JP2006225906A - トンネル覆工コンクリートの補強方法 - Google Patents

トンネル覆工コンクリートの補強方法 Download PDF

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英人 真下
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利明 石村
Yasuhiko Hakoishi
安彦 箱石
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薫 名児耶
Noboru Sakata
昇 坂田
Takuji Yamamoto
拓治 山本
Yoshiki Hiraishi
剛紀 平石
Ichiro Fukuda
一郎 福田
Komei Matsubara
功明 松原
Keisuke Hibiya
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Abstract

【課題】 損傷した二次覆工コンクリートの耐力を、内空をある程度確保したまま損傷前の耐力に戻すことができるものである。また、補強後の部材に曲げが作用した場合に、補強部材が圧縮側および引張側になる場合のいずれにおいても、覆工コンクリートの耐力を向上することができる。
【解決手段】 既設覆工コンクリート面をブラストまたはウォータージェットによる表面処理を行った後、エキスパンドメタルをアンカーで設置して、または、トンネル断面に沿ってエキスパンドメタルと鋼板とを並べてアンカーで設置して、クラック分散型の繊維補強セメント複合材料を吹付け施工または打設する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、トンネル、特に山岳トンネルの二次覆工コンクリートの補強方法に関するものである。
山岳トンネルにおける、NATM工法による施工の場合、一般に吹付けコンクリートにて一次覆工を行い、その上に防水用のシートを設置し、さらに、型枠を用いてコンクリートを打設して二次覆工コンクリートを構築する。この二次覆工コンクリートは、設計計算上、構造部材としては見ず、化粧として構築される。
二次覆工コンクリートは、設計上、強度部材として考慮していないが、実際には二次覆工コンクリートがあることによって、より安全側となっている、そのため、二次覆工コンクリートに損傷が生じた場合、補修を行う必要が生じる。
従来より、変状が発生したトンネルの圧縮力に対する補強工法として、裏込め注入・ロックボルトなどの地山の安定性改善を目的とした補強法と、内巻きコンクリート・打替えコンクリート等のよる覆工コンクリート自体の耐力向上を目的とした補強法が主として採用されている。
また、内面補強工として、炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維などをFRP板として覆工内面に貼り付けたり、鋼板を貼り付けることにより、引張補強材としてひび割れの開口や覆工の変形を抑制し、併せて、覆工片の剥離・剥落を防ぐ工法がある。
裏込め注入・ロックボルトなどの地山の安定性改善を目的とした工法の場合は、覆工コンクリートへの負荷を低減できるものの、覆工コンクリート自体の劣化に対しては補強効果は期待できない。したがって、変状により覆工コンクリートが要求性能を満足できない場合には、後者の内巻きコンクリート・打替えコンクリート工法などによって覆工コンクリート自体の耐力を向上させることが有効となる。
しかし、内巻コンクリートによる補強では、増厚の厚さが充填性、安定性などから100mm以上とするのが通常であり、内空断面を十分に確保できない建築限界の問題や、施工時にセントルを使用する必要がある場合もあり、施工性の面でも問題があった。また、内巻コンクリートによる補強では、軸力以外に曲げが作用した場合に補強部材が引張側になる場合の補強効果は大きくない。また、補強後数年でコンクリート片が剥落する事例もあり、第三者被害防止の観点から近年採用が減っている。
また、覆工コンクリートを除去する打替え工法では、内空断面の確保は可能となるが、地山の崩落などの危険性を伴うばかりでなく、既設コンクリートの撤去等、多大な労力と費用が必要となる。
これに対して、鋼板やFRP板などで内面補強する場合は、曲げが作用した場合に圧縮側になる場合の補強効果は座屈などの問題から設計上期待していない。
また、新たな補強方法として、下記特許文献には鋼板と高靱性繊維補強吹付けセメント材料(以下ECC-Shotと記す)との複合技術が提案されている。
特開2004−156242号公報
これは、トンネル覆工コンクリートの補強を行うに際し、該覆工コンクリートの表面を鋼板で覆うか、或いは該覆工コンクリートの表面に条鋼を互いに間隔をあけて内巻きしたうえ、その上からクラック分散型の繊維補強セメント複合材料を吹付け施工することを特徴とするトンネル補強工法である。
この特許文献1で提案された、鋼板と高靱性繊維補強吹付けセメント材料(以下ECC-Shotと記す)との複合技術では、鋼板と高靭性繊維補強吹付けセメント材料で負担する考えに基づいており、軸力が卓越する場合でも補強効果に優れるとされているが、鋼板の重量が大きいことによる施工性の問題、また鋼板とECC-Shotの付着力がそれほど大きくないことや、鋼板と既設覆工の間に接着樹脂を充填するが、既往の床版の鋼板接着などにおいて、鋼板と接着剤が十分に接着できていない事例もあることから、一体性の面で問題があり、当初想定した耐力を確保できない可能性もある。
本発明の目的は前記従来例の不都合解消し、損傷した二次覆工コンクリートの耐力を、内空をある程度確保したまま損傷前の耐力に戻すことができるトンネル覆工コンクリートの補強方法を提供することにある。
本発明は前記目的を達成するため、第1に、既設覆工コンクリート面をブラストまたはウォータージェットによる表面処理を行った後、エキスパンドメタルをアンカーで設置して、クラック分散型の繊維補強セメント複合材料をエキスパンドメタルの上から吹付け施工または打設することを要旨とするものである。
第2に、既設覆工コンクリート面をブラストまたはウォータージェットによる表面処理を行った後、トンネル断面に沿ってエキスパンドメタルと鋼板とを並べてアンカーで設置して、クラック分散型の繊維補強セメント複合材料をこれらエキスパンドメタルと鋼板の上から吹付け施工または打設すること、第3に、鋼板は表面にトンネル断面に沿ったリブを間隔を存して平行に設けたこと、第4に、鋼板にはリブ間に溶接金網を設置すること、第5に、鋼板には注入孔を形成し、この注入孔から接着樹脂を裏側に注入することを要旨とするものである。
第6に、クラック分散型の繊維補強セメント複合材料は、材齢28日の硬化体の引張試験にて引張ひずみ1%以上を示すものであることを要旨とするものである。
第7に、クラック分散型の繊維補強セメント複合材料は、下記〔M1〕の条件を満たすセメント調合マトリクスに、下記〔F1〕の条件を満たすPVA(Poly Vinyl Alcohol)短繊維を1vol.%以上3vol.%以下の配合量で配合したものであることを要旨とするものである。
〔M1〕
水結合材の重量百分比(W/C):25%以上
細骨材と結合材の重量比(S/C):1.5以下
単位水量:250〜450Kg/m
練り上がり直後の空気量:3.5〜20%
高性能AE減水剤:30Kg/m未満
〔F1〕
繊維径:0.05mm以下
繊維長:5〜20mm
繊維引張強度:1500〜2400MPa
請求項1記載の本発明によれば、エキスパンドメタルとクラック分散型の繊維補強セメント複合材料(ECC-Shot)の組合せにより、損傷した二次覆工コンクリートの耐力を、内空をある程度確保したまま損傷前の耐力に戻すことができ、曲げが作用した場合に、補強部材が圧縮側および引張側になる場合のいずれにおいても、覆工コンクリートの耐力を向上することができる。
また、吹付け時において、エキスパンドメタルを設置することによりクラック分散型の繊維補強セメント複合材料(ECC-Shot)のダレを防止することができるため、施工性が向上する。また、剥落に対しては、クラック分散型の繊維補強セメント複合材料が既設覆工との付着力に優れること、ひび割れが発生しても繊維の架橋効果によりコンクリート片が剥落しないこと、さらに、自重を支える量のアンカーでエキスパンドメタルを既設覆工に固定することにより、万が一の剥離を抑えることができる。
請求項2記載の本発明によれば、前記請求項1記載の作用に加えて鋼板を配置することで、鋼板補強によりせん断ひび割れを抑えて安全性を高めることができる。これによりクラック分散型の繊維補強セメント複合材料(ECC-Shot)がせん断に弱い部分を補強することができる。
請求項3記載の本発明によれば、鋼板は表面にトンネル断面に沿ったリブを間隔を存して平行に設けたことで、鋼板の耐荷力をさらに増強することができる。
請求項4記載の本発明によれば、鋼板表面に溶接金網を設置することでクラック分散型の繊維補強セメント複合材料(ECC-Shot)の硬化後に金網と一体となって剥落を防止することができる。すなわち、この金網がないと、製氷機の氷のように小さな変形で繊維補強セメント複合材料(ECC-Shot)が飛び出してくるおそれがあるが、そのような事態を防止できる。
請求項5記載の本発明によれば、鋼板にひずみが発生し、既設コンクリート面に対し隙間が生じたとしても接着樹脂によりこと隙間を埋めることができる。
請求項6記載の本発明によれば、引張ひずみが1%以上であることは、載荷方向(応力方向)とほぼ直角方向に多数のクラック(マルチクラック)が発生するクラック分散型の破壊現象が生じていることを意味する。マルチクラックの発生要因であるSteady State Cracking現象(SSC現象)をPVA繊維で実現すべく種々の試験研究を重ねたところ、用いるPVA繊維の性質と、マトリクスの性質をうまく組み合わせると、PVA繊維であっても引張ひずみ1%以上、好ましくは2%以上の高靭性FRC材料が得られることがわかった。
請求項7記載の本発明によれば、PVA短繊維F1を、水セメント比(W/C×100)が40%以上で砂セメント比(S/C)が1.0以下(0を含む)の調合のマトリクスに、1.5超え〜3vol.%の配合量で、3次元方向にランダムに分散配合させた場合(配合・と言う)と、PVA繊維F2を、水セメント比(W/C×100)が30%以上で砂セメント比(S/C)が1.0以下(0を含む)の調合のマトリクスに、1〜3vol.%の配合量で、3次元方向にランダムに分散配合させた場合(配合・と言う)には、クラック分散型の高靭性FRC材料が得られる。
以上述べたように本発明によれば、損傷した二次覆工コンクリートの耐力を、内空をある程度確保したまま損傷前の耐力に戻すことができるものである。また、補強後の部材に曲げが作用した場合に、補強部材が圧縮側および引張側になる場合のいずれにおいても、覆工コンクリートの耐力を向上することができる。
例として、断面解析結果によるM−N曲線を図14、図15に示す。
この解析結果より、本発明を適用した場合、覆工の耐力を改善する効果が十分に得られることがわかる。
以下、図面について本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明のトンネル覆工コンクリートの補強方法の第1実施形態を示す説明図で、図中1aは既設覆工コンクリート1の内面で、トンネルにおける一次覆工コンクリート内面などがこれに該当する。
この既設覆工コンクリート1の内面1aをサンドブラストまたはウォータージェットによる表面処理を行った後、エキスパンドメタル2を固定アンカー3で設置して、その上にクラック分散型の繊維補強セメント複合材料4を吹付け施工した。αは既設覆工コンクリート1の損傷箇所である。施工性の観点からはクラック分散型の繊維補強セメント複合材料4は吹付けにより施工を行うが、工期的な制約が厳しくなく、現場近くにプラントでクラック分散型の繊維補強セメント複合材料4が練混ぜることが可能であれば、流し込みタイプのクラック分散型の繊維補強セメント複合材料4をセントルにより打設することも考えられる。
図2は前記サンドブラストの施工システムを示すもので、加圧タンク6からブラストホース7の先端のリングブラシ8に研掃材5を送り、このリングブラシ8で加工面9を研磨し、研掃材5と粉塵はリングブラシ8からバキュームホース10を介して回収タンク11に回収する。また、回収タンク11は加圧タンク6に連通するようにその上段に設置されるが、これには粉塵を回収するダストコレクター12が付設される。図中13はダストコレクター12に備えるブロワーである。
研掃材5としては、商品名フジランダムA−36(材質アルミナ、粒度500〜595μm、比重3.94g/cm以上)が好適である。
エキスパンドメタル2はXS−82など、吹付けが可能であれば仕様はこれに限らない。図3および下記表1にエキスパンドメタル2の仕様を示す。
Figure 2006225906
また、図4に固定アンカー3の配置を、下記表2のアンカー仕様を示す。固定アンカー3はエキスパンドメタル2と吹付けるクラック分散型の繊維補強セメント複合材料4の自重分を支えられるだけの径と本数を設置する。この際、既設覆工表面のひび割れ損傷が大きいと思われる場合は、ひび割れ注入などを実施する。エキスパンドメタル2の継目の処理方法は、機械式継手を用いることや溶接により行ってもよいが、突合せ継手などでもよい。
Figure 2006225906
クラック分散型の繊維補強セメント複合材料4は、例えば特開2000−7395号公報に記載された高靭性FRC材料を吹付け用に改良したものを使用する。すなわち、本発明においては、下記〔M1〕の条件を満たすセメント調合マトリクスに、下記〔F1〕の条件を満たすPVA(Poly Vinyl Alcohol)短繊維を1vol.%以上3vol.%以下の配合量で配合したクラック分散型の繊維補強セメント複合材料を吹付け施工する。
〔M1〕
水結合材の重量百分比(W/C):25%以上
細骨材と結合材の重量比(S/C):1.5以下
単位水量:250〜450Kg/m3
練り上がり直後の空気量:3.5〜20%
高性能AE減水剤:30Kg/m3未満
〔F1〕
繊維径:0.05mm以下
繊維長:5〜20mm
繊維引張強度:1500〜2400MPa
〔F1〕の条件を満たすビニロン短繊維としては、ポリビニールアルコール樹脂を原料として製造されたコンクリートと同等以上の弾性係数を有する短繊維であるのが好ましく、代表的なものとして、引張強度が90kgf/cm2級、弾性係数(ヤング率)が2900kgf/mm2級で、比重が約1.3で形状が0.66mmφ×30mmの公知のもの(株式会社クラレ製)が使用できる。ビニロン短繊維の配合量が1vol.%未満では割れ発生後の耐力が十分ではなく剥落防止の目的が十分に達成できない。他方、ビニロン短繊維の配合量が3.0vol.%を超えるような多量となると、施工上必要な流動性を満たすことが困難となる。
また、高靭性FRC材料で使用する高性能AE減水剤としては、ポリカルボン酸系、ポリエーテル系、ナフタレン系、メラミン系、アミノスルホン酸系等のものが使用できる。この中でもポリカルボン酸系またはポリエーテル系のものが好ましい。
この高靭性FRC材料の吹付を実施するには、練混ぜ直後のモルタルフロー値が165mm以上、好ましくは170〜180mmであるのがよい。165mm未満であると吹付のガン先で材料が適当に分散せず、吹付面に均一に付着できなくなることがある。しかし、あまりフロー値が高いとポンプ圧送時に材料分離を起こし、繊維が凝集してファイバーボールを生ずることがあるので180mm以下であるのがよい。このようなモルタルフロー値を安定して確保するには、30Kg/m3未満の高性能AE減水剤を配合し、練混ぜ直後の空気量を3.5〜20%好ましくは10〜20%とするのがよい。さらにこのような流動性を維持しながら材料分離抵抗を高めるために増粘剤を添加することが好ましい。とくにウエランガムなどの微生物発酵のバイオポリマーの使用(単位水量に対して0.01〜0.2%程度を配合する)が有益である。
なお、適度な粒度の粉体量を確保するために、セメントの一部をフライアッシュや高炉スラグ等の混和材で代替し、また骨材としては最大粒径が0.8mm以下、平均粒径が0.4mm以下の細骨材を使用するのが好ましい。したがって、前記〔M1〕の条件として、さらに、細骨材粒径:最大粒径0.8mm以下、平均粒径0.4mm以下という要件を加えるのが好ましい。そして、この細骨材と結合材の重量比(S/C)が1.5以下となるように配合するのがよい。水結合材比(W/C)については、吹付け作業性を良好にするには25%以上とすることが必要である。
このようにして吹付け施工したクラック分散型の繊維補強セメント複合材料4は前記の〔F1〕および〔M1〕の条件を満たす限りにおいて、材齢28日の硬化体の引張試験にて引張ひずみ1%以上を示すクラック分散型の高靭性FRC材料層となる。このため、トンネル覆工に適用した場合の割れ発生のメカニズムが、前記のように、微小な割れが無数に生じたものとなり、幅の大きな割れには至らない。
固定アンカー3は、既設覆工コンクリート内面1からクラック分散型の繊維補強セメント複合材料4の厚さの1/4〜3/4の距離を隔てた位置に埋設されている。
また、クラック分散型の繊維補強セメント複合材料4は3層に分けて吹付けられ、その全体の厚さは、20〜80mmであり、場合によっては70mm以下であり、この厚みで既設覆工コンクリートである内巻きコンクリートと同等以上の耐荷力を確保する。3層の一例として、1層目20mm、2層目20mm、3層目10mmとし、仕上げはコテ仕上げとする。
次に、本発明の効果を確認するために行った実大載荷試験について説明する。実験のフローとしては、図5に示す通りである。ステップ(イ)は、コンクリート圧縮強度18N/mm程度、W/C:66%、スランプ:12cm、Gmax:40mm、ステップ(ロ)は最大耐力到達後、最大耐力の95%以下になるまで載荷、ステップ(ハ)は内面ブラスト処理、エキスパンドメタル2の設置、クラック分散型の繊維補強セメント複合材料4の吹付け、ステップ(ニ)は補強効果の確認、破壊モードの確認である。
載荷要領は、図6に示す通りであるが、軸力導入:すべてのジャッキで荷重20kN→反力ジャッキの弁を閉じる。その位置で反力ジャッキは変位保持→変位制御ジャッキのみを制御(載荷1ステップあたり:90度0.4mm、80度および100度0.25mmで漸増載荷)
ステップ(イ)におけるコンクリート試験結果は下記表3の通りであった。
Figure 2006225906
強度発現状況を図7に示す。また、ステップ(ロ)の載荷実験(損傷載荷)における天端部の変位、コンクリートひずみ、肩部のコンクリートひずみを図8、図9、図10に示す。
ステップ(ハ)のクラック分散型の繊維補強セメント複合材料4の吹付けにおける試験結果を下記表4に示す。また、クラック分散型の繊維補強セメント複合材料4の引張試験結果を図11に示す。
Figure 2006225906
ステップ(ニ)での二次載荷実験状況・結果を図12、図13に示す。天端部(90度)では、天端部内面のクラック分散型の繊維補強セメント複合材料4でひび割れが無数に分散し、ひび割れ幅が抑制されている。
天端部外面は、一次載荷時の圧縮損傷が大きい。
肩部で界面がずれた後も耐力は上昇した。天端部(90度)外面の圧縮破壊が進行した後、肩部内面のクラック分散型の繊維補強セメント複合材料4で圧縮破壊が進行した。その後も、荷重を保持した状態で変形が進み、最終的には肩部の既設覆工が圧縮破壊した。
総評としては、前記図12に示すように、12.5cm内巻補強と同程度の耐力向上効果があった。また、変形抑制効果も高く、かつ、変形追従性に優れていた。最終的な破壊に至っても、補強部材がコンクリート片の剥落を防止した。
第2実施形態として、図15〜図17に示すように、前記エキスパンドメタル2はトンネル断面に沿って鋼板14とを並べて固定アンカー3で設置するものとした。
鋼板14は図18、図19にも示すように、表面(背面)にトンネル断面に沿った断面T字形のリブ15を間隔を存して平行に設けた。縁の部分にはL型に折り曲げたフランジ16を形成する。
さらに、鋼板14には前記リブ15間に溶接金網17(φ3.2mm50×50)を設置する
また、鋼板14には注入孔18を適宜形成した。図19に示すようにこの注入孔18には注入ホース19aを接続したねじ込み式の注入栓19を着脱できるようにした。
エキスパンドメタル2と鋼板14とは既設覆工コンクリート1に対しての離隔位置はほぼ同位置でよいが、10mm程度の差を生じることもある。
また、一例であるが、トンネル断面に対して鋼板14の設置範囲は中心に対してせん断ひび割れを発生し易い位置(例えば58度位置)から両側10度の範囲をカバーするような位置を選定し、それ以外はエキスパンドメタル2を配置する。
固定アンカー3により鋼板14を設置する。
鋼板14を固定アンカー3で設置した後で、注入栓19を介して鋼板14の裏側に接着樹脂を注入する。この接着樹脂としては、アクリル系高性能接着剤である商品名デンカハードロックII(電気化学工業株式会社)等が好適である。
このようにすることで鋼板14にひずみが発生し、既設コンクリート面1に対し隙間が生じたとしてもこの接着樹脂によりこと隙間を埋めることができる。
これらエキスパンドメタル2と鋼板14の上から前記クラック分散型の繊維補強セメント複合材料4を吹付け施工する。このクラック分散型の繊維補強セメント複合材料4は2または3層に分けて吹付けられ、仕上げはコテ仕上げとする。
本発明のトンネル覆工コンクリートの補強方法の第1実施形態を示す説明図である。 サンドブラス施工のシステム図である。 エキスパンドメタルの説明図である。 固定アンカーの配置図である。 実大載荷試験のフロー図である。 載荷要領を示す説明図である。 コンクリートの強度発現状況を示すグラフである。 載荷実験(損傷載荷)における天端部の変位を示すグラフである。 載荷実験(損傷載荷)におけるコンクリートひずみを示すグラフである。 載荷実験(損傷載荷)における肩部のコンクリートひずみを示すグラフである。 クラック分散型の繊維補強セメント複合材料の引張試験結果を示すグラフである。 二次載荷実験状況・結果を示すグラフである。 二次載荷実験状況・結果を示すコンクリートひずみのグラフである。 本発明の効果を示す補強部材引張側の断面解析結果のよるグラフである。 本発明の効果を示す補強部材引張側の断面解析結果のよるグラフである。 本発明のトンネル覆工コンクリートの補強方法の第2実施形態を示す縦断側面図である。 本発明のトンネル覆工コンクリートの補強方法の第2実施形態を示す説明図である。 本発明のトンネル覆工コンクリートの補強方法の第2実施形態を示す正面図である。 鋼板の縦断側面図である。 鋼板の注入孔部分の拡大側面図である。
符号の説明
1…既設覆工コンクリート 1a…内面
2…エキスパンドメタル 3…固定アンカー
4…クラック分散型の繊維補強セメント複合材料
5…研掃材 6…加圧タンク
7…ブラストホース 8…リングブラシ
9…加工面 10…バキュームホース
11…回収タンク 12…ダストコレクター
13…ブロワー 14…鋼板
15…リブ 16…フランジ
17…溶接金網 18…注入孔
19…注入栓 19a…注入ホース

Claims (7)

  1. 既設覆工コンクリート面をブラストまたはウォータージェットによる表面処理を行った後、エキスパンドメタルをアンカーで設置して、クラック分散型の繊維補強セメント複合材料をエキスパンドメタルの上から吹付け施工または打設することを特徴とするトンネル覆工コンクリートの補強方法。
  2. 既設覆工コンクリート面をブラストまたはウォータージェットによる表面処理を行った後、トンネル断面に沿ってエキスパンドメタルと鋼板とを並べてアンカーで設置して、クラック分散型の繊維補強セメント複合材料をこれらエキスパンドメタルと鋼板の上から吹付け施工または打設することを特徴とするトンネル覆工コンクリートの補強方法。
  3. 鋼板は表面にトンネル断面に沿ったリブを間隔を存して平行に設けた請求項2記載のトンネル覆工コンクリートの補強方法。
  4. 鋼板にはリブ間に溶接金網を設置する請求項3記載のトンネル覆工コンクリートの補強方法。
  5. 鋼板には注入孔を形成し、この注入孔から接着樹脂を裏側に注入する請求項2乃至請求項4記載のトンネル覆工コンクリートの補強方法。
  6. 請求項1または請求項2に記載のクラック分散型の繊維補強セメント複合材料は、材齢28日の硬化体の引張試験にて引張ひずみ1%以上を示すものであるトンネル覆工コンクリートの補強方法。
  7. 請求項1または請求項2に記載のクラック分散型の繊維補強セメント複合材料は、下記〔M1〕の条件を満たすセメント調合マトリクスに、下記〔F1〕の条件を満たすPVA(Poly Vinyl Alcohol)短繊維を1vol.%以上3vol.%以下の配合量で配合したものであるトンネル覆工コンクリートの補強方法。
    〔M1〕
    水結合材の重量百分比(W/C):25%以上
    細骨材と結合材の重量比(S/C):1.5以下
    単位水量:250〜450Kg/m
    練り上がり直後の空気量:3.5〜20%
    高性能AE減水剤:30Kg/m未満
    〔F1〕
    繊維径:0.05mm以下
    繊維長:5〜20mm
    繊維引張強度:1500〜2400MPa
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