JP6278261B2 - タッチパネルセンサ、タッチパネル装置、表示装置、並びに、タッチパネルセンサの製造方法 - Google Patents

タッチパネルセンサ、タッチパネル装置、表示装置、並びに、タッチパネルセンサの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電極を有したタッチパネルセンサ、タッチパネルセンサを含むタッチパネル装置、並びに、タッチパネルセンサまたはタッチパネル装置を含む表示装置に関する。また、本発明は、タッチパネルセンサの製造方法に関する。
今日、入力手段として、タッチパネル装置が広く用いられている。タッチパネル装置は、タッチパネルセンサ、タッチパネルセンサ上への接触位置を検出する制御回路、配線およびFPC(フレキシブルプリント基板)を含んでいる。タッチパネル装置は、多くの場合、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等の画像表示機構が組み込まれた種々の装置等(例えば、券売機、ATM装置、携帯電話、ゲーム機)に対する入力手段として、画像表示機構とともに用いられている。このような装置において、タッチパネルセンサは画像表示機構の表示面上に配置され、これにより、タッチパネル装置は表示装置に対する極めて直接的な入力を可能にする。タッチパネルセンサのうちの画像表示機構の表示領域に対面する領域は透明になっており、タッチパネルセンサのこの領域が、接触位置(接近位置)を検出し得るアクティブエリアを構成するようになる。
タッチパネル装置は、タッチパネルセンサ上への接触位置(接近位置)を検出する原理に基づいて、種々の形式に区別され得る。昨今では、光学的に明るいこと、意匠性があること、構造が容易であること、機能的にも優れていること等の理由から、投影型の容量結合方式のタッチパネル装置が注目されている。投影型容量結合方式のタッチパネル装置においては、位置を検知されるべき外部導体(典型的には、指)が誘電体を介してタッチパネルセンサに接触(接近)することにより、新たに奇生容量が発生し、この静電容量の変化を利用して、タッチパネルセンサ上における外部導体の位置を検出するようになっている。
投影型の容量結合方式のタッチパネル装置は、アクティブエリア内に配置された一対の検出電極群を含んでいる。一対の検出電極群は、誘電体を挟んで異なる厚さ方向位置に配置される。各検出電極群は、ストライプ状に配列された多数の線状検出電極を含んでいる。一対の検出電極群の間で、検出電極の配列方向は直交している。
これまでの多くのタッチパネルセンサにおいて、検出電極は、ITO等の透明導電材料を用いて形成されてきた。例えば、特許文献1では、両面露光法を用いてITOをパターニングすることにより、タッチパネルセンサの一対の検出電極群を互いに対して高精度に位置決めすることを開示している。ただし昨今では、特許文献2に開示されているように、表示装置の大型化にともなって検出電極の抵抗値を低下させることが求められており、電気抵抗値の低い金属材料を用いて検出電極を作製したタッチパネルセンサも普及しつつある。このタッチパネルセンサでは、検出電極が幅狭の導線として形成されている。このため、アクティブエリアでの透過率を十分高くすることができる。その一方で、金属材料の導電率が高いことから、金属導線の幅を狭くしても、タッチパネルセンサの面抵抗率(単位:Ω/□)を十分小さくすることができる。
金属材料からなる検出電極は、透明基材上に、接着剤を介して金属箔を積層し、次に、パターニングされたレジストをマスクとして、金属箔をエッチングすることにより作製されてきた。ただし、工業的に製造されている金属箔の厚みは10μm以上である。このような厚みの金属箔をエッチングすることによって安定して作製され得る金属導線の幅は、少なくとも10μm以上となる。その理由は、エッチング加工で十分な形状及び寸法精度で安定して製造可能となるのは線幅が厚み以上の場合に限られる為である。即ち、厚み未満の線幅にエッチングすると、図16に示すように、エッチング時に必然的に生じてしまう横方向への浸食(サイドエッチング)により、隣り合う浸食箇所がレジストの下方で繋がってしまうことにある。レジストの下方で浸食箇所が繋がってしまうと、当該レジスト部分はもはや安定して支持され得ない。結果として、当該レジスト部分の下方に形成されるべき金属導線は直線性に欠け、また、高さ(厚み)にばらつきが生じる。加えて、図16に示すように、得られた金属導線の断面形状は、基材から突出する三角形形状となる。このような金属導線は、幅が狭い上に高さも低いため、十分な導電率を呈することはない。したがって、このタッチパネルセンサの面抵抗率は高くなってしまい、位置検出のためのセンシング感度が低下する。さらに、このようなタッチパネルセンサを、突出した金属導線が観察者側を向くようにしてタッチパネル装置や表示装置に組み込んだ場合、この金属導線が視認されやすくもなる。
特許文献2では、真空蒸着法等の成膜法によって透明基材上に金属薄膜を形成し、次に、パターニングされたレジストをマスクとして、この金属薄膜をエッチングすることによって、十分に細線化された検出電極を形成することを提案している。また、特許文献2では、金属薄膜よりも低反射性の暗色層で検出電極の表面を形成することにより、アクティブエリア内に位置する検出電極の不可視化およびコントラスト改善を図ることも提案している。
特許第4775722号 特許第5224203号
一方、本件発明者らは、十分に細線化された金属材料からなり且つ暗色層によって観察者側から覆われた一対の検出電極群を有したタッチパネルセンサを容易に製造し得る方法について検討を行った。その結果として、タッチパネルセンサを容易に製造し得る製造方法を発明するに至り、また、発明された製造方法によって製造されたタッチパネルセンサが、優れたコントラスト改善機能を有することを確認した。すなわち、本発明は、以上の点を考慮してなされたものであり、容易に製造され得るとともにコントラスト低下を効果的に抑制し得るタッチパネルセンサを提供することを目的とする。また、本発明は、コントラスト低下を効果的に抑制し得るタッチパネルセンサを容易に製造し得る製造方法を提供することを目的とする。
本発明によるタッチパネルセンサは、
透明基材シートと、
前記透明基材シートの一方の側に設けられた第1検出電極と、
前記透明基材シートの他方の側に設けられた第2検出電極と、を備え、
前記第1検出電極は、第1導線が多数の開口領域を画成するメッシュパターンにて配置されている第1導電性メッシュを含み、
前記第2検出電極は、第2導線が多数の開口領域を画成するメッシュパターンにて配置されている第2導電性メッシュを含み、
前記第1導電性メッシュをなす前記第1導線は、第1導電性金属層と、前記第1導線の長手方向に直交する断面において前記第1導電性金属層を前記一方の側及び両側方から覆う第1暗色層と、を含み、
前記第2導電性メッシュをなす前記第2導線は、第2導電性金属層と、前記第2導線の長手方向に直交する断面において前記第2導電性金属層を周状に覆う第2暗色層と、を含む。
本発明によるタッチパネルセンサが、前記透明基材シートの前記一方の側に設けられ、前記透明基材シートと前記第1検出電極の前記第1導線との間に位置する中間層を、さらに備え、
前記中間層は、ニッケル又はニッケル合金からなる層であってもよい。
本発明によるタッチパネルセンサにおいて、前記中間層の幅は、当該中間層上に位置する前記第1導線の幅よりも太くなっていてもよい。
本発明によるタッチパネルセンサにおいて、前記第1導線の長手方向に直交する断面において、前記中間層は、前記第1導線の当該中間層に隣接する部分に対して、50nm以上1000nm以下の長さだけ両側方にそれぞれ突出していてもよい。
本発明によるタッチパネルセンサにおいて、前記第2暗色層のうちの前記第2導電性金属層の前記一方の側に位置する基端部は、前記第2暗色層のうちの前記第2導電性金属層の前記他方の側に位置する先端部および前記第2暗色層のうちの前記第2導電性金属層の両側方に位置する側方部とは異なる材料によって形成されていてもよい。
本発明によるタッチパネル装置は、上述した本発明によるタッチパネルセンサのいずれかを備える。
本発明によるタッチパネル装置が、
前記タッチパネルセンサの前記一方の側に配置された透明カバーと、
前記タッチパネルセンサと前記カバー層との間に配置された接合層と、をさらに備えるようにしてもよい。
本発明による表示装置は、上述した本発明によるタッチパネルセンサのいずれか、或いは、上述した本発明によるタッチパネル装置のいずれかを備える。
本発明によるタッチパネルセンサの製造方法は、
第1導電性金属膜、透明基材シート、暗色層および第2導電性金属膜をこの順で含む積層体について、前記第1導電性金属膜をパターニングし、且つ、暗色層および第2導電性金属膜をパターニングする工程と、
前記第1導電性金属膜の線状にパターニングされた部分を、前記透明基材シートから離間する側および両側方から覆う第1暗色層を形成し、且つ、前記第2導電性金属膜の線状にパターニングされた部分を、前記パターニングされた暗色膜とともに周状に覆う第2暗色層を形成する工程と、を備える。
本発明によるタッチパネルセンサの製造方法が、前記積層体は、第1導電性金属膜と透明基材シートとの間にニッケル又はニッケル合金からなる中間膜を、さらに備え、
前記第1導電性金属膜をパターニングする工程において、前記中間膜は、前記第1導電性金属膜に対応したパターンにてパターニングされるようにしてもよい。
本発明によれば、コントラスト低下を効果的に抑制し得るタッチパネルセンサが、容易に製造され得る。
図1は、本発明による一実施の形態を説明するための図であって、タッチパネル装置を画像表示機構とともに概略的に示す斜視図である。 図2は、図1のタッチパネル装置を画像表示機構とともに示す断面図である。なお、図2に示された断面は、図1のII−II線に沿った断面に概ね対応している。 図3は、タッチパネル装置のタッチパネルセンサを一方の側から示す上面図である。 図4は、図3の拡大平面図である。 図5は、タッチパネルセンサの断面図である。 図6は、タッチパネルセンサに製造に用いられる積層体の製造方法を説明するための図である。 図7は、タッチパネルセンサに製造に用いられる積層体の製造方法を説明するための図である。 図8は、タッチパネルセンサに製造に用いられる積層体の製造方法を説明するための図である。 図9は、タッチパネルセンサに製造に用いられる積層体の製造方法を説明するための図である。 図10は、タッチパネルセンサの製造方法を説明するための図である。 図11は、タッチパネルセンサの製造方法を説明するための図である。 図12は、タッチパネルセンサの製造方法を説明するための図である。 図13は、タッチパネルセンサの製造方法を説明するための図である。 図14は、タッチパネルセンサの製造方法を説明するための図である。 図15は、図5の拡大図である。 図16は、エッチング時の不具合を説明するための図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、本明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
図1〜図15は本発明による一実施の形態を説明するための図である。このうち図1はタッチパネル装置及び表示装置を概略的に示す斜視図であり、図2は図1のタッチパネル装置及び表示装置を示す断面図である。図3および図4はタッチパネル装置のタッチパネルセンサを示す平面図であり、図5はタッチパネルセンサを示す平面図である。
図1〜図4に示されたタッチパネル装置20は、投影型の静電容量結合方式として構成され、タッチパネル装置への外部導体(例えば、人間の指)の接触位置を検出可能に構成されている。なお、静電容量結合方式のタッチパネル装置20の検出感度が優れている場合には、外部導体がタッチパネル装置に接近しただけで当該外部導体がタッチパネル装置のどの領域に接近しているかを検出することができる。このような現象にともなって、ここで用いる「接触位置」とは、実際には接触していないが位置を検出され得る接近位置を含む概念とする。
<<<画像表示機構12>>>
図1および図2に示すように、タッチパネル装置20は、画像表示機構(例えば液晶表示装置)12とともに組み合わせられて用いられ、表示装置10を構成している。図示された画像表示機構12は、一例としてフラットパネルディスプレイ、より具体的には液晶表示装置として構成されている。画像表示機構12は、表示面12aを形成する液晶表示パネル15と、液晶表示パネル15を背面から照明するバックライト14と、液晶表示パネル15に接続された表示制御部13と、を有している。液晶表示パネル15は、映像を表示することができる表示領域A1と、表示領域A1を取り囲むようにして表示領域A1の外側に配置された非表示領域(額縁領域とも呼ばれる)A2と、を含んでいる。表示制御部13は、表示されるべき画像に関する情報を処理し、画像情報に基づいて液晶表示パネル15を駆動する。液晶表示パネル15は、表示制御部13の制御信号により、所定の映像を表示面12aに表示するようになる。すなわち、画像表示機構12は、文字や図等の情報を映像として出力する出力装置として役割を担っている。
なお、図2に示されているように、液晶表示パネル15は、一対の偏光板16,18と、一対の偏光板16,18間に配置された液晶セル17と、を有している。出光側に配置された偏光板18の出光側には、機能層19が設けられている。機能層19は、特定の機能を発揮することを期待された層であって、画像表示機構12の最出光側面、すなわち表示面12aを形成している。機能層19は、一例として、反射防止層(AR層)としての機能する低屈折率層とすることができる。また機能層19の他の例として、反射防止層に代えて或いは反射防止層に加えて、防眩機能を有した防眩層(AG層)、耐擦傷性を有したハードコート層(HC層)、帯電防止機能を有した帯電防止層(AS層)等の一以上を含むように構成され得る。
偏光板16,18は、入射した光を直交する二つの偏光成分に分解し、一方の方向の偏光成分を透過させ、前記一方の方向に直交する他方の方向の偏光成分を吸収する機能を有した偏光子を有している。以下においては、液晶表示パネル15に含まれる一対の偏光板を区別するため、液晶表示パネル15の配置状態に関係なく、入光側(バックライト側)の偏光板16を下偏光板と呼び、出光側(観察者側)の偏光板18を上偏光板と呼ぶ。
液晶セル17は、一対の支持板と、一対の支持板間に配置された液晶と、を有している。液晶セル17は、一つの画素を形成する領域毎に、電界印加がなされ得るようになっている。そして、電界印加された液晶セル17の液晶の配向は変化するようになる。入光側に配置された下偏光板16を透過した特定方向(透過軸と平行な方向)の偏光成分は、一例として、電界印加されている液晶セル17を通過する際にその偏光方向を90°回転させ、電界印加されていない液晶セル17を通過する際にその偏光方向を維持する。このため、液晶セル17への電界印加の有無によって、下偏光板16を透過した特定方向の偏光成分が、下偏光板16の出光側に配置された上偏光板18をさらに透過するか、あるいは、上偏光板18で吸収されて遮断されるか、を制御することができる。
バックライト14は、光源を含んでおり、面状に光を照射する。バックライト14は、エッジライト型(サイドライト型)や直下型として構成された既知の面光源装置を用いることができる。光源は、発光ダイオード(LED)、冷陰極管、白熱灯、有機EL等の既知の光源から構成され得る。
<<<タッチパネル装置20>>>
次に、タッチパネル装置20について説明する。タッチパネル装置20は、タッチパネルセンサ30を含む積層構造体20aと、タッチパネルセンサ30に接続された検出制御部21と、を有している。タッチパネルセンサ30を含む積層構造体20aは、画像表示機構12の表示面12aに対面する位置に配置されている。上述したように、タッチパネル装置20は、投影型容量結合方式のタッチパネル装置として構成されており、情報を入力する入力装置としての役割を担っている。図2に示された例では、タッチパネル装置20の積層構造体20aは、観察者側、すなわち、画像表示機構12とは反対の側から順に、透明カバー22、接合層23、タッチパネルセンサ30及びオーバーコート層24を有している。
透明カバー22は、誘電体として機能する透光性を有した層であり、例えばガラス板や樹脂フィルムから形成される。この透明カバー22は、タッチパネル装置20への入力面(タッチ面、接触面)として機能するようになる。つまり、透明カバー22に導体、例えば人間の指5を接触させることにより、タッチパネル装置20に対して外部から情報を入力することができるようになっている。また、透明カバー22は、表示装置10の最観察者側面をなしており、表示装置10において、タッチパネル装置20および画像表示機構12を外部から保護するカバーとしても機能する。
透明カバー22は、接合層23を介してタッチパネルセンサ30と接合されている。接合層23は、タッチパネルセンサ30の電極40,50と、透明カバー22に接触する導体、例えば人間の指5と、の間で誘電体として機能する。このような接合層23としては、種々の接着性または粘着性を有した材料からなる層を用いることができる。典型的な接合層としては、アクリル系接着剤またはアクリル系粘着剤からなる層を例示することができる。オーバーコート層24は、タッチパネルセンサ30の後述する第2電極50を覆う層である。オーバーコート層24は、繊細なパターンを有する第2電極50を保護する層として機能する。
なお、タッチパネル装置20の積層構造体20aには、図示された例に限られず、特定の機能を発揮することを期待されたその他の機能層が設けられても良い。また、一つの機能層が二以上の機能を発揮するようにしてもよいし、例えば、タッチパネルセンサ30の後述する透明基材シート32や、その他の積層構造体20aに含まれる各層(各基材や、接着層)に機能を付与するようにしてもよい。タッチパネル装置20の積層構造体20aに付与され得る機能としては、一例として、防眩(AG)機能、反射防止(AR)機能、耐擦傷性を有したハードコート(HC)機能、帯電防止(AS)機能、電磁波遮蔽機能、赤外線遮蔽機能、紫外線遮蔽機能、位相差機能、偏光機能、防汚機能等を例示することができる。
タッチパネル装置20の検出制御部21は、タッチパネルセンサ30に接続され、透明カバー22を介して入力された情報を処理する。具体的には、検出制御部21は、透明カバー22へ導体(典型的には、人間の指)5が接触している際に、透明カバー22への導体5の接触位置を特定し得るように構成された回路(検出回路)を含んでいる。また、検出制御部21は、画像表示機構12の表示制御部13と接続され、処理した入力情報を表示制御部13へ送信することもできる。この際、表示制御部13は、入力情報に基づいた映像情報を作成し、入力情報に対応した映像を画像表示機構12に表示させることができる。
なお、「容量結合」方式および「投影型」の容量結合方式との用語は、タッチパネルの技術分野で用いられる際の意味と同様の意味を有するものとして、本件においても用いている。なお、「容量結合」方式は、タッチパネルの技術分野において「静電容量」方式や「静電容量結合」方式等とも呼ばれており、本件では、これらの「静電容量」方式や「静電容量結合」方式等と同義の用語として取り扱う。
<<タッチパネルセンサ30>>
次に、タッチパネルセンサ30について、詳述する。図2および図3に示すように、タッチパネルセンサ30は、透明基材シート32と、透明基材シート32の一方の側に設けられた第1電極40と、透明基材シート32の他方の側に設けられたに設けられた第2電極50と、を含んでいる。図示された実施の形態において、タッチパネルセンサ30に関連して用いる「一方の側」は、観察者側、すなわち、画像表示機構12とは反対の側となっている。また図示された実施の形態では、タッチパネルセンサ30に関連して用いる「他方の側」は、画像表示機構12側、すなわち、観察者側とは反対の側となっている。
図示された実施の形態において、第2電極50は、透明基材シート32の他方の側の面上に設けられている。一方、第1電極40は、透明基材シート32との間に中間層35を介在させて、透明基材シート32の一方の側に配置されている。中間層35は、透明基材シート32と第1電極40との間において、第1電極40を透明基材シート32から離間させている。この中間層35は、密着層または易接合層として機能し、第1電極40と透明基材シート32との密着性を改善する。
<透明基材シート32>
透明基材シート32は、電極40,50を支持する基材として機能し、且つ、タッチパネルセンサ30における誘電体としても機能する。図1および図3に示すように、透明基材シート32は、タッチ位置を検出され得る領域に対応するアクティブエリアAa1と、アクティブエリアAa1に隣接する非アクティブエリアAa2と、を含んでいる。図1に示すように、タッチパネルセンサ30のアクティブエリアAa1は、画像表示機構12の表示領域A1に対面する領域を占めている。一方、非アクティブエリアAa2は、矩形状のアクティブエリアAa1の周縁部を四方から周状に取り囲むように、言い換えると、額縁状に形成されている。この非アクティブエリアAa2は、画像表示機構12の非表示領域A2に対面する領域に形成されている。
アクティブエリアAa1を介して画像表示機構12の画像を観察することができるよう、透明基材シート32は、透明または半透明となっている。透明基材シート32は、可視光領域における透過率が80%以上であることが好ましく、84%以上であることがより好ましい。なお、透明基材シート32の可視光透過率は、分光光度計((株)島津製作所製「UV−3100PC」、JISK0115準拠品)を用いて測定波長380nm〜780nmの範囲内で測定したときの、各波長における透過率の平均値として特定される。
透明基材シート32は、例えば、誘電体として機能し得るガラスや樹脂の板やフィルムから構成され得る。樹脂フィルムとしては、光学部材の基材として使用されている種々の樹脂フィルムを好適に用いることができる。一例として、タッチパネル裝置20の積層構造体20aに位相差板や偏光板を含む場合は複屈折性を有さない光学等方性の樹脂、典型的には、トリアセチルセルロースに代表されるセルロースエステル樹脂を、透明基材シート32として用いることができる。その一方で、該積層構造体20aに位相差板又は偏光板を含ま無い場合は複屈折性を有する光学異方性の樹脂も、透明基材シート32として用いることができる。例えば、安価で安定性に優れたポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂を、透明基材シート32として用いることができる。ポリエステル樹脂フィルムは、吸湿性が低く、高温多湿の環境化においても変形等が生じ難いといった利点を、有している。
<電極40>
次に、透明基材シート32または中間層35上に設けられたタッチパネルセンサ30の第1電極40及び第2電極50について説明する。なお、以下の説明及び図面においては、第1電極40について、40番台の符号を付して説明し、第2電極50について、50番台の符号を付して説明する。ただし、第1電極40及び第2電極50は、共通する構成を含んでおり、共通する構成については、「第1」や「第2」との用語を用いることなく且つ40番台の符号と第2電極50番台の符号の両方を参照しながら説明する。
図3に示すように、透明基材シート32の一方の側となる中間層35の一方の側の面上には、多数の第1電極40が設けられている。また、透明基材シート32の他方の側の面上には、多数の第2電極50が設けられている。各電極40,50は、位置検出に用いられる検出電極45,55と、検出電極45,55に接続された取出電極(取出配線)42,52と、を有している。検出電極45,55は、パターンをなすようにしてアクティブエリアAa1内に配置されている。一方、取出電極42,52は、非アクティブエリアAa2内に配置されている。
(検出電極45,55)
第1検出電極45は、透明基材シート32の一方の側(観察者側)であって後に詳述する中間層35上に所定のパターンで配置されている。また、第2検出電極55は、透明基材シート32の他方の側(画像表示機構12側)の面上に、第1検出電極45とは異なるパターンで配置されている。より具体的には、図3に示すように、第1検出電極45は、長方形の輪郭形状を有して線状に延び、且つ、その長手方向と交差する方向に配列されている。同様に、第2検出電極55も、長方形の輪郭形状を有して線状に延び、且つ、その長手方向と交差する方向に配列されている。ただし、第1検出電極45の配列方向と第2検出電極55の配列方向とは非平行となっている。図示された例において、第1検出電極45は、ストライプ状となるよう、図3における上下に並べられ且つその配列方向に直交する方向(図3における左右)に直線状に延びている。また、第2検出電極55も、ストライプ状となるよう、図3における左右に並べられ且つその配列方向に直交する方向(図3における上下)に直線状に延びている。さらに、第1検出電極45の配列方向と第2検出電極55の配列方向とは直交している。
検出電極45,55は、外部導体がタッチパネルセンサ30に接近した際に生じる、電磁的な変化または静電容量の変化を検知するために設けられるものである。従って、検出電極45,55には、電磁的な変化または静電容量の変化に起因する電流を検知可能なレベルで流すことができる程度の導電性が求められる。このような検出電極45,55を構成するための材料として、優れた導電性を有する金属材料、例えば、金、銀、銅、白金、アルミニウム、クロム、モリブデン、ニッケル、チタン、パラジウム、インジウム、及び、これらの合金の一以上を用いることができる。
一方、これらの金属材料は、可視光に対して遮光性を有している。そこで、検出電極45,55は、導線46,56が多数の開口領域45b,55bを画成するメッシュパターンにて配置されている導電性メッシュ45a,55aを含んでいる。とりわけ図3及び図4に示された例においては、各検出電極45,55が、細長い領域に形成された導電性メッシュ45a,55aから形成されている。図4に示された例においては、アクティブエリアAa1の全域に導電性メッシュ45a,55aが形成され、各検出電極45,55の輪郭に対応して、導電性メッシュをなす導線46,56を断線させることにより、各検出電極45,55が形成されている。なお、図4に示された例において、導電性メッシュ45a,55aは、格子配列状の規則的なメッシュパターンを有している。ただし、導電性メッシュ45a,55aは、格子配列以外の規則的なメッシュパターンを有していてもよいし、不規則的なメッシュパターンを有していてもよい。
(取出電極42,52)
取出電極42,52は、検出電極45,55の各々に対し、接触位置の検出方法に応じて一つまたは二つ設けられている。各取出電極42,52は、対応する検出電極45,55に接続されて配線を形成している。取出電極42,52は、透明基材シート32の非アクティブエリアAa2内を、対応する検出電極45,55から透明基材シート32の端縁まで延びている。そして、取出電極42,52の検出電極45,55とは反対側の端部に、端子部42a,52aが形成されている。取出電極42,52は、その端子部42a,52aにて、図示しない外部接続配線(例えば、FPC)を介し、検出制御部21に接続される。
(電極40,50の断面形状)
次に、電極40,50の断面形状について説明する。図5は、厚さ方向に沿った断面において、タッチパネルセンサ30が示されている。とりわけ図5は、導電性メッシュ45a,55aをなす導線46,56の断面形状を示している。ここで厚さ方向とは、シート状(フィルム状、板状、パネル状)からなるタッチパネルセンサ30のシート面(フィルム面、板面、パネル面)への法線方向に沿った断面のことを指す。ここで、シート面(フィルム面、板面、パネル面)とは、対象となるシート状(フィルム状、板状、パネル状)の部材を全体的かつ大局的に見た場合において対象となるシート状部材の平面方向と一致する面のことを指している。そして、本実施の形態においては、透明基材シート32が一対の主面を有するシート状の形状を有している。したがって、本実施の形態では、厚さ方向に沿った断面とは、透明基材シート32の面への法線方向に沿った断面と一致する。
図5に示すように、第1検出電極45の導電性メッシュ45aをなす第1導線46は、透明基材シート32側に位置する基端面46aと、基端面46aに対向して配置された平坦な先端面46bと、基端面46aと先端面46bとの間を接続する一対の側面46cと、を含んでいる。基端面46aと先端面46bは互いに平行となっている。
第1導線46は、第1導電性金属層47と第1暗色層48とを有している。第1暗色層48は、第1導線46の長手方向に直交する断面において第1導電性金属層47を一方の側(つまり、透明基材シート32とは反対の側、さらに言い換えると透明カバー22の側)及び両側方(タッチパネルセンサ30のシート面に沿った両側)から覆っている。すなわち、第1暗色層48は、透明基材シート32に対面する側以外の三方から、第1導電性金属層47を覆っている。より具体的には、第1暗色層48は、第1導電性金属層47の一方の側に位置する先端部48bと、第1導電性金属層47の両側方に位置する一対の側部48cと、を有している。第1暗色層48の先端部48bは、第1導線46の先端面46bを形成し、第1暗色層48の側部48cは、第1導線46の側面46cを形成している。
同様に、第2検出電極55の導電性メッシュ55aをなす第2導線56は、透明基材シート32側に位置する基端面56aと、基端面56aに対向して配置された平坦な先端面56bと、基端面56aと先端面56bとの間を接続する一対の側面56cと、を含んでいる。基端面56aと先端面56bは互いに平行となっている。第2導線56は、第2導電性金属層57と第2暗色層58とを有している。第2暗色層58は、第2導線56の長手方向に直交する断面において第2導電性金属層57を周状に覆っている。より具体的には、第2暗色層58は、第2導電性金属層57の一方の側に位置する基端部58aと、第2導電性金属層57の他方の側に位置する先端部58bと、第2導電性金属層57の両側方に位置する一対の側部58cと、を有している。各側部58cは、基端部58aと先端部58bとの間を延びている。第2暗色層58の基端部58aは、第2導線56の基端面56aを形成し、第2暗色層58の先端部58bは、第2導線56の先端面56bを形成している。また、第2暗色層58の側部58cは、第2導線56の側面56cを形成している。
ここで導電性金属層47,57は、高導電率を有した金属材料を用いて形成された層であり、上述したように、金、銀、銅、白金、アルミニウム、クロム、モリブデン、ニッケル、チタン、パラジウム、インジウム、及び、これらの合金の一以上からなる層である。なお、導電性金属層47,57は、単層である必要はなく、異なる材料または同一の材料からなる複数の層として構成されていてもよい。
金属材料からなる導電性金属層47,57は、優れた導電率を有する反面、比較的に高い反射率を呈する。そして、タッチパネルセンサ30の検出電極45,55をなす導電性金属層47,57によって外光が反射されると、タッチパネル装置20のアクティブエリアAa1を介して観察される画像表示機構12の画像コントラストが低下してしまう。そこで、暗色層48,58が、導電性金属層47,57の観察者側(一方の側)に配置されている。とりわけ、ここで説明するタッチパネルセンサ30では、暗色層48,58が、導電性金属層47,57の両側方にも配置され、傾斜した方向からの外光の反射も効果的に防止し得るようになっている。この暗色層48,58によって、画像のコントラストを向上させ、画像表示機構12によって表示される画像の視認性を改善することができる。すなわち、暗色層48,58は、黒色等の暗色の層であり、隣接する導電性金属層47,57よりも低反射率の層である。
暗色層48,58としては、種々の既知の層を用いることができる。導電性金属層47,57をなす材料の一部分に暗色化処理(黒化処理)を施して、導電性金属層47,57をなしていた一部分から、金属酸化物や金属硫化物からなる暗色層48,58を形成してもよい。また、暗色材料の塗膜や、ニッケルやクロム等のめっき層等のように、導電性金属層47,57上に暗色層48,58を設けるようにしてもよい。一具体例として、導電性金属層47,57が鉄からなる場合には、450〜470℃程度のスチーム雰囲気中に導電性金属層47,57を10〜20分間さらして、導電性金属層47,57の表面に1〜2μm程度の酸化膜(暗色膜)を形成するようにしてもよい。別の方法として、鉄からなる導電性金属層47,57を濃硝酸などで薬品処理して、導電性金属層47,57の表面に四三酸化鉄(Fe)からなる酸化膜(暗色膜)を形成するようにしてもよい。また、導電性金属層47,57が銅からなる場合には、硫酸、硫酸銅及び硫酸コバルトなどからなる電解液中にて、導電性金属層47,57を陰極電解処理して、カチオン性粒子を付着させるカソーディック電着が好ましい。該カチオン性粒子を設けることでより粗化し、同時に暗色が得られる。カチオン性粒子としては、銅粒子、銅と他の金属との合金粒子が適用できるが、好ましくは銅−コバルト合金の粒子である。該カチオン性粒子の粒径は、黒濃度の点から、平均粒径0.1〜1μm程度が好ましい。なお、ここで用いる暗色層48,58とは、暗色化(黒化)された層のみでなく、粗化された層も含む。
コントラストの低下を防止する観点から、暗色層48,58に関しては、その色味がL*a*b*表色系(CIE1976)において、a*が−5.0〜3.0、b*が−5.0〜4.0であることが好ましい。暗色層48,58の色味の測定条件は、C光源、観測視野2°であり、導電性メッシュ45a,55aの開口率が95%以上である電極40,50の背面に黒色アクリル板を配置した状態で測定するものとする。
なお、第1暗色層48は、全体として同一の材料から形成されていてもよいし、第1暗色層48の各部48b,48c,48cが、異なる材料から形成されていてもよい。同様に、第2暗色層58は、全体として同一の材料から形成されていてもよいし、第2暗色層58の各部58a,58b,58c,58cが、異なる材料から形成されていてもよい。図示された実施の形態では、後述するタッチパネルセンサ30の製造方法に起因して、第2暗色層58の基端部58aは、第2暗色層58の先端部58bおよび側部58cとは異なる材料によって形成されている。その一方で、図示された実施の形態では、第2暗色層58の先端部58bおよび側部58cと、第1暗色層48の先端部48b及び側部48cは、同一の材料から形成されている。
ところで、図5は、導電性メッシュ45a,55aをなす導線46,56の断面形状を示しているが、電極40,50の導電性メッシュ45a,55a以外の部分も、幅が異なるだけで、導電性メッシュ45a,55aをなす導線46,56と同様の断面形状を有するようにしてもよい。
例えば、第1取出電極42も、図5に示された第1検出電極45の第1導線46と同様の断面形状を有することができる。したがって、第1取出電極42は、透明基材シート32側(中間層35側)に位置する基端面と、基端面に対向して配置された平坦な先端面と、基端面と先端面との間を接続する一対の側面と、を有していてもよい。また、図5に示されているように、第1取出電極42の基端面と先端面が互いに平行となっていてもよい。さらに、第1取出電極42は、厚さ方向の断面において、第1導電性金属層47を含んでいる。そして、第1取出電極42と第1検出電極45との間で、第1導電性金属層47は一体的に形成されていてもよい。すなわち、第1電極40が、任意の厚さ方向断面においてその少なくとも一部分を占める第1導電性金属層47を含んでいてもよい。
一方、第1取出電極42は、画像表示機構12の非表示領域A2に対面する非アクティブエリアAa2内に配置されている。したがって、第1取出電極42は、第1暗色層48を有している必要はない。ただし、第1暗色層48のパターニング等の煩雑さを回避するため、第1取出電極42が、第1検出電極45と同様に第1暗色層48を有するようにしてもよい。この場合、第1取出電極42と第1検出電極45との間で、第1暗色層48が一体的に形成されていてもよい。
同様に、第2取出電極52も、図5に示された第2検出電極55の第2導線56と同様の断面形状を有することができる。したがって、第2取出電極52は、透明基材シート32側に位置する基端面と、基端面に対向して配置された平坦な先端面と、基端面と先端面との間を接続する一対の側面と、を有していてもよい。また、第2取出電極52についても図5に示されているように、その基端面と先端面が互いに平行となっていてもよい。さらに、第2取出電極52は、厚さ方向の断面において、第2導電性金属層57を含んでいてもよい。そして、第2取出電極52と第2検出電極55との間で、第2導電性金属層57は一体的に形成されていてもよい。すなわち、第2電極50が、任意の厚さ方向断面においてその少なくとも一部分を占める第2導電性金属層57を含んでいてもよい。さらに、第2取出電極52は、第1取出電極42と同様の理由で、第2暗色層58を有している必要はない。ただし、第2取出電極52は、第1取出電極42と同様の理由で、第2暗色層58を有するようにしてもよい。この場合、第2取出電極52と第2検出電極55との間で、第2暗色層58が一体的に形成されていてもよい。
なお図示された例において、電極40,50は導電性金属層47,57と暗色層48,58とを有するように構成されているが、これに限れず、電極40,50がさらに他の層を含んでいてもよい。電極40,50に含まれるべき他の層として、例えば、防錆層が例示される。
このような構成からなる電極40,50において、図5に示された導電性メッシュ45a,55aをなす導線46,56の幅(最大幅)W、すなわち、シート状からなるタッチパネルセンサ30のシート面に沿った幅(最大幅)Wを1μm以上5μm以下とし、且つ、図5に示された導電性メッシュ45a,55aをなす導線46,56の高さ(厚さ)H、すなわち、シート状からなるタッチパネルセンサ30のシート面への法線方向に沿った高さ(厚さ)Hを0.2μm以上2μm以下とすることが好ましい。このような寸法の導電性メッシュ45a,55aによれば、導線46,56が十分に細線化されているので、電極40,50を極めて効果的に不可視化することができる。同時に、断面形状において平行となる基端面46a,56aおよび先端面46b,56bの間の高さが十分な高さとなり、すなわち、導線46,56の断面形状のアスペクト比(H/W)が十分に大きくなり、高い導電性を有するようになる。結果として、導電性メッシュ55における面抵抗率を50Ω/□以下、さらに好ましくは20Ω/□以下にすることも可能となる。
すなわち、このような断面寸法を有した導線46,56によれば、タッチパネルセンサ30の電極40,50を低抵抗に維持しながら、当該電極40,50をなす導線46,56を細線化することができる。細線化した導線46,56によれば、高精細化された画素との組み合わせにおいて、或いは、タブレットと呼ばれる携帯端末の短ピッチ配列された画素との組み合わせにおいても、十分に検出電極45,55を不可視化しながら、高い検出精度を発揮することができる。
なお、シート状からなるタッチパネルセンサ30のシート面に沿った幅Wは、電極40、50の不可視化の観点から、5.0μm以下であることが好ましく、3.5μm以下であることがさらに好ましく、面抵抗率を低下させる観点から、1μm以上であることが好ましく、2μm以上であることがさらに好ましい。また、シート状からなるタッチパネルセンサ30のシート面への法線方向に沿った高さ(厚さ)Hは、電極40の製造精度を安定させる観点から、2.0μm以下であることが好ましく、1.5μm以下であることがさらに好ましく、面抵抗率を低下させる観点から、0.1μm以上であることが好ましく、0.5μm以上であることがさらに好ましい。加えてここで説明した作用効果を確保する観点から、細導線60の断面形状のアスペクト比(H/W)は、0.04以上2.00以下であることが好ましい。
後述するタッチパネルセンサ30の製造方法によれば、電極40,50の導線46,56以外の部分の高さは、導電性メッシュ45a,55aをなす導線46,56の高さと同一となる。その一方で、電極40,50の導線46,56以外の部分、例えば不可視化が要求されていない取出電極42,52の幅を5.0μm以上とすることができる。
<中間層>
次に、中間層35について説明する。中間層35は、透明基材シート32の一方の側の面上に形成されており、透明基材シート32と第1検出電極45の第1導線46との間に位置している。中間層35は、密着層または易接合層として機能し、第1導線46と透明基材シート32との密着性を改善する。中間層35の形成には、透明基材シート32に対して第1導線46よりも高い密着性を示す材料、一具体例としてニッケルやニッケル合金を用いることができる。ニッケルやニッケル合金からなる中間層35は、第1導線46をなす材料に対してだけでなく、例えば樹脂製の透明基材シート32、とりわけポリエステル樹脂フィルムからなる透明基材シート32に対しても優れた密着性を示す。
中間層35は、図示された例において、第1検出電極45の第1導線46に対応したパターンにて、透明基材シート32の観察者側の面上に形成されている。したがって、アクティブエリアAa1で導電体メッシュ45aをなす第1導線46に隣接した中間層35が、十分に細線化していれば、当該中間層35が不透明材料から形成されていたとしても、視認化されることはない。
ただし、図15によく示されているように、中間層35の幅Waは、当該中間層35上に位置する第1導線46の幅Wよりもいくらか広くなっていてもよい。より厳密には、第1導線46の長手方向に直交する断面において、中間層35の幅Waが、第1導線46のうちの当該中間層35に隣接する部分の幅Wよりもいくらか太くなっていてもよい。この場合、透明基材シート32に対して優れた密着性を有し得る中間層35のみが、透明基材シート32と接触し、第1電極40を透明基材シート32から安定して隔離させることができる。この結果、剥離の起点が形成され難くなり、第1電極40が透明基材シート32により安定して密着し続けるようになる。また、第1導線46としては、透明基材シート32との密着性を考慮すること無く、導電性及びエッチング適性等の観点から最適な材料を選択出来る。
さらに、第1導線46の長手方向に直交する断面において、中間層35は、第1導線46の当該中間層35に隣接する部分に対して、50nm以上1000nm以下の長さだけ両側方にそれぞれ突出していることが好ましい。すなわち、図15における長さLaが50nm以上1000nm以下となっていることが好ましい。ニッケルやニッケル合金からなる中間層35は、典型的な接合層23であるアクリル系接合剤との親和性が高い。したがって、典型的な接合層23であるアクリル系接合剤は、ニッケルやニッケル合金からなる中間層35に対して優れた濡れ性を有している。このため、接合層23を介してタッチパネルセンサ30と透明カバー22とを接合する際には、接合層23をなす接合剤が、中間層35上を安定して延び広がる。結果として、第1導線46の基端部近傍に気泡が残留してしまうといった不具合を効果的に防止することができる。
<タッチパネルセンサ30の製造方法>
次に、タッチパネルセンサ30の製造方法の一例について説明する。以下に説明する製造方法では、まず、図6〜図9に示すようにして積層体70を準備し、積層体70からタッチパネルセンサ30を作製する。以下、各工程について順に説明していく。
(積層体70の準備)
まず、図6〜図9を参照して、積層体70を準備する工程について説明する。図9に示すように、積層体70は、第1導電性金属膜71、中間膜76、透明基材シート32、暗色膜74及び第2導電性金属膜72を、この順で含んでいる。積層体70を作製するにあたり、まず、透明基材シート32を準備する。積層体70の透明基材シート32は、タッチパネルセンサ30の透明基材シート32をなすようになる。したがって、積層体70の透明基材シート32の材料は、タッチパネルセンサ30の透明基材シート32用の材料として例示した材料を適宜選択して用いることができる。
次に、図6及び図7に示すように、透明基材シート32の片側の面上に、暗色膜74及び第2導電性金属膜72を順に作製する。暗色膜74及び第2導電性金属膜72は、パターニングされることにより、タッチパネルセンサ30の第2電極50の少なくとも一部分を形成するようになる。このうち、第2導電性金属膜72が、第2電極50の第2導電性金属層57を形成し、暗色膜74が、第2暗色層58の基端部58aを形成するようになる。
上述した厚みの第2電極50を作製する観点から、暗色膜74の厚みは、1nm以上100nm以下とすることができる。また、第2導電性金属膜72の厚みは、0.1μm以上3.0μm以下とすることができる。
まず、図6に示すように、透明基材シート32上に、第2電極50の第2暗色層58の基端部58aを構成するようになる暗色膜74を成膜する。スパッタリング法、真空蒸着法、電界めっき法及び無電界めっき法を含むめっき法、CVD法、イオンプレーティング法、又は、これらの二以上を組み合わせた方法により、透明基材シート32上に第1暗色膜72を設けるようにしてもよい。なお、暗色膜74の材料として、窒化銅、酸化銅、窒化ニッケル等を用いることができる。或いは、上述した暗色化方法により、透明基材シート32の表面に暗色皮膜を形成してもよい。
透明基材シート32上に暗色膜74を形成した後、図7に示すように、透明基材シート32から離間した暗色膜74の面上に、第2電極50の第2導電性金属層57を構成するようになる第2導電性金属膜72を成膜する。第2導電性金属膜72は、銅箔等の金属箔を接着層を介して基材にラミネートしたものから形成するのではなく、接着層を介さずに暗色膜74上に直接的に形成する。すなわち、入手可能な特定の厚みを有した金属箔を積層するのではなく、暗色膜74上に所望の厚みを有した第2導電性金属膜72を成膜する。第2導電性金属膜72の成膜方法としては、スパッタリング法、真空蒸着法、電界めっき法及び無電界めっき法を含むめっき法、CVD法、イオンプレーティング法又はこれらの二以上を組み合わせた方法を採用することができる。
上述したように、第2電極50の高さ(厚さ)Hを0.2〜2μm程度とするため、0.2〜2μmの厚みで第2導電性金属膜72を成膜しようとすると、真空蒸着法を採用することが好ましい。蒸着によれば、0.2〜2μmの厚みの第2導電性金属膜72、とりわけ0.5μm以上の厚みの第2導電性金属膜72を比較的に短時間で安価に製造することができる。
また、別の方法として、図7に点線を用いて示すように、スパッタリングと他の方法、例えばスパッタリングと電界めっきとを含む複数工程にて、第2導電性金属膜72を成膜することも有効である。スパッタリングによれば、密着性に優れた下地層72aを形成することができ、且つ、その後の電界メッキによって追加層72bを形成することにより、第2導電性金属膜72の厚みを比較的迅速に所望の厚みまで増加させることができる。
なお、第2導電性金属膜72の材料は、既に説明したタッチパネルセンサ30の第2導電性金属層57用の材料を用いることができる。すなわち、第2導電性金属膜72に用いられる材料として、金、銀、銅、白金、アルミニウム、クロム、モリブデン、ニッケル、チタン、パラジウム、インジウム、及び、これらの合金の一以上を採用することができる。
以上のようにして、透明基材シート32の片側の面上に、暗色膜74及び第2導電性金属膜72が積層される。
次に、図8及び図9に示すように、透明基材シート32の暗色膜74及び第2導電性金属膜72が積層されていない側の面上に、中間膜76及び第1導電性金属膜71を順に作製する。中間膜76は、パターニングされることにより、中間層35を形成するようになる。一方、第1導電性金属膜71は、パターニングされることにより、タッチパネルセンサ30の第1電極40の少なくとも一部分を形成するようになる。中間膜76の厚みは、1nm以上100nm以下とすることができる。また、上述した厚みの第1導電性金属膜71を作製する観点から、第1導電性金属膜71の厚みは、0.1μm以上3.0μm以下とすることができる。
まず、図8に示すように、透明基材シート32上に、中間層35を構成するようになる中間膜76を成膜する。スパッタリング法、真空蒸着法、電界めっき法及び無電界めっき法を含むめっき法、CVD法、イオンプレーティング法、又は、これらの二以上を組み合わせた方法により、透明基材シート32上に中間膜76を形成することができる。透明基材シート32に接触する中間層35の材料は、透明基材シート32との密着性に優れた材料、例えば、ポリエステル樹脂フィルムとの密着性に優れたニッケルやニッケル合金とすることができる。
透明基材シート32上に中間膜76を形成した後、図9に示すように、透明基材シート32から離間した中間膜76の面上に、第1電極40の第1導電性金属層47を構成するようになる第1導電性金属膜71を成膜する。第1導電性金属膜71は、銅箔等の金属箔を接着層を介して基材にラミネートしたものから形成するのではなく、接着層を介さずに中間膜76上に直接的に形成する。すなわち、入手可能な特定の厚みを有した金属箔を積層するのではなく、中間膜76上に所望の厚みを有した第1導電性金属膜71を成膜する。第1導電性金属膜71の成膜方法としては、スパッタリング法、真空蒸着法、電界めっき法及び無電界めっき法を含むめっき法、CVD法、イオンプレーティング法又はこれらの二以上を組み合わせた方法を採用することができる。
上述したように、第1電極40の高さ(厚さ)Hを0.2〜2μm程度とするため、0.2〜2μmの厚みで第1導電性金属膜71を成膜しようとすると、真空蒸着法を採用することが好ましい。蒸着によれば、0.2〜2μmの厚みの第1導電性金属膜71、とりわけ0.5μm以上の厚みの第1導電性金属膜71を比較的に短時間で安価に製造することができる。
また、別の方法として、図9に点線を用いて示すように、スパッタリングと他の方法、例えばスパッタリングと電界めっきとを含む複数工程にて、第1導電性金属膜71を成膜することも有効である。スパッタリングによれば、密着性に優れた下地層71aを形成することができ、且つ、その後の電界メッキによって追加層71bを形成することにより、第1導電性金属膜71の厚みを比較的迅速に所望の厚みまで増加させることができる。
なお、第1導電性金属膜71の材料は、既に説明したタッチパネルセンサ30の第1導電性金属層47用の材料を用いることができる。すなわち、第1導電性金属膜71に用いられる材料として、金、銀、銅、白金、アルミニウム、クロム、モリブデン、ニッケル、チタン、パラジウム、インジウム、及び、これらの合金の一以上を採用することができる。
以上のようにして、第1導電性金属膜71、中間膜76、透明基材シート32、暗色膜74及び第2導電性金属膜72を、この順で含んだ積層体70が準備される。
(パターニング)
次に、図10〜図13を参照して、フォトリソグラフィー技術を用いたパターニングにより、透明基材シート32上の中間膜76及び第1導電性金属膜71を所望のパターンにて、パターニングする。同様に、フォトリソグラフィー技術を用いたパターニングにより透明基材シート32上の暗色膜74および第2導電性金属膜72を所望のパターンにて、パターニングする。
まず、図10に示すように、第1導電性金属膜71によって形成されている積層体70の一方の面上に、第1感光膜81を設け、第2導電性金属膜72によって形成されている積層体70の他方の面上に、第2感光膜86を設ける。ここでは、感光膜81,86は、特定波長域の光、例えば紫外線に対する感光性を有している。感光膜81,86の具体的な感光特性が特に限られることはない。例えば、感光膜81,86として、光硬化型の感光材が用いられてもよく、若しくは、光溶解型の感光材が用いられてもよい。ここでは、感光膜81,86として光硬化型の感光材が用いられる例を説明する。
(露光工程)
次に、図11に示すように、第1感光膜81上に第1マスク83を配置するとともに、第2感光膜86上に第2マスク88を配置する。マスク83,88は各々、後に形成される第1電極40及び第2電極50に対応したパターンで露光光を透過させる透過部83a,88aと、露光光を遮蔽する遮光部83b,88bと、を含んでいる。その後、図11に示すように、露光光を、マスク83,88を介して感光膜81,86に照射する。この結果、第1感光膜81および第2感光膜86が互いに異なるパターンで同時に露光される。
ここで本実施の形態によれば、積層体70は、遮光性を有する第1導電性金属膜71、中間膜76,暗色膜74及び第2導電性金属膜72を有している。このため、第1感光膜81を透過した露光光は第1導電性金属膜71及び中間膜76によって遮光される。また、第2感光膜86を透過した露光光は第2導電性金属膜72及び暗色膜74によって遮光される。従って、第1感光膜81を露光するために積層体70の一方の側から照射される露光光が第2感光膜86に到達することはなく、同様に、第2感光膜86を露光するために積層体70の他方の側から照射される露光光が第1感光膜81に到達することもない。この結果、この露光工程において、第1感光膜81および第2感光膜86を、それぞれ所望のパターンで精度良く同時に露光することができる。とりわけ、この露光工程では、第1マスク83及び第2マスク88が積層体70を挟んで対向して配置されている。したがって、第1マスク83及び第2マスク88の相対位置を極めて精度良く位置決めすることができる。結果として、製造されたタッチパネルセンサ30において、第1電極40及び第2電極50の相対位置が極めて高精度に位置決めされる。
(現像工程)
次に、露光された第1感光膜81および第2感光膜86を現像する。具体的には、感光膜81,86に対応した現像液を用意し、この現像液を用いて、感光膜81,86を現像する。これにより、図12に示すように、感光膜81,86のうち露光光が照射されていない部分が除去され、感光膜81,86が所定のパターンにパターニングされる。この結果、第1感光膜81が所定のパターンにパターニングされてなる第1レジストパターン82が、第1導電性金属膜71によって形成されている積層体70の一方の面上に形成される。また、第2感光膜86が所定のパターンにパターニングされてなる第2レジストパターン87が、第2導電性金属膜72によって形成されている積層体70の他方の面上に形成される。
(パターニング工程)
その後、図13に示すように、第1レジストパターン82をマスクとして、第1導電性金属膜71及び中間膜76をエッチングする。このエッチングにより、第1導電性金属膜71及び中間膜76が、第1レジストパターン82と略同一のパターンにパターニングされる。また、第2レジストパターン87をマスクとして、第2導電性金属膜72及び暗色膜74をエッチングする。このエッチングにより、第2導電性金属膜72及び暗色膜74が、第2レジストパターン87と略同一のパターンにパターニングされる。エッチング方法は特に限られることはなく、エッチング液を用いるウェットエッチングや、プラズマエッチングなどが適宜用いられる。ウェットエッチングが採用される場合、導電性金属膜71,72、暗色膜74及び中間膜76を構成する材料を溶解させることができるエッチング液が適宜選択される。例えば、塩化第2鉄水溶液、塩酸等をエッチング液として用いることができる。この工程で、中間膜76がパターニングされることにより、中間膜76から中間層35が形成され、暗色膜74がパターニングされることにより、暗色膜74から第2暗色層58の基端部58aが形成される。
なお、第1導電性金属膜71をなす材料と、中間膜76をなす材料とのエッチング液に対する耐性(エッチングレート)が異なる場合、第1導電性金属膜71からなる第1導電性金属層47の幅に依存して太さが決定する第1導線46の幅と、中間膜76からなる中間層35の幅とが異なるようにすることができる。中間膜76をなす材料が、第1導電性金属膜71をなす材料よりも、エッチング液に対して耐性を有する場合、図13に示すように、第1金属層47が作製され、最終的に得られるタッチパネルセンサ30において、図15に示すように、中間層35の幅Waが第1導線46の幅Wよりも太くなる。例えば、中間膜76をなす材料がニッケル又はニッケル合金であり、第1導電性金属膜71が銅、アルミニウム、又は、これらの合金である場合、図15に示されたタッチパネルセンサ30を作製することができる。
(感光膜の除去工程)
その後、第1レジストパターン82及び第2レジストパターン87を除去する。これによって、図14に示すように、パターニングされた第1導電性金属膜71によって形成された第1電極40と、パターニングされた中間膜76によって形成された中間層35が、透明基材シート32の一方の側に露出する。また、パターニングされた第2導電性金属膜72及び暗色膜74によって形成された第2電極50が、透明基材シート32の他方の側に露出する。
(暗色化処理)
次に、パターニングされた第1導電性金属膜71からなる第1電極40と、パターニングされた第2導電性金属膜72及び暗色膜74からなる第2電極50とが形成された状態の積層体70に対して暗色化処理を施し、第1電極40をなす第1導電性金属膜71の表面および第2電極50をなす第2導電性金属膜72の表面に暗色化皮膜を形成する。暗色化処理は、いくつかの例示とともに既に説明したように、種々の既知の層を用いることができる。さらに他の方法として、例えば、テルル酸を利用したテルル黒化(テルル暗色化)を採用することもできる。
暗色化処理により、第1導線46の先端面46bをなす先端部48bと、第1導線46の側面46cをなす側部48cとが、第1導電性金属層47上に形成される。これらの先端部48bと側部48cが第1暗色層48をなす。そして、第1導電性金属層47と、第1導電性金属層47上に形成された第1暗色層48とから、第1導線46が形成される。
同様に、暗色化処理により、第2導線56の先端面56bをなす先端部58bと、第2導線56の側面56cをなす側部58cとが、第2導電性金属層57上に形成される。これらの先端部58bと側部58cが、パターニングされた暗色膜74からなる基端部58aとの組み合わせによって、第2暗色層58を形成する。そして、第2導電性金属層57と、第2導電性金属層57上に形成された第2暗色層58とから、第2導線56が形成される。
以上の製造方法によれば、エッチングされる導電性金属膜71,72の厚みは、作製されるべき電極40,50の厚さと略同一の厚さ、例えば0.2μm以上2μm以下とすることができる。そして、この厚みの導電性金属膜71,72をエッチングする場合、大きなサイドエッチングによって、図16に示されているように導線46、56の厚み減少や断線を引き起こすことなく、1μm〜5μm程度の細線化された電極40,50を作製することができる。すなわち、形成されるべき導線46,56の線幅に対して、導電性金属膜71,76の厚みが厚過ぎない。これにより、図16を参照して説明した金属箔を用いた場合と比較して、エッチングによる浸食箇所が、レジスト膜の下方で繋がってしまうことはない。これにより、安定して精度よく細線化された電極40,50(導線46,56)を作製することができる。加えて、形成されるべき導線46,56の線幅に対して、導電性金属膜71,72及び暗色膜74を適切な厚みに設定しておくことにより、形成された導線46,56の厚さ方向での断面形状を所望の形状、例えば所望のアスペクト比を有した形状とすることができる。
<<<作用効果>>>
以上のような本実施の形態によれば、透明基材シート32の一方の側に第1検出電極45が設けられ、透明基材シート32の他方の側に第2検出電極50が設けられている。第1検出電極45は、第1導線46が多数の開口領域45bを画成するメッシュパターンにて配置されている第1導電性メッシュを45a含み、第2検出電極55は、第2導線56が多数の開口領域55bを画成するメッシュパターンにて配置されている第2導電性メッシュ55aを含んでいる。第1導電性メッシュ45aをなす第1導線46は、第1導電性金属層47と、第1導線46の長手方向に直交する断面において第1導電性金属層47を前記一方の側及び両側方から覆う、すなわち第1導電性金属層47を三方から覆う第1暗色層48と、を含んでいる。第2導電性メッシュ55aをなす第2導線56は、第2導電性金属層57と、第2導線56の長手方向に直交する断面において第2導電性金属層57を周状に覆う、すなわち第2導電性金属層57を四方から覆う第2暗色層58と、を含んでいる。
このようなタッチパネルセンサ30を一方の側から観察した場合、第1暗色層48の先端部48bによって第1導電性金属層47が覆われ、第2暗色層58の基端部58aによって第2導電性金属層57が覆われる。また、タッチパネルセンサ30をその法線方向に対して傾斜した方向から観察した場合には、第1暗色層48の側部48cによっても第1導電性金属層47が覆われ、第2暗色層58の側部58cによって第2導電性金属層57が覆われる。このように、高い反射率を有した導電性金属層47,57を、低反射率で暗色の暗色層48,58によって覆うことにより、導電性金属層47,57の外光反射を効果的に防止することができる。これにより、これにより、タッチパネルセンサ30を含む表示装置10は優れたコントラスを呈することができる。
また、画像表示機構12に対面する側に位置するタッチパネルセンサ30の第2検出電極55については、第2暗色層58の先端部58bによって、第2導電性金属層57が画像表示機構12の側からも覆われる。このため、画像表示機構12からの画像光が、タッチパネルセンサ30への入射時に反射されて、迷光等を生じさせてしまうといった不具合を効果的に回避することができる。このことからも、タッチパネルセンサ30を含む表示装置10による画像コントラストを改善することができる。
さらに、このようなタッチパネルセンサ30は、上述した製造方法により作製することができる。上述した製造方法では、第1暗色層48の先端部48b、第1暗色層48の側部48c、第2暗色層58の先端部58b、及び、第2暗色層58の側部58cを、同一材料から同時に且つ一体的に作製することができる。すなわち、第1暗色層48及び第2暗色層58を、安価且つ容易に安定した品位で作製することができる。
すなわち、以上に説明した本実施の形態によれば、コントラスト低下を効果的に抑制し得るタッチパネルセンサ30を容易に製造することが可能となる。
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。
例えば、上述した実施の形態において、タッチパネルセンサ30と第1検出電極45との間に中間層35を設ける例を説明したが、この例に限られない。しかしながら、透明基材シート32への密着性に優れた中間層35(中間膜76)を設けることに代えて、透明基材シート32の第1検出電極45(第1導電性金属膜71)が形成される側の面が、熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂の硬化物からなる密着強化層によって形成されるようにしてもよい。また、透明基材シート32と第1検出電極45との密着性が十分であれば、中間層35を単に省いてもよい。
また、上述した実施の形態で説明した製造方法は一例に過ぎない。例えば、積層体70を作製する際に、中間膜76及び第1導電性金属膜71を透明基材シート32上に先に作製し、その後に、暗色膜74及び第2導電性金属膜72を透明基材シート32上に作製するようにしてもよい。
また、上述した製造方法では、露光工程において、第1マスク83及び第2マスク88が積層体70を挟んで対向して配置され、第1感光膜81及び第2感光膜86を同時に露光する例を示したが、この例に限られない。例えば、第1マスク83及び第2マスク88が積層体70を挟んで対向して互いに位置決めされた後、第1感光膜81及び第2感光膜86の一方が先に露光され、その後に他方が露光されるようにしてもよい。このような変形例においても、第1マスク83及び第2マスク88が互いに対して高精度に位置決めされ得る。結果として、製造されたタッチパネルセンサ30において、第1電極40及び第2電極50の相対位置が極めて高精度に位置決めされるようになる。
10 表示装置
12 画像表示機構
12a 表示面
20 タッチパネル装置
20a 積層構造体
30 タッチパネルセンサ
32 透明基材シート
35 中間層
40 第1電極
42 第1取出電極
45 第1検出電極
45a 導電性メッシュ
45b 開口領域
46 第1導線
46a 基端面
46b 先端面
46c 側面
47 第1導電性金属層
48 第1暗色層
48b 先端部
48c 側部
50 第2電極
52 第2取出電極
52a 端子部
55 第2検出電極
55a 導電性メッシュ
55b 開口領域
56 第2導線
56a 基端面
56b 先端面
56c 側面
57 第2導電性金属層
58 第2暗色層
58a 基端部
58b 先端部
58c 側部
70 積層体
71 第1導電性金属膜
71a 基材側導電性金属膜
71b 表層側導電性金属膜
72 第2導電性金属膜
74 暗色膜
76 中間膜
81 第1感光膜
82 第1レジストパターン
83 第1マスク
83a 透過部
83b 遮光部
86 第2感光膜
87 第2レジストパターン
88 第2マスク
88a 透過部
88b 遮光部

Claims (7)

  1. 透明基材シートと、
    前記透明基材シートの一方の側に設けられた第1検出電極と、
    前記透明基材シートの他方の側に設けられた第2検出電極と、を備え、
    前記第1検出電極は、第1導線が多数の開口領域を画成するメッシュパターンにて配置されている第1導電性メッシュを含み、
    前記第2検出電極は、第2導線が多数の開口領域を画成するメッシュパターンにて配置されている第2導電性メッシュを含み、
    前記第1導電性メッシュをなす前記第1導線は、第1導電性金属層と、前記第1導線の長手方向に直交する断面において前記第1導電性金属層を前記一方の側及び両側方から覆う第1暗色層と、を含み、
    前記第2導電性メッシュをなす前記第2導線は、第2導電性金属層と、前記第2導線の長手方向に直交する断面において前記第2導電性金属層を周状に覆う第2暗色層と、を含み、
    前記透明基材シートの前記一方の側に設けられ、前記透明基材シートと前記第1検出電極の前記第1導線との間に位置する中間層を、さらに備え、
    前記中間層は、ニッケル又はニッケル合金からなる層であり、
    前記中間層の幅は、当該中間層上に位置する前記第1導線の幅よりも太い、タッチパネルセンサ。
  2. 前記第1導線の長手方向に直交する断面において、前記中間層は、前記第1導線の当該中間層に隣接する部分に対して、50nm以上1000nm以下の長さだけ両側方にそれぞれ突出している、請求項に記載のタッチパネルセンサ。
  3. 前記第2暗色層のうちの前記第2導電性金属層の前記一方の側に位置する基端部は、前記第2暗色層のうちの前記第2導電性金属層の前記他方の側に位置する先端部および前記第2暗色層のうちの前記第2導電性金属層の両側方に位置する側方部とは異なる材料によって形成されている、請求項1又は2に記載のタッチパネルセンサ。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のタッチパネルセンサを備える、タッチパネル装置。
  5. 前記タッチパネルセンサの前記一方の側に配置された透明カバーと、
    前記タッチパネルセンサと前記透明カバーとの間に配置された接合層と、をさらに備える、請求項に記載のタッチパネル装置。
  6. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のタッチパネルセンサ、或いは、請求項4又は5に記載のタッチパネル装置を備える、表示装置。
  7. 第1導電性金属膜、透明基材シート、暗色層および第2導電性金属膜をこの順で含む積層体について、前記第1導電性金属膜をパターニングし、且つ、暗色層および第2導電性金属膜をパターニングする工程と、
    前記第1導電性金属膜の線状にパターニングされた部分を、前記透明基材シートから離間する側および両側方から覆う第1暗色層を形成し、且つ、前記第2導電性金属膜の線状にパターニングされた部分を、前記パターニングされた暗色膜とともに周状に覆う第2暗色層を形成する工程と、を備え
    前記積層体は、第1導電性金属膜と透明基材シートとの間にニッケル又はニッケル合金からなる中間膜を、さらに備え、
    前記第1導電性金属膜をパターニングする工程において、前記中間膜は、前記第1導電性金属膜に対応したパターンにて線状にパターニングして、前記中間膜をパターニングしてなる中間層の幅を、当該中間層上に位置し且つ前記第1導電性金属膜をパターニングしてなる第1導電性金属層の幅よりも広くする、タッチパネルセンサの製造方法。
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