JP6280145B2 - 鉄筋コンクリート構造物の補修・補強構造 - Google Patents

鉄筋コンクリート構造物の補修・補強構造 Download PDF

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本発明は鉄筋コンクリート構造物の補修・補強構造、特に、土木構造物および建築構造物の鉄筋コンクリート構造を補修ないし補強する鉄筋コンクリート構造物の補修・補強構造に関する。
従来、土木構造物(橋梁や桟橋の梁、床版・橋脚、トンネル・立孔の覆工コンクリート、ボックスカルバート、擁壁、ケーソンなど)および建築構造物(ビル・建屋の床スラブ・梁・柱、煙突、サイロなど)の多くは鉄筋コンクリート構造によって構築されている。
そして、近年、東日本大地震や南海トラフ地震など想定される強大な地震に対する安全性を確保する目的や、車両重量の増加と共に、道路の拡幅・増設などに伴う車両の通行量の増加による建設当初の想定荷重を上回る荷重に対して安全性を確保する目的で、既存の鉄筋コンクリート構造物を補強する補強工事が増加している。
また、高度経済成長期に建設された多くの鉄筋コンクリート構造物の劣化が進行していることから、延命を図る大規模な補修延命工事が必要になっている。
このような、鉄筋コンクリート構造物の補修・補強の合理的な方法として、従来「鋼板補強工法」が使用されてきた。この方法は、既存の鉄筋コンクリート構造物の表面に、アンカーボルト等を用いて鋼板を設置し、鉄筋コンクリート構造物の表面と鋼板との間に形成された隙間に充填材を充填することによって、鉄筋コンクリート構造物と鋼板とを一体化して補修・補強を行うものである。
この方法によると、鋼板が充填材を充填するための型枠として機能すると共に、補強鉄筋の役割を兼ねるため、補修・補強のための鉄筋の配筋作業と型枠撤去の工程を削減することができ、工期の短縮やコストの削減を達成できるため、多くの補修・補強工事に使用されている。
また、この方法によって補修・補強の効果を十分に発揮させるためには、前記一体化を確実にして、鉄筋コンクリート構造物に発生する力を鋼板に確実に伝達する必要がある。例えば、接着系の充填材と鋼板との密着性を向上させるため、鋼板の表面の錆や埃を丁寧に除去したり、グラウト系の充填材と鋼板との間の力の伝達を向上させるため、鋼板にスタッドボルトなどの「ずれ止め」を装着したり、鋼板に力を直接伝達するため、鉄筋コンクリート構造物に定着されたアンカーボルトによって鋼板を固定したりしている(このとき、アンカーボルトの作用するせん断力によって、力が伝達されている)。
そこで、接着系(エポキシ系)の充填材を用いるものであって、耐食性に優れためっき鋼板を適用することが可能で、かつ煩雑な前処理や塗装の工程が従来よりも簡略化できる鋼板接着工法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、グラウト系の充填材を用いるものであって、鋼板のコンクリート躯体への取り付けを容易にすることができ、コンクリート躯体と鋼板との間にグラウトを確実に行き渡らせることができるコンクリート構造物の耐震補強構造が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2012−107398号公報(第9−10頁、図3) 特開2013−189782号公報(第3−4頁、図2)
しかしながら、特許文献1に記載された発明(接着系充填材)には、以下の問題があった。
(あ)鋼板をめっきや塗装によって防食する場合には、その表面の粗度を接着に適切になるように特殊な処理が必要である。
(い)鋼板表面の状態(ほこり、汚れ、しめりなど)が接着強度に及ぼす影響が多く、施工の品質管理が重要である。特に、補修・補強現場では、狭小で施工性が悪い場合が多く、品質の信頼性を確保することが困難な場合がある。
(う)接着に用いる樹脂の長期的な品質保証が問題になる。例えば、笹子トンネルの天井版固定用接着アンカーボルトの引き抜けの原因の一つとして、樹脂の劣化の可能性が上げられているように、長期的な温度変化、応力、乾湿、化学的作用などの要因により、鋼板との接着強度が低下することが信頼性の面で問題になってきている。
また、特許文献2に記載された発明(グラウト系充填材)には、以下の問題があった。
(え)鋼板を既存コンクリート構造体と一体化させ、機能を発揮させるためには、スタッドボルトやアンカーボルト、貫通ボルトの使用が必要であり、その施工のための工期、機材、コストが大きい。
(お)アンカーボルトや貫通ボルトを用いた場合には、既存鉄筋コンクリートの鉄筋との干渉があるため、ボルトの設置位置に制限があり、適切な設計、施工ができない場合や、この方法の適用ができない場合がある。
(か)鋼板にスタッドボルトを設置した場合には、既存鉄筋コンクリート構造物の表面と鋼板との間隙をスタッドボルトの長さよりも大きく設定する必要があり、補強面積が広くなってしまう。このため、充填するグラウトの量が多く(体積が大きく)なり、コストアップとなる場合や、補強部分の重量が増大し、構造的に不利になる場合がある。
本発明は上記問題を解消するものであって、鋼板に特殊な表面処理や周到な表面清掃をしたり、スタッドボルトを設置したり、あるいはコンクリート構造物から鋼板に直接力を伝達するためのアンカーボルトを用いたりすることなく、鋼板と充填材との力の受け渡しを良好にすることができる鉄筋コンクリート構造物の補修・補強構造を提供することを目的とする。
(1)鉄筋コンクリート構造物の表面である構造物表面に対面して配置された鋼板と、前記構造物表面と前記鋼板との間の間隙に充填された充填材とを有し、前記鋼板に複数の開口部が形成され、前記複数の開口部は、格子部により包囲され、前記格子部は、前記開口部に突出する開口部突起を備え、該開口部は前記充填材によって閉塞されていることを特徴とする。
)鉄筋コンクリート構造物の表面である構造物表面に対面して配置された鋼板と、前記構造物表面と前記鋼板との間の間隙に充填された充填材とを有し、前記鋼板に複数の開口部が形成され、前記複数の開口部は、前記鋼板に形成された複数のスリットが、引張り加工によって拡大されたものであり、前記鋼板の前記開口部を包囲する格子部の表面は、同一面上にあり、前記鋼板の表面を構成し、該開口部は前記充填材によって閉塞されていることを特徴とする。
(3)前記(1)において、前記複数の開口部は、前記鋼板に形成された複数のスリットが、引張り加工によって拡大されたものであり、前記格子部の表面は、同一面上にあり、前記鋼板の表面を構成することを特徴とする。
)前記(1)〜(3)の何れかにおいて、鋼板は、鉄筋コンクリート構造物の表面である構造物表面に接して配置されることを特徴とする。
)前記(1)〜(4)の何れかにおいて、前記鋼板の一方の表面である鋼板表面に複数の突起が形成されることを特徴とする。
)前記(1)〜()の何れかにおいて、前記鋼板の他方の表面である鋼板裏面に複数の突起が形成され、前記鋼板裏面に形成された複数の突起は、前記充填材に包囲されていることを特徴とする。
)前記(1)〜()の何れかにおいて、前記鋼板は複数枚であって、前記鋼板のうちの何れか一対の鋼板において、一方の鋼板の開口部の一部と他方の鋼板の開口部の一部とが重なり、前記一方の鋼板の重なっている開口部と前記他方の鋼板の重なっている開口部とに充填された前記充填材によって、前記一方の鋼板と前記他方の鋼板とは一体化されていることを特徴とする。
(8)また、鉄筋コンクリート構造物の表面である構造物表面に対面して配置された鋼板と、前記構造物表面と前記鋼板との間の間隙に充填された充填材と、を有し、前記鋼板に複数の開口部が形成され、該開口部は前記充填材によって閉塞され、前記鋼板は複数枚であって、前記鋼板のうちの何れか一対の鋼板において、一方の鋼板の開口部の一部と他方の鋼板の開口部の一部とが重なり、前記一方の鋼板の重なっている開口部と前記他方の鋼板の重なっている開口部とに充填された前記充填材によって、前記一方の鋼板と前記他方の鋼板とは一体化されていることを特徴とする。
(9)前記(8)において、鋼板は、鉄筋コンクリート構造物の表面である構造物表面に接して配置されることを特徴とする。
(10)前記(8)または(9)において、前記鋼板の一方の表面である鋼板表面に複数の突起が形成されることを特徴とする。
(11)前記(8)〜(10)の何れかにおいて、前記鋼板の他方の表面である鋼板裏面に複数の突起が形成され、前記鋼板裏面に形成された複数の突起は、前記充填材に包囲されていることを特徴とする。
12)前記(、(10)、または(11)において、前記複数の突起は、前記鋼板に一体的に形成されたものであることを特徴とする。
13)前記()、(、(10)、(11)又は(12)において、前記複数の突起は、それぞれの間隔が30mm〜40mmで、高さが2.5mm〜5.0mm、鉄筋コンクリート構造物に発生する引っ張り応力方向に測ったときの前記突起の根元の幅が4mm〜20mmであることを特徴とする。
(14)鉄筋コンクリート構造物の表面である構造物表面に対面して配置された鋼板と、前記構造物表面と前記鋼板との間の間隙に充填された充填材と、を有し、前記鋼板に複数の開口部が形成され、該開口部は前記充填材によって閉塞され、前記鋼板の一方の表面である鋼板表面及び前記鋼板の他方の表面である鋼板裏面の少なくとも一方に複数の突起が形成され、前記複数の突起は、それぞれの間隔が30mm〜40mmで、高さが2.5mm〜5.0mm、鉄筋コンクリート構造物に発生する引っ張り応力方向に測ったときの前記突起の根元の幅が4mm〜20mmであることを特徴とする。
(15)前記(14)において、前記鋼板は複数枚であって、前記鋼板のうちの何れか一対の鋼板において、一方の鋼板の開口部の一部と他方の鋼板の開口部の一部とが重なり、前記一方の鋼板の重なっている開口部と前記他方の鋼板の重なっている開口部とに充填された前記充填材によって、前記一方の鋼板と前記他方の鋼板とは一体化されていることを特徴とする。
(16)前記(14)又は(15)において、前記複数の開口部は、前記鋼板に形成された複数のスリットが、引張り加工によって拡大されたものであることを特徴とする。
(17)前記(14)〜(16)の何れかにおいて、前記複数の突起は、前記鋼板に一体的に形成されたものであることを特徴とする。
(18)前記(1)〜(17)の何れかにおいて、前記鉄筋コンクリート構造物に設置され、前記構造物表面から突出している吊りボルトによって、前記鋼板は支持されていることを特徴とする。
(19)前記(1)〜(18)の何れかにおいて、前記鋼板は、両側縁のそれぞれに連続して、前記鋼板表面側に形成された一対の鋼板側壁部を具備することを特徴とする。
20)前記(1)〜(19)の何れかにおいて、前記鋼板は、底面部と一対の側面部とを具備する断面コ字状に曲げ加工され、前記鉄筋コンクリート構造物に形成された構造物貫通孔を貫通する棒材が設置され、前記棒材が前記開口部を貫通することによって、前記鋼板は前記鉄筋コンクリート構造物に支持されていることを特徴とする。
21)前記(1)〜(20)の何れかにおいて、前記鋼板は、普通鋼、高張力鋼、ステンレス鋼または耐候性鋼であることを特徴とする。
22)前記(1)〜(21)の何れかにおいて、前記充填材は、モルタル、無収縮モルタル、ポリマーセメントモルタル、樹脂モルタル、繊維強化コンクリート、流動化コンクリート、高強度コンクリート、エポキシ樹脂系注入材、ウレタン樹脂系注入材、または水ガラス系注入材であることを特徴とする。
本発明に係る鉄筋コンクリート構造物の補修・補強構造は以下の効果を奏する。
(i)構造物表面に対面している鋼板表面に複数の突起が形成され、構造物表面と鋼板表面との間の間隙に充填材が充填されているから、複数の突起は充填材に機械的に噛み合って、両者の間でせん断力が伝達可能になっている。
したがって、鉄筋コンクリート構造物に曲げ荷重が作用したとき、鋼板は鉄筋コンクリート構造物と一体的に挙動するから、構造物表面における引張り応力は、鋼板に分担され、当該範囲が補強される。また、当該範囲が損傷している場合には、当該損傷が補修される。
(ii)さらに、構造物表面と鋼板との間隙に充填された充填材が、鋼板に形成された複数の開口部を閉塞しているから、充填材は複数の開口部に機械的に噛み合って、両者の間でせん断力が伝達可能になっている。よって、前記(i)と同じ効果が得られる。
(iii)また、本発明に係る鉄筋コンクリート構造物の補修・補強構造は、構造物表面に接して配置された鋼板の開口部に充填材が充填されているから、鋼板の開口部(正確には、開口部を囲む部位)は充填材に機械的に噛み合って、構造物表面と鋼板との間でせん断力が伝達可能になっている。よって、前記(i)の効果を奏する。
(iv)また、鋼板裏面に形成された突起は、充填材に包囲されているから、鋼板と充填材との密着が堅固になり、前記(i)の効果が促進される。
(v)また、一対の鋼板の一部が重なり、重なった範囲のそれぞれの鋼板の開口部に充填された充填材によって、一対の鋼板同士が一体化しているから、一対の鋼板同士を溶接や接続部材によって接続する必要がなくなる、よって、施工が容易になる。なお、本発明において「一体化」とは、鋼板同士の間で力が伝達される状態を意味し、それぞれの鋼板同士の一部が接触している場合と、それぞれの鋼板同士が直接接触していない場合とがある。
(vi)また、開口部は、複数のスリットが引張り加工によって拡大されたものであるから、加工が容易で、施工コストの圧縮および施工期間の短縮を図ることができる。
(vii)また、突起が形成された鋼板は、熱間圧延によって製造されるため、部材を準備する工場や、施工現場において、特別な加工が不要になることから、施工コストの圧縮および施工期間の短縮を図ることが可能になる。
(viii)鋼板が、構造物表面から突出している吊りボルトによって支持され、吊りボルトは、鉄筋コンクリート構造物に作用する力を鋼板に伝達するものではなく、鉄筋コンクリート構造物に作用する力を鋼板に伝達するためのせん断アンカーボルトが不要になるから、部材点数の減少によって部材コストが低減され、さらに、せん断アンカーボルトを設置するための削孔が不要になるため、削孔機器を不要にし、狭小な施工現場における施工性が向上することから、施工コストの圧縮および施工期間の短縮を図ることが可能になる。
(ix)また、鋼板は、支持部材横材と一対の支持部材縦材とを具備する鋼板支持部材の支持部横材に設置され、一対の支持部材縦材は、構造物側面に設置された支持ボルトによって支持されるから、支持ボルトの設置が容易であって、施工性が向上する。
(x)さらに、高さ調整ボルトが回転されることによって、鋼板支持部材は構造物表面に対して垂直の方向に移動されるから、施工が容易になると共に、鋼板支持部材の構造物表面に対して垂直方向の配置精度が向上する。
(xi)また、ガイド突条が支持部材ガイド溝に案内されて移動することによって、鋼板が鋼板支持部材に対して相対的に移動自在であるから、施工が容易になると共に、鋼板支持部材の構造物表面に対して平行な方向の配置精度が向上する。
(xii)支持部材横材と支持部材縦材とは固定ボルトによって分離自在に接続されているから、保管や運搬が容易になるため、施工コストを圧縮することができる。
(xiii)さらに、鋼板は一対の鋼板側壁を具備し、充填材を充填する際の型枠として機能することから、型枠の設置や撤収作業が不要になり、工期の短縮やコストの削減が可能になる。
(xiv)開口部を具備する鋼板は、断面コ字状に曲げ加工され、鉄筋コンクリート構造物に設置された棒材が開口部を貫通することによって鉄筋コンクリート構造物に支持されていることから、施工が容易になり、施工コストを圧縮することができる。
本発明の実施の形態1に係る鉄筋コンクリート構造物の補修・補強構造を説明する補強例であって、(a)は一部を透視して示す正面図、(b)は(a)の断面A−Aにおける側面視の断面図、(c)は(a)の断面B−Bにおける側面視の断面図。 図1に示す鉄筋コンクリート構造物の補修・補強構造を構成する鋼板の一部を拡大して示す正面図。 本発明の実施の形態1に係る鉄筋コンクリート構造物の補修・補強構造を説明する補修例であって、(a)は一部を透視して示す正面図、(b)は一部を拡大して一部を透視して示す正面図、(c)は(a)の断面A−Aにおける側面視の断面図、(d)は(a)の断面B−Bにおける側面視の断面図。 本発明の実施の形態2に係る鉄筋コンクリート構造物の補修・補強構造を説明する補修例であって、(a)は一部を透視して示す正面図、(b)は断面A−Aにおける側面視の断面図、(c)は断面B−Bにおける側面視の断面図。 本発明の実施の形態3に係る鉄筋コンクリート構造物の補修・補強構造を説明するものであって、(a)は一部を拡大して一部を透視して示す正面図、(b)は一部を拡大して示す側面視の断面図。 本発明の実施の形態4に係る鉄筋コンクリート構造物の補修・補強構造を説明するものであって、(a)は一部を拡大して一部を透視して示す正面図、(b)は一部を拡大して示す側面視の断面図。 図6に示す鉄筋コンクリート構造物の補修・補強構造に使用される鋼板を説明するものであって、(a)は一部を拡大して一部を透視して示す正面図、(b)は一部を拡大して示す側面図。 本発明の実施の形態5に係る鉄筋コンクリート構造物の補修・補強構造を説明する補修例であって、(a)は一部を透視して示す正面図、(b)は(a)の断面A−Aにおける側面視の断面図、(c)は(a)の断面B−Bにおける側面視の断面図。 本発明の実施の形態5に係る鉄筋コンクリート構造物の補修・補強構造に使用される鋼板を説明するものであって、(a)は鋼板の一部を拡大して一部を透視して示す正面図、(b)は鋼板の一部を拡大して示す側面図。 本発明の実施の形態6に係る鉄筋コンクリート構造物の補修・補強構造を説明する補修例であって、(a)は一部を透視して示す正面図、(b)は(a)の断面A−Aにおける側面視の断面図、(c)は補修例を示す底面図。 本発明の実施の形態6に係る鉄筋コンクリート構造物の補修・補強構造に使用される鋼板を説明するものであって、(a)は鋼板の展開平面図、(b)は加工する前の原板を示す平面図、(c)は加工する前の原板の一部を拡大して示す平面図。 本発明の実施の形態6に係る鉄筋コンクリート構造物の補修・補強構造に所用される鋼板のその他の形態を説明するものであって、(a)は平面図、(b)は(a)の断面B−Bにおける断面図、(c)は(a)の断面C−Cにおける断面図、(d)は鋼板を加工する前の原板を示す平面図、(e)は(d)の断面A−Aにおける断面図。 本発明の実施の形態6に係る鉄筋コンクリート構造物の補修・補強構造に所用される鋼板のその他の形態を説明するものであって、(a)は平面図、(b)は鋼板を加工する前の原板を示す平面図。 本発明の実施の形態7に係る鉄筋コンクリート構造物の補修・補強構造用の部材キットを説明する斜視図。 本発明の実施の形態8に係る鉄筋コンクリート構造物の補修・補強構造を説明する一部を透視して示す正面図。 本発明の実施の形態9に係る鉄筋コンクリート構造物の補修・補強構造を説明する一部を透視して示す正面図。 本発明の実施の形態10に係る鉄筋コンクリート構造物の補修・補強構造を説明するものであって、(a)は一部を透視して示す正面図、(b)は一部を示す斜視図。
[実施の形態1]
本発明の実施の形態1に係る鉄筋コンクリート構造物の補修・補強構造は、鉄筋コンクリート構造物を補修または補強するものである。以下、図1および図2を参照して補強例を説明し、図3を参照して補修例を説明する。
(補強例)
図1および図2は、本発明の実施の形態1に係る鉄筋コンクリート構造物の補修・補強構造を説明する補強例であって、図1の(a)は一部を透視して示す正面図、図1の(b)は図1の(a)の断面A−Aにおける側面視の断面図、図1の(c)は図1の(a)の断面B−Bにおける側面視の断面図、図2は鋼板の一部を拡大して示す正面図である。なお、各図は模式的に示すものであって、本発明は図示された形態(形状や数量等)に限定されるものではない。
図1において、鉄筋コンクリート構造物の補修・補強構造(以下「補修・補強構造」と称す)100は、鉄筋コンクリート構造物10を補強している。
鉄筋コンクリート構造物10は床または梁、あるいは柱であって、面状に打設されたコンクリート11と、コンクリート11内で長手方向(図1の(a)において左右方向)に向かって互いに平行に配置された鉄筋12と、コンクリート11内で鉄筋12を包囲するように、鉄筋12に対して垂直な面(図1の(a)において上下方向の面)に配置されたフープ筋13とを具備している。
また、コンクリート11の一方の表面(以下「構造物表面14」と称す)の所定の範囲を補強範囲15と称す。なお、図1の(a)では、補強範囲15を明確にするため、補強範囲15を細かい不規則な凹凸がある面にしているが、本発明はこれに限定するものではなく、補強範囲15が平坦であってもよい。例えば、作用する曲げモーメントが比較的大きな範囲であってもよい。
そして、コンクリート11には補強範囲15内に吊りボルト40が設置され(後打ちされ)、吊りボルト40の一部は構造物表面14から突出し、鋼板(以下「リブ付き鋼板」と称す)20に形成された貫通孔23を貫通している。そして、吊りボルト40にナット41が螺合している。すなわち、吊りボルト40/ナット41機構によって、リブ付き鋼板20は、補強範囲15(構造物表面14の一部に同じ)に対面して所定の間隔16を空けて配置されている(移動不能ないし落下不能になっている)。そして、間隔16に充填材30が充填されている。
(鋼板)
図2において、リブ付き鋼板20は、概ね9mm〜25mm厚さであって、一方の表面(以下「鋼板表面21」と称す)には、複数の突起(以下「リブ」と称す)22が形成されている。リブ22は、リブ付き鋼板20が熱間圧延によって製造される際、圧延ロールの表面に形成された溝によって一体的に形成されたものであって、圧延直角方向(図2において左右方向)でそれぞれの間隔が30mm〜40mmで、高さが2.5mm〜5.0mm、基部における幅(圧延方向に直角方向の距離)が4mm〜20mmである。なお、リブ22の断面形状は台形に限定するものではなく、半円状や矩形状であってもよい。
また、本発明はリブ付き鋼板20の成分等を限定するものではなく、熱間圧延によってリブ22が形成されるものである限り、普通鋼(炭素鋼)や、高張力鋼、ステンレス鋼または耐候性鋼等の合金鋼の何れであってもよい。したがって、設置される条件(荷重や気象等の環境)に応じて、適宜選択することができる。
なお、以下の説明の便宜上、鋼板表面21とは反対側の面を「鋼板裏面24」と称す。
(充填材)
さらに、本発明は充填材30の成分等を限定するものではなく、グラウト系充填材としては、例えば、モルタル、無収縮モルタル、ポリマーセメントモルタル、樹脂モルタル、繊維強化コンクリート、流動化コンクリート、高強度コンクリート等であってもよく、接着系充填材としては、例えば、エポキシ樹脂系注入材、ウレタン樹脂系注入材、または水ガラス系注入材であってもよい。したがって、設置される条件(荷重や気象等の環境)に応じて、適宜選択することができる。
(作用効果)
そして、構造物表面14は、引張り応力が発生する側の表面であって、リブ付き鋼板20の鋼板表面21は構造物表面14に対面している。すなわち、複数のリブ22は間隙16に充填された充填材30に食い込んだ形態を呈し、リブ22が充填材30と機械的に噛み合っているから、両者の間でせん断力が伝達可能になっている。また、充填材30は補強範囲15に密着している。
(イ)したがって、コンクリート11に曲げ荷重が作用したとき、リブ付き鋼板20はコンクリート11と一体的に挙動する。よって、構造物表面14における引張り応力は、補強範囲15において、リブ付き鋼板20が分担することから、補強範囲15は補強される。
(ロ)このとき、前記のように、リブ22が充填材30と機械的に噛み合って両者の間でせん断力が伝達されるから、鋼板表面21の表面粗さや、鋼板表面21に付着した塵埃等によって、補強が不十分になることがなく、補強の信頼性が高い。
(ハ)また、コンクリート11に作用する力をリブ付き鋼板20に伝達するせん断アンカーボルトが不要であることから、部材コストが低減され、さらに、せん断アンカーボルトを設置するための削孔が不要になるため、削孔機器を不要にし、狭小な施工現場における施工性が向上することから、施工コストの圧縮および施工期間の短縮を図ることが可能になる。
(ニ)また、リブ22が形成されたリブ付き鋼板20は、熱間圧延によって製造されるため、補修・補強構造100の部材を準備する工場や、施工現場において、特別な加工が不要になることから、施工コストの圧縮および施工期間の短縮のさらなる促進を図ることが可能になる。
(ホ)さらに、吊りボルト40は、コンクリート11に作用する力をリブ付き鋼板20に伝達するものではないから、リブ付き鋼板20の自重を支持できる程度の細いものでよい。また、吊りボルト40は、鉄筋12やフープ筋13に近接してコンクリート11を介して鉄筋12やフープ筋13と力のやりとりをする必要がないから、吊りボルト40を設置する位置の自由度が高い。
(へ)また、リブ付き鋼板20自体が、充填材30を充填する際の、型枠として機能することから、型枠の設置および撤収に伴う費用が不要になる。よって、この点においても、施工コストの圧縮および施工期間の短縮が促進される。
(補修例)
図3は、本発明の実施の形態1に係る鉄筋コンクリート構造物の補修・補強構造を説明する補修例であって、図3の(a)は一部を透視して示す正面図、図3の(b)は補修例を示す一部を拡大して一部を透視して示す正面図、図3の(c)は図3の(a)の断面A−Aにおける側面視の断面図、図3の(d)は図3の(a)の断面B−Bにおける側面視の断面図である。なお、各部は模式的に示すものであって、本発明は図示された形態(形状や数量等)に限定されるものではない。また、図1における部分と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図3において、補修・補強構造100は、鉄筋コンクリート構造物10を補修している。
鉄筋コンクリート構造物10の構造物表面14の所定の範囲に腐食や劣化によって、コンクリート11の一部が脱落して損傷面17が形成されている。以下、コンクリート11が脱落する前の構造物表面14と、コンクリート11の脱落によって形成された損傷面17とによって囲まれた範囲をコンクリート脱落部31と称す。なお、コンクリート脱落部31において、鉄筋12の一部が露出し、当該一部は腐食して外径が細くなっている。なお、以下、鉄筋12の外径が細くなっている範囲を「鉄筋腐食劣化部12a」と称す。
そして、コンクリート11には損傷面17内に吊りボルト40が設置され(後打ちされ)、吊りボルト40の一部はコンクリート脱落部31を経由して構造物表面14から突出している。そして、吊りボルト40はリブ付き鋼板20に形成された貫通孔23を貫通し、吊りボルト40にナット41が螺合している。このとき、リブ付き鋼板20の鋼板裏面24は構造物表面14と同一の面内に位置している。
すなわち、吊りボルト40/ナット41機構によって、リブ付き鋼板20は、コンクリート脱落部31に収納された状態で、移動不能ないし落下不能に配置されている。
さらに、鋼板表面21と損傷面17との間(コンクリート脱落部31からリブ付き鋼板20の体積を除いた体積に相当する)に、充填材30が充填され、鉄筋腐食劣化部12aは充填材30に埋め込まれた状態になっている。
(作用効果)
したがって、補修・補強構造100は、補修においても、補強と同様の作用効果が得られる。このとき、鉄筋腐食劣化部12aに作用していた力は、主にリブ付き鋼板20によって分担され、強度面での補修が図られ、鉄筋腐食劣化部12aの腐食は主に充填材30によってくい止められ、劣化面での補修が図られている。
[実施の形態2]
図4は、本発明の実施の形態2に係る鉄筋コンクリート構造物の補修・補強構造を説明する補修例であって、図4の(a)は一部を透視して示す正面図、図4の(b)は図4の(a)の断面A−Aにおける側面視の断面図、図4の(c)は図4の(a)の断面B−Bにおける側面視の断面図である。なお、実施の形態1と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。なお、各図は模式的に示すものであって、本発明は図示された形態(形状や数量等)に限定されるものではない。
(補修例)
図4において、鉄筋コンクリート構造物の補修・補強構造(以下「補修・補強構造」と称す)200は、補修・補強構造100における吊りボルト40に代えて、コ字状の鋼板支持部材50を使用するものである。
すなわち、鉄筋コンクリート構造物10は、構造物表面14と、構造物表面14に連なった一対の構造物側面18とを具備し、構造物表面14に平行で、一対の構造物側面18に跨がって構造物貫通孔19が形成されている。このとき、一対の構造物側面18は、構造物表面14に対して垂直で、互いに平行であるが、本発明はこれに限定するものではなく、構造物表面14から遠ざかる程、相互の距離が拡大する(逆ハ字状)の非平行であってもよい。
鋼板支持部材50は構造物表面14に平行に(正確には、損傷面17に対面して)配置される支持部材横材51と、一対の構造物側面18に平行に配置される一対の支持部材縦材52とを具備し、一対の支持部材縦材52にはそれぞれ縦材貫通孔53が形成されている。
そして、構造物貫通孔19を貫通する支持ボルト60の両端部は構造物側面18から突出して、縦材貫通孔53を貫通し、両端にナット61が螺合している。すなわち、鋼板支持部材50は、構造物貫通孔19を貫通する支持ボルト60によって、鉄筋コンクリート構造物10に設置されている。
さらに、リブ付き鋼板20が、鋼板表面21が損傷面17に対面した状態で、鋼板支持部材50の支持部材横材51に設置され(鋼板裏面24が支持部材横材51に当接している)、鋼板表面21と損傷面17との間(コンクリート脱落部31に略相当する)に充填材30が充填されている。
したがって、補修・補強構造200は、補修・補強構造100と同様の強度面および劣化面での作用効果が得られる。
さらに、吊りボルト40を鋼板支持部材50に変更したことによって、吊りボルトの上向き姿勢による立て込み作業に代えて、横方向の構造物貫通孔19を穿孔する比較的容易な作業になったことから、施工面での改善が図られている。
なお、以上は、支持ボルト60の両端部は構造物側面18から突出しているが、本発明はこれに限定するものではなく、支持ボルト60を2本に分割すると共に、構造物貫通孔19を構造物側面18から所定の深さの止まり穴にして、2本に分割したアンカーボルトのそれぞれを、前記止まり穴に設置するようにしてもよい。あるいは、支持ボルト60を両端部のみに雄ネジが形成された棒材にしてもよい。
また、鋼板支持部材50は、支持部材横材51と一対の支持部材縦材52とが一体的に形成されたもの(例えば、板材の曲げ加工したもの、あるいは断面コ字状の軽量形鋼を切断加工したもの等)であっても、3つの板材を溶接接合または機械的接合(ネジ/ネジ穴機構、嵌合突起/勘合穴機構等)したものであってもよい。
[実施の形態3]
図5は、本発明の実施の形態3に係る鉄筋コンクリート構造物の補修・補強構造を説明するものであって、図5の(a)は一部を拡大して一部を透視して示す正面図、図5の(b)は一部を拡大して示す側面視の断面図である。なお、実施の形態1、2と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。なお、各図は模式的に示すものであって、本発明は図示された形態(形状や数量等)に限定されるものではない。
図5において、鉄筋コンクリート構造物の補修・補強構造(以下「補修・補強構造」と称す)300は、鉄筋コンクリート構造物の補修・補強構造200における鋼板支持部材50の位置を調整可能にしたものであって、これを除く部位については鉄筋コンクリート構造物の補修・補強構造200に同じである。したがって、かかる位置を調整可能にした部分のみについて説明する。
補修・補強構造300における鋼板支持部材50は、縦材貫通孔53が支持部材横材51に対して垂直の方向が長い長孔であって、支持部材縦材52の支持部材横材51とは反対側の端面(以下「縦材上端面」と称す)54には、縦材貫通孔53に到達するネジ孔55が形成されている。そして、ネジ孔55に高さ調整ボルト71が螺合し、高さ調整ボルト71の先端が支持ボルト60に当接している。
したがって、高さ調整ボルト71を回転することによって、鋼板支持部材50は支持ボルト60に対して昇降することになる。
よって、仮に、構造物貫通孔19の位置が上下方向で正確でない(ずれた)場合であっても、高さ調整ボルト71を回転することによって、鋼板支持部材50の位置を正規の位置に設置することができる。
また、支持部材横材51の位置が、構造物表面14から離れた低い位置になるように鋼板支持部材50を設置し、この状態で、リブ付き鋼板20を構造物表面14に対して平行に移動して、支持部材横材51の上に滑り込ませ、その後で、高さ調整ボルト71を回転することによって、リブ付き鋼板20を正規の位置にまで待ち上げるようにしてもよい。
したがって、補修・補強構造300によると、施工がさらに容易になり、補修・補強構造200の作用効果をさらに促進することができる。
なお、図5において、構造物側面18と支持部材縦材52との間にはスペーサー63が配置され、ナット61は固定ワッシャー62を介して支持部材縦材52を構造物側面18に押し付けている。
[実施の形態4]
図6および図7は、本発明の実施の形態4に係る鉄筋コンクリート構造物の補修・補強構造を説明するものであって、図6の(a)は一部を拡大して一部を透視して示す正面図、図6の(b)は一部を拡大して示す側面視の断面図、図7の(a)は鋼板の一部を拡大して一部を透視して示す正面図、図7の(b)は鋼板の一部を拡大して示す側面図である。なお、実施の形態1、2と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。なお、各図は模式的に示すものであって、本発明は図示された形態(形状や数量等)に限定されるものではない。
図7において、リブ付き鋼板20の鋼板裏面24には、長手方向のガイド突条25が設けられている。ガイド突条25は断面が略台形であって、鋼板裏面24から遠ざかる程、広い幅になっている。
図6において、鉄筋コンクリート構造物の補修・補強構造(以下「補修・補強構造」と称す)400は、鉄筋コンクリート構造物の補修・補強構造200における鋼板支持部材50の支持部材横材51にガイド溝56を設けたものである。ガイド溝56は口元よりも奥(底)の方が広い幅になっている。
そして、リブ付き鋼板20の鋼板裏面24が支持部材横材51に当接した状態で、ガイド突条25はガイド溝56に長手方向で移動自在で、上下方向に抜け出し不能に侵入している。
よって、仮に、構造物貫通孔19の位置が長手方向で正確でない(ずれた)場合であっても、リブ付き鋼板20を支持部材横材51に載置して、長手方向に移動させることによって、リブ付き鋼板20を正規の位置に配置することができる。このとき、幅方向の位置は、ガイド突起25/ガイド溝56機構によって維持されている。
したがって、補修・補強構造400によると、施工がさらに容易になり、補修・補強構造200の作用効果をさらに促進することができる。
また、図6において、支持部材横材51と支持部材縦材52とは分離自在であって、支持部材横材51の側端面にネジ穴57が設けられ、支持部材縦材52の下端部に貫通孔58が設けられている。そして、貫通孔58を貫通し、ネジ穴57に螺合する固定ボルト72によって、鋼板支持部材50が形成されている。したがって、支持部材横材51と支持部材縦材52とが分離された状態で、施工現場に持ち込み、鋼板支持部材50を容易に形成することができるから、在庫や運搬が容易になり、結果として、施工コストの低減化に寄与する。
なお、支持部材縦材52の下端部には、支持部材横材51の側縁の一部が係止する縦材係止部59が形成され、支持部材横材51に作用する荷重が縦材係止部59において、支持部材縦材52に伝達されている。したがって、固定ボルト72にせん断力が作用しない構造になっている。
ガイド溝56は、組立式ではない、一体的に形成された鋼板支持部材50の支持部材横材51に設けてもよい。
[実施の形態5]
図8および図9は、本発明の実施の形態5に係る鉄筋コンクリート構造物の補修・補強構造を説明する補修例であって、図8の(a)は一部を透視して示す正面図、図8(b)は図8(a)の断面A−Aにおける側面視の断面図、図8(c)は図8(a)の断面B−Bにおける側面視の断面図、図9の(a)は鋼板の一部を拡大して一部を透視して示す正面図、図9の(b)は鋼板の一部を拡大して示す側面図である。
なお、実施の形態1、2と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。なお、各図は模式的に示すものであって、本発明は図示された形態(形状や数量等)に限定されるものではない。
図9において、鉄筋コンクリート構造物の補修・補強構造(以下「補修・補強構造」と称す)500は、側壁付き鋼板80を使用するものであって、側壁付き鋼板80は、リブ付き鋼板20と、リブ付き鋼板20の両側縁にそれぞれ連続して、側面型枠として機能する一対の鋼板側壁部26とを具備している。
図8において、側壁付き鋼板80の鋼板側壁部26の上端は損傷面17よりも上に位置し、鋼板側壁部26の上端部は構造物側面18に当接している。したがって、鋼板表面21と、一対の鋼板側壁部26(正確には、一対の鋼板側壁部26のコンクリート脱落部31側の面)とによって、コンクリート脱落部31は包囲されている。
(側壁付き鋼板)
すなわち、側壁付き鋼板80の鋼板側壁部26の上端は、損傷面17よりも上に位置し、鋼板側壁部26の上端部は構造物側面18に当接している。したがって、リブ付き鋼板20と一対の鋼板側壁部26とに(正確には、鋼板表面21と一対の鋼板側壁部26のコンクリート脱落部31側の面とに)よって、コンクリート脱落部31は包囲されている。
よって、鋼板側壁部26は、充填材30を充填する際の型枠として機能するから、別途、コンクリート脱落部31の側方(幅方向)に型枠を設置する必要がなくなるため、型枠の設置および撤収が不要になり、施工がより簡素で迅速になる。
すなわち、補修・補強構造500によると、補修・補強構造200と同じ作用効果に追加して、施工性の改善による施工コストの低減を図ることが可能になる。
なお、側壁付き鋼板80は、実施の形態2に限って使用するものではなく、実施の形態1、3、4の何れにおいて使用してもよく、何れに使用されても、実施の形態2に使用した場合と同様の作用効果が得られる。
[実施の形態6]
図10および図11は、本発明の実施の形態6に係る鉄筋コンクリート構造物の補修・補強構造を説明する補修例であって、図10の(a)は一部を透視して示す正面図、図10(b)は図10の(a)の断面A−Aにおける側面視の断面図、図10の(c)は補修例を示す底面図、図11の(a)は鋼板の展開平面図、図11の(b)は鋼板を加工する前の原板を示す平面図、図11の(c)は図11の(b)に示す加工する前の原板の一部を拡大して示す平面図である。
なお、実施の形態1、2と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。なお、各図は模式的に示すものであって、本発明は図示された形態(形状や数量等)に限定されるものではない。
(補修例)
図10において、鉄筋コンクリート構造物の補修・補強構造(以下「補修・補強構造」と称す)600は、鋼板(以下「格子鋼板」と称す)90を使用するものである。
格子鋼板90は、平坦な鋼板(原板)に複数の開口部93が形成されたものであって、底面部97と一対の側面部98とを具備する断面コ字状に曲げ加工されたものである。
鉄筋コンクリート構造物10には構造物貫通孔19が形成され、構造物貫通孔19を貫通する棒材(以下「PC棒鋼」と称す)67の両端部は、構造物側面18から突出している。
そして、格子鋼板90の底面部97は構造物表面14に平行に配置され、側面部98は構造物側面18に平行に配置された状態で、格子鋼板90はコンクリート脱落部31を包囲している。このとき、PC棒鋼67の両端部は、格子鋼板90の開口部93を貫通し、両端に形成されたネジ部にナット68が螺合しているから、格子鋼板90はPC棒鋼67によって所定の位置に保持されている。このとき、PC棒鋼67は座金69を貫通している。すなわち、座金69は開口部93同士の間の格子部94に押し当てられ、ナット68によって、抜け出し不能に設置されている。
さらに、格子鋼板90によって包囲されたコンクリート脱落部31に充填材30が充填され、かつ、充填材30は開口部93を閉塞している。すなわち、充填材30は粘度の高い、例えば、ポリマーセメントモルタルであって、開口部93を通過してコンクリート脱落部31に吹き付けられている。
なお、以上は、格子鋼板90を曲げ加工して使用しているが、本発明はこれに限定するものではなく、曲げ加工する前の平板状のままで、補修・補強構造100におけるリブ付き鋼板20の代わりとして使用してもよい。
(格子鋼板)
図11の(a)において、格子鋼板90は、方眼状に配置された複数の開口部93(碁盤の目に相当する)と、空間である開口部93同士の間の有体である格子部94(碁盤の線に相当する)とを具備している。
格子鋼板90は、例えば、レーザー等によって複数のスリット92(図11の(c)参照)が加工された原板91(図11の(b)参照)を、面内で引張り加工したものであって、スリット92が拡大して複数の開口部93が形成され、スリット92同士の不連続部が、開口部93同士の間の格子部94になっている。
なお、以上は、原板91にスリット92同士の不連続部が方眼状に配置され、格子鋼板90の側縁に平行な辺と垂直な辺とを具備する矩形状の開口部93が形成されているが、本発明は開口部93の形状を限定するものではなく、例えば、原板91にスリット92同士の不連続部が千鳥状に配置され、格子鋼板90の側縁に対して傾斜した辺を具備する菱形状の開口部93が形成されたものであってもよい。
(作用効果)
以上より、補修・補強構造600は、側壁付き鋼板80の代わりに格子鋼板90を使用していることから、前記のように、開口部93はコンクリート脱落部31に充填された充填材30によって閉塞され、充填材30が開口部93に食い込んで機械的に噛み合っているため、両者の間でせん断力が伝達可能になっている。また、充填材30はコンクリート11の一部が脱落して露出した損傷面17に密着している。
(イ)したがって、コンクリート11に曲げ荷重が作用したとき、格子鋼板90はコンクリート11と一体的に挙動する。よって、補修・補強構造600によると補修・補強構造100と同様の作用効果が得られる。
(ロ)このとき、原板91の表面粗さや、原板91に付着した塵埃等によって、補修や補強が不十分になることがなく、補修や補強の信頼性が高い。
(ハ)また、鋼板支持部材50等の支持手段が不要であることから、部材コストが低減され、さらに、せん断アンカーボルトを設置するための削孔が不要になるため、削孔機器を不要にし、狭小な施工現場における施工性が向上することから、施工コストの圧縮および施工期間の短縮を図ることが可能になる。
(ニ)また、格子鋼板90は側壁付き鋼板80に比べて、重量が軽く、保管や運搬が容易であると共に、施工の際のハンドリングが容易であるから、施工コストが安価になる。
(ホ)格子鋼板90の開口部93はコンクリート脱落部31に充填された充填材30によって閉塞されているから、かかる開口部93を閉塞する充填材30の状態を点検することによって、コンクリート脱落部31に充填された充填材30の状態(確実な充填の有無や、経年変質等)をモニタリングすることができる。
(ヘ)また、開口部93(格子部94同士の間に同じ)を経由して充填材30を吹き付けることによって、コンクリート脱落部31に充填材30を充填することができるから、施工の選択肢が多く、施工コストを安価に抑えることが可能になる。
なお、充填材30の粘性が低い場合は、格子鋼板90が型枠として機能しないため、開口部93から流れ出さないだけの粘性を充填材30に付与する必要がある。
(格子鋼板のその他の形態)
図12は、本発明の実施の形態6に係る鉄筋コンクリート構造物の補修・補強構造に所用される鋼板のその他の形態を説明するものであって、(a)は平面図、(b)は(a)の断面B−Bにおける断面図、(c)は(a)の断面C−Cにおける断面図、(d)は鋼板を加工する前の原板を示す平面図、(e)は(d)の断面A−Aにおける断面図である。なお、図11と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図12の(e)において、原板91に加工されたスリット92は、原板91の面に対して垂直ではなく、対向するスリット92同士は断面においてハ字状を呈している。
このため、原板91面と平行に引張ると、図12の(b)および(c)に示すような断面台形状の格子部94と、格子部94に包囲された開口部93とが形成されている。
したがって、充填材30と格子鋼板90との噛み合わせがよくなる。
(格子鋼板のその他の形態)
図13は、本発明の実施の形態6に係る鉄筋コンクリート構造物の補修・補強構造に所用される鋼板のその他の形態を説明するものであって、(a)は平面図、(b)は鋼板を加工する前の原板を示す平面図である。なお、図11と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図13の(b)において、原板91に加工されたスリット92は直線状でなく、矩形波状に形成されている。このため、図13の(a)に示すような格子部94の両側面は直線状でなく、矩形波状に形成されている。すなわち、格子部94には、開口部93に突出する突起が複数形成されているから、充填材30と格子鋼板90との噛み合わせがよくなる。
なお、図13の(b)に示すスリット92を、図12の(e)に示すスリット92のように、矩形波状で面に対して垂直でないものにし、充填材30と格子鋼板90との噛み合わせを、さらによくしてもよい。
[実施の形態7]
図14は、本発明の実施の形態7に係る鉄筋コンクリート構造物の補修・補強構造用の部材キットを説明する斜視図であって、各部材を分離し、使用状況に近い位置に配置している。なお、実施の形態3〜6と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。なお、各図は模式的に示すものであって、本発明は図示された形態(形状や数量等)に限定されるものではない。
図14において、鉄筋コンクリート構造物の補修・補強構造用の部材キット(以下「補修・補強構造用部材キット」と称す)700は、構造物側面18を具備する鉄筋コンクリート構造物10に、側壁付き鋼板80を設置するためのものであって、それぞれ分解された部材によって構成されている。
すなわち、側壁付き鋼板80はリブ付き鋼板20と鋼板側壁部26と一体化し、また、リブ付き鋼板20の鋼板裏面24にはガイド突条25が設けられている。
また、鋼板支持部材50は、支持部材横材51と支持部材縦材52とが分解され、両者を固定する固定ボルト72と高さ調整ボルト71とが用意されている。そして、支持部材横材51にはガイド溝56が設けられている。また、鋼板支持部材50を鉄筋コンクリート構造物10に取り付けるための支持ボルト60およびナット61が用意されている。
したがって、補修・補強構造用部材キット700は、実施の形態3〜5において説明した各部材を分解し、寄せ集めて「部材キット」にしたものであるから、比較的狭いスペースにおいて保管することができ、また、運搬も容易である。
そして、各部材を組み立てて、鉄筋コンクリート構造物10に設置することによって、鉄筋コンクリート構造物10を補修または補強することができるから、構造物の補修・補強構造300〜500として機能する。なお、各部材の大きさや数量は、補修または補強する部分の大きさによって決定される。
[実施の形態8]
図15は、本発明の実施の形態8に係る鉄筋コンクリート構造物の補修・補強構造を説明する一部を透視して示す正面図である。なお、実施の形態1または実施の形態6と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。また、図15は模式的に示すものであって、本発明は図示された形態(形状や数量等)に限定されるものではない。
図15において、鉄筋コンクリート構造物の補修・補強構造(以下「補修・補強構造」と称す)800は、格子鋼板890を用いて鉄筋コンクリート構造物10を補強している。
格子鋼板890は、格子鋼板90(実施の形態6)における側面部98を撤去して、底面部97のみにしたものに相当し、格子部94と複数の開口部93とを具備している。
そして、格子鋼板890の格子部94の一部は、鉄筋コンクリート構造物10の構造物表面14に接している。
このとき、格子鋼板890の開口部93に充填された充填材30は、構造物表面14の補強範囲15に密着しているから、格子鋼板890の格子部94は充填材30に機械的に噛み合って、構造物表面14と格子鋼板890との間でせん断力が伝達可能になっている。よって、補修・補強構造100(実施の形態1)と同様の作用効果を奏する。
なお、以上は、格子鋼板890は、凹凸のある補強範囲15を覆っているが、本発明はこれに限定するものではなく、構造物表面14の凹凸のない範囲を覆ってもよい。
また、実施の形態2〜7においても、格子鋼板890を用いて、格子鋼板890を構造物表面14に接するようにしてもよい。
[実施の形態9]
図16は、本発明の実施の形態9に係る鉄筋コンクリート構造物の補修・補強構造を説明する一部を透視して示す正面図である。なお、実施の形態1または実施の形態6と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。また、図16は模式的に示すものであって、本発明は図示された形態(形状や数量等)に限定されるものではない。
図16において、鉄筋コンクリート構造物の補修・補強構造(以下「補修・補強構造」と称す)900は、格子鋼板990を用いて鉄筋コンクリート構造物10を補強している。
格子鋼板990は、格子鋼板890(実施の形態8)における格子部94にリブ95を形成したものである。
そして、格子鋼板990のリブ95の一部は、鉄筋コンクリート構造物10の構造物表面14に接している。
このとき、格子鋼板890の開口部93に充填された充填材30は、リブ95を包囲すると共に、構造物表面14の補強範囲15に密着しているから、格子鋼板890の格子部94およびリブ95は充填材30に機械的に噛み合って、構造物表面14と格子鋼板890との間でせん断力が伝達可能になっている。よって、補修・補強構造100(実施の形態1)と同様の作用効果を奏する。
なお、リブ95の形状は限定するものではなく、例えば、円錐台状の突起や、所定の長さを有する突条であってもよい。また、以上は、格子鋼板990は、凹凸のある補強範囲15を覆っているが、本発明はこれに限定するものではなく、構造物表面14の凹凸のない範囲を覆ってもよい。さらに、実施の形態2〜7においても、格子鋼板990を用いて、格子鋼板890のリブ95を構造物表面14に接するようにしてもよい。
さらに、リブ95を格子部94の両面に形成してもよい(図示しない)。このとき、両面に形成されたリブ95は、充填材30に包囲されているから、格子鋼板980と充填材30との密着が堅固になり、補修・補強構造100(実施の形態1)と同様の作用効果が促進される。
さらに、格子鋼板890のリブ95を構造物表面14とは反対側にして、格子鋼板890のリブ95の無い面の一部を構造物表面14に接するようにして、リブ95が充填材30に包囲されるようにしてもよい。このときも、補修・補強構造100(実施の形態1)と同様の作用効果が得られる。
[実施の形態10]
図17は、本発明の実施の形態10に係る鉄筋コンクリート構造物の補修・補強構造を説明するものであって、(a)は一部を透視して示す正面図、(b)は一部を示す斜視図である。なお、実施の形態8と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。また、図17は模式的に示すものであって、本発明は図示された形態(形状や数量等)に限定されるものではない。
図17において、鉄筋コンクリート構造物の補修・補強構造(以下「補修・補強構造」と称す)1000は、2枚の格子鋼板890(以下、一方を格子鋼板890a、他方を格子鋼板890bと称す)を用いて鉄筋コンクリート構造物10を補強している。なお、吊りボルト40およびナット41の記載を省略している。
そして、格子鋼板890aの開口部93aの一部と格子鋼板890bの開口部93bの一部とが重なり(図17において2箇所)、格子鋼板890aの格子部94aの一部と格子鋼板890bの格子部94bの一部とが重なっている(図17において3箇所、以下、重なり範囲を「ラップ部890ab」と称す)。
このとき、格子鋼板890aの重なっている開口部93aと格子鋼板890bの重なっている開口部93bとに充填された充填材30によって、格子鋼板890aと格子鋼板890bとは一体化されている。すなわち、ラップ部890abに充填された充填材30が格子鋼板890aと格子鋼板890bとの間で力を伝える「継手」としても機能している。
また、格子鋼板890aの格子部94aの一部および格子鋼板890bの格子部94bの一部は、それぞれ構造物表面14に接し、ラップ部890abにおいて、格子鋼板890aの格子部aと格子鋼板890bの格子部bとが接近または当接するように、格子鋼板890bの格子部bは、折り曲げ部96bにおいて、折り曲げられている。
なお、折り曲げ部96bにおける折り曲げを廃止して、格子鋼板890aおよび格子鋼板890bをそれぞれ平面状にして、格子鋼板890aの格子部94aの一部は構造物表面14に接し、格子鋼板890bの格子部94bの一部は構造物表面14に対向し、所定の間隙を空けて配置するようにしてもよい。
なお、以上は、2枚の格子鋼板890について説明しているが、本発明はこれに限定するものではなく、同様に、3枚以上の格子鋼板890の一部が重なるようにしてもよい。
さらに、補修・補強構造900(実施の形態9参照)において、複数枚の格子鋼板990を用いて、同様に、複数枚の格子鋼板990の一部が重なるようにしてもよい。このとき、リブ95は片面にあっても、あるいは両面にあってもよい。
さらに、同様に、格子鋼板890(実施の形態8)の一部と格子鋼板990(実施の形態9)の一部とが重なるようにしてもよい。
本発明によれば、鋼板と充填材との力の受け渡しを良好にすることができるから、床、梁あるいは柱等の各種鉄筋コンクリート構造物を補修または補強するための鉄筋コンクリート構造物の補修・補強構造として広く利用することができる。
10 :鉄筋コンクリート構造物
11 :コンクリート
12 :鉄筋
12a:鉄筋腐食劣化部
13 :フープ筋
14 :構造物表面
15 :補強範囲
16 :間隙
17 :損傷面
18 :構造物側面
19 :構造物貫通孔
20 :リブ付き鋼板
21 :鋼板表面
22 :リブ
23 :貫通孔
24 :鋼板裏面
25 :ガイド突条
26 :鋼板側壁部
30 :充填材
31 :コンクリート脱落部
40 :吊りボルト
41 :ナット
50 :鋼板支持部材
51 :支持部材横材
52 :支持部材縦材
53 :縦材貫通孔
55 :ネジ孔
56 :ガイド溝
57 :ネジ穴
58 :貫通孔
59 :縦材係止部
60 :支持ボルト
61 :ナット
62 :固定ワッシャー
63 :スペーサー
67 :PC棒鋼
68 :ナット
69 :座金
71 :高さ調整ボルト
72 :固定ボルト
80 :側壁付き鋼板
82 :固定ボルト
90 :格子鋼板
91 :原板
92 :スリット
93 :開口部
93a:開口部
93b:開口部
94 :格子部
94a:格子部
94b:格子部
95 :リブ
96b:折り曲げ部
97 :底面部
98 :側面部
100:補修・補強構造
200:補修・補強構造
300:補修・補強構造
400:補修・補強構造
500:補修・補強構造
600:補修・補強構造
700:補修・補強構造用部材キット
800:補修・補強構造
890:格子鋼板
890a: 格子鋼板
890b: 格子鋼板
890ab:ラップ部
900: 補修・補強構造
990: 格子鋼板
1000: 補修・補強構造

Claims (15)

  1. 鉄筋コンクリート構造物の表面である構造物表面に対面して配置された鋼板と、
    前記構造物表面と前記鋼板との間の間隙に充填された充填材と、を有し、
    前記鋼板に複数の開口部が形成され、該開口部は前記充填材によって閉塞され、
    前記鋼板は複数枚であって、
    前記鋼板のうちの何れか一対の鋼板において、一方の鋼板の開口部の一部と他方の鋼板の開口部の一部とが重なり、前記一方の鋼板の重なっている開口部と前記他方の鋼板の重なっている開口部とに充填された前記充填材によって、前記一方の鋼板と前記他方の鋼板とは一体化されていることを特徴とする鉄筋コンクリート構造物の補修・補強構造。
  2. 前記鋼板は、
    前記構造物表面に接して配置されることを特徴とする請求項に記載の鉄筋コンクリート構造物の補修・補強構造。
  3. 前記鋼板の一方の表面である鋼板表面に複数の突起が形成されることを特徴とする請求項又はに記載の鉄筋コンクリート構造物の補修・補強構造。
  4. 前記鋼板の他方の表面である鋼板裏面に複数の突起が形成され、前記鋼板裏面に形成された複数の突起は、前記充填材に包囲されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の鉄筋コンクリート構造物の補修・補強構造。
  5. 前記複数の突起は、
    前記鋼板に一体的に形成されたものであることを特徴とする請求項3又は4に記載の鉄筋コンクリート構造物の補修・補強構造。
  6. 前記複数の突起は、
    それぞれの間隔が30mm〜40mmで、高さが2.5mm〜5.0mm、鉄筋コンクリート構造物に発生する引っ張り応力方向に測ったときの前記突起の根元の幅が4mm〜20mmであることを特徴とする請求項3〜5の何れか一項に記載の鉄筋コンクリート構造物の補修・補強構造。
  7. 鉄筋コンクリート構造物の表面である構造物表面に対面して配置された鋼板と、
    前記構造物表面と前記鋼板との間の間隙に充填された充填材と、を有し、
    前記鋼板に複数の開口部が形成され、該開口部は前記充填材によって閉塞され、
    前記鋼板の一方の表面である鋼板表面及び前記鋼板の他方の表面である鋼板裏面の少なくとも一方に複数の突起が形成され、
    前記複数の突起は、
    それぞれの間隔が30mm〜40mmで、高さが2.5mm〜5.0mm、鉄筋コンクリート構造物に発生する引っ張り応力方向に測ったときの前記突起の根元の幅が4mm〜20mmであることを特徴とする鉄筋コンクリート構造物の補修・補強構造。
  8. 前記鋼板は複数枚であって、前記鋼板のうちの何れか一対の鋼板において、一方の鋼板の開口部の一部と他方の鋼板の開口部の一部とが重なり、前記一方の鋼板の重なっている開口部と前記他方の鋼板の重なっている開口部とに充填された前記充填材によって、前記一方の鋼板と前記他方の鋼板とは一体化されていることを特徴とする請求項に記載の鉄筋コンクリート構造物の補修・補強構造。
  9. 前記複数の開口部は、
    前記鋼板に形成された複数のスリットが、引張り加工によって拡大されたものであることを特徴とする請求項又はに記載の鉄筋コンクリート構造物の補修・補強構造。
  10. 前記複数の突起は、
    前記鋼板に一体的に形成されたものであることを特徴とする請求項の何れか一項に記載の鉄筋コンクリート構造物の補修・補強構造。
  11. 前記鉄筋コンクリート構造物に設置され、前記構造物表面から突出している吊りボルトによって、前記鋼板は支持されていることを特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載の鉄筋コンクリート構造物の補修・補強構造。
  12. 前記鋼板は、
    両側縁のそれぞれに連続して、前記鋼板の表面側に形成された一対の鋼板側壁部を具備することを特徴とする請求項1〜11の何れか一項に記載の鉄筋コンクリート構造物の補修・補強構造。
  13. 前記鋼板は、
    底面部と一対の側面部とを具備する断面コ字状に曲げ加工され、
    前記鉄筋コンクリート構造物に形成された構造物貫通孔を貫通する棒材が設置され、
    前記棒材が前記開口部を貫通することによって、前記鋼板は前記鉄筋コンクリート構造物に支持されていることを特徴とする請求項1〜12の何れか一項に記載の鉄筋コンクリート構造物の補修・補強構造。
  14. 前記鋼板は、
    普通鋼、高張力鋼、ステンレス鋼または耐候性鋼であることを特徴とする請求項1〜13の何れか一項に記載の鉄筋コンクリート構造物の補修・補強構造。
  15. 前記充填材は、
    モルタル、無収縮モルタル、ポリマーセメントモルタル、樹脂モルタル、繊維強化コンクリート、流動化コンクリート、高強度コンクリート、エポキシ樹脂系注入材、ウレタン樹脂系注入材、または水ガラス系注入材であることを特徴とする請求項1〜14の何れか一項に記載の鉄筋コンクリート構造物の補修・補強構造。
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