JP6276894B2 - キナゾリン誘導体作製方法 - Google Patents

キナゾリン誘導体作製方法 Download PDF

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Description

本発明は、ゲフィチニブの製造に有用な中間体を作製する改善された方法に関する。特に、本発明は、以下の式(A)で表されるキナゾリン誘導体を作製する化学的方法に関する。

(A)
ここで、Pは水素、3−(モルホリニル)プロピルまたはヒドロキシル保護基である。
ゲフィチニブは、化学名N−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−メトキシ−6−[3−(モノホリン−4−イル)プロポキシ]キナゾリン−4−アミンを有するアニリノキナゾリンであり、以下の構造式Iで表される。
(I)
ゲフィチニブは、アストラゼネカ社によりイレッサというブランド名で売り出されており、プラチナを用いた化学療法とドセタキセル化学療法との両方で失敗した後の局所的に進んだ、または、転移性のある小さくない細胞肺癌を持つ患者であり、イレッサ(ゲフィチニブ)の恩恵を受けている、或いは、恩恵を受けていた患者の継続的な治療のための単剤療法として示されている。
ゲフィチニブは、上皮成長因子受容体(EGFR)のチロシンキナーゼ領域を最初に選択的に阻害するものである。このことは国際公開第96/33980号と米国特許第5,770,599号明細書とにおいて最初に開示された。開示された方法は以下の図式3で示されている。この特許出願で開示されているゲフィチニブ作製方法は、6−ヒドロキシル誘導体を得るために、6,7−ジメトキシ−3H−キナゾリン−4−オンの選択的な脱メチル化においてメタンスルホン酸とL−メチオニンとを使用することも含んでいる。その後、ヒドロキシル部分は、6−ヒドロキシル部分をアシル化することにより保護され、次に、3−クロロ−4−フルオロアニリンが縮合したクロロ誘導体を得るために、6−アシル化誘導体と塩化チオニルとを反応させる。その結果得られる中間体は、カラムクロマトグラフィにより更に精製された粗製のゲフィチニブを与えるために、加水分解され、そして、塩化3−モルホリノプロピルとともにエーテル化される。
(図式3)国際公開第96/33980号と米国特許第5,770,599号明細書とで開示されたアストラゼネカの方法
前述の方法に関して、式VIIの中間体は、6,7−ジメトキシキナゾリン−4(3H)−オンから、メタンスルホン酸の存在下でのL−メチオニンを有するC6におけるメチル基の選択的な除去と、アセチル化と、塩素化と、SAr反応と、脱アセチル化と、を含む5つの工程を通じて作製された。このような方法は、ゲフィチニブの作製においていくつかの不利を被る。主な不利なことのうちの1つは、この方法が脱メチル化工程においてメタンスルホン酸とL−メチオニンとを使用することによりC7において出発物質のメチル基を除去することを含んでいることである。選択的な脱メチル化は、異性体の不純物を生じ、ゲフィチニブの製造においてカラムクロマトグラフィのような更なる精製を伴って進めなければならない。また、この方法は、ゲフィチニブの製造において塩素化のために塩化チオニルを使用することが含まれる。しかしながら、塩化チオニルは、環境的に好ましくなく、取り扱いが難しい。
インド特許出願第2005CH00219号は、6−ヒドロキシ−7−メトキシキノリン4−(3H)−オンを合成する方法と、6−ヒドロキシ−7−メトキシキノリン4−(3H)−オンを式VIIの中間物を介してゲフィチニブに変換するもう一つの方法と、を報告している。報告された方法は、以下の図式4で示される。特に、この方法には、以下に示すように式XI−XIVの中間物を経ることによりゲフィチニブを作製するのに有用な式VIIの中間物を作製するために式IVの化合物を使用することが含まれている。しかしながら、この方法は、式VIIの中間物を作製するにあたり、4,5−置換2−アミノ−ベンズアミド(XI)とHCOOHとの還化反応が、式VIIの中間物の作製における後続の冗長な工程につながる式XIIのキナゾリン−4−オンの結果物を与えるので、まだ十分に簡便ではないという主な不利を有する。
(図式4)インド特許出願第2005CH00219号に開示されている方法
中国特許出願公告第100420676号明細書は、ゲフィチニブの製造に有用な式VIIの中間物を作製する方法を開示している。中国特許出願公告第100420676号明細書で開示されている方法は、以下の図式5に示されている。この方法は、以下に示すように式XVとXの中間物を経る式VIIの中間物の作製において、6,7置換キナゾリン−4−オン(XII)を使用することが含まれている。インド特許出願第2005CH00219号で開示されている方法と比較すると、この方法は単に式XIIの化合物から開始して式VIIの化合物を合成するまでの化学反応の順序を変えるものに過ぎない。即ち、反応工程の数は全く減らされていない。この特許は式XIIの化合物をどのようにして得るかを報告していないが、化学的観点からすれば、おそらく式XIIの化合物が式IVの化合物から得られたものであろう。即ち、この方法は、インド特許出願第2005CH00219号に開示されている方法の欠点を改善するためのより有効な合成経路を提供しない。
(図式5)中国特許出願公告第100420676号明細書に開示されている方法
インド特許出願第2006CH00901号は、ゲフィチニブの合成のための方法を報告している。インド特許出願第2006CH00901号に開示されている方法は以下の図式6に示されている。この方法は主に、式XVIIの化合物を得るために式XVIの化合物をオキシムに変換するとともにオキシムを脱水し、続いて、式XXの化合物を得るために窒化、還元およびアミジン生成反応を進める。そして、式XXの化合物が、ゲフィチニブの作製のために蒸発脱水を行うことにより油状の中間体として単離される。この特許出願に開示されている方法は工程数の低減によりゲフィチニブの合成にとってより効率的であるが、全ての中間体が方法手順において単離されていなければならないという重大な欠点がある。コストおよび時間の点で不利である。
(図式6)インド特許出願第2006CH00901号に開示されている方法
中国特許出願公開第101402610号明細書は、ゲフィチニブの合成を開示する。中国特許出願公開第101402610号明細書に開示されている方法は、以下の図式7に示されている。この方法は、ゲフィチニブを合成するために、式XIXの化合物と3−クロロ−4−フルオロアニリンから作製された式XXIの化合物とを環化することを含んでいる。しかしながら、この方法はやはり式XIXの化合物と反応させる前にまず式XXIの化合物を単離する必要がある。こればより複雑な手順である。
(図式7)中国特許出願公開第101402610号明細書に開示されている方法
以上のように、ゲフィチニブの製造に有用な式VIIの中間物を作製するためのより直接的且つより簡単な方法が必要とされている。
国際公開第96/33980号 米国特許第5,770,599号明細書 中国特許出願公告第100420676号明細書 中国特許出願公開第101402610号明細書
本発明は、以下に示す式Aのキナゾリン誘導体の作製方法に関し、Pは水素、3−(モルホリニル)プロピルまたはヒドロキシル保護基である。
(A)
本発明に係る方法は、式Aのキナゾリン誘導体の作製において、式B
(B)
の化合物またはその塩と3−クロロ−4−フルオロアニリン(VI)の環化の1工程からなる。
特に、本出願の第1の観点は、式Aの化合物の作製方法であり、N、N−ジアルキルホルムアミドアセタール、ブレンステッド酸触媒および溶媒の存在下で、式B
(B)
の化合物またはその塩と3−クロロ−4−フルオロアニリン(VI)とを反応させることを含む。
本出願の第2の観点に係る方法は、ゲフィチニブまたはその薬剤的に許容な塩を作製する方法であり、
前述の式Aの化合物を作製するために、N、N−ジアルキルホルムアミドアセタール、ブレンステッド酸触媒および溶媒の存在下で、式B
(B)
の化合物またはその塩と3−クロロ−4−フルオロアニリン(VI)とを反応させることと、
式Aの化合物をゲフィチニブまたはその薬剤的に許容な塩に変換することと、を含む。
式Aの化合物は、任意の適当な方法、例えば、公知の方法によりゲフィチニブに変換されうる。例えば、式Aの化合物は、4−(3−クロロプロピル)モルホリンまたは4−(3−ブロモプロピル)モルホリンとのヒドロキシル基の求核置換反応、必要に応じて、求核性置換反応の前に適当な方法によりヒドロキシル保護基の脱保護によりゲフィチニブに変換される。好ましくは、ヒドロキシル保護基が無い、即ち、Pが水素である式Aの化合物が、ゲフィチニブを形成するために、式Aの化合物と4−(3−クロロプロピル)モルホリン(VIII)とを反応させることによりゲフィチニブに変換されうる。
本発明の主な利点は、鍵となる中間物である、ゲフィチニブの製造に使用される式Aのキナゾリン誘導体を作製するための簡便且つ効率的な方法を提供することである。
本明細書で使用される場合、「ヒドロキシル保護基」の用語は、望まない反応から化合物(例えば、式Aの化合物)にあるヒドロキシル基を保護できるあらゆる適当な基を示す。一般的なヒドロキシル基は刊行物 Green Protective Groups in Organic Synthesis(Perter G.M.WuTs Theodora W.Greene John Wiley&Sons,Inc.4th Edition,2007)に開示されている。例えば、ヒドロキシル保護基はアシル基、アルキル基、フェニル基、置換フェニル基、ベンジル基または置換ベンジル基であり、好ましくはメチル基、ベンジル基またはp−メトキシルベンジル基である。
本明細書で議論するN,N−ジアルキルホルムアミドアセタールは、好ましくは、式
を有するN,N−ジアルキルホルムアミドアセタールである。ここで、R、R、R、Rは独立して1−10の炭素原子を含むアルキルであり、より好ましくは、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタールである。
本明細書で使用される場合、「ブレンステッド酸触媒」の用語は一部を失うまたは「供与する」ことができ、プロトン移動による反応に触媒作用を及ぼしうる酸、例えば、酢酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、マレイン酸およびトリフルオロ酢酸、好ましくは、酢酸(AcOH)およびトリフルオロ酢酸(TFA)を示す。
本明細書で使用される場合、「溶媒」の用語は溶質を溶解して溶液になる液体状の物質、例えば、酢酸、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミド、トルエン(PhMe)、メタノール(MeOH)、アセトニトリル(ACN)、エチルアセテート(EtOAc)、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジクロロメタン(DCM)、アセトン、好ましくは、酢酸(AcOH)、トルエン(PhMe)、メタノール(MeOH)、アセトニトリル(ACN)、エチルアセテート(EtOH)、テトラヒドロフラン(THF)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)およびN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)を示す。
本出願は、ゲフィチニブの製造に有用な式Aのキナゾリン誘導体の作製方法であり、式Aのキナゾリン誘導体を作製するために、オルト−アミノ−ベンゾニトリル誘導体と3−クロロ−4−フルオロアニリン(VI)とを環化させる1つの反応工程からなる方法に関する。
本出願の一実施形態によれば、この方法は、4−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−7−メトキシキナゾリン−6−オール(VII)を作製するために、1つの反応工程において、2−アミノ−5−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾニトリル(V)と、3−クロロ−4−フルオロアニリン(VI)とを反応させることを含む。
本出願の他の実施形態によれば、この方法は、4−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−6−ベンジルオキシ−7−メトキシキナゾリン(X)を作製するために、1つの工程において、2−アミノ−5−ベンジルオキシ−4−ヒドロキシル−ベンゾニトリル(IX)と、3−クロロ−4−フルオロアニリン(VI)とを反応させることを含む。
本出願の一実施形態によれば、以下の工程を含む、4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニルル)アミノ]−7−メトキシキナゾリン−6−オール(VII)(図式1参照)を作製するための方法が提供される。3−(ベンジルオキシ)−4−メトキシベンゾニトリル(III)を生成するために、3−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾニトリル(II)がベンジル化される。5−(ベンジルオキシ)−4−メトキシ−2−ニトロベンゾニトリル(IV、米国特許第6048864号明細書参照)を生成するために、式IIIの化合物が硝酸で処理される。その後、2−アミノ−5−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾニトリル(V)を生成するために、式IVの化合物がPd/C存在下で水素添加され、そして、4−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−7−メトキシキナゾリン−6−オール(VII)を生成するために、式Vの化合物が、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(DMF−DMA)と酢酸(AcOH)との存在下で、3−クロロ−4−フルオロアニリン(VI)と環化される。式(VII)の化合物は4−(3−クロロプロピル)モルホリン(VIII)との置換反応を経てゲフィチニブに変換されうる。
(図式1)ゲフィチニブの製造に適用される式VIIの化合物の作製方法
本出願の他の実施形態によれば、式IVの化合物は亜ジチオン酸ナトリウムにより2−アミノ−5−ベンジルオキシ−4−ヒドロキシル−ベンゾニトリル(IX)に還元される(図式2参照)。式IXの化合物は、6−(ベンジルオキシ)−4−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−7−メトキシキナゾリン(X)を生成するために、N,N−ジアルキルホルムアミドアセタール、例えば、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(DMF−DMA)、ブレンステッド酸触媒および/または溶媒、例えば、酢酸(AcOH)およびトリフルオロ酢酸(TFA)の存在下で、3−クロロ−4−フルオロアニリン(VI)と環化され、そして、式Xの化合物は、式VIIを生成するために、トリフルオロ酢酸(TFA)により脱ベンジル化される。
(図式2)式VIIの化合物を作製するための実施形態
本出願の他の実施形態によれば、式VIIの化合物を作製するための方法は、1つの反応工程において、アミジン形成と環化過程とを実行することからなる。1つの反応工程の利点は、式VIIの中間物の作製において式Vの化合物と3−クロロ−4−フルオロアニリンとの反応を含む場合、中間物を単離する必要がないことである。実際、ゲフィチニブを作製するいくつかの方法が文献に記述されているが、これらの方法は複数の工程を含み、それ故、手間がかかる。本発明の発明者らは、驚いたことに、環化試薬、N,N−ジアルキルホルムアミドアセタール、例えば、DMF−DMAと、ブレンステッド酸触媒、例えば、酢酸(AcOH)およびトリフルオロ酢酸(TFA)と、溶媒、例えば、酢酸(AcOH)、トルエン(PhMe)、メタノール(MeOH)、アセトニトリル(ACN)、エチルアセテート(EtOAc)、テトラヒドロフラン(THF)およびN−メチル−2−ピロリドン(NMP)の存在下で、昇温下、好ましくは20−100℃の範囲、より好ましくは45−85℃の範囲において、式VIとXXIの化合物の間または式VとXXIIの化合物の間のいずれかにおいて、これらが互いに平衡状態にあることに注目した。2つの可逆平衡反応と1つの不可逆芳香族化(環化)が含まれる。これらの反応は、最終的に環化を引き立てる。即ち、中間物の単離は、不必要なものであり、式VIIの中間物の作製において追加的な費用および時間を招きうる。反応後、粗製の式VIIは、濾過により高収率で直接的に単離されうる。しかしながら、発明者らはN,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(DMF−DMA)が式VIに関して大きく超過している場合、芳香族化(環化)はゆっくりになり単離収率が低くなる(以下の表3、項目5を参照)ことを見出した。好ましくは、式VIのモル量は、オルト−アミノ−ベンゾニトリル誘導体(式B)のモル量と同等の1.0−2.0であり、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(DMF−DMA)のモル量は、オルト−アミノ−ベンゾニトリル誘導体(式B)のモル量と同等の1.0−1.5である。
(図式8)式VIIの化合物を作製するための1工程の反応
本出願の更に他の実施形態によれば、発明者らは、粗製の式VIIの異なるバッチが次の反応に影響するであろう異なるレベルのAcOHにより汚染されていたことを見出した。DMSO/水またはDMSO/ACNからの結晶化は、AcOHを除去し、99%の純度を有する全く純粋な式VIIを生成しうる。DMSO/ACNと比較して、DMSO/水は、より高い回収率(実施例3および4)を与え、その回収率は95%であり、式Vからの総収率は82%である。
結晶化後の式VIIは、炭化カリウムの存在下で、DMF中でゲフィチニブ(6volから12vol v/w、mL/g)に変換されうる。反応が終了した後、沈殿させるために水を加えること、或いはゲフィチニブ塩酸塩を形成するために濃縮HCl(適量)を加えることが必要とされる。その後、ゲフィチニブ塩酸塩は、高温のアルカリ水溶液の中でpH値を12−13に調整することにより、ゲフィチニブ(遊離塩基)に変換され、そして、粗製のゲフィチニブが濾過により得られる。驚いたことに、発明者らは、ゲフィチニブ塩酸塩を活性炭とともに処理することにより、ゲフィチニブ遊離塩基を処理するよりも、水中または水とメタノールの混合物中、好ましくは、水とメタノールとの混合物中でより効率的に色を取り除くことができることを見出した。
本発明の更なる観点によれば、国際公開第03/072108号で開示されているゲフィチニブ多形体の形式1を供給するために、粗製のゲフィチニブは、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)またはN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)/脂肪族アルコールまたはアセトニトリル(ACN)、好ましくは、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)/イソプロピルアルコール(IPA)、NMP/ACNまたはNMP/ACN/IPAから結晶化される。一般的に、多形体は安定すればするほど商業規模での形成や作製にとって適した物理的形状となる。我々の研究によれば、単一の非溶媒和物のゲフィチニブ多形体のみ、即ち、ゲフィチニブ多形体の形式1が最も安定している。国際公開第03/072108号は、形式2のMeOH溶媒和物、形式3のDMSO溶媒和物および形式5のエチルアセテート(EtOAc)中の三水和物のような不安定溶媒和物をスラリ化し、高温(60℃)の窒素で乾燥させることにより形式1を作製することができることを開示しているが、形成に最も適したゲフィチニブ多形体は疑うこと無くゲフィチニブ多形体の形式1である。驚くことに、発明者らは、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)/イソプロピルアルコール(IPA)、NMP/アセトニトリル(ACN)またはNMP/IPA/ACNの組合わせを用いることによりゲフィチニブ多形体の形式1を結晶化することができ、この結晶化を大規模な形成に簡単に適用できることを見出した。国際公開第03/072108号で示されている変換工程と比較すると、結晶化は不安定な溶媒和物を全く生成せず、直接多形体の形式1を提供する。即ち、大規模に多形体の形式を制御するいかなる変換工程も不要である。中国特許第101973944号明細書に関して、それはエタノール、イソプロピルアルコール(IPA)、nブタノールまたはそれらの組合わせから結晶化することにより多形体の形式1を作製するプロセスを提供している。しかしながら、ゲフィチニブはエタノール、イソプロピルアルコール(IPA)およびnブタノールについて低い溶解性を有し、そのため大量の溶媒が要求される。最近発行された中国特許出願第103360326号について、C2−C5アルコールおよびいくつかの共溶媒を利用した結晶化プロセスにより不純物が0.10%以下のゲフィチニブが提供されている。しかしながら、発明者らは、この特許出願で提供されているいくつかの結晶化の実施例を再試行し、エタノール/エチルアセテート(1:1、10vol)、IPA/ACN(1:1、10vol)およびIPA/ACN(5:1、15vol)のような混合溶媒は実施例に記載されているように粗製のゲフィチニブを完全に溶解することができないことを見出した。即ち、ゲフィチニブの結晶化には、より大量の溶媒混合物が要求される。その上、これらの実施例が比較的良好な溶解性を有する溶媒をより多く使用すればするほど、より大量の混合溶媒が必要になったことを示していることは非論理的である。これに対して、本発明の結晶化は、ゲフィチニブについて非常に良好な溶解性を有する溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、共溶媒としてイソプロピルアルコール(IPA)またはアセトニトリルを適用している。これにより、ゲフィチニブの精製における溶媒の量が大きく低減している。
本出願の更なる観点によれば、式Xの中間物を作製するプロセスは1つの反応工程においてアミジン形成および環化の工程を実行することからなる。1つの反応工程の利点としては、式Xの中間物の作製において式XXIIIの化合物と3−クロロ−4−フルオロアニリン(VI)との反応時にいかなる中間物をも単離する必要がないことである。実際、ゲフィチニブを作製するいくつかのプロセスが文献に記述されているが、これらの方法は複数の工程を含んでおりそれ故手間がかかる。本発明の発明者らは驚いたことに、環化試薬、N,N−ジアルキルホルムアミドアセタール、例えば、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(DMF−DMA)、ブレンステッド酸触媒、例えば、酢酸(AcOH)およびトリフルオロ酢酸(TFA)および溶媒、例えば、酢酸(AcOH)、トルエン(PhMe)、メタノール(MeOH)、アセトニトリル(ACN)、エチルアセテート(EtOAc)、テトラヒドロフラン(THF)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)およびN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)の存在下で、式VIおよび式XXIの化合物の間または式Vおよび式XXIIIの化合物の間のいずれかにおいて、これらが互いに平衡状態となっていることに注目した。2つの可逆平衡反応と1つの不可逆芳香族化(環化)とが伴っている。これらの反応は最終的に環化を促進する。即ち、中間物の分離は不必要なものであり、式Xの中間物の作製において追加的な費用および時間を招きうる。
(図式9)式Xの化合物を作製する1つの反応工程
以下の反応の実施例は単に更なる説明の目的のために提供されるものであり開示された発明に限定されることが意図されるものではない。
(実施例1)
4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−7−メトキシキナゾリン−6−オール(VII)
下で、2−アミノ−5−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾニトリル(V、1.0g、6.1mmol、1.0eq.)、3−クロロ−4−フルオロアニリン(VI、0.90g、6.1mmol、1.0eq.)、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(DMF−DMA、0.73g、1.0eq.)および酢酸(AcOH、8mL、8P、v/wt)を80℃で18時間温めた。冷却した後、混合物にジクロロメタン(DCM、6mL、6P)と水(2.5mL、2.5P)を追加し攪拌した。沈殿させるために混合液をpHは20%のNaOH水溶液で8.0に調整して氷浴内で冷却し続けてから濾過した。約80%の収率で4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−7−メトキシキナゾリン−6−オール(VII)を生成するために、固体をジクロロメタン(DCM)/水中でスラリ化し、濾過し、洗浄し、乾燥した。
H NMR(400MHz、d−DMSO)δ9.70(s、1H)、9.48(s、1H)、8.48(s、1H)、8.21(dd、J=6.9、2.7Hz、1H)、7.83(m、1H)、7.78(s、1H)、7.41(t、1H)、7.22(s、1H)、3.98(s、3H)
13C NMR(100MHz、d)δ156.33、154.41、153.34(J=241Hz)、152.39、147.23、146.69、137.65(J=3Hz)、123.24、122.15(J=7Hz)、119.13(J=18Hz)、116.90(J=21Hz)、110.01、107.66、105.75、56.40
(実施例2)
4−[(3−クロロ−4−フロロフェニル)アミノ]−7−メトキシキナゾリン−6−オール(VII)
下で、2−アミノ−5−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾニトリル(V、200g、1.22mol、1.0eq.)、3−クロロ−4−フルオロアニリン(VI、212.8g、1.46mol、1.2eq.)、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(DMF−DMA)(194mL、1.2eq.)、トルエン(PhMe、1.4L)およびAcOH(0.6L)を65℃で6時間温めた。HPLC(高速液体クロマトグラフィ)で98.3%の純度を有する粗製の式VII(392.8g)を生成するために、混合物を室温まで冷却し、濾過し、アセトニトリル(ACN、400mL)で洗浄し、50℃で真空乾燥させた。
表1:異なる反応溶媒系間の比較
表2:異なる反応温度間の比較
表3:VIとDMF−DMAとの平衡状態の効果
表4:TFAを酸触媒として使用した結果
(実施例3)
粗製の式VIIの精製
実施例2の粗製の式VII(260g、約13.7%wtのAcOHを含む)を、100−105℃でジメチルスルホキシド(DMSO、2340mL)に溶解させ、その溶液を90℃まで冷却し、そして、沈殿させるために水(260mL)を滴下した。混合液を90℃で1時間攪拌し、そして、20−25℃まで冷却し続けてから水(520mL)を加えて氷浴の中で1時間攪拌した。99.7%の純度を有する212.4gの生成物を生成するために、混合液を濾過し、洗浄して50℃で一晩真空乾燥させた。式Vからの収率は82%であった。
(実施例4)
粗製の式VIIの精製
実施例2の粗製の式VII(20g、約13.7%wtのAcOHを含む)を、100−150℃でDMSO(180mL)に溶解させ、その溶液を70℃まで冷却し、そして、ACN(160mL)を滴下した。混合物を20−25℃まで冷却し氷浴の中で1時間攪拌した。99.7%の純度を有する15.2gの生成物を生成するために、混合物を濾過し、洗浄して50℃で一晩真空乾燥させた。式Vからの収率は74%であった。
(実施例5)
作製
N−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−メトキシ−6−[3−(モルホリン−4−イル)プロポキシ]キナゾリン−4−アミン(I、ゲフィチニブ)
下で、4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−7−メトキシキナゾリン−6−オール(VII、30.0g、93.8mmol、1.0eq.)、4−(3−クロロプロピル)モルホリン(VIII、16.1g、1.05eq.)、KCO(25.9g、2.0eq.)およびN,N−ジメチルホルムアミドDMF(360mL)を85℃で6時間温めた。反応が終了した後、混合液を20−25℃まで冷却した。混合物を濾過しDMF(60mL*2)で洗浄した。濃縮されたHCl(3.0eq.)を滴下して濾液を得た。多量の固体が沈殿した。混合物を濾過しDMF(60mL*2)で洗浄した。濾過ケークを75℃の水(360mL)中に溶解させた。1NのNaOH水溶液を混合物に加えてpH値を約12〜13に調整した。混合物を濾過し、HO(60mL*2)で洗浄し、50℃で真空中で乾燥させて、純度96.7%の僅かに灰色(又は黄色)がかった白色の固体(38.0g)のゲフィチニブを収率87%で生成した。
H NMR(400MHz、d−DMSO)δ9.44(s、1H)、8.50(s、1H)、8.12(dd、J=6.9、2.7Hz、1H)、7.80(m、2H)、7.44(t、1H)、7.20(s、1H)、4.18(t、J=6.7Hz、2H)、3.94(s、3H)、3.59(t、J=4.4Hz、4H)、2.49(t、J=6.9Hz、2H)、2.41(bs、4H)、2.00(m、2H)
13C NMR(100MHz、d−DMSO)δ156.48、154.94、153.57(J=241Hz)、153.05、148.74、147.43、137.33(J=3Hz)、123.91、122.77(J=7Hz)、119.19(J=19Hz)、116.90(J=21Hz)、109.26、107.72、103.14、67.59、66.43、56.31、55.35、53.73、26.13
(実施例6)
ゲフィチニブの精製
前述の実施例5の粗製のゲフィチニブ(34.3g)を80℃のイソプロパノール(IPA)/N−メチル−2−ピロリドン(NMP)(4.37:1、v/v、396.8mL)に溶解させ、その溶液を62℃まで冷却し、固体を沈殿させて、62℃で1時間放置した。混合物を20−25℃まで冷却してから氷浴中で1時間攪拌した。混合物を濾過し、洗浄し、50℃で真空乾燥させて、30.1gの純度99.9%の多形体の形式Iの生成物を収率87%で生成した。
(実施例7)
ゲフィチニブの精製
粗製のゲフィチニブ(6.0g)とNMP(10.2mL)とをフラスコに充填し、混合物が透明に変化するまで80℃に温めた。そして、ACN(12mL)を追加した。活性炭(0.24g、4%wt)を加えて80℃で1時間攪拌した。混合物を加熱濾過して活性炭を除去した。ACN(60mL)を75℃で濾液に滴下した。混合物を約59℃に冷却すると、固体が沈殿し始めて1時間放置した。その後、混合物を25℃に冷却した。そして、混合物を氷水浴の中で1.0時間冷却した。混合物を濾過し、ACN(12mL*2)で洗浄し、50℃で真空乾燥させて、5.2gの純度99.9%の生成物を86%の収率で生成した。
(実施例8)
ゲフィチニブの作製
下で、4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−7−メトキシキナゾリン−6−オール(VII、70.0g、218.9mmol、1.0eq.)、4−(3−クロロプロピル)モルホリン(37.6g、1.05eq.)、KCO(36.3g、1.2eq.)およびDMF(360mL、6P)を85℃で6時間温めた。反応終了後、混合物を30±5℃に冷却した。混合物を濾過し、DMF(140mL*2)で洗浄した。濃縮されたHCl水溶液(3.0eq.)を濾液に滴下した。多量の固体を沈殿させて1.0時間攪拌した。混合物を濾過し、ACN(140mL*2)で洗浄した。濾過ケークを50℃で一晩真空乾燥させて、ゲフィチニブ塩酸塩(125g)を生成した。
ゲフィチニブ塩酸塩(30.0g)を65℃のHO/MeOH(420mL、v/v=7/7)に溶解させた。活性炭(0.12g、4%wt.)を混合物に加えて1.0時間攪拌した。混合物を加熱濾過した。3NのNaOH水溶液を混合物に加えてpH値を約12〜13に調整し、65℃で1.0時間放置した。混合物を1.0時間で0〜5℃まで冷却した。混合物を濾過し、ACN(60mL*2)で洗浄し、乾燥させて、純度96.7%の灰色(又は黄色)がかった白色の固体(19.8g)の粗製のゲフィチニブを生成した。
(実施例9)
ゲフィチニブの精製
粗製のゲフィチニブ(5g)とNMP(10mL)とをフラスコに充填し、混合物が透明に変化するまで80℃に温めた。そして、ACN(20mL)を加えた。活性炭(0.4g、4%wt.)を加えて80℃で1.0時間攪拌した。混合物を加熱濾過して活性炭を除去した。IPA(30mL)とACN(10mL)との混合物を75℃で濾液に滴下した。混合物を約47℃まで冷却すると固体が沈殿し始め1.0時間放置した。その後、混合物を25℃まで冷却した。そして、混合物を氷浴の中で1.0時間冷却した。混合物を濾過しACN(20mL*2)で洗浄し、50℃で乾燥させて、純度99.9%の生成物(3.75g)を収率75%で生成した。
(実施例10)
3−(ベンジルオキシ)−4−メトキシベンゾニトリル(III)の作製
(g)下で、3−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾニトリル(II、10.0g、67.1mmol、1.0eq.)、臭化ベンジル(BnBr、9.7mL、1.2eq.)、炭酸カリウム(11.1g、1.2eq.)およびメタノール(MeOH、50mL、5P)を加熱して1.0時間還流(約65℃)させた。TLC(薄層クロマトグラフィ)分析で反応が終了した後、混合物を25〜30℃に冷却し、ジクロロメタン(100mL、10P)で希釈し、濾過してから35℃の真空中で蒸発させて溶媒を除去した。沈殿させるために、水(50mL)を残留物に加えた。固形物を濾過し、水(30mL×2)で洗浄し、50℃で真空乾燥させて、15.0gのIIIを93%の収率で生成した。
H NMR(400MHz、CDCl)δ7.31−7.44(m、5H)、7.27(dd、J=8.4、2.0Hz、1H)、7.10(d、J=2.0Hz、1H)、6.91(d、J=8.4Hz、1H)、5.14(s、2H)、3.92(s、3H)
13C NMR(100MHz、CDCl)δ153.57、148.26、135.91、128.76(2C)、128.31、127.35(2C)、126.87、119.21、116.48、111.66、103.76、71.22、56.12
(実施例11)
5−(ベンジルオキシ)−4−メトキシ−2−ニトロベンゾニトリル(IV)の作製
(g)下で、HNO(65%、84mL)を0〜5℃まで冷却した。酢酸(33.6mL、2.4P)に3−(ベンジルオキシ)−4−メトキシベンゾニトリル(III、14.0g、58.6mol、1.0eq.)を溶解させた溶液に、0−10℃で滴下し、加えた後温度を20〜25℃まで温めてもよい。反応が終了した後、氷水(150mL、10.7P)を混合物に加えた。混合物を濾過し、水(30mL×2)で洗浄し、50℃で真空乾燥させて、所望の5−(ベンジルオキシ)−4−メトキシ−2−ニトロベンゾニトリル(IV、13.5g)を85%の収率で生成した。
H NMR(400MHz、CDCl)δ7.80(s、1H)、7.43−7.37(m、5H)、7.24(s、1H)、5.25(s、2H)、4.03(s、3H)
13C NMR(100MHz、CDCl)δ152.70、152.50、142.91、134.45、129.00(2C)、128.88、127.47(2C)、117.13、115.50、108.17、100.65、56.85
(実施例12)
2−アミノ−5−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾニトリル(V)の作製
10%のPd/C(0.5g、10%wt.)、メタノール(MeOH、125mL、25P)および5−(ベンジルオキシ)−4−メトキシ−2−ニトロベンゾニトリル(IV、5.0g、17.6mmol、1.0eq.)を高圧水素化反応器に充填した。反応を20℃で2−3atmに維持した状態で1.5時間反応させた。反応が終了した後、混合物を濾過してPd/Cを除去し、40℃の真空中で蒸発させて、2−アミノ−5−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾニトリル(V、2.8g)を90%の収率で生成した。
H NMR(400MHz、d−DMSO)δ8.58(s、1H、置換可能)、6.65(s、1H)、6.37(s、1H)、5.41(s、2H、置換可能)、3.73(s、3H)
13C NMR(100MHz、d−DMSO)δ154.05、147.48、138.05、119.17、116.66、99.49、84.63、55.75
(実施例13)
2−アミノ−5−(ベンジルオキシ)−4−メトキシベンゾニトリル(IX)の作製
下で、メタノール(MeOH)/HO(200mL、1:1、v/v)中で5−(ベンジルオキシ)−4−メトキシ−2−ニトロベンゾニトリル(IV、10.0g、35.2mmol、1.0eq.)、臭化テトラ−n−ブチルアンモニウム(TBAB、0.94g、0.085eq.)、亜ジチオン酸ナトリウム(Na、19.0g、3.1eq.)を攪拌して得られる混合物を30℃に加熱した。この反応をTLC(簿層クロマトグラフィ)により監視した。反応が終了した時に塩酸(20mL)を加えて1.0時間攪拌した。混合物をジクロロメタン(DCM)で抽出した。有機相を25℃の真空中で蒸発させて2−アミノ−5−(ベンジルオキシ)−4−メトキシベンゾニトリルを生成した。
H NMR(400MHz、d−DMSO)δ7.41−7.30(m、5H)、6.83(s、1H)、6.24(s、1H)、5.02(s、2H)、4.18(s、2H、置換可能)、3.87(s、3H)
13C NMR(100MHz、d−DMSO)δ155.42、149.16、139.46、137.60、128.79(2C)、128.33(2C)、128.28、119.08、116.92、99.45、84.03、71.38、55.87
(実施例14)
6−(ベンジルオキシ)−4−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−7−メトキシキナゾリン(X)の作製
下で、2−アミノ−5−(ベンジルオキシ)−4−メトキシベンゾニトリル(IX、2.6g、8.4mmol、1.0eq.)、4−(3−クロロプロピル)モルホリン(VIII、1.47g、10.1mmol、1.2eq.)、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(DMF−DMA、1.0g、1.0eq.)および酢酸(AcOH、10.4mL、4P)をフラスコに充填して110℃に加熱した。反応をTLC(薄層クロマトグラフィ)により監視した。反応が終了したときに、反応混合物を室温まで冷却した。水(15.6mL、6P)とジクロロメタン(6.5mL、2.5P)とを加えて攪拌した。混合物を6N水酸化カリウム水溶液によりpHを8〜9に調整した。沈殿した多量の固体を濾過し、洗浄し、乾燥させて、2.0gの式Xの固定物を約60%の収率で生成した。
H NMR(400MHz、d−DMSO)δ9.61(s、1H)、8.52(s、1H)、δ8.16(dd、J=2.70Hz、1H)、8.01(s、1H)、7.82(m、1H)、7.57−7.40(m、6H)、7.24(s、1H)、5.24(s、2H)、3.94(s、3H)
13C NMR(100MHz、d−DMSO)δ156.52、155.01、153.58(J=241Hz)、153.20、148.52、147.59、137.34、136.74、129.01(2C)、128.81(2C)、128.70、123.79、122.62(J=7Hz)、119.25(J=18Hz)、116.96(J=22Hz)、109.21、107.86、103.54、71.11、56.34
(実施例15)
4−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−7−メトキシキナゾリン−6−オール(VII)の作製
下で、トリフルオロ酢酸(TFA、60mL、20P)中で6−(ベンジルオキシ)−4−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−7−メトキシキナゾリン(X、3g、7.3mmol、1.0eq.)とアニソール(15.8mL)とを75℃で4時間温めた。混合物を室温まで冷却してpHを6−7に調整して沈殿させた。固体を濾過し、水およびアセトニトリルで洗浄し、真空乾燥させて、純度95%の式VII を90%の収率で生成した。

Claims (13)

  1. 式Aの化合物を作製する方法であって、
    (A)
    ここで、Pは水素、3−(モルホリニル)プロピルまたはヒドロキシル保護基であり、
    N,N−ジアルキルホルムアミドアセタール、ブレンステッド酸触媒および溶媒の存在下で、
    式B
    (B)
    の化合物またはその塩と3−クロロ−4−フルオロアニリン(VI)とを反応させることを含む、
    方法。
  2. 前記N,N−ジアルキルホルムアミドアセタールは、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(DMF−DMA)である、
    請求項1に記載の方法。
  3. 前記ブレンステッド酸触媒は、酢酸(AcOH)またはトリフルオロ酢酸(TFA)である、
    請求項1に記載の方法。
  4. 前記溶媒は、AcOH、トルエン(PhMe)、メタノール(MeOH)、アセトニトリル(ACN)、エチルアセテート(EtOAc)、テトラヒドロフラン(THF)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)およびこれらの組合わせからなる群から選択される、
    請求項1に記載の方法。
  5. 前記溶媒は、AcOHとトルエン(PhMe)との混合物である、
    請求項4に記載の方法。
  6. 前記反応は、20−100℃の温度で実行される、
    請求項1に記載の方法。
  7. 式VIおよびN,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(DMF−DMA)のモル当量は、式Bの化合物のモル当量に対して、それぞれ1−2および1−1.5である、
    請求項1に記載の方法。
  8. 前記式Aの化合物は、ジメチルスルホキシドと水(DMSO/HO)、または、ジメチルスルホキシドとアセトニトリル(DMSO/ACN)との混合物から結晶化される、
    請求項1に記載の方法。
  9. 式VII
    (VII)
    の化合物を作製するために、N,N−ジアルキルホルムアミドアセタール、ブレンステッド酸触媒および溶媒の存在下で、式V
    (V)
    の化合物またはその塩と3−クロロ−4−フルオロアニリン(VI)とを反応させることと、
    前記式VIIの化合物をゲフィチニブまたはその薬剤的に許容される塩に変換することと、を含む、
    ゲフィチニブまたはその薬剤的に許容される塩を作製する方法。
  10. 前記変換する工程は、ゲフィチニブを形成するために、前記式VIIの化合物と4−(3−クロロプロピル)モルホリン(VIII)とを反応させることを含む、
    請求項9に記載の方法。
  11. 粗製の固体ゲフィチニブを得るために、前記変換する工程において得られた反応混合物からゲフィチニブを単離することと、
    溶液を得るために、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチル−アセトアミド(DMAC)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)およびこれらの組合わせからなる群から選択される第1溶媒に粗製の固体ゲフィチニブを溶解させることと、
    −C脂肪族アルコール、アセトニトリル(ACN)およびこれらの組合わせからなる群から選択される第2溶媒を前記溶液に加えることにより結晶を形成することと、を更に含む、
    請求項9に記載の方法。
  12. 前記第1溶媒は、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)であり、
    前記第2溶媒は、イソプロピルアルコール(IPA)、アセトニトリル(ACN)またはイソプロピルアルコール(IPA)とアセトニトリル(ACN)との混合物である、
    請求項11に記載の方法。
  13. 前記溶解させることは、70−100℃の温度で実行される、
    請求項11に記載の方法。
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