JP2017031030A - ガラス及びガラスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】安価で大量生産が可能な湾曲形状のガラス、及びこのようなガラスの製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】カバーガラス1は、板状のガラス本体部2と、ガラス本体部2の一方面2a側及び他方面2b側の少なくとも一方に形成された化学強化層3と、を備え、一方面2a側における化学強化層3Aと他方面2b側における化学強化層3Bとの厚み差によって生じる一方面2a側と他方面2b側との内部応力差によって、ガラス本体部2が湾曲形状をなしている。【選択図】図1
Description
本発明は、ガラス及びガラスの製造方法に関する。
従来、携帯端末等にタッチパネル式ディスプレイが広く用いられている。一般的なタッチパネル式ディスプレイは、液晶パネル等の表示装置と、表示装置上に積層されたタッチパネルと、タッチパネル上に積層されたカバーガラスとを有しており、カバーガラスが外表面に露出するように携帯端末等に搭載されている。タッチパネルは、透明ガラス基板の少なくとも一方面上にタッチセンサを構成する電極配線が形成されたものである。このようなタッチパネルの製造方法として、特許文献1には、透明ガラス基板用のマザー基板の一方面上に複数のタッチパネル用の電極配線を形成した後にマザー基板を切断し、複数のタッチパネルを得る製造方法が開示されている。
近年では、スマートフォン、或いは身体に装着可能なウェアラブル端末などへの適用のため、例えば顔や腕などにフィットするような湾曲形状を有するガラスが求められる場合がある。湾曲形状を有するガラスの製造方法としては、例えば特許文献2,3に記載の製造方法がある。これらの製造方法では、金型に溶融ガラスを流し込むことによって、所望の湾曲形状をなすカバーガラスを成型している。
上述した特許文献1で開示されている製造方法では、平坦なガラスは得られるが、湾曲形状を有するガラスの製造は困難である。また、特許文献2,3で開示されている製造方法では、ガラスを大量生産するにあたって金型を大量に用意する必要がある。また、ガラスを1000℃程度まで加熱して溶融させるため、エネルギー消費も看過できないものとなる。
本発明は、上記課題の解決のためになされたものであり、安価で大量生産が可能な湾曲形状のガラス、及びこのようなガラスの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題の解決のため、本発明の一側面に係るガラスは、板状のガラス本体部と、ガラス本体部の一方面側及び他方面側の少なくとも一方に形成された化学強化層と、を備え、一方面側における化学強化層と他方面側における化学強化層との厚み差によって生じる一方面側と他方面側との内部応力差によって、ガラス本体部が湾曲形状をなしている。
このガラスでは、ガラス本体部の一方面側における化学強化層と他方面側における化学強化層との厚み差によって生じる一方面側と他方面側との内部応力差を利用してガラス本体部の湾曲形状を形成している。したがって、湾曲形状を得るための金型や、ガラスを溶融させるための加熱は不要となり、湾曲形状をなすガラスを安価で大量生産することが可能となる。
また、化学強化層は、ガラス本体部の一方面側及び他方面側の双方に形成されていてもよい。この場合、ガラス本体部の両面に化学強化層が存在することで、ガラスの強度を向上できる。また、化学強化層の厚み差を利用したガラス本体部の湾曲度合の調整が容易となる。
また、本発明の一側面に係るガラスの製造方法は、両面に化学強化層が形成された板状のガラス本体部の一方面側に保護層を形成する保護層形成工程と、ガラス本体部の他方面側の化学強化層をエッチングによって薄化し、ガラス本体部を湾曲させる強化層薄化工程と、を備える。
このガラスの製造方法では、ガラス本体部の両面に化学強化層を形成し、一方の化学強化層を薄化することにより、ガラス本体部の一方面側における化学強化層と他方面側における化学強化層との厚み差によって生じる一方面側と他方面側との内部応力差を利用してガラス本体部の湾曲形状を形成している。したがって、湾曲形状を得るための金型や、ガラスを溶融させるための加熱は不要となり、湾曲形状をなすガラスを安価で大量生産することが可能となる。また、エッチングによって化学強化層の薄化を行うので、化学強化層の加工精度が十分に確保され、歩留まりの向上も図られる。
また、保護層として、フィルム状に成形された保護層を用いてもよい。こうすると、液状の樹脂組成物(例えば感光性樹脂組成物)などを用いて薄化用のレジスト層を形成する場合に比べて、工程の容易化が図られる。また、ボイドの発生も抑制されるので、歩留まりを一層向上できる。
また、このガラスの製造方法では、タッチパネル回路、加飾膜、及び周辺回路が一方面側に形成されたガラス本体部を用い、カバーガラス一体型タッチパネルを得てもよい。この場合、湾曲形状をなすカバーガラス一体型タッチパネルを安価で大量生産できる。
本発明によれば、湾曲形状をなすガラスを安価で大量生産できる。
以下、図面を参照しながら、本発明の一側面に係るガラス及びガラスの製造方法の好適な実施形態について詳細に説明する。同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明を省略する。なお、本明細書においては、カバーガラスを主に用いて説明するが、カバーガラス以外の湾曲形状をなすガラスであってもよい。
[カバーガラスの構成]
[カバーガラスの構成]
図1は、本発明に係るガラスの一実施形態を示す断面図である。同図に示すカバーガラス1は、例えばタッチパネル式ディスプレイの構成部品であり、液晶パネル等の表示装置と共にウェアラブル端末に搭載されるものである。図1に示すように、カバーガラス1は、板状のガラス本体部2を有している。ガラス本体部2の平面形状は、特に制限はないが、例えば略長方形状をなしている。長辺の長さは、例えば50mm〜500mm、短辺の長さは、例えば30mm〜300mmとなっている。また、ガラス本体部2の板厚は、例えば1.5mm以下、より好ましくは1.0mm以下、更に好ましくは0.8mm以下となっている。
ガラス本体部2を構成するガラス材料の組成は、例えば以下のとおりである。以下の記載において、例えば材料Aを「0%〜10%含む」とは、材料Aは必須ではないが、10%までの範囲で、かつ発明の目的を損なわない範囲で含んでいてもよいことを示す。
(i)モル%で表示した組成でSiO2を50%〜80%、Al2O3を2%〜25%、Li2Oを0%〜10%、Na2Oを0%〜18%、K2Oを0%〜10%、MgOを0%〜15%、CaOを0%〜5%、ZrO2を0%〜5%含有するガラス。
(ii)モル%で表示した組成でSiO2を50%〜74%、Al2O3を1%〜10%、Na2Oを6%〜14%、K2Oを3%〜11%、MgOを2%〜15%、CaOを0%〜6%、ZrO2を0%〜5%含有し、SiO2及びAl2O3の含有量の合計が75%以下、Na2O及びK2Oの含有量の合計が12%〜25%、MgO及びCaOの含有量の合計が7%〜15%であるガラス。
(iii)モル%で表示した組成でSiO2を68%〜80%、Al2O3を4%〜10%、Na2Oを5%〜15%、K2Oを0%〜1%、MgOを4%〜15%、ZrO2を0%〜1%含有するガラス。
(iv)モル%で表示した組成でSiO2を67%〜75%、Al2O3を0%〜4%、Na2Oを7%〜15%、K2Oを1%〜9%、MgOを6%〜14%、ZrO2を0%〜1.5%含有し、SiO2及びAl2O3の含有量の合計が71%〜75%、Na2OおよびK2Oの含有量の合計が12%〜20%であり、CaOを含有する場合にその含有量が1%未満であるガラス。
(ii)モル%で表示した組成でSiO2を50%〜74%、Al2O3を1%〜10%、Na2Oを6%〜14%、K2Oを3%〜11%、MgOを2%〜15%、CaOを0%〜6%、ZrO2を0%〜5%含有し、SiO2及びAl2O3の含有量の合計が75%以下、Na2O及びK2Oの含有量の合計が12%〜25%、MgO及びCaOの含有量の合計が7%〜15%であるガラス。
(iii)モル%で表示した組成でSiO2を68%〜80%、Al2O3を4%〜10%、Na2Oを5%〜15%、K2Oを0%〜1%、MgOを4%〜15%、ZrO2を0%〜1%含有するガラス。
(iv)モル%で表示した組成でSiO2を67%〜75%、Al2O3を0%〜4%、Na2Oを7%〜15%、K2Oを1%〜9%、MgOを6%〜14%、ZrO2を0%〜1.5%含有し、SiO2及びAl2O3の含有量の合計が71%〜75%、Na2OおよびK2Oの含有量の合計が12%〜20%であり、CaOを含有する場合にその含有量が1%未満であるガラス。
ガラス本体部2は、例えば人体の顔や腕などウェアラブル端末の装着箇所の形状にフィットするように、側面視において緩やかな湾曲形状を有している。ここでは、ガラス本体部2の一方面2a側が凸状、他方面2b側が凹状となっている。ガラス本体部2の湾曲形状は、ガラス本体部2の表面に形成された化学強化層3によって形成されている。より具体的には、ガラス本体部2の湾曲形状は、ガラス本体部2の一方面2a側に形成された化学強化層3Aと、他方面2b側に形成された化学強化層3Bとの厚み差によって形成されている。
化学強化層3は、ガラスに強化処理を施すことによって形成されている。強化処理としては、例えばイオン交換処理が挙げられる。より具体的には、例えば380℃〜450℃の硝酸カリウム(KNO3)の溶融塩にガラス本体部2を0.1時間〜20時間程度浸漬させる。これにより、ガラス結晶中のナトリウムがカリウムに置換され、ガラス結晶の硬度が高められる。なお、化学強化層3は、ガラス本体部2における一方面2a及び他方面2b以外の端面に形成されていてもよい。
硝酸カリウム(KNO3)溶融塩の温度、浸漬時間、溶融塩等を変更することで、化学強化層3の厚み(表面からの深さ)を調整できる。化学強化層3の厚みは、例えば100μm以下の範囲で調整される。化学強化層3の形成により、ガラス本体部2の表面には圧縮応力層が形成され、内部には引張応力層が形成される。
化学強化層3A,3Bの厚みが均等である場合、ガラス本体部2の一方面2a側及び他方面2b側に作用する圧縮応力が均等となる。したがって、強化処理後のガラス本体部2は平坦となる。一方、化学強化層3A,3Bの厚みに差を生じさせると、ガラス本体部2の一方面2a側及び他方面2b側に作用する圧縮応力のバランスが崩れ、強化処理後のガラス本体部2が湾曲する。図1に示す例では、ガラス本体部2の一方面2a側に形成された化学強化層3Aの厚みが、他方面2b側に形成された化学強化層3Bの厚みに比べて小さくなっている。これにより、上述したように、ガラス本体部2は、一方面2a側が凸状、他方面2b側が凹状となる湾曲形状をなしている。湾曲形状をなす観点からは、化学強化層3は、ガラス本体部2における一方面2a及び他方面2bのいずれか一方に形成されていてもよい。
ガラス本体部2の湾曲度は、化学強化層3A,3Bの厚み差に比例して大きくなる。化学強化層3A,3Bの厚み差とガラス本体部2の湾曲度との関係は、ガラス本体部2の厚みや材料等の諸条件によって変わるため、定量化することは困難であるが、物性物理の法則により一定の関係性を把握することができる。
ガラス本体部2の表面からの深さをxとし、深さxにおける化学強化層3の圧縮応力をσ(x)とすると、化学強化層3A,3Bにおける圧縮応力σは、下記の式(1)によって表わされる。x=0は、ガラス本体部2の表面を示す。化学強化層3A,3Bの厚みがaである場合、σ(x)を0からaまで積分し、化学強化層3A,3Bの厚みaを乗じた値が化学強化層3の全体の圧縮応力となる。x=0の位置では、圧縮応力σは最大値σMAXとなる。また、x=aの位置では、圧縮応力σは最小値0となる。一般には、σ(x)は線形に減少するため、化学強化層3の厚みと圧縮応力とは単純な比例関係にある。
一方、ガラス本体部2の湾曲度bと、圧縮応力σとの関係は、下記の式(2)によって表される。式(2)において、Lはガラス本体部2の長さ、Eはガラス本体部2の弾性率(剛性)、hはガラス本体部2の厚み、νはガラス本体部2のポワソン比である。この式から、圧縮応力σが大きいほど湾曲度bは大きくなり、ガラス本体部2の弾性率及びガラス本体部2の厚みが大きくなるほど湾曲度bが小さくなることが分かる。
圧縮応力σは、化学強化層3の厚みaに比例し、化学強化層3A,3Bの厚み差が0であれば、湾曲度bも0となる。化学強化層3A,3Bのいずれか一方のみが形成されている場合の湾曲度をBとし、この状態で他方の化学強化層3が一方の1/2の厚みで形成されると、湾曲度は1/2Bとなる。すなわち、湾曲度bと、化学強化層3A,3Bの厚み比率γとの関係は、下記の式(3)によって表される。厚み比率γは、化学強化層3A,3Bのうち、厚みが大きい方を分母として求められる。すなわち、厚み比率γは、化学強化層3A,3Bのうち、薄い方の厚みをc、厚い方の厚みをdとした場合に、γ=1−c/dで表される。湾曲度bは、化学強化層3A,3Bの厚み比率γに正比例するため、容易に制御可能となっている。例えばL=150mm、E=70GPa、σMAX=800MPa、h=0.50mm、a=20μm、γ=1(化学強化層が片面のみに存在)の場合、湾曲度bは2.9mmと求められる。
[カバーガラスの製造方法]
カバーガラス1の製造方法について説明する。カバーガラス1の製造にあたっては、まず、図2に示すように、一方面2a側及び他方面2b側に化学強化層3A,3Bが形成された板状のガラス本体部2を用意する。この段階では、化学強化層3A,3Bは等厚となっており、ガラス本体部2は、平坦形状となっている。
次に、ガラス本体部2の一方面2a側に、フィルム状に形成された保護層(以下、「保護フィルム4」と称す)を固定する(保護層形成工程)。保護フィルム4は、例えばフィルム支持体5の一面側に粘着層6が一体に形成されたフィルムである。フィルム支持体5は、後述の強化層薄化工程で用いるエッチング剤に対して耐性を有する材料からなることが好ましい。このような材料としては、例えばポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリエステルフィルム等が挙げられる。これらの材料の中でもポリプロピレンフィルムを用いることが特に好ましい。これらの材料からなるフィルム支持体5を単独で用いてもよく、2種以上を積層してもよい。
粘着層6についても、後述の強化層薄化工程で用いるエッチング剤に対して耐性を有する材料からなることが好ましい。このような材料としては、例えばポリエステル樹脂、ゴム系樹脂等が挙げられる。また、アクリル系粘着剤を用いることがより好ましい。これらの材料を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。保護フィルム4の厚さは、例えば10μm〜200μmであることが好ましく、15μm〜100μmであることがより好ましい。
また、保護フィルム4は、強化層薄化工程後にガラス本体部2から容易に剥離することが好ましい。良好な剥離性が得られる粘着層6としては、例えば加熱処理によって粘着力が低下する粘着層、或いは露光処理によって粘着力が低下する粘着層が挙げられる。これらの中でも、露光処理によって粘着力が低下する粘着層を用いることがより好ましい。
保護フィルム4を固定した後、図3に示すように、ガラス本体部2の他方面2b側の化学強化層3Bをエッチングによって薄化する(強化層薄化工程)。化学強化層3Bの薄化は、所望の湾曲度、ガラス本体部2を構成する材料、ガラス本体部2の厚み等に基づいて、元の厚みの100%未満となる範囲で適宜決定される。本実施形態では、例えば化学強化層3Bを元の厚みの50%まで薄化する。
化学強化層3のエッチングは、例えばワークを液状のエッチング剤に晒すウェットエッチングを用いてもよく、ワークを反応性気体、イオン、ラジカル等に晒すドライエッチングを用いてもよい。また、例えば砥粒を含有する気流にワークを晒すサンドブラスト(砥粒によるエッチング)等を用いてもよい。
エッチングの効率性の観点からは、ウェットエッチングを用いることが好ましい。ウェットエッチングに用いるエッチング剤としては、例えばフッ酸10質量%〜20質量%、及び塩酸若しくは硫酸5質量%〜20質量%を含む水溶液が挙げられる。また、ウェットエッチングでは、エッチング剤をワークに対して噴霧することが好ましい。
エッチングによって化学強化層3Bが薄化されることにより、ガラス本体部2の一方面2a側と他方面2b側との間の圧縮応力のバランスが変化し、他方面2b側が凹状となるようにガラス本体部2が湾曲する。この後、ガラス本体部2の一方面2a側から保護フィルム4を除去する。保護フィルム4の除去を行う場合、例えば粘着層6を加熱、又は粘着層6に紫外線等のエネルギー線を照射し、粘着層6の硬化を促進して一方面2aからの剥離性を向上させる。保護フィルム4を除去することにより、図1に示したように、湾曲形状をなすカバーガラス1が得られる。
[実施例]
[実施例]
実施例では、ガラス本体部を構成するガラス材料として、旭硝子株式会社製アルミノシリケートガラス(商品名:Dragon Trail)150mm×100mm×0.55mm(t)を用いた。また、ガラス本体部の両面には、厚みが40μmの化学強化層をそれぞれ形成した。このガラス本体部の一方面側に保護フィルムを固定し、他方面側を5%フッ化水素酸水溶液のエッチング液に室温で約8分浸漬し、他方面側の化学強化層を22μm程度薄化した。化学強化層の薄化の後、ガラス本体部をエッチング駅から引き上げて水洗いし、乾燥させてから保護フィルムをガラス本体部の他面側から剥離した。この結果、得られたカバーガラスでは、湾曲度は約2mmであり、曲率半径に換算すると約2000mm程度の湾曲形状となった。
[カバーガラス一体型タッチパネルの構成]
[カバーガラス一体型タッチパネルの構成]
続いて、カバーガラスの他の実施形態であるカバーガラス一体型タッチパネルについて説明する。図4は、カバーガラス一体型タッチパネルの一実施形態を示す平面図である。また、図5は、図4におけるV−V線断面図である。
図4及び図5に示すように、カバーガラス一体型タッチパネル11は、カバーガラス1と、カバーガラス1の一方面2aに形成されたタッチパネル回路12と、タッチパネル回路12を囲むように一方面2aに形成された加飾膜13と、加飾膜13上に形成された周辺回路14とを備えている。カバーガラス1の一方の短辺側には、搭載先の端末のスピーカ或いはマイクに対応する帯状の孔1aが形成されている(図5参照)。
タッチパネル回路12は、タッチセンサを構成する回路であり、例えばITO(Indium Tin Oxide)等の透明な導電性材料によって形成されている。加飾膜13は、カバーガラス1の一方面2a上において、タッチパネル回路12の外縁とカバーガラス1の外縁との間の領域に形成された不透明な膜である。加飾膜13は、カバーガラス1の他方面2b側からガラス本体部2を通して視認可能となっている。加飾膜13は、搭載先の端末のデザインに合わせて様々な色に着色可能である。
加飾膜13の代表的な色としては、例えば黒色及び白色が挙げられる。加飾膜13の厚みは、例えば1μm〜100μmとなっている。加飾膜13についても、カバーガラス1の孔1aに対応する開口13aが形成されている。加飾膜13の好ましい材料としては、例えば黒色顔料を含むアクリル系樹脂組成物、金属酸化物を含む低融点ガラス等が挙げられる。
周辺回路14は、タッチパネル回路12に対する電力の供給や信号の送受信を行うための回路である。周辺回路14は、例えば銀、銅、アルミニウム等の金属材料により、加飾膜13上に形成されている。周辺回路14は、不透明な加飾膜13上に形成されているため、カバーガラス1の他方面2b側からは視認されないようになっている。なお、上記のタッチパネル回路12、加飾膜13、及び周辺回路14には、オーバコートを形成してもよい。オーバコートを形成することにより、薬液や他物質との接触に起因してタッチパネル回路12、加飾膜13、及び周辺回路14に傷が付くことを防止できる。
このカバーガラス一体型タッチパネル11においても、カバーガラス1は、ガラス本体部2の一方面2a側に形成された化学強化層3Aと、他方面2b側に形成された化学強化層3Bとの厚み差によって、側面視において緩やかな湾曲形状をなしている。したがって、カバーガラス一体型タッチパネル11も全体として湾曲形状をなし、例えば人体の顔や腕などウェアラブル端末の装着箇所の形状にフィットするようになっている。
[カバーガラス一体型タッチパネルの製造方法]
[カバーガラス一体型タッチパネルの製造方法]
カバーガラス一体型タッチパネル11の製造方法について説明する。カバーガラス一体型タッチパネル11の製造にあたっては、まず、図6に示すように、一方面2a側及び他方面2b側に化学強化層3A,3Bが形成されると共に、一方面2a側にタッチパネル回路12、加飾膜13、及び周辺回路14が形成された板状のカバーガラス1を用意する。この段階では、化学強化層3A,3Bは等厚となっており、ガラス本体部2は、平坦形状となっている。
次に、ガラス本体部2の一方面2a側に保護フィルム4を固定する(保護層形成工程)。保護フィルム4の固定の際には、一方面2a側のタッチパネル回路12、加飾膜13、及び周辺回路14は、保護フィルム4の粘着層6に埋め込まれた状態となっていてもよい。
保護フィルム4を固定した後、図7に示すように、ガラス本体部2の他方面2b側の化学強化層3Bをエッチングによって薄化する(強化層薄化工程)。エッチングの手法は、上記実施形態と同様である。エッチングによって化学強化層3Bが薄化されることにより、ガラス本体部2の一方面2a側と他方面2b側との間の圧縮応力のバランスが変化し、他方面2b側が凹状となるようにガラス本体部2が湾曲する。一方面2a側のタッチパネル回路12、加飾膜13、及び周辺回路14は、ガラス本体部2の変形に追従する。
この後、加熱又は紫外線等の照射によって粘着層6の硬化を促進し、ガラス本体部2の一方面2a側から保護フィルム4を除去する。これにより、図4及び図5に示したように、湾曲形状をなすカバーガラス一体型タッチパネル11が得られる。
[作用効果]
[作用効果]
以上説明したように、カバーガラス1では、ガラス本体部2の一方面2a側における化学強化層3Aと他方面2b側における化学強化層3Bとの厚み差によって生じる一方面2a側と他方面2b側との内部応力差を利用してガラス本体部2の湾曲形状を形成している。したがって、湾曲形状を得るための金型や、ガラスを溶融させるための加熱は不要となり、湾曲形状をなすカバーガラス1を安価で大量生産することが可能となる。
化学強化層3がガラス本体部2の一方面2a側及び他方面2b側の双方に形成されている場合には、ガラス本体部2の両面に化学強化層3が存在することで、カバーガラス1の強度を向上できる。また、化学強化層3の厚み差を利用したガラス本体部2の湾曲度合の調整が容易となる。
また、このカバーガラス1の製造方法では、ガラス本体部2の両面に化学強化層3を形成し、一方の化学強化層3を薄化することにより、ガラス本体部2の一方面2a側における化学強化層3Aと他方面2b側における化学強化層3Bとの厚み差によって生じる一方面2a側と他方面2b側との内部応力差を利用してガラス本体部2の湾曲形状を形成している。したがって、湾曲形状を得るための金型や、ガラスを溶融させるための加熱は不要となり、湾曲形状をなすカバーガラス1及びカバーガラス一体型タッチパネル11を安価で大量生産することが可能となる。また、エッチングによって化学強化層3の薄化を行うので、化学強化層3の加工精度が十分に確保され、歩留まりの向上も図られる。
また、本実施形態では、化学強化層3の薄化を行うにあたって保護フィルム4を用いている。これにより、液状の樹脂組成物などを用いて薄化用のレジスト層を形成する場合に比べて、工程の容易化が図られる。また、ボイドの発生も抑制されるので、歩留まりを一層向上できる。
また、カバーガラスの製造方法の他の形態では、タッチパネル回路12、加飾膜13、及び周辺回路14が一方面2a側に形成されたガラス本体部2を用い、カバーガラス一体型タッチパネル11を得る。これにより、湾曲形状をなすカバーガラス一体型タッチパネル11を安価で大量生産できる。
1…カバーガラス、2…ガラス本体部、2a…一方面、2b…他方面、3(3A,3B)…化学強化層、4…保護フィルム(保護層)、11…カバーガラス一体型タッチパネル、12…タッチパネル回路、13…加飾膜、14…周辺回路。
Claims (5)
- 板状のガラス本体部と、
前記ガラス本体部の一方面側及び他方面側の少なくとも一方に形成された化学強化層と、を備え、
前記一方面側における前記化学強化層と前記他方面側における前記化学強化層との厚み差によって生じる前記一方面側と前記他方面側との内部応力差によって、前記ガラス本体部が湾曲形状をなしているガラス。 - 前記化学強化層は、前記ガラス本体部の一方面側及び他方面側の双方に形成されている請求項1記載のガラス。
- 両面に化学強化層が形成された板状のガラス本体部の一方面側に保護層を形成する保護層形成工程と、
前記ガラス本体部の他方面側の前記化学強化層をエッチングによって薄化し、前記ガラス本体部を湾曲させる強化層薄化工程と、を備えたガラスの製造方法。 - 前記保護層として、フィルム状に成形された保護層を用いる請求項3記載のガラスの製造方法。
- タッチパネル回路、加飾膜、及び周辺回路が前記一方面側に形成された前記ガラス本体部を用い、カバーガラス一体型タッチパネルを得る請求項3又は4記載のガラスの製造方法。
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