JP6279271B2 - 電子機器用カバーガラスのガラス基板の製造方法 - Google Patents

電子機器用カバーガラスのガラス基板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、携帯機器(携帯型電子機器)の表示画面のカバー部材として用いられる携帯機器用カバーガラスなどを含む電子機器用カバーガラスのガラス基板の製造方法に関する。
スマートフォンを含む携帯電話や、携帯型ゲーム機、スレートPC(Personal Computer)や、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルスティルカメラ、ビデオカメラなどの携帯機器では、液晶などの表示装置を保護するために、表示装置の外側にカバーガラスが配置される。また、タッチセンサにおいても、センサー基板を保護するためにカバーガラスが配置される。
一般に、カバーガラスは、大きい一枚板のガラス素板から任意の形状のガラス基板を分離させ(外形加工)、この分離させたガラス基板にさらに印刷などの加工をすることにより製造される。ガラス素板からガラス基板を分離させる方法としては、機械加工だけでなく、エッチング処理を用いた方式が知られている。
特許文献1では、レジストパターンを主表面に形成したガラス素板をエッチング処理して、ガラス素板から所望の形状のガラス基板を分離させている。このようにエッチング処理で外形を形成することにより、端面は鏡面となって非常に高い平滑性を有し、機械加工では必ず生じるマイクロクラックが生じない。このため、携帯端末用カバーガラスに求められる高い強度を得ることができる。また、機械加工では困難な複雑な形状であっても、エッチング処理であれば容易に加工することができるという利点もある。
特開2009−167086号公報
近年、携帯機器においては、タッチセンサの技術の進歩により、独立したボタンの集合である操作部(テンキーなど)を排し、筐体のほぼ前面にカバーガラスを配置する構成が主流となる傾向がある。このため、携帯機器のデザインが画一的になってきており、携帯機器用カバーガラス(外装用カバーガラス)やタッチセンサ用カバーガラス(外付け保護カバーガラス)によってデザイン性を高めることにより差別化を図りたいという要請がある。
電子機器用カバーガラスのデザイン性を高める手法の1つとして、端面形状にデザイン性を持たせることが考えられる。ここで、従来では、特許文献1のようにエッチング処理によってガラス素板から所望の形状のガラス基板を分離させることで、ガラス基板の外形処理を行っている。
しかしながら、上記のような方法であると、ガラス素板の両主表面から等方的にエッチングが進行するため、ガラス基板の端面を、表側の主表面を上面としたときに厚み方向に対称となる形状にしか加工することができない。このため、端面の形状(デザイン)は、やはり画一化したものとなってしまう。また、機械的加工手段により端面に研磨等を施すことによって、厚み方向に非対称の端面を形成することが可能であるが、機械的加工手段で加工する場合には、ガラス基板の被加工面にマイクロクラックが発生し、強度低下の要因となる。
本発明は、このような課題に鑑み、高い機械的強度を確保しつつ、端面形状にデザイン性を持たせることができ、ひいては電子機器のデザイン性の向上を図ることが可能な電子機器用カバーガラスのガラス基板の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明にかかる電子機器用カバーガラスのガラス基板の製造方法の代表的な構成は、ガラス素板の第1の主表面および第2の主表面上に、電子機器用カバーガラスの形状の加工パターンが形成された耐エッチング層をそれぞれ形成する耐エッチング層形成工程と、ガラス素板に対して両主表面をエッチング処理することにより、加工パターンに沿ってガラス素板を溶解し、電子機器用カバーガラスの形状のガラス基板をガラス素板から分離するエッチング処理工程とを含み、耐エッチング層形成工程で第1の主表面側の加工パターンの幅を第2の主表面側の加工パターンの幅よりも広くすることにより、エッチング処理工程でガラス基板の端面を断面視で厚さ方向に非対称となるように形成することを特徴とする。
上記構成によれば、第1の主表面側の加工パターンの幅を第2の主表面側の加工パターンの幅よりも広くすることで、ガラス基板において、断面視で厚み方向に非対称なデザイン性を有する端面形状を成形することができる。したがって、高い品質安定性を確保しつつ、端面形状にデザイン性を持たせることができ、ひいては電子機器のデザイン性の向上を図ることが可能となる。
また第1の主表面側の加工パターンの幅と第2の主表面側の加工パターンの幅を適宜調節することで、端面の傾斜度合いを調節することができるため、端面形状を任意の形状に成形することも可能となる。更に、端面形状が、Rを有するように緩く湾曲した形状となるように第1の主表面側の加工パターンの幅および第2の主表面側の加工パターンの幅を調整すれば、端面のクラックや、端面を触った際の引っ掛かりを防ぐことができる。
上記ガラス基板の端面には、面方向外側へ突出する頂部が形成され、ガラス基板の端面の形状は、厚さ方向での第1の主表面と頂部との間の距離と、厚さ方向での第2の主表面と頂部との間の距離とが互いに異なる形状であるとよい。これにより、ガラス基板の端面において第1の主表面側の端部への曲げ応力の集中を防ぐことができ、機械的強度の向上を図ることが可能となる。
上記エッチング処理はシャワーリングであり、エッチング処理工程では、第1の主表面側と第2の主表面側のシャワーリング条件を同条件とするとよい。かかる構成によれば、従来のように端面形状が厚み方向に対称であるガラス基板を製造する際と同様のシャワーリング条件となるため、成形する端面形状に応じてシャワーリング条件を変更する必要がない。したがって、第1の主表面側と第2の主表面側に対するシャワーリング条件を異ならせた際に生じる品質安定性の低下を招くことなく、高い品質安定性を確保することができる。
また、厚み方向に対象な端面形状を有するガラス基板と、厚み方向に非対称な、すなわちデザイン性を持った端面形状を有するガラス基板とを同一の製造条件(シャワーリング条件)によって製造することが可能となるため、異なるモデルのガラス素板を混在して製造装置に流すことができ、生産効率を向上させることができる。
上記エッチング処理はディッピングであるとよい。本発明によれば、第1の主表面側および第2の主表面側に対してエッチング条件を変更することができないディッピングにおいても端面形状を任意に成形することが可能である。
本発明によれば、高い機械的強度を確保しつつ、端面形状にデザイン性を持たせることができ、ひいては電子機器のデザイン性の向上を図ることが可能な電子機器用カバーガラスのガラス基板の製造方法を提供することができる。
本実施形態にかかる電子機器用カバーガラスのガラス基板の製造方法によって製造される電子機器用カバーガラスについて説明する図である。 図1に示すスマートフォンの模式的な断面図である。 本実施形態にかかる電子機器用カバーガラスのガラス基板の製造方法について説明するフローチャートである。 製造工程における電子機器用カバーガラスの状態を示す模式的な断面図である。 従来の製造方法におけるエッチング処理工程を例示する図である。 加工パターン幅によるガラス基板の端面形状の制御について説明する図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
図1は、本実施形態にかかる電子機器用カバーガラスのガラス基板の製造方法によって製造される電子機器用カバーガラスについて説明する図である。実施形態では、電子機器としてスマートフォン300を例示しているが、これに限定するものではなく、他の携帯電話機、携帯型ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルスティルカメラ、ビデオカメラ、またはスレートPC(Personal Computer)等であってもよい。
図1に示すように、本実施形態にかかる電子機器であるスマートフォン300は、タッチパネルディスプレイ302(タッチセンサ)と、タッチパネルディスプレイ302の表面を覆い、かかるタッチパネルディスプレイ302のカバー部材として用いられるタッチセンサ用カバーガラスである電子機器外装用カバーガラス(以下、外装用カバーガラス304と称する)とを備える。外装用カバーガラス304は、スマートフォン300の外装の一部をなすように筐体306のベゼルの内側に取り付けられている。すなわち外装用カバーガラス304は、スマートフォン300の外装の一部を構成している。
保護カバーガラス100は、電子機器の外装のうち、表示画面を覆うように着脱可能に貼り付けられる外付けの携帯機器用カバーガラス(電子機器用外付け保護カバーガラス)である。保護カバーガラス100は、ガラス板102を含んで構成され、外装用カバーガラス304の外側の主表面を覆うように貼り付けられることで、かかる外装用カバーガラス304を保護する。なお、本実施形態では、外装用カバーガラス304および保護カバーガラス100の両方、すなわちそれら両方を含む電子機器用カバーガラスについては単にカバーガラスと称する。
図2は、図1に示すスマートフォン300の模式的な断面図であり、図2(a)は、スマートフォン300に保護カバーガラス100を貼り付けた状態の断面図であり、図2(b)は、スマートフォン300においてタッチパネルディスプレイ302が配置される側の面の全面に外装用カバーガラス304を配設した状態の断面図である。なお、図2(a)および(b)では、スマートフォン300において、外装用カバーガラス304以外の構成要素をスマートフォン本体部300aとして模式的に図示する。
図2(a)に示すように、保護カバーガラス100は、スマートフォン300を保護するためのガラス板102と、ガラス板102の裏面側に設けられガラス板102を電子機器(スマートフォン300)に着脱可能に貼り付けるための貼付層104とを含んで構成される。ガラス板102は、表面となる第1の主表面102bと、裏面となる第2の主表面102cと、第1の主表面102bと第2の主表面102cとをつなぐ端面102aとを有している。ガラス板102の厚みとしては、例えば0.2〜0.5mmを例示することができる。また図1に示すように、ガラス板102には、電子機器のマイク、スピーカ又はボタン等の位置に対応するように、開口102d・102eが形成される。
図2(a)では、スマートフォン本体部300aの上面の一部に外装用カバーガラス304が組み込まれる構成を例示したが、それ以外にも、図2(b)に示すように、スマートフォン本体部300aの上面全体に外装用カバーガラス304を配置する構成も可能である。このような場合、外装用カバーガラス304の端面がR形状であることに加え、端面のデザイン性も重要となる。
図3は、本実施形態にかかる電子機器用カバーガラスのガラス基板の製造方法について説明するフローチャートである。図4は、製造工程における電子機器用カバーガラスの状態を示す模式的な断面図である。なお、以下の説明では、外装用カバーガラス304を製造する場合を例示するが、これに限定するものではなく、保護カバーガラス100のガラス板102を製造する際においても本実施形態の電子機器用カバーガラスのガラス基板の製造方法を適用することが可能である。
図3に示すように、本実施形態の電子機器用カバーガラスのガラス基板の製造方法では、まず耐エッチング層形成工程(ステップS402)において、ガラス素板110の第1の主表面110aおよび第2の主表面110b上(図4参照)に、電子機器用カバーガラス(外装用カバーガラス304)の形状の加工パターンが形成された耐エッチング層114a・114bをそれぞれ形成する。耐エッチング層形成工程では、まず図4(a)に示すように、ガラス板であるガラス素板110の第1の主表面110aおよび第2の主表面110b上にレジスト材を塗布することにより、レジスト皮膜112a・112bが形成される。
ガラス素板110としては、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、ボロシリケートガラス等が挙げられ、強い圧縮応力を形成できる観点からアルミノシリケートガラスがより好ましい。中でも、SiO、Al、LiO及び/又はNaOを含有したアルミノシリケートガラスであることが好ましく、更に好ましくは、SiO:58〜75重量%、Al:4〜20重量%、LiO:3〜10重量%、NaO:4〜13重量%を含有するアルミノシリケートガラスを用いるとよい。
Alは、後述する化学強化においてイオン交換性能を向上させるため有用である。LiOは、化学強化においてNa+イオンとイオン交換させるための成分である。NaOは、化学強化においてK+イオンとイオン交換させるための成分である。ZrOは、機械的強度を高めるために有用である。なお、Li2O及びNa2Oのうち、Na2Oを含むガラス組成であれば良く、Li2Oを省略可能である。この場合には、後述の化学強化処理液に硝酸カリウムの溶融塩を用いることができる(硝酸ナトリウムを省略可能)。なお、本実施形態では、アルミノシリケートガラスを用いる構成を例示したが、これに限定するものではなく、ソーダライムガラス等を用いることも可能である。
レジスト材としては、後述するエッチング処理工程において用いられるエッチャントに対して耐性を有する材料であればよい。ガラスは多くの場合、フッ酸を含む水溶液のウェットエッチングや、フッ素系ガスのドライエッチングにより食刻されるので、例えば、フッ酸耐性に優れたレジスト材などを用いることができる。
次に、図4(a)に示すように、耐エッチング層114a・114bに形成する加工パターン、すなわち電子機器用カバーガラス(外装用カバーガラス304)の形状の加工パターンに対応するマスクパターンを有するフォトマスク116a・116bをガラス素板110の両主表面と平行に配置して、レジスト皮膜112a・112bの両面から光を照射して露光する。そして、露光後のレジスト皮膜112a・112b皮膜を現像すると、図4(b)に示すように、後述するエッチング処理工程でエッチングされる領域以外の領域(ガラス基板118となる領域)に、電子機器用カバーガラスの形状の加工パターン(レジストパターン)が形成された耐エッチング層114a・114bが、ガラス素板110の第1の主表面110aおよび第2の主表面110b上にそれぞれ形成される。
ガラス素板110の第1の主表面110aおよび第2の主表面110b上に耐エッチング層114a・114bを形成したら、続いてエッチング処理工程を行う(ステップS404)。エッチング処理工程では、ガラス素板110に対して両主表面をエッチング処理することにより、加工パターンに沿ってガラス素板110を溶解する。エッチング処理にはドライエッチング処理とウェットエッチング処理があり、本実施形態では、エッチング処理としてウェットエッチング(湿式エッチング)を採用している。
またウェットエッチング(エッチング処理)にはシャワーリングとディップ方式があり、本実施形態では、シャワー方式を採用した場合を例示している。ウェットエッチングによりガラス基板の外形加工を行う場合、シャワー方式の方が、ディップ方式に比べて、析出物管理及びエッチングレート管理を容易に行うことができるため、寸法精度が要求される電子機器用カバーガラスの外形加工に好適だからである。なお、ウェットエッチングに使用するエッチャントは、ガラス素板110を食刻できるものであればよい。例えば、フッ酸を主成分とする酸性溶液や、フッ酸に硫酸、硝酸、塩酸、ケイフッ酸のうち少なくとも一つの酸を含む混酸などを用いることができる。
図5は、従来の製造方法におけるエッチング処理工程を例示する図である。図5(a)に示すように耐エッチング層14a・14bが形成されたガラス素板10にエッチャントをシャワーリングすると、加工パターンに沿うように、すなわち耐エッチング層14a・14bによってマスキングされていない領域にエッチャントが流れ込む。すると、その領域のガラス素板10が、第1の主表面10aおよび第2の主表面10bのそれぞれから溝が掘り下げられるように溶解する。そして、図5(b)に示すように、その溝が板厚のほぼ中央部で連続することにより、電子機器用カバーガラスの形状のガラス基板18がガラス素板10から分離される。
すなわち、ウェットエッチングでは、ガラス素板10の両主表面から等方的にエッチングが進行する。このため、図5(b)に示すように、従来の製造方法であると、ガラス素板10から分離されたガラス基板18の端面18aは、厚み方向に対称な形状となり、かかる端面18aの形状(デザイン)は、画一化したものとなってしまう。ここで、機械的加工手段により研磨等を施せば、ガラス基板18の端面18aを厚み方向に非対称な任意の形状とすることが可能であると考えられるが、加工の際にガラス基板18の被加工面にマイクロクラックが発生し、強度低下の要因となる。
このため、発明者は検討し、エッチング処理工程において、第1の主表面10aおよび第2の主表面10bとのシャワーリング条件を異ならせることで、端面18aの形状を任意の形状に成形できるのではないかと考えた。しかしながら、第1の主表面10a側(表側の主表面)と第2の主表面10b側(裏側の主表面)のシャワーリング条件を異ならせると、端面18aの形状を任意に変更可能であるものの、端面品質が不安定となり、歩留が低下してしまうことが判明した。そこで、発明者は、シャワーリング条件を異ならせることなく端面18aの形状を任意の形状に成形できる方法を検討した。そして、両主表面上に形成される耐エッチング層14a・14bにおける加工パターンに着目し、更に鋭意検討した結果、本発明に想到した。
すなわち、本実施形態にかかる電子機器用ガラス基板の製造方法は、図4(b)に示すように、耐エッチング層形成工程において、第1の主表面110a側の加工パターンの幅Aを第2の主表面110b側の加工パターンの幅Bよりも広くなるように耐エッチング層114a・114bを形成することを特徴とする。これにより、図4(b)に示すガラス素板110にエッチャントをシャワーリングすると、マスキングされていない領域のガラス素板110が、第1の主表面110aおよび第2の主表面110bのそれぞれから溝が掘り下げられるように溶解する。
このとき、本実施形態では、第1の主表面110a側の加工パターンの幅Aが第2の主表面110b側の加工パターンの幅Bよりも広くなっているため、第1の主表面110a側のほうが溶解する面積が広くなる。これにより、エッチング処理工程後のガラス基板118の端面118aは、図4(c)に示すように、断面視で厚さ方向に非対称となる。したがって、シャワーリング条件を異ならせることなく、ガラス基板118の端面118aの形状を任意の形状に成形することが可能となる。これにより、第1の主表面110a側と第2の主表面110b側に対するシャワーリング条件を異ならせた際に生じる品質安定性の低下を招くことなく、歩留の向上を図ることが可能となる。
また第1の主表面110a側と第2の主表面110b側のシャワーリング条件を異ならせる必要がない、すなわち第1の主表面110a側と第2の主表面110b側のシャワーリング条件を同条件とすることが可能であることで、従来のように端面形状が厚み方向に対称であるガラス基板を製造する際と同様のシャワーリング条件となる。このため、成形する端面形状に応じてシャワーリング条件を変更する必要がなく、厚み方向に対象な端面形状を有するガラス基板と、厚み方向に非対称なデザイン性を持った端面形状を有するガラス基板118とを同一の製造条件(シャワーリング条件)によって製造することが可能となる。したがって、異なるモデルのガラス基板の基となるガラス素板110を混在して製造装置に流すことができ、生産効率の向上を図ることが可能となる。
更に、本実施形態のように第1の主表面110a側と第2の主表面110b側のシャワーリング条件によることなくガラス基板118の端面形状を任意に形成可能であるということは、換言すれば、エッチング条件を変更できないウェットエッチングにおいても、ガラス基板118の端面形状を任意に形成可能であるということである。したがって、ウェットエッチングの際にディッピングを採用した場合であっても、ガラス基板118の端面形状を任意に形成可能である。
また本実施形態のように、シャワーリング条件ではなく、第1の主表面110a側の加工パターンの幅A、および第2の主表面110b側の加工パターンの幅Bによって端面形状を任意に形成可能であることで、それらの幅Aおよび幅Bを適宜設定することで、ガラス基板118の端面形状を容易に変更することができる。すなわち、第1の主表面110a側の加工パターンの幅と第2の主表面110b側の加工パターンの幅を適宜調節することで、端面118aの傾斜度合いを調節することができる。
図6は、加工パターン幅によるガラス基板118の端面形状の制御について説明する図であり、図6(a)は、図4(d)に示すガラス基板118の端面の二点鎖線円内の拡大図であり、図6(b)は、加工パターン幅による端面118aの頂点118bの位置を説明する図である。図6(a)では、ガラス基板118の端面118aにおいて、第1の主表面110aの端部から端面118aの頂点118bまでの距離を距離C、第1の主表面110aから端面118aの頂部である頂点118bまでの厚みを厚みDとしている。
このとき、図6(b)の実施例1〜9に示すように、第1の主表面110a側の加工パターンの幅Aから第2の主表面110b側の加工パターンの幅Bを引いた値、すなわち幅Aと幅Bとの差分が大きくなるにしたがって、距離Cおよび厚みDともに大きくなり、ガラス基板118の端面118aの頂点は、距離Cおよび厚みDともに第1の主表面110aから離れた位置となる。このことから、第1の主表面110a側の加工パターンの幅Aおよび第2の主表面110b側の加工パターンの幅Bを変化させることにより、ガラス基板118の端面形状を任意に制御可能であることがわかる。すなわち本実施形態では、ガラス基板118の端面118aの形状は、かかる端面118aにおいて面方向外側へ突出するように形成された頂部である頂点118bに対して、厚さ方向での第1の主表面110aと頂点118bとの間の距離と、厚さ方向での第2の主表面110bと頂点118bとの間の距離とが互いに異なる形状である。
更に、本実施形態では、図4(c)に示すように、ガラス基板118の端面118aにおいて、第1の主表面110a側の端部を内側に向かって湾曲した形状となるようにエッチング処理を行う。これにより、ガラス基板118の端面の第1の主表面110a側の端部への曲げ応力の集中を防ぐことができ、機械的強度の向上を図ることが可能となる。
具体的には、第1の主表面110a上に形成される耐エッチング層114aにおいて、ガラス素板110と当接していない面から当接している面に向かうにしたがって、厚み方向でレジスト材の重合度が低くなるように重合度勾配を持たせる。重合度勾配を持たせる方法としては、使用するレジストの種類や露光光源(エネルギー)により適宜変更することにより、レジスト厚、現像時の露光量、およびポストベーク条件を調整する。
上述したように第1の主表面110a上に形成される耐エッチング層114aに重合度勾配を持たせるにより、ガラス素板110の第1の主表面110aと、その上に形成された耐エッチング層114aとの密着性が弱まり、エッチング処理工程においてそれらの間にエッチャントが入り込みやすくなる。したがって、ガラス基板118の第1の主表面110a側の端部のエッチングが促進され、かかる端部を内側に向かって湾曲した形状とすることができる。これにより、ガラス基板118の端面における第1の主表面110a側の端部への応力集中が緩和され、3点抗折強度(3点曲げ強さ)の向上を図ることが可能となる。
厚さ方向に重合度勾配を持つ耐エッチング層114aの厚み(レジスト膜厚)は、20μm〜150μmであるとよい。またかかる耐エッチング層114aを形成する際の露光エネルギーは、200mJ/cm2〜500mJ/cm2であるとよく、ポストベーク温度は、110℃〜200℃であることが好ましい。なお、耐エッチング層114aの重合度勾配は、未露光レジストの感度波長における透過率、および透過率の時間変化を測定することで間接的に確認することが可能である。また重合度勾配はラマン分光測定装置などによっても確認することができる。
上記説明したようにエッチング処理工程において、電子機器用カバーガラスの形状のガラス基板118をガラス素板110から分離したら、耐エッチング層114a・114bをガラス基板118から剥離する耐エッチング層剥離工程(ステップS406)を行う。これにより、図4(d)に示すように、ガラス基板118の第1の主表面110aおよび第2の主表面110bから耐エッチング層114a・114bが剥離される。耐エッチング層剥離工程において用いられる剥離液としては、KOHやNaOHなどのアルカリ溶液を用いることが好ましい。なお、レジスト材、エッチャント、剥離液の種類は、被エッチング材料であるガラス素板110の材料に応じて適宜選択することができる。
耐エッチング層114a・114bを剥離したら、続いて化学強化工程(ステップS408)を行う。化学強化工程では、溶融させた化学強化塩にガラス基板118を接触させる化学強化処理を行う。化学強化処理では、化学強化塩中の相対的に大きな原子半径のアルカリ金属イオンと、ガラス基板118中の相対的に小さな原子半径のアルカリ金属イオンとがイオン交換され、ガラス基板118の表層にイオン半径の大きなアルカリ金属イオンを浸透する。この化学強化処理によってガラス基板118の表面に圧縮応力が生じることで、機械的強度を高めることができ、耐衝撃性の向上を図ることが可能となる。
化学強化塩としては、硝酸カリウムや硝酸ナトリウム等のアルカリ金属硝酸塩を用いることが好ましい。また化学強化処理の方法としては、ガラス転移点の温度を超えない温度領域、例えば摂氏300度〜500度の温度で、イオン交換を行う低温型イオン交換法が好ましい。化学強化処理されたガラス基板118は強度が向上し耐衝撃性に優れているため、例えば厚さ0.3mm程度でも十分に保護カバーガラス100または外装用カバーガラス304としての機能を発揮できる。
続いて、ガラス基板118を洗浄する洗浄工程(ステップS410)を行う。これにより、ガラス基板118の第1の主表面110aおよび第2の主表面110bに付着している付着物が除去される。洗浄方法としては、水などの洗浄液で洗い流す方法や、洗浄液に浸漬する浸漬法、洗浄液を流しながら回転するロール体をガラス基板100に接触させるスクラブ洗浄法などを利用することができる。浸漬法では、洗浄液に超音波を印加した状態で実施してもよい。その後、ガラス基板100に、必要に応じて加飾を施すことで外装用カバーガラス304が製造される。
上記説明したように、本実施形態にかかる電子機器用カバーガラスのガラス基板の製造方法によれば、第1の主表面110a側の加工パターンの幅Aを第2の主表面110b側の加工パターンの幅Bよりも広くすることで、ガラス基板118において、断面視で厚み方向に非対称なデザイン性を有する端面形状を成形することができる。これにより、シャワーリング条件を変更することでガラス基板118の端面にデザイン性を付与していた際に生じていた品質安定性の低下を招くことがない。したがって、高い品質安定性を確保しつつ、端面形状にデザイン性を持たせることができ、ひいては電子機器(スマートフォン300)のデザイン性の向上を図ることが可能となる。またガラス基板118の端面形状をRを有するように緩く湾曲した形状とすれば、端面118aのクラックや、端面118aを触った際の引っ掛かりを防ぐことができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、携帯機器(携帯型電子機器)の表示画面のカバー部材として用いられる携帯機器用カバーガラスと、タッチセンサのカバー部材として用いられるタッチセンサ用カバーガラスとを含む電子機器用カバーガラスのガラス基板の製造方法に利用することができる。
14a…耐エッチング層、14b…耐エッチング層、100…保護カバーガラス、102…ガラス板、102a…端面、102b…主表面、102c…主表面、102d…開口、102e…開口、104…貼付層、110…ガラス素板、110a…第1の主表面、110b…第2の主表面、112a…レジスト皮膜、112b…レジスト皮膜、114a…耐エッチング層、114b…耐エッチング層、116a…フォトマスク、116b…フォトマスク、118…ガラス基板、118a…端面、118b…頂点、300…スマートフォン、300a…スマートフォン本体部、302…タッチパネルディスプレイ、304…外装用カバーガラス、306…筐体

Claims (4)

  1. ガラス素板の第1の主表面および第2の主表面上に、電子機器用カバーガラスの形状の加工パターンが形成された耐エッチング層をそれぞれ形成する耐エッチング層形成工程と、
    前記ガラス素板に対して両主表面をエッチング処理することにより、前記加工パターンに沿って該ガラス素板を溶解し、前記電子機器用カバーガラスの形状のガラス基板を該ガラス素板から分離するエッチング処理工程とを含み、
    前記耐エッチング層形成工程で前記第1の主表面側の加工パターンの幅を前記第2の主表面側の加工パターンの幅よりも広くすることにより、前記エッチング処理工程で前記ガラス基板の端面を断面視で厚さ方向に非対称となるように形成することを特徴とする電子機器用カバーガラスのガラス基板の製造方法。
  2. 前記ガラス基板の端面には、面方向外側へ突出する頂部が形成され、
    前記ガラス基板の端面の形状は、厚さ方向での前記第1の主表面と前記頂部との間の距離と、厚さ方向での前記第2の主表面と前記頂部との間の距離とが互いに異なる形状であることを特徴とする請求項1に記載の電子機器用カバーガラスのガラス基板の製造方法。
  3. 前記エッチング処理はシャワーリングであり、
    前記エッチング処理工程では、前記第1の主表面側と前記第2の主表面側のシャワーリング条件を同条件とすることを特徴とする請求項1または2に記載の電子機器用カバーガラスのガラス基板の製造方法。
  4. 前記エッチング処理はディッピングであることを特徴とする請求項1または2に記載の電子機器用カバーガラスのガラス基板の製造方法。
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