JP6286177B2 - スライドドア用給電構造 - Google Patents

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本発明は、車両本体とスライドドアとに亘って電線を配索して給電するスライドドア用給電構造に関するものである。
従来、自動車の車両本体にスライド自在に支持されたスライドドアが利用されており、このスライドドアには、ドアロックスイッチやウィンドウガラス開閉スイッチ、カーテシランプ等の電子機器が取り付けられている。このため、スライドドアが設けられた車両には、スライドドアに取り付けられた電子機器と車体側に設けられた制御装置等の電子機器とを接続するために、車両本体とスライドドアとに亘って電線(ワイヤハーネス)を配索して給電する給電構造が用いられている。このような給電構造としては、電線を保持するとともに、ドアパネルに回動自在に軸支されて電線の余長吸収方向に付勢されたアーム部材を備えたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
上記のようなアーム部材を有する従来のスライドドア用給電構造について説明する。図10に示すように、従来のスライドドア用給電構造は、スライドドアDのドアパネルPとドアトリムTとの間にあって、回動自在に支持される回動アーム101の先端に電線Wが保持されている。電線Wの車両本体側の一端は、この車両本体側に設けられた固定具102に固定されている。尚、図10は、従来のスライドドアDを車両の内側から見た斜視図である。また、図10の右側が車両前方、左側が車両後方を示すものであり、この図10の左側(車両後方)にスライドドアDがスライド開放されるようになっている。スライドドアDの開放時には、回動アーム101が回動して電線Wを引き上げることで余長分を吸収する。
また、スライドドアDの開放時には、矢印Cが示すように、スライドドアDは、車両の外側に向かって突出しつつ後方へと向かう。このときには、図11に示すように、電線WのうちスライドドアDのドアパネルPとドアトリムTとの間に位置する部分が、矢印C方向へのスライドドアDの突出の際に、ドアトリムTの下端縁を車両本体側へと乗越える。図11は、図10に矢視Vc線で示す断面図である。
特開2009−65814号公報
ところで、上述した従来のスライドドア用給電構造では、スライドドアDの開閉の際に、スライドドアDと電線Wとの位置関係は次のようなものになる。図12は、スライドドアDの開閉の際における、スライドドアDと電線Wとの位置関係を示す模式図である。この図12には、この位置関係が、スライドドアDの、車両のフロア上のスカッフトリムSTと平行な切断面に沿った断面図で示されている。図12(a)には、ある程度開いた状態のスライドドアDが示されている。また、図12(b)には、開放時における突出直後、あるいは全閉直前におけるスライドドアDが示され、図12(c)には全閉状態のスライドドアDが示されている。
図12に示されているように、スライドドアDの開放時には、その開放動作に伴い、スライドドアDにおいて、電線WとドアトリムTとの当接部PAが車両前方へ移動しつつ、電線WとドアトリムTとの当接角度θAが大きくなっていく。逆に、スライドドアDが閉じられる時には、その閉動作に伴い、スライドドアDにおいて当接部PAが車両後方へ移動しつつ当接角度θAが小さくなっていく。
そして、図12(c)に示されている全閉状態への移行の際、あるいは、この全閉状態から開放へと向かう際に、当接角度θAが小さくなって電線WがドアトリムTの下端縁と略平行に延びている際に、その平行に延びている部分がドアトリムTの下端縁に引っ掛かりがちとなる。このように引っ掛かった電線Wには応力が溜まり、その応力がある程度のレベルに達した段階で電線WがドアトリムTの下端縁を一気に乗越えることとなる。そして、このように電線WがドアトリムTの下端縁を一気に乗越えると、その際の電線Wの振動等が、搭乗者の耳に異音として響くという問題がある。
ここで、ドアトリムTの下端縁における車両後方側には、以下に説明する蹴上がり部が設けられている。図13は、ドアトリムTの下端縁に設けられた蹴上がり部を示す図である。この図13に示されているように、車両のフロアにはスカッフトリムSTが設置されており、蹴上がり部Kは、ドアトリムTにおける車両後方側の下端縁が、スカッフトリムSTから離れる上方へと蹴上がり角度θKで立ち上って形成された部分である。
従来、スライドドアDの開閉時における電線WとドアトリムTの下端縁との引っ掛かりを抑えるために、蹴上がり部Kを大きくとって、スカッフトリムSTとドアトリムTとの隙間Arを増大させていることが多い。しかしながら、このような隙間Arの増大には、スライドドアDの見栄えを低下させてしまうという問題がある。
これらの事情に鑑み、本発明は、スライドドアの開閉時に電線の振動等に起因した異音が抑制されるとともに、スライドドアの見栄えを向上させることができるスライドドア用給電構造を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために請求項1に記載のスライドドア用給電構造は、車両本体とスライドドアとに亘って電線を配索して給電するスライドドア用給電構造であって、前記スライドドアの車内側を構成するドアトリムと、前記車両本体に設けられて前記電線の一端側を保持する一端側保持部と、前記スライドドアにおける前記ドアトリムよりも車外側の空間に設けられて前記電線の他端側を保持する他端側保持部と、を備え、前記他端側保持部は、前記スライドドアに直接又は間接に回動自在に支持されて先端部に前記電線を保持する回動アームと、前記電線の余長を吸収する方向に前記回動アームを付勢する付勢手段と、を有して構成され、前記ドアトリムの下端縁には、前記スライドドアがスライド移動される際に、前記下端縁を乗越える前記電線に、該電線に対して傾斜した姿勢で摺接して案内する摺接案内部が形成されており、前記摺接案内部は、前記ドアトリムの下端縁から下方に突出した、その突出方向と交差する方向を厚み方向とした板状の凸部からなり、前記凸部は、前記下端縁側から見たときの平面視で、当該凸部の端縁が前記スライドドアの開放方向に向かって、車外側に傾斜していることを特徴とする。
請求項に記載のスライドドア用給電構造は、車両本体とスライドドアとに亘って電線を配索して給電するスライドドア用給電構造であって、前記スライドドアの車内側を構成するドアトリムと、前記車両本体に設けられて前記電線の一端側を保持する一端側保持部と、前記スライドドアにおける前記ドアトリムよりも車外側の空間に設けられて前記電線の他端側を保持する他端側保持部と、を備え、前記他端側保持部は、前記スライドドアに直接又は間接に回動自在に支持されて先端部に前記電線を保持する回動アームと、前記電線の余長を吸収する方向に前記回動アームを付勢する付勢手段と、を有して構成され、前記ドアトリムの下端縁には、前記スライドドアがスライド移動される際に、前記下端縁を乗越える前記電線に、該電線に対して傾斜した姿勢で摺接して案内する摺接案内部が形成されており、前記摺接案内部は、前記ドアトリムの下端縁が該ドアトリムの面外方向に曲げられた屈曲部からなることを特徴とする。
請求項に記載のスライドドア用給電構造は、請求項記載のスライドドア用給電構造において、前記屈曲部が、車外側又は前記車両本体側に凹んだ凹形曲面であることを特徴とする。
また、請求項4記載のスライドドア用給電構造は、前記屈曲部が、前記車外側又は前記車両本体側に凹んだ、多角形状の平面が折れ曲がって屈折多角形状をなす屈折面であってもよい。
また、請求項4記載のスライドドア用給電構造は、前記屈曲部が、前記ドアパネル側及び前記車両本体側に凹凸した、前記下端縁側から見たときにS字形状をなすS字形曲面であってもよい。
請求項1に記載された発明によれば、ドアトリムの下端縁に、スライドドアがスライド移動される際に、前記下端縁を乗越える前記電線に、該電線に対して傾斜した姿勢で電線に摺接して案内する摺接案内部が形成されているので、スライドドアがスライド移動される際の、ドアトリムの下端縁への電線の引っ掛かりが抑制される。その結果、電線は、ドアトリムの下端縁をスムーズに乗越えることができ、その乗越え時の電線の振動等も抑えられる。これにより、スライドドアの開閉時に電線の振動等に起因した異音が抑制されることとなる。また、電線の引っ掛かりが抑制されることから、その分、上述した蹴上がり部を小さくすることができる。その結果、車両のフロア上のスカッフトリムとドアトリムとの隙間が抑えられ、延いては、スライドドアの見栄えが向上されることとなる。
また、請求項に記載された発明によれば、摺接案内部が、ドアトリムの下端縁から下方に突出した凸部からなるので、電線との摺接面積が小さく、摺接案内部は、電線によるドアトリムの下端縁の乗越えを一層スムーズに案内することができる。
また、請求項に記載された発明によれば、上記の凸部が、下端縁側から見たときに、スライドドアの開放方向に向かって、車外側に傾斜しているので、この凸部からなる摺接案内部は、電線に対して傾斜した状態でこの電線に摺接する。このため、仮に電線がドアトリムの下端縁に対して平行となった姿勢でこの下端縁を乗り越えようとしても、上記の凸部からなる摺接案内部によって電線の引っ掛かりが抑制され、延いては、電線によるドアトリムの下端縁の乗越えが一層スムーズに案内されることとなる。
請求項に記載された発明によれば、摺接案内部は、ドアトリムの下端縁が、ドアトリムの面外方向に曲げられた屈曲部からなるので、この屈曲部からなる摺接案内部は、電線に対して傾斜した下縁でこの電線に摺接する。このため、仮に電線がドアトリムの下端縁に対して平行となった姿勢でこの下端縁を乗り越えようとしても、上記の屈曲部からなる摺接案内部によって電線の引っ掛かりが抑制され、延いては、電線によるドアトリムの下端縁の乗越えが一層スムーズに案内されることとなる。
請求項に記載された発明によれば、上記の屈曲部が、車外側又は車両本体側に凹んだ凹形曲面であるので、この屈曲部からなる摺接案内部は、カーブを描いた下縁で電線に摺接する。これにより、摺接案内部は電線を滑らかに案内することができ、延いては、電線によるドアトリムの下端縁の乗越えを一層スムーズに案内することができる。
また、屈曲部が、車外側又は車両本体側に凹んだ、多角形状の平面が折れ曲がって屈折多角形状をなす屈折面となっているスライドドア用給電構造では、この屈曲部からなる摺接案内部は、電線に対して直線状に傾斜した下縁で電線に摺接する。これにより、電線と摺接案内部との接触面積が小さくなり、摺接案内部は、電線によるドアトリムの下端縁の乗越えを一層スムーズに案内することができる。
また、屈曲部が、車外側及び車両本体側に凹凸した、下端縁側から見たときにS字形状をなすS字形曲面となっているスライドドア用給電構造では、この屈曲部からなる摺接案内部は、スライドドアの開放時には車外側に突出した部分で電線に摺接し、スライドドアが閉じられる時には車両本体側に突出した部分で電線に摺接する。これにより、開閉何れの場合にも、摺接案内部は、同じように傾斜した状態で電線に摺接してスムーズに案内することができる。
第1実施形態のスライドドアを車両の内側から見た斜視図である。 図1に示されているドアトリムの下端縁に設けられた凸部状の摺接案内部を拡大して示す図である。 図1に示されているスライドドアの開放の初めの段階で、このスライドドアが車両の外側へと突出しながら後方へと向かっている状態を示す図である。 ドアトリムの下端縁に設けられた蹴上がり部を示す図である。 第2実施形態における全閉状態のスライドドアを車両の内側から見た斜視図である。 図5に示されているドアトリムの下端縁に設けられた摺接案内部を拡大して示す図である。 図5に示されているスライドドアの開放の初めの段階で、このスライドドアが車両の外側へと突出しながら後方へと向かっている状態を示す斜視図である。 摺接案内部の第1の別例を示す図である。 摺接案内部の第2の別例を示す図である。 従来のスライドドアを車両の内側から見た斜視図である。 図10に矢視Vc線で示す断面図である。 スライドドアの開閉の際における、スライドドアと電線との位置関係を示す模式図である。 ドアトリムの下端縁に設けられた蹴上がり部を示す図である。
本発明の第1実施形態に係るスライドドア用給電構造を図1〜図3を用いて説明する。本実施形態のスライドドア用給電構造1は、例えば、車両本体側に設けられた電子機器と、スライドドアDに取り付けられた電子機器と、を接続するために車両本体とスライドドアDとに亘って電線Wを配索するとともに、スライドドアDに設けられた電子機器に給電するためのものである。スライドドアDは、ドアパネルPとしての金属製のドアアウタパネルP1及びドアインナパネルP2と、このドアインナパネルP2の車内側に対向して設けられる合成樹脂製のドアトリムTと、を有して構成されている。また、電線Wは、複数の電線からなり端末にコネクタが取り付けられたワイヤハーネスと、このワイヤハーネスを覆って保護する外装部材(例えば、コルゲートチューブ)と、を含んで構成されている。
スライドドア用給電構造1は、車両本体に設けられて電線Wの一端側を保持する一端側保持部2と、ドアパネルPとドアトリムTとの間に設けられて電線Wの他端側を保持する他端側保持部3と、を備えて構成されている。尚、図1は、第1実施形態のスライドドアDを車両の内側から見た斜視図である。また、図1は、スライドドアDの全閉状態を示すとともに、図1の右側が車両前方、左側が車両後方を示すものであり、この全閉状態から図の左側(車両後方)にスライドドアDがスライド開放されるようになっている。図2は、図1に示されているドアトリムTの下端縁11に設けられた凸部状の摺接案内部4を拡大して示す図である。図2(a)には、ドアトリムTの下端縁11に設けられた凸部状の摺接案内部4を、この下端縁11側から見た拡大図が示されており、図2(b)は、その図2(a)中の矢視Va線で示す断面図である。また、図3は、図1に示されているスライドドアDの開放の初めの段階で、このスライドドアDが車両の外側へと突出しながら後方へと向かっている状態を示す図である。図3(a)は、この段階におけるスライドドアDの斜視図であり、図3(b)には、この段階における摺接案内部4と電線Wとの、ドアトリムTの下端縁11側から見た位置関係が示されている。
一端側保持部2は、車両本体におけるフロア近傍に設けられ、電線Wの一端部を搖動自在に保持するとともに、この電線Wを制御装置等の電子機器に向かって挿通させている。この一端側保持部2は、例えば、車両本体に固定されるアウター部材と、このアウター部材に回転自在に支持されるインナー部材と、を有したものが利用でき、インナー部材に電線Wが保持されるとともに、この電線Wがアウター部材に挿通されて制御装置等に接続されている。
他端側保持部3は、ドアインナパネルP2に固定されるベース31と、このベース31に回動自在に支持される第1回動アーム32と、第1回動アーム32の先端に回動自在に支持される第2回動アーム33と、第2回動アーム33の先端部に設けられて電線Wを保持する先端保持部34と、第1回動アーム32の軸部に内蔵されてベース31に対して第1回動アーム32を付勢する付勢手段としてのねじりコイルばね(不図示)と、を有して構成されている。このねじりコイルばねは、図1における反時計回りに第1回動アーム32を付勢しており、即ち、図1に示すスライドドアDの全閉状態において、ねじりコイルばねによって第1回動アーム32が反時計回りに付勢され、電線Wにテンションが作用し、スライドドアDが開放されるにつれて、垂れ下がろうとしてテンションが低下する電線Wに対し、ねじりコイルばねによって第1回動アーム32が反時計回りに回動し、この回動によって電線Wを引き上げる。このように他端側保持部3は、ねじりコイルばねで付勢された第1回動アーム32によって電線Wの余長を吸収し、電線Wの垂れ下がりを防止するように機能するものである。
ここで、スライドドアDの開放時には、図3(a)中の矢印Aが示すように、スライドドアDは、車両の外側に向かって突出しつつ後方へと向かう。そして、この時には、電線WのうちスライドドアDのドアパネルPとドアトリムTとの間に位置する部分が、矢印A方向へのスライドドアDの突出の際に、ドアトリムTの下端縁11を車両本体側へと乗越える。
本実施形態のスライドドア用給電構造1では、ドアトリムTの下端縁11に、電線Wの、ドアトリムTの下端縁11の乗越えを、この電線Wに摺接して案内する、摺接案内部4が形成されている。この摺接案内部4は、ドアトリムTの下端縁11から下方に突出した円弧状の凸部からなり、図1及び図2に示されているように、下端縁11側から見たときに、スライドドアDの開放方向(即ち、前方から後方)に向かって、ドアパネルP側に傾斜している。
本実施形態のスライドドア用給電構造1によれば、ドアトリムTの下端縁11に形成された摺接案内部4の摺接による乗越えの案内によって、スライドドアDがスライド移動される際の、ドアトリムTの下端縁11への電線Wの引っ掛かりが抑制される。その結果、電線Wは、ドアトリムTの下端縁11をスムーズに乗越えることができ、その乗越え時の電線Wの振動等も抑えられる。これにより、スライドドアDのこの開放時に電線Wの振動等に起因した異音が抑制されることとなる。
スライドドアDが閉じられるときには、図1に示されている全閉状態へと至る直前に、スライドドアDは、車両の前方へと向かいつつ車両の内側に向かって突出する。この時には、電線Wは、ドアトリムTの下端縁11をドアパネルP側へと乗越える。この際にも、摺接案内部4の摺接による乗越えの案内によって、ドアトリムTの下端縁11への電線Wの引っ掛かりが抑制され、延いては、スライドドアDが閉じられる時の電線Wの振動等に起因した異音も抑制されることとなる。
ここで、ドアトリムTの下端縁11における車両後方側には、以下に説明する蹴上がり部が設けられている。図4は、ドアトリムTの下端縁11に設けられた蹴上がり部を示す図である。この図4に示されているように、車両のフロアにはスカッフトリムSTが設置されており、蹴上がり部Kは、ドアトリムTにおける車両後方側の下端縁11が、スカッフトリムSTから離れる上方へと蹴上がり角度θKで立ち上って形成された部分である。
この蹴上がり部Kは、電線Wの、ドアトリムTの下端縁11の乗越えを助ける役割を果たすが、本実施形態によれば、上述したように電線Wの引っ掛かりが抑制されることから、例えば図13に示されている従来のスライドドアDにおける蹴上がり部Kに比べて、本実施形態における蹴上がり部Kを小さくすることができる。その結果、車両のフロア上のスカッフトリムSTとドアトリムTとの隙間Arが抑えられ、延いては、スライドドアDの見栄えが向上されることとなる。
また、摺接案内部4が、ドアトリムTの下端縁11から下方に突出した円弧状の凸部からなるので、電線Wとの摺接面積が小さく、摺接案内部4は、電線WによるドアトリムTの下端縁11の乗越えを一層スムーズに案内することができる。
さらに、凸部からなる摺接案内部4が、スライドドアDの開放方向に向かって、ドアパネルP側に傾斜しているので、この摺接案内部4は、電線Wに対して傾斜した状態でこの電線Wに摺接する。このため、仮に電線WがドアトリムTの下端縁11に対して平行となった姿勢でこの下端縁11を乗り越えようとしても、傾斜した摺接案内部4によって電線Wの引っ掛かりが抑制され、延いては、電線WによるドアトリムTの下端縁11の乗越えが一層スムーズに案内されることとなる。
尚、本実施形態では、凸部からなる摺接案内部の一例として、円弧状の凸部からなる摺接案内部4が例示されている。しかしながら、この凸部の形状は、円弧状に限るものではなく、三角形等の多角形状等であってもよい。また、本実施形態では、図2に示されているように下端縁11側から見たときに直線状となる平板形状の凸部からなる摺接案内部4が例示されている。しかしながら、この凸部の形状は、このような平板形状に限るものではなく、下端縁11側から見たときに曲線状となる湾曲板形状等であってもよい。
また、本実施形態では、凸部からなる摺接案内部の一例として、ドアトリムTの下端縁11に1個だけ設けられた凸部からなる摺接案内部4が例示されている。しかしながら、摺接案内部をなす凸部の個数は1個に限るものではなく、摺接案内部は、ドアトリムTの下端縁11に並べて設けられた複数個の凸部からなるものであってもよい。
次に、本発明の第2実施形態に係るスライドドア用給電構造を図5〜図7を用いて説明する。尚、この第2実施形態は、摺接案内部のみが、上述した第1実施形態と異なっている。そこで、以下では、第2実施形態について、この第1実施形態との相違点である摺接案内部に注目した説明を行う。
図5は、第2実施形態のスライドドアDを車両の内側から見た斜視図である。また、図5は、スライドドアDの全閉状態を示すとともに、図5の右側が車両前方、左側が車両後方を示している。図6は、図5に示されているドアトリムTの下端縁11に設けられた摺接案内部6を拡大して示す図である。図6(a)には、ドアトリムTの下端縁11に設けられた摺接案内部6を、この下端縁11側から見た拡大図が示されており、図6(b)は、その図6(a)中の矢視Vb線で示す断面図である。また、図7は、図5に示されているスライドドアDの開放の初めの段階で、このスライドドアDが車両の外側へと突出しながら後方へと向かっている状態を示す斜視図である。尚、これら図5〜図7では、図1〜図3に示されている第1実施形態のスライドドア用給電構造1の構成要素と同等な構成要素については、これら図1〜図3と同じ符号が付されており、以下では、これら同等な構成要素についての重複説明を省略する。
第2実施形態のスライドドア用給電構造5では、摺接案内部6は、ドアトリムTの下端縁11が、ドアトリムTの面外方向に曲げられた屈曲部からなる。そして、この摺接案内部6では、この屈曲部が、ドアパネルP側に凹んだ凹形曲面となっている。
このスライドドア用給電構造5によれば、凹形曲面の屈曲部からなる摺接案内部6が、図7に示されているように、電線Wに対して傾斜した下縁でこの電線Wに摺接する。このため、仮に電線WがドアトリムTの下端縁11に対して平行となった姿勢でこの下端縁11を乗り越えようとしても、摺接案内部6によって電線Wの引っ掛かりが抑制され、延いては、電線WによるドアトリムTの下端縁11の乗越えがスムーズに案内されることとなる。その結果、上述した第1実施形態と同様に、スライドドアDが閉じられる時の電線Wの振動等に起因した異音が抑制されることとなる。また、ここまで、第2実施形態のスライドドア用給電構造5について、スライドドアDの開放時における異音の抑制を説明したが、スライドドアDが閉じられるときにも、電線Wに対して傾斜した下縁でこの電線Wに摺接する摺接案内部6によって電線Wの引っ掛かりが抑制され、異音が抑制されることは言うまでもない。そして、蹴上がり部K(図4参照)を小さくして車両のフロア上のスカッフトリムSTとドアトリムTとの隙間Arを抑え、スライドドアDの見栄えを向上できる点についても、第1実施形態と同様である。
さらに、摺接案内部6をなす屈曲部が凹形曲面であるので、摺接案内部6は、カーブを描いた下縁で電線Wに摺接する。これにより、摺接案内部6は電線Wを滑らかに案内することができ、延いては、電線WによるドアトリムTの下端縁11の乗越えを一層スムーズに案内することができる。
尚、本実施形態では、凹形曲面からなる摺接案内部の一例として、ドアパネルP側に凹んだ凹形曲面からなる摺接案内部6が例示されている。しかしながら、摺接案内部をなす凹形曲面は、車両本体側に突出した凹形曲面であってもよい。
ここで、電線Wに対して傾斜した下縁でこの電線Wに摺接する、屈曲部からなる摺接案内部としては、上述した凹形曲面からなる摺接案内部6に限るものではなく、以下に説明する別例も挙げられる。
図8は、摺接案内部の第1の別例を示す図である。図8(a)には、第1の別例の摺接案内部7の斜視図が示されており、図8(b)には、ドアトリムTの下端縁11側から見た摺接案内部7が示されている。
この第1の別例の摺接案内部7は、この摺接案内部7をなす屈曲部が、ドアパネルP側に凹んだ、三角形状の平面が折れ曲がって屈折多角形状をなした屈折面となっている。この摺接案内部7は、電線Wに対して直線状に傾斜した下縁でその電線Wに摺接する。これにより、電線Wと摺接案内部7との接触面積が小さくなり、摺接案内部7は、電線WによるドアトリムTの下端縁11の乗越えを一層スムーズに案内することができる。
尚、このような屈折多角形状の屈曲部からなる摺接案内部の形状も、この図8に示されているようにドアパネルP側に凹んだ形状に限るものではなく、車両本体側に突出した形状であってもよい。
図9は、摺接案内部の第2の別例を示す図である。図9(a)には、第2の別例の摺接案内部8の斜視図が示されており、図9(b)には、ドアトリムTの下端縁11側から見た摺接案内部8が示されている。
この第2の別例の摺接案内部8は、この摺接案内部8をなす屈曲部が、ドアパネルP側及び車両本体側に凹凸した、ドアトリムTの下端縁11側から見たときにS字形状をなすS字形曲面となっている。このような屈曲部からなる摺接案内部8は、スライドドアDの開放時にはドアパネルP側に突出した部分で電線Wに摺接し、スライドドアDが閉じられる時には車両本体側に突出した部分で電線Wに摺接する。これにより、開閉何れの場合にも、摺接案内部8は、同じように傾斜した状態で電線Wに摺接してスムーズに案内することができる。
尚、前述した各実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、各実施形態のスライドドア用給電構造1、5では、他端側保持部3のベース31がスライドドアDのドアインナパネルP2に固定されていたが、ベース31は、ドアトリムTに固定されていてもよい。また、前記実施形態では、スライドドアDの全閉時に第1回動アーム32が下方に回動し、付勢手段(ねじりコイルばね)から最大の付勢力が第1回動アーム32に作用する構成であったが、これに限らず、スライドドアDの全開時に第1回動アーム32が付勢手段の付勢力に抗して回動するものであってもよい。即ち、図1、4に示す他端側保持部3の状態がスライドドアDの全開時のものであってもよい。
1,5 スライドドア用給電構造
2 一端側保持部
3 他端側保持部
4,6,7,8 摺接案内部
11 下端縁
31 ベース
32 第1回動アーム
33 第2回動アーム
34 先端保持部
D スライドドア
P ドアパネル
T ドアトリム
W 電線

Claims (3)

  1. 車両本体とスライドドアとに亘って電線を配索して給電するスライドドア用給電構造であって、
    前記スライドドアの車内側を構成するドアトリムと、
    前記車両本体に設けられて前記電線の一端側を保持する一端側保持部と、
    前記スライドドアにおける前記ドアトリムよりも車外側の空間に設けられて前記電線の他端側を保持する他端側保持部と、を備え、
    前記他端側保持部は、前記スライドドアに直接又は間接に回動自在に支持されて先端部に前記電線を保持する回動アームと、前記電線の余長を吸収する方向に前記回動アームを付勢する付勢手段と、を有して構成され、
    前記ドアトリムの下端縁には、前記スライドドアがスライド移動される際に、前記下端縁を乗越える前記電線に、該電線に対して傾斜した姿勢で摺接して案内する摺接案内部が形成されており、
    前記摺接案内部は、前記ドアトリムの下端縁から下方に突出した、その突出方向と交差する方向を厚み方向とした板状の凸部からなり、
    前記凸部は、前記下端縁側から見たときの平面視で、当該凸部の端縁が前記スライドドアの開放方向に向かって、車外側に傾斜していることを特徴とするスライドドア用給電構造。
  2. 車両本体とスライドドアとに亘って電線を配索して給電するスライドドア用給電構造であって、
    前記スライドドアの車内側を構成するドアトリムと、
    前記車両本体に設けられて前記電線の一端側を保持する一端側保持部と、
    前記スライドドアにおける前記ドアトリムよりも車外側の空間に設けられて前記電線の他端側を保持する他端側保持部と、を備え、
    前記他端側保持部は、前記スライドドアに直接又は間接に回動自在に支持されて先端部に前記電線を保持する回動アームと、前記電線の余長を吸収する方向に前記回動アームを付勢する付勢手段と、を有して構成され、
    前記ドアトリムの下端縁には、前記スライドドアがスライド移動される際に、前記下端縁を乗越える前記電線に、該電線に対して傾斜した姿勢で摺接して案内する摺接案内部が形成されており、
    前記摺接案内部は、前記ドアトリムの下端縁が該ドアトリムの面外方向に曲げられた屈曲部からなることを特徴とするスライドドア用給電構造。
  3. 前記屈曲部が、車外側又は前記車両本体側に凹んだ凹形曲面であることを特徴とする請求項記載のスライドドア用給電構造。
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