JP2018131401A - 共役ジエンの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、医薬品、健康食品、香料、フェロモンなどの骨格に含まれる共役ジエン化合物の製造方法である。
共役ジエンの製造方法として、スルホレンのアルキル化に続く脱スルホニル化(非特許文献1)、パラジウム触媒を用いたアルケニルボロン酸とアルケンとのカップリング反応(非特許文献2)、Wittig反応(非特許文献3)、パラジウム触媒を用いたアルケニルトシラートとアルケンのHeck反応(非特許文献4)、パラジウム触媒を用いたアルケニルシランとヨウ化アルケンとのカップリング反応(非特許文献5)、α,β不飽和ケトンのトシルヒドラゾンとアルキルリチウムの反応(非特許文献6)、ルテニウム触媒を用いたクロスメタセシス(非特許文献7)、ルテニウム触媒を用いたエンインメタセシス(非特許文献8)、共役ジイン化合物の還元反応(特許文献1)、アリルアルコールの脱水反応(特許文献2)などの様々な方法が知られている。一方で鉄触媒を用いた酢酸アルケニルとグリニャール試薬のカップリング反応によるアルケンの合成法(非特許文献9)やロジウム触媒を用いた亜鉛、錫、ホウ素を含む化合物と酢酸アルケニルとのカップリング反応(特許文献3)は報告されているが、原料および生成物の両方がジエン構造を有する場合にグリニャール試薬を用いたカップリング反応は報告されていない。
J.Org.Chem.,51,4934(1986)
J.Am.Chem.Soc.,128,16348(2006)
Tetrahedron Lett.,50,5737(2009)
Angew.Chem.Int.Ed.,45,3349(2006)
J.Am.Chem.Soc.,121,5821(1999)
J.Am.Chem.Soc.,90、4762(1968)
J.Organomet.Chem.,691、5456(2006)
J.Am.Chem.Soc.,128,15632(2006)
Angew.Chem.Int.Ed.,54,10545(2015)
従来の方法より得られる共役ジエンの骨格は原料の骨格に依存し、その原料合成が容易でない場合も多いため、医薬品、健康食品、香料、フェロモンなどの多岐にわたる用途がある共役ジエンの製造方法としては、更に多くの異なる方法が望まれている。
本発明者は、鋭意検討の結果、下記[1]〜[3]で構成される本発明を完成した。
[1]下記一般式(1)
(1)
(一般式(1)中、R1〜R3は、それぞれ独立して水素原子またはアルキル基を表し、R4は、水素原子、アルキル基またはアルケニル基を表し、R5は、アルキル基を表す。)で表される1−アシルオキシ−1,3−アルカジエンに、鉄触媒存在下、R6−Mg−Xで表されるグリニャール試薬(R6はテトラヒドロピラニルオキシ基、エチレンジオキシ基、プロピレンジオキシ基、ハロゲン原子を有していてもよいアルキル基またはハロゲン原子を有していてもよいアルケニル基を表し、Xは塩素、臭素またはヨウ素から選ばれるハロゲンを表す)を反応させることを特徴とする、
下記一般式(2)
(2)
(一般式(2)中、R1〜R3は、それぞれ独立して水素原子またはアルキル基を表し、R4は、水素原子、アルキル基またはアルケニル基を表し、R6は、前記グリニャール試薬のR6と同義である。)
[2]R6が炭素数1〜25のアルキル基または炭素数4〜25のアルケニル基であることを特徴とする[1]に記載の共役ジエンの製造方法。
[3]R1〜R3が、それぞれ独立して水素原子または炭素数1〜4の直鎖アルキル基であり、R4が独立して水素原子または炭素数1〜20のアルキル基または炭素数2〜20のアルケニル基であることを特徴とする[1]または[2]に記載の共役ジエンの製造方法。
[1]下記一般式(1)
(1)
(一般式(1)中、R1〜R3は、それぞれ独立して水素原子またはアルキル基を表し、R4は、水素原子、アルキル基またはアルケニル基を表し、R5は、アルキル基を表す。)で表される1−アシルオキシ−1,3−アルカジエンに、鉄触媒存在下、R6−Mg−Xで表されるグリニャール試薬(R6はテトラヒドロピラニルオキシ基、エチレンジオキシ基、プロピレンジオキシ基、ハロゲン原子を有していてもよいアルキル基またはハロゲン原子を有していてもよいアルケニル基を表し、Xは塩素、臭素またはヨウ素から選ばれるハロゲンを表す)を反応させることを特徴とする、
下記一般式(2)
(2)
(一般式(2)中、R1〜R3は、それぞれ独立して水素原子またはアルキル基を表し、R4は、水素原子、アルキル基またはアルケニル基を表し、R6は、前記グリニャール試薬のR6と同義である。)
[2]R6が炭素数1〜25のアルキル基または炭素数4〜25のアルケニル基であることを特徴とする[1]に記載の共役ジエンの製造方法。
[3]R1〜R3が、それぞれ独立して水素原子または炭素数1〜4の直鎖アルキル基であり、R4が独立して水素原子または炭素数1〜20のアルキル基または炭素数2〜20のアルケニル基であることを特徴とする[1]または[2]に記載の共役ジエンの製造方法。
本発明に関わる新規な1−アシルオキシ−1,3−アルカジエンを用い、鉄触媒存在下、アルキルグリニャール試薬を反応させて共役ジエンが製造できる。
<R1〜R4について>
R1〜R3は、それぞれ独立して、水素原子またはアルキル基であるが、アルキル基である場合、具体的には炭素数1〜4の直鎖アルキル基を表し、R4は、水素原子、炭素数1〜21の直鎖あるいは分枝アルキル基または炭素数2〜21の直鎖あるいは分枝アルケニル基を表す。
R1〜R3は、それぞれ独立して、水素原子またはアルキル基であるが、アルキル基である場合、具体的には炭素数1〜4の直鎖アルキル基を表し、R4は、水素原子、炭素数1〜21の直鎖あるいは分枝アルキル基または炭素数2〜21の直鎖あるいは分枝アルケニル基を表す。
R1〜R3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられる。
R4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ヘンエイコシル基、3,7−ジメチルオクチル基などが挙げられる。アルケニル基としては、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−ブテン−2−イル基、1−ペンテニル基、1−ペンテン−2−イル基、1−ヘキセニル基、1−ヘキセン−2−イル基、1−ヘプテニル基、1−ヘプテン−2−イル基、1−オクテニル基、1−オクテン−2−イル基、1−ノネニル基、1−デセニル基、1−ウンデセニル基、1−ドデセニル基、1−トリデセニル基、1−テトラデセニル基、1−ペンタデセニル基、1−ヘキサデセニシル基、1−オクタデセニル基、1−ノナデセニル基、1−エイコセニル基、1−ヘンエイコセニル基、プレニル基(3−メチル−2−ブテニル基)、ゲラニル基(trans−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル基)、ネリル基(cis−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル基)、シトロネリル基(3,7−ジメチル−6−オクテニル基)、ファルネシル基などが挙げられる。
<R5について>
R5は、炭素数1〜4の直鎖または分枝アルキル基を表し、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基などが挙げられる。
R5は、炭素数1〜4の直鎖または分枝アルキル基を表し、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基などが挙げられる。
<1−アシルオキシ−1,3−アルカジエンついて>
一般式(1)で示される1−アシルオキシ−1,3−アルカジエンの製造方法としては、クロトンアルデヒドに無水酢酸と酢酸カリウムを作用させる方法(Bull.Chem.Soc.Jpn.,59,751(1986))、クロトンアルデヒドにトリエチルアミンと4−ジメチルアミノピリジンの存在下、無水酢酸を作用させる方法(Synthesis,46,2524(2014))や4−ジメチルアミノピリジンを用いたシトラールと無水酢酸との反応(Chem.Eur.J.,17,1257(2011))などに準拠し、無水酢酸に代えて相当するカルボン酸無水物を用いることにより合成できる。E体およびZ体のいずれでも、また混合物でも用いることができる。1−アシルオキシ−1,3−アルカジエンとして具体的には、1−アセトキシ−1,3−ブタジエン、1−アセトキシ−1,3−ペンタジエン、1−アセトキシ−1,3−ヘキサジエン、1−アセトキシ−1,3−ヘプタジエン、1−アセトキシ−1,3−オクタジエン、1−アセトキシ−1,3−ノナジエン、1−アセトキシ−1,3−デカジエン、1−アセトキシ−1,3−ウンデカジエン、1−アセトキシ−1,3−ドデカジエン、1−アセトキシ−1,3−トリデカジエン、1−アセトキシ−1,3−テトラデカジエン、1−アセトキシ−1,3−ペンタデカジエン、1−アセトキシ−1,3−ヘキサデカジエン、1−アセトキシ−1,3−オクタデカジエン、1−アセトキシ−1,3−ノナデカジエン、1−アセトキシ−1,3−エイコサジエン、1−アセトキシ−1,3−ヘンエイコサジエン、1−アセトキシ−1,3−ドコサジエン、1−アセトキシ−1,3−トリコサジエン、1−アセトキシ−1,3−テトラコサジエン、1−アセトキシ−1,3−ペンタコサジエン、1−プロパノイルオキシ−1,3−ブタジエン、1−ブチリルオキシ−1,3−ブタジエン、1−イソブチリルオキシ−1,3−ブタジエンなどが挙げられる。
一般式(1)で示される1−アシルオキシ−1,3−アルカジエンの製造方法としては、クロトンアルデヒドに無水酢酸と酢酸カリウムを作用させる方法(Bull.Chem.Soc.Jpn.,59,751(1986))、クロトンアルデヒドにトリエチルアミンと4−ジメチルアミノピリジンの存在下、無水酢酸を作用させる方法(Synthesis,46,2524(2014))や4−ジメチルアミノピリジンを用いたシトラールと無水酢酸との反応(Chem.Eur.J.,17,1257(2011))などに準拠し、無水酢酸に代えて相当するカルボン酸無水物を用いることにより合成できる。E体およびZ体のいずれでも、また混合物でも用いることができる。1−アシルオキシ−1,3−アルカジエンとして具体的には、1−アセトキシ−1,3−ブタジエン、1−アセトキシ−1,3−ペンタジエン、1−アセトキシ−1,3−ヘキサジエン、1−アセトキシ−1,3−ヘプタジエン、1−アセトキシ−1,3−オクタジエン、1−アセトキシ−1,3−ノナジエン、1−アセトキシ−1,3−デカジエン、1−アセトキシ−1,3−ウンデカジエン、1−アセトキシ−1,3−ドデカジエン、1−アセトキシ−1,3−トリデカジエン、1−アセトキシ−1,3−テトラデカジエン、1−アセトキシ−1,3−ペンタデカジエン、1−アセトキシ−1,3−ヘキサデカジエン、1−アセトキシ−1,3−オクタデカジエン、1−アセトキシ−1,3−ノナデカジエン、1−アセトキシ−1,3−エイコサジエン、1−アセトキシ−1,3−ヘンエイコサジエン、1−アセトキシ−1,3−ドコサジエン、1−アセトキシ−1,3−トリコサジエン、1−アセトキシ−1,3−テトラコサジエン、1−アセトキシ−1,3−ペンタコサジエン、1−プロパノイルオキシ−1,3−ブタジエン、1−ブチリルオキシ−1,3−ブタジエン、1−イソブチリルオキシ−1,3−ブタジエンなどが挙げられる。
<グリニャール試薬について>
グリニャール試薬としては、例えばR6−Mg−Xで表されるグリニャール試薬(R6はテトラヒドロピラニルオキシ基、エチレンジオキシ基、プロピレンジオキシ基、またはハロゲン原子を有していてもよいアルキル基またはアルケニル基を表し、Xは塩素、臭素またはヨウ素から選ばれるハロゲンを表す)が挙げられる。具体的には、炭素数1〜25のハロゲン化アルキルマグネシウムおよび炭素数4〜25のハロゲン化アルケニルマグネシウムが使用でき、アルキル基およびアルケニル基には塩素原子または臭素原子が置換していてもよい。
グリニャール試薬としては、例えばR6−Mg−Xで表されるグリニャール試薬(R6はテトラヒドロピラニルオキシ基、エチレンジオキシ基、プロピレンジオキシ基、またはハロゲン原子を有していてもよいアルキル基またはアルケニル基を表し、Xは塩素、臭素またはヨウ素から選ばれるハロゲンを表す)が挙げられる。具体的には、炭素数1〜25のハロゲン化アルキルマグネシウムおよび炭素数4〜25のハロゲン化アルケニルマグネシウムが使用でき、アルキル基およびアルケニル基には塩素原子または臭素原子が置換していてもよい。
ハロゲン化アルキルマグネシウムとしては、ハロゲン化メチルマグネシウム、ハロゲン化エチルマグネシウム、ハロゲン化プロピルマグネシウム、ハロゲン化イソプロピルマグネシウム、ハロゲン化ブチルマグネシウム、ハロゲン化イソブチルマグネシウム、ハロゲン化s−ブチルマグネシウム、ハロゲン化t−ブチルマグネシウム、ハロゲン化ペンチルマグネシウム、ハロゲン化ヘキシルマグネシウム、ハロゲン化ヘプチルマグネシウム、ハロゲン化オクチルマグネシウム、ハロゲン化ノニルマグネシウム、ハロゲン化デシルマグネシウム、ハロゲン化ウンデシルマグネシウム、ハロゲン化ドデシルマグネシウム、ハロゲン化トリデシルマグネシウム、ハロゲン化テトラデシルマグネシウム、ハロゲン化ペンタデシルマグネシウム、ハロゲン化ヘキサデシルマグネシウム、ハロゲン化ヘプタデシルマグネシウム、ハロゲン化オクタデシルマグネシウム、ハロゲン化ノナデシルマグネシウム、ハロゲン化エイコシルマグネシウム、ハロゲン化ヘンエイコシルマグネシウム、ハロゲン化ドコシルマグネシウム、ハロゲン化トリコシルマグネシウム、ハロゲン化テトラコシルマグネシウム、ハロゲン化ペンタコシルマグネシウムなどが挙げられる。
アルキル基にハロゲンが置換したハロゲン化ハロアルキルマグネシウムとしては、ハロゲン化3−クロロプロピルマグネシウム、ハロゲン化4−クロロブチルマグネシウム、ハロゲン化5−クロロペンチルマグネシウム、ハロゲン化6−クロロヘキシルマグネシウム、ハロゲン化7−クロロヘプチルマグネシウム、ハロゲン化8−クロロオクチルマグネシウム、ハロゲン化9−クロロノニルマグネシウム、ハロゲン化10−クロロデシルマグネシウム、ハロゲン化11−クロロウンデシルマグネシウム、ハロゲン化12−クロロドデシルマグネシウム、ハロゲン化13−クロロトリデシルマグネシウム、ハロゲン化14−クロロテトラデシルマグネシウム、ハロゲン化15−クロロペンタデシルマグネシウム、ハロゲン化16−クロロヘキサデシルマグネシウム、ハロゲン化17−クロロヘプタデシルマグネシウム、ハロゲン化18−クロロオクタデシルマグネシウム、ハロゲン化19−クロロノナデシルマグネシウム、ハロゲン化20−クロロエイコシルマグネシウム、ハロゲン化21−クロロヘンエイコシルマグネシウム、ハロゲン化22−クロロドコシルマグネシウム、ハロゲン化23−クロロトリコシルマグネシウム、ハロゲン化24−クロロテトラコシルマグネシウム、ハロゲン化25−クロロペンタコシルマグネシウムなどが挙げられる。
アルキル基にテトラヒドロピラニルオキシ基が置換したハロゲン化テトラヒドロピラニルオキシアルキルマグネシウムとしては、ハロゲン化3−テトラヒドロピラニルオキシプロピルマグネシウム、ハロゲン化4−テトラヒドロピラニルオキシブチルマグネシウム、ハロゲン化5−テトラヒドロピラニルオキシペンチルマグネシウム、ハロゲン化6−テトラヒドロピラニルオキシヘキシルマグネシウム、ハロゲン化7−テトラヒドロピラニルオキシヘプチルマグネシウム、ハロゲン化8−テトラヒドロピラニルオキシクチルマグネシウム、ハロゲン化9−テトラヒドロピラニルオキシノニルマグネシウム、ハロゲン化10−テトラヒドロピラニルオキシデシルマグネシウム、ハロゲン化11−テトラヒドロピラニルオキシンデシルマグネシウム、ハロゲン化12−テトラヒドロピラニルオキシドデシルマグネシウム、ハロゲン化13−テトラヒドロピラニルオキシトリデシルマグネシウム、ハロゲン化14−テトラヒドロピラニルオキシテトラデシルマグネシウム、ハロゲン化15−テトラヒドロピラニルオキシペンタデシルマグネシウム、ハロゲン化16−テトラヒドロピラニルオキシヘキサデシルマグネシウム、ハロゲン化17−テトラヒドロピラニルオキシヘプタデシルマグネシウム、ハロゲン化18−テトラヒドロピラニルオキシクタデシルマグネシウム、ハロゲン化19−テトラヒドロピラニルオキシノナデシルマグネシウム、ハロゲン化20−テトラヒドロピラニルオキシエイコシルマグネシウム、ハロゲン化21−テトラヒドロピラニルオキシヘンエイコシルマグネシウム、ハロゲン化22−テトラヒドロピラニルオキシドコシルマグネシウム、ハロゲン化23−テトラヒドロピラニルオキシトリコシルマグネシウム、ハロゲン化24−テトラヒドロピラニルオキシテトラコシルマグネシウム、ハロゲン化25−テトラヒドロピラニルオキシペンタコシルマグネシウムなどが挙げられる。
アルキル基にエチレンジオキシ基が置換したハロゲン化エチレンジオキシアルキルマグネシウムとしては、ハロゲン化3,3−エチレンジオキシプロピルマグネシウム、ハロゲン化4,4−エチレンジオキシブチルマグネシウム、ハロゲン化5,5−エチレンジオキシペンチルマグネシウム、ハロゲン化6,6−エチレンジオキシヘキシルマグネシウム、ハロゲン化7,7−エチレンジオキシヘプチルマグネシウム、ハロゲン化8,8−エチレンジオキシクチルマグネシウム、ハロゲン化9,9−エチレンジオキシノニルマグネシウム、ハロゲン化10,10−エチレンジオキシデシルマグネシウム、ハロゲン化11,11−エチレンジオキシンデシルマグネシウム、ハロゲン化12,12−エチレンジオキシドデシルマグネシウム、ハロゲン化13,13−エチレンジオキシトリデシルマグネシウム、ハロゲン化14,14−エチレンジオキシテトラデシルマグネシウム、ハロゲン化15,15−エチレンジオキシペンタデシルマグネシウム、ハロゲン化16,16−エチレンジオキシヘキサデシルマグネシウム、ハロゲン化17,17−エチレンジオキシヘプタデシルマグネシウム、ハロゲン化18,18−エチレンジオキシクタデシルマグネシウム、ハロゲン化19,19−エチレンジオキシノナデシルマグネシウム、ハロゲン化20,20−エチレンジオキシエイコシルマグネシウム、ハロゲン化21,21−エチレンジオキシヘンエイコシルマグネシウム、ハロゲン化22,22−エチレンジオキシドコシルマグネシウム、ハロゲン化23,23−エチレンジオキシトリコシルマグネシウム、ハロゲン化24,24−エチレンジオキシテトラコシルマグネシウム、ハロゲン化25,25−エチレンジオキシペンタコシルマグネシウムなどが挙げられる。
アルキル基にプロピレンジオキシ基が置換したハロゲン化プロピレンジオキシアルキルマグネシウムとしては、ハロゲン化3,3−プロピレンジオキシプロピルマグネシウム、ハロゲン化4,4−プロピレンジオキシブチルマグネシウム、ハロゲン化5,5−プロピレンジオキシペンチルマグネシウム、ハロゲン化6,6−プロピレンジオキシヘキシルマグネシウム、ハロゲン化7,7−プロピレンジオキシヘプチルマグネシウム、ハロゲン化8,8−プロピレンジオキシクチルマグネシウム、ハロゲン化9,9−プロピレンジオキシノニルマグネシウム、ハロゲン化10,10−プロピレンジオキシデシルマグネシウム、ハロゲン化11,11−プロピレンジオキシンデシルマグネシウム、ハロゲン化12,12−プロピレンジオキシドデシルマグネシウム、ハロゲン化13,13−プロピレンジオキシトリデシルマグネシウム、ハロゲン化14,14−プロピレンジオキシテトラデシルマグネシウム、ハロゲン化15,15−プロピレンジオキシペンタデシルマグネシウム、ハロゲン化16,16−プロピレンジオキシヘキサデシルマグネシウム、ハロゲン化17,17−プロピレンジオキシヘプタデシルマグネシウム、ハロゲン化18,18−プロピレンジオキシクタデシルマグネシウム、ハロゲン化19,19−プロピレンジオキシノナデシルマグネシウム、ハロゲン化20,20−プロピレンジオキシエイコシルマグネシウム、ハロゲン化21,21−プロピレンジオキシヘンエイコシルマグネシウム、ハロゲン化22,22−プロピレンジオキシドコシルマグネシウム、ハロゲン化23,23−プロピレンジオキシトリコシルマグネシウム、ハロゲン化24,24−プロピレンジオキシテトラコシルマグネシウム、ハロゲン化25,25−プロピレンジオキシペンタコシルマグネシウムなどが挙げられる。
ハロゲン化アルケニルマグネシウムとしては、ハロゲン化3−ブテニルマグネシウム、ハロゲン化3−ペンテニルマグネシウム、ハロゲン化3−ヘキセニルマグネシウム、ハロゲン化3−ヘプテニルマグネシウム、ハロゲン化3−オクテニルマグネシウム、ハロゲン化3−ノネニルマグネシウム、ハロゲン化3−デセニルマグネシウム、ハロゲン化3−ウンデセニルマグネシウム、ハロゲン化3−ドデセニルマグネシウム、ハロゲン化3−トリデセニルマグネシウム、ハロゲン化3−テトラデセニルマグネシウム、ハロゲン化3−ペンタデセニルマグネシウム、ハロゲン化3−ヘキサデセニルマグネシウム、ハロゲン化3−ヘプタデセニルマグネシウム、ハロゲン化3−オクタデセニルマグネシウム、ハロゲン化3−ノナデセニルマグネシウム、ハロゲン化3−エイコセニルマグネシウム、ハロゲン化3−ヘンエイコセニルマグネシウム、ハロゲン化3−ドコセニルマグネシウム、ハロゲン化3−トリコセニルマグネシウム、ハロゲン化3−テトラコセニルマグネシウム、ハロゲン化3−ペンタコセニルマグネシウム、ハロゲン化4−ブテニルマグネシウム、ハロゲン化4−ペンテニルマグネシウム、ハロゲン化4−ヘキセニルマグネシウム、ハロゲン化4−ヘプテニルマグネシウム、ハロゲン化4−オクテニルマグネシウム、ハロゲン化4−ノネニルマグネシウム、ハロゲン化4−デセニルマグネシウム、ハロゲン化4−ウンデセニルマグネシウム、ハロゲン化4−ドデセニルマグネシウム、ハロゲン化4−トリデセニルマグネシウム、ハロゲン化4−テトラデセニルマグネシウム、ハロゲン化4−ペンタデセニルマグネシウム、ハロゲン化4−ヘキサデセニルマグネシウム、ハロゲン化4−ヘプタデセニルマグネシウム、ハロゲン化4−オクタデセニルマグネシウム、ハロゲン化4−ノナデセニルマグネシウム、ハロゲン化4−エイコセニルマグネシウム、ハロゲン化4−ヘンエイコセニルマグネシウム、ハロゲン化4−ドコセニルマグネシウム、ハロゲン化4−トリコセニルマグネシウム、ハロゲン化4−テトラコセニルマグネシウム、ハロゲン化4−ペンタコセニルマグネシウム、ハロゲン化5−ブテニルマグネシウム、ハロゲン化5−ペンテニルマグネシウム、ハロゲン化5−ヘキセニルマグネシウム、ハロゲン化5−ヘプテニルマグネシウム、ハロゲン化5−オクテニルマグネシウム、ハロゲン化5−ノネニルマグネシウム、ハロゲン化5−デセニルマグネシウム、ハロゲン化5−ウンデセニルマグネシウム、ハロゲン化5−ドデセニルマグネシウム、ハロゲン化5−トリデセニルマグネシウム、ハロゲン化5−テトラデセニルマグネシウム、ハロゲン化5−ペンタデセニルマグネシウム、ハロゲン化5−ヘキサデセニルマグネシウム、ハロゲン化5−ヘプタデセニルマグネシウム、ハロゲン化5−オクタデセニルマグネシウム、ハロゲン化5−ノナデセニルマグネシウム、ハロゲン化5−エイコセニルマグネシウム、ハロゲン化5−ヘンエイコセニルマグネシウム、ハロゲン化5−ドコセニルマグネシウム、ハロゲン化5−トリコセニルマグネシウム、ハロゲン化5−テトラコセニルマグネシウム、ハロゲン化5−ペンタコセニルマグネシウム、ハロゲン化6−ブテニルマグネシウム、ハロゲン化6−ペンテニルマグネシウム、ハロゲン化6−ヘキセニルマグネシウム、ハロゲン化6−ヘプテニルマグネシウム、ハロゲン化6−オクテニルマグネシウム、ハロゲン化6−ノネニルマグネシウム、ハロゲン化6−デセニルマグネシウム、ハロゲン化6−ウンデセニルマグネシウム、ハロゲン化6−ドデセニルマグネシウム、ハロゲン化6−トリデセニルマグネシウム、ハロゲン化6−テトラデセニルマグネシウム、ハロゲン化6−ペンタデセニルマグネシウム、ハロゲン化6−ヘキサデセニルマグネシウム、ハロゲン化6−ヘプタデセニルマグネシウム、ハロゲン化6−オクタデセニルマグネシウム、ハロゲン化6−ノナデセニルマグネシウム、ハロゲン化6−エイコセニルマグネシウム、ハロゲン化6−ヘンエイコセニルマグネシウム、ハロゲン化6−ドコセニルマグネシウム、ハロゲン化6−トリコセニルマグネシウム、ハロゲン化6−テトラコセニルマグネシウム、ハロゲン化6−ペンタコセニルマグネシウム、ハロゲン化7−ブテニルマグネシウム、ハロゲン化7−ペンテニルマグネシウム、ハロゲン化7−ヘキセニルマグネシウム、ハロゲン化7−ヘプテニルマグネシウム、ハロゲン化7−オクテニルマグネシウム、ハロゲン化7−ノネニルマグネシウム、ハロゲン化7−デセニルマグネシウム、ハロゲン化7−ウンデセニルマグネシウム、ハロゲン化7−ドデセニルマグネシウム、ハロゲン化7−トリデセニルマグネシウム、ハロゲン化7−テトラデセニルマグネシウム、ハロゲン化7−ペンタデセニルマグネシウム、ハロゲン化7−ヘキサデセニルマグネシウム、ハロゲン化7−ヘプタデセニルマグネシウム、ハロゲン化7−オクタデセニルマグネシウム、ハロゲン化7−ノナデセニルマグネシウム、ハロゲン化7−エイコセニルマグネシウム、ハロゲン化7−ヘンエイコセニルマグネシウム、ハロゲン化7−ドコセニルマグネシウム、ハロゲン化7−トリコセニルマグネシウム、ハロゲン化7−テトラコセニルマグネシウム、ハロゲン化7−ペンタコセニルマグネシウム、ハロゲン化8−ブテニルマグネシウム、ハロゲン化8−ペンテニルマグネシウム、ハロゲン化8−ヘキセニルマグネシウム、ハロゲン化8−ヘプテニルマグネシウム、ハロゲン化8−オクテニルマグネシウム、ハロゲン化8−ノネニルマグネシウム、ハロゲン化8−デセニルマグネシウム、ハロゲン化8−ウンデセニルマグネシウム、ハロゲン化8−ドデセニルマグネシウム、ハロゲン化8−トリデセニルマグネシウム、ハロゲン化8−テトラデセニルマグネシウム、ハロゲン化8−ペンタデセニルマグネシウム、ハロゲン化8−ヘキサデセニルマグネシウム、ハロゲン化8−ヘプタデセニルマグネシウム、ハロゲン化8−オクタデセニルマグネシウム、ハロゲン化8−ノナデセニルマグネシウム、ハロゲン化8−エイコセニルマグネシウム、ハロゲン化8−ヘンエイコセニルマグネシウム、ハロゲン化8−ドコセニルマグネシウム、ハロゲン化8−トリコセニルマグネシウム、ハロゲン化8−テトラコセニルマグネシウム、ハロゲン化8−ペンタコセニルマグネシウム、ハロゲン化9−ブテニルマグネシウム、ハロゲン化9−ペンテニルマグネシウム、ハロゲン化9−ヘキセニルマグネシウム、ハロゲン化9−ヘプテニルマグネシウム、ハロゲン化9−オクテニルマグネシウム、ハロゲン化9−ノネニルマグネシウム、ハロゲン化9−デセニルマグネシウム、ハロゲン化9−ウンデセニルマグネシウム、ハロゲン化9−ドデセニルマグネシウム、ハロゲン化9−トリデセニルマグネシウム、ハロゲン化9−テトラデセニルマグネシウム、ハロゲン化9−ペンタデセニルマグネシウム、ハロゲン化9−ヘキサデセニルマグネシウム、ハロゲン化9−ヘプタデセニルマグネシウム、ハロゲン化9−オクタデセニルマグネシウム、ハロゲン化9−ノナデセニルマグネシウム、ハロゲン化9−エイコセニルマグネシウム、ハロゲン化9−ヘンエイコセニルマグネシウム、ハロゲン化9−ドコセニルマグネシウム、ハロゲン化9−トリコセニルマグネシウム、ハロゲン化9−テトラコセニルマグネシウム、ハロゲン化9−ペンタコセニルマグネシウム、ハロゲン化10−ブテニルマグネシウム、ハロゲン化10−ペンテニルマグネシウム、ハロゲン化10−ヘキセニルマグネシウム、ハロゲン化10−ヘプテニルマグネシウム、ハロゲン化10−オクテニルマグネシウム、ハロゲン化10−ノネニルマグネシウム、ハロゲン化10−デセニルマグネシウム、ハロゲン化10−ウンデセニルマグネシウム、ハロゲン化10−ドデセニルマグネシウム、ハロゲン化10−トリデセニルマグネシウム、ハロゲン化10−テトラデセニルマグネシウム、ハロゲン化10−ペンタデセニルマグネシウム、ハロゲン化10−ヘキサデセニルマグネシウム、ハロゲン化10−ヘプタデセニルマグネシウム、ハロゲン化10−オクタデセニルマグネシウム、ハロゲン化10−ノナデセニルマグネシウム、ハロゲン化10−エイコセニルマグネシウム、ハロゲン化10−ヘンエイコセニルマグネシウム、ハロゲン化10−ドコセニルマグネシウム、ハロゲン化10−トリコセニルマグネシウム、ハロゲン化10−テトラコセニルマグネシウム、ハロゲン化10−ペンタコセニルマグネシウムなどが挙げられ、アルキルグリニャール試薬と同様にこれらに3位以上の位置にテトラヒドロピラニルオキシ基、エチレンジオキシ基、プロピレンジオキシ基、あるいはハロゲンが置換したものも挙げられる。
マグネシウムに結合するハロゲンとしては塩素、臭素、ヨウ素のいずれでもよい。
グリニャール試薬の溶媒はテトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、シクロプロピルメチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒が好ましく、トルエン、キシレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの炭化水素溶媒との混合溶媒でも使用できる。
グリニャール試薬の濃度は、通常0.5〜3Mol/lが好ましい。
グリニャール試薬の量は、1−アシルオキシ−1,3−アルカジエンに対し、通常1〜3倍当量、好ましくは1.5〜2倍当量で使用される。
グリニャール試薬の溶媒はテトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、シクロプロピルメチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒が好ましく、トルエン、キシレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの炭化水素溶媒との混合溶媒でも使用できる。
グリニャール試薬の濃度は、通常0.5〜3Mol/lが好ましい。
グリニャール試薬の量は、1−アシルオキシ−1,3−アルカジエンに対し、通常1〜3倍当量、好ましくは1.5〜2倍当量で使用される。
<鉄触媒について>
鉄触媒としては塩化鉄(II)、臭化鉄(II)、塩化鉄(III)、臭化鉄(III)、フッ化鉄(II)、フッ化鉄(III)、ヨウ化鉄(II)、ヨウ化鉄(III)、酢酸鉄(II)、酢酸鉄(III)、鉄(II)アセチルアセトナート、鉄(III)アセチルアセトナートなどの内少なくとも一つの鉄触媒が用いられ、好ましくは鉄(III)アセチルアセトナートである。鉄触媒はグリニャール試薬を過剰に用いれば、水和物もそのまま使用できる。
鉄触媒の使用量は、1−アシルオキシ−1,3−アルカジエンに対し、通常1mol%〜10mol%、好ましくは1〜3mol%である。
鉄触媒としては塩化鉄(II)、臭化鉄(II)、塩化鉄(III)、臭化鉄(III)、フッ化鉄(II)、フッ化鉄(III)、ヨウ化鉄(II)、ヨウ化鉄(III)、酢酸鉄(II)、酢酸鉄(III)、鉄(II)アセチルアセトナート、鉄(III)アセチルアセトナートなどの内少なくとも一つの鉄触媒が用いられ、好ましくは鉄(III)アセチルアセトナートである。鉄触媒はグリニャール試薬を過剰に用いれば、水和物もそのまま使用できる。
鉄触媒の使用量は、1−アシルオキシ−1,3−アルカジエンに対し、通常1mol%〜10mol%、好ましくは1〜3mol%である。
<反応溶媒について>
反応溶媒としては、グリニャール試薬と反応しないものであればよく、通常、グリニャール試薬を調製する場合に用いられるテトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル、t−ブチルメチルエーテルなどのエーテル系溶媒が好ましく、トルエン、キシレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの炭化水素系溶媒を加えてもよい。
<添加物>
鉄触媒として鉄(II)アセチルアセトナートあるいは鉄(III)アセチルアセトナートを用いる場合には添加物を使用しなくてもよいが、その他の鉄触媒の場合には反応系に添加物を加えてもよく、1−メチル−2−ピロリドン(NMP)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2(1H)−オン(DMPU)などの非プロトン性高誘電率溶媒が好ましく使用される。添加物の量は1−アシルオキシ−1,3−アルカジエンに対し、通常1〜3当量、好ましくは1〜2当量使用される。
<グリニャール試薬の溶媒について>
グリニャール試薬の溶媒としては、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、ジエチルエーテルなどのエーテル系溶媒が好ましく用いられるが、トルエン、キシレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの炭化水素系溶媒を加えてもよい。
反応溶媒としては、グリニャール試薬と反応しないものであればよく、通常、グリニャール試薬を調製する場合に用いられるテトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル、t−ブチルメチルエーテルなどのエーテル系溶媒が好ましく、トルエン、キシレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの炭化水素系溶媒を加えてもよい。
<添加物>
鉄触媒として鉄(II)アセチルアセトナートあるいは鉄(III)アセチルアセトナートを用いる場合には添加物を使用しなくてもよいが、その他の鉄触媒の場合には反応系に添加物を加えてもよく、1−メチル−2−ピロリドン(NMP)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2(1H)−オン(DMPU)などの非プロトン性高誘電率溶媒が好ましく使用される。添加物の量は1−アシルオキシ−1,3−アルカジエンに対し、通常1〜3当量、好ましくは1〜2当量使用される。
<グリニャール試薬の溶媒について>
グリニャール試薬の溶媒としては、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、ジエチルエーテルなどのエーテル系溶媒が好ましく用いられるが、トルエン、キシレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの炭化水素系溶媒を加えてもよい。
<反応温度および反応時間について>
反応温度は、用いる基質によって異なるが、通常−80℃〜50、好ましくは−30〜30℃、より好ましくは−10〜20℃である。反応時間は、滴下終了時点から1〜2時間撹拌を続けて熟成させてもよい。
反応温度は、用いる基質によって異なるが、通常−80℃〜50、好ましくは−30〜30℃、より好ましくは−10〜20℃である。反応時間は、滴下終了時点から1〜2時間撹拌を続けて熟成させてもよい。
<重合禁止剤について>
重合禁止剤を用いる場合は、4−tert−ブチルピロカテコール、tert−ブチルヒドロキノン、1,4−ベンゾキノン、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジルフリーラジカル、ガルビノキシルフリーラジカル、ヒドロキノン、4−メトキシフェノール、イルガノックス、4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルフリーラジカル、フェノチアジン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルフリーラジカル、カプフェロン、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩、キノパワーR、4−tert−ブチルカテコール、ジブチルジチオカルバミン酸銅、2−オキシジフェニルアミン、1−ナフトール、2−ナフトール、酸素などが挙げられる。重合禁止剤の添加量は1,3−ブタジエンの重量の1〜1000ppmであり、好ましくは100〜500ppmである。
重合禁止剤を用いる場合は、4−tert−ブチルピロカテコール、tert−ブチルヒドロキノン、1,4−ベンゾキノン、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジルフリーラジカル、ガルビノキシルフリーラジカル、ヒドロキノン、4−メトキシフェノール、イルガノックス、4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルフリーラジカル、フェノチアジン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルフリーラジカル、カプフェロン、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩、キノパワーR、4−tert−ブチルカテコール、ジブチルジチオカルバミン酸銅、2−オキシジフェニルアミン、1−ナフトール、2−ナフトール、酸素などが挙げられる。重合禁止剤の添加量は1,3−ブタジエンの重量の1〜1000ppmであり、好ましくは100〜500ppmである。
<後処理および精製方法について>
反応後は、水あるいは塩化アンモニウム水溶液などを加えて反応を停止し、抽出溶媒を加えて、分液し、抽出液を水洗後、乾燥させて、濃縮し、残渣を減圧蒸留に付して共役ジエンを得ることができる。抽出溶媒としては、ジエチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、シクロプロピルメチルエーテルなどのエーテル系溶媒、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒、ヘキサン、ヘプタンなどのパラフィン系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素系溶媒などが挙げられる。またエーテル系溶媒、エステル系溶媒、パラフィン系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶媒の内、2種以上の混合溶媒を用いることもできる。副生した高沸点物質を除去するための操作としてのシリカゲル、アルミナ、セライト、活性炭などを担体として用いたショートカラムクロマトの操作を蒸留操作と併用して使用することもできる。
反応後は、水あるいは塩化アンモニウム水溶液などを加えて反応を停止し、抽出溶媒を加えて、分液し、抽出液を水洗後、乾燥させて、濃縮し、残渣を減圧蒸留に付して共役ジエンを得ることができる。抽出溶媒としては、ジエチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、シクロプロピルメチルエーテルなどのエーテル系溶媒、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒、ヘキサン、ヘプタンなどのパラフィン系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素系溶媒などが挙げられる。またエーテル系溶媒、エステル系溶媒、パラフィン系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶媒の内、2種以上の混合溶媒を用いることもできる。副生した高沸点物質を除去するための操作としてのシリカゲル、アルミナ、セライト、活性炭などを担体として用いたショートカラムクロマトの操作を蒸留操作と併用して使用することもできる。
<共役ジエンについて>
本発明により製造できる共役ジエンとして、以下の化合物を例示する。なお、下記構造式中の「THP」は、テトラヒドロピラニル基を表す。
本発明により製造できる共役ジエンとして、以下の化合物を例示する。なお、下記構造式中の「THP」は、テトラヒドロピラニル基を表す。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によって
なんら限定されるものではない。
なんら限定されるものではない。
実施例で得られた反応溶液は、ガスクロマトグラフィーで分析を行い、純度を面積百分率にて算出した。測定条件は以下の通りである。
装置:島津製作所GC−2014
カラム:Agilent J&W GCカラム DB-1ms(L60m×φ0.250mm、D:0.25μm) (キャピラリーカラム)
カラム温度:50℃(5分保持)→10℃/min→250℃(5分保持)
インジェクション温度:280℃
キャリヤーガス:純ヘリウム G1
検出器:水素炎イオン化検出器(FID)
カラム:Agilent J&W GCカラム DB-1ms(L60m×φ0.250mm、D:0.25μm) (キャピラリーカラム)
カラム温度:50℃(5分保持)→10℃/min→250℃(5分保持)
インジェクション温度:280℃
キャリヤーガス:純ヘリウム G1
検出器:水素炎イオン化検出器(FID)
<実施例1>
窒素雰囲気下でフラスコに2mol%の鉄(III)アセチルアセトナート(60mg)、5倍量(V/W)のテトラヒドロフラン(4.7ml)の順に加えて攪拌溶解後、氷冷し1当量の1−アセトキシブタジエン(E/Z=2.5)(0.95g)を加えた。ついで1.5当量の1−ブロモ−6−クロロヘキサンと1.5当量のマグネシウムから氷冷下で調製した6−クロロヘキシルマグネシウムブロミドの1Mテトラヒドロフラン溶液(13ml)を氷冷下で滴下し、同温度で1時間攪拌した。サンプリング液をGCで分析し、転化率87%、1−クロロ−9,10−デカジエンの選択率86%であることを確認した。
<実施例2〜15>
グリニャール試薬、鉄触媒、添加物の量あるいは種類を表1に示す条件に変更し、実施例1と同様に反応を実施した。結果を表1に示す。
グリニャール試薬、鉄触媒、添加物の量あるいは種類を表1に示す条件に変更し、実施例1と同様に反応を実施した。結果を表1に示す。
本発明は、1−アシルオキシ−1,3−アルカジエンに鉄触媒存在下、グリニャール試薬を反応させる共役ジエンの工業的製造方法として有用であり、医薬品、健康食品、香料、フェロモンなどの製造に利用できる。
Claims (3)
- 下記一般式(1)
(1)
(一般式(1)中、R1〜R3は、それぞれ独立して水素原子またはアルキル基を表し、R4は、水素原子、アルキル基またはアルケニル基を表し、R5は、アルキル基を表す。)で表される1−アシルオキシ−1,3−アルカジエンに、鉄触媒存在下、R6−Mg−Xで表されるグリニャール試薬(R6はテトラヒドロピラニルオキシ基、エチレンジオキシ基、プロピレンジオキシ基、ハロゲン原子を有していてもよいアルキル基またはハロゲン原子を有していてもよいアルケニル基を表し、Xは塩素、臭素またはヨウ素から選ばれるハロゲンを表す)を反応させることを特徴とする、
下記一般式(2)
(2)
で表される共役ジエンの製造方法
(一般式(2)中、R1〜R3は、それぞれ独立して水素原子またはアルキル基を表し、R4は、水素原子、アルキル基またはアルケニル基を表し、R6は、前記グリニャール試薬のR6と同義である。) - R6が炭素数1〜25のアルキル基または炭素数4〜25のアルケニル基であることを特徴とする請求項1に記載の共役ジエンの製造方法
- R1〜R3が、それぞれ独立して水素原子または炭素数1〜4の直鎖アルキル基であり、R4が独立して水素原子または炭素数1〜20のアルキル基または炭素数2〜20のアルケニル基であることを特徴とする請求項1または2に記載の共役ジエンの製造方法
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