以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
本実施形態のゴム材料の摩耗性能の評価方法(以下、単に「ゴム材料評価方法」ということがある)は、ゴム材料の摩耗性能を、コンピュータを用いて評価するためのものである。このゴム材料評価方法では、摩耗試験機によって求められたゴム材料の摩耗量と、コンピュータを用いて求められたゴム材料モデルの摩耗エネルギーとに基づいて、ゴム材料の摩耗量と摩耗エネルギーとの関係が求められる。
図1は、本実施形態のゴム材料評価方法を実行するためのコンピュータの斜視図である。コンピュータ1は、本体1a、キーボード1b、マウス1c及びディスプレイ装置1dを含んでいる。この本体1aには、例えば、演算処理装置(CPU)、ROM、作業用メモリ、磁気ディスクなどの記憶装置、及び、ディスクドライブ装置1a1、1a2が設けられている。また、記憶装置には、本実施形態のゴム材料評価方法を実行するためのソフトウェア等が予め記憶されている。従って、コンピュータ1は、ゴム材料の摩耗性能の評価するシミュレーション装置として構成される。
図2は、ゴム材料の斜視図である。本実施形態のゴム材料2は、例えば、円筒状に形成されている。また、ゴム材料2の中央には、厚さ方向に貫通する孔部2oが設けられている。ゴム材料2は、例えば、その外径D1aが50〜100mm程度、内径D1bが10〜40mm程度、幅W1が15〜30mm程度に設定されている。
図3は、摩耗試験機の斜視図である。図4は、試験片及び砥石盤の平面図である。摩耗試験機3は、例えば、ゴム材料2の摩耗状況から、ゴム材料の耐摩耗性を評価する室内摩耗試験機として構成されている。本実施形態の摩耗試験機3は、回転する砥石盤4、ゴム材料2を支持するゴム材料支持部5、並びに砥石盤4及びゴム材料支持部5を支持するベース6を含んでいる。これらの砥石盤4、ゴム材料支持部5及びベース6は、例えば、摩耗試験機3の運転及び停止させるスイッチ等が設けられる筐体(図示省略)に収納されている。
砥石盤4は、円盤状の回転テーブル4aと、該回転テーブル4aに固着される砥石面4bとを含んでいる。回転テーブル4aは、ベース6から上方へ突出する垂直軸7に固着されている。また、垂直軸7には、ベース6に内蔵される電動機(図示省略)等に固着されている。このような砥石盤4は、電動機等の駆動によって、垂直軸周りに回転することができる。また、砥石盤4は、砥石面4bでの回転平均速度が、例えば、15km/h〜25km/h程度に設定されている。
砥石面4bには、複数の砥粒(図示省略)が形成されている。砥石面4bの粒度としては、例えば、アスファルト路面に近似させるために、例えば40メッシュ〜80メッシュ程度が望ましい。
ゴム材料支持部5は、ゴム材料2を水平軸周りに回転可能に支持する支持部9と、ゴム材料2を移動させるシリンダ機構10とを含んでいる。
支持部9は、一端側がゴム材料2の孔部2o(図2に示す)に挿入される水平軸9aと、水平軸9aの他端側を水平軸周りに回転自在に枢支する水平軸固定部9bとを含んで構成されている。水平軸9aは、例えば、ベアリング等の軸受部13を介して、水平軸固定部9bに支持されるのが望ましい。
シリンダ機構10は、長手方向に伸縮するロッド10aと、該ロッド10aを出し入れ可能に支持するシリンダ10bと、ロッド10aを伸縮させる電動機(図示省略)とを含んでいる。ロッド10aの先端には、板状の連結部材11の一端側が固着されている、この連結部材11の他端側には、水平軸固定部9bが固着されている。これにより、シリンダ機構10は、ロッド10aの上下方法の伸縮により、ゴム材料2を、砥石面4bに対し垂直移動させることができる。また、本実施形態のシリンダ10bは、ベース6の上に、垂直軸回りに回転可能に支持されている。これにより、ゴム材料支持部5は、ゴム材料2に、砥石面4bに対するスリップ角等を設定することができる。
図5は、本実施形態のゴム材料評価方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。本実施形態のゴム材料評価方法では、先ず、図3に示した摩耗試験機3を用いて、ゴム材料2の摩耗量Lwが測定される(摩耗量測定工程S1)。この摩耗量測定工程S1では、回転する砥石盤4の上に、ゴム材料2を少なくとも2つの異なる試験条件で押し付けて、ゴム材料2の摩耗量Lwが測定される。
試験条件としては、例えば、図4に示されるように、ゴム材料2の砥石面4b対するスリップ角θ1、又は、ゴム材料2の砥石面4bへの荷重が含まれる。スリップ角θ1は、ゴム材料2の進行方向A1と、ゴム材料2の回転方向(即ち、ゴム材料2の赤道面2cの方向)とのずれ角である。ゴム材料2の進行方向A1は、砥石盤4の中心4cとゴム材料2の接地中心2sとを結ぶ直線20に対して直交する方向(即ち、円盤状の砥石盤4の接線方向)である。
スリップ角θ1は、例えば、0度〜15度から選択される。また、荷重は、例えば、30N〜120Nから選択される。本実施形態では、4つの異なるスリップ角θ1が選択され、該スリップ角θ1において、ゴム材料2の摩耗量Lwが測定される。なお、スリップ角θ1が大きくなるほど、ゴム材料2の摩耗量Lwが大きくなる。図6は、本実施形態の摩耗量測定工程S1の処理手順の一例を示すフローチャートである。
摩耗量測定工程S1では、先ず、予め定められた試験条件に基づいて、ゴム材料2が支持部9に固定される(工程S11)。次に、シリンダ機構10のロッド10aが下方に収縮されて、ゴム材料2が砥石面4bに押し付けられる(工程S12)。
次に、摩耗量測定工程S1では、ゴム材料2を自由転動させて、ゴム材料2の摩耗量Lwが測定される(工程S13)。工程S13では、砥石面4bを回転させて、ゴム材料2を自由転動させている。これにより、ゴム材料2は、砥石面4bとの摩擦によって摩耗する。そして、摩耗試験では、予め定められた距離に達するまで、ゴム材料2を転動させた後に、ゴム材料2の摩耗量Lwが測定される。なお、ゴム材料2の転動距離は、例えば、1km〜10kmである。また、摩耗量Lwは、ゴム材料2の質量の減少分を測定し、この減少分に、ゴム材料2の密度を除することによって求めることができる。
次に、摩耗量測定工程S1では、予め定められた全ての試験条件において、ゴム材料2の摩耗量Lwが測定されたか否かが判断される(工程S14)。工程S14では、全ての試験条件において、ゴム材料2の摩耗量Lwが測定されたと判断された場合、次の工程S2が実施される。一方、全ての試験条件において、ゴム材料2の摩耗量Lwが測定されていないと判断された場合は、新たな試験条件に基づいて、ゴム材料2が支持部9(図3に示す)に固定され(工程S15)、工程S12〜工程S14が再度実施される。これにより、摩耗量測定工程S1では、予め定められた全ての試験条件において、ゴム材料2の摩耗量Lwが測定される。
次に、本実施形態のゴム材料評価方法では、コンピュータに、ゴム材料2をモデル化したゴム材料モデル16が設定される(工程S2)。図7は、ゴム材料モデル16の斜視図である。ゴム材料モデル16は、ゴム材料2(図2に示す)を数値解析法により取り扱い可能な有限個の要素F(i)(i=1、2、…)でモデル化(離散化)することによって設定される。この数値解析法としては、例えば有限要素法、有限体積法、差分法又は境界要素法が適宜採用できる。本実施形態では、有限要素法が採用される。
ゴム材料モデル16の要素F(i)としては、例えば、4面体ソリッド要素、5面体ソリッド要素、又は6面体ソリッド要素などが用いられるのが望ましい。各要素F(i)には、複数個の節点17が設けられる。このような各要素F(i)には、要素番号、節点17の番号、節点17の座標値及び材料特性(例えば密度、ヤング率及び/又は減衰係数等)などの数値データが定義される。このようなゴム材料モデル16は、コンピュータ1に記憶される。
次に、本実施形態のゴム材料評価方法では、コンピュータ1に、砥石盤4(図3に示す)をモデル化した砥石盤モデルが設定される(工程S3)。図8は、ゴム材料モデル16及び砥石盤モデル18の斜視図である。本実施形態の砥石盤モデル18は、砥石盤4の砥石面4b(図3に示す)を、数値解析法により取り扱い可能な有限個の要素G(i)(i=1、2、…)でモデル化(離散化)することによって設定される。この数値解析法としては、図7に示したゴム材料モデル16の要素F(i)と同様に、有限要素法が採用されるのが望ましい。
砥石盤モデル18の要素G(i)は、変形不能に設定された剛平面要素からなる。この要素G(i)には、複数の節点19が設けられる。さらに、要素G(i)は、要素番号や、節点19の座標値等の数値データが定義される。
本実施形態の砥石盤モデル18としては、平滑な表面を有するものが例示されたが、これに限定されるわけではない。例えば、砥石盤モデル18には、必要に応じて、砥石面4b(図3に示す)の砥粒のような凹凸等が設定されてもよい。砥石盤モデル18は、コンピュータ1に記憶される。
次に、本実施形態のゴム材料評価方法では、コンピュータ1によって、ゴム材料モデル16の摩耗エネルギーが計算される(ゴム材料シミュレーション工程S4)。本実施形態のゴム材料シミュレーション工程S4では、摩耗量測定工程S1でゴム材料2に定義された同一の試験条件に基づいて、砥石盤モデル18の上にゴム材料モデル16を接触させ、ゴム材料モデル16の摩耗エネルギーが計算される。図9は、ゴム材料シミュレーション工程S4の処理手順の一例を示すフローチャートである。図10は、図8の平面図である。
本実施形態のゴム材料シミュレーション工程S4では、先ず、ゴム材料モデル16を砥石盤モデル18上で転動させるための境界条件等が定義される(工程S41)。図8及び図10に示されるように、境界条件としては、ゴム材料モデル16のスリップ角θ1及び荷重T1が含まれる。本実施形態のスリップ角θ1としては、摩耗量測定工程S1で設定されたスリップ角(試験条件)θ1の中から一つのスリップ角θ1が選択される。なお、スリップ角θ1は、図4に示したゴム材料2と同様に、ゴム材料モデル16の進行方向A1と、ゴム材料モデル16の回転方向(即ち、ゴム材料モデル16の赤道面16cの方向)とのずれ角である。また、進行方向A1は、砥石盤モデル18の中心18cとゴム材料モデル16の接地中心16sとを結ぶ直線23に対して直交する方向である。
また、他の境界条件としては、予め定められた速度V1に対応する砥石盤モデル18の並進速度V1b、及び、ゴム材料モデル16と砥石盤モデル18との摩擦係数等が含まれる。これらの境界条件は、コンピュータ1に記憶される。
次に、本実施形態のゴム材料シミュレーション工程S4では、砥石盤モデル18の上にゴム材料モデル16を接触させる(工程S42)。この工程S42では、工程S41で設定されたゴム材料モデル16のスリップ角θ1、荷重T1及び摩擦係数等に基づいて、ゴム材料モデル16が砥石盤モデル18の上に接触される。
次に、本実施形態のゴム材料シミュレーション工程S4では、ゴム材料モデル16が砥石盤モデル18に転動(接触)している間、接触面の節点17のせん断力及びすべり量が計算される(工程S43)。工程S43では、工程S41で設定された砥石盤モデル18の並進速度V1b及び摩擦係数に基づいて、ゴム材料モデル16が砥石盤モデル18を転動する状態が計算される。なお、本実施形態のゴム材料シミュレーション工程S4では、ゴム材料モデル16に、速度V1に対応する角速度は定義されていない。これにより、工程S43では、図3に示した摩耗試験機3と同様に、回転する砥石盤モデル18との摩擦によって、ゴム材料モデル16が自由転動する状態が計算される。
このようなゴム材料モデル16の転動計算は、各要素の形状及び材料特性などをもとに、各要素F(i)の質量マトリックス、剛性マトリックス及び減衰マトリックスがそれぞれ作成される。さらに、これらの各マトリックスが組み合わされて、全体の系のマトリックスが作成される。そして、コンピュータ1が、前記各種の条件を当てはめて運動方程式を作成し、これらを単位時間T(x)(x=0、1、…)ごと(例えば、1μ秒ごと)にゴム材料モデル16の転動計算を行う。このような転動計算は、LSTC社製のLS-DYNAなどの市販の有限要素解析アプリケーションソフトを用いて計算できる。
そして、工程S43では、ゴム材料モデル16の接触面の節点17のせん断力R及びすべり量Uが計算される。せん断力Rには、X軸方向のせん断力Rx及びY軸方向のせん断力Ryが含まれる。
図11(a)は、砥石盤モデルを転動する試験片モデルの側面図である。図11(b)は、図11(a)の平面図である。時間T(i)において砥石盤モデル18に接触しているゴム材料モデル16の節点17は、次の時間T(i+1)経過後に、ゴム材料モデル16の回転方向(赤道面16c)に沿って移動する(第一移動位置21)。しかし、ゴム材料モデル16には、スリップ角θ1が設定されるため、進行方向A1の逆方向に移動した場合の第二移動位置22から第一移動位置21へすべりSLが生じる。このような観点より、本実施形態のすべり量Uは、第一移動位置21と第二移動位置22との差で求められる。
また、すべり量Uには、前記せん断力Rx、Ryに対応して、X軸方向のすべり量Ux及びY軸方向のすべり量Uyが含まれる。X軸方向のすべり量Uxは、第一移動位置21のX座標値21xと、第二移動位置22のX座標値22xとの差(21x−22x)で求められる。また、Y軸方向のすべり量Uyは、第一移動位置21のY座標値21yと、第二移動位置22のY座標値22yとの差(21y−22y)で求められる。
次に、本実施形態のゴム材料シミュレーション工程S4では、予め定められた転動終了時間が経過したか否かが判断される(工程S44)。工程S44では、転動終了時間が経過したと判断された場合、次の工程S45が実施される。一方、転動終了時間が経過していないと判断された場合は、単位時間T(x)を一つ進めて(工程S46)、工程S42〜工程S44が再度実施される。これにより、工程S43では、ゴム材料モデル16の節点17が砥石盤モデル18に接触している間、節点17のせん断力Rx、Ry及びすべり量Ux、Uyが微小時間(単位時間T(x))刻みで複数回計算される。そして、単位時間T(x)毎に計算された各せん断力Rx(i)、Ry(i)及び各すべり量Ux(i)、Uy(i)は、コンピュータ1に記憶される。
次に、本実施形態のゴム材料シミュレーション工程S4では、ゴム材料モデル16の摩耗エネルギーEwが計算される(工程S45)。本実施形態の摩耗エネルギーは、コンピュータ1に記憶されている各せん断力Rx(i)、Ry(i)及び各すべり量Ux(i)、Uy(i)に基づいて計算される。
本実施形態では、先ず、ゴム材料モデル16の接触面の各節点17において、該節点17が砥石盤モデル18に接触している間、各せん断力Rx(i)、Ry(i)と、該せん断力Rx(i)、Ry(i)に対応するすべり量Ux(i)、Uy(i)とを乗じた値を積算することにより、各節点17の摩耗エネルギーEw(i)が計算される。この各節点17の摩耗エネルギーEw(i)は、単位時間T(x)毎に計算される。そして、各節点17の摩耗エネルギーEw(i)のうち、全ての時間T(x)において、最も大きい摩耗エネルギーEw(i)が、設定された試験条件でのゴム材料モデル16の摩耗エネルギーEwとして決定される。このように、最も大きい摩耗エネルギーEw(i)を選択する理由としては、摩耗エネルギーEw(i)が最も大きい箇所で、主に摩耗が発生する考えられるためである。なお、ゴム材料モデル16の摩耗エネルギーEwは、全ての節点17の摩耗エネルギーEw(i)の平均値であってもよい。ゴム材料モデル16の摩耗エネルギーEwは、コンピュータ1に記憶される。
次に、本実施形態のゴム材料シミュレーション工程S4では、予め設定された全ての試験条件において、ゴム材料モデル16の摩耗エネルギーEwが計算されたか否かが判断される(工程S47)。工程S47では、全ての試験条件において、ゴム材料モデル16の摩耗エネルギーEwが計算されたと判断された場合、次の工程S5が実施される。一方、全ての試験条件において、ゴム材料モデル16の摩耗エネルギーEwが測定されていないと判断された場合は、新たな試験条件(本実施形態では、スリップ角θ1)をゴム材料モデル16に設定して(工程S48)、工程S42〜工程S47が再度実施される。これにより、ゴム材料シミュレーション工程S4では、各試験条件において、ゴム材料モデル16の摩耗エネルギーEwを計算することができる。
次に、本実施形態のゴム材料評価方法では、コンピュータ1によって、ゴム材料2の摩耗量Lwと摩耗エネルギーEwとの関係RLが求められる(工程S5)。本実施形態の工程S5では、各試験条件において、ゴム材料2の摩耗量Lw及びゴム材料モデル16の摩耗エネルギーEwをグラフにプロットし、さらに線形近似することによって、ゴム材料2の摩耗量Lwと摩耗エネルギーEwとの関係(本実施形態では、線形関係)RLが求められる。図12は、ゴム材料2の摩耗量Lwと摩耗エネルギーEwとの関係RLを示すグラフである。
このように、本実施形態のゴム材料評価方法では、ゴム材料2を用いた摩耗試験と、ゴム材料モデル16を用いたシミュレーションとを互いに関連付けることにより、ゴム材料2の摩耗量Lwと摩耗エネルギーEwとの関係を容易に求めることができる。
ゴム材料2の関係RLでは、摩耗エネルギーEwに対する摩耗量Lwを、一意に求めることができる。従って、関係RLを用いることにより、ゴム材料2の摩耗性能を正確に評価することができる。関係RLでは、ゴム材料2の評価に必要な試験条件毎に、ゴム材料2を用いた摩耗試験、及び、ゴム材料モデル16を用いたシミュレーションを実施することなく、様々な条件での摩耗エネルギーEwに対する摩耗量Lw、及び、摩耗量Lwに対する摩耗エネルギーEwを求めることができる。従って、関係RLは、ゴム材料2の摩耗性能を効率よく評価及び把握するのに役立つ。
関係RLは、ゴム材料2が使用されるゴム製品(例えば、タイヤ)によって、摩耗エネルギーEwの範囲が異なる。このため、関係RLを、ゴム製品に生じる摩耗エネルギーEwの範囲で積分した値(例えば、面積24)により、ゴム製品の摩耗量を求めることができるため、ゴム製品の摩耗性能を正確に評価することができる。なお、各ゴム製品では、各摩耗エネルギーEwが均一に生じない。このため、面積24は、各摩耗エネルギーEwが、各摩耗エネルギーEwの発生頻度で重み付けされることによって求められるのが望ましい。これにより、ゴム製品の摩耗量を正確に求めることができる。
ところで、従来、摩耗エネルギーEwが少しでも生じると、ゴム材料2が摩耗すると考えられていた。ところが、発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、一定の摩耗エネルギーEwを超えた後にゴム材料2の摩耗が始まることを知見した。このため、本実施形態では、摩耗量がゼロのときに摩耗エネルギーがゼロとなる原点Oを考慮せずに、プロットされたデータのみに基づいて、線形近似している。
本実施形態の関係RLでは、摩耗量Lwがゼロのときの摩耗エネルギーEwの切片Snを有している。この関係RLでは、切片Sn以下の摩耗エネルギーEwにおいて、ゴム材料2が摩耗しないことを示している。このような関係RLを用いることにより、例えば、摩擦係数μが低い路面でのゴム材料2の摩耗量Lwを的確に把握することができる。従って、上記関係RLは、ゴム材料2の摩耗性能を正確に評価するのに役立つ。
次に、本実施形態のゴム材料評価方法では、ゴム材料2が所望の摩耗性能を有するか否かが判断される(工程S6)。工程S6では、ゴム材料2が所望の摩耗性能を有すると判断された場合は、上記ゴム材料が製造される(工程S7)。一方、ゴム材料モデル16が所望の摩耗性能を有していないと判断された場合は、ゴム材料2の配合等が変更され(工程S8)、本実施形態のゴム材料評価方法が再度行われる(工程S1〜S6)。このように、本実施形態のゴム材料評価方法では、ゴム材料2の摩耗性能が所望の摩耗性能になるまで、ゴム材料2の配合等が変更されるため、摩耗性能に優れたゴム材料2を、効率良く製造することができる。
本実施形態では、一つのゴム材料の関係RLが求められるものが示されたが、これに限定されるわけではない。例えば、配合等が異なる複数のゴム材料の関係が求められてもよい。これにより、各ゴム材料の摩耗特性の違いを分析するのに役立つ。
例えば、摩耗エネルギーEwに対する摩耗量Lwの傾きLw/Ew及び切片Snが異なり、かつ関係RL、RLが互いに交差する二種類のゴム材料2、2では、関係RL、RLの交点よりも小さな摩耗エネルギーEwと、該交点よりも大きな摩耗エネルギーEwとで、摩耗量Lwが互いに逆転する。これは、摩耗エネルギーEwに応じて、各ゴム材料2、2の摩耗力Lwが異なることを示している。このようなゴム材料2、2の摩耗性能を比較する場合、ゴム材料2、2の使用条件(タイヤの使用条件)に応じて、ゴム材料2、2の性質を考慮した摩耗性能を的確に予測することができる。
次に、上記ゴム材料評価方法で特定された関係RLに基づいて、タイヤ26の摩耗性能を、コンピュータ1を用いて評価する方法(以下、単に、「タイヤ評価方法」ということがある。)について説明する。コンピュータ1の記憶装置には、本実施形態のタイヤ評価方法を実行するためのソフトウェア等が予め記憶されている。従って、コンピュータ1は、タイヤの摩耗性能を評価するシミュレーション装置として構成される。
図13は、摩耗性能が評価されるタイヤの断面図である。タイヤ26は、例えば、乗用車用の空気入りタイヤとして構成される。タイヤ26は、例えば、トレッド部26aからサイドウォール部26bを経てビード部26cのビードコア27に至るカーカス28と、このカーカス28のタイヤ半径方向外側かつトレッド部26aの内部に配されるベルト層29とが設けられる。
トレッド部26aには、ベルト層29のタイヤ半径方向外側にトレッドゴム30aが配されている。トレッド部26aの外面には、例えば、タイヤ周方向に連続してのびる主溝31、該主溝31と交わる向きにのびる複数本の横溝(図示省略)とが設けられる。これらの主溝31及び横溝により、トレッド部26aは、複数のブロック33に区分される。
カーカス28は、少なくとも1枚以上、本実施形態では1枚のカーカスプライ28Aで構成される。このカーカスプライ28Aは、トレッド部26aからサイドウォール部26bを経てビード部26cのビードコア27に至る本体部28aと、この本体部28aに連なりビードコア27の廻りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返された折返し部28bとを含んでいる。この本体部28aと折返し部28bとの間には、ビードコア27からタイヤ半径方向外側にのびるビードエーペックスゴム34が配される。また、カーカスプライ28Aは、タイヤ赤道Cに対して、例えば75度〜90度の角度で配列されたカーカスコードを有している。
ベルト層29は、例えば、ベルトコードをタイヤ赤道Cに対して10度〜40度の小角度で傾けて配列した少なくとも2枚、本例ではタイヤ半径方向内、外2枚のベルトプライ29A、29Bから構成される。
図14は、本実施形態のタイヤ評価方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。本実施形態のタイヤ評価方法では、先ず、コンピュータ1に、タイヤ26をモデル化したタイヤモデルが設定される(工程S21)。図15は、タイヤモデルの断面図である。
タイヤモデル36は、図13に示したタイヤ26を、数値解析法により取り扱い可能な有限個の要素H(i)(i=1、2、…)でモデル化(離散化)することで設定される。この数値解析法としては、図7及び図8に示したゴム材料モデル16及び砥石盤モデル18の各要素F(i)、G(i)と同様に、有限要素法が採用されるのが望ましい。
工程S21では、図13に示したトレッドゴム30a等を含むゴム部分30G、カーカスプライ28A及びベルトプライ29A、29Bが要素H(i)でモデル化される。これにより、ゴム部材モデル38、カーカスプライモデル39及びベルトプライモデル40を有するタイヤモデル36が設定される。
要素H(i)としては、ゴム材料モデル16の要素F(i)と同様に、4面体ソリッド要素、5面体ソリッド要素、又は6面体ソリッド要素などが用いられる。各要素H(i)には、複数個の節点41が設けられる。このような各要素H(i)には、要素番号、節点41の番号、節点41の座標値及び材料特性(例えば密度、ヤング率及び/又は減衰係数等)などの数値データが定義される。このようなタイヤモデル36は、コンピュータ1に記憶される。
次に、本実施形態のタイヤ評価方法では、コンピュータ1に、路面をモデル化した路面モデルが設定される(工程S22)。図16は、タイヤモデル及び路面モデルの斜視図である。
路面モデル43は、例えば、単一の平面を構成する剛表面の要素Jでモデル化される。これにより、路面モデル43は、外力が作用しても変形不能に定義される。そして、路面モデル43を構成する要素Jの数値データが、コンピュータ1に記憶される。
本実施形態の路面モデル43としては、平滑な表面を有するものが例示されたが、これに限定されるわけではない。例えば、路面モデル43には、必要に応じて、アスファルト路面のような微小凹凸、不規則な段差、窪み、うねり、又は轍等の実走行路面に近似した凹凸などが設けられても良い。このような路面モデル43は、コンピュータ1に記憶される。
次に、本実施形態のタイヤ評価方法では、コンピュータ1に、タイヤモデル36を路面モデル43上で転動させるための境界条件が定義される(工程S23)。この境界条件としては、従来のシミュレーション方法と同様に、例えば、タイヤモデル36の内圧条件、負荷荷重条件、キャンバー角、スリップ角、走行速度V2に対応するタイヤモデル36の角速度V2a、走行速度V2に対応する路面モデル43の並進速度V2b、及び、タイヤモデル36と路面モデル43との摩擦係数等が設定される。並進速度V2bは、タイヤモデル36の接地面での速度である。これらの条件は、コンピュータ1に記憶される。
次に、本実施形態のタイヤ評価方法では、コンピュータ1によって、路面モデル43の上でタイヤモデル36を転動させ、タイヤモデル36の摩耗エネルギーが計算される(タイヤシミュレーション工程S24)。図17は、本実施形態のタイヤシミュレーション工程S24の処理手順の一例を示すフローチャートである。
本実施形態のタイヤシミュレーション工程S24では、先ず、タイヤモデル36(図15に示す)の内圧充填後の形状が計算される(工程S31)。工程S31では、先ず、タイヤモデル36のビード部36cに、リム42(図13に示す)をモデル化したリムモデル46が配置される。このリムモデル46は、リム42が、変形不能に設定された面要素でモデル化されたものである。これにより、タイヤモデル36のビード部36cが拘束される。
さらに、タイヤモデル36には、内圧条件に相当する等分布荷重wに基づいて変形計算される。これにより、工程S31では、タイヤモデル36の形状を、内圧充填後の形状に変形計算することができる。なお、内圧には、例えば、タイヤ26(図13に示す)が基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧が設定されるのが望ましい。
このようなタイヤモデル36の変形計算は、各要素H(i)の形状及び材料特性などをもとに、各要素H(i)の質量マトリックス、剛性マトリックス及び減衰マトリックスがそれぞれ作成される。さらに、これらの各マトリックスが組み合わされて、全体の系のマトリックスが作成される。そして、コンピュータ1が、前記各種の条件を当てはめて運動方程式を作成し、これらを単位時間T(x)(x=0、1、…)ごと(例えば、1μ秒ごと)にタイヤモデル36の変形計算を行う。このような変形計算も、例えば、LSTC社製のLS-DYNAなどの市販の有限要素解析アプリケーションソフトを用いて計算できる。
次に、本実施形態のタイヤシミュレーション工程S24では、内圧充填後のタイヤモデル36に、荷重が定義される(工程S32)。工程S32では、先ず、図16に示されるように、内圧充填後のタイヤモデル36と、路面モデル43との接触が設定される。さらに、工程S32では、予め定められた荷重T2に基づいて、タイヤモデル36の変形が計算される。これにより、工程S32では、路面モデル43に接地したタイヤモデル36が計算される。なお、荷重T2には、例えば、タイヤ26(図2に示す)の規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重が設定されるのが望ましい。
次に、本実施形態のタイヤシミュレーション工程S24では、タイヤモデル36を転動させて、せん断力及びすべり量が計算される(工程S33)。工程S33では、タイヤモデル36の回転軸51に設定された角速度V2a、及び、路面モデル43に設定された並進速度V2bに基づいて、路面モデル43上を転動するタイヤモデル36が計算される。そして、タイヤモデル36のトレッド部36aの節点41(図15に示す)が路面モデル43に接地している間、節点41のせん断力及びすべり量が計算される
本実施形態の工程S33では、トレッド部36aの少なくとも一部、本実施形態では、トレッド部36aの接地面の節点41において、せん断力P及びすべり量Qが計算される。せん断力Pには、タイヤ軸方向のせん断力Px及びタイヤ周方向のせん断力Pyが含まれる。また、すべり量Qには、前記せん断力Px、Pyに対応して、タイヤ軸方向のすべり量Qx及びタイヤ周方向のすべり量Qyが含まれる。これらのせん断力Px、Py及びすべり量Qx、Qyは、コンピュータ1に記憶される。
次に、本実施形態のタイヤシミュレーション工程S24では、予め定められた転動終了時間が経過したか否かが判断される(工程S34)。工程S34では、転動終了時間が経過したと判断された場合、次の工程S35が実施される。一方、転動終了時間が経過していないと判断された場合は、単位時間T(x)を一つ進めて(工程S36)、工程S33及び工程S34が再度実施される。これにより、タイヤシミュレーション工程S24では、転動開始から転動終了まで間、節点41のせん断力Px、Py及びすべり量Qx、Qyが微小時間(単位時間T(x))刻みで複数回計算される。そして、単位時間T(x)毎に計算された各せん断力Px(i)、Py(i)及び各すべり量Qx(i)、Qy(i)は、コンピュータ1に記憶される。
次に、本実施形態のタイヤシミュレーション工程S24では、タイヤモデル36のトレッド部36aの少なくとも一部、本実施形態では、トレッド部36aの接地面の摩耗エネルギーEyが計算される(工程S35)。摩耗エネルギーEyは、コンピュータ1に記憶されているせん断力Px(i)、Py(i)及び各すべり量Qx(i)、Qy(i)に基づいて計算される。本実施形態では、先ず、トレッド部36aの各節点41において、各せん断力Px(i)、Py(i)と、該せん断力Px(i)、Py(i)に対応するすべり量Qx(i)、Qy(i)とを乗じた値を、トレッド部36aの接地面の接地入りから接地端までの要素H(i)を対象に積算する。そして、これらの積算値を、各節点41に割り当てられる接地面積で除されることにより、各節点41の単位面積当たりの摩耗エネルギーEy(i)が計算される。即ち、タイヤモデル36の摩耗エネルギーEy(i)は、節点41毎に計算される単位面積当たりの摩耗エネルギーEy(i)である。
図18は、タイヤモデル36のトレッド部36aの部分拡大図である。本実施形態の各節点41に割り当てられる接地面積は、各節点41を共有する各要素H(i)の重心点48(本実施形態では4つ)で囲まれる領域50内の面積として定義される。
このような各節点41の単位面積当たりの摩耗エネルギーEy(i)は、各節点41が接地している間、単位時間T(x)毎に計算される。このようなタイヤモデル36の摩耗エネルギーEy(i)は、コンピュータ1に記憶される。
次に、本実施形態のタイヤ評価方法では、コンピュータによって、タイヤモデル36の摩耗エネルギーEy(i)と、関係RLとに基づいて、タイヤモデル36の摩耗量が計算される(工程S25)。本実施形態では、タイヤ26のトレッドゴム30aと同一のゴム材料2の関係RL(図12に示す)が予め求められている。
工程S25では、ゴム材料2の関係RLに基づいて、タイヤモデル36の各節点41の摩耗エネルギーEy(i)に対応する各節点41の摩耗量Ly(i)が求められる。従って、本実施形態の工程S25では、節点41毎に、タイヤモデル36の摩耗量Lyを容易に求めることができるため、タイヤの摩耗性能を容易に評価することができる。
しかも、本実施形態の関係RLは、摩耗量Lwがゼロのときの摩耗エネルギーEwの切片Snを有するため、摩擦係数μが低い路面でのタイヤ26の摩耗量Lyを的確に把握することができる。従って、タイヤ評価方法では、タイヤ26の摩耗性能を正確に評価することができる。また、タイヤモデル36の摩耗量Lyは、コンター図で表示されてもよい。図19は、タイヤモデル36の摩耗量Lyのコンター図である。
コンター図では、タイヤモデル36の各節点41(図18に示す)で計算された摩耗量Ly(i)、及び、該節点41の摩耗量Ly(i)から補間計算された摩耗量に基づいて、同一範囲の摩耗量毎に、異なる色情報が設定される。なお、色情報としては、グレースケール(輝度)が採用されているが、カラースケール(色)でもよいのは言うまでもない。また、コンター図は、例えば、汎用のポストプロセッサ( LSTC 社製の LS-PrePost など)を用いて求めることができる。このようなコンター図は、タイヤモデル36の各ブロック35での摩耗量を、容易に把握するのに役立つ。
また、タイヤモデル36の各節点41の摩耗量Ly(i)に基づいて、タイヤモデル36のトレッドゴム38aを凹ませて、摩耗状態に修正する処理が実施されてもよい。このような処理では、実際のタイヤ26の摩耗状況に近い解析が可能となり、より精度の高い解析結果を得ることができる。さらに、摩耗状態に修正されたタイヤモデル36を用いて、タイヤシミュレーション工程S24、及び、摩耗状態の修正が繰り返し実施されることにより、摩耗を進展させるシミュレーションを実施してもよい。
次に、本実施形態のタイヤ評価方法では、タイヤ26の摩耗性能が、良好か否かが判断される(工程S26)。工程S26では、タイヤ26の摩耗性能が良好と判断された場合は、上記タイヤモデル36に基づいて、タイヤ26が製造される(工程S27)。一方、タイヤモデル36の摩耗性能が良好でないと判断された場合は、タイヤ26が再設計され(工程S28)、工程S21〜工程S26が再度行われる。このように、本実施形態のタイヤ評価方法では、タイヤモデル36の摩耗性能が良好になるまで、タイヤ26が再設計されるため、摩耗性能に優れたタイヤを、効率良く設計することができる。なお、タイヤ26のトレッドゴム30aの配合が変更になる場合は、トレッドゴム30aと同一のゴム材料2において、摩耗量と摩耗エネルギーとの関係RLが改めて求められる。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
図5、図6及び図9に示した手順に従って、ゴム材料A及びゴム材料Bの摩耗量と摩耗エネルギーとの関係(図20(a)に示す。)が求められた。この摩耗量と摩耗エネルギーとの関係では、摩耗量がゼロのときの摩耗エネルギーの切片を有している。次に、図14及び図17に示した手順に従って、ゴム材料Aのトレッドゴムを有するタイヤ、及び、ゴム材料Bのトレッドゴムを有するタイヤの摩耗量が計算され、それぞれの摩耗性能が評価された。(実施例1)。評価は、ゴム材料Aのタイヤを100とする指数で表示している。
図5、図6及び図9に示した手順に従って、ゴム材料A及びゴム材料Bの摩耗量と摩耗エネルギーとの関係が求められた(図20(b)に示す。)。この摩耗量と摩耗エネルギーとの関係では、摩耗量がゼロのときに摩耗エネルギーもゼロとなるように、線形近似して求められている。次に、図14及び図17に示した手順に従って、ゴム材料Aのトレッドゴムを有するタイヤ、及び、ゴム材料Bのトレッドゴムを有するタイヤの摩耗量が計算され、それぞれの摩耗性能が評価された(実施例2)。評価は、ゴム材料Aのタイヤを100とする指数で表示している。
ゴム材料Aのトレッドゴムを有するタイヤ、及び、ゴム材料Bのトレッドゴムを有するタイヤを、下記車両に下記条件で装着し、直進主体のコースを走行させた後の摩耗状態がそれぞれ評価された(実験例)。評価は、ゴム材料Aのタイヤを100とする指数で表示している。
そして、実施例1及び実施例2の評価結果と、実験例の評価結果との整合性がそれぞれ確認された。なお、評価の差が、5以下であれば、実験例との誤差が少なく、良好である。共通仕様は、次のとおりである。
摩耗試験機:株式会社平泉洋行製のゴム摩耗試験機(型式:LAT100)
砥石面の粒度:50(メッシュ)
試験片:
外径D1a:80mm
内径D1b:35mm
幅W1:18mm
砥石盤モデルの速度V1:20km/h
タイヤサイズ:215/60R16
リムサイズ:16×6.5J
内圧:230kPa
荷重:
Fr:5.35kN
Rr:3.92kN
車両:排気量2000ccの国産FR車
タイヤモデルの走行速度V2:20km/h
テストの結果を表1に示す。
テストの結果、実施例1及び実施例2では、実験例との誤差が小さく、タイヤの摩耗性能を正確に評価できることを確認できた。しかも、摩耗量と摩耗エネルギーとの関係において切片を有する実施例1では、摩耗量と摩耗エネルギーとの関係において切片を有しない実施例2に比べて、実験例との誤差が小さいため、タイヤの摩耗性能を正確に評価することができた。