JP2017031028A - ガラスの製造方法 - Google Patents

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抗太 岩永
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Abstract

【課題】湾曲形状を得るための金型や、ガラスを溶融させるための加熱が不要でかつ、加工精度よく、安価で大量生産できる湾曲形状を有するガラスの製造方法を提供する。
【解決手段】切断用パターンに対応する切断用凹部をエッチングによってマザーガラス21の両面に凹部を形成するパターン形成工程と、マザーガラス21の他方面2bの化学強化層3Bをエッチングによって薄化する強化層薄化工程と、一方面2a側における化学強化層3Aと他方面2b側における化学強化層3Aとの厚み差によって生じる内部応力差を利用して湾曲させる工程と、切断用凹部に沿ってマザーガラスを21切断し、複数の湾曲したガラスを得る切断工程を有する、湾曲形状を有するガラスの製造方法。
【選択図】図11

Description

本発明は、ガラスの製造方法に関する。
従来、携帯端末等にタッチパネル式ディスプレイが広く用いられている。一般的なタッチパネル式ディスプレイは、液晶パネル等の表示装置と、表示装置上に積層されたタッチパネルと、タッチパネル上に積層されたカバーガラスとを有しており、カバーガラスが外表面に露出するように携帯端末等に搭載されている。タッチパネルは、透明ガラス基板の少なくとも一方面上にタッチセンサを構成する電極配線が形成されたものである。このようなタッチパネルの製造方法として、特許文献1には、透明ガラス基板用のマザー基板の一方面上に複数のタッチパネル用の電極配線を形成した後にマザー基板を切断し、複数のタッチパネルを得る製造方法が開示されている。
近年では、スマートフォン、或いは身体に装着可能なウェアラブル端末などへの適用のため、例えば顔や腕などにフィットするような湾曲形状を有するガラスが求められる場合がある。湾曲形状を有するガラスの製造方法としては、例えば特許文献2,3に記載の製造方法がある。これらの製造方法では、金型に溶融ガラスを流し込むことによって、所望の湾曲形状をなすカバーガラスを成型している。
特開2008−33777号公報 特開2013−218161号公報 特開2014−91655号公報
上述した特許文献1で開示されている製造方法では、平坦なガラスは得られるが、湾曲形状を有するガラスの製造は困難である。また、特許文献2,3で開示されている製造方法では、ガラスを大量生産するにあたって金型を大量に用意する必要がある。また、ガラスを1000℃程度まで加熱して溶融させるため、エネルギー消費も看過できないものとなる。
また、ガラスには、表面の傷及び破損防止のための化学強化処理が施される。化学強化処理とは、例えばガラスを350℃〜400℃で溶融した硝酸カリウムに浸漬し、ガラス組成成分中のナトリウムイオンをカリウムイオンで置換し、ガラス表層に圧縮層を形成する処理である。特許文献2に開示されている製造方法では、明示はされていないが、成型後に個片状態のガラスに化学強化処理する必要があり、生産性の確保が困難であった。
本発明は、上記課題の解決のためになされたものであり、湾曲形状を有するガラスを安価で大量生産できるガラスの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題の解決のため、本発明の一側面に係るガラスの製造方法は、両面に化学強化層が形成された板状のマザーガラスの両面にレジスト膜を形成するレジスト膜形成工程と、レジスト膜を部分的に除去し、マザーガラスを複数のガラス部に区画する区画線に沿って、マザーガラスの両面を部分的に露出させる切断用パターンを形成するパターン形成工程と、切断用パターンに対応する切断用凹部をエッチングによってマザーガラスの両面に形成する凹部形成工程と、切断用凹部を形成したマザーガラスからレジスト膜を除去するレジスト除去工程と、レジスト膜を除去したマザーガラスの一方面に保護層を形成する保護層形成工程と、保護層が形成されていないマザーガラスの他方面の化学強化層をエッチングにより薄化する強化層薄化工程と、切断用凹部に沿ってマザーガラスを切断し、複数の湾曲したガラスを得る切断工程と、を備える。
このガラスの製造方法では、強化層薄化工程においてマザーガラスの他方面の化学強化層を薄化することにより、一方面側における化学強化層と他方面側における化学強化層との厚み差によって生じる内部応力差を利用して湾曲したガラスを得る。このような手法によれば、湾曲形状を得るための金型や、ガラスを溶融させるための加熱は不要となり、湾曲形状をなすガラスを安価で大量生産することが可能となる。また、エッチングによって化学強化層の薄化を行うので、化学強化層の加工精度が十分に確保され、歩留まりの向上も図られる。さらに、このガラスの製造方法では、化学強化層を薄化した時点では複数のガラス部の一体性が保たれており、切断用凹部に沿ってマザーガラスを切断した時点でガラス部が湾曲する。このため、切断工程までのマザーガラスのハンドリング性を確保できる。
また、凹部形成工程において、エッチング剤にマザーガラスの両面を晒して切断用凹部を形成してもよい。この場合、切断用凹部を好適に形成できる。
また、凹部形成工程において、砥石を含有する気流にマザーガラスの両面を晒して切断用凹部を形成してもよい。この場合、切断用凹部を好適に形成できる。
また、レジスト膜形成工程において、感光性レジストを用いてレジスト膜をマザーガラスの両面に設けてもよい。この場合、レジスト膜の膜厚の均一化が図られる。また、液状レジストを用いてレジスト膜を形成する場合に比べ、感光性フィルムを用いる場合には厚いレジスト膜を形成し易いという利点がある。レジスト膜を厚くすることで、エッチング剤の浸透が抑制され、エッチング剤による損傷を防止できる。
また、切断工程において、マザーガラスの一方面上に保護層を形成する一方で、他方面上に切断用のレジスト膜を形成し、切断用のレジスト膜のうち切断用凹部に対応する部分を除去し、他方面側からのエッチングによって切断用凹部に沿ってマザーガラスを切断した後、切断用のレジスト膜及び保護層を除去してもよい。切断工程においてエッチングを行うことにより、刃物等を用いて切断を行う場合に比べてマザーガラスに生じる応力が抑制される。したがって、マザーガラスから得られるガラスが損傷することを抑制できる。また、マザーガラスの一方面に保護層が形成される一方で、エッチングが他方面側から行われる。このため、切断用凹部に対応する部分を除去する処理を保護層に施す必要がなく、マザーガラスの一方面全体が保護層によってしっかりと保護される。さらに、切断用凹部の形成によって切断対象部分の厚さが小さくなっているため、マザーガラスを短時間のエッチングで切断できる。
切断工程において、感光性レジストを用いて切断用のレジスト膜をマザーガラスの他方面に形成してもよい。この場合、レジスト膜の膜厚の均一化が図られる。また、液状レジストを用いてレジスト膜を形成する場合に比べ、切断用凹部内への樹脂組成物の侵入を抑制できる。したがって、切断用のレジスト膜のうち、切断用凹部に対応する部分を容易に除去できる。
また、切断工程において、保護層の除去前に切断用のレジスト膜を除去してもよい。この場合、切断用のレジスト膜を除去するための溶解剤が一方面に付着してしまうことを防止できる。
また、切断工程において、エッチング剤にマザーガラスの他方面を晒してマザーガラスの切断を行ってもよい。この場合、マザーガラスの切断を精度良く実施できる。
また、凹部形成工程と切断工程との間に、マザーガラスの一方面に加飾膜を形成する加飾膜形成工程と、マザーガラスの一方面にガラス部に対応するタッチパネル回路を形成する回路形成工程と、を備えていてもよい。これにより、カバーガラス一体型タッチパネルを得ることが可能となる。
本発明によれば、湾曲形状をなすガラスを安価で大量生産できる。
本発明に係るガラスの製造方法の一実施形態を用いて製造されるカバーガラス一体型タッチパネルを示す平面図である。 図1におけるII−II線断面図である。 図1及び図2に示したカバーガラス一体型タッチパネルの製造方法を示す断面図である。 図3の後続の工程を示す断面図である。 図4の平面図である。 図4の後続の工程を示す断面図である。 図6の後続の工程を示す断面図である。 図7の平面図である。 図7の後続の工程を示す断面図である。 図9の平面図である。 図9の後続の工程を示す断面図である。 図11の後続の工程を示す断面図である。 図12の後続の工程を示す断面図である。 図13の後続の工程を示す断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の一側面に係るガラスの製造方法の好適な実施形態について詳細に説明する。同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明を省略する。なお、本明細書においては、カバーガラス一体型タッチパネルの製造方法を主に用いて説明するが、カバーガラス以外の湾曲形状をなすガラスの製造方法であってもよい。
[カバーガラス一体型タッチパネルの構成]
図1は、本発明に係るガラスの製造方法の一実施形態を用いて製造されるカバーガラス一体型タッチパネルを示す平面図である。また、図2は、図1におけるII−II線断面図である。図1及び図2に示すように、カバーガラス一体型タッチパネル11は、カバーガラス1と、カバーガラス1の一方面2aに形成されたタッチパネル回路12と、タッチパネル回路12を囲むように一方面2aに形成された加飾膜13と、加飾膜13上に形成された周辺回路14とを備えている。カバーガラス1の一方の短辺側には、搭載先の端末のスピーカ或いはマイクに対応する帯状の孔1aが形成されている(図2参照)。
カバーガラス1は、板状のガラス本体部2を有している。ガラス本体部2の平面形状は、特に制限はないが、例えば略長方形状をなしている。長辺の長さは、例えば50mm〜500mm、短辺の長さは、例えば30mm〜300mmとなっている。また、ガラス本体部2の板厚は、例えば1.5mm以下、より好ましくは1.0mm以下、更に好ましくは0.8mm以下となっている。
タッチパネル回路12は、タッチセンサを構成する回路であり、例えばITO(Indium Tin Oxide)等の透明な導電性材料によって形成されている。加飾膜13は、カバーガラス1の一方面2a上において、タッチパネル回路12の外縁とカバーガラス1の外縁との間の領域に形成された不透明な膜である。加飾膜13は、カバーガラス1の他方面2b側からガラス本体部2を通して視認可能となっている。加飾膜13は、搭載先の端末のデザインに合わせて様々な色に着色可能である。
加飾膜13の代表的な色としては、例えば黒色及び白色が挙げられる。加飾膜13の厚みは、例えば1μm〜100μmとなっている。加飾膜13についても、カバーガラス1の孔1aに対応する開口13aが形成されている。加飾膜13の好ましい材料としては、例えば黒色顔料を含むアクリル系樹脂組成物、金属酸化物を含む低融点ガラス等が挙げられる。
周辺回路14は、タッチパネル回路12に対する電力の供給や信号の送受信を行うための回路である。周辺回路14は、例えば銀、銅、アルミニウム等の金属材料により、加飾膜13上に形成されている。周辺回路14は、不透明な加飾膜13上に形成されているため、カバーガラス1の他方面2b側からは視認されないようになっている。なお、上記のタッチパネル回路12、加飾膜13、及び周辺回路14には、オーバコートを形成してもよい。オーバコートを形成することにより、薬液や他物質との接触に起因してタッチパネル回路12、加飾膜13、及び周辺回路14に傷が付くことを防止できる。
以上のようなカバーガラス一体型タッチパネル11は、他方面2b側が露出した状態で端末等に搭載される。カバーガラス一体型タッチパネル11の一方面2a側は、端末の内部で表示装置に対して貼り付けられる。端末のユーザは、カバーガラス一体型タッチパネル11を通して表示装置の表示内容を視認できる。
また、端末のユーザは、表示装置によって表示されている図柄等に触れる感覚でカバーガラス一体型タッチパネル11に触れることができる。ユーザの指がカバーガラス一体型タッチパネル11に接触すると、その接触状態がタッチパネル回路12によって検出される。タッチパネル回路12によって検出された接触状態に応じて端末を動作させることで、タッチ操作による端末の操作が実行される。
また、カバーガラス一体型タッチパネル11は、図2に示すように、全体として緩やかな湾曲形状をなし、例えば人体の顔や腕などウェアラブル端末の装着箇所の形状にフィットするようになっている。この湾曲形状は、カバーガラス1のガラス本体部2の一方面2a側に形成された化学強化層3Aと、他方面2b側に形成された化学強化層3Bとの厚み差によって生じる一方面2a側と他方面2b側との内部応力差によって形成されている。
ここでは、ガラス本体部2の一方面2a側に形成された化学強化層3Aの厚みが、他方面2b側に形成された化学強化層3Bの厚みに比べて半分程度に小さくなっている。これにより、カバーガラス一体型タッチパネル11は、一方面2a側が凸状、他方面2b側が凹状となる湾曲形状をなしている。化学強化層3の薄化は、所望の湾曲度、ガラス本体部2を構成する材料、ガラス本体部2の厚み等に基づいて、元の厚みの100%未満となる範囲で適宜決定される。
[カバーガラス一体型タッチパネルの製造方法]
続いて、上述したカバーガラス一体型タッチパネル11の製造方法について説明する。カバーガラス一体型タッチパネル11の製造に当たっては、まず、図3に示すように、カバーガラス1用のマザーガラス21を準備し、マザーガラス21の両面にレジスト膜22をそれぞれ形成する(レジスト膜形成工程)。
マザーガラス21は、複数のカバーガラス1を切り出すことが可能なように構成された板状のガラスである。例えば平面視において一辺の長さが500mm程度の正方形をなすマザーガラス21を用いる場合、一枚のマザーガラス21から10〜100枚程度のカバーガラス1を切り出すことが可能である。マザーガラス21を構成するガラス材料、すなわち、カバーガラス1のガラス本体部2を構成する材料としては、例えばソーダライムガラスが挙げられる。なお、マザーガラス21の一方面及び他方面は、最終的にカバーガラス1の一方面2a及び他方面2bとなるため、以下の説明では同一の符号を付す。
マザーガラス21の一方面2aには、化学強化層3Aが形成され、他方面2bには、化学強化層3Bが形成されている。化学強化層3A,3Bは、ガラスに強化処理を施すことによって形成されている。強化処理としては、例えばイオン交換処理が挙げられる。より具体的には、例えば400℃〜500℃の硝酸カリウム(KNO)の溶融塩にガラスを1時間〜10時間程度浸漬させる。これにより、ガラス結晶中のナトリウムがカリウムに置換され、ガラス結晶の硬度が高められる。
強化処理においては、硝酸カリウム(KNO)溶融塩の温度、浸漬時間、溶融塩等を変更することで、化学強化層3の厚み(表面からの深さ)を調整できる。化学強化層3の厚みは、例えば100μm以下の範囲で調整される。化学強化層3の形成により、マザーガラス21の表面には圧縮応力層が形成され、内部には引張応力層が形成される。
なお、この段階では、化学強化層3A,3Bは等厚となっている。化学強化層3A,3Bの厚みが均等である場合、マザーガラス21の一方面2a側及び他方面2b側に作用する圧縮応力が均等となる。したがって、強化処理後のマザーガラス21は、平坦形状を維持することとなる。
レジスト膜22は、樹脂組成物(例えば感光性樹脂組成物)を用いて形成される薄膜である。レジスト膜22Aは、マザーガラス21の一方面2a側において化学強化層3A上に形成され、レジスト膜22Bは、他方面2b側において化学強化層3B上に形成されている。樹脂組成物は、感光性樹脂組成物(「感光性レジスト」とも言える)であることが好ましい。この場合、レジスト膜22A,22Bは、液状の感光性レジストの塗布、又はフィルム状の感光性レジスト(以下「感光性フィルム」)の貼り付けによって形成される。
膜厚の均一化の観点からは、感光性フィルムを用いることが好ましい。感光性フィルムとしては、(A)バインダーポリマー、(B)光重合性化合物、及び(C)光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物から形成されるものが挙げられる。
(A)バインダーポリマーは、アルカリ現像性の観点から、カルボキシル基を有するアクリル樹脂であることが好ましい。カルボキシル基を有するアクリル樹脂は、密着性と剥離性の観点から、(メタ)アクリル酸及びアルキル基の炭素数が1〜10の(メタ)アクリル酸アルキルに由来する構造単位を含む共重合体であることがより好ましい。
(A)バインダーポリマーの重量平均分子量は、耐現像液性の観点から、20,000以上であることが好ましい。また、(A)バインダーポリマーの重量平均分子量は、現像時間を短くできる観点から、300,000以下であることが好ましく、25,000〜150,000であることがより好ましく、30,000〜100,000であることが特に好ましい。重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定し、標準ポリスチレンを用いた検量線により換算される。GPCでの測定は、例えば以下の条件で行われる。
ポンプ:日立 L−6000型(株式会社日立製作所製)
カラム:Gelpack GL−R420、Gelpack GL−R430、Gelpack GL−R440(計3本:いずれも日立化成株式会社製)
溶離液:テトラヒドロフラン
測定温度:室温(25℃)
流量:2.05mL/分
検出器:日立L−3300型RI(株式会社日立製作所製)
(B)光重合性化合物としては、トリス(2−(メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ビス(2−(メタ)アクリロキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート、ビスフェノールA系(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノール、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジアクリレート、多価アルコールにα,β不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、グリシジル基含有化合物にα、β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、ウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物等のウレタンモノマー、ノニルフェニルジオキシレン(メタ)アクリレート、γクロロ−β−ヒドロキシプロピル−β−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシエチル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシプロピル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、エチレンオキサイド変性ノニルフェニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物としては、例えば、エチレン基の数が2〜14であるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2〜14であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンテトラエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンペンタエトキシトリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2〜14であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。剥離性とエッチング剤耐性の観点からは、ビス(2−(メタ)アクリロキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレートのような、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。
(C)光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、N,N’−テトラメチル−4,4’ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド系化合物;2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;ベンジル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モリホリノフェニル)−1−ブタノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパン等が挙げられる。硬化性と現像性の観点から、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体が好ましい。
上記(A)成分の含有量は、(A)成分及び上記(B)成分の総量100質量部に対して、40質量部〜80質量部の範囲であることが好ましく、45質量部〜70質量部であることがより好ましい。(B)成分の含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して、20質量部〜60質量部の範囲であることが好ましく、30質量部〜50質量部であることがより好ましい。上記(C)成分の含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して、0.1質量部〜20質量部であることが好ましく、0.2質量部〜10質量部であることがより好ましい。
また、感光性フィルムは、マザーガラス21との密着性をより向上させるために、3−メタクリロキシポリプロピルトリアルコキシシシラン等のシラン化合物を含むことが好ましい。この場合、シラン化合物の含有量は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の総量100質量部に対して、1質量部〜15質量部であることが好ましく、2質量部〜12質量部であることがより好ましく、4質量部〜10質量部であることが更に好ましい。
感光性フィルムは、例えば支持体と、支持体上に形成された感光性樹脂組成物層とを含む。支持体としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等の重合体フィルムを用いることができる。重合体フィルムの厚みは、1μm〜100μm程度とすることが好ましい。支持体上への感光性樹脂組成物層の形成方法に特に制限はないが、感光性樹脂組成物の溶液を塗布、乾燥することにより好ましく実施できる。
塗布される感光性樹脂組成物層の厚みは、用途により異なるが、乾燥後の厚みで1μm〜100μm程度であることが好ましい。感光性樹脂組成物の溶液の塗布は、例えばロールコータ、コンマコータ、グラビアコータ、エアーナイフコータ、ダイコータ、バーコータ等の公知の装置を用いて行うことができる。感光性樹脂組成物層の乾燥は、70℃〜150℃、5分〜30分程度で行うことができる。
また、感光性樹脂組成物層中の残存有機溶剤量は、後の工程での有機溶剤の拡散を防止する点から、2質量%以下とすることが好ましい。支持体として用いられる上記重合体フィルムを保護フィルムとして用い、感光性樹脂組成物層表面を被覆してもよい。保護フィルムとしては、感光性樹脂組成物層と支持体の接着力に比べ、小さい接着力で感光性樹脂組成物層に接着されるものが好ましい。さらに、感光性フィルムは、感光性樹脂組成物層、支持体および任意の保護フィルムの他に、クッション層、接着層、光吸収層、ガスバリア層等の中間層や保護層を有していてもよい。
レジスト膜22A,22Bの厚さは、エッチング剤の浸透を抑制し易い点で、例えば10μm〜300μmであることが好ましく、30μm〜250μmであることがより好ましく、40μm〜200μmであることが特に好ましい。レジスト膜22A,22Bは、液状の樹脂組成物をマザーガラス21の一方面2a及び他方面2bに塗布し、乾燥・硬化させることによっても形成できる。上記感光性フィルムは、レジスト膜22A,22Bの膜厚が10μm以上である場合に特に適している。感光性フィルムを用いることにより、膜厚が10μm以上である場合にも膜厚の均一化を図り易い。
感光性フィルムを用いたレジスト膜22A,22Bは、例えば以下のようにして形成できる。まず、感光性フィルムをマザーガラス21上に積層する。積層方法としては、感光性フィルムの感光性樹脂組成物層上に保護フィルムが存在している場合には、保護フィルムを除去しながらマザーガラス21上に積層する。積層条件としては、例えば感光性樹脂組成物層を70℃〜130℃程度に加熱しながら、0.1MPa〜1MPa程度(1kgf/cm〜10kgf/cm程度)の圧力を加えて圧着することが挙げられる。なお、減圧下で感光性フィルムを積層することも可能である。
感光性樹脂組成物層の積層後、所定パターンの領域に活性光線を照射して、露光部の感光性樹脂組成物層を光硬化させる。所定パターンの領域に活性光線を照射させる方法としては、フォトマスクを通して所定パターンの領域に活性光線を照射し、露光部の感光性樹脂層を光硬化させる方法がある。フォトマスクは、ネガ型でもポジ型でもよく、一般に用いられているものを使用できる。活性光線の光源としては、公知の光源、たとえば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等の紫外線、可視光などを有効に放射するものが用いられる。また、フォトマスクを用いずに、レーザー直接描画露光を行うこともできる。
露光後に未露光部の感光性樹脂組成物層を現像により選択的に除去することにより、マザーガラス21上にレジスト膜22A,22Bが形成される。なお、感光性フィルムに支持体が存在する場合には、現像工程において、現像に先立って支持体を除去する。現像は、アルカリ性水溶液、水系現像液、有機溶剤等の現像液によるウエット現像、或いはドライ現像等によって未露光部を除去することにより行われる。本実施形態では、アルカリ性水溶液が用いられる。
アルカリ性水溶液としては、例えば、0.1質量%〜5質量%の炭酸ナトリウムの希薄溶液、0.1質量%〜5質量%の炭酸カリウムの希薄溶液、0.1質量%〜5質量%の水酸化ナトリウムの希薄溶液等が挙げられる。アルカリ性水溶液のpHは、9〜11の範囲であることが好ましい。アルカリ性水溶液の温度は、感光性樹脂組成物層の現像性に合わせて適宜調節される。また、アルカリ性水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、有機溶剤等を混入させてもよい。上記現像の方式としては、例えばディップ方式、スプレー方式、ブラッシング、スラッピング等が挙げられる。必要に応じて60℃〜250℃程度の加熱処理を行い、レジスト膜22A、22Bをさらに硬化するようにしてもよい。
次に、図4及び図5に示されるように、レジスト膜22A,22Bを部分的に除去し、切断用パターン23、孔加工用パターン24、及びマーカ用パターン25を形成する(パターン形成工程)。レジスト膜22A,22Bを部分的に除去し、切断用パターン23、孔加工用パターン24、及びマーカ用パターン25を形成する代表的な手法としては、例えばフォトリソグラフィーが挙げられる。
切断用パターン23は、マザーガラス21を複数のカバーガラス部26に区画する区画線PLに沿ってマザーガラス21の一方面2a及び他方面2bを露出させる開口部である。区画線PLは、マザーガラス21を本体部21Aと本体部21Aを囲む額部21Bとに区画する外縁部PL1と、本体部21Aを複数のカバーガラス部26に区画する分割部PL2とを有している。カバーガラス部26のそれぞれは、マザーガラス21の切断後にカバーガラス1となる。
孔加工用パターン24は、各カバーガラス部26においてマザーガラス21の一方面2a及び他方面2bを部分的に露出させる開口部である。孔加工用パターン24は、上述したカバーガラス1の孔1aに対応する位置に形成されている。マーカ用パターン25は、マザーガラス21の額部21Bの四隅において、マザーガラス21の一方面2a及び他方面2bを部分的に露出させる開口部である。マーカ用パターン25は、平面視で十字形状を呈している。マーカ用パターン25は、一方面2a及び他方面2bの一方側のみに形成されていてもよい。すなわち、マーカ用パターン25は、マザーガラス21の一方面2a及び他方面2bの一方のみを部分的に露出させる開口部であってもよい。
次に、図6に示されるように、切断用パターン23に対応する切断用凹部27をエッチングによりマザーガラス21の一方面2a及び他方面2bに形成する(凹部形成工程)。また、切断用凹部27の形成と同時に、孔加工用パターン24に対応する孔加工用凹部28、及びマーカ用パターン25に対応するマーカ用凹部29をエッチングによりマザーガラス21の一方面2a及び他方面2bに形成する(図8参照)。
切断用凹部27、孔加工用凹部28及びマーカ用凹部29の深さは、化学強化層3の厚み以上であることが好ましい。切断用凹部27、孔加工用凹部28、及びマーカ用凹部29を形成するためのエッチングとしては、例えば液状のエッチング剤にワークを晒すウェットエッチングや、反応性の気体、イオン、ラジカル等にワークを晒すドライエッチング等が挙げられる。また、砥粒を含有する気流にワークを晒すサンドブラスト等(以下、「砥粒によるエッチング」と記す)もエッチングに含まれるものとする。
エッチングの効率性の観点からは、ウェットエッチングを用いることが好ましい。ウェットエッチング用の好ましいエッチング剤としては、例えばフッ酸10質量%〜20質量%、及び塩酸若しくは硫酸5質量%〜20質量%を含む水溶液等が挙げられる。また、エッチング剤をワークに対して噴霧することが好ましい。
次に、図7及び図8に示すように、切断用凹部27を形成したマザーガラス21からレジスト膜22A,22Bを除去する(レジスト除去工程)。レジスト膜22A,22Bの除去には、例えば剥離液が用いられる。剥離液としては、例えば水酸化ナトリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等を溶媒に溶かした強アルカリ液が挙げられる。マザーガラス21の一方面2a及び他方面2bからレジスト膜22A,22Bを効率良く除去するため、マザーガラス21全体を剥離液に晒すことが好ましい。
レジスト膜22A,22Bを除去した後、図9及び図10に示すように、各カバーガラス部26の一方面2a上に、タッチパネル回路12、加飾膜13、及び周辺回路14をそれぞれ形成する(回路形成工程、加飾膜形成工程)。タッチパネル回路12、加飾膜13、及び周辺回路14のそれぞれの形成工程に用いられる代表的な手法としては、フォトリソグラフィーが挙げられる。
タッチパネル回路12、加飾膜13、及び周辺回路14のそれぞれの形成工程では、マーカ用凹部29を位置決めの基準として用いる。カバーガラス部26同士を区画する切断用凹部27と共に形成されたマーカ用凹部29を位置決めの基準として用いることで、タッチパネル回路12、加飾膜13、及び周辺回路14を各カバーガラス部26に対して高精度に位置合わせできる。また、タッチパネル回路12、加飾膜13、及び周辺回路14の位置決めに共通のマーカ用凹部29を用いることで、タッチパネル回路12、加飾膜13、及び周辺回路14を互いに高精度に位置合わせできる。
なお、上記のタッチパネル回路12、加飾膜13、及び周辺回路14には、オーバコートを形成してもよい(オーバコート形成工程)。オーバコートを形成することにより、薬液や他物質との接触に起因してタッチパネル回路12、加飾膜13、及び周辺回路14に傷が付くことを防止できる。カバーガラス一体型タッチパネル11ではなく、タッチパネル回路12、加飾膜13、及び周辺回路14の無いカバーガラス単体を製造する場合には、回路形成工程及び加飾膜形成工程を省略できる。
次に、図11に示すように、レジスト膜22A,22Bを除去したマザーガラス21の一方面2aに保護層を形成する(保護層形成工程)。ここでは、保護層の形成に保護フィルム4を用いる。保護フィルム4は、例えばフィルム支持体5の一面側に粘着層6が一体に形成されたフィルムである。フィルム支持体5は、後続の工程で用いるエッチング剤及びレジスト膜の剥離液に対して耐性を有する材料からなることが好ましい。このような材料としては、例えばポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリエステルフィルム等が挙げられる。これらの材料の中でもポリプロピレンフィルムを用いることが特に好ましい。これらの材料からなるフィルム支持体5を単独で用いてもよく、2種以上を積層してもよい。
粘着層6についても、後続の工程で用いるエッチング剤及びレジスト膜の剥離液に対して耐性を有する材料からなることが好ましい。このような材料としては、例えばポリエステル樹脂、ゴム系樹脂等が挙げられる。また、アクリル系粘着剤を用いることがより好ましい。これらの材料を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。保護フィルム4の厚さは、例えば10μm〜200μmであることが好ましく、15μm〜100μmであることがより好ましい。
また、保護フィルム4は、強化層薄化工程後にマザーガラス21から容易に剥離することが好ましい。良好な剥離性が得られる粘着層6としては、例えば加熱処理によって粘着力が低下する粘着層、或いは露光処理によって粘着力が低下する粘着層が挙げられる。これらの中でも、露光処理によって粘着力が低下する粘着層を用いることがより好ましい。
保護フィルム4を一方面2a側に固定した後、図11に示すように、保護フィルム4が固定されていない他方面2b側の化学強化層3Bをエッチングによって薄化する(強化層薄化工程)。化学強化層3Bの薄化は、所望の湾曲度、マザーガラス21を構成する材料、マザーガラス21の厚み等に基づいて、元の厚みの100%未満となる範囲で適宜決定される。
本実施形態では、例えば化学強化層3Bを元の厚みの50%まで薄化する。これにより、化学強化層3A,3Bの厚みに差が生じ、マザーガラス21の一方面2a側及び他方面2b側に作用する圧縮応力のバランスが崩れる。そして、各カバーガラス部26には、一方面2a側が凸状、他方面2b側が凹状となるような内部応力が作用する。なお、この強化層薄化工程を実施した時点では、カバーガラス部26同士が切断用凹部27によって繋がった状態となっている。したがって、内部応力による各カバーガラス部26の変形は抑えられており、マザーガラス21全体が反ることはない。
化学強化層3のエッチングは、例えばワークを液状のエッチング剤に晒すウェットエッチングを用いてもよく、ワークを反応性気体、イオン、ラジカル等に晒すドライエッチングを用いてもよい。また、例えば砥粒を含有する気流にワークを晒すサンドブラスト(砥粒によるエッチング)等を用いてもよい。
エッチングの効率性の観点からは、ウェットエッチングを用いることが好ましい。ウェットエッチングに用いるエッチング剤としては、例えばフッ酸10質量%〜20質量%、及び塩酸若しくは硫酸5質量%〜20質量%を含む水溶液が挙げられる。また、ウェットエッチングでは、エッチング剤をワークに対して噴霧することが好ましい。
次に、切断用凹部27に沿ってマザーガラス21を切断し、複数のカバーガラスに分割する(切断工程)。切断工程では、まず、マザーガラス21の他方面2bに切断用のレジスト膜30を形成する。次に、図12に示すように、切断用のレジスト膜30のうち、切断用凹部27及び孔加工用凹部28に対応する部分を除去する。切断用のレジスト膜30の形成には、レジスト膜22A,22Bと同様の樹脂組成物を用いることができる。切断用のレジスト膜30の厚さは、例えば10μm〜300μmであることが好ましく、30μm〜250μmであることがより好ましく、40μm〜200μmであることが特に好ましい。
切断用のレジスト膜30は、レジスト膜22A,22Bを形成する手法と同様の手法を用いて形成できる。予めフィルム状に成形された樹脂組成物を貼付することによって切断用のレジスト膜30を形成する場合には、膜厚が均一な切断用のレジスト膜30を効率よく形成することができる。この場合、液状の樹脂組成物を他方面2bに塗布して切断用のレジスト膜30を形成する場合に比べ、切断用凹部27内への樹脂組成物の侵入を抑制できる。これにより、切断用のレジスト膜30のうち、切断用凹部27等に対応する部分を容易に除去できる。切断用のレジスト膜30の部分的な除去を行う代表的な手法としては、フォトリソグラフィーが挙げられる。
次に、マザーガラス21の他方面2b側からエッチングを行い、図13に示すように、切断用凹部27に沿ってマザーガラス21を切断し、マザーガラス21を額部21Bと複数のカバーガラス部26とに分割する。また、各孔加工用凹部28の範囲内に孔1aを形成する。エッチングには、上述したウェットエッチング、ドライエッチング、及び砥粒によるエッチングを用いることができる。切断工程では、他方面2b側の切断用凹部27及び孔加工用凹部28をエッチング剤等に晒すことで、マザーガラス21の切断と孔1aの加工とを同時進行で実施する。この時点で、切断された個々のカバーガラス部26が湾曲した形状となる。
マザーガラス21を切断した後、図14に示すように、額部21B及びカバーガラス部26から切断用のレジスト膜30を除去する。切断用のレジスト膜30は、レジスト膜22A,22Bと同様に、剥離液に樹脂組成物を溶解させることにより除去することができる。次に、複数のカバーガラス部26から額部21B及び保護フィルム4を除去する。この際、保護フィルム4の粘着層6に熱又は紫外線等のエネルギー線を照射して粘着剤の硬化を促進し、保護フィルム4と各カバーガラス部26との剥離性を向上させることが好ましい。
保護フィルム4から離れて個片化した各カバーガラス部26は、図1及び図2に示したカバーガラス一体型タッチパネル11のカバーガラス1となる。最後に、カバーガラス1の外縁を研磨し、切断面を平滑化することにより、湾曲形状をなす複数のカバーガラス一体型タッチパネル11が得られる。
[作用効果]
以上説明したように、このガラスの製造方法では、強化層薄化工程においてマザーガラス21の他方面2bの化学強化層3Bを薄化することにより、一方面2a側における化学強化層3Aと他方面2b側における化学強化層3Bとの厚み差によって生じる内部応力差を利用して湾曲したカバーガラス一体型タッチパネル11を得る。このような手法によれば、湾曲形状を得るための金型や、ガラスを溶融させるための加熱は不要となり、湾曲形状をなすカバーガラス一体型タッチパネル11を安価で大量生産することが可能となる。
また、エッチングによって化学強化層3Bの薄化を行うので、化学強化層3Bの加工精度が十分に確保され、歩留まりの向上も図られる。さらに、このガラスの製造方法では、化学強化層3Bを薄化した時点では複数のカバーガラス部26の一体性が保たれており、切断用凹部27に沿ってマザーガラス21を切断した時点でカバーガラス部26が湾曲する。このため、切断工程までのマザーガラス21のハンドリング性を確保できる。
また、本実施形態では、凹部形成工程において、エッチング剤にマザーガラス21の両面を晒して切断用凹部27を形成している。若しくは、砥石を含有する気流にマザーガラス21の両面を晒して切断用凹部27を形成している。これにより、切断用凹部27の形成を好適に実施できる。
また、本実施形態では、レジスト膜形成工程において、感光性レジストを用いてレジスト膜22A,22Bをマザーガラス21の両面に設けている。このように感光性レジストを用いることにより、レジスト膜22A,22Bの膜厚の均一化が図られる。また、液状レジストを用いてレジスト膜を形成する場合に比べ、感光性フィルムを用いる場合には厚いレジスト膜を形成し易いという利点がある。レジスト膜22A,22Bを厚くすることで、エッチング剤の浸透が抑制され、エッチング剤による損傷を防止できる。
また、本実施形態では、切断工程において、マザーガラス21の一方面2a上に保護フィルム4を形成する一方で、他方面2b上に切断用のレジスト膜30を形成している。そして、切断用のレジスト膜30のうち切断用凹部27に対応する部分を除去し、他方面2b側からのエッチングによって切断用凹部27に沿ってマザーガラスを切断した後、切断用のレジスト膜30及び保護フィルム4を除去している。切断工程においてエッチングを行うことにより、刃物等を用いて切断を行う場合に比べてマザーガラス21に生じる応力が抑制される。したがって、マザーガラス21から得られるカバーガラス1が損傷することを抑制できる。
また、切断工程では、マザーガラス21の一方面2aに保護フィルム4が形成される一方で、エッチングが他方面2b側から行われる。このため、切断用凹部27に対応する部分を除去する処理を保護フィルム4に施す必要がなく、マザーガラス21の一方面2a全体が保護フィルム4によってしっかりと保護される。さらに、切断用凹部27の形成によって切断対象部分の厚さが小さくなっているため、マザーガラス21を短時間のエッチングで切断できる。
また、本実施形態では、切断工程において、感光性レジストを用いて切断用のレジスト膜30をマザーガラス21の他方面に形成している。これにより、切断用のレジスト膜30の膜厚の均一化が図られる。また、液状レジストを用いて切断用のレジスト膜30を形成する場合に比べ、切断用凹部27内への樹脂組成物の侵入を抑制できる。したがって、切断用のレジスト膜30のうち、切断用凹部27に対応する部分を容易に除去できる。
また、本実施形態では、切断工程において、保護フィルム4の除去前に切断用のレジスト膜30を除去している。これにより、切断用のレジスト膜30を除去するための溶解剤が一方面2aに付着してしまうことを防止できる。したがって、一方面2a側に形成されているタッチパネル回路12、加飾膜13、及び周辺回路14に溶解剤が付着することを防止できる。さらに、本実施形態では、切断工程において、エッチング剤にマザーガラス21の他方面2bを晒してマザーガラス21の切断を行っている。これにより、マザーガラス21の切断を精度良く実施できる。
また、本実施形態では、凹部形成工程と切断工程との間に、マザーガラス21の一方面2aに加飾膜13を形成する加飾膜形成工程と、マザーガラス21の一方面2aにカバーガラス部26に対応するタッチパネル回路12を形成する回路形成工程と、を備えている。これにより、カバーガラス一体型タッチパネル11を得ることが可能となる。
1…カバーガラス、2a…一方面、2b…他方面、3(3A,3B)…化学強化層、11…カバーガラス一体型タッチパネル、12…タッチパネル回路、13…加飾膜、21…マザーガラス、22(22A,22B)…レジスト膜、23…切断用パターン、26…カバーガラス部(ガラス部)、27…切断用凹部、30…切断用のレジスト膜、PL…区画線。

Claims (9)

  1. 両面に化学強化層が形成された板状のマザーガラスの前記両面にレジスト膜を形成するレジスト膜形成工程と、
    前記レジスト膜を部分的に除去し、前記マザーガラスを複数のガラス部に区画する区画線に沿って、前記マザーガラスの前記両面を部分的に露出させる切断用パターンを形成するパターン形成工程と、
    前記切断用パターンに対応する切断用凹部をエッチングによって前記マザーガラスの前記両面に形成する凹部形成工程と、
    前記切断用凹部を形成した前記マザーガラスから前記レジスト膜を除去するレジスト除去工程と、
    前記レジスト膜を除去した前記マザーガラスの一方面に保護層を形成する保護層形成工程と、
    前記保護層が形成されていない前記マザーガラスの他方面の前記化学強化層をエッチングにより薄化する強化層薄化工程と、
    前記切断用凹部に沿って前記マザーガラスを切断し、複数の湾曲したガラスを得る切断工程と、を備えたガラスの製造方法。
  2. 前記凹部形成工程において、エッチング剤に前記マザーガラスの前記両面を晒して前記切断用凹部を形成する請求項1記載のガラスの製造方法。
  3. 前記凹部形成工程において、砥石を含有する気流に前記マザーガラスの前記両面を晒して前記切断用凹部を形成する請求項1記載のガラスの製造方法。
  4. 前記レジスト膜形成工程において、感光性レジストを用いて前記レジスト膜を前記マザーガラスの前記両面に設ける請求項1〜3のいずれか一項記載のガラスの製造方法。
  5. 前記切断工程において、
    前記マザーガラスの前記一方面上に保護層を形成する一方で、前記他方面上に切断用のレジスト膜を形成し、
    前記切断用のレジスト膜のうち前記切断用凹部に対応する部分を除去し、
    前記他方面側からのエッチングによって前記切断用凹部に沿って前記マザーガラスを切断した後、前記切断用のレジスト膜及び前記保護層を除去する請求項1〜4のいずれか一項記載のガラスの製造方法。
  6. 前記切断工程において、感光性レジストを用いて前記切断用のレジスト膜を前記マザーガラスの前記他方面に形成する請求項5記載のガラスの製造方法。
  7. 前記切断工程において、前記保護層の除去前に前記切断用のレジスト膜を除去する請求項5又は6記載のガラスの製造方法。
  8. 前記切断工程において、エッチング剤に前記マザーガラスの前記他方面を晒して前記マザーガラスの切断を行う請求項5〜7のいずれか一項記載のガラスの製造方法。
  9. 前記凹部形成工程と前記切断工程との間に、
    前記マザーガラスの前記一方面に加飾膜を形成する加飾膜形成工程と、
    前記マザーガラスの前記一方面に前記ガラス部に対応するタッチパネル回路を形成する回路形成工程と、を備えた請求項1〜8のいずれか一項記載のガラスの製造方法。
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