JP6277064B2 - 装着工具 - Google Patents

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Description

本発明は、容器蓋を容器の口頸部に対して軸線方向下方に強制して口頸部に装着する装着工具に関する。
当業者には周知の如く、所謂打栓式容器蓋として、容器の口頸部に被嵌し、次いで軸線方向下方に強制することによって口頸部に装着される容器蓋が実用に供されている。かような容器蓋には、充分容易に口頸部から離脱して口頸部を開封することができるようにせしめるために、天面壁の周縁から垂下するスカート壁を囲繞して拘束壁として機能し或いは天面壁の周縁から垂下するスカート壁自体として機能する円筒壁に、少なくとも1個のスコア又はスリットを配設することが少なくない。そして、かようなスコア又はスリットが配設されている容器蓋の場合、容器蓋を軸線方向下方に強制する際にスコアが破断され或いはスリットが拡張されるのを防止するために、スコア又はスリットの片側において円筒壁の外周面に接続された片端から円筒壁の外周面に沿ってスコア又はスリットの他側まで延出する延出片を付設し、延出片の他端内周面と円筒壁におけるスコア又はスリットの他側外周面とに、協働して円筒壁におけるスコア又はスリットの他側がスコア又はスリットから離隔する方向に変位するのを防止する係合手段を配設することが望ましい。
然るに、本発明者等の経験によれば、上記延出片を付設した形態の容器蓋においても、容器蓋を下方に強制する際に容器蓋に加えられる力によって延出片が半径方向外方に変位せしめられて係合手段の作用が毀損されてしまって、スコアが破断され或いはスリットが拡張されてしまう傾向があることが判明している。
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、容器の口頸部に対して容器蓋を軸線方向下方に強制して口頸部に装着するための装着工具に改良を加えて、容器蓋を軸線方向下方に強制する際に延出片が半径方向外方に変位するのを確実に防止することである。
本発明者等は、鋭意検討の結果、容器蓋を下方に強制する際に、延出片の外周面を囲繞し延出片が半径方向外側に変位するのを防止する拘束手段を装着工具に付設することによって、上記主たる技術的課題を解決することができることを見出した。
即ち、本発明によれば、上記主たる技術的課題を解決するための装着工具として、中心軸線方向に延在する少なくとも1個のスコア又はスリットが形成されている円筒壁、及び該スコア又はスリットの片側において円筒壁の外周面に接続された片端から該円筒壁の外周面に沿って該スコア又はスリットの他側まで延出する延出片を具備し、該延出片の他端内周面と該円筒壁における該スコア又はスリットの該他側外周面とには、協働して該円筒壁における該スコア又はスリットの他側が該スコア又は該スリットから離隔する方向に変位するのを防止する係合手段が配設されている形態の容器蓋を、容器の口頸部に対して軸線方向下方に強制して該口頸部に装着する装着工具において、
該容器蓋を下方に強制する際に、該延出片の外周面を囲繞して該延出片が半径方向外側に変位するのを防止する拘束手段が配設されている、ことを特徴とする装着工具が提供される。
該容器蓋は円形天面壁、該天面壁の周縁から垂下するスカート壁、及び周方向に間隔をおいて複数個配設され、該スカート壁の外周面乃至該天面壁の上面外周縁に接続された下端から該天面を超えて上方に延びる薄肉反転片を具備し、該円筒壁は該薄肉反転片の上端に接続されており、該口頸部に装着される際には、該薄肉反転片が反転されて該薄肉反転片を間に挟んで該円筒壁が該スカート壁の半径方向外側に位置せしめられ拘束壁として機能する形態である場合、該装着工具は、該天面壁の上面に押圧せしめられて該天面壁を軸線方向下方に強制する内側部材、及び該円筒壁の上端に押圧せしめられて該円筒壁を軸線方向下方に強制する外側部材を含み、該拘束手段は該外側部材から下方に延出する弧状片から構成され、該外側部材が該円筒壁の上端に当接せしめられると該弧状片の内周面が該延出片の外周面を囲繞するのが好適である。
本発明の装着工具によれば、延出片が半径方向外方に変位することが拘束手段によって確実に防止され、従って容器の口頸部に容器蓋を装着する際にスコアが破断され或いはスリットが拡張されてしまうことが確実に防止される。
本発明に従って構成された装着工具が適用される容器蓋の典型例を示す斜面図。 図1に図示する容器蓋の正面図。 図1に図示する容器蓋の平面図。 図1に図示する容器蓋の断面図。 図1に図示する容器蓋の一対のスリットを示す部分斜面図。 本発明に従って構成された装着工具の好適実施形態を示す断面図。 図6に示す装着工具の底面図。 図6に図示する装着工具と図1に図示する容器蓋との周方向における相対的位置関係を示す、図9−1Aの線A−Aに沿った部分断面図。 図1乃至図5に図示する容器蓋を図6及び図7に図示する装着工具を使用して容器の口頸部に装着する様式を説明するための断面図。 図1乃至図5に図示する容器蓋を図6及び図7に図示する装着工具を使用して容器の口頸部に装着する様式を説明するための断面図。 図1乃至図5に図示する容器蓋を容器の口頸部から離脱する様式を説明するための断面図。 図1乃至図5に図示する容器蓋を容器の口頸部から離脱する様式を説明するための断面図。
以下、本発明の好適実施形態を図示している添付図面を参照して更に詳細に説明する。
図1乃至図4は、本発明に従って構成された装着工具が適用される打栓式容器蓋の典型例を図示している。ポリエチレン或いはポリプロピレンの如き適宜の合成樹脂から射出又は圧縮成形することができる図示の容器蓋2は、円形天面壁4及び天面壁4の周縁から垂下する略円筒形状のスカート壁6を具備する。天面壁4の内面外周縁部には円筒状シール8が形成され、そしてまたシール8の内側に位置する円筒形状の案内垂下片10が形成されている。スカート壁6の下部は下方に向かって半径方向外方に傾斜せしめられており、かような下部の内周面には係止突条12が形成されている。更に、スカート壁6の下部には下端から上方に延びる複数個のスリット14が周方向に等間隔をおいて配設されている。スリット14の各々はスカート壁6の傾斜下部の上端まで延びており、係止突条12はスリット14が存在する部位を除いて周方向に連続して延在せしめられている。
容器蓋2には、更に、スカート壁6の外周面或いはスカート壁6の外周面上端部に接続された下端から天面壁4を超えて上方に延びる薄肉反転片16が周方向に間隔をおいて複数個配設されている。上記薄肉反転片16の上端には拘束壁として機能する円筒壁18が接続されている。図5を参照することによって明確に理解される如く、円筒壁18には周方向に間隔をおいて一対のスコア(薄肉弱化部)20が形成されている。一対のスコア20の各々は円筒壁18の上端から下端まで軸線方向に延在せしめられている。一対のスコア20の各々の下端には、スコア20が破断される際の破断開始を促進するための切欠22(図5)が形成されている。一対のスコア20に代えて一対のスリット(切溝)を形成することもできる。上記薄肉反転片16の2個の上端は、一対のスコア20間において円筒壁18に接続されている。更に、一対のスコア20間において、円筒壁18の外周面には突条24が形成されており、この突条24には開封リング26が接続されている。換言すれば、円筒壁18の外周面は突条24を介して開封リング26の内周面に接続されている。突条24は円筒壁18の上端から下端まで延在する略矩形状であり、開封リング26の内周面は突条24の下端部、従って円筒壁18の下端部に接続されている。そして、円筒壁18を囲繞する円形である開封リング26は、突条24に接続された部位からその直径方向反対側に向かって上方に傾斜せしめられている。円筒壁18の外周面と開封リング26の内周面とは周方向に適宜の間隔をおいて配設された複数個の破断接続片28によって接続されている。上記突条24の直径方向反対側の領域においては破断接続片28が配設されておらず、従って後述するとおりにして容器の口頸部から容器蓋2を離脱せしめる際に、突条24の直径方向反対側において開封リング26に充分容易に指を掛けることができる。円筒壁18の内周面上端部には環状突条30が形成されている。
一対のスコア20間において円筒壁18の外周面に形成されている上記突条24には、円筒壁18の外周面に沿って周方向両側に延出する一対の延出片32が付設されている。そして、一対の延出片32の各々の延出端部内面には半径方向内方に突出する係合手段34が形成されている。一方、円筒壁18の外周面には係合手段34に対して位置して係合手段34と協働する係合手段36が形成されている。係合手段36は円筒壁18の外周面に形成された凹部から構成されている。係合手段34と係合手段36とは協働して、上記一対のスコア20の周方向外側部が一対のスコア20から周方向両側に離隔する方向に変位するのを制限する。
図6及び図7には、上記容器蓋2を容器の口頸部(後述する)に装着するのに使用される、本発明に従って構成された装着工具の好適実施形態を図示している。全体を番号38で示す装着工具は、円柱形状の内側部材40とこの内側部材40を囲繞する円筒形状の外側部材42とを具備している。内側部材40及び外側部材42はステンレス鋼の如き適宜の金属から形成することができる。内側部材40及び外側部材42は、夫々、適宜の昇降機構(図示していない)によって別個に昇降動せしめられる。外側部材42には、外側部材42の外周面下端部に接続された上端部から外側部材42の下端を超えて下方に延出する弧状片44が付設されていることが重要である。図示の実施形態においては、弧状片44における、外側部材42の下端を超えて下方に延出する主部の周方向中央部44aは、周方向両側部44bに比べて内周面が半径方向外方に変位せしめられている。主部の周方向中央部44aと周方向両側部44bの外周面は連続して延在せしめられており、従って主部の周方向中央部44aの厚さは周方向両側部44bの厚さよりも小さい。主部の周方向中央部44aの周方向幅は上記容器蓋2における突条24の幅に対応せしめられており、周方向両側部44bの各々の周方向幅は上記容器蓋2における延出片32の各々の周方向長さに対応せしめられている。
次に、図9A乃至図9Dを参照して、上記装着工具38を使用して上記容器蓋2を容器の口頸部46に装着する様式を説明する。ガラス或いは適宜の合成樹脂から形成することができる容器は全体として円筒形状である口頸部46を有し、この口頸部46の外周面上端部には環状係止突条48が形成されている。この環状係止突条48の軸線方向中央部には環状凹部50が形成されている。容器の口頸部46に容器蓋2を装着する際には、図9Aに図示する如く、最初に容器蓋2が口頸部46に被嵌され、装着工具38の内側部材40が容器蓋2の天面壁4に対向して位置せしめられ、外側部材42が容器蓋2の円筒壁18に対向して位置せしめられる。この際には、図8を参照することによって明確に理解される如く、周方向において外側部材42に付設されている弧状片44の主部の周方向中央部44a及び周方向両側部44bは、夫々、容器蓋2の突条24及び一対の延出片32に整合せしめられる。そして、外側部材42が図9Aに図示する位置まで下降せしめられると、図9Aと共に図8を参照することによって明確に理解される如く、弧状片44の主部における周方向中央部44aが容器蓋2の突条24の半径方向外側に位置し、そして弧状片44の周方向両側部44bが容器蓋2の一対の延出片32に近接乃至接触してその半径方向外側に位置して一対の延出片32を囲繞する。次いで、図9Aと図9Bとを比較参照することによって明確に理解される如く、内側部材40が下降されて容器蓋2が下方に強制され、シール8が口頸部46の外周面上端部に密接せしめられて口頸部46が密封される。容器蓋2が下降される際には、案内垂下片10が口頸部46内に進入することによって口頸部46に対して容器蓋2が同心状に位置せしめられる。案内垂下片10の軸線方向中間部は口頸部46の内周面に接触せしめられるが、図示の実施形態においては口頸部46の密封は主としてシール8によって確立される。スカート壁6はその下部が幾分半径方向外方に拡張され、内周面下部に形成されている係止突条8は口頸部46の係止突条48の下方に位置する。
しかる後に、図9Bと共に図9C及び図9Dを参照することによって理解される如く、外側部材42が下降されて円筒壁18が漸次下降せしめられる。この際には、薄肉反転片16は、スカート壁6と円筒壁18との間で上方に延出する状態から下方に延出する状態に漸次反転せしめられる。そして、図9Dに図示するとおり、薄肉反転片16が完全に反転されると、円筒壁18はその全体がスカート壁6を囲繞する位置まで下降され、半径方向外方に拡張された状態であったスカート壁6の下部は半径方向内方に強制的に変位され、スカート壁6の内周面下部に形成されている係止突条12が口頸部46の係止突条48に係止せしめられる。円筒壁18が下降せしめられる際には延出片32を半径方向外方に変位せんとする力が作用する傾向があるが、外側部材42に付設された弧状片44の主部における周方向両側部44bが延出片32を囲繞している故に、延出片32が半径方向外方に変位せしめられることはない。円筒壁18が下降される際には、円筒壁18には半径方向外方に拡張せしめんとする力が作用するが、半径方向外方に変位することが確実に防止されている延出片32に形成されている係合手段34と円筒壁18に形成されている係合手段36とが協働して、一対のスコア20の周方向外側部が一対のスコア20から周方向両側に離隔する方向に変位するのを制限し、それ故に一対のスコア20が破断させてしまうことが回避される(図1、図3及び図5を参照されたい)。
容器の口頸部46から容器蓋2を離脱せしめて口頸部46を開封する際には、図10A及び図10Bに図示する如く、突条24の直径方向反対側において開封リング26に指を掛けて、突条24に接続されている部位を旋回起点として開封リング26を上方に旋回せしめる。この際には、破断接続片28が破断され、これによって容器蓋2に開封操作が加えられたことが明示される。開封リング20を更に上方に旋回せしめると、図10Cに図示す如く、円筒壁18に形成されている一対のスコア20が破断され、一対のスコア20間に位置する薄肉反転片16が天面壁4を超えて上方に延出する状態に再反転せしめられ、円筒壁18の一対のスコア20間に位置する部分と共に開封リング26が上方に変位せしめられる。図10Cに図示する状態になると、円筒壁18によるスカート壁6の拘束が局部的に解除され、スカート壁6の下部の少なくとも一部は充分容易に半径方向外方に弾性的に変位せしめられ、従って充分容易に容器蓋2の全体を容器の口頸部46から離脱して口頸部46を開封することができる。
2:容器蓋
4:天面壁
6:スカート壁
8:シール
14:スリット
16:薄肉反転片
18:円筒壁
20:スコア
22:切欠
24:突条
26:開封リング
32:延出片
34:係合手段
36:係合手段
38:装着工具
40:外側部材
42:内側部材
44:弧状片
46:容器の口頸部

Claims (2)

  1. 中心軸線方向に延在する少なくとも1個のスコア又はスリットが形成されている円筒壁、及び該スコア又はスリットの片側において円筒壁の外周面に接続された片端から該円筒壁の外周面に沿って該スコア又はスリットの他側まで延出する延出片を具備し、該延出片の他端内周面と該円筒壁における該スコア又はスリットの該他側外周面とには、協働して該円筒壁における該スコア又はスリットの他側が該スコア又は該スリットから離隔する方向に変位するのを防止する係合手段が配設されている形態の容器蓋を、容器の口頸部に対して軸線方向下方に強制して該口頸部に装着する装着工具において、
    該容器蓋を下方に強制する際に、該延出片の外周面を囲繞して該延出片が半径方向外側に変位するのを防止する拘束手段が配設されている、ことを特徴とする装着工具。
  2. 該容器蓋は円形天面壁、該天面壁の周縁から垂下するスカート壁、及び周方向に間隔をおいて複数個配設され、該スカート壁の外周面乃至該天面壁の上面外周縁に接続された下端から該天面を超えて上方に延びる薄肉反転片を具備し、該円筒壁は該薄肉反転片の上端に接続されており、該口頸部に装着される際には、該薄肉反転片が反転されて該薄肉反転片を間に挟んで該円筒壁が該スカート壁の半径方向外側に位置せしめられ拘束壁として機能する形態であり、
    該装着工具は、該天面壁の上面に押圧せしめられて該天面壁を軸線方向下方に強制する内側部材、及び該円筒壁の上端に押圧せしめられて該円筒壁を軸線方向下方に強制する外側部材を含み、該拘束手段は該外側部材から下方に延出する弧状片から構成され、該外側部材が該円筒壁の上端に当接せしめられると該弧状片の内周面が該延出片の外周面を囲繞する、請求項1記載の装着工具。
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