以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
本明細書において、「板」、「パネル」、「シート」、「フィルム」の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。例えば、「反射型偏光板」は、パネル、シートまたはフィルムと呼ばれ得るような部材をも含む概念であり、したがって、「反射型偏光板」は、「反射型偏光パネル」、「反射型偏光シート」または「反射型偏光フィルム」と呼ばれる部材と、呼称の違いのみにおいて区別され得ない。
また、「シート面(板面、パネル面、フィルム面)」とは、対象となるシート状(板状、パネル状、フィルム状)の部材を全体的かつ大局的に見た場合において対象となるシート状部材(板状部材、パネル状部材、フィルム状部材)の平面方向と一致する面のことを指す。
さらに、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件ならびにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
図1〜図8は本発明による一実施の形態を説明するための図である。このうち図1は、画像表示パネル12、バックライト19、および、画像表示パネル12とバックライト19との間に配置されたタッチパネルセンサ20、を含む画像表示装置10を示す断面図であり、図2は図1のタッチパネルセンサ20をその上面から見て示す図であり、図3は、図2のタッチパネルセンサ20の検出電極40の一部を拡大して示す図であり、図4は、タッチパネルセンサ20の検出電極40に含まれる導電性細線45の断面形状を示す図である。
図1に示すように、タッチパネルセンサ20は、画像表示パネル12およびバックライト19とともに組み合わせられて用いられ、画像表示装置10を構成している。図示された画像表示装置10は、一例としてフラットパネルディスプレイ、より具体的には液晶表示装置として構成されている。図示された具体例において、画像表示装置10は、カバー層(カバー部材)11と、所定の映像を表示する画像表示パネル12と、画像表示パネル12を背面から照明するバックライト19と、画像表示パネル12とバックライト19との間に配置され画像表示装置への外部導体の接触位置を検出するタッチパネルセンサ20と、タッチパネルセンサ20とバックライト19との間に配置された光学機能層16と、画像表示パネル12に接続された図示しない表示制御部と、を有している。表示制御部は、表示されるべき映像に関する情報を処理し、映像情報に基づいて画像表示パネル12を駆動する。画像表示パネル12は、表示制御部の制御信号により、所定の映像を表示面12aに表示するようになる。すなわち、画像表示装置10は、文字や図等の情報を映像として出力する出力装置としての役割を担っている。なお、図1に示された例では、画像表示パネル12は液晶表示パネルとして構成され、一対の偏光板13,15と、一対の偏光板13,15間に配置された液晶セル14と、を有している。
最も出光側(観察者側)に配置されたカバー層11の出光側(観察者側)には、機能層が設けられていてもよい。機能層は、特定の機能を発揮することを期待された層であって、画像表示装置10の最も出光側の面、すなわち表示面10aを形成する。機能層は、一例として、反射防止層(AR層)としての機能する低屈折率層とすることができる。また機能層の他の例として、反射防止層に代えてあるいは反射防止層に加えて、防眩機能を有した防眩層(AG層)、耐擦傷性を有したハードコート層(HC層)、帯電防止機能を有した帯電防止層(AS層)等の1以上を含むように構成され得る。
なお、「出光側」とは、進行方向を折り返されることなくバックライト19から画像表示パネル12等を経て観察者へ向かう光の進行方向における下流側(観察者側、図1においては上側)のことであり、「入光側」とは、進行方向を折り返されることなくバックライト19から画像表示パネル12等を経て観察者へ向かう光の進行方向における上流側(背面側、図1においては下側)のことである。
偏光板13,15は、入射した光を直交する2つの偏光成分に分解し、一方の方向の偏光成分を透過させ、前記一方の方向に直交する他方の方向の偏光成分を吸収する機能を有した偏光子を有している。以下においては、画像表示パネル(液晶表示パネル)12に含まれる一対の偏光板を区別するため、画像表示パネル12の配置状態に関係なく、出光側(観察者側)の偏光板13を上偏光板と呼び、入光側(バックライト側)の偏光板15を下偏光板と呼ぶ。
液晶セル14は、一対の支持板と、一対の支持板間に配置された液晶と、を有している。液晶セル14は、1つの画素を形成する領域毎に、電界印加がなされ得るようになっている。そして、電界印加された液晶セル14の液晶の配向は変化するようになる。入光側に配置された下偏光板15を透過した特定方向(透過軸と平行な方向)の偏光成分は、一例として、電界印加されている液晶セル14を通過する際にその偏光方向が90°回転され、電界印加されていない液晶セル14を通過する際にその偏光方向が維持される。このため、液晶セル14への電界印加の有無によって、下偏光板15を透過した特定方向の偏光成分が、下偏光板15の出光側に配置された上偏光板13をさらに透過するか、あるいは、上偏光板13で吸収されて遮断されるか、を制御することができる。
バックライト19は、光源を含んでおり、面状に光を照射する。バックライト19は、エッジライト型(サイドライト型)や直下型として構成された既知の面光源装置を用いることができる。エッジライト型のバックライトは、例えば、導光板と、導光板の側面に配置された光源と、を有する。また、直下型のバックライトは、例えば、拡散板と、拡散板の法線方向に沿って当該拡散板に対面して配置された光源と、を有する。光源は、発光ダイオード(LED)、冷陰極管、白熱灯、有機EL等の既知の光源から構成され得る。
カバー層11は、画像表示装置10の最も観察者側の面、すなわち表示面10aを形成している。画像表示装置10において、画像表示パネル12やタッチパネルセンサ30等を外部から保護するカバーとして機能する。また、カバー層11は、画像表示装置10への入力面(タッチ面、接触面)としても機能する。つまり、カバー層11に外部導体(例えば、人間の指)を接触させることにより、画像表示装置10(タッチパネルセンサ30)に対して外部から情報を入力することができるようになっている。
このカバー層11は、誘電体として機能する透光性を有した層であり、例えばガラス板や樹脂フィルムから形成される。カバー層11は、可視光領域における透過率が80%以上であることが好ましく、84%以上であることがより好ましい。なお、カバー層11の可視光透過率は、分光光度計((株)島津製作所製「UV−3100PC」、JISK0115準拠品)を用いて測定波長380nm〜780nmの範囲内で測定したときの、各波長における透過率の平均値として特定される。
なお、最も出光側(観察者側)に配置されたカバー層11の出光側(観察者側)には、機能層が設けられていてもよい。機能層は、特定の機能を発揮することを期待された層であって、画像表示装置10の最も出光側の面、すなわち表示面10aを形成する。機能層は、一例として、反射防止層(AR層)としての機能する低屈折率層とすることができる。また機能層の他の例として、反射防止層に代えてあるいは反射防止層に加えて、防眩機能を有した防眩層(AG層)、耐擦傷性を有したハードコート層(HC層)、帯電防止機能を有した帯電防止層(AS層)等の1以上を含むように構成され得る。
次に、図1〜図4を参照して、タッチパネルセンサ20について説明する。図示された例において、タッチパネルセンサ20は、投影型の静電容量結合方式として構成され、画像表示装置10への外部導体(例えば、人間の指)の接触位置を検出可能に構成されている。なお、静電容量結合方式のタッチパネルセンサ20の検出感度が優れている場合には、外部導体が画像表示装置10に接近しただけで当該外部導体が画像表示装置10のどの領域に接近しているかを検出することができる。このような現象にともなって、ここで用いる「接触位置」とは、実際には接触していないが位置を検出され得る接近位置を含む概念とする。
図1に示された例では、タッチパネルセンサ20は、画像表示パネル12とバックライト19との間に配置されている。タッチパネルセンサ20は、透明基材30と、透明基材30上に設けられた検出電極40と、を有している。
透明基材30は、電極40を支持する基材として機能する。図2に示すように、透明基材30は、タッチ位置を検出され得る領域に対応するアクティブエリアAa1と、アクティブエリアAa1に隣接する非アクティブエリアAa2と、を含んでいる。とりわけ図示された、タッチパネルセンサ20のアクティブエリアAa1は、画像表示パネル12の表示領域に対応する領域を占めている。一方、非アクティブエリアAa2は、矩形状のアクティブエリアAa1の周縁部を四方から周状に取り囲むように、言い換えると、額縁状に形成されている。この非アクティブエリアAa2は、画像表示パネル12の非表示領域に対応する領域に形成されている。
バックライト19から画像表示パネル12へ向かう照明光の透過を妨げないよう、透明基材30は、透明または半透明となっている。透明基材30は、可視光領域における透過率が80%以上であることが好ましく、84%以上であることがより好ましい。なお、透明基材30の可視光透過率は、分光光度計((株)島津製作所製「UV−3100PC」、JISK0115準拠品)を用いて測定波長380nm〜780nmの範囲内で測定したときの、各波長における透過率の平均値として特定される。
透明基材30は、例えばガラスや樹脂の板、シートまたはフィルムから構成され得る。樹脂フィルムとしては、光学部材の基材として使用されている種々の樹脂フィルムを好適に用いることができる。一例として、トリアセチルセルロースに代表されるセルロースエステル樹脂を透明基材30として用いることができる。他の例として、安価で安定性に優れたポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂を、透明基材30として用いることができる。ポリエステル樹脂フィルムは、吸湿性が低く、高温多湿の環境化においても変形等が生じ難いといった利点を有している。
次に、透明基材30上に設けられた検出電極40について説明する。図1および図4に示された例では、透明基材30は、第1面30aと第1面30aの反対側の面である第2面30bとを有している。そして、図示された例では、透明基材30の第1面30a上に、検出電極40および端子部49が設けられている。検出電極40は、複数の第1電極41と、複数の第2電極42と、複数の第1配線47と、複数の第2配線48と、を有している。第1電極41は、アクティブエリアAa1内から非アクティブエリアAa2にかけて延在している。第2電極42は、透明基材30上のアクティブエリアAa1内に設けられている。第1配線47は、非アクティブエリアAa2内を、第1電極41から端子部49にかけて延在している。第2配線48は、アクティブエリアAa1内の第2電極42から非アクティブエリアAa2内の端子部49にかけて延在している。なお、図2に示された例では、端子部49は、フレキシブルプリント基板(FPC)25を介して、図示しない検出制御部に接続される。
なお、図が見づらくなることを避けるために、図2では、第2電極42の各検出部43を単純な矩形で図示しているが、後述するように、第2電極42の各検出部43は矩形状の導電性メッシュ44から形成されている。また、図2では、一部の第2電極42を他の第2電極42と区別して理解しやすくするため、一部の第2電極42の各検出部43にハッチングを行っている。
図2に示された例では、透明基材30上に、アクティブエリアAa1内から非アクティブエリアAa2にかけて延びる複数の第1電極41が第1方向(X)に沿って配列されている。また、各第1電極41は、第1方向(X)と非平行な第2方向(Y)に沿って直線状に延びている。また、透明基材30上のアクティブエリアAa1内に、複数の第2電極42が第2方向(Y)に沿って配列されている。各第2電極42は、第1方向(X)に沿って配列された複数の検出部43を有している。なお、図示された例では、第1方向(X)と第2方向(Y)とは直交している。
各第1電極41に対応して第1配線47がそれぞれ設けられている。図2に示された例では、各第1配線47は、非アクティブエリアAa2内に設けられ、一方の端部が対応する第1電極41に接続され、他方の端部が端子部49の対応する端子に接続されている。また、各第2電極42に対応して第2配線48がそれぞれ設けられている。1つの第2電極42に含まれた複数の検出部43は、互いから離間しているが、第2配線48を介して互いに電気的に接続している。図2に示された例では、各第2配線48は、アクティブエリアAa1内から非アクティブエリアAa2にかけて延び、一方の端部が第2電極42の第1方向(X)に沿って配列された各検出部43に接続され、他方の端部が端子部49の対応する端子に接続されている。
この例においては、検出電極40をなす第1電極41および第2電極42を用いて、外部導体(例えば、人間の指)がタッチパネルセンサ20に接近した際に生じる静電容量の変化を検知する。すなわち、外部導体がタッチパネルセンサ20に接近すると、接近した箇所に対応する第1電極41と第2電極42との間の静電容量が変化する。したがって、静電容量が変化した第1電極41および第2電極42を特定することで、タッチパネルセンサ20における、外部導体が接近した位置を特定することができる。
検出電極40には、静電容量の変化に起因する電流を検知可能なレベルで流すことができる程度の導電性が求められる。このような検出電極40を構成するための材料として、優れた導電性を有する金属材料、例えば、金、銀、銅、白金、アルミニウム、クロム、モリブデン、ニッケル、チタン、パラジウム、インジウム、および、これらの合金の一以上を用いることができる。
一方、これらの金属材料は、可視光に対して遮光性を有している。そこで、図3に示されているように、第2電極42の各検出部43は、導電性細線45が多数の開口領域46を画成するメッシュパターンにて配置されている導電性メッシュ44を含んでいる。とりわけ図示された例においては、各検出部43が、矩形状に形成された導電性メッシュ44から形成されている。なお、図示された例において、導電性メッシュ44は、格子配列状の規則的なメッシュパターンを有している。ただし、導電性メッシュ44は、格子配列以外の規則的なメッシュパターンを有していてもよいし、不規則的なメッシュパターンを有していてもよい。
図2および図3に示された例では、各第1電極41は、第2方向(Y)に沿って直線状に延びる導電性細線45を含んでいる。ただし、これに限らず、各第1電極41の導電性細線45は、第2方向(Y)に沿って、波線状、折れ線状(ジグザグ状)に延びていてもよい。また、図示された例では、各第2配線48は、各第2電極42の各検出部43から非アクティブエリアAa2へ向けてアクティブエリアAa1内を延びる導電性細線45を含んでいる。
次に、第1電極41、第2電極42および第2配線48をなす導電性細線45の断面形状について説明する。図4は、厚さ方向に沿った断面において、タッチパネルセンサ20が示されている。ここで厚さ方向とは、シート状(フィルム状、板状、パネル状)からなるタッチパネルセンサ20のシート面(フィルム面、板面、パネル面)への法線方向に沿った断面のことを指す。ここで、シート面(フィルム面、板面、パネル面)とは、対象となるシート状(フィルム状、板状、パネル状)の部材を全体的かつ大局的に見た場合において対象となるシート状部材の平面方向と一致する面のことを指している。そして、本実施の形態においては、透明基材30が一対の主面(第1面30a,第2面30b)を有するシート状の形状を有している。したがって、本実施の形態では、厚さ方向に沿った断面とは、透明基材30のシート面への法線方向に沿った断面と一致する。
図4に示すように、透明基材30上に、第1電極41をなす導電性細線45、第2電極42の導電性メッシュ44をなす導電性細線45、および、第2配線48をなす導電性細線45が形成されている。各導電性細線45は、上述したように、金、銀、銅、白金、アルミニウム、クロム、モリブデン、ニッケル、チタン、パラジウム、インジウム、および、これらの合金の一以上で形成される。
このような導電性細線45の幅(最大幅)W、すなわち、シート状からなる透明基材30のシート面に沿った幅(最大幅)Wを1μm以上5μm以下とし、且つ、高さ(厚さ)H、すなわち、シート状からなる透明基材30のシート面への法線方向に沿った高さ(厚さ)Hを0.1μm以上3μm以下とすることが好ましい。このような寸法の導電性細線45によれば、導電性細線45が十分に細線化されているので、導電性細線45で形成される第1電極41、第2電極42および第2配線48を極めて効果的に不可視化することができる。同時に、断面形状において十分な高さを有するようになり、すなわち、導電性細線45の断面形状のアスペクト比(H/W)が十分に大きくなり、高い導電性を有するようになる。
次に、画像表示装置10に含まれる光学機能層16について説明する。図1に示された例では、光学機能層16は、反射型偏光板17と、反射型偏光板17の入光側(バックライト側)に配置された集光シート18と、を有する。
反射型偏光板17は、その透過軸と平行な方向の偏光成分を透過させ、その透過軸に直交する反射軸と平行な方向の偏光成分を反射する。したがって、通常では、正面方向からの観察において反射型偏光板17の透過軸が下偏光板15の透過軸と平行となるようにして、反射型偏光板17が組み込まれる。この反射型偏光板17によれば、画像表示パネル(液晶表示パネル)12で有効に利用され得ない偏光成分の光が、当該画像表示パネル12へ入射して下偏光板15で吸収されてしまうことを防止することができる。したがって、光源光の利用効率を向上させて、輝度特性を改善することができる。
反射型偏光板17としては、例えば米国3M社から入手可能な「DBEF」(登録商標)を用いることができる。また、「DBEF」以外にも、韓国SHINWHA INTERTEK社から入手可能な高輝度偏光シート「WRPS」(登録商標)や、あるいは、ワイヤーグリッド偏光子等を用いることもできる。
集光シート18は、入光側(バックライト19側)から入射した光の進行方向を変化させて出光側(画像表示パネル12側)から出射させ、正面方向(法線方向)ndの輝度を集中的に向上させるためのシート状部材である。図5に示す例において、集光シート18は、そのシート面上のある方向(配列方向)に沿って並べて配列された複数の単位プリズム181を有している。なお、図5は、集光シート(プリズムシート)18のシート面への法線方向ndおよび単位プリズム181の配列方向の両方に平行な主切断面において、集光シート(プリズムシート)18を示している。
図5に示すように、集光シート18の単位プリズム181から出射する光L1は、単位プリズム181の出光側面(プリズム面)18aにおいて屈折する。この屈折により、正面方向ndから傾斜した方向に進む光L1の進行方向は、集光シート18へ入射する際における光の進行方向と比較して、主として、集光シート18のシート面への法線方向ndに対する角度が小さくなる側へ曲げられる。このような作用により、上述したように、単位プリズム181は、出射光の進行方向を正面方向nd側に絞り込むことができる。すなわち、単位プリズム181は、透過光に対して集光作用を及ぼすようになる。
この集光シート18としては、例えば米国3M社から入手可能な「BEF」(登録商標)を用いることができる。
なお、光学機能層16には、他の機能を有する層が含まれていてもよい。例えば、光学機能層16のいずれかの位置に光拡散シートが含まれていてもよい。光拡散シートは、当該光拡散シートに入射した光を拡散する機能を有し、これにより、輝度の面内分布を均一化させ、直下型のバックライト19との組み合わせにおいて光源の像(ライトイメージ)を目立たなくさせることができる。また、輝度の角度分布の変化を滑らかにすることもできる。
次に、図6〜図8を参照して、タッチパネルセンサ20の製造方法の一例について説明する。図6〜図8は、タッチパネルセンサ20の製造方法の一例を順に示す断面図である。
まず、透明基材30を準備する。透明基材30は、例えばガラスや樹脂の板、シートまたはフィルムである。
次に、図6に示すように、透明基材30上に導電性金属層50を形成する。導電性金属層50は、上述したように、金、銀、銅、白金、アルミニウム、クロム、モリブデン、ニッケル、チタン、パラジウム、インジウム、および、これらの合金の一以上からなる層である。導電性金属層50は、公知の方法で形成され得る。例えば、銅箔等の金属箔を貼着する方法、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的気相成長法(PVD法)、化学的気相成長法(CVD法)、めっき法等の液相成長法、またはこれらの2以上を組み合わせた方法を採用することができる。
次に、図7に示すように、導電性金属層50上にレジストパターン51を形成する。最終的に、第1電極41、第2電極42、第1配線47、第2配線48および端子部49となる箇所の上にのみ、レジストパターン51が形成されるようにする。このレジストパターン51は、公知のフォトリソグラフィー技術を用いたパターニングにより形成することができる。
次に、図8に示すように、レジストパターン51をマスクとして、導電性金属層50をエッチングする。このエッチングにより、導電性金属層50がレジストパターン51と略同一のパターンにパターニングされる。エッチング方法は特に限られることはなく、公知の方法が採用できる。公知の方法としては、例えば、エッチング液を用いるウェットエッチングや、プラズマエッチングなどが挙げられる。
最後に、レジストパターン51を除去する。これにより、透明基材30上に、パターニングされた導電性金属層50によって形成された、第1電極41、第2電極42、第1配線47、第2配線48および端子部49を有する、図4に示したタッチパネルセンサ20を得ることができる。
以上に説明した本実施の形態の画像表示装置10は、画像表示パネル12と、画像表示パネル12の背面に対面して配置されたバックライト19と、画像表示パネル12とバックライト19との間に配置されたタッチパネルセンサ20と、を備え、タッチパネルセンサ20は、透明基材30および透明基材30上に設けられた検出電極40を有している。
このような画像表示装置10によれば、画像表示パネル12の観察者側に、金属材料からなる検出電極40を有するタッチパネルセンサ20が配置されることによる、画像表示パネル12に表示される画像の明るさの低下やコントラストの低下を抑制することができる。また、検出電極40の導電性細線45に起因した濃淡むらや画像表示パネル12の画素配列等との干渉に起因したモアレが視認されることによる、画像表示パネル12に表示される画像の視認性の低下を効果的に抑制することができる。
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、偏光の一例を説明する。
画像表示装置10の、カバー層11と画像表示パネル12との間、画像表示パネル12とタッチパネルセンサ20との間、タッチパネルセンサ20と光学機能層16との間、光学機能層16とバックライト19との間には、必要に応じて接合層が設けられてもよい。接合層としては、種々の接着性または粘着性を有した材料からなる層を用いることができる。典型的な接合層としては、アクリル系接着剤またはアクリル系粘着剤からなる層を例示することができる。
別の変形例として、画像表示装置10には、図示された例に限られず、特定の機能を発揮することを期待されたその他の機能層が設けられても良い。また、1つの機能層が2以上の機能を発揮するようにしてもよいし、例えば、タッチパネルセンサ20の透明基材30や、その他の各層(カバー層11や接合層等)に機能を付与するようにしてもよい。画像表示装置10の各層に付与され得る機能としては、一例として、防眩(AG)機能、反射防止(AR)機能、耐擦傷性を有したハードコート(HC)機能、帯電防止(AS)機能、電磁波遮蔽機能、赤外線遮蔽機能、紫外線遮蔽機能、位相差機能、偏光機能、防汚機能等を例示することができる。
また、別の変形例として、画像表示装置10の画像表示パネル12の観察者側に、電磁波を受信するためのアンテナを配置してもよい。アンテナとしては、例えば、リモコン、携帯電話、ラジオ、GPS等の通信に用いられる電磁波を受信可能なアンテナを例示することができる。画像表示装置10がカバー層11を有する場合、アンテナは、カバー層11の観察者側に設けてもよいし、カバー層11の観察者側と反対側(画像表示パネル12側)に設けてもよい。
さらに、別の変形例として、上述した実施の形態では、タッチパネルセンサ20の検出電極40が、透明基材30の観察者側(画像表示パネル12側)に位置する第1面30a上に設けられたものを示したが、これに限られず、タッチパネルセンサ20の検出電極40が、透明基材30の観察者側と反対側(バックライト19側)に位置する第2面30b上に設けられていてもよい。
さらに、別の変形例として、導電性細線45の延在方向(長手方向)に直交する断面において、導電性細線45の観察者側(画像表示パネル12側)の面、観察者側と反対側(バックライト19側)の面、観察者側の面および観察者側と反対側の面を接続する1対の側面、のいずれかの面に、暗色層が設けられていてもよい。暗色層としては、種々の既知の層を用いることができる。導電性金属層50をなす材料の一部分に暗色化処理(黒化処理)を施して、導電性金属層50をなしていた一部分から、金属酸化物や金属硫化物からなる暗色層を形成してもよい。また、暗色材料の塗膜や、ニッケルやクロム等のめっき層等のように、導電性金属層50上に暗色層を設けるようにしてもよい。また、ここで用いる暗色層とは、暗色化(黒化)された層のみでなく、粗化された層も含む。
このような暗色層が設けられた導電性細線45によれば、高い光反射率を有する金属材料からなる導電性細線45の表面で生じる意図しない反射光によって、画像表示パネル12で表示される画像の視認性が低下することを、効果的に抑制することができる。
さらに、別の変形例として、上述した実施の形態では、第1電極41および第2配線48が、それぞれ1本の導電性細線45で形成されるものを示したが、これに限られず、第1電極41、第2配線48は、複数の導電性細線45で形成されてもよい。このような第1電極41および第2配線48によれば、第1電極41、第2配線48をなす複数の導電性細線45のいずれかに亀裂や断線が生じても、他の導電性細線45により導通を確保することができる。また、第1電極41、第2配線48は、さらに複数の導電性細線45間を連結する少なくとも1本の連結導線を有していてもよい。すなわち、第1電極41および第2配線48は、ハシゴ状の形状を有していてもよい。このような第1電極41および第2配線48によれば、複数の導電性細線45に亀裂や断線が生じても、第1電極41および第2配線48が連結導線を有することにより、亀裂や断線の箇所を連結導線で迂回するようにして、導通を確保することができる。したがって、導電性細線45に亀裂や断線が生じても、これにより検出電極40が機能しなくなる事態を回避することができる。
なお、以上において上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。