | 2016-05-11 | 凸版印刷株式会社 | 撥水性包装材 |
JP2013189238A (ja) * | 2012-03-15 | 2013-09-26 | Toppan Printing Co Ltd | 蓋材と蓋材の製造方法 |
-
2013
- 2013-09-27 JP JP2013202153A patent/JP6286996B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2015066770A (ja) | 2015-04-13 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
TWI600753B (zh) | 撥水.撥油性塗膜及含該塗膜之物品 | |
JP6330663B2 (ja) | 包装容器 | |
KR100362133B1 (ko) | 차단성복합필름및그의제조방법 | |
JP6015318B2 (ja) | 熱シール性フィルム | |
JP6167742B2 (ja) | 内容物非付着性包材 | |
JP2012228787A (ja) | 熱シール性フィルム | |
JP2016002706A (ja) | 包装材料とそれを蓋材として用いた包装容器 | |
JP6213086B2 (ja) | 蓋材 | |
JP7153434B2 (ja) | 撥水性塗料、撥水性ラミネート材、撥水性袋状容器、及び、撥水性塗膜の形成方法 | |
JP6286996B2 (ja) | 機能性シーラント | |
JP6123196B2 (ja) | 蓋材 | |
JP2016083815A (ja) | 撥液性フィルム | |
JP2013001427A (ja) | 撥水性包装材 | |
KR20130027852A (ko) | 나노구조의 소수성 표면을 갖는 식품용기 및 그의 제조방법 | |
JP6318490B2 (ja) | 積層体 | |
JP6932566B2 (ja) | 包装材料 | |
JP6064461B2 (ja) | 蓋材およびそれを用いた密封容器 | |
JP6269255B2 (ja) | 包装材料および包装容器 | |
JP6273728B2 (ja) | 内容物非付着性包材 | |
JP5994496B2 (ja) | 蓋材 | |
JP5610536B2 (ja) | 被覆プラスチック成形体及びその製造方法 | |
JP2015066940A (ja) | 積層体 | |
JP6268886B2 (ja) | 積層体 | |
JP2014201360A (ja) | 蓋材 | |
JP2013180426A (ja) | 医療用包装材料 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20160823 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20170621 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20170704 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20170831 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20180109 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20180122 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6286996 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |