まず、本実施の形態に係わる携帯端末を適用したOES(Order Entry System)1の構成について説明する。
図1は、本実施の形態におけるOES1を構成する各装置を示す模式図である。図1に示すように、OES1は、一又は複数の携帯端末10、サーバ端末100、無線端末200、プリンタ300等から構成される。携帯端末10は、無線端末200との無線通信を介して、サーバ端末100または他の携帯端末10と互いにデータ送受信可能に接続される。サーバ端末100は、ネットワークNを介して、無線端末200及びプリンタ300と接続される。携帯端末10には、タッチペンPからの各種指示入力が可能である。
携帯端末10は、フロアーの店員及び厨房の店員(以降、単にユーザという。)の双方が使用するものであって、電源が投入された際に表示される表示画面からの入力により、「フロアー機能」(第一のモード)と「厨房機能」(第二のモード)を選択することができる。フロアー機能とは、OES1を導入している店舗の接客に関するフロアー業務の際に使用されるものである。フロアー機能が選択されている状態では、携帯端末10をユーザが把持している向きに応じて、表示部13に表示される画面や、タッチパネル14等から入力できる命令が異なる。本実施の形態においては、ユーザが携帯端末10を把持した際に、携帯端末10の短辺がユーザの手前側に来る向きを「縦」(縦配置)、携帯端末10の長辺がユーザの手前側に来る向きを「横」(横配置)とする。
詳細は後述するが、フロアー機能が選択されている状態において、携帯端末10を縦にすると、店舗(フロアー)の見取り図(第一の表示画面)を表示部13に表示させたり、新たにメニューを登録したりすることができる。
一方、フロアー機能が選択されている状態において、携帯端末10を横にすると、タッチペンPによる手書き入力を受け付ける手書き入力画面(第二の表示画面)を表示部13に表示させたり、この手書き入力された文字に基づいてメニューを検索したりすることができる。
他にも、フロアー機能においては、オーダーのキャンセル処理、オーダーの確認処理等を行うことができる。
厨房機能とは、OES1を導入している店舗の厨房における調理等の業務の際に使用されるものである。厨房機能が選択されている状態において、携帯端末10を縦にすると、調理すべきものの一覧(第三の表示画面)を表示部13に表示させたりすることができる。この一覧に表示されたものは、タッチパネル14等からの入力により調理順を変更したり、調理が完了したものを一覧から消去したりすることができる。
一方、厨房機能が選択されている状態において、携帯端末10を横にすると、タッチペンPによる手書き入力を受け付ける手書き入力画面(第四の表示画面)を表示部に表示させたり、他の携帯端末10に対してメッセージを送信するための画面が表示される。
なお、携帯端末10において使用できる機能は、予め記憶部12に記憶された機能であればよく、上記の例に限られない。例えば、フロアー機能や厨房機能を使用可否等を、携帯端末10を使用するユーザ毎に設定可能としてもよい。ユーザは、使用不可と設定された機能を使用することができない。他にも、飲食店以外の店舗でOES1が使用される場合、例えば、イベントスペースにおいてOES1が使用される際には荷物の集配機能等が使用されてもよい。
図1に戻り、サーバ端末100は、CPUやメモリを備えた一般的なPC(Personal Computer)等であり、図示しないメモリには、商品ファイルF1、オーダー管理ファイルF2、メッセージ情報管理ファイルF31〜F33、担当者情報ファイルF4等(それぞれの詳細は後述)が記憶される。図1においては、サーバ端末100は1台であるが、同様の機能を有するサーバ端末100がネットワークNを介して複数台接続されていてもよい。
無線装置200は、無線LANルータ・アクセスポイント等から構成され、各携帯端末10間のデータ送受信や、携帯端末10とサーバ端末100のデータ送受信を行う。
プリンタ300は、サーバ端末100の制御により、厨房で調理すべき商品の一覧や各種帳票を印刷する。
図2は、本実施の形態における携帯端末10のブロック図である。図2に示すように、携帯端末10は、CPU(Central Processing Unit)11、記憶部12、表示部13、タッチパネル14、電源部15、通信部16、LED(Light Emitting Diode)17、メッセージ表示釦18、加速度センサ19、音声出力部20、音声入力部21、RFID(Radio Frequency Identification)入力部22等から構成され、各部はバス23によって接続されている。
CPU11は、記憶部12に記憶された制御プログラムに従って、携帯端末10を構成する各部を統括的に制御する。
記憶部12は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体としての不揮発性の半導体メモリやRAM(Random Access Memory)等により構成され、CPU11によって実行される各種制御プログラム、後述する各処理を実行するためのプログラム及びこれらのプログラムの実行に必要なパラメータ、後述する商品ファイルF11、オーダー管理ファイルF12、メッセージ情報管理ファイルF131〜F133、担当者情報ファイルF14、端末状態仕様ワークエリアF15、調理商品管理ファイルF16、携帯端末10に一意に割り当てられた端末番号等を記憶する。記憶部12に記憶された各種プログラムは、実行される際に、一時的に記憶部12のRAMに作成されたワークエリアに展開される。また、記憶部12は、OES1が使用されるフロアーの見取り図データを記憶する。フロアー見取り図データには、テーブルと座席の位置情報が付帯されている。
表示部13は、LCD(Liquid Crystal Display)等から構成される。表示部13は、CPU11からの制御信号に基づいて各種表示を行う。
タッチパネル14は、抵抗膜方式、超音波表面弾性波方式、静電容量方式等の方式により、表示部13上における接触位置の座標を検出し、検出した座標を示す信号をCPU11に対して入力する。タッチパネル14は、表示部13と一体となって設けられている。
表示部13に表示された各種操作画面においてタッチパネル14から入力を行うことにより、オーダー入力や会計処理入力ができる。
電源部15は、リチウム電池等からなるバッテリー、電源制御回路からなる電源制御部、電源のON/OFFを切り替えるための電源スイッチ等から構成され、携帯端末10の各部に電力を供給する。
通信部16は、無線LANカード等から構成され、CPU11の制御により、無線装置200を介してサーバ端末100や他の携帯端末10に対して各種データを送信する。
LED17は、発光ダイオード等から構成され、CPU11の制御により、電源部15から電力が供給されて発光する。
メッセージ表示釦18は、通信部16を介して他の携帯端末10又はサーバ端末100から受信したメッセージを表示するための釦である。メッセージ表示釦18が押下されると、押下された旨を示す信号をCPU11に対して入力する。
加速度センサ19は、3軸加速度センサから構成され、3次元空間を構成する3軸の加速度を検出することができる。加速度センサ19は、携帯端末10を縦/横にした際における携帯端末10の直線変位又は回転変位を検出する。この検出された信号を、CPU11に対して送信する。CPU11は、この信号に基づいて、携帯端末10の縦/横を判断する。CPU11は、この判断結果を、後述する端末状態仕様ワークエリアF15の縦横情報に格納する。
なお、携帯端末10の縦/横を識別する方法は、公知の様々な方法を適用可能である。例えば、加速度センサ19に代えて、携帯端末10に接続された図示しないカメラにおいて順次画像を撮影し、これら順次撮影された画像のずれから携帯端末10の直線変位又は回転変位を検出するようにしてもよい。
音声出力部20は、通信部16を介して受信した音声信号に基づいて音声を発するスピーカー等から構成される。音声入力部21は、マイク等から構成され、入力された音声をデジタル変換してCPU11に対して入力する。
RFID入力部22は、フロアーに備えられたアンテナや商品に取り付けられたタグとの間でRFID(Radio Frequency IDentification)通信を行う。
なお、携帯端末10は、上記構成に限られず、カーソルキーや十字キー等から構成されるテンキー等を備えていてもよい。
次に、サーバ端末100に記憶される各ファイルのデータ構造について説明する。
図3は、サーバ端末100に記憶される商品ファイルF1のデータ構造例である。商品ファイルF1は、店舗で取り扱う商品に関する情報を格納して管理を行うためのものである。商品ファイルF1は、サーバ端末100に備えられたキーボードからの入力や携帯端末10から送信された情報に基づいてデータが格納される。商品ファイルF1は、図3に示すように、商品を一意に識別するための商品コード、商品の名称である商品名、商品一個あたりの価格である商品単価、オーダーされた商品を表示すべき携帯端末10の端末番号を格納する携帯端末調理出力設定、商品をプリンタ300において印刷する際の各種印字設定であるその他印字用端末出力設定等から構成される。
図4は、サーバ端末100に記憶されるオーダー管理ファイルF2のデータ構造例である。オーダー管理ファイルF2は、携帯端末10を操作して受け付けたオーダーに関する各種データを格納するものである。オーダー管理ファイルF2は、携帯端末10からサーバ端末100に対してオーダーが送信される度にデータが格納される。オーダー管理ファイルF2は、図4に示すように、各オーダーに一意に割り当てられた一連番号であるチェックNo、テーブル客ごとのオーダー回数、オーダーした商品に関する各種情報が含まれる商品情報等から構成される。商品情報は、例えば、商品コード、商品名、商品単価、オーダーされた商品の個数である登録個数、オーダーした客を識別するための該当テーブル・イス情報、タッチペンPによって入力された商品名が格納される手書き商品名、タッチペンPから入力されたメモが商品に付帯された場合の付帯メモ情報、携帯端末調理出力情報、その他印字用端末出力情報、商品の状態(調理中や調理完了等)を示す調理状態、オーダーが入力された時間を示す登録時間等が含まれる。なお、手書き商品の場合には、商品名は空白(ブランク)とする。以降においても同様である。
サーバ端末100に記憶されるメッセージ情報管理ファイルは、メッセージ情報管理ファイルF31〜F33から構成される。メッセージ情報管理ファイルは、各携帯端末10において送信されたメッセージを格納するためのものである。携帯端末10からメッセージがサーバ端末100に対して送信される度に、メッセージ情報管理ファイルF31〜F33にはデータが格納される。なお、携帯端末10が送信したメッセージが、他の携帯端末10に対するメッセージである場合には、メッセージを送信した携帯端末10以外の携帯端末10が、サーバ端末100からメッセージを受信する場合がある。例えば、厨房において操作されている携帯端末10から、フロアーにおいて操作されている携帯端末10に対して、オーダーされた商品に関する質問のメッセージが送信された場合、サーバ端末100は、質問相手の携帯端末10に対してメッセージを送信する。
図5は、サーバ端末100に記憶されるメッセージ情報管理ファイルF31のデータ構造例である。メッセージ情報管理ファイルF31は、厨房に対するオーダー内容の質問や返事に関するメッセージを格納するためのものである。メッセージ情報管理ファイルF31は、図5に示すように、各メッセージに連番に割り当てられたメッセージNo、メッセージの未読状態等を示す状態、メッセージの内容(例えば、質問のメッセージであるか、会計処理の指示メッセージであるか等)を示すメッセージ種類、メッセージの内容に対応するチェックNo、オーダー回数、商品情報、登録時間、メッセージを発信した携帯端末10を識別するための発信端末番号、メッセージを受信した携帯端末10を識別するための受信端末番号等が含まれる。他にも、メッセージ情報管理ファイルF31は、オーダー管理ファイルに対応する各種情報、例えば、付帯メモ情報等が格納されるようにしてもよい。
図6は、サーバ端末100に記憶されるメッセージ情報管理ファイルF32のデータ構造例である。メッセージ情報管理ファイルF32は、フロアーに対するメッセージを格納するためのものである。メッセージ情報管理ファイルF32は、図6に示すように、メッセージNo、状態、メッセージ種類、商品名、タッチペンPから手書きにより入力されたデータを格納するための手書きメッセージ情報、発信端末番号、受信端末番号等が含まれる。
図7は、サーバ端末100に記憶されるメッセージ情報管理ファイルF33のデータ構造例である。メッセージ情報管理ファイルF33は、会計処理請求メッセージのデータを格納するためのものであり、図7に示すように、メッセージNo、状態、メッセージ種類、チェックNo、登録時間、発信端末番号、受信端末番号等が含まれる。
図8は、サーバ端末100に記憶される担当者情報ファイルF4のデータ構造例である。担当者情報ファイルF4には、サーバ端末100のキーボード等からの入力によりデータが格納される。担当者情報ファイルF4は、図8に示すように、携帯端末10を使用する担当者に一意に割り当てられた担当者No、担当者の勤怠に関する勤怠管理データ、フロアー機能を使用させるか否かを識別するフロアー機能情報、厨房機能を使用させるか否かを識別する厨房機能情報、会計処理を行う会計担当者を識別する会計処理情報等が含まれる。サーバ端末100は、客の会計処理を行う旨の指示が携帯端末10から送信された際、担当者情報ファイルF4の会計処理情報に基づいて、会計処理を行う担当者を判断する。サーバ端末100は、会計処理を行う担当者が操作する携帯端末に対して、所定のメッセージを送信する。フロアー機能又は厨房機能を使用して業務を行っている担当者の携帯端末10は、このメッセージを受信する。担当者は、メッセージを確認すると、フロアー又は厨房において使用している携帯端末10を操作して会計処理を行う。
次に、携帯端末10に記憶されるデータについて説明する。携帯端末10には、商品ファイルF11、オーダー管理ファイルF12、メッセージ情報管理ファイルF131〜F133、担当者情報ファイルF14、端末状態仕様ワークエリアF15、調理商品管理ファイルF16等が記憶される。商品ファイルF11、オーダー管理ファイルF12、メッセージ情報管理ファイルF131〜F133、担当者情報ファイルF14は、それぞれ商品ファイルF1、オーダー管理ファイルF2、メッセージ情報管理ファイルF31〜F33、担当者情報ファイルF4と同様のデータ構成であるので説明を省略する。
図9は、記憶部12に記憶される端末状態仕様ワークエリアF15のデータ構造例である。端末状態仕様ワークエリアF15は、携帯端末10において実行中の機能を識別し、機能に基づく各種情報を格納するためのものである。端末状態仕様ワークエリアは、図9に示すように、携帯端末10の縦/横の情報を格納するための縦横情報、フロアーや厨房における位置情報、動作状態、オーダー入力操作状態等が含まれる。この位置情報は、店内に設置されたアンテナとRFID入力部22との通信状態と、アンテナの設置位置と、に基づいて判断される。動作状態は、例えば、タッチパネル14からの入力が所定時間ある/なしを示す動作状態変移フラグや、タッチパネル14からの入力位置や日付時刻の情報が含まれるタッチパネル入力情報、処理するテーブル情報や座席位置画面情報等が含まれる。オーダー入力操作状態とは、携帯端末10の入力状態を識別するためのステータスであり、座席タッチ画面テーブル画面モード、座席位置タッチモード、オーダー入力モード、オーダー送信確認入力モード、オーダー送信確認画面モード、座席タッチ画面テーブル画面モード、入力修正又は手書き質問入力モード等を示す値が格納される。
図10は、記憶部12に記憶される調理商品管理ファイルF16のデータ構造例である。調理商品管理ファイルF16は、厨房機能が使用されている場合に、他の携帯端末10において入力されたオーダーを格納するためのものである。サーバ端末100を介してフロアーの携帯端末10からオーダーを受信した際にデータが格納される。調理商品管理ファイルF16は、チェックNo、オーダー回数、商品情報等から構成される。
次に、動作について説明する。
まず、OES1において実行される処理の全体の流れについて説明する。
図11は、フロアーにおいて客からオーダーを受けた場合におけるOES1の処理を示すラダーチャートである。図11に示す例では、フロアーにおいて操作されている携帯端末10(携帯端末10(フロアー)とする)においてオーダを受注し、サーバ端末100を介して、厨房において操作されている携帯端末10(携帯端末10(厨房)とする)に対してオーダを送信する。各端末の処理は、携帯端末10のCPU11又はサーバ端末100のCPUによって実行される。
まず、図11に示すように、フロアーの客から商品のオーダーを頼まれ、表示部13に表示されたメニュー画面(図示せず)からタッチパネル14によって所定の入力操作を行うと、携帯端末10(フロアー)は、サーバ端末100に記憶されているオーダー管理ファイルF2のデータ呼び出し指示を送信する(ステップST1)。サーバ端末100は、携帯端末10からデータ呼び出し指示を受信すると、メモリからオーダー管理ファイルF2を読み出し、この読み出したデータを携帯端末10(フロアー)に対して送信する(ステップST2)。ステップST2においては、データ呼び出し指示において指定されたデータが無い場合には、新規テーブルオーダーとしてサーバ端末100のメモリにこのデータが記憶される。
携帯端末10(フロアー)は、ステップST2において送信されたオーダー管理ファイルF2を記憶して更新する(ステップST3)。次いで、携帯端末10(フロアー)は、タッチパネル14からの操作によりオーダー入力の確定の旨及びオーダーの内容を通信部16を介してサーバ端末100に対して送信する(ステップST4)。
サーバ端末100は、受信したオーダーの内容に基づいてサーバ端末100のメモリに記憶されているオーダー管理ファイルF2を更新する(ステップST5)。サーバ端末100は、このオーダーに含まれる商品と商品ファイルF1の携帯端末調理出力設定に基づいてデータを送信すべき携帯端末10(厨房)を識別して、オーダーされた商品の情報を、この携帯端末10(厨房)に対して送信する(ステップST6)。
携帯端末10(厨房)は、タッチパネル14からの入力が予め定められた所定時間(例えば、30秒等)なされていない場合には、サーバ端末100から受信したオーダーに基づいて調理商品管理ファイルF16を更新する(ステップST7)。次いで、携帯端末10(厨房)は、商品ファイルF1の送り先情報に基づいてサーバ端末100から携帯端末10(厨房)に対して送信されたオーダーの情報を受信する(ステップST8)。
図12は、フロアーにおいて客から会計処理の依頼を受けた場合におけるOES1の処理を示すラダーチャートである。
まず、図12に示すように、携帯端末10(フロアー)は、タッチパネル14からの所定の操作によって会計処理の指示が入力されると、サーバ端末100に対して会計処理を実行する旨のメッセージを送信する(ステップST11)。サーバ端末100は、携帯端末10(フロアー)から会計処理のメッセージを受信すると、メッセージ情報管理ファイルF33を更新する(ステップST12)。
次いで、サーバ端末100は、担当者情報ファイルF4に基づいて会計担当者を判断し、操作している携帯端末10に対して会計処理のメッセージを送信する(ステップST13)。フロアー及び厨房の携帯端末10のうち、このメッセージを受信した携帯端末10の何れかが会計処理を行う(ステップST14)。具体的には、ステップST13において判断された会計担当者が操作する携帯端末10(フロアー)又は携帯端末10(厨房)において、タッチパネル14等から所定の操作が行われることにより、会計処理が実行される。なお、上記の例では、会計処理が可能な携帯端末10として、携帯端末10(フロアー)と携帯端末10(厨房)の両者を挙げたが、ステップST14においては、予め定められた携帯端末10において会計処理が実行されればよく、これに限られない。例えば、OES1を運用する店舗において、会計担当者のうち、フロアー機能を使用している担当者にのみ会計処理を行わせるようにしてもよい。この場合には、ステップST14において、フロアー機能を使用している会計担当者が使用する携帯端末10(フロアー)のみ、会計処理が実行されるようにしてもよい。
図13は、OES1の携帯端末10間におけるメッセージの送受信処理を示すラダーチャートである。
まず、図13に示すように、携帯端末10(厨房)は、タッチパネル14からの入力に基づいて調理商品管理ファイルF16のデータを変更する(ステップST21)。次いで、携帯端末10(厨房)は、所定時間の間、タッチパネル14からの操作入力がなされなかった場合、サーバ端末100に対して記憶部12に記憶された調理商品管理ファイルF16を送信する(ステップST22)。
サーバ端末100は、携帯端末10(厨房)から受信した調理商品管理ファイルF16の情報に基づいてオーダー管理ファイルF2を更新する(ステップST23)。具体的には、調理商品管理ファイルF16において調理済みであるとされたオーダーが消去される等の処理が行われる。携帯端末10(厨房)は、タッチパネル14から入力されたメッセージがメッセージ情報管理ファイルF31〜F33に記憶され、このメッセージをサーバ端末100に対して送信する(ステップST24)。
サーバ端末100は、受信したメッセージに基づいて、メッセージ情報管理ファイルF31又はF32を更新する(ステップST25)。次いで、サーバ端末100は、メッセージの送信先の携帯端末10に対してメッセージを送信する(ステップST26)。送信先の携帯端末10は、受信したメッセージに基づいてメッセージ情報管理ファイルF131又はF132を更新する(ステップST27)。この携帯端末10は、新しいメッセージ情報管理ファイルF131又はF132のレコードを作成して、サーバ端末100に対して送信する(ステップST28)。本実施の形態においては、メッセージを送信した携帯端末10以外の携帯端末10においても、サーバ端末100からメッセージを受信することができる。例えば、上記説明した例のように、携帯端末10(厨房)からメッセージが送信された場合、このメッセージにおいて送信先として指定された携帯端末10(フロアー)が、サーバからメッセージを受信できる。
次に、携帯端末10が行う処理について説明する。
図14は、携帯端末10の電源がオンにされた際に実行されるメイン処理を示すフローチャートである。図14に示すメイン処理は、CPU11と記憶部12に記憶されたプログラムとの協働により実現する。
まず、図14に示すように、表示部13に表示画面G1が表示され、タッチパネル14から入力された業務選択が何であるか判断される(ステップS1)。
図15(a)は、表示画面G1の一例を示す図である。図15(a)に示すように、表示画面G1は、フロアー業務釦G1a、厨房業務釦G1b等から構成される。タッチパネル14からの入力により、フロアー業務釦G1aが選択された場合、CPU11は、業務選択がフロアー業務であると判断する。タッチパネル14からの入力により、厨房業務釦G1bが選択された場合、CPU11は、業務選択が厨房業務であると判断する。ステップS1における判断が行われ、後述するフロアー業務選択処理(ステップS2)又は厨房業務選択処理(ステップS201)が実行されることにより、CPU11は切換手段として機能する。
業務選択がフロアーであると判断された場合(ステップS1;フロアー)、フロアー業務選択処理が実行される(ステップS2)。
図16は、ステップS2において実行されるフロアー業務選択処理のフローチャートである。まず、図16に示すように、表示部13に表示された入力画面(図示せず)から担当者を識別する情報(担当者No等)が入力され、この担当者に対応する情報が、サーバ端末100に記憶された担当者情報ファイルF4から通信部16を介して取得されることによりチェックインがなされる(ステップS21)。次いで、この取得した担当者情報が記憶部12のRAMにおける所定領域に設定(記憶)される(ステップS22)。
次いで、端末状態仕様ワークエリアF15の各情報(縦横情報等)が初期化される(ステップS23)。端末状態仕様ワークエリアF15のオーダー入力操作状態が初期画面の座席タッチ画面テーブル画面モードと設定される(ステップS24)。
次いで、最新の商品ファイルF1が、サーバ端末100から通信部16を介してダウンロードされる(ステップS25)。サーバ端末100に記憶されている商品ファイルF1が最新のものであるか否かは、任意の方法で判断されればよく、例えば、ファイルのバージョン等が比較されることによって判断される。
図14に戻り、加速度センサ19が検知した携帯端末10の方向が判断される(ステップS3)。携帯端末10の方向が縦であると判断された場合(ステップS3;縦)、フロアー縦動作処理が実行される(ステップS4)。
図17は、ステップS4において実行されるフロアー縦動作処理のフローチャートである。まず、図17に示すように、動作端末状態仕様ワークエリアF15の動作状態変移フラグが参照され、動作状態に変化があるか否かが判断される(ステップS41)。
動作状態に変化があると判断された場合(ステップS41;YES)、動作端末状態仕様ワークエリアF15のオーダー入力操作状態が座席位置タッチモードであるか否かが判断される(ステップS42)。
座席位置タッチモードであると判断された場合(ステップS42;YES)、座席位置タッチ画面表示処理が実行される(ステップS43)。
図18は、ステップS43において実行される座席位置タッチ画面表示処理のフローチャートである。まず、図18に示すように、表示部13に表示画面G2が表示される(ステップS431)。
図15(b)は、表示画面G2の一例である。図15(b)に示すように、表示画面G2は、記憶部12に記憶されたフロアーの見取り図のデータに基づいて作成されたテーブル釦G2a〜G2e、テーブルの選択を解除するための選択解除釦G2f等から構成される。テーブル釦G2a〜G2eは、フロアーのテーブルの位置に対応しており、タッチパネル14からの入力によりオーダーを受けたテーブルの選択をすることができる。この選択されたテーブルの位置を識別する情報は記憶部12のRAMに記憶される。
次いで、端末状態仕様ワークエリアF15のオーダー入力操作状態が座席タッチ画面テーブル画面モードに変更される(ステップS432)。
図17に戻り、座席位置タッチモードであると判断されない場合(ステップS42;NO)、表示画面G2のテーブル釦G2a〜G2eの何れかがタッチパネル14からの入力により選択されたか否かが判断される(ステップS44)。
選択されたと判断された場合(ステップS44;YES)、テーブルの指定処理が実行される(ステップS45)。
図19は、ステップS45において実行されるテーブルの指定処理のフローチャートである。まず、図19に示すように、タッチパネル14から選択されたテーブルとこのテーブルに対応する座席を識別する情報を記憶部12のRAMにセット(記憶)させ、選択されたテーブル釦を強調表示させる(ステップS451)。
図15(c)は、表示画面G2の一例である。図15(c)に示す例では、表示画面G2のテーブル釦G2eが、タッチパネル14からの入力により選択され、強調表示されている。表示画面G2に表示された座席がタッチパネル14から選択された場合は、後述するステップS453において、この選択された座席も強調表示される。
次いで、タッチパネル14から所定の入力(ダブルクリック等)があるか否かが判断される(ステップS452)。所定の入力があると判断されない場合(ステップS452;NO)、タッチパネル14によって選択された座席の表示処理(強調表示)が行われる(ステップS453)。
一方、所定の入力があると判断されない場合(ステップS452;YES)、端末状態仕様ワークエリアF15のオーダー入力操作状態がオーダー入力モードに変更される(ステップS454)。
図17に戻り、選択されたと判断されない場合(ステップS44;NO)、端末状態仕様ワークエリアF15のオーダー入力操作状態がオーダー入力モードであるか否かが判断される(ステップS46)。オーダー入力モードであると判断された場合(ステップS46;YES)、縦メニューの表示入力処理が実行される(ステップS47)。
図20は、ステップS47において実行される縦メニューの表示入力処理のフローチャートである。まず、図20に示すように、表示処理が実行されて表示部13に表示画面G3が表示される(ステップS471)。
図15(d)に、ステップS471において表示される表示画面G3の一例を示す。図15(d)に示すように、表示画面G3は、商品ファイルF11に基づいてオーダーを入力するためのオーダー入力釦G3a及びG3b、入力されたオーダーを確認するための確認釦G3c、テーブル毎の会計処理を実行するための会計処理釦G3d等から構成される。
タッチパネル14からの入力によりオーダー入力釦G3a又はG3bが選択されると、表示画面G3の縦メニューの階層が更新される(ステップS472)。具体的には、ステップS472においては、オーダー入力釦G3a又はG3bが選択されると、記憶部12の商品ファイルF11に格納されている商品の一覧(図示せず)が表示され、縦メニューの改装が更新される。
次いで、タッチパネル14からの入力位置が会計処理釦G3dであるか否かが判断される(ステップS473)。会計処理釦G3dであると判断された場合(ステップS473;YES)、会計処理メッセージが通信部16を介してサーバ端末100に対して送信される(ステップS474)。サーバ端末100は、このメッセージを受信すると、担当者情報ファイルF4に基づいて会計担当者を判断し、この会計担当者が操作する携帯端末10に対して所定のメッセージを送信する。このメッセージを受信した携帯端末10を操作する会計担当者によって、会計処理が実行される。
端末状態仕様ワークエリアF15のオーダー入力操作状態が座席タッチ画面テーブル画面モードに変更される(ステップS475)。
次いで、タッチパネル14からの入力位置が確認釦G3cであるか否かが判断される(ステップS476)。確認釦G3cであると判断された場合(ステップS476;YES)、端末状態仕様ワークエリアF15のオーダー入力操作状態がオーダー送信確認入力モードとされる(ステップS477)。
図17に戻り、端末状態仕様ワークエリアF15のオーダー入力操作状態がオーダー送信確認画面モードであるか否かが判断される(ステップS48)。オーダー送信確認画面モードであると判断された場合(ステップS48;YES)、送信確認の表示入力処理が実行される(ステップS49)。
図21は、ステップS49において実行される送信確認の表示入力画面のフローチャートである。まず、図21に示すように、表示処理が実行されて表示部13に表示画面G4が表示される(ステップS491)。
図15(e)は、ステップS491において表示部13に表示される表示画面G4の一例である。図15(e)に示すように、表示画面G4は、オーダーの送信命令を入力するための送信釦G4a、入力したオーダーを送信せずにいったん記憶部12に記憶させるための保留釦G4b、元の画面に戻るための戻る釦G4c等から構成される。
タッチパネル14からの入力位置が送信釦G4aであるか否かが判断される(ステップS492)。送信釦G4aであると判断された場合(ステップS492;YES)、オーダー管理ファイルF12の該当テーブル(図15(e)の例では、テーブル釦G2eのテーブル)の内容(データ)がサーバ端末100に対して送信される(ステップS493)。端末状態仕様ワークエリアF15のオーダー入力操作状態が座席タッチ画面テーブル画面モードに変更される(ステップS494)。
一方、送信釦G4aであると判断されない場合(ステップS492;NO)、タッチパネル14からの入力位置が保留釦G4bであるか否かが判断される(ステップS495)。保留釦G4bであると判断された場合(ステップS495;YES)、端末状態仕様ワークエリアF15の処理するテーブル情報と座席位置画面情報が未送信の状態に設定される(ステップS496)。端末状態仕様ワークエリアF15のオーダー入力操作状態が座席タッチ画面テーブル画面モードに変更される(ステップS497)。
一方、保留釦G4bであると判断されない場合(ステップS495;NO)、タッチパネル14からの入力位置が戻る釦G4cであるか否かが判断される(ステップS498)。戻る釦G4cであると判断された場合(ステップS498;YES)、端末状態仕様ワークエリアF15のオーダー入力操作状態がオーダー入力モードに変更される(ステップS499)。
図14に戻り、携帯端末10の方向が横であると判断された場合(ステップS3;横)、フロアー横動作処理が実行される(ステップS5)。
図22は、ステップS5において実行されるフロアー横動作処理のフローチャートである。まず、図22に示すように、端末状態仕様ワークエリアF15の動作状態変移フラグが参照され動作状態に変化があるか否かが判断される(ステップS51)。
動作状態に変化があると判断された場合(ステップS51;YES)、端末状態仕様ワークエリアF15のオーダー入力操作状態の座席位置タッチモードであるか否かが判断される(ステップS52)。
座席位置タッチモードであると判断された場合(ステップS52;YES)、座席位置タッチ画面表示処理が実行される(ステップS53)。ステップS53における座席位置タッチ画面表示処理は、先述した図18に示す処理と同様であるので、説明を省略する。
座席位置タッチモードであると判断されない場合(ステップS53;NO)、表示画面G2のテーブル釦G2a〜G2eの何れかがタッチパネル14からの入力により選択されたか否かが判断される(ステップS54)。
選択されたと判断された場合(ステップS54;YES)、オーダー入力モード切替処理が実行される(ステップS55)。
図23は、ステップS55において実行されるオーダー入力モード切替処理のフローチャートである。まず、図23に示すように、端末状態仕様ワークエリアF15に処理するテーブル情報及び座席位置画面情報が格納される(ステップS551)。
次いで、端末状態仕様ワークエリアF15のオーダー入力操作状態がオーダー入力モードに変更される(ステップS552)。
図22に戻り、選択されたと判断されない場合(ステップS54;NO)、端末状態仕様ワークエリアF15のオーダー入力操作状態がオーダー入力モードであるか否かが判断される(ステップS56)。オーダー入力モードであると判断された場合(ステップS56;YES)、手書き登録表示入力処理が実行される(ステップS57)。
図24は、ステップS57において実行される手書き登録表示入力処理のフローチャートである。まず、図24に示すように、表示処理により表示部13に表示画面G5が表示されてタッチパネル14等の入力により動作制御が行われる(ステップS571)。
図25(a)〜図25(h)は、ステップS571において表示部13に表示される表示画面G5の一例である。図25(a)に示すように、表示画面G5は、タッチペンPからの入力を受け付けるための領域である手書き入力領域G5a、手書き入力領域G5aに入力されたて手書き入力をオーダーに反映させるための入力釦G5a、及び手書き入力領域G5aに入力された手書き入力に基づいて商品の検索を行うための検索釦G5c等から構成される。
まず、図25(a)に示すように、ステップS571において表示された表示画面G5の手書き入力領域G5aに対してタッチペンPにより入力がなされる。この状態で、入力釦G5aがタッチパネル14等から選択されると、図25(b)に示すように、手書き入力領域G5aに入力された商品名(入力データ)を縮小表示するためのリストG5d及びオーダー数を増減させるための上下釦G5eが表示される。
また、図25(c)に示すように、手書き入力領域G5aに対してタッチペンPにより入力がなされて検索釦G5cが選択されると、図25(d)に示すように検索結果G5fが表示される。この検索結果G5fに表示される内容は、手書き入力領域G5aに入力された内容と商品ファイルF11に格納された商品名との前方一致等、任意の検索がなされて表示される。
図25(d)に示す状態において、検索結果G5fに表示されたメニューがタッチパネル14等によって選択されると、図25(e)に示すように、選択されたメニューがリストG5dに追加される。
図25(e)に示す状態において、リストG5dの商品がタッチパネル14等によって選択(ダブルクリック等)されると、図25(f)に示すように、タッチペンPからの入力によりメモをとるためのメモ領域G5fが表示される。また、リストG5dにおいて選択された商品が手書き(タッチペンPから入力されたものを示す。)であった場合、図25(g)に示すように、メモ領域G5fにおいて、タッチペンP等から文字が入力されることにより、商品名、商品コード、単価の変更及び設定が可能である。
また、図25(e)に示す状態において、手書き入力領域G5aにタッチペンPからの入力がなされていない状態で入力釦G5bが選択されると、図25(h)に示す表示画面G5に表示が変更される。図25(h)に示すように、表示画面G5には、テーブル釦G5g、リストG5h、オーダー管理ファイルF12にオーダーすべき商品データを格納するための確認釦G5i、この表示画面G5が表示される直前に入力されたメニュー以外の登録分(記憶部12の所定領域に記憶されている)も全て表示するための全表示釦G5j、表示画面G3に戻るための戻る釦G5k等が含まれる。なお、リストG5hに表示された登録商品名を選択(ダブルクリック等)すると、図25(f)と同様の画面が表示され、タッチペンPからの手書き入力により、この選択された登録商品に付帯させる付帯情報の入力を行うことができる。ステップS571においてタッチパネル14から入力処理がなされることにより、商品登録が行われ、戻る釦G5kが選択されると表示画面G3が表示される。
図24に戻り、タッチパネル14からの入力位置が表示画面G3の会計処理釦G3dであるか否かが判断される(ステップS572)。会計処理釦G3dであると判断された場合(ステップS572;YES)、会計処理メッセージの送信処理が実行される(ステップS573)。サーバ端末100は、このメッセージを受信すると担当者情報ファイルF4に基づいて会計担当者を判断し、この会計担当者が操作する携帯端末10に対して所定のメッセージを送信する。このメッセージを受信した携帯端末10を操作する会計担当者によって、会計処理が実行される。
押下されたと判断されない場合(ステップS572;NO)、タッチパネル14からの入力位置が確認釦G5iであるか否かが判断される(ステップS574)。
確認釦G5iであると判断された場合(ステップS574;YES)、オーダーの内容がオーダー管理ファイルF12に格納され端末状態仕様ワークエリアF15のオーダー入力操作状態がオーダー送信確認入力モードに変更される(ステップS575)。
図22に戻り、オーダー入力モードであると判断されない場合(ステップS56;NO)、端末状態仕様ワークエリアF15のオーダー入力操作状態がオーダー送信確認画面モードであるか否かが判断される(ステップS58)。
オーダー送信確認画面モードであると判断された場合(ステップS58;YES)、送信確認の表示入力処理が実行される(ステップS59)。ステップS59における処理は、図21を参照して説明したステップS49における処理と同様であるので、説明を省略する。
図14に戻り、記憶部12に記憶されたメッセージ情報管理ファイルF131〜F133が参照され、他の携帯端末10又はサーバ端末100からのメッセージを受信したか否かが判断される(ステップS6)。ステップS6においては、メッセージ情報管理ファイルF13に未読のメッセージがある場合には、メッセージを受信したと判断する。受信したと判断された場合(ステップS6;YES)、メッセージ受信及びLED点灯処理が実行される(ステップS7)。
図26は、ステップS7において実行されるメッセージ受信及びLED点灯処理のフローチャートである。まず、図26に示すように、受信したメッセージに関する情報がメッセージ管理ファイルF31に保持(格納)される(ステップS71)。次いで、LED17が点灯される(ステップS72)。
図14に戻り、受信したと判断されない場合(ステップS6;NO)、タッチパネル14からの入力があるか否かが判断される(ステップS8)。入力があると判断された場合(ステップS8;YES)、タッチパネル入力処理が実行される(ステップS9)。
図27は、ステップS9において実行されるタッチパネル入力処理のフローチャートである。まず、図27に示すように、端末状態仕様ワークエリアF15の動作状態に含まれる動作状態変移フラグがオンに変更される(ステップS91)。次いで、タッチパネル14から入力された情報が記憶部12のRAMに記録(記憶)される(ステップS92)。
図14に戻り、入力があると判断されない場合(ステップS8;NO)、メッセージ表示釦18が押下されたか否かが判断される(ステップS10)。押下されたと判断された場合(ステップS10;YES)、メッセージLED処理が実行される(ステップS11)。
図28は、ステップS11において実行されるメッセージLED処理のフローチャートである。まず、図28に示すように、端末状態仕様ワークエリアF15の動作状態に含まれる動作状態変移フラグがオンにされる(ステップS111)。次いで、加速度センサ19が検知した携帯端末10の方向が判断される(ステップS112)。携帯端末10の方向が縦であると判断された場合(ステップS112;縦)、メッセージ縦動作処理が実行される(ステップS113)。
図29は、ステップS113において実行されるメッセージ縦動作処理のフローチャートである。まず、図29に示すように、メッセージ表示釦18が押下されて表示画面が画面遷移しているか否かを示すメッセージ画面操作状態が初期画面であるか否かが判断される(ステップS1131)。初期画面であると判断された場合(ステップS1131;YES)、メッセージ縦初期画面表示処理が実行され表示部13に表示画面G6が表示される(ステップS1132)。
図30(a)は、表示画面G6の一例である。図30(a)に示す場合は、メッセージ情報管理ファイルF31に格納されたデータ(つまり、メッセージ)のうち、最新のメッセージが会計処理メッセージではない場合に表示される画面である。表示画面G6は、メッセージ一覧G6a等から構成され、厨房からのオーダー内容の質問や、フロアーへのメッセージ等が表示される。
図30(b)に示す場合は、メッセージ情報管理ファイルF31に格納されたメッセージのうち、最新のメッセージのメッセージ種類が会計処理メッセージである場合に表示される画面である。この場合、メッセージ一覧G6aには、オーダーの内容と合計金額等が表示される。このオーダーの内容と合計金額は、サーバ端末100に記憶されているオーダー管理ファイルF12とメッセージに含まれるチェックNoとが比較され、一致するレコードに基づいて算出される。算出された合計金額は、このチェックNoのオーダーに含まれる商品とともにメッセージに含まれてサーバ端末100から携帯端末10に対して送信される。
図29に戻り、初期画面であると判断されない場合(ステップS1131;NO)、タッチパネル14からの入力があるか否かが判断される(ステップS1133)。あると判断された場合(ステップS1133;YES)、メッセージ縦画面更新表示がなされ、タッチパネル14からの入力に対応した処理が実行される(ステップS1134)。具体的には、表示部13にメッセージ一覧等が表示され、各メッセージに対応した表示処理等が実行される。
一方、携帯端末10の方向が横であると判断された場合(ステップS112;横)、メッセージ横動作処理が実行される(ステップS114)。
図31は、ステップS114において実行されるメッセージ横動作処理のフローチャートである。図31に示すように、ステップS1141とステップS1143は、それぞれステップS1131とステップS1133と同様である。ステップS1142においては、最優先のメッセージが表示部13に表示される点でステップS1132と異なる。最優先のメッセージとは、予め定められた優先順位(例えば、受信順やメッセージ種類等)のうち、最も優先順位の高いメッセージである。
図32(a)は、ステップS1142において表示部13に表示される表示画面G6の一例である。図32(a)に示すように、表示画面G6のメッセージ一覧G6aには、最優先のメッセージが表示される。図32(b)は、厨房からフロアーに対するメッセージを含む表示画面G6の例である。図32(c)は、会計処理を実行した際の表示画面G6の例である。これらのメッセージは、全てメッセージ情報管理ファイルF131〜F133に格納されたデータが参照されることにより表示される。
図14に戻り、押下されたと判断されない場合(ステップS10;NO)、タッチパネル14等から業務終了指示が入力されたか否かが判断される(ステップS12)。入力されたと判断されない場合(ステップS12;NO)、処理はステップS3に戻る。入力されたと判断された場合(ステップS12;YES)、処理は終了する。
一方、業務選択が厨房であると判断された場合(ステップS1;厨房)、図33に移行し、厨房業務選択処理が実行される(ステップS201)。
図34は、ステップS201において実行される厨房業務選択処理のフローチャートである。まず、図34に示すように、ステップS2011〜ステップS2013は、それぞれステップS21〜S23と同様であるので説明を省略する。
ステップS2014においては、サーバ装置100を介して携帯端末10に対して送信させたデータ(メッセージ)を受信し、この受信したデータがメッセージ情報管理ファイルF31に格納される(ステップS2014)。次いで、このメッセージに対応する商品がサーバ装置100から受信されて調理商品管理ファイルF16に格納される(ステップS2015)。ステップS2016は、ステップS25と同様であるので説明を省略する。
図33に戻り、加速度センサ19が検知した携帯端末10の方向が判断される(ステップS202)。携帯端末10の方向が縦であると判断された場合(ステップS202;縦)、厨房縦動作処理が実行される(ステップS203)。
図35は、ステップS203において実行される厨房縦動作処理のフローチャートである。まず、図35に示すように、動作端末状態仕様ワークエリアF15の動作状態変移フラグが参照され、動作状態に変化があるか否かが判断される(ステップS2031)。変化があると判断された場合(ステップS2031;YES)、電源がオンにされてから初めて厨房機能が使用されているか否かが判断される(ステップS2032)。この判断は任意の方法を用いてよく、例えば、記憶部12のRAMに厨房機能が使用されたらオフになるフラグを用意して判断してもよい。
初めて厨房機能が使用されていると判断された場合(ステップS2032;YES)、調理商品の一覧表示処理が実行され表示部13に表示画面G7が表示される(ステップS2033)。
図36(a)は、ステップS2033において表示部13に表示される表示画面G7の一例である。図36(a)に示すように、表示画面G7は、厨房において調理すべき商品の一覧を表示するための調理商品一覧G7a、元の画面に戻るための戻る釦G7b等から構成される。表示画面G7は、動作端末状態仕様ワークエリアF15が参照されることにより表示される。
一方、初めて厨房機能が使用されていると判断されない場合(ステップS2032;NO)、表示部13に、調理商品一覧G7aが表示されているか否かが判断される(ステップS2034)。表示されていると判断された場合(ステップS2034;YES)、タッチパネル14からの入力状態に応じた表示処理が実行される(ステップS2035)。
図36(b)〜図36(f)は、ステップS2035においてタッチパネル14から入力操作がされて表示処理が行われた場合における表示画面G7の一例である。図36(a)に示す表示画面G7において、調理商品一覧G7aに表示されたメニューをタッチペンPからの操作によってドラッグアンドドロップを実行するとメニューの表示位置の変更が可能である。手書き入力によってメモの情報が付帯されていると図36(a)に示すように、調理商品一覧G7aに示すように、このメニューに「*」(アスタリスク)等の識別情報が表示される。
携帯端末10からの操作によって新たにオーダーが入力された場合には、入力に従って表示画面G7が更新される。図36(b)は、タッチペンPの手書き入力によって「かつお」というオーダーが入力され、タッチペンPによるドラッグアンドドロップによって、このオーダーのオーダー順が「まぐろ刺し」と「えんがわ」の間に変更された場合である。
調理商品一覧G7aに表示された商品をタッチペンPによって選択すると、図36(c)のように、選択された商品にアンダーラインが表示され、現在調理中である旨が示される。調理商品一覧G7aに表示された商品をタッチペンPによってダブルクリックすると、図36(d)のように、ダブルクリックされた商品に対応する質問を入力するための入力欄G7c、調理終了の指定を行うための調理終了釦G7d等が表示される。調理終了釦G7dが選択された商品は、調理商品一覧G7aから消去される。入力欄G7cに表示される質問の内容は、予め記憶部12に定められているフォーマットから選択されるようにしてもよいし、タッチペンPから自由に入力可能であってもよい。
入力欄G7cに質問内容が入力されると、図36(e)のように、送信釦G7eが表示される。この送信釦G7eがタッチペンPによって選択されると、この注文を入力した携帯端末10に対してメッセージが送信され、メッセージ情報管理ファイルF131〜F133に記憶される。一方、図36(f)のように、入力欄G7cにおいて品切れを示す旨のメッセージが入力されると、携帯端末10全てに対してメッセージが送信される。
図33に戻り、携帯端末10の方向が横であると判断された場合(ステップS202;横)、厨房横動作処理が実行される(ステップS204)。
図37は、ステップS204において実行される厨房横動作処理のフローチャートである。まず、図37に示すように、動作端末状態仕様ワークエリアF15の動作状態変移フラグが参照され、動作状態に変化があるか否かが判断される(ステップS2041)。変化があると判断された場合(ステップS2041;YES)、端末状態仕様ワークエリアF15のオーダー入力操作状態が入力修正又は手書き質問入力モードであるか否かが判断される(ステップS2042)。
入力修正又は手書き質問入力モードであると判断された場合(ステップS2042;YES)、厨房横書き表示入力処理が実行され表示部13に表示画面G8が表示される(ステップS2043)。
図38(a)〜図38(c)は、ステップS2043において表示部13に表示される表示画面G8の一例である。図38(a)に示すように、表示画面G8は、入力修正又は手書き質問が行われる対象であるメニューを表示するための表示欄G8a及びG8b、入力内容の種別を表示するための表示欄G8c及びG8d、タッチペンPから入力された質問内容等(入力データ)を表示するための入力欄G8e、入力された内容を送信するための送信釦G8f等から構成される。
入力修正又は手書き質問が行われる対象が、手書きメニューである場合には、図38(b)に示すように、入力欄G8eに対する入力によって、商品コードや商品の単価のメンテナンスを行うことができる。質問を選択せずに携帯端末10を横にした場合、入力欄G8eに対して自由な内容の質問を入力することができる。
商品を選択せずに携帯端末10を横にした場合、図38(c)に示すように、商品に関係の無い自由な入力を行うことができる。
図33に戻り、ステップS205〜ステップS210は、それぞれステップS6〜ステップS11と同様であるので説明を省略する。ステップS211においては、タッチパネル14からの入力がない状態で所定時間が経過したか否かが判断される(ステップS211)。
経過したと判断された場合(ステップS211;YES)、更新されたオーダーの情報の送受信処理が実行される(ステップS212)。ステップS212においては、オーダー管理ファイルF12、メッセージ情報管理ファイルF131〜F133、調理商品管理ファイルF16がサーバ端末100に対して送信される。
一方、経過したと判断されない場合(ステップS211;NO)、タッチパネル14からの入力により業務終了の指示が入力されたか否かが判断される(ステップS213)。入力されたと判断されない場合(ステップS213;NO)、処理はステップS202に戻る。入力されたと判断された場合(ステップS213;YES)、処理は終了する。
以上のように、本実施の形態における携帯端末10によれば、CPU11によって第一のモードと第二のモードとを切り換え、加速度センサ19によって携帯端末10がユーザによって把持された際の縦配置/横配置を検出することができる。携帯端末10が第一のモードに切り換えられた際、縦配置が検出された場合は、表示部13に第一の表示画面を表示させることができる。携帯端末10が第一のモードに切り換えられた際、横配置が検出された場合は、表示部13に第二の表示画面を表示させることができる。携帯端末10が第二のモードに切り換えられた際、縦配置が検出された場合は、表示部13に第三の表示画面を表示させることができる。携帯端末10が第二のモードに切り換えられた際、横配置が検出された場合は、表示部13に第四の表示画面を表示させることができる。つまり、ユーザは、フロアーと厨房の業務を兼務する場合においても、一台の携帯端末10を用いて業務を行うことができる。さらに、携帯端末10の縦配置/横配置に応じて表示部13に表示させる画面を異ならしめることにより、状況に応じた業務を容易に行うことができる。
また、第一の表示画面として表示画面G2(店舗のフロアー見取り図)を、表示部13に表示させることにより、携帯端末10が縦配置の状態でフロアーにおいて注文を受けることができる。第二の表示画面として表示画面G5(第一の手書き入力画面)を、表示部13に表示させることにより、携帯端末10が横配置の状態でタッチペンPから手書き入力を行うことができる。この手書き入力されたデータを商品名として登録することもできる。第三の表示画面として表示画面G7(調理すべきメニューの一覧)を、表示部13に表示させることにより、携帯端末10が縦配置の状態で厨房において調理すべき商品の一覧を表示させることができる。第四の表示画面として表示画面G8(第二の手書き入力画面)を、表示部13に表示させることにより、携帯端末10が横配置の状態でタッチペンPから手書き入力を行うことができる。この手書き入力されたデータを質問内容として、通信部16を介して他の携帯端末10に送信させることができる。
なお、本実施の形態における記述は、本発明の一例を示すものであり、これに限定されない。例えば、表示部13に表示すべき第一の表示画面〜第四の表示画面は、予め記憶部12に指定された表示画面であればよく、本実施の形態における第一の表示画面〜第四の表示画面に限られない。
また、本実施の形態においては、第一の表示画面〜第四の表示画面を表示部13に表示させたが、通信部16を介して外部接続されたモニタに第一の表示画面〜第四の表示画面が表示されるようにしてもよい。例えば、携帯端末10をクレードルに設置し、このクレードルに接続された大型モニタに第一の表示画面〜第四の表示画面を表示させるようにしてもよい。
また、以上の説明では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体として記憶部12を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も本発明に適用される。
その他、本実施の形態に係るOESを構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。