JP6277808B2 - 固体酸化物形燃料電池スタック、固体酸化物形燃料電池モジュールおよび固体酸化物形燃料電池システム - Google Patents

固体酸化物形燃料電池スタック、固体酸化物形燃料電池モジュールおよび固体酸化物形燃料電池システム Download PDF

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本発明は、固体酸化物形燃料電池スタック、固体酸化物形燃料電池モジュールおよび固体酸化物形燃料電池システムに関する。
固体酸化物形燃料電池スタックの一形式として、特許文献1に示されているものが知られている。特許文献1の図1に示されているように、固体酸化物形燃料電池スタックは、管状の支持体1と、前記支持体外表面に形成された第一の電極2と、該第一の電極外表面に形成された電解質3と、前記電解質外表面に形成された第二の電極4と、一つ以上のインターコネクタ5を備えた固体酸化物型燃料電池であって、第二の電極4及び電解質3は、支持体長手方向に2以上の領域で断続的に形成されており、前記第二の電極4及び電解質3が形成されていない位置にインターコネクタ5が第一の電極2と接し、第二の電極4と接しないように形成されている。これにより、管状セルの長軸方向に流れる電流パスを短くすることが出来、オーム抵抗(燃料電池の内部抵抗)を低減することにより、出力性能に優れた固体酸化物型燃料電池を提供することを可能とした。
また、固体酸化物形燃料電池スタックの他の一形式として、特許文献2に示されているものが知られている。特許文献2の図9に示されているように、固体酸化物形燃料電池スタックにおいては、燃料電池セル体91は、互いに長手方向Aに直列に配置された2本の燃料電池セル92、94と、燃料電池セル92の他方の端部92bと燃料電池セル94の一方の端部94aを連結する接続電極端子96とを有している。接続電極端子96は、導電性の材料で形成され、燃料電池セル92、94と接続電極端子96との間の隙間は、燃料電池セル92の貫通流路15と燃料電池セル94の貫通流路15とを連通させる接続流路104を確保するように、導電性のシール材102でシールされている。
特開2005−135595号公報 特開2008−071712号公報
筒状セルを長手方向に細分化しつつ径方向を拡大して電極面積を増大させ、この筒状セルを複数長手方向に連結して直列接続する要請がある。しかし、上述した特許文献1に記載されている固体酸化物形燃料電池スタックにおいては、長軸方向に流れる電流パスを短くすることが出来、オーム抵抗を低減することにより、出力性能を向上させることはできるものの、筒状セルを接続する接続部材を使用していないため、複数の筒状セルを接続部材で接続するのは、容易に組付できない、コスト高となるといった問題がある。
また、上述した特許文献2に記載されている固体酸化物形燃料電池スタックにおいては、燃料電池セル92、94と接続電極端子96との間の隙間は、導電性のシール材102でシールされている。しかし、温度が変化したときに、燃料電池セル92、94と接続電極端子96との熱膨張の違いによって応力が発生する。この応力差によって導電性シール材に剥離や亀裂が発生し、シール性を確保できなくなるという問題があった。
本発明は、上述した問題を解消するためになされたもので、固体酸化物形燃料電池スタックにおいて、複数の固体酸化物形燃料電池筒状セルを接続部材を介して長手方向に直列接続する構造とするにあたって、容易に組み付け、熱応力に対してシール性を確保し、低コスト化を図ることを目的とする。
上記の課題を解決するため、請求項1に係る固体酸化物形燃料電池スタックの発明は、ベース部材と、長手方向に直列に配設された複数の固体酸化物形燃料電池筒状セルと、隣り合う固体酸化物形燃料電池筒状セル間に配設され電気的に接続する接続部材と、から構成されたセルユニットであって、ベース部材に立設されている一または複数のセルユニットと、から構成されている固体酸化物形燃料電池スタックであって、固体酸化物形燃料電池筒状セルは、筒状に形成され燃料および酸化剤ガスのうちいずれか一方が流通する内側電極層と、内側電極層の外側に積層され燃料および酸化剤ガスのうちいずれか他方が流通する外側電極層と、内側電極層と外側電極層との間に積層された電解質層と、を備え、接続部材は、断面略H字状に金属材で形成され、一方の凹部に形成されて固体酸化物形燃料電池筒状セルの内側電極層が電気的に接続される第一接続部と、他方の凹部に形成されて固体酸化物形燃料電池筒状セルの外側電極層が電気的に接続される第二接続部と、を備え、内側電極層の一端は第一接続部の底面に当接され、内側電極層の一端部の外壁面と第一接続部の内壁面との間は、気体が内部を拡散せずかつ導電性を有するとともにセラミックスを含有する第一導電性セラミック系接着剤からなるシール層によりシールされるとともに電気的に接続され、かつ、外側電極層の一端は第一接続部に電気的に接続されておらず、内側電極層の他端と第二接続部とは電気的に接続されておらず、外側電極層の他端部は、気体が内部を拡散しかつ導電性を有するとともにセラミックスを含有する第二導電性セラミック系接着剤からなるガス拡散層を介して第二接続部と電気的に接続されている。
これによれば、固体酸化物形燃料電池筒状セルの一端側は、凹状に形成されている接続部材の第一接続部に嵌め合わせることにより、第一接続部に対して長手方向および径方向に位置決め固定が可能となる。固体酸化物形燃料電池筒状セルの他端側も、凹状に形成されている接続部材の第二接続部に嵌め合わせることにより、第二接続部に対して長手方向および径方向に位置決め固定が可能となる。よって、複数の固体酸化物形燃料電池筒状セルを複数の接続部材によって直列接続して形成される固体酸化物形燃料電池筒状セルユニットは、容易に組み付けることが可能となる。また、接続部材は、断面略H字状に形成されており、構造が簡易となるため、コストを低減しつつ、組付性を容易にすることができる。
さらに、内側電極層の一端部と第一接続部との間に形成されているシール接合部は、セラミックスを成分とする第一導電性セラミック系接着剤が固化して形成されているので、固体酸化物形燃料電池筒状セルと熱膨張率は同程度ある。よって、温度が変化しても、固体酸化物形燃料電池筒状セルとシール接合部との間では熱応力差の発生を抑制し、熱応力差による損傷を抑制することができ、ひいては高いシール性を確保することができる。また、外側電極層の他端部と第二接続部との間に形成されているシール接合部は、セラミックスを成分とする第二導電性セラミック系接着剤が固化して形成されているので、固体酸化物形燃料電池筒状セルと熱膨張率は同程度ある。よって、温度が変化しても、固体酸化物形燃料電池筒状セルとシール接合部との間では熱応力差の発生を抑制し、熱応力差による損傷を抑制することができ、ひいては高いシール性を確保することができる。
したがって、固体酸化物形燃料電池スタックにおいて、複数の固体酸化物形燃料電池筒状セルを接続部材を介して長手方向に直列接続する構造とするにあたって、容易に組み付け、熱応力に対してシール性を確保し、低コスト化を図ることができる。
また請求項2に係る発明は、請求項1において、ガス拡散層は、外側電極層と第二接続部とが重なっている部分の外側電極層と第二接続部との間に少なくとも形成されている。
これによれば、外側電極層と第二接続部とが重なっている部分にも、気体がガス拡散層を通して流通するため、外側電極層の第二接続部と重なっている部分も電極として使用可能となる。したがって、外側電極層の電極面積を最大限利用することができ、発電効率を向上させることができる。
また請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2において、内側電極層の他端が電解質層と同じ材質で製膜されている。
これによれば、固体酸化物形燃料電池筒状セルの他端側において、内側電極層内を流通する気体(燃料または酸化剤ガス)が、内側電極層と接続部材(第二接続部)との間を通って外側電極層側に漏れ出すガスリークを抑制することができる。さらに、内側電極層の他端に成膜された絶縁部は、内側電極層と接続部材(第二接続部)とを電気的に絶縁する。
また請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか一項において、固体酸化物形燃料電池筒状セルの他端と第二接続部との間は、絶縁性シール材でシールされている。
これによれば、固体酸化物形燃料電池筒状セルの他端側において、内側電極層内を流通する気体(燃料または酸化剤ガス)が、内側電極層と接続部材(第二接続部)との間を通って外側電極層側に漏れ出すガスリークをより確実に抑制することができる。さらに、絶縁性シール材は、内側電極層と第二接続部とをより確実に電気的に絶縁する。
また請求項5に係る固体酸化物形燃料電池モジュールの発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の固体酸化物形燃料電池スタックと、固体酸化物形燃料電池スタックの燃焼ガスにより加熱され、供給された改質水を蒸発させて水蒸気を生成するとともに供給された改質用燃料を予熱する蒸発部と、蒸発部から供給された水蒸気と改質用燃料の混合ガスとから燃料である改質ガスを生成する改質部と、を備えている。
これによれば、固体酸化物形燃料電池モジュールにおいて、上述した請求項1〜請求項4に記載の固体酸化物形燃料電池スタックに係る作用・効果を得ることができる。
また請求項6に係る固体酸化物形燃料電池システムの発明は、発電ユニットと、貯湯水を貯湯する貯湯槽と、を備えている固体酸化物形燃料電池システムであって、発電ユニットは、請求項5に記載の固体酸化物形燃料電池モジュールと、固体酸化物形燃料電池モジュールから排気される燃焼排ガスと貯湯槽から供給される貯湯水との間で熱交換を行い、燃焼排ガスを凝縮して凝縮水を排出する熱交換器と、熱交換器から排出される凝縮水を純水化する水タンクと、補機を駆動して固体酸化物形燃料電池システムの運転を制御する制御装置と、少なくとも固体酸化物形燃料電池モジュールから出力される直流電力を交流電力に変換して交流の系統電源に接続されている電源ラインに出力する電力変換装置と、を備えている。
これによれば、固体酸化物形燃料電池システムにおいて、上述した請求項1〜請求項4に記載の固体酸化物形燃料電池スタックに係る作用・効果を得ることができる。
本発明による固体酸化物形燃料電池システムの一実施形態の概要を示す概要図である。 図1に示す固体酸化物形燃料電池モジュールを固体酸化物形燃料電池円筒セルの長手方向に沿った方向に切断した切断部端面図である。 図2に示すセルユニットを示す長手方向に沿った断面図である。 図3に示すセルユニットの長手方向に沿った部分拡大断面図である。
以下、本発明による固体酸化物形燃料電池システムの一実施形態について説明する。図1に示すように、固体酸化物形燃料電池システムは、発電ユニット10および貯湯槽21を備えている。発電ユニット10は、固体酸化物形燃料電池モジュール11、熱交換器12、インバータ装置13、水タンク14、および制御装置15を備えている。
固体酸化物形燃料電池モジュール11は、後述するように固体酸化物形燃料電池スタック30を少なくとも含んで構成されるものである。固体酸化物形燃料電池モジュール11は、改質用原料、改質水およびカソードエアが供給されている。具体的には、固体酸化物形燃料電池モジュール11は、一端が供給源Gsに接続されて改質用原料が供給される改質用原料供給管11aの他端が接続されている。改質用原料供給管11aは、原料ポンプ11a1が設けられている。さらに、固体酸化物形燃料電池モジュール11は、一端が水タンク14に接続されて改質水が供給される水供給管11bの他端が接続されている。水供給管11bは、改質水ポンプ11b1が設けられている。さらに、固体酸化物形燃料電池モジュール11は、一端がカソードエアブロワ11c1に接続されてカソードエアが供給されるカソードエア供給管11cの他端が接続されている。
熱交換器12は、固体酸化物形燃料電池モジュール11から排気される燃焼排ガスが供給されるとともに貯湯槽21からの貯湯水が供給され、燃焼排ガスと貯湯水とが熱交換する熱交換器である。具体的には、貯湯槽21は、貯湯水を貯湯するものであり、貯湯水が循環する(図にて矢印の方向に循環する)貯湯水循環ライン22が接続されている。貯湯水循環ライン22上には、下端から上端に向かって順番に貯湯水循環ポンプ22aおよび熱交換器12が配設されている。熱交換器12は、固体酸化物形燃料電池モジュール11からの排気管11dが接続(貫設)されている。熱交換器12は、水タンク14に接続されている凝縮水供給管12aが接続されている。
熱交換器12において、固体酸化物形燃料電池モジュール11からの燃焼排ガスは、排気管11dを通って熱交換器12内に導入され、貯湯水との間で熱交換が行われ凝縮されるとともに冷却される。凝縮後の燃焼排ガスは排気管11dを通って外部に排出される。また、凝縮された凝縮水は、凝縮水供給管12aを通って水タンク14に供給される。なお、水タンク14は、凝縮水をイオン交換樹脂によって純水化するようになっている。
上述した熱交換器12、貯湯槽21および貯湯水循環ライン22から、排熱回収システム20が構成されている。排熱回収システム20は、固体酸化物形燃料電池モジュール11の排熱を貯湯水に回収して蓄える。
さらに、インバータ装置13(電力変換装置に相当する)は、固体酸化物形燃料電池スタック30から出力される直流電圧を入力し所定の交流電圧に変換して、交流の系統電源16aおよび外部電力負荷16c(例えば電化製品)に接続されている電源ライン16bに出力する。また、インバータ装置13は、系統電源16aからの交流電圧を電源ライン16bを介して入力し所定の直流電圧に変換して補機(各ポンプ、ブロワなど)や制御装置15に出力する。なお、制御装置15は、補機を駆動して固体酸化物形燃料電池システムの運転を制御する。
固体酸化物形燃料電池モジュール11は、図2に示すように、固体酸化物形燃料電池スタック30、蒸発部40、および改質部50を備えている。固体酸化物形燃料電池スタック30は、ベース部材31、断熱部材32、セルユニット33、接続部材34、カバー35、アノードガスマニホールド36、およびカソードガスマニホールド37を備えている。
ベース部材31は、金属材(例えば、フェライト系ステンレス鋼、オーステナイト系ステンレス鋼、クロム−鉄−イットリア合金などが用いられるが、特にフェライト系ステンレス鋼が好適である。)で方形状の板状に形成されている。ベース部材31の上面には、断熱部材32が設けられている。断熱部材32は、後述する燃焼部60側である他端側と一端側とを断熱する。さらに断熱部材32は、ベース部材31と、セルユニット33および接続部材34とを絶縁する。断熱部材32は、絶縁性、断熱性および柔軟性(弾性)を有する材料(例えば、シリカを主成分とし炭化ケイ素やアルミナなどを副成分とする材料、またはアルミナ、マグネシア、シリカあるいはそれらの混合材料を原料としたセラミック)で方形状の板状に形成されている。断熱部材32は、ベース部材31側の温度が所定温度以下となるように、厚みおよび材料が決定されている。所定温度は、シール部材31bの耐熱温度以下であることが望ましい。本実施形態では、シール部材31bはシリコーン系のシール材料であり、その耐熱温度は例えば200℃である。
断熱部材32は、ベース部材31の中央部、すなわちセルユニット33の立設範囲に配置されている。この立設範囲に複数の貫通穴(図示省略)が形成されている。断熱部材32は柔軟性を有しているため、貫通穴をセルユニット33より若干小径としても、セルユニット33を貫通穴に圧入することが可能となる。
断熱部材32は、ベース部材31の上面に当接して設置されている。断熱部材32の上面には、接続部材34の少なくとも一部が当接して設置されている。断熱部材32は、接続部材34の高さ方向(セルユニット33の長手方向に沿った方向)の位置決め用治具として使用されている。
セルユニット33は、長手方向に直列に配設された複数(本実施形態では5個)の固体酸化物形燃料電池円筒セル71(固体酸化物形燃料電池筒状セルに相当)と、長手方向に沿って隣り合う固体酸化物形燃料電池円筒セル71間に配設され電気的に接続する複数(本実施形態では6個)のセル用接続部材72(特許請求の範囲に記載の接続部材に相当)と、から構成されたセルユニットである。一または複数のセルユニット33は、ベース部材31に立設されている。本実施形態では、3本のセルユニット33がベース部材31に立設されている。
固体酸化物形燃料電池円筒セル71は、円筒状に形成されたセルである。固体酸化物形燃料電池円筒セル71は、基本的には、径方向に内側から順番に積層された燃料極層71a、電解質層71b、反応防止層(図示省略)および空気極層71cから構成されている。反応防止層は、例えば、GDC(ガドリニウムドープセリア)、YDC(イットリアドープセリア)、SDC(サマリウムドープセリア)等の希土類をドープしたセリア混合体を用いている。燃料極層71aは、筒状に形成され燃料および酸化剤ガスのうちいずれか一方が一端側(下端側)から他端側(上端側)に向けて流通する内側電極層である。空気極層71cは、燃料極層71aの外側に積層され燃料および酸化剤ガスのうちいずれか他方が一端側から他端側に向けて流通する外側電極層である。
燃料極層71aは、例えば、NiやFeなどの触媒金属とY、Sc、Ceなどの希土類元素から選ばれる少なくとも1種をドープした安定化ジルコニアとの混合体、NiやFeなどの触媒金属とGdやY、Smなどの希土類元素から少なくとも1種をドープしたセリアとの混合体、NiやFeなどの触媒金属とSr、Mg、Co、Fe、Cuから選ばれる少なくとも1種をドープしたランタンガレートとの混合体の少なくとも1種から形成されている。
電解質層71bは、例えばY、Sc、Ceなどの希土類元素から選ばれる少なくとも1種をドープした安定化ジルコニア、GdやY、Smなどの希土類元素から少なくとも1種をドープしたセリア、NiとSr、Mg、Co、Fe、Cuから選ばれる少なくとも1種をドープしたランタンガレートの少なくとも1種から形成される。
空気極層71cは、例えば、Sr、Caから選ばれた少なくとも1種をドープしたランタンマンガナイト、Sr、Co、Ni、Cuから選ばれた少なくとも1種をドープしたランタンフェライト、Sr、Fe、Ni、Cuから選ばれた少なくとも1種をドープしたランタンコバルタイト、Sr、Feから選ばれた少なくとも1種をドープしたバリウムコバルタイト、銀、銀−パラジウム合金、白金などの少なくとも1種から形成される。
固体酸化物形燃料電池円筒セル71の形成方法は、特に限定されないが、例えば、押し出し、プレス、鋳込み等の方法で内側電極層を形成し、逐次、電解質および外側電極層を印刷、ディッピング、スラリーコート等の方法で製膜することによって形成することができる。
なお、固体酸化物形燃料電池円筒セル71は、長手方向の長さ(高さ)より径方向の長さ(直径)が大きく設定されている。燃料極層71aの表面積(電極面積)は、固体酸化物形燃料電池円筒セル71単体の起電力が所定値(例えば、1V程度)となるように設定されている。これにより、固体酸化物形燃料電池円筒セル71を長手方向に細分化しつつ径方向を拡大して電極面積を増大させ、この固体酸化物形燃料電池円筒セル71を複数長手方向に連結して直列接続することができる。その結果、固体酸化物形燃料電池スタック30においては、長手方向に流れる電流パスを短くすることが出来、オーム抵抗を低減することにより、出力性能を向上させることができる。
固体酸化物形燃料電池円筒セル71は、燃料極層71aの一方の端部(図3にて上端部)は露出するとともに、燃料極層71aの他方の端部(図3にて下端部)は空気極層71c(外側電極層に相当する)により覆われるように形成されている。燃料極層71aの上端部の露出部に燃料極層被接続部71a1(内側電極層被接続部)が形成されるとともに、空気極層71cの下端部に空気極層被接続部71c1(外側電極層被接続部)が形成されている。燃料極層被接続部71a1の部位には、電解質層71bおよび空気極層71cは形成されておらず、燃料極層71aのみが設けられている。空気極層被接続部71c1の部位には、燃料極層71a、電解質層71bおよび空気極層71cが形成されている。
さらに、固体酸化物形燃料電池円筒セル71は、燃料極層71aの他端(本実施形態では下端)が電解質層71bと同じ材質で製膜されており、絶縁部71b1が形成されている。絶縁部71b1は、燃料極層71aと第二接続部72bとを絶縁する。絶縁部71b1は、燃料極層71aの他端部の内壁面にも形成するようにしてもよい。
本実施形態では、固体酸化物形燃料電池円筒セル71は円筒形に形成されているが、筒状であれば、断面方形に形成するようにしてもよい。
セル用接続部材72は、断面略H字状に、フェライト系ステンレス、ランタンクロマイトなどで形成されている。セル用接続部材72は、第一接続部72aと第二接続部72bとを備えている。第一接続部72aは、筒状に形成された筒状部72a1と、環状の板状に形成され、筒状部72a1の一方の開口端に接続された底板部72a2とから構成されている。第二接続部72bは、筒状に形成された筒状部72b1と、環状の板状に形成され、筒状部72b1の一方の開口端に接続された底板部72b2(底板部72a2と共用)とから構成されている。底板部72a2は、貫通穴72cを備えている。
第一接続部72aは、セル用接続部材72の一方の凹部(本実施形態では下側の凹部)に形成されている。第一接続部72aは、固体酸化物形燃料電池円筒セル71の燃料極層71aが電気的に接続されている。第一接続部72aの内径(内形寸法)は、固体酸化物形燃料電池円筒セル71の燃料極層71aの外径(外形寸法)より大形に形成されている。第二接続部72bは、セル用接続部材72の他方の凹部(本実施形態では上側の凹部)に形成されている。第二接続部72bは、固体酸化物形燃料電池円筒セル71の空気極層71cが電気的に接続されている。第二接続部72bの内径(内形寸法)は、固体酸化物形燃料電池円筒セル71の空気極層71cの外径(外形寸法)より大形に形成されている。
燃料極層71aの一端(上端)は、セル用接続部材72の第一接続部72aの底面に当接されている。燃料極層71aの一端部の外壁面と第一接続部72aの内壁面(すなわち筒状部72a1の内壁面)との間は、筒状(円筒状)のシール層73が形成されている。シール層73は、燃料極層71aの一端部の外壁面すなわち露出部である燃料極層被接続部71a1の全面を覆っている。シール層73は、気体が内部を拡散せず(緻密体である)、かつ導電性を有する。シール層73は、電解質層71bと同程度に緻密である。シール層73は、第一導電性セラミック系接着剤が焼成されて形成される。第一導電性セラミック系接着剤は、セラミックス(本実施形態ではランタンクロマイト系(LaCrO))を主成分とする接着剤であり、Ag、Pdを含んでいる。第一導電性セラミック系接着剤は、焼成温度は850℃である。シール層73は、燃料極層71aの一端部の外壁面と第一接続部72aの内壁面(すなわち筒状部72a1の内壁面)とを、シールするとともに電気的に接続する。シール層73は、電解質層71bと連続するのが望ましい。
空気極層71cの一端は、第一接続部72aに電気的に接続されていない。
燃料極層71aの他端(下端)とセル用接続部材72の第二接続部72bとは電気的に接続されていない。
空気極層71cの他端部は、筒状(円筒状)のガス拡散層74を介して第二接続部72bと電気的に接続されている。ガス拡散層74は、空気極層71cの長手方向の全長に亘って空気極層71cを覆って形成されている。ガス拡散層74は、空気極層71cと第二接続部72bとが重なっている部分の空気極層71cと第二接続部72bとの間に少なくとも形成されている。ガス拡散層74は、気体が内部を拡散し(多孔体である)かつ導電性を有する。ガス拡散層74は、第二導電性セラミック系接着剤が焼成されて形成される。第二導電性セラミック系接着剤は、セラミックス(本実施形態ではランタンクロマイト系(LaCrO))を主成分とする接着剤であり、Ptを含んでいる。第二導電性セラミック系接着剤は、焼成温度は850℃である。これより高い温度(例えば、900℃)で焼成すると、ガス拡散層74は、多孔体ではなく緻密体となる。
固体酸化物形燃料電池円筒セル71の他端とセル用接続部材72の第二接続部72bとの間は、環状の絶縁性シール材75により電気的に絶縁されるとともにシールされている。絶縁性シール材75は、第二接続部72b内底に底板部72b2に当接して配置されている。絶縁性シール材75は、ガラス材である。
なお、セル用接続部材72の第一接続部72aの底面および内壁面と、燃料極層71aの一端面およびシール層73との間は、図4に示すように、第一導電性セラミック系接着剤と同様の接着剤78aにより接合されている。また、セル用接続部材72の第二接続部72bの内壁面とガス拡散層74との間は、第二導電性セラミック系接着剤と同様の接着剤78bにより接合されている。
図3に示すように、最上部のセル用接続部材72は、第一キャップ76が接続されている。第一キャップ76は、ベース部材と同様に、金属材(例えば、フェライト系ステンレス鋼)で形成されている。第一キャップ76は、第一本体部76aと第一連通口部76bとを備えている。第一本体部76aは、セル用接続部材72の第二接続部72bの底板部72b2に当接する板状に形成されている。第一連通口部76bは、第一本体部76aに設けられて燃料極層71a内に形成された流路に連通する。第一連通口部76bは、筒状に形成され第一本体部76aから燃料極層71aと反対側(上方)に向けて立設されている。
最下部のセル用接続部材72には、第二キャップ77が接続されている。第二キャップ77は、ベース部材と同様に、金属材(例えば、フェライト系ステンレス鋼)で形成されている。第二キャップ77は、第二本体部77aと第二連通口部77bとを備えている。第二本体部77aは、セル用接続部材72の第一接続部72aの底板部72a2に当接する板状に形成されている。第二連通口部77bは、第二本体部77aに設けられて燃料極層71a内に形成された流路に連通する。第二連通口部77bは、筒状に形成され第二本体部77aから燃料極層71aと反対側(下方)に向けて立設されている。
なお、第一および第二キャップ76,77は、セル用接続部材72に被せるような形状としてもよい。この場合、各本体部は有底筒状に形成すればよい。
セルユニット33の製造方法について、説明する。
1)上述した固体酸化物形燃料電池円筒セル71を製造する。
2)固体酸化物形燃料電池円筒セル71に、シール層73およびガス拡散層74を形成する。
3)セル用接続部材72の第二接続部72b内の底面に絶縁性シール材75を設置する。
4)セル用接続部材72の第一接続部72aの底面および内壁面に、接着剤78aを塗布する。セル用接続部材72の第二接続部72bの内壁面に、接着剤78bを塗布する。
5)セル用接続部材72の第二接続部72b内に固体酸化物形燃料電池円筒セル71の他端側(下端側)を嵌める。その固体酸化物形燃料電池円筒セル71の一端側(上端側)に別のセル用接続部材72の第一接続部72aを嵌める。このようにして、固体酸化物形燃料電池円筒セル71およびセル用接続部材72を積み上げる。
6)固体酸化物形燃料電池円筒セル71およびセル用接続部材72を積み上げた状態で焼成する。
7)最上部のセル用接続部材72に第一キャップ76を導電性接着材により接合し、最下部のセル用接続部材72に第二キャップ77を導電性接着材により接合する。
図2に示すように、複数のセルユニット33は、ベース部材31および断熱部材32を貫通して立設されている。断熱部材32には、第二キャップ77の第二連通口部77b(または第一キャップ76の第一連通口部76b)の外径より若干小径の貫通穴(図示省略)が複数形成されている。各第二キャップ77の第二連通口部77b(または第一キャップ76の第一連通口部76b)は対応する貫通穴に圧入されており、各第二連通口部77bの外周壁面は、貫通穴の内周面に密着している。ベース部材31には、第二連通口部77b(または第一連通口部76b)の外径より若干大径の貫通穴(図示省略)が複数形成されている。各第二連通口部77b(または第一連通口部76b)は対応する貫通穴に挿入されている。ベース部材31の貫通穴と各第二連通口部77b(または第一連通口部76b)との間は、シール部材31bでシールされている。シール部材31bは、シリコーン系のシール材で形成されている。
電気的に互いに隣り合うセルユニット33は、長手方向の取り付け向きが逆となるようにベース部材31に配設されている。
電気的に隣り合う2つのセルユニット33の上端側のセル用接続部材72同士、または下端側のセル用接続部材72同士は、接続部材34によって電気的に接続されている。接続部材34は、金属材(例えば、フェライト系ステンレス鋼)で板状に形成されている。接続部材34は、第二キャップ77の第二連通口部77bおよび第一キャップ76の第一連通口部76bがそれぞれ貫通する貫通穴(図示省略)が形成されている。接続部材34と、第二キャップ77の第二連通口部77bおよび第一キャップ76の第一連通口部76bとは、導電性接着剤により接続されている。導電性接着剤は、例えば、銀、銀−パラジウムなどの導電性ペーストである。
また、一端側(断熱部材32側)に位置する接続部材34の下面全体は、断熱部材32の上面に当接している。また、直列に接続されたセルユニット33の両端の接続部は、バスバー接続部材38aを介してバスバー38bにそれぞれ接続されている。バスバー38bは、例えば、フェライト系ステンレス、ランタンクロマイトなどを用いて形成することができる。
カバー35は、図2に示すように、ベース部材31の上面に取り付けられている。カバー35は、下方に開口する開口部を有する箱状に形成されている。カバー35とベース部材31との間に形成された密閉された空間R1には、セルユニット33の上部、蒸発部40および改質部50が収容されている。カバー35の開口部には、外方に向けて形成されたフランジ35aが形成されており、フランジ35aがベース部材31の上面に当接されて、ベース部材31にネジ35bによりねじ止め固定されている。カバー35の天井部には排気口35cが形成されており、燃焼排ガスが排気口35cを通って排気される。
アノードガスマニホールド36は、ベース部材31の下面に取り付けられている。アノードガスマニホールド36は、上方に開口する開口部を有する箱状に形成されている。アノードガスマニホールド36とベース部材31との間に形成された密閉された空間には、セルユニット33の下部が収容されている。アノードガスマニホールド36には、一端が改質部50に接続されてアノードガスが供給されるアノードガス供給管36cが接続されている。
カソードガスマニホールド37は、空間R1内に設けられている。カソードガスマニホールド37は、断熱部材32より上方に突出しているセルユニット33の下方に配設されている。カソードガスマニホールド37は、断熱部材32の周囲に配設されている。カソードガスマニホールド37の上部には、上方に向けてカソードガスが流出する流出孔(図2にて矢印位置)が複数形成されている。カソードガスマニホールド37には、カソードガスが供給されるカソードガス供給管37aが接続されている。
蒸発部40は、後述する燃焼ガスにより加熱されて、供給された改質水を蒸発させて水蒸気を生成するとともに、供給された改質用原料を予熱するものである。蒸発部40は、このように生成された水蒸気と予熱された改質用原料を混合して改質部50に供給するものである。改質用原料としては天然ガス、LPガスなどの改質用気体燃料、灯油、ガソリン、メタノールなどの改質用液体燃料があり、本実施形態においては天然ガスにて説明する。
蒸発部40には、一端(下端)が水タンク14に接続された水供給管11bの他端が接続されている。また、蒸発部40には、一端が供給源Gsに接続された改質用原料供給管11aが接続されている。供給源Gsは、例えば都市ガスのガス供給管、LPガスのガスボンベである。
改質部50は、上述した燃焼ガスにより加熱されて水蒸気改質反応に必要な熱が供給されることで、蒸発部40から供給された混合ガス(改質用原料、水蒸気)から改質ガスを生成して導出するものである。改質部50内には、触媒(例えば、RuまたはNi系の触媒)が充填されており、混合ガスが触媒によって反応し改質されて水素ガスと一酸化炭素などを含んだガスが生成されている(いわゆる水蒸気改質反応)。改質ガスは、水素、一酸化炭素、二酸化炭素、水蒸気、未改質の天然ガス(メタンガス)、改質に使用されなかった改質水(水蒸気)を含んでいる。このように、改質部50は改質用原料(原燃料)と改質水とから改質ガス(燃料)を生成して固体酸化物形燃料電池スタック30に供給する。なお、水蒸気改質反応は吸熱反応である。
燃焼部60は、各セルユニット33と蒸発部40および改質部50との間に設けられている。燃焼部60は、セルユニット33からのアノードオフガス(燃料オフガス)とセルユニット33からのカソードオフガス(酸化剤オフガス)とが燃焼されて改質部50を加熱する。
上述した実施形態によれば、固体酸化物形燃料電池スタック30は、ベース部材31と、長手方向に直列に配設された複数の固体酸化物形燃料電池円筒セル71(固体酸化物形燃料電池筒状セル)と、隣り合う固体酸化物形燃料電池円筒セル71間に配設され電気的に接続するセル用接続部材72(接続部材)と、から構成されたセルユニットであって、ベース部材31に立設されている一または複数のセルユニット33と、から構成されている固体酸化物形燃料電池スタック30である。固体酸化物形燃料電池円筒セル71は、筒状に形成され燃料が流通する燃料極層71a(内側電極層)と、燃料極層71aの外側に積層され酸化剤ガスが流通する空気極層71c(外側電極層)と、燃料極層71aと空気極層71cとの間に積層された電解質層71bと、を備えている。セル用接続部材72は、断面略H字状に金属材で形成され、一方の凹部に形成されて固体酸化物形燃料電池円筒セル71の燃料極層71aが電気的に接続される第一接続部72aと、他方の凹部に形成されて固体酸化物形燃料電池円筒セル71の空気極層71cが電気的に接続される第二接続部72bと、を備え、燃料極層71aの一端は第一接続部72aの底面に当接されている。燃料極層71aの一端部の外壁面と第一接続部72aの内壁面との間は、気体が内部を拡散せずかつ導電性を有するとともにセラミックスを含有する第一導電性セラミック系接着剤からなるシール層73によりシールされるとともに電気的に接続され、かつ、空気極層71cの一端は第一接続部72aに電気的に接続されておらず、燃料極層71aの他端と第二接続部72bとは電気的に接続されておらず、空気極層71cの他端部は、気体が内部を拡散しかつ導電性を有するとともにセラミックスを含有する第二導電性セラミック系接着剤からなるガス拡散層74を介して第二接続部72bと電気的に接続されている。
これによれば、固体酸化物形燃料電池円筒セル71の一端側(上端側)は、凹状に形成されているセル用接続部材72の第一接続部72aに嵌め合わせることにより、第一接続部72aに対して長手方向および径方向に位置決め固定が可能となる。固体酸化物形燃料電池円筒セル71の他端側(下端側)も、凹状に形成されているセル用接続部材72の第二接続部72bに嵌め合わせることにより、第二接続部72bに対して長手方向および径方向に位置決め固定が可能となる。よって、複数の固体酸化物形燃料電池円筒セル71を複数のセル用接続部材72によって直列接続して形成される固体酸化物形燃料電池円筒セルユニット33は、容易に組み付けることが可能となる。また、セル用接続部材72は、断面略H字状に形成されており、構造が簡易となるため、コストを低減しつつ、組付性を容易にすることができる。
さらに、燃料極層71aの一端部と第一接続部72aとの間に形成されているシール接合部(シール層73および/または接着剤78a)は、セラミックスを成分とする第一導電性セラミック系接着剤が固化して形成されているので、固体酸化物形燃料電池円筒セル71と熱膨張率は同程度ある。よって、温度が変化しても、固体酸化物形燃料電池円筒セル71とシール接合部との間では熱応力差の発生を抑制し、熱応力差による損傷を抑制することができ、ひいては高いシール性を確保することができる。また、空気極層71cの他端部と第二接続部72bとの間に形成されているシール接合部(ガス拡散層74および/または接着剤78b)は、セラミックスを成分とする第二導電性セラミック系接着剤が固化して形成されているので、固体酸化物形燃料電池円筒セル71と熱膨張率は同程度ある。よって、温度が変化しても、固体酸化物形燃料電池円筒セル71とシール接合部との間では熱応力差の発生を抑制し、熱応力差による損傷を抑制することができ、ひいては高いシール性を確保することができる。
したがって、固体酸化物形燃料電池スタック30において、複数の固体酸化物形燃料電池円筒セル71をセル用接続部材72を介して長手方向に直列接続する構造とするにあたって、容易に組み付け、熱応力に対してシール性を確保し、低コスト化を図ることができる。
また、固体酸化物形燃料電池スタック30においては、固体酸化物形燃料電池円筒セル71を長手方向に細分化しつつ径方向を拡大して電極面積を増大させ、この固体酸化物形燃料電池円筒セル71を複数長手方向に連結して直列接続することができる。その結果、固体酸化物形燃料電池スタック30においては、長手方向に流れる電流パスを短くすることが出来、オーム抵抗を低減することにより、出力性能を向上させることができる。
また、ガス拡散層74は、空気極層71cと第二接続部72bとが重なっている部分の空気極層71cと第二接続部72bとの間に少なくとも形成されている。
これによれば、空気極層71cと第二接続部72bとが重なっている部分にも、気体がガス拡散層74を通して流通するため、空気極層71cの第二接続部72bと重なっている部分も電極として使用可能となる。したがって、空気極層71cの電極面積を最大限利用することができ、発電効率を向上させることができる。
また、燃料極層71aの他端が電解質層71bと同じ材質で製膜されている。
これによれば、固体酸化物形燃料電池円筒セル71の他端側において、燃料極層71a内を流通する気体(燃料または酸化剤ガス)が、燃料極層71aとセル用接続部材72(第二接続部72b)との間を通って空気極層71c側に漏れ出すガスリークを抑制することができる。さらに、燃料極層71aの他端に成膜された絶縁部71b1は、燃料極層71aとセル用接続部材72(第二接続部72b)とを電気的に絶縁する。
また、固体酸化物形燃料電池円筒セル71の他端と第二接続部72bとの間は、絶縁性シール材75でシールされている。
これによれば、固体酸化物形燃料電池円筒セル71の他端側において、燃料極層71a内を流通する気体(燃料または酸化剤ガス)が、燃料極層71aとセル用接続部材72(第二接続部72b)との間を通って空気極層71c側に漏れ出すガスリークをより確実に抑制することができる。さらに、絶縁性シール材75は、燃料極層71aと第二接続部72bとをより確実に電気的に絶縁する。
また、固体酸化物形燃料電池モジュール11は、固体酸化物形燃料電池スタック30と、固体酸化物形燃料電池スタック30の燃焼ガスにより加熱され、供給された改質水を蒸発させて水蒸気を生成するとともに供給された改質用燃料を予熱する蒸発部40と、蒸発部40から供給された水蒸気と改質用燃料の混合ガスとから燃料である改質ガスを生成する改質部50と、を備えている。これによれば、固体酸化物形燃料電池モジュール11は、上述した固体酸化物形燃料電池スタック30に係る作用・効果を得ることができる。
また、固体酸化物形燃料電池システムは、発電ユニット10と、貯湯水を貯湯する貯湯槽21と、を備えている固体酸化物形燃料電池システムであって、発電ユニット10は、固体酸化物形燃料電池モジュール11と、固体酸化物形燃料電池モジュール11から排気される燃焼排ガスと貯湯槽21から供給される貯湯水との間で熱交換を行い、燃焼排ガスを凝縮して凝縮水を排出する熱交換器12と、熱交換器12から排出される凝縮水を純水化する水タンク14と、補機を駆動して固体酸化物形燃料電池システムの運転を制御する制御装置15と、少なくとも固体酸化物形燃料電池モジュール11から出力される直流電力を交流電力に変換して交流の系統電源に接続されている電源ラインに出力するインバータ装置13(電力変換装置)と、を備えている。これによれば、固体酸化物形燃料電池システムは、上述した固体酸化物形燃料電池スタック30に係る作用・効果を得ることができる。
なお、上述した実施形態においては、内側電極層を燃料極層71aとし、外側電極層を空気極層71cとしたが、内側電極層を空気(酸化剤ガス)が流通する空気極層71cとし、外側電極層を燃料が流通する燃料極層71aとするようにしてもよい。
10…発電ユニット、11…固体酸化物形燃料電池モジュール、12…熱交換器、13…インバータ装置、14…水タンク、15…制御装置、16a…系統電源、16b…電源ライン、16c…外部電力負荷、20…排熱回収システム、21…貯湯槽、22…貯湯水循環ライン、30…固体酸化物形燃料電池スタック、31…ベース部材、31b…シール部材、32…断熱部材、33…セルユニット(固体酸化物形燃料電池円筒セルユニット)、34…接続部材、35…カバー、36…アノードガスマニホールド、40…蒸発部、50…改質部、60…燃焼部、71…固体酸化物形燃料電池円筒セル(固体酸化物形燃料電池筒状セル)、71a…燃料極層(内側電極層)、71a1…燃料極層被接続部(内側電極層被接続部)、71b…電解質層、71b1…絶縁部、71c…空気極層(外側電極層)、71c1…空気極層被接続部(外側電極層被接続部)、72…セル用接続部材(接続部材)、73…シール層、74…ガス拡散層、75…絶縁性シール材、76…第一キャップ、77…第二キャップ。

Claims (6)

  1. ベース部材と、
    長手方向に直列に配設された複数の固体酸化物形燃料電池筒状セルと、隣り合う前記固体酸化物形燃料電池筒状セル間に配設され電気的に接続する接続部材と、から構成されたセルユニットであって、前記ベース部材に立設されている一または複数のセルユニットと、から構成されている固体酸化物形燃料電池スタックであって、
    前記固体酸化物形燃料電池筒状セルは、筒状に形成され燃料および酸化剤ガスのうちいずれか一方が流通する内側電極層と、前記内側電極層の外側に積層され前記燃料および前記酸化剤ガスのうちいずれか他方が流通する外側電極層と、前記内側電極層と前記外側電極層との間に積層された電解質層と、を備え、
    前記接続部材は、断面略H字状に金属材で形成され、一方の凹部に形成されて前記固体酸化物形燃料電池筒状セルの内側電極層が電気的に接続される第一接続部と、他方の凹部に形成されて前記固体酸化物形燃料電池筒状セルの外側電極層が電気的に接続される第二接続部と、を備え、
    前記内側電極層の一端は前記第一接続部の底面に当接され、前記内側電極層の一端部の外壁面と前記第一接続部の内壁面との間は気体が内部を拡散せずかつ導電性を有するとともにセラミックスを含有する第一導電性セラミック系接着剤からなるシール層によりシールされるとともに電気的に接続され、かつ、前記外側電極層の一端は前記第一接続部に電気的に接続されておらず、
    前記内側電極層の他端と前記第二接続部とは電気的に接続されておらず、前記外側電極層の他端部は、気体が内部を拡散しかつ導電性を有するとともにセラミックスを含有する第二導電性セラミック系接着剤からなるガス拡散層を介して前記第二接続部と電気的に接続されている固体酸化物形燃料電池スタック。
  2. 前記ガス拡散層は、前記外側電極層と前記第二接続部とが重なっている部分の前記外側電極層と前記第二接続部との間に少なくとも形成されている請求項1記載の固体酸化物形燃料電池スタック。
  3. 前記内側電極層の他端が前記電解質層と同じ材質で製膜されている請求項1または請求項2記載の固体酸化物形燃料電池スタック。
  4. 前記固体酸化物形燃料電池筒状セルの他端と前記第二接続部との間は、絶縁性シール材でシールされている請求項1乃至請求項3のいずれか一項記載の固体酸化物形燃料電池スタック。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の固体酸化物形燃料電池スタックと、
    前記固体酸化物形燃料電池スタックの燃焼ガスにより加熱され、供給された改質水を蒸発させて水蒸気を生成するとともに供給された改質用燃料を予熱する蒸発部と、
    前記蒸発部から供給された前記水蒸気と前記改質用燃料の混合ガスとから前記燃料である改質ガスを生成する改質部と、
    を備えている固体酸化物形燃料電池モジュール。
  6. 発電ユニットと、
    貯湯水を貯湯する貯湯槽と、
    を備えている固体酸化物形燃料電池システムであって、
    前記発電ユニットは、
    請求項5に記載の固体酸化物形燃料電池モジュールと、
    前記固体酸化物形燃料電池モジュールから排気される燃焼排ガスと前記貯湯槽から供給される前記貯湯水との間で熱交換を行い、前記燃焼排ガスを凝縮して凝縮水を排出する熱交換器と、
    前記熱交換器から排出される前記凝縮水を純水化する水タンクと、
    補機を駆動して前記固体酸化物形燃料電池システムの運転を制御する制御装置と、
    少なくとも前記固体酸化物形燃料電池モジュールから出力される直流電力を交流電力に変換して交流の系統電源に接続されている電源ラインに出力する電力変換装置と、
    を備えている固体酸化物形燃料電池システム。
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