JP6286230B2 - 筒型防振装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車のメンバマウントなどに用いられる筒型防振装置に関するものである。
従来から、自動車のメンバ部材(サブフレームなど)を車両ボデーに防振支持せしめるメンバマウントなどとして、筒型防振装置が一般的に用いられている。筒型防振装置は、インナ軸部材にアウタ筒部材が外挿されて、それらインナ軸部材とアウタ筒部材が、本体ゴム弾性体によって弾性連結された構造を有している。そして、インナ軸部材が車両ボデーとメンバ部材の何れか一方に取り付けられると共に、アウタ筒部材が車両ボデーとメンバ部材の何れか他方に設けられた筒状のホルダに圧入固定されることにより、車両ボデーとメンバ部材を相互に防振連結するようになっている。
ところで、アウタ筒部材は、従来では鉄やアルミニウム合金などの金属で形成されていたが、昨今では軽量化などを目的として、例えば特開2001−74080号公報(特許文献1)などに示されているように、合成樹脂によって形成することも提案されている。このような合成樹脂製のアウタ筒部材は、一般的に、金属製のホルダに対して熱膨張率が大きいことから、温度変化に対する変形量がホルダよりも大きくなる。
しかし、ホルダに圧入固定された状態のアウタ筒部材が、エンジンの発する熱などによって加熱される場合に、合成樹脂製のアウタ筒部材は、熱膨張率が小さい金属製のホルダによって拘束されて、外周側への膨出変形量が制限される。一方、冷却による収縮時には、ホルダによるアウタ筒部材の拘束がなく、アウタ筒部材がホルダよりも大きく収縮変形することから、アウタ筒部材のホルダに対する圧入代が小さくなって、アウタ筒部材のホルダからの抜けが生じる引抜き方向の荷重値(抜け荷重)が低下し、アウタ筒部材のホルダへの固定強度が不十分になるおそれがあった。
なお、特開2005−257011号公報(特許文献2)や特開2012−140974号公報(特許文献3)に示すように、金属製のアウタ筒部材を採用する筒型防振装置において、アウタ筒部材の外周面にゴム層を設ける場合がある。これは、金属製のアウタ筒部材を、車両ボデーとメンバ部材の何れかに設けられた金属製のホルダに圧入固定しようとすると、著しく大きな力で圧入する必要が生じると共に、金属部材同士の接触による損傷なども問題となることから、圧入力の調節や圧入時の損傷の回避などを目的として設けられている。
しかしながら、合成樹脂製のアウタ筒部材の外周面に、特許文献2のような層状のゴム層23を形成しようとすると、本体ゴム弾性体の加硫成形時に、アウタ筒部材の外周面に金型を当接させることができないことから、本体ゴム弾性体の成形圧によってアウタ筒部材が外周側に拡径変形してしまうという不具合がある。一方、環状の嵌着ゴム32を本体ゴム弾性体と一体で且つ相互に独立して複数設けるために、アウタ筒部材に連通孔34を貫通形成する特許文献3の構造は、連通孔34の形成による剛性の低下を避け難く、金属製に比して剛性が小さくなる合成樹脂製のアウタ筒部材には適用し難かった。
特開2001−74080号公報 特開2005−257011号公報 特開2012−140974号公報
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、合成樹脂製のアウタ筒部材において、変形剛性を有効に確保しながら、車両装着状態で温度変化に起因する抜け荷重の低下を軽減乃至は回避することができる、新規な構造の筒型防振装置を提供することにある。
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。
すなわち、本発明の第一の態様は、インナ軸部材に合成樹脂製のアウタ筒部材が外挿されて、それらインナ軸部材とアウタ筒部材が本体ゴム弾性体によって弾性連結されている筒型防振装置において、前記アウタ筒部材の外周面には周方向環状に延びる複数の圧入ゴムが固着されていると共に、それら複数の圧入ゴムと一体形成されて該複数の圧入ゴムを相互に繋ぐ接続ゴムが周上の複数箇所で該アウタ筒部材の外周面に固着されており、それら複数の接続ゴムが該アウタ筒部材の少なくとも一方の軸方向外方において前記本体ゴム弾性体と繋がって一体形成されている一方、周方向に隣り合う該接続ゴムの間には該アウタ筒部材の外周面が露出する当接部が形成されていることを、特徴とする。
このような第一の態様に従う構造とされた筒型防振装置によれば、アウタ筒部材の外周面に圧入ゴムが設けられていることにより、アウタ筒部材のホルダへの装着状態において、圧入ゴムが圧縮されることで、アウタ筒部材において大きな変形を生じることなく、アウタ筒部材のホルダに対する抜け荷重を十分に大きく得ながら、アウタ筒部材の耐久性が確保される。
さらに、樹脂製のアウタ筒部材は、金属製のホルダに対する熱膨張係数の違いによって、一般的には温度変化に対してホルダよりも変形量が大きくなるが、アウタ筒部材がホルダに圧入ゴムを介して間接的に当接した状態で装着されることにより、アウタ筒部材の加熱時の拡径変形が圧入ゴムの弾性変形によって許容される。これにより、アウタ筒部材の加熱時の拡径変形量と冷却後の縮径変形量との差が小さくされて、冷却後の抜け荷重の低下が軽減されることから、ホルダに対するアウタ筒部材の固定力が確保される。
また、複数の圧入ゴムが接続ゴムによって周上の複数箇所で連結されることにより、圧入ゴムの変形剛性が大きくなって、周方向に延びる環状の圧入ゴムが軸方向に倒れ変形し難くなることで、ホルダに対する抜け荷重を効率的に且つ安定して得ることができる。
さらに、複数の圧入ゴムを相互に繋ぐ接続ゴムが、アウタ筒部材の少なくとも一方の軸方向外方において本体ゴム弾性体と一体で繋がっていることから、アウタ筒部材の内周側に形成される本体ゴム弾性体とアウタ筒部材の外周側に形成される圧入ゴムとを、アウタ筒部材に貫通孔を形成することなく一体形成することができる。それ故、金属製に比して強度が小さくなり易い合成樹脂製のアウタ筒部材において、貫通孔の形成による強度低下を防ぐことができて、比較的に薄肉のアウタ筒部材で充分な強度を確保することができる。
更にまた、接続ゴムが周上の複数箇所に設けられていることから、本体ゴム弾性体の加硫成形時に、接続ゴムの形成箇所の周方向間においてアウタ筒部材の外周面を金型で支えて、アウタ筒部材が本体ゴム弾性体の成形圧で外周側に膨出変形するのを防ぐことができる。これにより、アウタ筒部材の外周側において圧入ゴムおよび接続ゴムを形成するキャビティが、所定の形状に安定して維持されて、目的とする圧入ゴムおよび接続ゴムを得ることができる。
本発明の第二の態様は、第一の態様に記載された筒型防振装置において、前記接続ゴムが前記圧入ゴムと直交して軸方向に延びているものである。
第二の態様によれば、圧入ゴムの軸方向への変形が、圧入ゴムと直交する接続ゴムによって、より効果的に制限される。また、圧入ゴムを繋ぐ接続ゴムの長さが短くされることから、圧入ゴムおよび接続ゴムを本体ゴム弾性体と一体形成する際に、圧入ゴムおよび接続ゴムをゴム材料の充填不良を生じることなく、安定して目的とする形状で形成することができる。
本発明の第三の態様は、第一又は第二の態様に記載された筒型防振装置において、前記圧入ゴムが前記接続ゴムよりも外周側に突出しているものである。
第三の態様によれば、ホルダへの装着状態において、環状の圧入ゴムがホルダに対して接続ゴムよりも優先的に当接されることから、圧入ゴムの弾性に基づく抜け力(圧入方向と逆向きの引抜力に対する抗力)を、周上でバランス良く得ることができる。しかも、周上の複数箇所に形成されることで形状にばらつきが生じ易くなる接続ゴムは、圧入ゴムよりも内周側に控えて設けられることから、ホルダへの圧入に要する力(圧入力)や抜け力などに対する接続ゴムの影響が抑えられて、それらの力を容易に周上で均等に設定可能とされる。
本発明の第四の態様は、第一〜第三の何れか一つの態様に記載された筒型防振装置において、三つ以上の前記圧入ゴムが形成されており、それら圧入ゴムが軸方向で等間隔に配置されているものである。
第四の態様によれば、三つ以上の圧入ゴムが軸方向で等間隔に配されることから、アウタ筒部材が軸方向でバランス良くホルダに支持されて、加熱などによってアウタ筒部材が外周側に変形する際に、圧入ゴムの特定の軸方向間において変形量が大きくなるのを防ぐことができて、アウタ筒部材の耐久性の向上が図られる。
本発明の第五の態様は、第一〜第四の何れか一つの態様に記載された筒型防振装置において、前記複数の接続ゴムが周方向で均等に配置されているものである。
第五の態様によれば、環状の圧入ゴムを成形する際に、金型のキャビティにおける接続ゴムの成形部分を通じて、圧入ゴムの成形部分にゴム材料を周方向で均等に充填することにより、ゴム材料の充填不良を防いで、目的とする形状の圧入ゴムを得ることができる。しかも、周上で均等に配された複数の接続ゴムによって、圧入ゴムの軸方向への変形量を周上でバランス良く低減することができて、ホルダに対する抜け力を全周に亘って均等に得易くなる。
本発明によれば、合成樹脂製のアウタ筒部材が圧入ゴムを介してホルダに圧入されることで、温度変化による抜け荷重の低下が軽減される。更に、圧入ゴムを相互に繋ぐ接続ゴムが設けられることにより、圧入ゴムの軸方向への変形による抜け荷重の低下が抑えられると共に、アウタ筒部材に貫通孔を形成することなく、圧入ゴムを本体ゴム弾性体と一体形成できる。しかも、本体ゴム弾性体の成形時に、接続ゴムの形成箇所の周方向間においてアウタ筒部材の外周面を金型で支持することで、成形圧によるアウタ筒部材の変形も防止される。
本発明の一実施形態としてのメンバマウントの斜視図。 図1に示すメンバマウントの縦断面図であって、図3のII−II断面に相当する図。 図2のIII−III断面図。 図2に示すメンバマウントの製造工程を説明する縦断面図であって、図5のIV−IV断面に相当する図。 図4のV−V断面図。 図2に示すメンバマウントの車両装着状態を示す縦断面図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1には、本発明に従う構造とされた筒型防振装置の一実施形態として、自動車用のメンバマウント10が示されている。メンバマウント10は、インナ軸部材12にアウタ筒部材14が外挿されて、それらインナ軸部材12とアウタ筒部材14が、本体ゴム弾性体16によって弾性連結された構造を有している。なお、以下の説明において、上下方向とは、原則として、車両装着状態で略鉛直上下方向となる図2中の上下方向を言う。
より詳細には、インナ軸部材12は、図2,3に示すように、小径の略円筒形状を有する高剛性の部材であって、金属や繊維補強された合成樹脂などで形成されている。
アウタ筒部材14は、インナ軸部材12に比して薄肉大径の略円筒形状を有する筒状部22を備えると共に、筒状部22の下端には外周側に広がる円環状のフランジ部24が一体形成されている。本実施形態のアウタ筒部材14では、筒状部22の内周面における軸方向中間部分に下方に向かって拡径するテーパ面26が形成されており、筒状部22におけるテーパ面26の上側が下側よりも厚肉とされている。
さらに、アウタ筒部材14は、合成樹脂で形成された高剛性の部材とされている。アウタ筒部材14の形成材料は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリアミド(以下、PA)6、PA66等のPA系樹脂全般などが、好適に採用され得る。また、上記の形成材料は、単独で或いは2種以上を組み合わせて採用することができる。更に、上記の合成樹脂材料に、ガラス繊維やカーボンファイバなどの補強繊維を加えて、強度を増すことも可能である。更にまた、アウタ筒部材14の形成材料は、熱硬化性の合成樹脂でも良いが、好適には、成形性などに優れた熱可塑性の合成樹脂が採用される。
そして、インナ軸部材12にアウタ筒部材14の筒状部22が外挿されて、それらインナ軸部材12とアウタ筒部材14が、本体ゴム弾性体16によって相互に弾性連結されている。本体ゴム弾性体16は、厚肉の略円筒形状を有しており、内周面がインナ軸部材12に固着されていると共に、外周面がアウタ筒部材14に固着されている。
さらに、アウタ筒部材14におけるフランジ部24の下面には、複数のストッパゴム28が固着されている。ストッパゴム28は、本体ゴム弾性体16と一体形成されて、略逆向き山形でフランジ部24から下方に向かって突出していると共に、周方向に所定の長さで延びて複数が配されている。なお、フランジ部24は、上下両面および外周面が、何れも、本体ゴム弾性体16と一体形成された被覆ゴム30で覆われており、ストッパゴム28が被覆ゴム30から突出して形成されている。
また、アウタ筒部材14における筒状部22の外周面には、図1〜3に示すように、圧入ゴム32と接続ゴム34が固着されている。
圧入ゴム32は、略一定の断面形状で周方向環状に延びるゴム弾性体であって、本実施形態では、三つの圧入ゴム32,32,32が形成されており、それら三つの圧入ゴム32,32,32が、アウタ筒部材14の軸方向に所定の距離を隔てて、略等間隔で配されている。更に、圧入ゴム32の外周面は、上部が上方に向かって次第に縮径するテーパ形状の案内面36とされていると共に、下部が軸方向に対して傾斜することなく広がる円筒形の圧入面38とされている。なお、三つの圧入ゴム32,32,32の各圧入面38は、互いに略同じ軸方向幅寸法で形成されている。
接続ゴム34は、アウタ筒部材14における筒状部22の外周面に固着されて、外周側に突出するゴム弾性体であって、本実施形態では、筒状部22の軸方向に延びている。そして、周方向に延びる圧入ゴム32と略直交していると共に、三つの圧入ゴム32,32,32と一体形成されて、それら圧入ゴム32,32,32を軸方向で相互に繋いでいる。更に、接続ゴム34は、周方向で相互に離隔して周上の複数箇所に形成されており、本実施形態では、周方向で均等に配置されている。更にまた、周方向に隣り合う接続ゴム34,34の間には、接続ゴム34,34と圧入ゴム32,32で囲まれた当接部40が形成されており、当接部40において筒状部22の外周面が露出している。
さらに、複数の接続ゴム34,34,・・・の突出先端面が、互いに略同じ円筒面上に位置していると共に、圧入ゴム32の突出先端面が、接続ゴム34の突出先端面よりも外周側に突出して位置せしめられている。要するに、複数の接続ゴム34,34,・・・は、互いに略同じ突出寸法とされていると共に、圧入ゴム32よりも突出寸法が小さくされている。また、複数の接続ゴム34,34,・・・の突出先端面は、周方向に略一定の寸法で形成されている。
更にまた、図3に示すように、複数の接続ゴム34,34,・・・の周方向側面は、後述する金型42の取外しを考慮して、それぞれ異なる形状とされている。具体的には、周上に配された複数の接続ゴム34,34,・・・において、図3中の上下中央に位置する一対の接続ゴム34,34を除く接続ゴム34,34,・・・は、図3中の左右外方の側面が、図3中の上下に広がる平面状とされている。なお、図3中の上下中央に位置する左右一対の接続ゴム34,34の両側面は、略図3中の左右方向に広がっている。
そして、三つの圧入ゴム32,32,32が、アウタ筒部材14における筒状部22の外周面に固着されて、軸方向で等間隔に配されていると共に、十八個の接続ゴム34,34,・・・が、筒状部22の外周面に固着されて、突出先端面が周方向で等間隔に位置するように均等に配されている。
さらに、複数の接続ゴム34,34,・・・は、下端がフランジ部24の上面を覆う被覆ゴム30に接続されており、アウタ筒部材14の軸方向外方で被覆ゴム30を介して本体ゴム弾性体16に接続されて、本体ゴム弾性体16と一体形成されている。これにより、三つの圧入ゴム32,32,32が、接続ゴム34,34,・・・を介して本体ゴム弾性体16と繋がっており、それら三つの圧入ゴム32,32,・・・が本体ゴム弾性体16と一体形成されている。
かくの如き構造とされた圧入ゴム32と接続ゴム34は、本体ゴム弾性体16と同時に形成されるようになっている。即ち、図4,5に示すように、金型42に形成されたキャビティ44に、インナ軸部材12とアウタ筒部材14をセットして、金型42の注入孔46を通じてゴム材料をキャビティ44に充填することにより、本体ゴム弾性体16が加硫成形される。なお、図4では、キャビティ44を理解し易くするために、分割金型50a(後述)の端面にもハッチングを付した。
さらに、キャビティ44は、本体ゴム弾性体16の成形部分と、被覆ゴム30およびストッパゴム28の成形部分と、圧入ゴム32および接続ゴム34の成形部分とを、連続して備えている。そして、本体ゴム弾性体16の成形部分に充填されるゴム材料が、アウタ筒部材14の軸方向外方から被覆ゴム30およびストッパゴム28の成形部分と、圧入ゴム32および接続ゴム34の成形部分にも充填されて、被覆ゴム30およびストッパゴム28と、圧入ゴム32および接続ゴム34とが、本体ゴム弾性体16と一体形成される。
このように、アウタ筒部材14の内周に形成される本体ゴム弾性体16と、アウタ筒部材14の外周に形成される圧入ゴム32が、アウタ筒部材14の軸方向外方を回り込む被覆ゴム30と、被覆ゴム30から軸方向に延び出す接続ゴム34とによって、一体形成される。これにより、ゴム材料を回すための貫通孔などをアウタ筒部材14に形成することなく、本体ゴム弾性体16と一体の圧入ゴム32を、アウタ筒部材14の外周面上に形成することができる。
しかも、本実施形態では、接続ゴム34が圧入ゴム32と略直交して軸方向に延びており、各接続ゴム34の長さが短く設定されている。それ故、本体ゴム弾性体16側に充填されるゴム材料をアウタ筒部材14の外周側に導いて圧入ゴム32を形成する際に、ゴム材料の流動経路を短くすることができて、ゴム材料が効率的に充填されることから、圧入ゴム32および接続ゴム34が目的とする形状に成形される。
更にまた、金型42は、接続ゴム34の成形部分の周方向間でキャビティ44内に突出する複数の支持突部48,48,・・・を備えており、金型42にセットされたアウタ筒部材14の外周面に、それら複数の支持突部48,48,・・・が当接している。これにより、本体ゴム弾性体16の成形時に、成形圧によるアウタ筒部材14の外周側への変形が防止される。なお、アウタ筒部材14の外周面における支持突部48の当接部分が、圧入ゴム32および接続ゴム34を外れて露出する当接部40とされている。
なお、本実施形態では、金型42が、図5中の上下に分割される分割金型50a,50bで構成されており、本体ゴム弾性体16の加硫成形後に、分割金型50a,50bが加硫成型品から上下に取り外される。その際、複数の接続ゴム34,34,・・・の周方向側面は、分割金型50a,50bの脱型時にアンダーカットにならない形状とされている(図5参照)。
このようにして形成されたメンバマウント10は、図6に示すように、車両に装着される。即ち、インナ軸部材12が車両ボデー52にボルト固定されると共に、アウタ筒部材14がメンバ部材54のホルダ56に圧入されて取り付けられる。これにより、メンバ部材54が、メンバマウント10を介して、車両ボデー52に防振支持されるようになっている。なお、アウタ筒部材14のフランジ部24と車両ボデー52とが、ストッパゴム28を介して当接することにより、インナ軸部材12とアウタ筒部材14の相対変位量を軸方向一方で制限するバウンドストッパ手段が構成される。更に、インナ軸部材12の上端部分に固定されるストッパ部材58と、メンバ部材54のホルダ56との当接によって、インナ軸部材12とアウタ筒部材14の相対変位量を軸方向他方で制限するリバウンドストッパ手段が構成される。
ここにおいて、アウタ筒部材14は、メンバ部材54のホルダ56に対して、圧入ゴム32を介して圧入されており、アウタ筒部材14とホルダ56の径方向間で圧縮される圧入ゴム32の弾性などに基づいて、アウタ筒部材14がホルダ56内に保持される。本実施形態では、メンバマウント10の車両装着状態において、接続ゴム34もホルダ56の内周面に当接しているが、接続ゴム34の径方向での圧縮変形量は、圧入ゴム32の径方向での圧縮変形量よりも小さくされている。
このように、アウタ筒部材14が直接的にホルダ56の内周面に当接されることなく、圧入ゴム32を介して当接されることにより、ホルダ56への圧入によるアウタ筒部材14の変形量が低減されて、合成樹脂で形成されたアウタ筒部材14の割れなどが防止される。
さらに、圧入ゴム32が接続ゴム34によって補強されて、軸方向への変形を制限されることから、メンバマウント10の車両装着状態において、圧入ゴム32がアウタ筒部材14とホルダ56の間で効率的に圧縮されて、抜け力を大きく得ることができる。特に本実施形態では、圧入ゴム32の外周面が、ホルダ56への圧入先端に向かって縮径する案内面36を備えていることから、メンバマウント10をホルダ56に圧入装着する際に、メンバマウント10がホルダ56の径方向中央に案内されると共に、圧入ゴム32の圧入先端がホルダ56の内周面に引っ掛かるのを防止できる。それ故、メンバマウント10をホルダ56に小さな力で圧入装着可能であると共に、圧入ゴム32の倒れ変形による抜け力の低下が防止される。加えて、接続ゴム34が、圧入ゴム32に対して略直交して、軸方向に延びていることから、圧入ゴム32の軸方向への変形量が効率的に制限される。
更にまた、環状の圧入ゴム32がホルダ56の内周面に強く押し当てられることから、圧入ゴム32の弾性に基づいたホルダ56に対する抜け力が、全周でバランス良く発揮されて、メンバマウント10のホルダ56に対する傾きや、圧入ゴム32の局所的な大変形による耐久性の低下などが回避される。しかも、本実施形態では、接続ゴム34の突出高さが圧入ゴム32よりも小さくされて、接続ゴム34はホルダ56の内周面に弱く当接するに過ぎない。それ故、周上の複数箇所にそれぞれ部分的に設けられる接続ゴム34が、抜け力の周上でのバランスに及ぼす影響も低減される。加えて、接続ゴム34が周方向で均等に配置されていることから、接続ゴム34のホルダ56への当接による径方向の弾性力が、周上で均等に及ぼされる。
さらに、三つの圧入ゴム32,32,32が軸方向で等間隔に形成されて、アウタ筒部材14における筒状部22の上下および中央部分にそれぞれ配されている。これにより、ホルダ56の内周面に押し当てられる圧入ゴム32,32,32の弾性によって、アウタ筒部材14がホルダ56内で傾くのを防いで、メンバマウント10がホルダ56に対して適切な装着状態に保持される。
また、車両装着状態において、アウタ筒部材14の外周側への変形が、圧入ゴム32の弾性変形によって許容されることから、アウタ筒部材14がエンジンの熱などによって加熱されて外周側に変形する際に、膨張率の差に起因するホルダ56での拘束が低減されて、アウタ筒部材14の変形が許容される。これにより、加熱後に常温まで冷却されてアウタ筒部材14が収縮する際に、アウタ筒部材14が加熱時の拡径変形量と略同じ量だけ縮径変形することから、冷却後に抜け荷重が大幅に低下することなく十分に確保される。しかも、アウタ筒部材14とホルダ56の間に圧入ゴム32が介在することから、アウタ筒部材14が元の形状よりも縮径変形したとしても、圧入ゴム32の弾性によって、アウタ筒部材14がホルダ56に対して有効に保持される。
なお、本発明に係るメンバマウント10のホルダ56への装着状態において、加熱および冷却による抜け荷重の低下が抑えられることは、実験によって確認した。即ち、本発明に係るメンバマウント10(実施例)と、圧入ゴム32および接続ゴム34がなく、樹脂製のアウタ筒部材14がホルダ56に直接当接する状態で圧入される従来構造のメンバマウント(比較例)とを準備して、それぞれホルダ56に装着すると共に、500時間以上に亘ってアウタ筒部材14を80℃に加熱した状態で維持した後、常温まで冷却して劣化させた。その結果、比較例のメンバマウントでは、ホルダ56に対する抜け荷重の大幅な低下が確認されたが、実施例のメンバマウント10では、劣化による抜け荷重の低下は殆どなく、劣化前の抜け荷重が略維持された。なお、実施例のメンバマウント10では、比較例のメンバマウントに比して、ホルダ56への圧入に必要な力が大幅に小さく、ホルダ56への装着が容易であることも、実験によって確認された。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、圧入ゴム32の形成数は、あくまでも例示であって、特に限定されるものではない。また、接続ゴム34の形成数も、前記実施形態の具体的な記載によって限定的に解釈されるものではなく、適宜に変更され得る。
前記実施形態では、接続ゴム34の突出先端面が、圧入ゴム32の突出先端面(圧入面38)よりも内周側に控えて位置しているが、これは必須の構成ではなく、例えば、圧入ゴム32の突出先端面と接続ゴム34の突出先端面が、略同じ円筒面上に位置していても良い。
前記実施形態の接続ゴム34は、略軸方向に延びて圧入ゴム32と略直交しているが、例えば、接続ゴム34は、全体或いは部分が軸方向に対して傾斜していても良く、必ずしも全体が軸方向に直線的に延びる形状に限定されない。また、前記実施形態では、何れの接続ゴム34も、上端が上側の圧入ゴム32に接続されていると共に、下端が被覆ゴム30に接続されているが、例えば、周上の一つ乃至は幾つかの接続ゴム34が、隣り合う圧入ゴム32,32の軸方向間に形成されると共に、周上の他の一つ乃至は幾つかの接続ゴム34が、圧入ゴム32と被覆ゴム30の軸方向間に形成されていても良い。即ち、接続ゴム34は、隣り合う圧入ゴム32,32間や圧入ゴム32と被覆ゴム30との間において互いに形状や数が異なっていても良い。
さらに、周上の複数箇所に設けられる接続ゴム34は、分割金型50a,50bの脱型などに際して問題にならなければ、例えば、互いに略同一の軸直断面形状とされていても良い。また、複数の圧入ゴム32は、互いに同一形状であっても良いし、互いに異なる形状とされていても良い。
また、前記実施形態において、周方向に隣り合う接続ゴム34,34の間は、接続ゴム34の成形時に金型42の支持突部48が当接する当接部40とされて、当接部40においてアウタ筒部材14が露出しているが、当接部40においてアウタ筒部材14が薄肉のゴム膜で覆われた構造も採用され得る。即ち、本体ゴム弾性体16の成形時に、本体ゴム弾性体16の成形圧によるアウタ筒部材14の外周側への変形量が十分に小さく制限されれば、支持突部48をアウタ筒部材14の外周面から僅かに離すこともできて、それによって、支持突部48とアウタ筒部材14の間にゴム材料が入り込んで、アウタ筒部材14の当接部40が薄肉のゴム膜で覆われるようにしても良い。
また、本体ゴム弾性体16と接続ゴム34は、アウタ筒部材14の軸方向両側の外方において相互に繋がっていても良い。
また、本発明の適用範囲は、自動車用の筒型防振装置に限定されるものではなく、例えば、自動二輪車や鉄道用車両、産業用車両などに用いられる筒形防振装置にも好適に適用され得る。更に、本発明に係る筒型防振装置は、メンバマウントにのみ適用されるものではなく、エンジンマウントやボデーマウント、デフマウントなどとしても、好適に用いられる。
10:メンバマウント(筒型防振装置)、12:インナ軸部材、14:アウタ筒部材、16:本体ゴム弾性体、30:被覆ゴム、32:圧入ゴム、34:接続ゴム、40:当接部、56:ホルダ

Claims (5)

  1. インナ軸部材に合成樹脂製のアウタ筒部材が外挿されて、それらインナ軸部材とアウタ筒部材が本体ゴム弾性体によって弾性連結されている筒型防振装置において、
    前記アウタ筒部材の外周面には周方向環状に延びる複数の圧入ゴムが固着されていると共に、
    それら複数の圧入ゴムと一体形成されて該複数の圧入ゴムを相互に繋ぐ接続ゴムが周上の複数箇所で該アウタ筒部材の外周面に固着されており、
    それら複数の接続ゴムが該アウタ筒部材の少なくとも一方の軸方向外方において前記本体ゴム弾性体と繋がって一体形成されている一方、
    周方向に隣り合う該接続ゴムの間には該アウタ筒部材の外周面が露出する当接部が形成されていることを特徴とする筒型防振装置。
  2. 前記接続ゴムが前記圧入ゴムと直交して軸方向に延びている請求項1に記載の筒型防振装置。
  3. 前記圧入ゴムが前記接続ゴムよりも外周側に突出している請求項1又は2に記載の筒型防振装置。
  4. 三つ以上の前記圧入ゴムが形成されており、それら圧入ゴムが軸方向で等間隔に配置されている請求項1〜3の何れか一項に記載の筒型防振装置。
  5. 前記複数の接続ゴムが周方向で均等に配置されている請求項1〜4の何れか一項に記載の筒型防振装置。
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