以下、本発明の一実施形態を図面にもとづいて説明する。
図1はオープンショーケースの外観を正面から見た図、図2はオープンショーケースの外観を側面側から見た図である。オープンショーケースの陳列室は、前面・左側面・右側面の3つの面が開放された三面開放形である。
オープンショーケースの本体1は、正面視の形状および平面視の形状がそれぞれ矩形状である。本体1は、最上部に天板2を備え、最下部に機械室3を備え、これら天板2と機械室3との間に商品陳列用の陳列室4を備える。本体1の背面1aは、矩形状の平板で構成される。
正面から見た天板2の形状は、上下高さ方向の厚みが薄く且つ左右幅方向の寸法がFaの矩形である。天板2の下面により、陳列室4の天井面4bが形成される。正面から見た機械室3の形状は、上下高さ方向にある程度の厚みを有し且つ左右幅方向の寸法がFaの矩形である。機械室3の上面により、陳列室4の底面4cが形成される。正面から見た陳列室4の形状は、上下高さ方向に長く且つ左右幅方向の寸法がFaの矩形である。
側面側から見た天板2の形状は、上下高さ方向の厚みが薄く且つ背面1aから前面側に突出して前後奥行き方向に所定の寸法を有する矩形状である。側面側から見た機械室3の形状は、上下高さ方向にある程度の厚みを有し且つ前後奥行き方向に寸法Fbを有する矩形状である。機械室3の奥行き方向の寸法Fbは、天板2の奥行き方向の寸法よりもわずかに長い。
陳列室4の奥側の背面4aは、オープンショーケースの本体1の背面1aとの間に所定寸法の間隙を開けて配置される。背面4aの上部は、背面1aとほぼ平行である。背面4aの上部を除く部分は、下方にいくほど徐々に前面側へせり出すように僅かに傾斜している。
陳列室4は、背面4a,天井面4b,底面4cを除く前面・左側面・右側面の3つの面が開放された三面開放形であり、前面開口部41、左側面開口部42、右側面開口部43を有する。陳列室4は、これら前面開口部41、左側面開口部42、右側面開口部43を通して本体1外に露出する。
本体1の左右幅方向の寸法は、天板2の左右幅方向の寸法および機械室3の左右幅方向の寸法と同じFaである。本体1の前後奥行き方向の寸法は、機械室3の前後奥行き方向の寸法と同じFbである。
本体1の左右幅方向の寸法Faと本体1の前後奥行き方向の寸法Fbとの関係は、図面上はFa>Fbであるが、Fa=Fbであってもよい。すなわち、本体1の左右幅方向の寸法Faと本体1の前後奥行き方向の寸法Fbとの関係は、Fa≧Fbである。
つぎに、本体1を構成する各部位について詳述する。
図3は本体1の縦断面を概略的に示す図である。図4は陳列室4の天井面4bを斜め下方から見た図である。図5は陳列室4の背面4aを正面から見た図である。図6は陳列室4の底面4cを斜め上方から見た図である。これら図4〜図6中のハッチング部分は、各棚5の取付け位置を示している。
陳列室4の背面4aは、上記したように、天井面4bから底面4cに亘って徐々に前面開口部41側へせり出すように傾斜している。この背面4aに、複数段たとえば4段の商品載置用の棚5が上下方向に互いに所定間隔で配置される。各棚5の左右幅方向の寸法は、背面4aの左右幅方向の寸法よりもわずかに短い。各棚5は、底面4cとほぼ平行状態を保ちながら前面開口部41側に突出している。これら棚5に、販売用の商品たとえば多数の缶飲料やボトル飲料が載置および陳列される。各棚5の相互間に存する空間は、各棚5上の商品の収容空間および冷却用空間となる。
陳列室4の背面4aにおいて、各棚5間の冷却用空間と対応する位置に、冷却用空気(冷気という)を吹出す冷気吹出口7が形成される。これら冷気吹出口7は、図1,図4,図5に示すように、コ字形に形成された開口である。
具体的には、冷気吹出口7は、上下高さ方向に長い縦長形状の左サイド吹出部7axおよび右サイド吹出部7ayと、これらサイド吹出部7ax,7ayの相互間において左右幅方向に延びる横長形状のセンタ吹出部7bと、を含む。左サイド吹出部7axは、背面4aの左端縁部4xに形成される。左端縁部4xは、左側面開口部42と隣接する。右サイド吹出部7ayは、背面4aの右端縁部4yに形成される。右端縁部4yは、右側面開口部43と隣接する。センタ吹出部7bは、上記冷却用空間の上部に臨む位置に配置されるとともに、サイド吹出部7ax,7ayの上部に連なる。
サイド吹出部7ax,7ayの開口の左右幅方向の寸法は、センタ吹出部7bの開口の上下高さ方向の寸法とほぼ等しい。サイド吹出部7ax,7ayの開口の上下高さ方向の寸法は、センタ吹出部7bの開口の上下高さ方向の寸法の数倍である。
各冷気吹出口7から吹出される冷気は、各棚5上の商品に送られる。とくに、各冷気吹出口7の左端から右端までの寸法は、各棚5の左右幅方向の寸法と同じかそれよりも少し大きい。本実施形態では、各冷気吹出口7の左端から右端までの幅は、各棚5の左右幅方向の寸法よりも、少しだけ大きい。この構成により、各棚5の左右幅方向の両端部とその外側に、サイド吹出部7ax,7ayが対応する。この結果、サイド吹出部7ax,7ayから吹出される冷気が、各棚5の左右幅方向の両端部に載った商品に触れるように流れる。
なお、サイド吹出部7ax,7ayおよびセンタ吹出部7bを連続する1つの開口として形成したが、図7に一部を拡大して示すように、多数の開口が形成された鋼板いわゆるパンチングメタルによってサイド吹出部7ax,7ayおよびセンタ吹出部7bを構成してもよい。この場合、サイド吹出部7ax,7ayおよびセンタ吹出部7bは、長孔形状の多数の吹出孔7gを含む。サイド吹出部7ax,7ayの各吹出孔7gは、長手方向が上下高さ方向に沿う向きで且つ上下高さ方向に沿って並ぶ。この並び列が左右幅方向に沿って複数列(2条)形成される。センタ吹出部7bの各吹出孔7gは、長手方向が左右幅方向に沿う向きで且つ左右幅方向に沿って並ぶ。この並び列が上下高さ方向に沿って複数列(4条)形成される。なお、パンチングメタルに代えて、多数の吹出孔7gが形成された合成樹脂板を用いてもよい。
センタ吹出部7bの各吹出孔7gから吹出される冷風は、上下幅方向の拡がりをもって棚5の全域に降りかかり、棚5上の全商品を冷却する。サイド吹出部7ax,7ayの各吹出孔7gから吹出される冷風は、棚5の左右幅方向の両端部に向かって流れ、その左右幅方向の両端部に載った商品を集中的に冷却する。
このような冷風の吹出しにより、前面開口部41,左側面開口部42,右側面開口部43を有する三面開放形の陳列室4であっても、各棚5上の商品を均一的にしかも効率よく冷却することができる。
一方、図2,図3,図4に示しているように、陳列室4の天井面4bを構成する天板2に、蛍光灯または発光ダイオード(LED)を用いた照明部8が配置される。照明部8は、陳列室4の前面開口部41の上縁41aに沿う長さを有し、陳列室4を照明するとともに、天板2の前面を透過照明する。天板2の前面には、陳列室4に収容される商品の商品名などが記載される。この商品名の記載が、照明部8の照明により浮き出る。
陳列室4の天井面4bに、エアカーテン吹出口10が形成される。エアカーテン吹出口10は、図4に示すように、コ字形に形成された開口である。
具体的には、エアカーテン吹出口10は、前後奥行き方向に長い縦長形状の左サイド吹出部10axおよび右サイド吹出部10ayと、これらサイド吹出部10ax,10ayの相互間において左右幅方向に延びる横長形状のセンタ吹出部10bとを含む。左サイド吹出部10axは、左側面開口部42の上縁42aに沿って形成される。右サイド吹出部10ayは、右側面開口部43の上縁43aに沿って形成される。センタ吹出部10bは、前面開口部41の上縁41aに沿って形成されるとともに、サイド吹出部10ax,10ayの前面側端部に連なる。
センタ吹出部10bから吹出される冷気は、陳列室4の前面開口部41に沿って、上方から下方へと流れる。サイド吹出部10ax,10ayから吹出される冷気は、陳列室4の左側面開口部42および右側面開口部43に沿って、下方へと流れる。
サイド吹出部10ax,10ayの位置は、冷気吹出口7のサイド吹出部7ax,7ayの位置よりも、外側である。センタ吹出部10bの位置は、各棚5の前面側端部の位置よりも、外側である。よって、サイド吹出部10ax,10ayおよびセンタ吹出部10bから吹出される冷気は、サイド吹出部7ax,7ayから吹出される冷気に当たることなく、さらに各棚5に当たることなく、下方へと流れる。これらサイド吹出部10ax,10ayおよびセンタ吹出部10bから吹出される冷気の流れは、陳列室4の前面開口部41、左側面開口部42、右側面開口部43に沿うエアカーテンとなる。このエアカーテンにより、本体1の外から陳列室4への外部空気の侵入が阻止される。
なお、サイド吹出部10ax,10ayおよびセンタ吹出部10bを連続する1つの開口として形成したが、冷気吹出口7のサイド吹出部7ax,7ayおよびセンタ吹出部7bと同様に、多数の開口が形成された鋼板いわゆるパンチングメタルによってサイド吹出部10ax,10ayおよびセンタ吹出部10bを構成してもよい。パンチングメタルに代えて、多数の開口が形成された合成樹脂板を用いてもよい。
図3に示すように、天板2の内部に、上記エアカーテン吹出口10と連通するダクト11が形成される。ダクト11は、背面4aの裏側のダクト12から供給される冷気をエアカーテン吹出口10に案内する。
一方、陳列室4の底面4cに、吸込口13が形成される。吸込口13は、図6に示すように、コ字形に形成された開口であり、各冷気吹出口7から吹出された冷気およびエアカーテン吹出口10から吹出されたエアカーテン用の冷気を吸込む。
具体的には、吸込口13は、前後奥行き方向に長い縦長形状の左サイド吸込部13axおよび右サイド吸込部13ayと、これらサイド吸込部13ax,13ayの相互間において左右幅方向に延びる横長形状のセンタ吸込部13bとを含む。左サイド吸込部13axは、左側面開口部42の下縁42bに沿って形成される。右サイド吸込部13ayは、右側面開口部43の下縁43bに沿って形成される。センタ吸込部13bは、前面開口部41の下縁41bに沿って形成されるとともに、サイド吸込部13ax,13ayの前面側端部に連なる。
吸込口13のサイド吸込部13ax,13ayおよびセンタ吸込部13bの位置は、各棚5の周縁部よりも外側である。吸込口13のサイド吸込部13ax,13ayの位置は、各冷気吹出口7のサイド吹出部7ax,7ayの位置よりも左右幅方向において外側である。この位置関係により、エアカーテン吹出口10と吸込口13との間の冷気の流路上に障害物はなく、エアカーテン吹出口10から吹出されるエアカーテン用の冷気は吸込口13に円滑かつ効率よく吸込まれる。この結果、エアカーテンを安定して形成することができる。
吸込口13のサイド吸込部13ax,13ayの前後奥行き方向の長さは、底面4cの前後奥行き方向の長さよりも短い。つまり、サイド吸込部13ax,13ayの非前面側端部の位置は、背面4aから、所定間隔、離れている。仮に、サイド吸込部13ax,13ayの非前面側端部の位置が背面4aに近い場合には、最下部の冷気吹出口7のサイド吹出部7ax,7ayから吹出される冷気が、最下段の棚5の外側に流れて、最下段の棚5上の商品を冷やすことなくサイド吸込部13ax,13ayに吸込まれてしまう、いわゆるショートサーキットが生じる。このショートサーキットを防ぐため、サイド吸込部13ax,13ayの非前面側端部の位置が、背面4aから、所定間隔、離れている。
なお、上記実施形態では、エアカーテン吹出口10のサイド吸込部10ax,10ayおよびセンタ吸込部10bが、各棚5の周縁部よりも外側に位置する構成としたが、サイド吸込部13ax,13ayおよびセンタ吸込部13bのそれぞれ一部のみが各棚5の周縁部より外側に位置する構成としてもよい。
この構成の一例を図4に2点鎖線で示す。すなわち、エアカーテン吹出口10は、左サイド吹出部10cx、右サイド吹出部10cy、およびセンタ吹出部10bを含む。サイド吹出部10cx,10cyの位置は、左右幅方向において、上記サイド吹出部10ax,10ayの位置よりも内側である。また、左サイド吹出部10cxの左端から右サイド吹出部10cyの右端までの幅は、冷気吹出口7の左サイド吹出部7axの左端から右サイド吹出部7ayの右端までの幅とほぼ同じである。つまり、サイド吹出部10cx,10cyの一部のみが、各棚5の左右幅方向の両端部より外側に位置する。サイド吹出部10cx,10cyから吹出される冷気の一部は、各棚5の左右幅方向の両端部より外側を通って流れ、サイド吸込部13ax,13ayに吸込まれる。十分なエアカーテンが形成される。
棚5の左右幅方向の寸法と、冷気吹出口7の左右幅方向の寸法と、エアカーテン吹出口10の左右幅方向の寸法との好適な関係は、“棚5の左右幅方向の寸法”≦“冷気吹出口7の左右幅方向の寸法”≦“エアカーテン吹出口10の左右幅方向の寸法”、かつ“棚5の左右幅方向の寸法”<“エアカーテン吹出口10の左右幅方向の寸法”である。
なお、エアカーテン吹出口10から吹出される冷気は、吹出し直後は温度が低くて風速も速い。また、上記サイド吹出部10cx,10cyを採用した場合には、そのサイド吹出部10cx,10cyから吹出される冷気が最上段(1段目)の棚5に当たることに加え、最上部の冷気吹出口7のサイド吹出部7ax,7ayから吹出される冷気が最上段の棚5に供給される。この場合、最上段の棚5に載置された商品が冷え過ぎてしまう可能性がある。これを防ぐためには、最上段の棚5と上から2段目の棚5との冷却用空間に臨む冷気吹出口7のサイド吹出部7ax,7ayを塞ぐかあるいは除去すればよい。
エアカーテン吹出口10から吹出されるエアカーテン用の冷気は、下方に行くに従って温度が上がり風速も低下する。このままでは、陳列室4の下方部に対するエアカーテンの作用が弱まる可能性がある。ただし、各冷気吹出口7のサイド吹出部7ax,7ayから吹出される冷気は、それ自体の重みで下方向に落ち込みつつ、各棚5の左右幅方向の両端部から流れ落ちる。この流れ落ちる冷気は、エアカーテン吹出口10のサイド吹出部10ax,10ay(またはサイド吹出部10cx,10cy)から吹出されたエアカーテン用の冷気と合流する。この合流により、陳列室4の下方部に対するエアカーテンの作用を十分かつ安定的に維持することができる。
一方、図3に示すように、陳列室4の背面4aと本体1の背面1aとの間の空間に、発泡スチロール等の断熱材料で形成された仕切板19が配置される。この仕切板19により、背面4aと背面1aとの間の空間が、冷気循環用のダクト12と排気用のダクト20とに区分される。これらダクト12,20は、本体1の上下高さ方向に沿って延びる。
ダクト12の上部は、天板2内の上記ダクト11を介してエアカーテン吹出口10に連通する。ダクト12の下部は、後述するダクト14aに連通する。ダクト12の中途部に、各冷気吹出口7が連通される。ダクト20の上部は、天板2と背面1aとの間に形成された開口部21に連通する。ダクト20の下部は、機械室3の内部空間に連通する。
機械室3の内部空間に、圧縮機15、凝縮器16、膨張弁17およびファン18が配置される。また、機械室3の内部空間において、機械室3の上面(陳列室4の底面4c)と平行な状態に、隔壁14が配置される。この隔壁14により、機械室3の上面の裏側にダクト14aが形成される。このダクト14aは、吸込口13と上記ダクト12の下部とを連通する。このダクト14a内に、冷気循環用のファン22が配置される。ファン22は、吸込口13から空気を吸込み、ダクト14aを介してその吸込み空気をダクト12の下部に送る。
ダクト12の下部に、蒸発器23が配置される。この蒸発器23の位置は、最下部の冷気吹出口7のサイド吹出部7ax,7ayより下方である。また、蒸発器23の左右幅方向の寸法は、左サイド吹出部7axの左端から右サイド吹出部7ayの右端までの寸法とほぼ同じである。
機械室3の前面部を構成する板体に、外気導入用の多数のパンチング孔27が形成される。上記ファン18の動作により、外気が各パンチング孔27を通って機械室3内に導入される。導入された外気は、凝縮器16を通って温度上昇し、さらに圧縮機15を冷却して高温となる。この高温空気は、ダクト20を通って開口部21に流れ、その開口部21から本体1外に排出される。
上記圧縮機15、凝縮器16、膨張弁17、および蒸発器23が冷媒管を介して順次に接続される。この接続により、冷凍サイクルが構成される。
図8は本体1の横断面図である。この図8および図3に示すように、ダクト12内において、各左サイド吹出部7axの開口上縁にそれぞれ案内板(第1案内板)25axが配置され、各右サイド吹出部7ayの開口上縁にそれぞれ案内板(第1案内板)25ayが配置され、各センタ吹出部7bの開口上縁にそれぞれ案内板(第2案内板)25bが配置される。案内板25ax,25ay,25bは、図9に示すようにL字型の鋼板であり、立位部Aが背面4aの裏面に例えば溶接により固定され、平面部(邪魔板部)Bがダクト12内空間に突出する。
案内板25ax,25ayの平面部Bは、ダクト12内を通る冷気の一部をサイド吹出部7ax,7ayに導く。案内板25bの平面部Bは、ダクト12内を通る冷気の一部を各センタ吹出部7bに導く。
案内板25ax,25ayの立位部Aの上下高さ方向の寸法Hは、約10mmである。案内板25ax,25ayの平面部Bの前後奥行き方向の突出長さTは、約20mmである。案内板25ax,25ayの立位部Aの左右幅方向の寸法(全長)Lおよび平面部Bの左右幅方向の寸法(全長)Lは、約40mmである。
案内板25bの立位部Aの上下高さ方向の寸法Hは、約10mmである。案内板25bの平面部Bの前後奥行き方向の突出長さTは、約10mmである。案内板25bの立位部Aの左右幅方向の寸法(全長)Lおよび平面部Bの左右幅方向の寸法(全長)Lは、約1600mmである。
案内板25ax,25ayのそれぞれ左右幅方向の寸法L(=約40mm)は、サイド吹出部7ax,7ayのそれぞれ左右幅方向の寸法とほぼ同じである。案内板25bの左右幅方向の寸法L(=約1600mm)は、センタ吹出部7bの左右幅方向の寸法とほぼ同じである。
案内板25ax,25ayの平面部Bの突出長さTが約20mmであるのに対し、案内板25bの平面部Bの突出長さTは約10mmである。このように、案内板25ax,25ayの平面部Bの突出長さTと案内板25bの平面部Bの突出長さTとを異ならせることにより、サイド吹出部7ax,7ayのそれぞれ左右幅方向の寸法とセンタ吹出部7bの左右幅方向の寸法との違いにかかわらず、サイド吹出部7ax,7ayおよびセンタ吹出部7bにそれぞれ適切な量の冷気を取入れることができる。サイド吹出部7ax,7ayおよびセンタ吹出部7bに取入れられた冷気は、陳列室4に吹出される。
なお、各棚5の左右幅方向の寸法は、約1700mmである。これは、左サイド吹出部7axに対応する案内板25axの左右幅方向の寸法L(=約40mm)と、右サイド吹出部7ayに対応する案内板25ayの左右幅方向の寸法L(=約40mm)との合計値2L(=約80mm)に、センタ吹出部7bに対応する案内板25bの左右幅方向の寸法L(=約1600mm)を加えた長さ(=約1680mm)よりも,わずかに長い。
上記圧縮機15は、冷媒を吸込んで圧縮し吐出する。図3に示すように、この圧縮機15から吐出される高温高圧のガス冷媒が凝縮器16に流れる。凝縮器16に流れたガス冷媒は、ファン18の運転により吸込まれる外気と熱交換して凝縮する。凝縮器16から流出する液冷媒は、膨張弁17を通って蒸発器23に流れる。蒸発器23に流れた液冷媒は、ファン22から送られる空気と熱交換して蒸発する。蒸発器23から流出するガス冷媒は、圧縮機15に吸込まれる。
ファン22の運転により、各棚5上の商品を冷却して温度上昇した空気、および前面開口部41、左側面開口部42、右側面開口部43に沿って流れたエアカーテンの空気が、吸込口13に取込まれる。吸込口13に取込まれた空気は、ダクト14aを通って蒸発器23に流れる。蒸発器23に流れた空気は、蒸発器23内の冷媒に熱を奪われて温度低下し、冷気となる。この蒸発器23を経た冷気は、ダクト12内を上昇する。ダクト12内を上昇する冷気の一部は、案内板25ax,25ay,25bによって各冷気吹出口7に導かれ、その各冷気吹出口7から陳列室4へ吹出される。吹出された冷気は、各棚5上の商品を冷却する。
案内板25ax,25ay,25bの作用により、各冷気吹出口7に効率よく冷気を導くことができる。とくに、案内板25ax,25ayの平面部Bの突出長さTと案内板25bの平面部Bの突出長さTとを異ならせているので、各冷気吹出口7のサイド吹出部7ax,7ayおよびセンタ吹出部7bからそれぞれ適切な量の冷気が吹出される。
仮に、案内板25ax,25ayの平面部Bの突出長さTと案内板25bの平面部Bの突出長さTとが同じである場合は、サイド吹出部7ax,7ayの開口における単位面積当たりの通気量が、センタ吹出部7bの開口における単位面積当たりの通気量よりも少なくなってしまう。
本実施形態の場合、サイド吹出部7ax,7ayに対応する案内板25ax,25ayの平面部Bの突出長さTを、センタ吹出部7bに対応する案内板25bの平面部Bの突出長さTより長くしているので、サイド吹出部7ax,7ayの開口における単位面積当たりの通気量を、センタ吹出部7bの開口における単位面積当たりの通気量と同じまたはそれ以上に設定することができる。この設定により、各棚5の前面側両角部に載置された商品に対し、十分な量の冷気を送ることができる。つまり、各棚5上のすべての商品を適切に冷却することができる。
上記冷凍サイクル、冷気吹出口7、ダクト12、吸込口13、ダクト14a、ファン22、案内板25ax,25ay,25b、および後述の調整板25zなどにより、陳列室4内に冷気を供給する冷却部が構成される。
一方、ダクト12の上部に至った冷気は、天板2内のダクト11に流入する。ダクト11に流入した冷気は、エアカーテン吹出口10に導かれ、そのエアカーテン吹出口10のサイド吹出部10ax,10ayおよびセンタ吹出部10bから下方に吹出される。
サイド吹出部10ax,10ayおよびセンタ吹出部10bから吹出された冷気の流れは、陳列室4の前面開口部41、左側面開口部42、右側面開口部43に沿うエアカーテンとなる。このエアカーテンにより、本体1の外から陳列室4への外部空気の侵入が阻止される。外部空気の侵入を阻止できるので、陳列室4内の商品に対する冷却効率が向上する。
エアカーテン吹出口10から吹出されて下方に流れた冷気、および冷気吹出口7から吹出されて各棚5上の商品を冷却した冷気は、ファン22の運転により負圧状態となっている吸込口13に、混合状態で効率よく吸込まれる。吸込口13に吸込まれた混合気は、ダクト14aを通って蒸発器23に流れ、上述した経路を循環する。
このように、前面開口部41、左側面開口部42、右側面開口部43を有する三面開放形の陳列室4であっても、各棚5上の商品を均一的にしかも効率よく冷却することができる。陳列室4内の商品を前面側、左側面側、右側面側のいずれの方向からでも、良好な視認性をもって確認することができる。よって、商品の展示効果が向上する。前面開口部41の前に人が立った場合でも、陳列室4内の商品を左側面開口部42または右側面開口部43を通して容易に支障なく取出すことができる。よって、商品の販売効率が向上する。
本体1の左右幅方向の寸法Faと本体1の前後奥行き方向の寸法Fbとの関係がFa≧Fbなので、本体1が非常にコンパクトになるとともに本体1の設置面積を小さくすることができる。よって、小規模なコンビニエンスストアや比較的小規模なスーパーマーケットなどの店舗でも、本体1の設置が可能となる。本体1の積荷作業や設置場所への搬入作業も容易となる。
ところで、冷気吹出口7から前方に向かって吹出される冷気の吹出し量と、エアカーテン吹出口10から下方へ向かって吹出される冷気の吹出し量と、の最適配分を図る必要がある。
各冷気吹出口7においても、サイド吹出部7ax,7ayからの吹出し風量と、センタ吹出部7bからの吹出し風量と、の最適配分を図る必要がある。サイド吹出部7ax,7ayおよびセンタ吹出部7bからの吹出し風の直進性も重要である。とくに、ダクト12内の空間のうち、最下部の冷気吹出口7と対応する位置の空間では、蒸発器23を通過した直後の強い冷風が上方向に向けて吹く。上方向に向かう冷風は、その多くが滑らかな仕切板19の面に寄って流れる。各冷気吹出口7側に流れる冷気の量は少ない。
これらの問題点を少しでも解消するために、ダクト12内に案内板25ax,25ay,25bが配置されている。しかしながら、上記のように、上方向に向かう冷風の多くが滑らかな仕切板19の面に寄って流れて、各冷気吹出口7側に流れる冷気の量が少なくなる。その結果、各冷気吹出口7から陳列室4内に吹出される冷気の量が不十分となる。
対策として、仕切板19の面に寄って流れる冷風を、各案内板25ax,25ay,25b側にも流れるように、調整する必要がある。そこで、図10,図11,図12に示すように、ダクト12内に調整板25zが配置される。なお、図10は本体1の一部縦断面を概略的に示す。図11は図10の一部を拡大して示す。図12は調整板25zの外観を示す。
調整板25zは、案内板25ax,25ay,25bと同じくL字型の鋼板であり、立位部Cが仕切板19の表面に例えば溶接により固定され、平面部(邪魔板部)Dがダクト12内空間に突出する。この調整板25zの取付け位置は、最下部の冷気吹出口7の開口上縁に配置された案内板25ax,25ay,25bの向かい側である。最下部の冷気吹出口7は、図10に示す最下段の棚5Z上の冷却用空間に冷気を吹出す。
案内板25ax,25ay,25bが背面4aの裏面に取付けられるのに対し、調整板25zは仕切板19の表面に取付けられる。案内板25ax,25ay,25bの平面部Bおよび調整板25zの平面部Dが互いに向き合う状態でダクト12内の空間に突出する。
図11に拡大して示すように、調整板25zの平面部Dの上下高さ方向の位置は、案内板25ax,25ay,25bの平面部Bの上下高さ方向の位置よりも、少しだけ高い。なお、調整板25zの平面部Dの上下高さ方向の位置と、案内板25ax,25ay,25bの平面部Bの上下高さ方向の位置とが同じ場合は、調整板25zと案内板25ax,25ay,25bとの間の風路が狭まって通風抵抗が大きくなる。これは好ましくない。
調整板25zの平面部Dの先端縁Dnと、案内板25ax,25ay,25bの平面部Bの先端縁Bmとの間には、冷風の進行を妨げないよう、左右幅方向において所定の間隔が確保される。
蒸発器23と熱交換して低温化した冷気は、ダクト12内を上昇する。上昇する冷気の一部は、最下部の案内板25ax,25ay,25bに衝突することにより、最下部の冷気吹出口7に導かれる。最下部の冷気吹出口7に導かれた冷気は、その最下部の冷気吹出口7から最下段の棚5上の冷却用空間に吹出される。吹出された冷気は、最下段の棚5上の商品を冷却する。
最下部の冷気吹出口7に流入しない残りの冷気は、最下部の案内板25ax,25ay,25bの平面部Bの先端縁Bmと調整板25zの平面部Dの先端縁Dnとの間隙を通って上昇するとともに、一部が調整板25zの平面部Dに衝突する。
調整板25zの平面部Dに衝突した冷気は、流速を落とした後、上記間隙を通って上昇する冷気の流れに合流する。合流後の冷気は、仕切板19の面の方に片寄ることなく、各案内板25ax,25ay,25b側(ダクト12の中央付近)にも流れる。これにより、ダクト12内の冷気は、下から2段目以降の各冷気吹出口7にも効率よく導かれる。
仮に、調整板25zの平面部Dの上下高さ方向の位置が、最下部の案内板25ax,25ay,25bの平面部Bの上下高さ方向の位置よりも低い場合を考えると、蒸発器23を経て上昇する冷気の一部は、先に調整板25zの平面部Dに衝突する。この調整板25zに衝突した後の冷気の流れは、最下部の案内板25ax,25ay,25bが存する方向に向いてしまう。
この場合、冷気の大半が、最下部の最下部の案内板25ax,25ay,25bに沿って最下部の冷気吹出口7に流入してしまう。当然、エアカーテン吹出口10まで導かれる冷風量が減少することになる。このような不具合が生じないよう、調整板25zの平面部Dの上下高さ方向の位置は、案内板25ax,25ay,25bの平面部Bの上下高さ方向の位置よりも、高く設定することが必要である。
調整板25zは、各冷気吹出口7ごとに配置する必要はなく、最下段の冷気吹出口7に対してのみ配置すれば、十分である。すなわち、上記したように、調整板25zを経た冷気は仕切板19の面の方に片寄ることなくダクト12の中央付近を流れるので、下から2段目以降の各冷気吹出口7には、調整板25zがなくても、各案内板25ax,25ay,25bのみで十分な量の冷気を導くことができる。
各冷気吹出口7における案内板25ax,25ay,25bの突出寸法を適切に設定することで、エアカーテン用の十分な量の冷気をエアカーテン吹出口10に導くことができる。
ところで、三面開放形の陳列室4内の各棚5上の商品に対して均一な冷却作用を得るためには、図13に示すように、各冷気吹出口7のサイド吹出部7ax,7ayからの吹出し風量を、各冷気吹出口7のセンタ吹出部7bの吹出し風量よりも、多くする必要がある。
これを実現するべく、図12に示しているように、調整板25zの平面部Dの左右幅方向におけるほぼ中央部に切欠きDiが形成される。そして、平面部Dの前後奥行き方向の突出長さT1、切欠きDiの前後奥行き方向の凹み長さT2、切欠きDiの左右幅方向の寸法Dz、平面部Dにおける切欠きDiを除く部分の左右幅方向の寸法Dx,Dyが適宜に調整される。
この構成により、図13に示すように、各冷気吹出口7のサイド吹出部7ax,7ayからの吹出し風量を、各冷気吹出口7のセンタ吹出部7bの吹出し風量よりも、多くすることができる。全体的には、エアカーテン吹出口10に至る冷気の量の低減を防止しつつ、各冷気吹出口7から吹出される冷気の量を増加できる。
平面部Dの前後奥行き方向の突出長さT1、および切欠きDiの前後奥行き方向の凹み長さT2を適切に設定することにより、案内板25ax,25ayの平面部Bの突出長さTと案内板25bの平面部Bの突出長さTとを異ならせる必要がなくなる。例えば、案内板25ax,25ayの平面部Bの突出長さTと案内板25bの平面部Bの突出長さTとが同じであれば、案内板25ax,25ayおよび案内板25bを共通の1枚の板から折り曲げ形成することが可能となる。
陳列室4に配置される各棚5の具体例を図14および図15に示す。
図14の棚5は、平面視の形状は全体的に矩形であり、特に前面開口部41に近い前面側両角部Gaが面取り加工によって湾曲状いわゆるR状に形成される。図15の棚5は、平面視の形状は全体的に矩形であり、特に前面開口部41に近い前面側両角部Gbが面取り加工によって直線状いわゆるC状に形成される。
これら棚5の形状とエアカーテン吹出口10の形状とを適宜に選定することにより、エアカーテンの気流改善が図れるとともに、各棚5上の商品に対する冷却効率の改善が図れる。
冷気吹出口7、エアカーテン吹出口10、および吸込口13が単なる開口である場合、その冷気吹出口7、エアカーテン吹出口10、および吸込口13に故意または偶然に異物が挿入される可能性がある。仮に、異物が挿入されると、冷気の流れに滞りが生じて、冷却効率の低下してしまう。
対策として、冷気吹出口7、エアカーテン吹出口10、および吸込口13を可能な限り目立たなくするとともに、冷気吹出口7、エアカーテン吹出口10、および吸込口13への異物の挿入を防ぐ必要がある。
そこで、図16に示すように、比較的小径の多数の丸形の通気孔Paが縦横に整然と配列された鋼板51が、冷気吹出口7、エアカーテン吹出口10、吸込口13に配置される。
なお、図17に示すように、比較的小径の多数の丸形の通気孔Pbが千鳥状に配列された鋼板52を、鋼板51に代えて配置してもよい。図18に示すように、比較的小径の多数の楕円形の通気孔Pcが縦横に整然と配列された鋼板53を、鋼板51に代えて配置してもよい。図19に示すように、比較的小径の多数の楕円形の通気孔Pdが縦横に整然と配列された鋼板54を、鋼板51に代えて配置してもよい。図20に示すように、比較的小径の多数の十字形の通気孔Peが縦横に整然と配列された鋼板55を、鋼板51に代えて配置してもよい。各通気孔Pcの長手方向は、本体1の左右幅方向に沿う。各通気孔Pdの長手方向は、本体1の左右幅方向と直交する方向に沿う。
この他、図示していないが、ハニカム構造やメッシュ構造の鋼板を用いてもよい。鋼板に限らず、他の素材の板を用いてもよい。
以上、本体1は、三面開放形の陳列室4を含むとともに、左右幅方向の寸法Faと本体1の前後奥行き方向の寸法Fbとの関係がFa≧Fbである。エアカーテン吹出口10は、左側面開口部42の上縁42aに沿って形成された左サイド吹出部10ax、右側面開口部43の上縁43aに沿って形成された右サイド吹出部10ay、および前面開口部41の上縁41aに沿って形成されたセンタ吹出部10bを含む。陳列室4は、複数段たとえば4段の棚5を備える。各冷気吹出口7は、各棚5上の冷却用空間にそれぞれ臨む。また、各冷気吹出口7は、背面4aの左右幅方向における左端縁部4xに沿って形成された左サイド吹出部7ax、背面4aの左右幅方向における右端縁部4yに沿って形成された右サイド吹出部7ay、背面4aにおいてサイド吹出部7ax,7ayの相互間に形成されたセンタ吹出部7bを含む。
冷気吹出口7から吹出される冷気およびエアカーテン吹出口10から吹出される冷気は、共通の蒸発器23から流出した冷気を用いなければならない。また、冷気吹出口7から吹出される冷気の量が必要以上に多いと、エアカーテン吹出口10から吹出されるエアカーテン用の冷気が本体1の前面より外側に押出されてしまい、エアカーテンを備えた意味がない。さらに、エアカーテン吹出口10から吹降ろされる冷気の量が必要以上に多いと、冷気吹出口7から吹出される冷気の量が減少し、各棚5上の商品に対する冷却効率が低下してしまう。
そこで、各冷気吹出口7およびエアカーテン吹出口10およびから吹出される冷気の全吹出し量において、各冷気吹出口7からの冷気の吹出し量と、エアカーテン吹出口10からの冷気の吹出し量との比を、適切に設定することが重要となる。
考え方として、各冷気吹出口7およびエアカーテン吹出口10およびから吹出される冷気の全吹出し量を一定とした状態で、各冷気吹出口7からの風量とエアカーテン吹出口10からの風量との比率を変化させた場合に、最上段(1段目)の棚5上の商品の温度変化と、最下段(4段目)の棚5上の商品の温度変化を、許容範囲に収めなければならない。
図21は、エアカーテン風量比と陳列室4内の商品温度との関係を示す。
図21における横軸のエアカーテン風量比(%)は、エアカーテン吹出口10から吹出される冷気の量である“エアカーテン風量”と、エアカーテン吹出口10および各冷気吹出口7から吹出される全冷気の量である“全体風量”と、の比(エアカーテン風量/全体風量)である。最下段の棚5の四隅に載置された各商品の平均温度をシミュレーションして求め、求めた複数の値の直線近似を“最下段の商品温度変化”として図21中に右上がりの実線で示している。最上段の棚5の四隅に載置された各商品の平均温度をシミュレーションして求め、求めた複数の値の直線近似を“最上段の商品温度変化”として図21中に右下がりの実線で示している。
一般的に、ショーケースにおける商品温度の適切な基準値は、目標値たとえば7℃を中心とする±2℃の範囲“5℃〜9℃”に設定される。中間段である例えば2段目の棚5上の商品温度は、図21中の“最上段の商品温度変化”に対応する。中間段である例えば3段目の棚5上の商品温度は、図21中の“最下段の商品温度変化”に対応する。
図21中の“最上段の商品温度変化”は、エアカーテン風量比を40%〜85%の範囲で変えようとも、常に上記設定範囲“5℃〜9℃”に収まる。図21中の“最下段の商品温度変化”は、エアカーテン風量比が48%〜78%の範囲に含まれる値であるとき、上記設定範囲“5℃〜9℃”に収まる。
好ましくは、商品温度の変動が目標値7℃を中心とする±1℃の範囲“6℃〜8℃”に収まるように、エアカーテン風量比を55%〜65%の範囲に含まれる値に設定するのが望ましい。
図21のデータから得られる概念として、エアカーテン吹出口10からの冷気の吹出し量が大きければ(エアカーテン風量比が大)、上段側の棚5上の商品に対する冷却が良好となる傾向がある。各冷気吹出口7からの冷気の吹出し量が大きければ(エアカーテン風量比が小)、下段側の棚5上の商品に対する冷却が良好となる傾向がある。
一方、陳列室4内の各棚5のうち、上部2段(最上段および2段目)の棚5上の商品温度は、各冷気吹出口7から吹出される冷気よりも、エアカーテン吹出口10から吹出されるエアカーテン用の冷気の影響を受ける。下部2段(3段目および最下段)の棚5上の商品温度は、エアカーテン用の冷気よりも、各冷気吹出口7から吹出される冷気の影響を受ける。
図22は、エアカーテン吹出口10におけるセンタ風量割合と、陳列室4内の商品温度と、の関係を示す。センタ風量割合とは、エアカーテン吹出口10のセンタ吹出部10bから吹出される冷気の量である“センタ風量”と、エアカーテン吹出口10のサイド吹出部10ax,10ayおよびセンタ吹出部10bから吹出される全冷気の量である“全体風量”と、の比(センタ風量/全体風量)である。
エアカーテンの影響を受け易い上部2段(最上段および2段目)の棚5のそれぞれ四隅に載置された各商品の平均温度をシミュレーションして求め、求めた複数の値を“商品温度変化”として図22中に実線で示している。
上部2段(最上段および2段目)の棚5上の商品温度を目標値たとえば7℃を中心とする±2℃の範囲“5℃〜9℃”に収めるためには、センタ風量割合を31%〜87%の範囲に含まれる値に設定すればよい。
上部2段の棚5上の商品温度は、センタ風量割合が55%のときに最低となり、センタ風量割合がこの55%を境に増加しても減少しても上昇する。センタ風量割合が55%のとき、左サイド吹出部10axおよび右サイド吹出部10ayから吹出される冷気の量は42%となる。
好ましくは、商品温度の変動が目標値7℃を中心とする±1℃の範囲“6℃〜8℃”に収まるように、センタ風量割合を35%〜82%の範囲に含まれる値に設定するのが望ましい。
このようなセンタ風量割合を設定することにより、陳列室4の前面開口部41、左側面開口部42、右側面開口部43に対し、適切な風量のエアカーテンを形成することができる。このエアカーテンより、本体1の外から陳列室4への外部空気の侵入が阻止される。外部空気の侵入を阻止できるので、陳列室4内の商品に対する冷却効率が向上するとともに、陳列室4内の商品への不要な着霜を防ぐことができる。
一方、天井面4bのエアカーテン吹出口10から底面4cの吸込口13に至る風路は、鉛直方向またはその鉛直方向を基準とする±5°の角度の範囲に収まるよう、設定される。この設定により、エアカーテンが崩れ難い安定したものとなる。これにより、陳列室4内への外気の侵入をより確実に防止できるとともに、陳列室4内の商品に対する冷却効率がより高まる。
なお、オープンショーケースの変形例である本体1の外観を図23および図24に示す。図23は本体1の外観を正面から見た図、図24は本体1の外観を側面側から見た図である。
本体1の左側面開口部42に、案内板32が配置される。本体1の右側面開口部43に、案内板33が配置される。
案内板32は、右側面開口部42の全領域のうち、前後奥行き方向における奥側の一部領域を閉塞する。各冷気吹出口7の左サイド吹出部7axから吹出される冷気の流れは、案内板32の内周面に沿って整流される。整流された冷気は、左側面開口部42に沿って効率よくスムーズに流れ、左側面開口部42の外の空気と交わり難い。陳列室4の前後奥行き方向における奥側の空間が案内板32によって隠れてしまうが、隠れる空間は奥側の一部だけである。
案内板33は、右側面開口部43の全領域のうち、前後奥行き方向における奥側の一部領域を閉塞する。各冷気吹出口7の右サイド吹出部7ayから吹出される冷気の流れは、案内板33の内周面に沿って整流される。整流された冷気は、左側面開口部43に沿って効率よくスムーズに流れ、左側面開口部43の外の空気と交わり難い。陳列室4の前後奥行き方向における奥側の空間が案内板33によって隠れてしまうが、隠れる空間は奥側の一部だけである。
このように、案内板32,33を配置することにより、陳列室4内の商品に対する冷却効率をさらに高めることができる。案内板32による左側面開口部42の閉塞は一部だけなので、左側面開口部42を通した陳列室4内の視認性を十分に保つことができるとともに、左側面開口部42からの商品の取出しも容易である。案内板33による右側面開口部43の閉塞は一部だけなので、右側面開口部43を通した陳列室4内の視認性を十分に保つことができるとともに、右側面開口部43からの商品の取出しも容易である。
本体1の他の構成は、上記実施形態と同じである。よって、その説明は省略する。
上記実施形態および変形例は、例として提示したものであり、実施形態および変形例の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態および変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置換え、変更を行うことができる。これら実施形態および変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。