JP6444720B2 - タイヤ用ゴムの摩耗評価方法及び摩耗試験機 - Google Patents

タイヤ用ゴムの摩耗評価方法及び摩耗試験機 Download PDF

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本発明は、タイヤ用ゴムの摩耗評価方法及び摩耗試験機に関する。
タイヤのトレッドに用いられるゴムの摩耗評価方法として、評価対象となるゴムでできた円筒形のゴムサンプルを、回転面に一定の接触圧で押し付け、摩耗させる方法が知られている。従来、回転面の粗さは、実際の路面(実路面)の粗さを考慮した粗さではなく、恣意的に選択された粗さであった。そのため、実際のタイヤの使用条件とは異なる条件下で摩耗評価が行われることになり、摩耗評価結果が信頼性に欠けるものとなっていた。例えば、複数の種類のゴムでそれぞれゴムサンプルを作り、その摩耗評価を行った結果、あるゴムサンプルの評価結果が最も良かったにもかかわらず、そのゴムで作ったタイヤの摩耗評価結果は、他のタイヤの評価結果よりも悪い、ということが起こっていた。
これに対し、実際のタイヤを用いた摩耗試験において、骨材を用いて実路面を再現し、その上でタイヤを摩耗させることが提案されている(特許文献1)。
また、ゴムの路面による摩耗には、マクロ粗さ(路面を形成する小石等の骨材による粗さ)よりもミクロ粗さ(骨材が埋め込まれているアスファルト等の素地の粗さ)の方が影響するとの研究結果が報告されている(非特許文献1)。
特開平7−20030号公報
THE EFFECT OF ROAD SURFACE TETURE ON TIRE WEAR, R. W. Lowne, Wear 15 (1970)
そこで、実路面のミクロ粗さを求め、摩耗試験機の回転面の粗さをそのミクロ粗さとし、その回転面にゴムサンプルを押し付けて摩耗評価することが検討されている。前記研究結果に基づけば、この方法により、実路面におけるタイヤの摩耗を再現できるはずである。
しかし路面のマクロ粗さは、タイヤと路面との接地性に影響する。そしてタイヤと路面との接地性は、タイヤの摩耗に多少影響する。そのため、摩耗試験機の回転面の粗さを実路面のミクロ粗さと同じにし、実路面のマクロ粗さを摩耗試験機の回転面に反映させない方法には、改善の余地がある。
そこで本発明は、ゴムサンプルを押し付ける対象である回転面の表面粗さを実路面のミクロ粗さと同じにする場合よりも、さらに信頼性が高い摩耗評価方法及び摩耗試験機を提供することを課題とする。
実施形態のタイヤ用ゴムの摩耗評価方法は、ゴムサンプルに本試験荷重をかけることによりこれを回転体の回転面に押し当て、前記ゴムサンプルを摩耗させるタイヤ用ゴムの摩耗評価方法であって、実車に装着されたタイヤと路面との接地圧を測定する工程と、前記ゴムサンプルの前記回転面との接触圧が、測定された前記接地圧と等しくなるように、前記ゴムサンプルにかける本試験荷重を決定する工程と、路面の凹凸のデータを採る工程と、得られた路面の凹凸のデータに基づき前記回転面の表面粗さを決定する工程と、前記回転面の粗さを前記の決定された表面粗さとする工程と、前記ゴムサンプルに前記の決定された本試験荷重をかけて前記回転面に押し当てる工程と、を含み、得られた路面の凹凸のデータに基づき前記回転面の表面粗さを決定する工程は、路面の小さな凹凸に基づきミクロ粗さを計算して決定するとともに、それより大きな凹凸に基づきマクロ粗さを計算して決定する工程を含み、前記回転面の粗さを前記の決定された表面粗さとする工程は、前記ミクロ粗さと前記マクロ粗さとを前記回転面上に再現する工程を含み、前記ミクロ粗さと前記マクロ粗さとを前記回転面上に再現する工程は、前記マクロ粗さを再現できる大きさと前記ミクロ粗さを再現できる表面粗さとを有する骨材を選択する工程と、前記骨材を接着剤に埋める工程とを含むことを特徴とする。
実施形態のタイヤ用ゴムの摩耗評価方法では、ゴムサンプルを押し付ける対象である回転面上に、実路面のミクロ粗さとマクロ粗さの両方が再現されているため、回転面の表面粗さを実路面のミクロ粗さと同じにする場合よりも、摩耗評価の信頼性が高い。
(a)ターンテーブル型の摩耗試験機1の部分平面図。(b)同正面図。 ドラム型の摩耗試験機2の部分正面図。 (a)ゴムサンプルSにかかる前試験荷重と、ゴムサンプルSと接触面との接触面積との関係を示すグラフ。(b)ゴムサンプルSにかかる前試験荷重と、ゴムサンプルSと接触面との接触圧との関係を示すグラフ。 路面の断面図。 (a)測定された路面の凹凸を表す波形。(b)(a)の波形を近似する波長の異なる複数の波。(c)カットオフを行った(所定長さ以上の波長の波を取り除いた)後の波形。(d)カットオフにより取り除かれた複数の波を足して描かれた波形。 実車摩耗指数と比較例1のラボ摩耗指数との相関を示す図。
(1)ゴムの摩耗試験機
実施形態のゴムの摩耗評価方法ではゴムサンプルSに対して評価が行われる。ゴムサンプルSは、評価対象のゴムが円筒形に成型され、一方の円形の端面の中央部から他方の円形の端面の中央部にかけて、後述する回転軸12を挿入可能な孔が開けられたものである。
実施形態のゴムの摩耗評価方法に用いられる摩耗試験機としては、例えば、図1に示すターンテーブル型の摩耗試験機1がある。ターンテーブル型の摩耗試験機1は、回転体としてのターンテーブル10と、これにゴムサンプルSを押し当てる保持装置11を備える。
ターンテーブル10は、ターンテーブル10用の駆動装置により、水平に保たれた状態で回転する。ターンテーブル10の上面が、ゴムサンプルSが押し当てられる回転面13となる。又は、ターンテーブル10の上面に、回転面13となる部材が貼り付けられる。
ターンテーブル10の上方には、ゴムサンプルSを保持する保持装置11が設けられている。保持装置11は、水平で、かつターンテーブル10の回転方向に直角に保持される回転軸12を有する。回転軸12がゴムサンプルSの前記孔に摺動不能な状態で嵌まることにより、ゴムサンプルSが保持装置11に保持される。回転軸12は、保持装置11の一部に設けられた回転軸12用の駆動装置により、ターンテーブル10の回転方向と対称方向に回転する。これにより、ゴムサンプルSがターンテーブル10の回転方向と対称方向に回転可能となっている。
保持装置11は、上下に変位可能で、下方に変位した場合に、ゴムサンプルSをターンテーブル10の回転面13に押し当てる。保持装置11は、ゴムサンプルSを回転面13に押し当てた状態で、ゴムサンプルSに荷重をかけることができる。荷重の大きさは、図示しない入力部から入力して指定することができる。摩耗試験機1には制御部が設けられており、該制御部が、入力部から入力された荷重をゴムサンプルSにかけるよう、保持装置11を制御する。
また、別の摩耗試験機として、図2に示すドラム型の摩耗試験機2がある。ドラム型の摩耗試験機2は回転体としてのドラム20を備える。ドラム20の外周面に、ゴムサンプルSが、回転しながら、一定の接触圧で押し付けられる。
以下では、望ましい形態としてターンテーブル型の摩耗試験機1を用いることを想定して説明する。
(2)ゴムの摩耗評価方法
本実施形態の摩耗評価方法では、保持装置11に保持されたゴムサンプルSに荷重(この荷重を「本試験荷重」とする)をかけることにより、ゴムサンプルSをターンテーブル10の回転面13に押し当て、ゴムサンプルSを摩耗させて、摩耗量等を評価する。その前段階として、ゴムサンプルSにかける本試験荷重と、回転面13の表面粗さを決定する。
(2−1)ゴムサンプルSにかける本試験荷重の決定方法
まず、実車に装着されたタイヤと路面との接地圧を測定する。接地圧の測定方法は限定されないが、以下にその一例を説明する。まず、実車にタイヤを装着する。そして、実車の重量により1つのタイヤにかかる荷重を計算により求めておく。次に、タイヤにインクを塗り、実車を路面の上に敷いた紙の上に置く。すると、紙にタイヤのトレッドのパターンが付く。紙に付いたパターンの着色部の面積が、タイヤと路面との接地面積である。なお、トレッドの溝の部分(紙上で着色部として現れない部分)の面積は、タイヤと路面との接地面積に含まない。次に、1つのタイヤにかかる荷重を、タイヤと路面との接地面積で割り、タイヤと路面との接地圧を求める。
次に、準備した接触面にゴムサンプルSを押し付け、ゴムサンプルSにかかる荷重(ここでかける荷重を「前試験荷重」とする)と、ゴムサンプルSと接触面との接触圧との関係を求める。以下にその方法を説明する。まず、平らな接触面を準備する。接触面はどのようなものであっても良いが、例えばターンテーブル10の回転面13とする。また、平面上に紙を敷き、紙の上面を接触面としても良い。次に、ゴムサンプルSにインクを塗り、接触面の上に置き、上から前試験荷重をかける。すると、接触面にゴムサンプルSの接地痕が付く。その接地痕の面積が、ゴムサンプルSと接触面との接触面積である。次に、かけた前試験荷重を、接触面積で割り、ゴムサンプルSと接触面との接触圧を求める。このようにして、ゴムサンプルSにかかる前試験荷重と、ゴムサンプルSと接触面との接触圧との関係を求める。その後、ゴムサンプルSにかける前試験荷重の大きさを複数回変えながら、その都度ゴムサンプルSと接触面との接触圧を求める。なお、先に前試験荷重の大きさを複数回変えながらゴムサンプルSと接触面との接触面積を調べ(この場合図3(a)に例示するグラフが得られる)、その後、各前試験荷重に対応するゴムサンプルSと接触面との接触圧を計算により求めても良い。最終的に、図3(b)に例示するような、ゴムサンプルSにかかる前試験荷重と、ゴムサンプルSと接触面との接触圧との関係を示すグラフが完成する。グラフの各点を直線等で近似しておく。
最後に、このグラフから、ゴムサンプルSと接触面との接触圧が、先に求めたタイヤと路面との接地圧と等しくなる場合の、ゴムサンプルSにかかる前試験荷重を読み取る。この場合の前試験荷重を、本試験荷重とする。なお、この工程において、ゴムサンプルSと接触面との接触圧と、タイヤと路面との接地圧とを、完全に一致させるようにしなくても良い。両者の間には、摩耗評価結果に大きな影響が出ない程度の差は許容される。例えば、両者の間に、タイヤと路面との接地圧の10%分の差があっても良い。
(2−2)回転面13の表面粗さの決定方法
まず、タイヤを装着した車両が走行する路面の凹凸のデータを採る。路面には様々な種類があるが、ここでは一例として、図4に示すような、小石等の骨材3が接着剤としてのアスファルト30によって固着された路面を想定する。測定には、例えば、一般的な表面粗さ計や非接触のマイクロスコープが用いられる。この測定で得られるデータは、路面の凹凸を表すデータ、換言すれば、測定方向の位置とその位置での路面の高さのデータであり、横軸が位置、縦軸が路面の高さを表すものとすると、図5(a)に例示するような線として表されるものである。この線には、骨材3の大まかな外形や、骨材3の表面の小さな凹凸や、アスファルト30の表面の凹凸等が反映されている。骨材3の大まかな外形は大きな(粗い)凹凸として、骨材3の表面の小さな凹凸やアスファルト30の表面の凹凸は小さな(細かい)凹凸として、前記の線に表されている。
次に、得られた路面の凹凸のデータのうち、路面の小さな凹凸のデータに基づき計算されるミクロ粗さと、それより大きな凹凸のデータに基づき計算されるマクロ粗さとを求める。その方法の一例について以下に説明する。
まず、路面の小さな凹凸に基づきミクロ粗さを計算して求める。具体的には以下のことを行う。図5(a)に示すような路面の凹凸を表す線を波形として捉えると、図5(b)に示すように、該波形を波長の異なる複数の波に分解することができる。換言すると、路面の凹凸を表す波形は、波長の異なる複数の波で近似することができる。ここで、波長の長い波は、骨材3の大まかな外形等による大きな凹凸を表している。一方、波長の短い波は、骨材3の表面の小さな凹凸やアスファルト30の表面の凹凸等の小さな凹凸を表している。
これらの波長の異なる複数の波の中から所定長さ以上の波長の波を取り除く、所謂カットオフを行う。ここで所定長さとは、任意に決定される長さであって良いが、骨材3の大まかな外形に基づく波形を近似している波を取り除くことができる長さであることが望ましく、例えば0.5mm以上1.0mm以下の範囲内のいずれかの長さであることが望ましい。そして、カットオフ後に残った波、すなわち所定長さより短い波長の波を足して、新たな波形を描く。すると、図5(c)に示すような波形が得られる。この波形は、骨材3の表面の小さな凹凸やアスファルト30の表面の凹凸等の小さい凹凸による波形である。この波形を示すデータがカットオフ後のデータである。次に、カットオフ後のデータから、表面粗さを計算して求める。ここで求める表面粗さとしては、算術平均粗さや十点平均粗さ等、様々なものが有り得る。以上のようにして求められた表面粗さをミクロ粗さとする。
次に、前記の小さな凹凸よりも大きな凹凸に基づき、マクロ粗さを計算して求める。マクロ粗さは、前記のカットオフにより取り除かれた波、すなわち前記の所定の長さ以上の波長の波のデータから求める。具体的には、前記のカットオフにより取り除かれた複数の波を足して新たな波形を描く。すると、図5(d)に示すような波形が得られる。この波形は、骨材3の大まかな外形等による大きな凹凸による波形である。この波形を示すデータから、表面粗さを計算し求める。ここで求める表面粗さとしては、算術平均粗さや十点平均粗さ等、様々なものが有り得る。以上のようにして求められた表面粗さをマクロ粗さとする。
(2−3)回転面13の製造
回転面13の表面粗さを、(2−2)の方法で決定した表面粗さとする。具体的には、(2−2)の計算により求められたミクロ粗さとマクロ粗さとを、回転面13上に再現する。
その方法は限定されないが、例えば、骨材を接着剤に埋めて回転面13の表面粗さを作る。詳細に説明すると、まず、接着剤に埋めた場合に前記マクロ粗さと前記ミクロ粗さとを再現できる骨材を選択する。具体的には、その一部が回転面13の表面に現れるようにして接着剤に並べて埋めた場合に前記マクロ粗さを再現できる大きさを有し、さらに、表面粗さが前記ミクロ粗さと同じかほぼ同じである骨材を選択する。骨材の種類は限定されないが、例えば小石やセラミックス骨材等が挙げられる。次に、この骨材を接着剤に埋める。接着剤は骨材を接着できるものであれば良く、例えばアスファルトやエポキシ樹脂等が接着剤として採用される。
他の方法として、骨材がアスファルトに埋められた一般的なアスファルト路面を作り、その表面を加工する方法もある。表面の加工にはウォータージェットやショットブラスト等が用いられる。例えば、マクロ粗さをウォータージェットやショットブラスト等で再現し、ミクロ粗さを骨材の表面粗さで再現する。
また他の方法として、金属板を加工する方法もある。加工には例えばウォータージェットやショットブラスト等が用いられる。
なお、これらの方法により回転面13上に再現されたミクロ粗さと、上記の計算により求まったミクロ粗さとの間には、差があっても良い。許容される差の大きさは、上記の計算により求まったミクロ粗さの10%以内の大きさである。マクロ粗さについても同様の差が許容される。
(2−4)本試験の実施
前記のようにして製造した回転面13を用いて本試験を実施する。
まず、ゴムサンプルSを保持装置11に保持させる。また、上記の方法で決定した本試験荷重を摩耗試験機1の入力部に入力する。
次に、ターンテーブル10の回転を開始するとともに、保持装置11を下方に変位させ、ゴムサンプルSを回転面13に押し付ける。この時、制御部の制御により、ゴムサンプルSには入力部に入力された本試験荷重がかけられる。
その後、所定時間が経過すると、ターンテーブル10の回転が停止し、保持装置11が上方へ変位する。ゴムサンプルSを保持装置11から取り外し、摩耗量等を調べる。
(3)効果
本実施形態のタイヤ用ゴムの摩耗評価方法では、測定された路面の凹凸のデータから、ミクロ粗さだけでなく、接地性等に影響するマクロ粗さも求められ、ミクロ粗さとマクロ粗さの両方が回転面13上に再現される。そのため、ミクロ粗さのみが回転面13上に再現されている場合よりも、本試験におけるゴムサンプルSの摩耗が路面上でのタイヤの摩耗により近くなり、摩耗評価の信頼性が高くなる。
特に、測定された路面の凹凸を表す線を波長の異なる複数の波に分解し、所定長さより短い波長の波を足してできる線からミクロ粗さを計算し、所定長さより長い波長の波を足してできる線からマクロ粗さを計算し、ミクロ粗さとマクロ粗さを回転面13上に再現するため、測定された路面の凹凸のデータが殆ど無駄無く回転面13の製造に活用される。そのため回転面13上でのゴムサンプルSの摩耗が路面上でのタイヤの摩耗により近くなり、摩耗評価の信頼性が高くなる。
また、骨材を接着剤に埋めて回転面13の表面粗さを作ることとし、骨材としてマクロ粗さを再現できる大きさとミクロ粗さを再現できる表面粗さとを有するものを選択することにすれば、ミクロ粗さとマクロ粗さの両方を容易に回転面13上に再現することができる。
(4)変更例
(4−1)摩耗試験機の変更例1
ミクロ粗さ及びマクロ粗さは、摩耗試験機によって自動的に決定されても良い。例えば、摩耗試験機が以下のような構成となっていても良い。まず、測定された路面の凹凸のデータを入力する路面表面粗さ入力部が設けられている。また、入力されたデータに対して(2−2)で説明した計算を行いミクロ粗さ及びマクロ粗さを求める表面粗さ決定部が設けられている。さらに、求まった表面粗さが表示される表示部が設けられている。
このような構成の摩耗試験機に対し、評価者は、測定された路面の凹凸のデータを入力部に入力する。すると、表面粗さ決定部がデータ処理を行い、ミクロ粗さ及びマクロ粗さを求める。そして、求まったミクロ粗さ及びマクロ粗さが表示部に表示される。評価者はそれを見て、回転面13のミクロ粗さ及びマクロ粗さを、表示部に表示されたミクロ粗さ及びマクロ粗さに加工する。
また、回転面13が予め所定のミクロ粗さ及びマクロ粗さに加工された回転体が、粗さ毎に複数種類準備されていても良い。そして、以上の方法により回転面13のミクロ粗さ及びマクロ粗さが決定すると、そのミクロ粗さ及びマクロ粗さを有する回転体13が回転位置に出てくるように、構成されていても良い。
(4−2)路面の凹凸のデータから求まったミクロ粗さ及びマクロ粗さの利用例
(2−1)の方法において、ゴムサンプルSを接触面に押し付けてこれらの間の接触圧を求めるが、その際の接触面として、(2−2)の方法で求まったミクロ粗さ及びマクロ粗さに加工された面を用いても良い。
また、(2−1)の方法において実車に装着されたタイヤと路面との接地圧を測定するが、その際の路面の代わりに、(2−2)の方法で求まったミクロ粗さ及びマクロ粗さに加工された面を用いても良い。
(5)実施例
まず、配合剤の種類及び量を変えた3種類のゴムで、それぞれタイヤ及びゴムサンプルを製造した。
次に、製造したタイヤを4輪の実車に装着して、その摩耗量を評価した。ここで、4輪のタイヤは全て同じ種類のタイヤとした。タイヤはゴムの種類毎に3種類あるため、評価が終わる毎にタイヤを全て別の種類のものに交換し、全ての種類のタイヤについて評価を行った。評価に用いられたタイヤのサイズは、195/65R15である。タイヤの内圧は230kPaである。その後、ゴムの種類が異なる3つのタイヤそれぞれの摩耗量を指数化した。この指数を実車摩耗指数とする。
また、製造した3種類のゴムサンプルに対し、それぞれ3つの方法を用いて摩耗量を評価した。3つの方法とは、比較例1、比較例2、実施例1の方法である。これらの評価方法は、いずれも基本的には上記実施形態の方法と同じだが、比較例1、比較例2、実施例1で異なる点が2点ある。1点目は回転面の粗さで、2点目は(2−1)の工程でタイヤの接地圧を求める際に用いられる面である。
比較例1では、本試験においてゴムサンプルを押し付ける回転面上に、上記の方法で求めたミクロ粗さを再現した。しかしマクロ粗さは再現しなかった。また、タイヤの接地圧を求める際に用いられる面を実路面とした。
比較例2では、本試験においてゴムサンプルを押し付ける回転面を恣意的に定めた粗さとした。詳細には、240メッシュの砥粒が糊付けされたセーフティウォーク(布の表面に砥粒を糊等で付けて、所定の表面粗さとしたもの)とした。また、タイヤの接地圧を求める際に用いられる面を、室内試験機上の平面とした。
実施例1では、本試験においてゴムサンプルを押し付ける回転面上に、上記の方法で求めたミクロ粗さとマクロ粗さの両方を再現した。また、タイヤの接地圧を求める際に用いられる面を実路面とした。
その後それぞれの摩耗量を指数化した。この指数をラボ摩耗指数とする。ラボ摩耗指数は、ゴムサンプルの種類(上記の通り3種類ある)毎及び評価方法(比較例1、比較例2、実施例1の方法)毎に、計9つ求まった。
以上の方法により各指数を求めた後、実車摩耗指数と各評価方法のラボ摩耗指数とを確率変数として、ピアソンの積率相関係数の式を用いて、相関係数を求めた。具体的には、実車摩耗指数と比較例1のラボ摩耗指数とを確率変数とする相関係数と、実車摩耗指数と比較例2のラボ摩耗指数とを確率変数とする相関係数と、実車摩耗指数と実施例1のラボ摩耗指数とを確率変数とする相関係数とを求めた。参考のために、実車摩耗指数と比較例1のラボ摩耗指数との相関を示す図を図6に示す。
求まった相関係数を表1に示す。実施例1、比較例1、比較例2の順に相関係数が1に近く、実車摩耗指数との相関が強かった。このことから、実施例1の評価方法によれば、ゴムの種類の違いによるタイヤの摩耗状態の良否を、最も良く再現できることが確認できた。そのため、実施例1の評価方法である上記実施形態の評価方法の信頼性が高いことが確認できた。
Figure 0006444720
S…ゴムサンプル、1…ターンテーブル型の摩耗試験機、10…ターンテーブル、11…保持装置、12…回転軸、13…回転面、2…ドラム型の摩耗試験機、20…ドラム、3…骨材、30…アスファルト

Claims (3)

  1. ゴムサンプルに本試験荷重をかけることによりこれを回転体の回転面に押し当て、前記ゴムサンプルを摩耗させるタイヤ用ゴムの摩耗評価方法であって、
    実車に装着されたタイヤと路面との接地圧を測定する工程と、
    前記ゴムサンプルの前記回転面との接触圧が、測定された前記接地圧と等しくなるように、前記ゴムサンプルにかける本試験荷重を決定する工程と、
    路面の凹凸のデータを採る工程と、
    得られた路面の凹凸のデータに基づき前記回転面の表面粗さを決定する工程と、
    前記回転面の粗さを前記の決定された表面粗さとする工程と、
    前記ゴムサンプルに前記の決定された本試験荷重をかけて前記回転面に押し当てる工程と、を含み、
    得られた路面の凹凸のデータに基づき前記回転面の表面粗さを決定する工程は、路面の小さな凹凸に基づきミクロ粗さを計算して決定するとともに、それより大きな凹凸に基づきマクロ粗さを計算して決定する工程を含み、
    前記回転面の粗さを前記の決定された表面粗さとする工程は、前記ミクロ粗さと前記マクロ粗さとを前記回転面上に再現する工程を含み、
    前記ミクロ粗さと前記マクロ粗さとを前記回転面上に再現する工程は、前記マクロ粗さを再現できる大きさと前記ミクロ粗さを再現できる表面粗さとを有する骨材を選択する工程と、前記骨材を接着剤に埋める工程とを含むことを特徴とする、タイヤ用ゴムの摩耗評価方法。
  2. 前記本試験荷重を決定する工程は、
    前記ゴムサンプルに異なる複数の大きさの前試験荷重をかけてこれを接触面に押し当て、前記前試験荷重と、前記ゴムサンプルと前記接触面との接触圧との関係を求める工程と、
    求められた前記前試験荷重と前記接触圧との関係から、前記ゴムサンプルと前記回転面との接触圧を、測定されたタイヤと路面との前記接地圧と等しくするための、前記ゴムサンプルにかける前記本試験荷重を決定する工程と、
    を含む請求項1に記載のタイヤ用ゴムの摩耗評価方法。
  3. 前記の小さな凹凸に基づきミクロ粗さを計算して決定するとともにそれより大きな凹凸に基づきマクロ粗さを計算して決定する工程は、
    得られた路面の凹凸を表す線を波長の異なる複数の波に分解する工程と、
    前記複数の波のうち所定長さより短い波長の波を足してできる線から表面粗さを計算して前記ミクロ粗さとする工程と、
    前記複数の波のうち所定長さより長い波長の波を足してできる線から表面粗さを計算して前記マクロ粗さとする工程と、を含む、
    請求項1又は2に記載のタイヤ用ゴムの摩耗評価方法。
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