JP6786981B2 - ゴムの摩耗性能の評価方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ゴムの摩耗性能の評価方法に関する。
タイヤ、パッキン、シールリング等、各種の物品にゴムが利用されている。この種のゴム物品については、十分な性能を長期に亘って発揮するために、高い耐摩耗性が求められている。例えば、ゴム物品の一つであるタイヤトレッドの耐摩耗性を調べるために、従来では、タイヤを実車に装着し、テストコース等を長時間走行させ、その後、トレッド表面の摩耗量を測定することが行われていた(下記特許文献参照)。また、他のゴム物品についても、耐摩耗性を評価するために、耐久試験等が長時間に亘って行われていた。
特開2001−56215号公報
しかしながら、従来の方法では、ゴム物品の摩耗性能を評価するために、多くの時間を要するという問題があった。
本発明は、以上のような問題点に鑑み案出なされたもので、短時間で摩耗性能を評価することが可能なゴムの摩耗性能の評価方法を提供することを主たる目的としている。
本発明は、ゴムからなる物品の摩耗性能を評価するための方法であって、前記物品を、凹凸を有する表面に擦りつけて摩耗させる工程と、摩耗後の前記物品の微細な表面凹凸状態を特定するパラメータを取得する工程と、前記パラメータに基づいて、前記物品の摩耗性能を評価する工程とを含むことを特徴とする。
本発明に係る前記ゴムの摩耗性能の評価方法において、前記パラメータは、前記物品の表面に形成された微小凹部(リセス、クラックを含むように記載)の容積又は個数を含むのが望ましい。
本発明に係る前記ゴムの摩耗性能の評価方法において、前記微小凹部は、最大径が500μm以下であるのが望ましい。
本発明に係る前記ゴムの摩耗性能の評価方法において、前記パラメータを取得する工程は、前記物品の表面を顕微鏡で観察する工程を含むのが望ましい。
本発明に係る前記ゴムの摩耗性能の評価方法において、前記物品がタイヤであるのが望ましい。
本発明に係る前記ゴムの摩耗性能の評価方法において、前記凹凸を有する表面が、路面であるのが望ましい。
本発明に係る前記ゴムの摩耗性能の評価方法において、前記物品が、ゴム試験片であり、前記凹凸を有する表面が、摩耗試験器の砥石面であるのが望ましい。
本発明は、ゴムからなる物品の摩耗性能を評価するための方法であって、前記物品を、凹凸を有する表面に擦りつけて摩耗させる工程と、摩耗後の前記物品の微細な表面凹凸状態を特定するパラメータを取得する工程と、前記パラメータに基づいて、前記物品の摩耗性能を評価する工程とを含む。従って、本発明の方法によれば、物品を、微細な表面凹凸状態が形成される程度に摩耗させることで、その摩耗性能を評価することができる。従って、短時間でゴムからなる物品の摩耗性能を評価することができる。
物品及び凹凸を有する表面の一例を示す斜視図である。 物品の一例を示す斜視図である。 図1の物品及び凹凸を有する表面の平面図である。 ゴムの摩耗性能の評価方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。本 摩耗工程の処理手順の一例を示すフローチャートである。 パラメータ取得工程の一例を示すフローチャートである。 摩耗後の物品の表面凹凸状態を示す3次元画像である。 図7の物品の表面をさらに摩耗させた表面凹凸状態を示す3次元画像である。 本発明の他の実施形態のゴム試験片を示す斜視図である。 本発明の他の実施形態の物品及び凹凸を有する表面を示す側面図である。 実施例の摩耗性能の評価結果と、比較例の摩耗性能の評価結果との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
本実施形態のゴムの摩耗性能の評価方法(以下、単に「評価方法」ということがある)は、ゴムからなる物品を、凹凸を有する表面(以下、単に「凹凸面」ということがある。)に擦りつけて、摩耗性能を評価するための方法である。
図1は、物品1及び凹凸面2の一例を示す斜視図である。図2は、物品の一例を示す斜視図である。本実施形態の物品1としては、ゴム試験片3である場合が例示される。本実施形態のゴム試験片3は、例えば、円筒状に形成されている。また、ゴム試験片3の中央には、厚さ方向に貫通する孔部3oが設けられている。ゴム試験片3の大きさについては、適宜設定することができる。ゴム試験片3は、例えば、その外径D1が40〜80mm程度、内径D2が10〜40mm程度、幅W1が5〜40mm程度に設定されている。
図3は、図1の物品1及び凹凸面2の平面図である。図1及び図3に示されるように、本実施形態の凹凸面2としては、摩耗試験器5の砥石面6である場合が例示される。
摩耗試験器5は、例えば、ゴム試験片3の摩耗状況から、ゴムの摩耗性能を評価する室内摩耗試験器として構成されている。図1に示されるように、本実施形態の摩耗試験器5は、回転する砥石盤7、ゴム試験片3を支持するゴム材料支持部8、並びに、砥石盤7及びゴム材料支持部8を支持するベース9を含んでいる。これらの砥石盤7、ゴム材料支持部8及びベース9は、例えば、摩耗試験器5の運転及び停止させるスイッチ等が設けられる筐体(図示省略)に収納されている。
砥石盤7は、円盤状の回転テーブル11の上に載置されている。回転テーブル11は、ベース9から上方へ突出する垂直軸12に固着されている。垂直軸12には、ベース9に内蔵される電動機(図示省略)等に固着されている。このような砥石盤7は、電動機等の駆動によって、垂直軸周りに回転することができる。
砥石面6には、砥石盤7の表面に形成されている。砥石面6は、複数の砥粒(図示省略)が形成されている。砥石面6の粒度としては、物品1を摩耗させる量等に応じて、適宜設定することができる。砥石面6は、例えば、24メッシュ〜240メッシュ程度が望ましい。
ゴム材料支持部8は、ゴム試験片3を水平軸周りに回転可能に支持する支持部13と、ゴム試験片3を移動させるシリンダ機構14とを含んでいる。
支持部13は、一端側がゴム試験片3の孔部3o(図2に示す)に挿入される水平軸15と、水平軸15の他端側を水平軸周りに回転自在に枢支する水平軸固定部16とを含んで構成されている。水平軸15は、例えば、ベアリング等の軸受部17を介して、水平軸固定部16に支持されるのが望ましい。
シリンダ機構14は、長手方向に伸縮するロッド18と、該ロッド18を出し入れ可能に支持するシリンダ19と、ロッド18を伸縮させる電動機(図示省略)とを含んでいる。ロッド18の先端には、板状の連結部材20の一端側が固着されている、この連結部材20の他端側には、水平軸固定部16が固着されている。これにより、シリンダ機構14は、ロッド18の上下方法の伸縮により、ゴム試験片3を、砥石面6に対し垂直移動させることができる。また、本実施形態のシリンダ19は、ベース9の上に、垂直軸回りに回転可能に支持されている。これにより、ゴム材料支持部8は、ゴム試験片3に、砥石面6に対するスリップ角θ1(図3に示す)等を設定することができる。
スリップ角θ1は、ゴム試験片3の進行方向A1と、ゴム試験片3の回転方向(即ち、ゴム試験片3の赤道面3tの方向)とのずれ角である。ゴム試験片3の進行方向A1は、砥石盤7の中心7cとゴム試験片3の接地中心3cとを結ぶ直線10に対して直交する方向(即ち、円盤状の砥石盤7の接線方向)である。
図4は、評価方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。本実施形態の評価方法では、先ず、図1に示されるように、物品1を、凹凸面2に擦りつけて摩耗させる(摩耗工程S1)。本実施形態の摩耗工程S1では、予め定められた摩耗条件に基づいて、ゴム試験片3を砥石面6に自由転動させることで、ゴム試験片3を摩耗させている。
摩耗条件については、ゴム試験片3を摩耗させる量等に応じて、適宜設定することができる。本実施形態の摩耗条件としては、例えば、スリップ角θ1(図3に示す)、ゴム試験片3に負荷させる荷重、ゴム試験片3の速度V1(図1に示す)、又は、ゴム試験片3の走行距離(転動回数)が含まれる。
スリップ角θ1(図3に示す)が大きいほど、ゴム試験片3を早期に摩耗させることができる。従って、スリップ角θ1は、例えば、ゴム試験片3の摩耗のしやすさ等に応じて、適宜設定することができる。本実施形態のスリップ角θ1は、例えば、1〜15度の範囲で設定される。
同様に、荷重については、例えば、10〜120Nの範囲で設定される。同様に、速度V1(図1に示す)は、例えば、1〜40km/hの範囲で設定され、走行距離は、例えば、0.01〜2kmの範囲で設定される。なお、本実施形態の走行距離は、摩耗試験器5を用いた従来の摩耗試験での走行距離(4〜8km)に比べて小さい。なお、荷重、速度V1及び走行距離も、このような態様に限定されるわけではなく、適宜設定することができる。
図5は、摩耗工程S1の処理手順の一例を示すフローチャートである。摩耗工程S1では、先ず、図1に示されるように、物品1を、凹凸面2に接触させる(工程S11)。工程S11では、上記の摩耗条件(例えば、スリップ角θ1(図3に示す)、荷重)に基づいて、ゴム試験片3を砥石面6に接触させている。
次に、摩耗工程S1では、物品1を、凹凸面2に擦りつける(工程S12)。本実施形態の工程S12では、砥石面6に、ゴム試験片3を自由転動させている。
工程S12では、先ず、摩耗試験器5の砥石盤7を、垂直軸周りに回転させる。本実施形態では、上記摩耗条件(ゴム試験片3の速度V1)に基づいて、砥石盤7を回転している。これにより、工程S12では、ゴム試験片3を砥石面6に自由転動させることができる。このゴム試験片3の自由転動により、ゴム試験片3は、砥石面6との摩擦によって摩耗する。
次に、摩耗工程S1では、物品1が予め定められた走行距離を転動したか否かが判断される(工程S13)。走行距離は、摩耗条件として設定された走行距離である。物品1が走行距離を転動したと判断された場合(工程S13で、「Y」)、次のパラメータ取得工程S2が行われる。他方、物品1が走行距離を転動していないと判断された場合(工程S13で、「N」)、工程S12及び工程S13が再度実施される。これにより、摩耗工程S1では、ゴム試験片3を砥石面6に一定の距離を走行させて、摩耗させることができる。
本実施形態のゴム試験片3の走行距離は、従来の摩耗試験での走行距離に比べて小さい。このため、本実施形態の摩耗工程S1は、ゴム試験片3を摩耗させる時間を短縮することができる。
次に、本実施形態の評価方法では、摩耗後の物品1の微細な表面凹凸状態を特定するパラメータを取得している(パラメータ取得工程S2)。図6は、パラメータ取得工程S2の一例を示すフローチャートである。
本実施形態のパラメータ取得工程S2では、先ず、物品1の表面1s(図2に示す)を顕微鏡で観察する(工程S21)。顕微鏡としては、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)が用いられる。このような走査型電子顕微鏡は、物品1の表面1sを電子線で走査し、電子線を当てた座標の情報から物品1の表面1sの3次元画像を構築して表示することができる。
物品1の表面1s(本実施形態では、ゴム試験片3の表面3s)を観察する領域(以下、単に「観察領域」ということがある。)については、表面1sの全体でも良いが、表面1sの一部分でもよい。ゴム試験片3の表面3sが、周方向で略均一に摩耗していると考えることができる。このため、本実施形態では、表面3sの一部分を観察している。観察領域の大きさについては、顕微鏡の性能や、評価精度等に応じて、適宜設定することができる。本実施形態の観察領域の大きさは、例えば、250000〜1500000μm2程度に設定される。
図7は、摩耗後の物品1の表面凹凸状態を示す3次元画像である。図7に示されるように、摩耗後の物品1の表面1sには、リセスやクラック等を含む微小凹部21(第1微小凹部21A)が形成されている。
図8は、図7の物品1の表面1sをさらに摩耗させた表面凹凸状態を示す3次元画像である。図8に示されるように、物品1をさらに摩耗させると、微小凹部21(第1微小凹部21A)の容積が大きくなるとともに、その第1微小凹部21Aの近傍に、新たな微小凹部21(第2微小凹部21B)が形成されている。発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、初期の摩耗で形成された微小凹部21を起点として、物品1の摩耗が進行していくと推定した。そして、発明者らは、従来の評価方法のように、物品1を大きく摩耗させなくても、物品1の微細な表面凹凸状態を特定することで、その摩耗性能を評価できることを知見した。
このような知見に基づいて、本実施形態のパラメータ取得工程S2では、摩耗後の物品1の微細な表面凹凸状態を特定するパラメータを取得している(工程S22)。本実施形態では、パラメータとして、物品1の表面1sに形成された微小凹部21の容積が取得される。本実施形態の工程S22では、上記観察領域内に形成された微小凹部21の容積の合計値が取得されている。なお、微小凹部21の容積は、物品1の表面1sの全体に形成された微小凹部21の容積の合計値でもよい。
微小凹部21の容積の取得方法については、適宜設定することができる。本実施形態では、物品1の3次元画像に基づいて、摩耗前に予め取得した物品1の表面の座標データと、微小凹部21の座標データとの間の空間の体積を求めることによって、微小凹部21の容積の取得している。
次に、本実施形態の評価方法は、パラメータに基づいて、物品1の摩耗性能を評価する(工程S3)。本実施形態の工程S3では、微小凹部21の容積が大きいほど、摩耗が早期に進行すると考えられる。この場合、物品1が摩耗しやすいと評価される。他方、微小凹部21の容積が小さいほど、摩耗の進行が遅いと考えられる。この場合、物品1が摩耗しにくいと評価される。
このように、本実施形態の評価方法によれば、従来の評価方法のように、物品1を大きく摩耗させなくても、微細な表面凹凸状態が形成される程度に物品1を摩耗させることで、その摩耗性能を評価することができる。従って、本実施形態の評価方法は、短時間で物品1の摩耗性能を評価することができる。
このような作用を効果的に発揮させるために、微小凹部21の最大径L1(図7に示す)が500μm以下となるように、物品1を摩耗させるのが望ましい。これにより、物品1の摩耗時間を短縮することができるため、物品1の摩耗性能を短時間で評価することができる。なお、微小凹部21の最大径L1が小さすぎても、取得されるパラメータが小さいため、物品1の摩耗性能を十分に評価できないおそれがある。このため、微小凹部21の最大径L1は、10μm以上が望ましい。
評価方法は、例えば、配合が異なる複数の物品1のパラメータを取得して、これらの物品1のパラメータが比較されてもよい。これにより、複数の物品1について、摩耗のしやすさを相対的に評価することができる。なお、各物品1の摩耗条件は、同一に設定されるのが望ましい。
さらに、評価方法では、例えば、摩耗性能の評価の基準となる物品(以下、単に「基準物品」ということがある。)のパラメータを予め求めておき、この基準物品のパラメータと比較して、物品1のパラメータが、良好か否かが判断されてもよい。これにより、物品1の摩耗性能を、定量的に評価することができる。なお、物品1の摩耗条件と、基準物品の摩耗条件とは、同一に設定されるのが望ましい。
これまでの実施形態のパラメータは、物品1の表面1sに形成された微小凹部21の容積である場合が例示されたが、このような態様に限定されるわけではない。パラメータは、例えば、微小凹部21の個数であってもよい。微小凹部21の個数が多いほど、摩耗が早期に進行すると考えられる。この場合、物品1が摩耗しやすいと評価される。他方、微小凹部21の個数が少ないほど、摩耗の進行が遅いと考えられる。この場合、物品1が摩耗しにくいと評価される。
なお、微小凹部21の個数は、前記観察領域内に形成された微小凹部21の個数の合計値でもよいし、物品1の表面1sの全体に形成された微小凹部21の個数の合計値でもよい。また、微小凹部21の容積と個数の双方を考慮して、パラメータが取得されてもよい。
これまでの実施形態のパラメータ取得工程S2では、物品1の表面1sを、走査型電子顕微鏡を用いて観察されたが、このような態様に限定されない。例えば、共焦点レーザー顕微鏡、光学顕微鏡、又は、接触式の表面粗さ計等が用いられてもよい。
本実施形態のゴム試験片3は、円筒状に形成される場合が例示されたが、このような態様に限定されるわけではない。図9は、本発明の他の実施形態のゴム試験片3を示す斜視図である。なお、この実施形態において、これまでの実施形態と同一の構成、及び、方法等については、同一の符号を付し、説明を省略することがある。
この実施形態のゴム試験片3は、シート状に形成されたゴム材料22を、円筒状に形成された基部23の外周面に貼り付けられている。この実施形態のゴム試験片3は、図2に示したゴム試験片3に比べて、ゴムの使用量を減らすことができるため、製造コストを低減することができる。
シート状に形成されたゴム材料22の厚さT3は、0.5〜4.0mmに設定されるのが望ましい。ゴム試験片3の幅W3及び外径D3は、図2に示したゴム試験片3の幅W1及び外径D1とそれぞれ同一範囲が望ましい。
これまでの実施形態の物品1は、ゴム試験片3である場合が例示されたが、このような態様に限定されない。図10は、本発明の他の実施形態の物品1及び凹凸面2を示す側面図である。なお、この実施形態において、前実施形態と同一の構成については、同一の符号を付し、説明を省略することがある。
この実施形態の物品1は、タイヤ26である場合が例示される。タイヤ26は、例えば、正規リム31にリム組みされ、例えば、正規内圧の0.8〜1.2倍の内圧を充填される。
「正規リム」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば "標準リム" 、TRAであれば "Design Rim" 、ETRTOであれば "Measuring Rim" である。
「正規内圧」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば "最高空気圧" 、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" である。
本実施形態の凹凸面2は、路面27である場合が例示される。この実施形態の路面27は、ドラム試験機28のドラム29の外周面に形成されている。また、路面27は、例えば、ISO路面規格の粒度曲線(ISO10844の付属書C設計のガイドラインに記載のアスファルト混合物の粒度曲線許容範囲参照)に合わせた材料で形成されるのが望ましい。
ドラム試験機28は、ドラム29を回転させることで、回転するドラム29の外周面(即ち、路面27)に、タイヤ26を自由転動させることができる。また、ドラム試験機28は、タイヤ支持部30によって、タイヤ26に負荷させる荷重を設定することができる。
この実施形態の評価方法の摩耗工程S1では、予め定められた摩耗条件に基づいて、タイヤ26を路面27に自由転動させることで、タイヤ26を摩耗させている。摩耗条件については、例えば、タイヤ26を摩耗させる量等に応じて、適宜設定することができる。本実施形態の摩耗条件としては、例えば、タイヤ26の速度V2、タイヤ26への荷重、又は、タイヤ26の走行距離(転動回数)が含まれる。
タイヤ26の速度V2が大きいほど、タイヤ26を早期に摩耗させることができる。従って、速度V2は、例えば、タイヤ26の摩耗のしやすさ等に応じて、適宜設定することができる。速度V2は、0.1〜120km/hの範囲で設定される。同様に、荷重は、例えば、正規荷重の0.5〜1.5倍の範囲で設定することができる。また、走行距離は、例えば、20m〜20kmの範囲で設定することができる。なお、この実施形態の走行距離は、ドラム試験機28を用いた従来の摩耗試験での走行距離(例えば、1000〜2000km)に比べて小さい。このため、この実施形態の摩耗工程S1は、タイヤ26を摩耗させる時間を短縮することができる。
この実施形態のパラメータ取得工程S2では、摩耗後のタイヤ26の微細な表面凹凸状態を特定するパラメータが取得される。この実施形態では、摩耗後のタイヤ26の表面26sを構成するゴムの一部を切り出して、物品1の表面1sが観察される。なお、パラメータを取得する方法については、前実施形態のパラメータ取得工程S2と同一である。
このように、この実施形態の評価方法によれば、従来の評価方法のように、タイヤ26を大きく摩耗させなくても、微細な表面凹凸状態が形成される程度に物品1を摩耗させることで、その摩耗性能を評価することができる。従って、この実施形態の評価方法は、短時間で物品1の摩耗性能を評価することができる。さらに、この実施形態の評価方法は、実際のタイヤ26を路面27に走行させているため、タイヤ26の摩耗性能を精度よく評価することができる。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
図4〜図6に示した処理手順に基づいて、配合の異なる物品A及び物品Bの摩耗性能が評価された(実施例)。物品A及び物品Bは、ゴム試験片である。凹凸を有する表面は、摩耗試験器の砥石面である。摩耗工程では、微小凹部の最大径が500μm以下となるように、物品A及び物品Bを摩耗させた。パラメータ取得工程では、微細な表面凹凸状態を特定するパラメータとして、物品A及び物品Bの微小凹部の容積がそれぞれ取得された。そして、パラメータに基づいて、物品A及び物品Bの摩耗性能が評価された。なお、実施例での摩耗性能の評価は、物品Aの微小凹部の容積を100とする指数で示している。数値が大きいほど、摩耗しやすいことを示している。
比較のために、摩耗試験器を用いた従来の摩耗試験(LAT試験)に基づいて、物品A及び物品Bの摩耗性能が評価された(比較例)。なお、比較例での摩耗性能の評価は、物品Aの削られた部分の体積を100とする指数(摩耗指数)で示している。数値が大きいほど、摩耗しやすいことを示している。
そして、実施例での物品A及び物品Bの摩耗性能の評価結果と、比較例での物品A及び物品Bの摩耗性能の評価結果との相関が求められた。図11は、実施例の摩耗性能の評価結果と、比較例の摩耗性能の評価結果との関係を示すグラフである。さらに、実施例の摩耗性能の評価方法で要した時間、及び、比較例の摩耗性能の評価方法で要した時間が測定された。共通仕様は、次のとおりである。
物品A及び物品B:
外径D1:80mm
内径D2:35mm
幅W1:18mm
速度V1:20km/h
摩耗試験器:株式会社平泉洋行製のゴム摩耗試験機(型式:LAT100)
砥石面の粒度:50メッシュ
実施例の摩耗条件:
荷重:40N
スリップ角:6度
走行距離:250m
観察領域の範囲:650μm×870μm
比較例の摩耗条件:
荷重:40N
スリップ角:6度
走行距離:4km
テストの結果、実施例の摩耗性能の評価結果は、比較例の摩耗性能の評価結果と相関が高いことが確認できた。従って、実施例の評価方法は、比較例の評価方法と略同一の評価精度を維持することができた。また、実施例の評価方法で要した時間は、比較例の評価方法で要した時間の1/8であった。従って、実施例の評価方法は、短時間で摩耗性能を評価することができた。
1 物品
2 凹凸を有する表面

Claims (7)

  1. ゴムからなる物品の摩耗性能を評価するための方法であって、
    前記物品を、凹凸を有する表面に擦りつけて摩耗させる工程と、
    摩耗後の前記物品の微細な表面凹凸状態を特定するパラメータを取得する工程と、
    前記パラメータに基づいて、前記物品の摩耗性能を評価する工程とを含み、
    前記摩耗させる工程は、前記物品の表面に形成される微小凹部の最大径が500μm以下となるように、前記物品を摩耗させる、
    ゴムの摩耗性能の評価方法。
  2. 前記パラメータは、前記微小凹部の容積又は個数を含む請求項1記載のゴムの摩耗性能の評価方法。
  3. 前記微小凹部は、最大径が10μm以上である請求項1又は2に記載のゴムの摩耗性能の評価方法。
  4. 前記パラメータを取得する工程は、前記物品の表面を顕微鏡で観察する工程を含む請求項1乃至3のいずれかに記載のゴムの摩耗性能の評価方法。
  5. 前記物品がタイヤである請求項1乃至4のいずれかに記載のゴムの摩耗性能の評価方法。
  6. 前記凹凸を有する表面が、路面である請求項1乃至5のいずれかに記載のゴムの摩耗性能の評価方法。
  7. 前記物品が、ゴム試験片であり、前記凹凸を有する表面が、摩耗試験器の砥石面である請求項1乃至4のいずれかに記載のゴムの摩耗性能の評価方法。
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