JP2010238433A - 燃料電池モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料電池スタックを直接加熱することなく、燃料電池スタックを急速起動することが可能であり、且つ燃焼器の設置数を低減することにより、構造が複雑化することのない燃料電池モジュールを提供する。
【解決手段】缶体1の内部に、複数の発電セル9とセパレータ12を交互に積層して構成するとともに、発電セル9に燃料ガスおよび酸化剤ガスを供給することにより発電反応が生じる燃料電池スタック2と、水気化器3と改質器4とを配置してなる燃料電池モジュールにおいて、缶体1内の燃料電池スタック2の下方であって、改質器4および水気化器3の下方に、バーナ5を配置した。
【選択図】図1
【解決手段】缶体1の内部に、複数の発電セル9とセパレータ12を交互に積層して構成するとともに、発電セル9に燃料ガスおよび酸化剤ガスを供給することにより発電反応が生じる燃料電池スタック2と、水気化器3と改質器4とを配置してなる燃料電池モジュールにおいて、缶体1内の燃料電池スタック2の下方であって、改質器4および水気化器3の下方に、バーナ5を配置した。
【選択図】図1
Description
本発明は、缶体内に、発電セルとセパレータからなる単セルを複数積層した燃料電池スタックを配置してなる燃料電池モジュールに関するものであり、特に、急速起動することが可能な燃料電池モジュールに関するものである。
この燃料電池モジュールは、箱形の缶体の内部に燃料電池スタック、改質器、水気化器等を配したものである。
この燃料電池スタックは、固体電解質層の両面に燃料極層(アノード)と空気極層(カソード)を配置してなる発電セルの外側に、各々燃料極集電体と空気極集電体とを配置し、これらの集電体の外側にセパレータを配置して単セルを構成し、該単セルを複数積層したものであり、上記発電セルの上記燃料極層に燃料ガスである水素、上記空気極層に酸化剤ガスである空気を供給する事により発電反応が生じるものである。
ここで、上記発電セルの両側に配された上記セパレータは、発電セルにガスを供給する機能を有するものであり、水素を燃料ガス通路を介して燃料極層へと吐出させる燃料ガス吐出孔と、空気を酸化剤ガス通路を介して空気極層に吐出させる酸化剤ガス吐出孔がそれぞれ設けられている。
また、上記燃料極集電体および空気極集電体は、各々ガス吐出孔から吐出された水素および空気を透過し、燃料極層および空気極層の界面全体に拡散する機能、および集電機能を備えたスポンジ状の多孔質焼結金属板で構成されている。
そして、上記空気極層は、上記固体電解質層の上記空気極層側の界面近傍へと到達した空気に電子を供給して、空気中の酸素を酸化物イオン(O2-)にイオン化する機能を有し、電子伝導性の高い材料により構成されている。
また、上記固体電解質層は、酸化物イオンを上記燃料極層へと拡散移動させる移動媒体であり、酸化物イオン伝導性の高い材料により構成されている。
そして、上記燃料極層は、上記固体電解質層を介して到達した酸化物イオンと、上記固体電解質層の上記燃料極層側の界面近傍へと到達した水素が結合した際に放出される電子を受容する機能を有し、電子伝導性の高い材料により構成されている。
一方、上記水気化器は、上記改質器の改質反応に必要な水蒸気を得るための熱交換機である。
また、上記改質器は、上記燃料電池スタックの発電反応に必要な水素を得るためのものであり、内部に缶体の外部から導入された炭化水素ガスと上記水気化器で生成された上記水蒸気を導入することにより改質反応を行なう炭化水素用改質触媒を充填したものである。
以上の構成からなる燃料電池モジュールは、稼働時において、650℃〜800℃の高温で作動している上記燃料電池スタックからの排熱、および上記燃料電池スタックから排出される排ガス(H2O、CO2)により、上記缶体内部の温度雰囲気が高温に保たれている。
そして、上記水気化器に上記缶体の外部から水を導入することにより、上記燃料電池スタックの排熱および上記缶体内の高温雰囲気を加熱源として水蒸気を生成し、該水蒸気が上記改質器へと導入される。
一方、上記改質器に上記缶体の外部から炭化水素ガスを導入し、上記水気化器から水蒸気を導入して、上記燃料電池スタックの排熱および上記缶体内の高温雰囲気を加熱源として、改質触媒により改質反応が生じ、燃料ガスである水素が生成される。そして、該水素が、上記燃料電池スタックの燃料ガス通路と燃料ガス吐出孔とを順に介して、燃料極層へと導入される。
他方、上記缶体の外部から、酸化剤ガスである空気が上記燃料電池スタックの酸化剤ガス通路と酸化剤ガス吐出孔とを順に介して空気極層へと導入される。
これにより、上記発電セルにて発電反応が生じて、得られた電子を電力として取り出すことができる。
ところで、従来の燃料電池では、常温の停止状態から起動する際に、先ず上記燃料電池スタック(特に発電セル)の作動温度を650℃〜800℃に予熱する必要ある。これは、上記発電セルでの電気化学反応(発電反応)を活性化させる必要があることに起因している。
さらに、上記改質触媒が改質反応を確実に行なうために、上記改質器の作動温度を500℃〜700℃に予熱する必要がある。これは、上記改質器の作動温度が500℃以下である場合、上記改質触媒が改質反応を充分に行なうことができず、炭化水素ガスが発電セルの燃料極層へと供給される。これにより上記燃料極層に炭素が析出し、電池性能が急激に低下する恐れがあり、且つ上記発電セルに炭化水素が導入されると吸熱反応による熱応力で上記発電セルが割れる恐れがあることに起因している。
このため、従来の燃料電池モジュールにおいては、上記缶体内の側面にバーナ等の燃焼器を配置し、常温の停止状態から起動する際に、上記バーナの熱を加熱源として、上記燃料電池スタック、水気化器および改質器を所定温度へと昇温させていた。
しかしながら、従来の昇温方法は、上記バーナの熱により缶体内の全域を上記発電セルが発電反応、上記改質器が改質反応可能である所定温度まで加熱する必要があるために、起動に長時間を要するという問題点があった。
そこで、上記問題点を解決すべく、下記特許文献1においては、缶体内に複数の燃料電池スタックを配置した燃料電池モジュールにおいて、上記燃料電池スタック同士の間にバーナを設置し、起動時に、上記バーナを稼働し上記燃料電池スタックを直接加熱して、発電セルの作動温度を上記発電反応が可能な650℃〜800℃に昇温するものが提案されている。
また、下記特許文献2においては、各々燃料電池スタックの鉛直方向に沿って配した複数の改質器および水気化器のそれぞれに、バーナを上記改質器および水気化器に沿って設置し、燃料電池モジュールの起動時に、上記バーナを稼働し上記改質器および水気化器を加熱して、上記改質器を改質反応可能な作動温度である500℃〜700℃に昇温する。これにより上記改質器において水素が生成され、この水素を上記燃料電池スタックの発電セルに供給して、上記燃料電池スタックの発電セルより放出された水素の剰余ガスを燃焼させることにより、発電セルを発電反応が可能な作動温度である650℃〜800℃に昇温するものが提案されている。
しかしながら、特許文献1の発明にあっては、上記燃料電池スタックは、比較的に短時間で所定の作動温度まで昇温することができるものの、改質器および水気化器は、従来のように、缶体内の温度を所定温度まで加熱し、所定温度へと昇温するために、起動に長時間を要するという問題点があった。
さらに、上記燃料電池スタックの外周部は、直接加熱により短時間で昇温され、上記燃料電池スタックの内部は、外周部からの熱伝導により昇温されるために、外周部と内部とに温度分布が生じ、特に熱応力に対して脆弱な発電セルが破損してしまう可能性があるという問題点があった。
また、上記バーナを長時間使用する必要があるために、バーナ用ガスが多量に必要となり、燃料コストが掛かるという問題点があった。
一方、特許文献2の発明にあっては、上記バーナにより改質器および水気化器を直接加熱することにより、起動時の早期段階で、改質器および水気化器が所定温度へと到達し、作動することが可能であるが、燃料電池スタックを、発電セルより放出された水素を燃料電池スタック近傍で燃焼させることにより、間接的に昇温しているために、同様に起動に長時間要するという問題点があった。
さらに、複数の上記改質器および水気化器のそれぞれに上記バーナを設置するために、燃料電池モジュールの構造が複雑化するという問題点があった。
また、上記バーナを複数配置するに伴い、バーナ用ガスが多量に必要となり、燃料コストが掛かるという問題点があった。
本発明は、従来技術の問題点を解決すべくなされたもので、燃料電池スタック、改質器、水気化器およびバーナをそれぞれ最適位置に配置することにより、急速起動することが可能であり、且つ燃焼器の設置数を低減することにより、構造が複雑化することのない燃料電池モジュールを提供するものである。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の本発明は、缶体の内部に、複数の発電セルとセパレータを交互に積層して構成するとともに、上記発電セルに燃料ガスおよび酸化剤ガスを供給することにより発電反応が生じる燃料電池スタックと、水を導入して水蒸気を生成する水気化器と、炭化水素ガスと上記水蒸気を導入して上記燃料ガスを生成する改質器とを配置してなる燃料電池モジュールにおいて、上記缶体内の燃料電池スタックの底部であって、上記改質器および水気化器の下方に、燃焼器を配置したことを特徴とするものである。
また、請求項2に記載の本発明は、上記燃料電池スタックにおいて、上記発電反応に用いられなかった燃料ガスおよび酸化剤ガスの剰余ガスを、上記発電セルの外周部より燃料電池スタック外へ排出するシールレス構造であり、且つ上記缶体の底部には、該剰余ガスを上記缶体の底部側に流動させる排出口が形成されていることを特徴とするものである。
請求項1に記載の本発明によれば、缶体内の燃料電池スタックの下方であって、改質器および水気化器の下方に、燃焼器を配置しているために、起動時に、上記改質器が燃焼器により直接加熱されて、起動後の早期段階で、上記改質器が改質反応可能な作動温度に到達することが可能となる。これにより、起動後の早期段階で、改質反応が生じて、燃料ガスを生成することが可能となり、該燃焼ガスを燃料電池スタックへと供給することができる。
また、上記燃料電池スタックも上記燃焼器により直接加熱されているために、起動後の早期段階で、上記発電セルが発電反応可能な作動温度に到達し、燃料電池スタックが発電反応を開始することが可能となる。これにより、上記燃料電池スタック自体が、発電反応により発熱して昇温され、結果、燃料電池モジュールを急速起動させることが可能となる。
また、上記燃料電池スタックが発電反応を開始すると、燃料電池スタックから高温の熱が排熱されるために、上記改質器および水気化器は、該熱を吸熱して、所定温度を維持し続けることが可能となる。これにより、起動後の早期段階で燃焼器を停止することができるために、燃焼器を燃焼するための燃料の消費量を低減することができ、燃料コストを低減することが可能である。
さらに、特許文献2のように、上記改質器および水気化器のそれぞれに燃焼器を配置する必要がなくなり、上記燃焼器の設置数を低減することが可能となる。この結果、上記燃料電池モジュールの構造が複雑化することがなくなり、且つ燃焼器の設置数を低減したことにより、上記燃焼器を燃焼するための燃料の消費量を低減することができ、燃料コストを低減することも可能となる。
また、起動後の早期段階で、上記改質器を上記燃焼器によって加熱し、燃料ガスを上記燃料電池スタックに供給するために、上記発電セルの燃料極層側を還元状態に保つことができ、上記発電セルの酸化還元に伴う劣化を防止することが可能である。
一方、請求項2に記載の本発明によれば、燃料電池スタックが、上記発電反応に用いられなかった燃料ガスおよび酸化剤ガスの剰余ガスを、上記発電セルの外周部より燃料電池スタック外へ排出するシールレス構造であるために、起動時の早期段階において、上記改質器より供給された燃料ガスが発電セルの外周部へと放出され、上記燃料電池スタック近傍で速やかに燃焼する。これにより、上記燃料電池スタック全体の作動温度を上昇させることが可能となり、結果、燃料電池モジュールを、より短時間で急速起動することが可能となる。
ところで、起動後の早期段階において、発電セルの外周部から放出された燃料ガスは、上記燃料電池スタック近傍で燃焼するが、他方の酸化剤ガスは、燃料ガスの燃焼により生じた水蒸気と共に上記缶体内に排ガスとして放出され、燃料ガスの燃焼熱により加熱される。
ここで、従来の燃料電池モジュールにおいては、上記缶体の天板部に上記排ガスを排出する排出口を設けているために、加熱された排ガスが、自然対流により上昇して、そのまま排出口へと排出されていた。このため、缶体の底部側に加熱された上記排ガスが到達し難く、上記缶体の底部側の温度雰囲気が天板部側に比べて低くなる傾向にあり、それに伴い、燃料電池スタックの最下部側の温度も最上部側に比べて低くなり、燃料電池スタックの最下部側を昇温するのに、時間を要するという問題点があった。
これに対し、本発明によれば、上記缶体の底部に、該剰余ガスを上記缶体の底部側に流動させる排出口を形成しているために、加熱された上記排ガスが、上記缶体の天板部側に流動し、その後、缶体の底部側に流動する。この結果、缶体全体の温度を均一に昇温することができ、それに伴い、燃料電池スタック全体の温度も均一に、より短時間で昇温することが可能となる。
以下、図1〜図2に基づいて本発明の実施形態を説明する。
まず、図1に示すように、本発明の燃料電池モジュールは、箱形の内缶体と、この内缶体を、断熱材を介して覆う外缶体とで構成された缶体1の内部に、燃料電池スタック2を配し、該燃料電池スタック2の底部に改質器4と水気化器3とを順に配し、水気化器3の底部にバーナ(燃焼器)5を配したものである。
まず、図1に示すように、本発明の燃料電池モジュールは、箱形の内缶体と、この内缶体を、断熱材を介して覆う外缶体とで構成された缶体1の内部に、燃料電池スタック2を配し、該燃料電池スタック2の底部に改質器4と水気化器3とを順に配し、水気化器3の底部にバーナ(燃焼器)5を配したものである。
この燃料電池スタック2は、図2に示すように、固体電解質層6の両面に燃料極層(アノード)7と空気極層(カソード)8を配置してなる発電セル9の外側に、各々燃料極集電体10と空気極集電体11を配置し、これらの集電体10、11の外側にセパレータ12を配置した単セル13を縦方向に複数積層したものである。
そして、燃料電池スタック2の発電セル9は、外周部にガス漏れ防止シールを設けないシールレス構造に形成されている。
ここで、固体電解質層6は、酸化物イオンの移動媒体であると同時に、燃料ガスと空気を直接接触させないための隔壁としても機能するので、ガス不透過性の緻密な構造となっている。この固体電解質層6は、酸化物イオン伝導性が高く、空気極層8側の酸化性雰囲気から燃料極層7側の還元性雰囲気までの条件下において化学的に安定で、熱衝撃に強い材料から構成する必要があり、かかる要件を満たす材料として、イットリアを添加した安定化ジルコニア(YSZ)で構成されている。
また、電極である燃料極層7と空気極層8は、いずれも電子伝導性の高い材料から構成する必要がある。このため、この燃料極層7の材料は、Ni、Coなどの金属、或いはNi−YSZ、Co−YSZなどのサーメット等で構成され、また、空気極層8の材料は、700℃前後の高温の酸化性雰囲気中で化学的に安定でなければならないため、金属は不適当であり、電子伝導性を持つLaMnO3もしくはLaCoO3、または、これらのLaの一部をSr、Ca等に置換した固溶体(LSM、LSC,SSC等)で構成されている。
さらに、燃料極集電体10は、ニッケル基合金等のスポンジ状の多孔質焼結金属板で構成され、空気極集電体11は、銀基合金等の同じくスポンジ状の多孔質焼結金属板で構成されている。スポンジ状多孔質焼結金属板は、集電機能、ガス透過機能、均一ガス拡散機能、クッション機能、熱膨脹差吸収機能等を兼ね備えるので、多機能の集電体材料として適している。
一方、セパレータ12は、ステンレス等の金属材料により構成されている。なお、700℃以上の低温、中温作動において、殆ど電気抵抗が増加せず、良好な伝導性を維持する銀めっきを成膜したセパレータ12を使用することが好ましい。
また、セパレータ12は、発電セル9間が電気接続されると共に、この発電セル9に対してガスを供給する機能を有するもので、燃料ガスである水素をセパレータ12の外周部から導入して燃料ガス通路14を介してセパレータ12の燃料極層7に対向する面から吐出させる燃料ガス吐出孔15と、酸化剤ガスである空気をセパレータ12の外周部から導入して酸化剤ガス通路16を介してセパレータ12の空気極層8に対向する面から吐出させる酸化剤ガス吐出孔17とをそれぞれ有している。
さらに、セパレータ12の一対角線上の角部には、一方に燃料電池スタック2の内部を縦方向に延びるとともに燃料ガス通路14に連結している燃料ガスマニホールド18が、他方に燃料電池スタック2の内部を縦方向に延びるとともに酸化剤ガス通路16に連結している酸化剤ガスマニホールド19が形成されている。
また、燃料ガスマニホールド18には、改質器4から水素が供給される燃料ガス供給管21が配設されており、酸化剤ガスマニホールド19には、缶体1の外部から空気が供給される酸化剤ガス供給管16が配設されている。
そして、発電セル9とセパレータ12からなる単セル13を複数積層し、積層方向の最上部側にフランジ、最下部側にフランジを配して、ボルトで締め付けることにより燃料電池スタック2が構成されている。
一方、改質器4内には、炭化水素用のNi(ニッケル)系、或いはRu(ルテニウム)系の改質触媒が充填されている。また、改質器4には、缶体1の外部から炭化水素ガスが供される炭化水素ガス供給管20が配設されている。
他方、水気化器3は、改質器4の改質反応に必要な高温水蒸気を得るための熱交換機であり、缶体1外部から水が供給される水供給管22および水蒸気を改質器4に供給する水蒸気供給管23が配設されている。
そして、バーナ5には、缶体1外部からバーナ用ガスが供給されるガス供給管24が配設されている。
さらに、缶体1の底板部には、缶体1内の排ガスを排出するための排気口25が設けられている。
以上の構成からなる燃料電池モジュールにおいては、起動時に、ガス供給管24よりバーナ5にバーナ用ガスを供給してバーナ5を作動し、炭化水素ガス供給管20に炭化水素ガス(例えば、都市ガス)を、水供給管22に水を、酸化剤ガス供給管16に空気をそれぞれ供給する。
すると、水気化器3は、バーナ5からの熱により直接加熱され、水供給管22から供給された水を水蒸気へと気化させることが可能な作動温度に昇温することが可能となり、起動後の早期段階で、改質器4の改質反応に必要な水蒸気を得ることが可能となる。
次いで、水気化器3により得られた水蒸気が、炭化水素ガス供給管20と水蒸気供給管23とが連結している部分において、炭化水素ガスと合流・混合され、この混合ガスが改質器4へと供給される。
ここで、改質器4も、バーナ5からの熱が水気化器3の外周部を介して改質器4近傍まで到達し、直接加熱されて、僅か数分で改質可能な作動温度である500℃〜700℃に昇温することが可能となり、起動後の早期段階で、上記混合ガスが改質触媒の作用により改質し、発電セル9の発電反応に必要な水素を得ることが可能となる。
そして、この水素が、燃料ガス供給管21から燃料ガスマニホールド18へと供給され、各単セル13のセパレータ12の燃料ガス通路14へと供給される。
また、起動時に酸化剤ガス供給管26から酸化剤ガスマニホールド19へと供給された空気は、各単セル13のセパレータ12の酸化剤ガス通路16へと供給される。
この各々ガス通路14、16へとそれぞれ供給された水素および空気は、図3に示すように、セパレータ12の略中心部にある燃料ガス吐出孔15および酸化剤ガス吐出孔17から発電セル9に向けて吐出され、各集電体10、11を介すことにより、発電セル9の外周方向に拡散されながら燃料極層7および空気極層8の全面に良好な分布で行き渡る。
この際、起動後の早期段階で、改質器4が水素を生成し、該水素を発電セル9の燃料極層7へと供給するために、燃料極層7側を還元状態に保つことが可能となる。この結果、発電セル9の酸化還元に伴う劣化を防止することが可能となり、且つ従来、酸化還元を抑制するために使用していた窒素を使用する必要が無くなるために、窒素供給手段を省略することができ、窒素の消費コストを削減できる。
次いで、起動後の早期段階においては、燃料電池スタック2の発電セル9が発電反応を行なうことが可能な作動温度に到達しておらず、且つ、発電セル9が外周部にガス漏れ防止シールを設けないシールレス構造であることから、発電セル9へと供給された水素および空気の剰余ガスが燃料電池スタック2外へと放出される。
特に、この燃料電池スタック2外へと放出された水素は、バーナ5からの熱が改質器4および水気化器3の外周部を介して燃料電池スタック2近傍まで到達していることから、速やかに着火・燃焼される。これにより、燃料電池スタック2を加熱・昇温することが可能である。
また、燃料電池スタック2は、水素の燃焼により昇温されるとともに、起動後の早期段階において、バーナ5からの熱により直接加熱されており、急速に所定の作動温度に昇温される。これにより、発電セル9が発電反応を開始し、燃料電池スタック2自体が発熱して昇温される。この結果、燃料電池モジュールを急速起動させることが可能となる。
さらに、燃料電池スタック2が発電反応を行なうと、燃料電池スタック2から高温の熱が排熱されるために、改質器4および水気化器3は、該熱を吸熱して、所定温度を維持し続けることが可能となる。これにより、起動後の早期段階でバーナ5を停止することができるために、バーナ5を燃焼するためのバーナ用ガスの消費量を低減することができ、燃料コストを低減することが可能である。
そして、燃料電池スタック2外へと放出された空気は、水素の燃焼により生じた水蒸気と共に排ガスとして缶体1内に放出され、水素の燃焼熱により加熱される。
この際、この加熱された排ガスは、排出口24が缶体1の底部に設けられていることから、缶体1の天板部側に流動し、その後、缶体1の底部側に流動する。この結果、缶体1全体の温度を均一に昇温することが可能となり、それに伴い、燃料電池スタック2全体を均一に、より短時間で昇温することが可能となる。
その後、これらの動作により急速起動した燃料電池モジュールは、燃料電池スタック2の発電セル9の発電反応により、所定の電力が得られる。
なお、本実施形態の燃料電池モジュールは、缶体1内において、一組の燃料電池スタック2の底部に改質器4と水気化器3とを順に配置し、水気化器3の底部にバーナ5を配置したが、図4に示すように、一組の燃料電池スタック2の底部に水気化器3と改質器4を並列に配置して、水気化器3と改質器4との配置の中心に位置する底部にバーナ5を配置しても対応可能である。
さらに、図5に示すように、一組の燃料電池スタック2の底部に、ドーナツ状の水気化器3と改質器4とを順に配置し、水気化器4の底部にバーナ5を配置しても対応可能である。この際、水気化器3と改質器4をドーナツ状にすることにより、バーナ5からの熱伝導を受熱する面積が増え、改質器4および水気化器3をより短時間で所定の作動温度に昇温することが可能となるとともに、燃料電池スタック2の底部がバーナ5の熱伝導を受熱することが可能となるために、燃料電池スタック2が昇温し易くなる。
また、本実施形態の燃料電池モジュールは、缶体1内において、1組の燃料電池スタック2を配置したが、図6に示すように、複数の燃料電池スタック2(図では4組)を配置しても、複数の燃料電池スタック2の配置の中心に位置する底部に水気化器3と改質器4とを配置し、水気化器3の底部にバーナ5を配置することによって対応可能である。
そして、複数の燃料電池スタック2も、図8に示すように、複数の燃料電池スタック2の配置の中心に位置する底部に、ドーナツ状の水気化器3と改質器4とを順に配置し、水気化器4の底部にバーナ5を配置しても対応可能である。この際も、1組の燃料電池スタック2の底部にドーナツ状の水気化器3と改質器4とを順に配置したものと同様に、水気化器3と改質器4をドーナツ状にすることにより、バーナ5からの熱伝導を受熱する面積が増えて、改質器3および水気化器4をより短時間で所定の作動温度に昇温することが可能となるとともに、燃料電池スタック2の底部が、バーナ5の熱伝導を受熱することが可能となるために、燃料電池スタック2が昇温し易くなる。
加えて、複数の燃料電池スタック2を配置した際に、図7に示すように、燃料電池スタック2同士の間に改質器4および水気化器3を配置したものもあり、この場合は、複数の燃料電池スタック2の配置の中心に位置する底部であり、水気化器3および改質器4の底部にバーナ5を配置することにより対応可能である。この場合、燃料電池スタック2の底部が、バーナ5の熱伝導を受熱することが可能となるために、燃料電池スタック2が昇温し易くなる。
さらに、本実施形態では、燃焼器としてバーナ5を用いたが、電気ヒーター等の他の燃焼手段を用いても対応可能である。
また、本実施形態の缶体内における燃料電池スタック2は、単セル13を縦方向に積層したが、横方向に積層したものでも対応可能である。
そして、本実施形態の改質器4は、炭化水素用のNi系またはRu系の改質触媒を充填したが、ハニカム触媒を用いても対応可能である。
1 缶体
2 燃料電池スタック
3 水気化器
4 改質器
5 バーナ(燃焼器)
9 発電セル
12 セパレータ
25 排出口
2 燃料電池スタック
3 水気化器
4 改質器
5 バーナ(燃焼器)
9 発電セル
12 セパレータ
25 排出口
Claims (2)
- 缶体の内部に、複数の発電セルとセパレータを交互に積層して構成するとともに、上記発電セルに燃料ガスおよび酸化剤ガスを供給することにより発電反応が生じる燃料電池スタックと、水を導入して水蒸気を生成する水気化器と、炭化水素ガスと上記水蒸気を導入して上記燃料ガスを生成する改質器とを配置してなる燃料電池モジュールにおいて、
上記缶体内の燃料電池スタックの下方であって、上記改質器および水気化器の下方に、燃焼器を配置したことを特徴とする燃料電池モジュール。 - 上記燃料電池スタックは、上記発電反応に用いられなかった燃料ガスおよび酸化剤ガスの剰余ガスを、上記発電セルの外周部より燃料電池スタック外へ排出するシールレス構造であり、且つ上記缶体の底部には、該剰余ガスを上記缶体の底部側に流動させる排出口が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池モジュール。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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