JP6279552B2 - 末端飽和カルボン酸エステルの化学選択的還元のためのプロセス - Google Patents

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Description

本発明は、フレグランス成分およびこれを生成させる方法に関する。
アルコール官能基を含む多くの興味深いフレグランス分子が存在する。
RosalvaTM(9−デセノール)はかかる興味深いフレグランス成分の例であり、これはそのフローラル−ローズ様−ファッティアルデヒド性の匂いのために非常に望ましい。かかる興味深いフレグラントアルコールは、当該アルコールを製造するための、対応するエステルの接触水素化を伴い得る。
エステルをアルコールに還元するための合成手法および試薬は当該技術分野において既知である。WO2006106483は、エステルの触媒水素化において有用な二座ルテニウム(II)錯体のクラスを開示し、WO 2013023307は、この目的のための三座錯体のクラスを開示する。同様に、WO2006106484は、エステルの触媒水素化において有用である四座ルテニウム錯体のクラスを開示する。
しかしながら、RosalvaTMは、対応するエステル(例えばメチルまたはエチルデセノエート)が競争力のある水素化に感受的な炭素−炭素二重結合を含有する点において、興味深い合成チャレンジを表す。確かに、炭素鎖の末端におけるその位置のおかけで、この二重結合は特に不安定であるとみなされる可能性がある。
Saudan et alはAngew. Chem. Int.Ed. 2007 46 7473 - 7476において、ルテニウム錯体、特に前述のWO2006106483およびWO2006106484において開示されたルテニウム錯体を使用したカルボン酸エステルのアルコールへの還元を考察している。著者は、エステル二重結合および炭素−炭素二重結合の両方を含有する特定の基質に言及して、水素化反応の化学選択性について考察している。エステル還元について非常に高い化学選択性である反応を記載していないが、10−ウンデセノエート 1aを(脂肪族末端炭素−炭素二重結合を有する)基質として用いた場合、2.5時間後に反応はエステル基について全く化学選択的ではなく、しかしこれは炭素−炭素二重結合ならびにエステル官能基で還元された飽和アルコール生成物 2bを与える。しかしながら、同じ反応をたった23分で止めた場合、たった75%の基質 1aが変換され、47%の不飽和アルコール 2a、5%の飽和アルコール 2b、3%の飽和エステル 2c、および20%のエステル転移反応生成物 3を与える。
(複数の)「エステル転移反応生成物」(3)への言及は、二重結合異性体が検出されていることを示している。これは、まわりまわって、不飽和アルコール 2aも二重結合異性体、例えば9−ウンデセノール 2dを含有することを示している。末端二重結合において還元された望ましくない生成物(2および2c)を組み合わせた場合、エステル二重結合のための還元の化学選択性は、炭素−炭素二重結合(CO/DB選択性)の1つと比較して85:15である。2dなどの異性体を含有しているであろうことを考慮した場合、2aに関しての化学選択性はさらに低いはずである。彼らの発見に基づき、著者はエステル 1aを2aに選択的に還元するために反応を最適化することができたと結論付けている。
この結論は奇妙である。時間のただ1点において、そして50%よりもわずかに多いエステル基の変換が存在するような早い期間の時間における反応混合物の含有物を分析することは、反応の経過を予測するとは考えらず、完全な、または実質的に完全なエステルの変換を伴って反応がひとたび進んだとすれば、反応混合物において存在することになるであろう不飽和および飽和アルコールの相対的な量について何も確かにいうことができない。最後に、著者はこの反応が非常に高いカルボン酸エステルの変換を伴って進行する化学選択的なプロセスを提供するためにどのように最適であり得るかについての説明またはガイダンスをなんら提供していない。
工業的背景においてプロセスが有用であるためには、求められる高い化学選択性を達成しなければならないが、これは完全な、または実質的に完全な、カルボン酸エステルの変換も伴って進行しなければならない。
エステルおよび末端炭素−炭素結合を両方含有する基質から、二重結合を有するアルコールを調製し、高い、例えば>80%、より具体的には>85%、より具体的には>90%、より具体的には>95%、よりさらに具体的には99〜100%の変換、およびエステル二重結合についての高い化学選択性を伴って進行する、工業的に許容可能なプロセスへの需要が存在する。「高い化学選択性」は、反応において生成される不飽和アルコールの飽和アルコールに対する割合が6:1以上、より具体的には7:1以上、よりさらに具体的には8:1以上、よりさらに具体的には9.1、よりさらに具体的には10:1以上であることを意味する。
本発明は、従来技術の問題点に取り組み、第1の側面において、接触水素化による、特に遷移金属錯体、より具体的にはルテニウム(II)錯体の存在下での、末端不飽和カルボン酸エステル(I)の末端不飽和アルコール(II)への化学選択的還元のためのプロセスを提供する:
式中、Aは直鎖または分枝の、置換または非置換の、脂肪族、芳香族であってもよく、または脂肪族および芳香族の両方の要素を含有してもよい、1〜30の炭素原子を含有する二価のラジカルであり;Rは、置換または非置換の、飽和または不飽和であってもよい、炭化水素ラジカルまたは炭化水素から誘導されたラジカルであり;Rは、水素原子またはC1〜20直鎖または分枝の、置換または非置換のアルキルまたはアルケン基であり;mは1〜6の整数である。
ラジカルAが芳香族ラジカルであるか芳香族要素を含有する場合、これは1または複数の芳香族環を含有してもよく、いずれの芳香族環もN、OまたはS原子を含むヘテロ原子を含有してもよい。
本発明のある態様において、ラジカルRは、直鎖または分枝の、飽和または不飽和の、置換または非置換のC1〜20炭化水素基から選択される。Rが置換されている場合、当該置換基は、上で言及した置換基から選択してもよい。さらに具体的な態様において、ラジカルRはメチル、エチル、直鎖または分枝のプロピル、または直鎖または分枝のブチルである。より具体的には、ラジカルRはエチルである。
具体的な態様において、本発明は、末端不飽和カルボン酸エステルの末端不飽和アルコールへの接触水素化による、特に遷移金属錯体、より具体的にはルテニウム(II)錯体の存在下での化学選択的還元のためのプロセスを提供する:
式中、R、Rおよびmは本明細書において定義されたとおりであり、式中nは1〜10の整数である。
よりさらに具体的には、Rはメチルまたはエチルであり、mは1である。よりさらに具体的には、Rはメチルまたはエチルであり、mは1であり、nは7または8である。
よりさらに具体的には、カルボン酸エステルは、メチル9−デセノエート、エチル9−デセノエート、メチル10−ウンデセノエートまたはエチル10−ウンデセノエートである。
よりさらに具体的には、カルボン酸エステルは、エチル9−デセノエートまたはエチル10−ウンデセノエートである。
他の態様において、Rは二価、三価または多価炭化水素ラジカルまたは炭化水素から誘導されたラジカルである。特に、Rは式
式中、pはゼロまたは1〜4の整数であり、nおよびRは上述の定義のとおりである、であらわされる式Iaのエステルであり得る。より具体的には、pはゼロまたは1である。よりさらに具体的には、pはゼロまたは1であり、nは7または8である。
本発明のプロセスにおける出発基質として役割を果たすことができるすべてのカルボン酸エステル Iの特徴は、それらが炭素−炭素二重結合を鎖の末端に含有していることである。これらのような、一または二置換アルケン基は、特に不安定であると信じられ、したがって、水素化の間にエステル二重結合と競合する余地がより高い。
本発明の特定の態様において、プロセスは、均質のルテニウム(II)錯体の存在下において進行する。
本発明において用いられるルテニウム錯体は、WO2006106484に開示されるこれらの錯体のいずれかであり得、この文献は、そこに含まれるルテニウム錯体を開示するための目的で、本明細書に参照として組み込まれる。
本発明の特定の態様において、ルテニウム(II)錯体は、四座配位子を有する錯体であり、ここで、かかる配位子の配位基は、少なくとも1つのイミノまたはアミノ基および少なくとも1つのホスフィノ基で構成される。好適な触媒の例はWO2006106484に記載されている。
より具体的にはさらに、ルテニウム錯体は式4aまたは4bで表される:
これらの合成は、Gao et al.によってPolyhedron 15, 1241, 1996において報告されている。
上記で言及した不飽和カルボン酸エステルを、エステル水素化に関しての顕著に改善された化学選択性で、完全にまたはほぼ完全にそれらのアルケノール IIに変換することができることを今見出した。改善されたエステル水素化の化学選択性は、アルケン水素化および/またはアルケン異性体化が実質的に抑制されていることを意味する。
上述のとおり、本反応は高い化学選択性と、完全なまたは実質的に完全なエステル官能基の変換、例えば、>80%、より具体的には>85%、より具体的には>90%、より具体的には>95%、およびよりさらに具体的には99〜100%、のエステル官能基の変換を伴って進行する。
基質(出発材料)/触媒比は、本発明の反応の化学選択性および変換に影響を与えることができる。本発明の具体的な態様において、基質/触媒比は、2000よりも大きく、より具体的には10000よりも大きく、よりさらに具体的には20000よりも大きく、ここで比率はモル比である。
より具体的には、出願人は、用いられるルテニウム(II)錯体の量が、高レベルの錯体が末端不飽和カルボン酸エステルを促進する傾向を有するが化学選択性が損なわされるように、カルボン酸エステルの変換の程度、ならびに反応の化学選択性に影響を与えることを見出した。逆に、低レベルでは、不完全な変換を観測したが、化学選択性は高くなる。しかしながら、驚くべきことに、本出願人は、特に、基質の量に対して、ルテニウム(II)錯体が0.05mol%よりも少ない、より具体的には0.01mol%よりも少ない、よりさらに具体的には0.005mol%よりも少ない量で用いられた場合に、上記で言及した変換率、より具体的には、90%以上の、例えば、90〜100%が、同時に高い化学選択性、すなわち、不飽和アルコールの飽和アルコールに対する比率が6:1以上、より具体的には7:1以上、よりさらに具体的には8:1以上、よりさらに具体的には9.1、よりさらに具体的には10:1以上を達成できることを見出した。本発明において有用であるルテニウム(II)錯体のための濃度の例示的な範囲は、基質の量に対して0.04〜0.001mol%である。
さらに、低い触媒レベルは、触媒均質の接触水素化反応の全体のコストを効果的に減らすためにも重要である。
本発明の特定の態様において、基質(I)は、エチルエステルまたはより高級のエステル、例えば、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、tert−ブチル、イソ−ブチルまたはさらにより高級の分岐または非分岐エステルのいずれかである。
本出願人は、末端不飽和メチルアルケノエートと比較して、エチル、プロピルまたはより高級のアルカノエートが、予想外の速度加速をもたらすことを見出した。そういうことで、エチルおよびより高級のエステルを使用する場合、より低い触媒負荷量を用いることができ、それによってエステル官能基の還元のためにかなり高い選択性を提供される。
末端不飽和エチルまたはより高級のアルキルエステル基質の場合の速度加速は、予想外であり、驚くほど速かった。一方、Saudan et al によって、Angew. Chem. Int.Ed. 2007, 46, 7473 - 7476において、メチルベンゾエートよりも、分岐(イソプロピル)またはより高級な(ベンジル)アルキルベンゾエートがより効率的に還元されることが観測されているが、α位においてCH基を有するアルカノエートまたはアルケノエートと比較して、ベンゾエートは、エステル還元反応における活性が正の隣接基効果を欠いているアルカノエートのそれと比較できない、活性化されたエステルである。
金属アルカノエートは本発明において使用するために好ましい塩基である。金属は、Na、KまたはCsであり得る;ここでアルカノエートは、直鎖または分枝であり得る、C〜C10アルカノエートであり得る。
金属アルカノレートは、1基質あたり1モル等量および1触媒当たり1モル等量の間の量において使用してもよいが、再現性のある結果を得るために、および塩基のコストの寄与を低く維持するために、典型的には1基質当たり5〜15%の量において使用してもよい。
塩基/溶媒系において用いられる溶媒は、均質な接触水素化反応において典型的に用いられるあらゆる触媒とすることができる。溶媒の非限定例は、トルエンまたはキシレンなどの芳香族溶媒;ヘキサンまたはシクロヘキサンなどの炭化水素系溶媒;テトラヒドロフランまたはMTBEなどのエーテル類;tert−ブタノールなどの極性溶媒を含む。メタノールは避けるべきである。好ましい溶媒は、エーテル類、またはTHFなどのフラン類、またはシクロペンチルメチルエーテル(CPME)、メチルテトラヒドロフランなどの類似体であるが、ジオキサンまたはテトラエチレングリコールジエチルエーテルなどのあらゆる環状または環状ポリエーテルを用いることもできる。
より具体的には、低いレベルの溶媒、または溶媒フリーの系で用いた場合、反応は高い化学選択性で、完全なまたは実質的に完全なエステルの変換を伴って進行する。低いレベルの溶媒は、重量等価において基質当たり<100%(w/w)、<50%w/w、<25%w/wまたは好ましくは<10%w/wを含む。
溶媒を用いる場合、その使用は、単に触媒の溶解/乳化のために、および後続の転移および基質へのこのように調製された触媒溶液への添加のために丁度十分な量に限定される。これらの無視することのできる溶媒量から離れて、反応は、本質的に溶媒を含まないで実施することができる。
厳格な溶剤フリーの条件下で触媒が基質の一部分に溶解し、その後に、この画分を、残りの基質に添加するか、またはその逆である。
特に効率的な塩基/溶媒系は、THF中のKOMeまたはトルエン中のNaOMeを含む。これらの2つの塩基/溶媒系は、メチルウンデセノエート 1aのCO−選択還元のためにSaudan et al(上記参照)によって用いられるシステムNaOMe/THFよりも好ましい。本出願人は、トルエン中のNaOMeまたはTHF中のKOMeなどの特定の塩基/溶媒系が、ターンオーバー数(TON)およびターンオーバー頻度(TOF)を非常に高めることを見出した。所定の変換において、TONは基質/触媒比に直接関連し、一方、TOFは、Jens Hagen, Industrial Catalysis: A Practical Approach, Weinheim, Germany: Wiley-VCH 2005においてよりしっかりと説明されるように、時間単位当たりのTONである。
本発明の特定の態様において、犠牲の末端アルケンを反応混合物において用いてもよい。
基質/触媒比、エステル置換基Rの性質、および基質/触媒比の性質は、効率、ならびにIおよびIIなどの末端不飽和エステルの均質なエステル選択的接触水素化に正の影響を与えることができるが、それにもかかわらず、エステル官能基が減少した後の末端二重結合の水素化を避けることが望ましい。
これに影響を与えるために、反応条件(例えば、圧力、温度)を調整することができるが、出願人は、犠牲末端アルケン、例えば末端アルケン IIIの使用が、この点で有益であることを見出した。
これらのアルケン(III)は、端末一置換アルケン(R’=H)または1,1−二置換メチレン化合物(RおよびR’≠H)の群から選択される。RおよびR’’はH、または任意に置換され得るアルキル、アルケニル、またはアリールであることができる。RおよびR’’は環系(単数)または環系(複数)を形成するために一緒に結合することができる。環系(単数)または環系(複数)は、任意に置換することができる。RまたはR’’を表す基が置換される場合、当該置換基は、O、SまたはNなどの主族元素のいずれを含むことができる。より具体的には、末端アルケン(III)は、末端C〜C30アルケン、ジエン、トリエンまたはポリエンから選択され、ここでこれらはすべて置換されていても、非置換であってもよい。イソプレン、ミルセン、ファルネセンまたはスチレンにおけるような芳香族系の一部におけるように、不飽和は、共役させることができ、ここでこれらはすべて任意に置換されてもよい。
用いられる場合、犠牲アルケンは、0.1〜10モル等量の量で、理想的には、0.1〜3モル等量の量で添加してもよい。犠牲アルケンの分子量は、水素化生成物から、蒸留により容易に分離することができるように選択される。
一置換アルケンまたは1,1’−二置換メチレン添加剤(III)は、リモネンなどのあらゆるテルペン化合物から選択することができ、またはイソプレンまたはミルセンにおけるように、他の二重結合と共役することができ、または、(α−メチルスチレンにおけるように)芳香族系と共役することができる。
本発明の特定の態様において、本発明において使用される犠牲アルケン IIIは、それが低粘度の液体であるように選択される。そういうことで、これは溶媒として働くことができ、ほかの溶媒を使用することなく、溶解し、基質への触媒の添加を助けるために使用することができる。したがって、この様に作用する犠牲アルケンで、本質的に溶媒フリーの条件下および溶媒への触媒の添加を可能にする工業的な条件下で水素化を実施することができる。
エステル中間体 IIIaを犠牲アルケンとして使用することも可能である。Iが完全に消費された場合に、Iと比較してIIIaの反応性が低い場合に、基質 Iのエステル転移反応による本発明のプロセスの間に低減されたアルケノール生成物 IIを伴い、還元を経て、この中間体は生成し、蓄積される。
反応終了時のII及びIIIの末端二重結合の異性化/水素化は反応の最後で行われるため、Iが完全に消費され、IIIaの約1〜10%が残っており、IIがまだ水素化および/または異性化をされていないときに、反応を止めることが好ましい。これらの非常に異なる分子量のおかげで、ワークアップの後、IIはIIIaから蒸留で容易に分離することができる。
本発明の特定の態様において、2000よりも大きい、基質/触媒比を用いることにより;および/またはエチルエステルまたは上記で定義したようにより高級のエステルであるエステル基質(I)を用いることにより;NaOMe/トルエンまたはKOME/THFのように効率的な塩基/溶媒系を用いることにより;およびまたは上記で定義したように犠牲アルケンを用いることにより、本発明のプロセスを進行することができる。
この反応のために用いられる遷移金属錯体、例えばルテニウム(II)錯体 4aおよび4bは、それ自体が水素でのカルボン酸エステルの均質触媒還元における触媒でない場合がある。活性触媒種 4cまたは4dは、塩基とin situで生成することができ、X=Hおよび/またはハロゲンでRuXコアを構成することができる。錯体4cまたは4dは、湿気および空気フリー条件下で独立して合成されることができ、Iなどの基質の接触水素化に用いることができる。RuX=RuHの場合、塩基がないか、または非常に低減させた量の塩基が必要とされ得る。
さらに、触媒 4のリガンドのいずれの炭素も、任意に置換することができる。
反応は、1〜80bar、またはそれ以上、より具体的には40〜80bar以上の範囲のH圧力において、オートクレーブ中において実施してもよい。当業者は、H圧力が使用される錯体のレベルのために最適化するように調整され得ることを理解するであろう。
反応を実施することができる温度は、用いられる基質および反応生成物の溶融/沸点、粘度および極性、ならびに完全なまたは実質的に完全な変換を達成するために望ましい反応時間のような要因に依存して変化し得る。しかしながら、典型的には、反応は摂氏50から120度の間で実施される。
ここで、本発明をさらに説明するためにさらに一連の例が続く。
一般的な条件:
非商業的なエステル基質は、使用前に、フラッシュクロマトグラフィーおよび/または蒸留によって精製した。
非極性GCMS:50℃/2分、20℃/分200°C、35°C/分270℃。HP7890AシリーズGCシステムを有するGCMS Agilent5975CのMSD。非極性カラム:SGEからのBPX5、5%フェニル95%のジメチルポリシロキサン0.22mm×0.25mm×12m。キャリアガス:ヘリウム。インジェクター温度:230℃。スプリット:1:50。流量:1.0ml/分。トランスファーライン:250℃。MS−四重極:106℃。MS−ソース:230℃。
例1
アルゴン下で、トルエン(3ml)を、RuCl(PNNP)触媒 4a(2.5mg、0.01mol%)およびNaOMe(0.163g、3mmol)を含有するガラスバイアル(50ml)に添加する。懸濁液を赤み帯びた溶液が得られるまで(3〜5分)超音波浴において処理し、そこへ、トルエン(18ml)中のエチル10−ウンデセノエート(6.4g、29mmol)を添加する。バイアルをキャップ(クリンプキャップ&シリコーンセプタム)し、針で穴をあけ、Parrオートクレーブに入れる。マグネチックスターラーで攪拌しながら、オートクレーブを水素で3回フラッシュさせ、そして、水素圧(40bar)下に置き、100℃まで加熱する。4時間後、加熱を停止し、圧力を解放する。無色の反応混合物に、2%HPO(4ml)およびジエチルエーテル(10ml)を添加する。有機相を食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、真空で濃縮する。GC−MS分析は、3%基質1b、87%10−ウンデセノール2a、9%ウンデカノール2b、および1%エステル転移反応生成物3を明らかにした。CO/DB選択性: 91:9。
エチルウンデカ−10−エノエート1b、10−ウンデセノール2aおよびウンデカノール2bの分析データは、これらの化合物の市販サンプルのものと同一であった。
例2
反応は、例1において説明したように、しかし(トルエンの代わりに)THFにおいて、30barの水素下で実施した。4時間後、望ましく副生成物1c(8%)および1d(8%)への不完全な変換が検出された。
エチルウンデカノエート 1cの分析データは、文献からものと同一であった。
エチルウンデカ−9−エノエート 1dの分析データは、文献(J.Org.Chem.27, 3722, 1962)から部分的に知られている。1dのMS:212 (3%, M+), 167 (11%), 166 (20%), 149 (10%), 137 (12%), 124 (38%), 123 (20%), 101 (32%), 88 (42%), 69 (40%), 55 (100%), 41 (51%), 29 (27%)。
例3
反応は、例1において説明したように、しかしメチルウンデセノエート 1aおよび0.05%RuCl(PNNP)触媒 4aで実施した。3時間後、10−ウンデセノール 2a(54%)、9−ウンデセノール 2d(8%)、ウンデカノール 2b(15%)、メチルウンデカノエート 2c(3%)およびエステル転移反応生成物 3(7%)への87%変換がGCにより検出された。CO/末端二重結合(DB)選択性は、68:32であった。
10−ウンデセノール 2a、ウンデカノール 2bおよびメチルウンデカノエート 2cの分析データは、これらの化合物の市販サンプルから得られるものと同一である。9−ウンデセノール2d(J.Organomet.Chem.691, 5278, 2006 および参考文献において部分的に)およびウンデセン酸ウンデセニルエステル 3(Tetrahedron 63, 11325, 2007)の分析データは、文献において記載されるものと同一である。2dのMS:152 (5%, [M-18]+), 124 (7%), 123 (8%), 110 (11%), 109 (14%), 96 (29%), 95 (30%), 82 (44%), 81 (49%), 68 (49%), 67 (54%), 55 (100%), 54 (36%), 41 (43%)。
例4
アルゴン下で、トルエン(5ml)中のRuCl(PNNP)触媒 4a(7.5mg、0.01mol%)を、超音波で5分処理し、微細な懸濁液を得て、これをアルゴン下の120mlPremexオートクレーブにおいて、トルエン(16ml)中のエチル10−ウンデセノエート 1b(19.2g、90mmol)およびNaOMe(0.5g、9mmol)の懸濁液に添加する。オートクレーブを水素で3回フラッシュさせ、そして50bar水素およびオーバーヘッド撹拌での1200rpm下、100℃に加熱する。6時間後、GC−分析は、6%基質1b、90%10−ウンデセノール2a、4%ウンデカノール 2bを明らかにした。CO/DB選択性:96:4。20時間後、オートクレーブを冷却し、圧力を開放し、オートクレーブの内容物を2%H3PO4(10ml)に注ぐ。相分離後、有機相を水で洗浄し(2×30ml)、MgSO4で乾燥し、濾過し、蒸発させる。GCMSおよびNMRによれば、15.6gの残留物は、80%10−ウンデセノール2a、15%ウンデカノール 2bおよび5%異性体 2dからなっていた。
例5
アルゴン下で、蒸留・脱気THF(5ml)中のRuCl(PNNP)触媒 4a(3.7mg、50ppm)を超音波で5分間処理し、微細な懸濁液を得て、これをアルゴン下の120mlのPremexオートクレーブにおいて、エチル10−ウンデセノエート 1b(19.2g、90mmol)および蒸留・脱気THF(58ml)中のKOMe(0.63g、9mmol)の懸濁液に添加する。オートクレーブを水素で3回フラッシュさせ、そして50bar水素およびオーバーヘッド撹拌での1200rpm下、100℃に加熱する。5時間後加熱を停止し、圧力を開放し、オートクレーブの内容物を2%HPO(10ml)に注ぐ。相分離後、有機相を水で先法し(2×30ml)、MgSO、で乾燥し、濾過し、蒸発させる。定量的に得られた物質のGC−分析は、94%10−ウンデセノール 2aおよび6%ウンデカノール 2bと明らかにした。
例6
アルゴン下で、蒸留・脱気THF(5ml)中のRuCl(PNNP)触媒 4a(3.7mg、50ppm)を超音波で5分間処理し、微細な懸濁液を得て、これをアルゴン下の120mlPremexオートクレーブにおいて、追加の溶媒を含まないエチル10−ウンデセノエート 1b(19.2g、90mmol)中のKOMe(0.63g、9mmol)の懸濁液に添加する。オートクレーブを水素で三回フラッシュさせ、そして50bar水素およびオーバーヘッド撹拌での1200rpm下、100℃に加熱する。4時間後、加熱を停止し、圧力を開放した。GC−分析は、92%10−ウンデセノール 2aおよび8%ウンデカノール 2bを明らかにした。
例7
反応を例6に記載したように、しかしRuCl (PNHNHP)触媒 4bで実施した。2時間後、GC−分析は、4%基質 1a、90%10−ウンデセノール 2a、6%ウンデカノール 2bおよび1%メチルウンデカ−10−エノエート 1aを明らかにした。CO/DB選択性:94:6。
例8
アルゴン下で、蒸留・脱気THF(5ml)中のRuCl(PNNP)触媒 4a(7.6mg、0.01%)を超音波で5分間処理し、微細な懸濁液を得て、これをアルゴン下の120mlPremexオートクレーブにおいて、エチル9−デセノエート5a(18g、91mmol)(P.Evans, M.Leffray, Tetrahedron 59, 7973 - 7981, 2003)中のKOMe(0.63g、9mmol)の懸濁液に添加する。オートクレーブを水素で三回フラッシュさせ、そして50bar水素およびオーバーヘッド撹拌での1200rpm下、80℃に加熱する。3時間後、GC−分析は、86%デカ−9−エノール 6a、10%デカノール 6bおよび3%の中間体7を明らかにした。CO/DB選択性:90:10。
デカ−9−エノール 6aおよびデカノール 6bの分析データは、市販サンプル、例えばRosalvaTMから得られるものと同一であった。9−デセニル9−デセノエート 7の分析データは、文献、例えばS. S. Narine et al., Ind. Eng. Chem. Res. 52, 2740, 2013から知られているものと同一であった。7のMS: 171 (1%), 153 (3%), 152 (4%), 139 (6%), 135 (8%), 123 (5%), 110 (16%), 109 (15%), 97 (20%), 96 (29%), 95 (16%), 84 (12%), 83 (34%), 82 (30%), 81 (22%), 69 (36%), 68 (28%), 67 (29%), 55 (100%), 54 (26%), 43 (16%), 41 (46%)。
例9
アルゴン下で、スチレン(12.75g、0.12mol)中のRuCl(PNNP)触媒 4a(21mg、0.01%)を超音波で5分間処理し、微細な懸濁液を得て、これをアルゴン下の120mlPremexオートクレーブにおいて、エチル9−デセノエート 5a(50g、0.25mol)中のKOMe(1.8g、25mmol)の懸濁液に添加する。オートクレーブを水素で3回フラッシュさせ、そして50bar水素およびオーバーヘッド撹拌での1200rpm下、80℃に加熱する。反応の進行をGCで観察した。5時間後(GCによれば96%デカ−9−エノール 6aおよび4%デカノール 6b)、反応を停止し、圧力を開放する。2%HPO(30ml)の添加後、有機相を水で洗浄し(2x50ml)、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮する。粗生成物(41g)をパラフィンオイル(4g)およびKCO(0.3g)で処理し、0.02mbarで蒸留し、33.2g(84%)の生成物(96%デカ−9−エノール 6aおよび4%デカノール 6b)を65℃で無色のオイルとして得る。残留物:4.6g。
反応プロファイル:

例10:
B. Kowalczyk et al., Angew. Chem. Int. Ed. 49, 5737,2010によって記載されたように、ウンデカ−10−エン−1−イルウンデカ−10−エノエート3aを調製した。
スチレン(1.25g、12mmol)中の触媒 4a(4.2mg、0.02%)、およびウンデカ−10−エン−1−イルウンデカ−10−エノエート3a(8.4g、25mmol)中のKOMe(180mg、2.5mmol)を使用して、反応を例9に記載されるように実施した。8時間後、90%ウンデカ−10−エノール 2aおよび8%ウンデカノール 2bへの98%変換がGCによって検出された。CO/DB選択性92:8。
例11:
基質5bの調製について、例えばS.P.Morcilloetal.,J.Org.Chem.76,2277,2011参照。
スチレン(2.5g、23mmol)中の触媒 4a(4.5mg、0.01%)、およびメチルデカ−9−エノエート 5b(10g、54mmol)中のKOMe(380mg、5.4mmol)を使用して、反応を例9に記載されるように実施した。7時間後、85%デカ−9−エノール 6aおよび9%デカ−9−エン−1イルデカ−9−エノエート 7への94%変換がGCによって検出された。
例12:
アルゴン下で、トルエン(2ml)をマグネチック撹拌バー、RuCl(PNNP) 4a(1.7mg、0.05%)およびNaOMe(23.0mg、10%)を含有するガラスバイアルに添加する。この懸濁液に、A.Sharmaetal.,TetrahedronLett.48,3705,2007にしたがって調製したメチル10−メチルウンデカ−10−エノエート 8(0.9g、4.24mmol)を添加する。バイアルをキャップ(クリンプキャップ&シリコーンセプタム)し、針で穴をあけ、オートクレーブに入れる。撹拌しながら、オートクレーブをアルゴンで1回フラッシュし、水素で2回フラッシュし、水素圧(30bar)下に置き、100℃まで加熱する。3時間後、加熱を停止し、圧力を開放する。GC−MSおよびNMR分析のために、反応混合物のアリコートを取り、MTBE(1.5ml)で希釈し、8の10−メチルウンデカ−10−エン−1−オール 9(96%)および10−メチルウンデカ−10−エン−1−イル−10−メチルウンデカ−10−エノエート 10(4%)への100%変換を示した。
9の分析データ:
10−メチルウンデカ−10−エン−1−イル−10−メチルウンデカ−10−エノエート10の分析データ:
例13:
THF(5ml)中の触媒 4a(7.6mg、0.01%)、およびエチル4−メチルペンタ−4−エノエート 11(12.9g、91mmol)中のKOMe(0.63g、9mmol)、およびTHF(58ml)を使用して、例8に記載したように反応を実行する。標準的なワークアップは、わずかに黄色がかった粗オイル(5.6g、61%)を与え、これは、CGによると100%純度の4−メチルペンタ−4−エン−1オール 12を含む。
4−メチルペンタ−4−エン−1オール 12の分析データは、この化合物の市販サンプルから得られたものと同一であった。

Claims (14)

  1. 接触水素化による、ルテニウム(II)錯体の存在下での、末端不飽和カルボン酸エステル(I)の末端不飽和アルコール(II)への化学選択的還元のためのプロセスであって、前記ルテニウム(II)錯体の濃度が基質の量に対して0.001mol%以上0.05mol%未満である、前記プロセス
    式中、Aは直鎖または分枝の、非置換の脂肪族、芳香族であってもよく、または脂肪族および芳香族の両方の要素を含有してもよい、1〜30炭素原子を含有する二価のラジカルであり;Rは直鎖または分枝の、飽和または不飽和の、非置換のC1〜20炭化水素ラジカルであり;Rは、水素原子またはC1〜20直鎖または分枝の、非置換のアルキルまたはアルケン基であり;mは1〜6の整数である。
  2. 接触水素化による、末端不飽和カルボン酸エステルの末端不飽和アルコールへの化学選択的還元のための請求項1に記載のプロセス:
    式中、R、Rおよびmは請求項1に定義された通りであり、式中nは1〜10の整数である。
  3. 末端不飽和カルボン酸エステルが、メチル9−デセノエート、エチル9−デセノエート、メチル10−ウンデセノエートまたはエチル10−ウンデセノエートからなる群から選択される、請求項1または2に記載のプロセス。
  4. 接触水素化による、ルテニウム(II)錯体の存在下での、

    式中pはゼロまたは1〜4の整数であり;
    は水素原子またはC1〜20直鎖または分枝の非置換のアルキルまたはアルケン基であり;
    nは1〜10の整数である、
    で表される末端不飽和カルボン酸エステルの、対応する末端不飽和アルコールへの化学選択的還元のためのプロセスであって、前記ルテニウム(II)錯体の濃度が基質の量に対して0.001mol%以上0.05mol%未満である、前記プロセス
  5. 末端不飽和カルボン酸エステルの80%よりも高い変換において、不飽和アルコールの飽和アルコールに対する比率が、6:1以上であるような化学選択性である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のプロセス。
  6. ルテニウム錯体が四座配位子を有する錯体であり、ここで、前記四座配位子の配位基が、少なくとも1つのイミノまたはアミノ基および少なくとも1つのホスフィノ基で構成される、請求項1〜5のいずれか一項に記載のプロセス。
  7. ルテニウム錯体が式4aまたは4b
    で表される、請求項1〜6のいずれか一項に記載のプロセス。
  8. 末端一置換アルケン(R’=H)または1,1−二置換メチレン化合物(R’およびR’’≠H)からなる群から選択され、R’およびR’’は、それぞれ独立してH、アルキル、アルケニル、またはアリールであるか、または、R’およびR’’は単数の環系または複数の環系を形成するために結合することができる、犠牲アルケンIII
    が、反応混合物に添加される、請求項1〜7のいずれか一項に記載のプロセス。
  9. リモネンが犠牲アルケンとして反応混合物に添加される、請求項1〜7のいずれか一項に記載のプロセス。
  10. 式IIIa
    式中、RおよびAは請求項1に定義された通りである、
    で表されるエステル中間体が犠牲アルケンとして反応混合物に添加される、請求項1〜3、5〜7のいずれか一項に記載のプロセス。
  11. 犠牲アルケンが、0.1〜10mol当量の量で添加される、請求項8〜10に記載のプロセス。
  12. 犠牲アルケンが、スチレンである、請求項8または11に記載のプロセス。
  13. 請求項1〜3、5〜12のいずれか一項に記載のプロセスにしたがって、カルボン酸エステルメチル9−デセノエートまたはエチル9−デセノエートの化学選択的還元により、9−デセノールを生成させる方法。
  14. 式IIIa
    式中、R は水素原子またはC 1〜20 直鎖または分枝の非置換のアルキルまたはアルケン基であり;
    Aは1〜10の炭素原子を有するアルキレンである、
    で表されるエステル中間体が犠牲アルケンとして反応混合物に添加される、請求項4に記載のプロセス。
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