JP6281439B2 - 排ガス浄化フィルタ及びその製造方法 - Google Patents

排ガス浄化フィルタ及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ハニカム構造体と、これに担持されたAgを含有する触媒とを有する排ガス浄化フィルタに関する。
ディーゼルエンジンからはカーボン微粒子等の粒子状物質(パティキュレートマター:PM)が排出されることが知られている。近年、PMの排出量に対する規制がますます厳しくなる傾向にあり、ディーゼルエンジン車だけでなく、ガソリンエンジン車から排出されるPMも問題視されている。PMの捕集には、コージェライトからなるハニカム構造体と、これに担持された触媒とを有する排ガス浄化フィルタが用いられている。触媒は、排ガス浄化フィルタに捕集されたPMの燃焼除去に利用される。このような触媒としては、例えばAgとアルミナとを含有する層状構造の物質が開発されている(特許文献1参照)。
特開2009−219970号公報
しかしながら、Agを含有する触媒は、排ガス浄化フィルタの使用に伴って、ハニカム構造体を構成するコージェライトからなる結晶粒の粒界中にAgを拡散し易い。特に高温環境下においてはAgの拡散が起こり易くなる。その結果、触媒中のAg量が少なくなり、PMの燃焼性能が低下するおそれがある。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、高温環境下に晒されても、PMに対する優れた燃焼特性を維持できる排ガス浄化フィルタ及びその製造方法を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、コージェライトからなるハニカム構造体と、
該ハニカム構造体に担持されたAg含有触媒と、
上記ハニカム構造体を構成する結晶粒の粒界中に存在する金属と、を有し、
上記金属はAg及び/又はNiであり、
上記粒界中に存在する上記金属の量は、上記ハニカム構造体の単位容積当たりに、0.1mol/L以上であることを特徴とする排ガス浄化フィルタにある。
本発明の他の態様は、排ガス浄化フィルタを製造する方法において、
上記ハニカム構造体の上記結晶粒の粒界中に上記金属を担持させる前処理工程と、
該前処理工程後に、上記ハニカム構造体に上記Ag含有触媒を担持させる触媒担持工程と、を有することを特徴とする排ガス浄化フィルタの製造方法にある。
上記排ガス浄化フィルタにおいては、ハニカム構造体を構成する結晶粒の粒界中に上記所定量以上の金属が存在している。そのため、上記排ガス浄化フィルタが例えば1000℃以上の高温に晒されても、上記Ag含有触媒(以下、適宜「触媒」という)から粒界へのAgの拡散が抑制される。それ故、上記排ガス浄化フィルタは、高温環境下に晒されても、PMに対する優れた燃焼特性を維持することができる。上記排ガス浄化フィルタは、上記触媒担持工程の前に上記前処理工程を行うことにより製造することができる。
実施例1における排ガス浄化フィルタの斜視図。 実施例1における排ガス浄化フィルタの軸方向における部分断面図。 実施例1における排ガス浄化フィルタのセル壁の部分拡大断面図。 実施例1における試料E1の排ガス浄化フィルタの倍率500倍の走査型電子顕微鏡写真。 実施例1における試料E1の排ガス浄化フィルタの倍率5000倍の走査型電子顕微鏡写真。 実施例1における試料E2の排ガス浄化フィルタの倍率5000倍の走査型電子顕微鏡写真。 実施例1における試料C1の排ガス浄化フィルタの倍率500倍の走査型電子顕微鏡写真。 実施例1における試料C1の排ガス浄化フィルタの倍率5000倍の走査型電子顕微鏡写真。 実施例1における排ガス浄化フィルタの高温耐久試験前後におけるPM燃焼速度を示す説明図。 実施例2における排ガス浄化フィルタについて、粒界中におけるAgの含有量とPM燃焼速度との関係を示す説明図。 実施例2における排ガス浄化フィルタについて、粒界中におけるNiの含有量とPM燃焼速度との関係を示す説明図。
上記排ガス浄化フィルタの好ましい実施形態が以下に説明される。
排ガス浄化フィルタは、エンジンから排出される排ガス中に含まれるPMを除去するために用いられる。上記排ガス浄化フィルタは、ディーゼルエンジンに適用することもできるし、ガソリンエンジンに適用することもできる。
ハニカム構造体は、一般に、格子状に設けられた多数の隔壁と、これらの隔壁に囲まれた多数のセルとを有する。セル形状は、ハニカム構造体の軸方向と直交する断面において、例えば円形、多角形(四角形、六角形等)等である。
上記排ガス浄化フィルタは、上述の前処理工程及び触媒担持工程を行うことによって得られる。前処理工程においては、例えば金属塩溶液をハニカム構造体に含浸させ、乾燥後に焼成する。これにより、ハニカム構造体の結晶粒の粒界中に金属を担持させることができる。粒界中の金属の担持量は、例えば金属塩溶液の濃度やハニカム構造体への含浸量等を調整することにより制御することができる。金属としては、例えばAg、Ni等の遷移金属が用いられる。また、触媒担持工程においては、例えば触媒を分散させた液体中に、前処理工程後のハニカム構造体を浸漬し、乾燥後に焼成する。これにより、ハニカム構造体に触媒を担持させることができる。
(実施例1)
次に、排ガス浄化フィルタの実施例が図面を用いて説明される。
図1〜図3に示すごとく、本例の排ガス浄化フィルタ1は、ハニカム構造体2と、Ag含有触媒3と、ハニカム構造体2を構成する結晶粒21の粒界211中に存在する金属4とを有する。以下、本例の排ガス浄化フィルタ1を詳説する。
ハニカム構造体2は、格子状に設けられた隔壁22と、隔壁22に囲まれた多数のセル23とを有する。また、ハニカム構造体2は、軸方向Xに伸びるセル23の両端のうちのいずれか一方の端部27、28を封止する栓部29を有している。ハニカム構造体2と栓部29は、いずれもコージェライトからなる多孔体である。
図2に示すごとく、排ガス浄化フィルタ1においては、ハニカム構造体2における複数のセル23のうち、排ガスが流入する流入セル231の下流側の端部28と、排ガスを排出する排出セル232の上流側の端部27とが、栓部29により閉塞されている。図1及び図2に示すごとく、栓部29は、隣り合うセル23の開口部を交互に閉塞している。そして、流入セル231の上流側の端部27と、排出セル232の下流側の端部28が開口している。
図3に示すごとく、ハニカム構造体2は、コージェライトの結晶粒21から構成されている。結晶粒21の粒界211には金属4が存在している。金属4はAgからなる。また、ハニカム構造体2のセル23内における隔壁22には、PMを燃焼除去するための触媒3が担持されている。触媒3は、層状アルミナと、該層状アルミナに分散されたAgとからなり、アルミナとAgとが層状構造をなしている。なお、上述の粒界211中に存在する金属4は、触媒3とは由来の異なるAgを含む。即ち、後述の製造方法において示すように、金属4は、触媒3中のAgとは別に粒界中に担持させている。
以下、本例の排ガス浄化フィルタの製造方法を説明する。
具体的には、まず、ハニカム構造体2の原料となるコージェライト原料を準備した。コージェライト原料は、シリカ、タルク、カオリン、アルミナ、水酸化アルミニウム等を含有した。そして、焼成後の最終的な組成が、SiO2:47〜53質量%、Al23:32〜38質量%、MgO:12〜16質量%となるように、原料組成の調整を行った。コージェライト原料は、水等の溶媒、増粘剤、分散剤等と共に混合されて粘土質に調整されている。粘土質のコージェライト原料は、金型を用いて押出成形され、その後乾燥されることによりハニカム成形体が得られた。
次に、シリカ、タルク、カオリン、アルミナ、水酸化アルミニウム等の原料粉末を含有する栓部形成材料を準備した。栓部形成材料は、焼成後の最終的な組成が、SiO2:47〜53質量%、Al23:32〜38質量%、MgO:12〜16質量%となるように、調整されている。栓部形成材料は、水又は油等の溶媒中に、増粘剤や分散剤等と共に分散されており、スラリー状である。栓部形成材料のスラリーは、混合機を用いて撹拌を行うことにより得られる。
次に、ハニカム成形体の両端面にマスキングテープを貼り付けた。その後、ハニカム成形体における隣り合うセルが両端面において交互に開口するようにマスキングテープを部分的に除去した。これにより、栓詰めすべきセルの両端面に開口部を形成した。マスキングテープの除去は、例えばレーザ光の照射等により行うことができる。次いで、ハニカム成形体の両端面をそれぞれ上述の栓部形成材料のスラリーに浸漬した。これにより、開口部から栓詰めすべきセル内に適量の栓部形成材料を浸入させた。
次いで、ハニカム成形体を乾燥させた後、焼成させた。これにより、ハニカム成形体及びハニカム成形体の両端部に供給された栓部形成材料が焼結した。このようにして、図1及び図2に示すごとく、隣り合うセル23の開口部が交互に閉塞したハニカム構造体2が得られた。ハニカム構造体2は、直径30mm、長さ50mmの円柱状である。隔壁22の厚みは例えば0.1mm〜0.3mmの範囲で適宜変更することができる。また、ハニカム構造体2の気孔率は、例えば40%〜70%の範囲内で適宜変更することができる。
次に、ハニカム構造体2の結晶粒21の粒界211中にAgからなる金属4を担持させる前処理工程を行う(図3参照)。具体的には、まず、所定濃度及び所定量の硝酸銀水溶液中にハニカム構造体2を浸漬した。この浸漬により、ハニカム構造体2内に硝酸銀水溶液が吸い上げられる。本例においては、硝酸銀水溶液の全量をハニカム構造体2に含浸させた。次いで、ハニカム構造体2を温度150℃で乾燥させた。その後、焼成炉中でハニカム構造体2を温度1000℃で5時間焼成させた。この焼成により、ハニカム構造体2の結晶粒21の粒界211中にAgが拡散する(図3参照)。その結果、粒界211中にAgを有するハニカム構造体2を得た。なお、硝酸銀水溶液の濃度及び量は、ハニカム構造体2に担持させる金属量に応じて適宜変更することができる。また、本例のように、硝酸銀水溶液の全量をハニカム構造体2に含浸させる場合には、ハニカム構造体の寸法や気孔率に応じて硝酸銀水溶液の量を決定することができる。本例においては、0.1mol/LのAgをハニカム構造体2の粒界21中に担持させた。
次に、ハニカム構造体2に触媒3を担持させる触媒担持工程を行う。具体的には、まず、酸化銀とθアルミナと酢酸とを混合することにより混合液を得た。これらの混合比は、モル比で1:1:1(銀:アルミナ:酢酸)であり、混合液中の銀、アルミナ、及び酢酸の濃度はいずれも0.2mol/Lである。次いで、圧力容器中で混合液を温度185℃で24時間保持した。これにより、アルミナとAgとの層状構造を有する触媒を得た。次いで、この触媒を水に分散させた。得られた分散液中に、上述のように予め金属(Ag)を粒界中に担持させたハニカム構造体を浸漬した。その後、ハニカム構造体を分散液中から引き上げ、エアブローによりハニカム構造体に付着した余分な分散液を吹き飛ばした。次いで、温度150℃でハニカム構造体を乾燥させた後、焼成炉中でハニカム構造体を温度500℃で4時間焼成した。このようにして、触媒3をハニカム構造体2に隔壁23に担持させ、図1〜図3に示す排ガス浄化フィルタ1を得た。このようにして得られた排ガス浄化フィルタ1を試料E1とする。
試料E1は、ハニカム構造体2を構成するコージェライトからなる結晶粒21の粒界211中に、触媒3とは由来の異なるAgからなる金属4を有する排ガス浄化フィルタ1である。粒界21中に存在するAg量は、ハニカム構造体2の単位容積当たりに0.1mol/Lである。試料E1の排ガス浄化フィルタ1に関する走査型電子顕微鏡(SEM)写真の反射電子像を図4及び図5に示す。図4は倍率500倍の写真であり、図5は倍率5000倍の写真である。図4及び図5においては、濃いグレーの部分がコージェライトの結晶粒21であり、薄いグレーの部分が金属4である。図4及び図5より知られるように、試料E1においては、ハニカム構造体2を構成する結晶粒21の粒界111にAgからなる金属4が存在している。
次に、本例においては、ハニカム構造体2の結晶粒21の粒界211中にNiからなる金属4が存在する排ガス浄化フィルタ1(試料E2)を作製した。試料E2は、粒界211中にNiが存在する点を除いては、上述の試料E1と同様の構成を有する。試料E2は、硝酸銀水溶液の代わりに、硝酸ニッケル水溶液を用い、前処理工程における焼成温度を1400℃に変更した点を除いては、上述の試料E1と同様にして作製した。試料E2の排ガス浄化フィルタに関するSEM写真の反射電子像を図6に示す。図6は倍率5000倍の写真である。図6においては、濃いグレーの部分がコージェライトの結晶粒21であり、薄いグレーの部分が金属4である。なお、白い部分は、析出した酸化ニッケルである。図6より知られるように、試料E2においては、ハニカム構造体2を構成する結晶粒21の粒界211にNiからなる金属4が存在している。
また、本例においては、粒界中に金属が担持されていない排ガス浄化フィルタ(試料C1)を作製した。試料C1は、前処理工程を行うことなく触媒担持工程を行った点を除いては、上述の試料E1と同様にして作製した。試料C1の排ガス浄化フィルタに関するSEM写真の反射電子像を図7及び図8に示す。図7は倍率500倍の写真であり、図8は倍率5000倍の写真である。図7及び図8より知られるように、試料C1においては、ハニカム構造体を構成する結晶粒21の粒界に金属は存在していない。
次に、各試料の排ガス浄化フィルタ1について、高温耐久試験前後におけるPMの燃焼速度を測定した。高温耐久試験は、大気中で、温度1000℃で5時間各試料を加熱することにより行った。そして、高温耐久試験前後において、各試料のPM燃焼速度を次のようにして測定した。
まず、各試料の排ガス浄化フィルタに、PMを含む窒素ガスを流速20L/分で流通させて、各試料にPMを1.0g/L堆積させた。次いで、50℃/分の昇温速度で各試料を500℃まで加熱し、この温度500℃2分間保持した。その後、酸素を10体積%含む窒素ガスを流速20L/分で各試料に流通させることにより、各試料に堆積されたPMを燃焼させた。そして、PMの燃焼により発生するCO2とCOの量を8分間測定した。この所定時間におけるCO2とCOの発生量から、PMの燃焼速度(mg/秒)を算出した。そして、上述の耐久試験前後における各試料のPM燃焼速度の結果を図9に示す。
図9より知られるごとく、コージェライトの結晶粒の粒界中に金属が担持されていない排ガス浄化フィルタ(試料C1)においては、高温耐久試験後にPM燃焼速度が低下している。これに対し、結晶粒21の粒界中に、Ag、Ni等の金属4が存在する排ガス浄化フィルタ(試料E1、試料E2)においては、高温耐久試験後においてもPM燃焼速度が低下しておらず、高い燃焼速度を維持できる。
本例の試料E1及び試料E2においては、上述の前処理工程を行うことにより、ハニカム構造体2を構成する結晶粒21の粒界211中に金属4を積極的に担持させている(図1〜図6参照)。即ち、粒界211中の金属4は、触媒3からハニカム構造体2に分散されるAgとは異なるものであり、触媒3に由来するものではない。粒界211中にこのような金属4を有する排ガス浄化フィルタ1(試料E1及び試料E2)、例えば1000℃以上の高温に晒されても、触媒3から粒界211へのAgの拡散が抑制される。それ故、このような排ガス浄化フィルタ1は、高温環境下に晒されても、PMに対する優れた燃焼特性を維持することができる。これに対し、前処理工程を行うことなく作製した試料C1においては、結晶中の粒界中に試料E1及び試料E2のような金属が担持されていない(図7及び図8参照)。そのため、高温環境下に曝されると触媒から粒界へのAgの拡散が起こり易い。その結果、PMに対する燃焼特性が低下し易くなる。
本例のように、粒界211中に存在する金属4がAg及び/又はNiである場合には、触媒3からのAgの拡散を確実に抑制することができる。
また、触媒3は、本例のように層状アルミナと、該層状アルミナに分散されたAgとからなることが好ましい。この場合には、触媒3がPMに対する優れた燃焼促進特性を示すため、排ガス浄化触媒1は、優れた燃焼速度でPMを燃焼除去することができる。一方、層状アルミナとこれに分散されたAgとからなる触媒3においては、一般に、高温環境下において触媒3からのAgの拡散が起こり易い。しかし、本例のように、粒界211中に金属4を有する排ガス浄化フィルタ1においては、上述のように触媒3からのAgの拡散が抑制される。したがって、触媒3が層状アルミナと、該層状アルミナに分散されたAgとからなる場合には、粒界211中の金属4の存在による触媒3からのAgの拡散抑制効果が顕著になる。
また、本例の排ガス浄化フィルタ1は、ガソリンエンジンから排出される排ガス中に含まれる粒子状物質を除去するために用いられることが好ましい。ガソリンエンジン車から排出される排気ガスは高温になりやすいため、一般に、Agを含む触媒3からのAgの拡散が起こり易い傾向にある。本例のように、粒界211中に金属4を有する排ガス浄化フィルタ1においては、このような高温に晒される環境下においてもAgの拡散が抑制される。したがって、排ガス浄化フィルタ1をガソリンエンジンに適用することにより、拡散抑制効果がより一層顕著に得られる。
また、本例においては、前処理工程において硝酸銀水溶液の全量をハニカム構造体2に含浸させることにより、粒界211中に担持させる金属量を特定しているが、製造後の排ガス浄化フィルタ1の粒界211中の金属量を分析によって求めることもできる。例えば粒界211中の金属が、Ni等のようにAg以外の金属である場合には、ICP分析により金属量を求めることができる。ICP分析には、例えば(株)島津製作所製のICP−7510を用いることができる。
また、粒界211中の金属4がAgの場合には、次のようにしてその量を求めることができる。具体的には、触媒3が担持された表面からハニカム構造体2の内部に向けて排ガス浄化フィルタ1のエッチングを行いながら、X線光電子分光分析(XPS)により、排ガス浄化フィルタ1の組成分析を行う。そして、XPS分析において、コージェライト組成と金属(Ag)4とが同時に検出される状態の組成比から、粒界211中の金属4の量を求めることができる。XPS分析には例えば(株)日本電子製のJPS−9200を用いることができる。
以上のように、本例においては、高温環境下に晒されても、PMに対する優れた燃焼特性を維持できる排ガス浄化フィルタ及びその製造方法を提供することができる。
(実施例2)
本例は、ハニカム構造体の結晶粒の粒界中に存在する金属量が異なる複数の排ガス浄化フィルタを作製し、これらの排ガス浄化フィルタについての高温耐久試験後のPM燃焼速度を比較する例である。
具体的には、硝酸銀水溶液の濃度を変更した点を除いては、実施例1の試料E1と同様にして、粒界中のAgの含有量が異なる複数の排ガス浄化フィルタを作製した。本例においては、粒界中のAgの含有量がそれぞれ0.05mol/L、0.1mol/L、0.2mol/Lの排ガス浄化フィルタを作製した。また、実施例1の試料E2と同様にして、粒界中にNiを0.01mol/L含有する排ガス浄化フィルタを作製した。さらに、実施例1の試料C1と同様にして、粒界中に金属を有していない排ガス浄化フィルタを作製した。
これらの排ガス浄化フィルタについて、実施例1と同様にして、高温耐久試験後のPM燃焼速度を測定した。その結果を図10及び図11に示す。
図10及び図11より知られるように、コージェライトからなるハニカム構造体においては、結晶粒の粒界中に存在するAg、Niなどの金属量は、ハニカム構造体の単位容積当たりに0.1mol/L以上であることが好ましい。この場合には、排ガス浄化フィルタは、高温環境下に晒された後でも高いPM燃焼速度を維持することができる。一方、粒界中に金属を担持させていない場合や粒界中の金属量が少なすぎる場合には、高温耐久試験後のPM燃焼速度が低下していた。
また、図10及び図11より知られるように、粒界中の金属量を必要以上に増やしてもその増加に見合う効果が得られなくなる。したがって、粒界における金属の存在量は、ハニカム構造体の単位容積当たりに0.2mol/L以下であることが好ましい。
1 排ガス浄化フィルタ
2 ハニカム構造体
21 結晶粒
211 粒界
3 触媒
4 金属

Claims (5)

  1. コージェライトからなるハニカム構造体(2)と、
    該ハニカム構造体(2)に担持されたAg含有触媒(3)と、
    上記ハニカム構造体(2)を構成する結晶粒(21)の粒界(211)中に存在する金属(4)と、を有し、
    上記金属(4)はAg及び/又はNiであり、
    上記粒界(211)中に存在する上記金属(4)の量は、上記ハニカム構造体(2)の単位容積当たりに、0.1mol/L以上であることを特徴とする排ガス浄化フィルタ(1)。
  2. 上記粒界(211)における上記金属(4)の存在量は、上記ハニカム構造体(2)の単位容積当たりに、0.2mol/L以下であることを特徴とする請求項1に記載の排ガス浄化フィルタ(1)。
  3. 上記Ag含有触媒(3)は、層状アルミナと、該層状アルミナに分散されたAgとからなることを特徴とする請求項1又は2に記載の排ガス浄化フィルタ(1)。
  4. 上記排ガス浄化フィルタ(1)は、ガソリンエンジンから排出される排ガス中に含まれる粒子状物質を除去するために用いられることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の排ガス浄化フィルタ(1)。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の排ガス浄化フィルタ(1)を製造する方法において、
    上記ハニカム構造体(2)の上記結晶粒(21)の粒界(211)中に上記金属(4)を担持させる前処理工程と、
    該前処理工程後に、上記ハニカム構造体(2)に上記Ag含有触媒(3)を担持させる触媒担持工程と、を有することを特徴とする排ガス浄化フィルタ(1)の製造方法。
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