JP2011153865A - ゴム試験機及びこれを用いたゴム試験方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】摩耗条件と疲労条件とを各々独立して制御し得るゴム試験機、及びかかる試験機を用いたゴム試験方法を提供すること。
【解決手段】本発明のゴム試験機は、ゴム試験片を摩耗させるための円盤状の部材(A)及び前記部材(A)を回転させる回転手段と、ゴム試験片を回転させる回転手段及びゴム試験片を前記部材(A)に押圧する押圧手段と、ゴム試験片を疲労させるための円盤状の部材(B)及び前記部材(B)を回転させる回転手段と、前記部材(B)をゴム試験片に押圧する押圧手段とを具え、前記ゴム試験片を、回転駆動させた前記部材(A)に押圧し、前記部材(B)を前記ゴム試験片に押圧することにより、疲労付加された前記ゴム試験片の摩耗特性を測定する機能を有することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、摩耗条件と疲労条件とを各々独立して制御し得るゴム試験機、及び該ゴム試験機を用いたゴム試験方法に関する。
従来、自動車タイヤ等のゴム製品に採用するゴム材料を開発するに際し、種々のゴム試験機を用いることにより、多岐に亘るゴムの抵抗特性の測定が行われている。かかるゴム試験機では、試験環境を可能な限り実際の使用環境に近似させて、ゴム材料の良否をより正確に判断し得るものであることが必要である。
例えば、ランボーン摩耗試験機に代表されるゴム試験機は、相互に独立して回転する円盤状のゴム試験片と擬似路面とを円周面で規定の付加力で押圧するとともに、両者をスリップ等させることで試験片を摩耗させてその摩耗量を測定することにより、ゴム物性を評価する仕組みがなされている。こうした摩耗試験における摩耗条件を実車走行時の条件に近似させるべく、種々の摩耗試験機や摩耗試験方法が開発されている(例えば、特許文献1〜2参照)。
ゴムの摩耗は、破れやクラックの原因とも成り得、主として摩擦力が付加された場合に生じるゴム物性の低下現象ではあるものの、屈曲や伸長、変形等の動的荷重或は静的荷重が付加された場合に生じるゴム物性の低下現象である疲労によっても、促進される可能性がある。実際に、実車に装着されているタイヤは、走行によってゴムの疲労が増大し、これに伴ってゴムの摩耗も促進されていると考えられる。したがって、疲労が付加された場合に摩耗がどのように進行するかを評価することも重要な要素となってくるため、任意に疲労条件を変動させつつ摩耗の状況を適宜把握できるようなゴム試験機の実現が強く望まれる。
特開2006−242697号公報 特開2008−185475号公報
しかしながら、上述のような摩耗試験機であると、疲労負荷を与えるべく、擬似路面の形状や表面粗さ等の試験条件を変動させたとしても、これらの変動が摩耗試験条件の変動に連動してしまい、得られる試験結果が大きく影響を受けてしまうおそれがある。したがって、疲労によって摩耗がどのように影響され得るのかを正確に評価することができない。
そこで、本発明は、摩耗条件と疲労条件とを各々独立して制御し得るゴム試験機、及び該試験機を用いたゴム試験方法を提供することを目的としている。
本発明者は、上記課題を解決すべく、ゴム試験片を摩耗させるための部材と疲労させるための部材とを兼ね具えたゴム試験機を見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明のゴム試験機は、ゴム試験片を摩耗させるための円盤状の部材(A)及び前記部材(A)を回転させる回転手段と、ゴム試験片を回転させる回転手段及びゴム試験片を前記部材(A)に押圧する押圧手段と、ゴム試験片を疲労させるための円盤状の部材(B)及び前記部材(B)を回転させる回転手段と、前記部材(B)をゴム試験片に押圧する押圧手段とを具え、前記ゴム試験片を、回転駆動させた前記部材(A)に押圧し、前記部材(B)を前記ゴム試験片に押圧することにより、疲労付加された前記ゴム試験片の摩耗特性を測定する機能を有することを特徴とする。
前記部材(B)の外周面は、部材(B)の軸中心から外周面外側方向へ伸びる複数の繰り返された凹凸形状を呈しているのが望ましく、かかる凹凸形状は、面取り形成された凹部及び凸部を有するのが望ましい。
また、前記凸部は、滑らかな曲面形状を呈しているのが好ましい。
さらに、前記凸部は、頂上部分に曲率半径0.3〜15.0mmの曲面を含んでいてもよく、前記凸部において、前記部材(B)の外周面が凹凸形状を呈さない平滑面である仮想外周面を仮定したとき、前記仮想外周面から凸部の頂点までの高さが、2mm以上であってもよい。
また、前記凸部において、隣接する凸部の頂点間の距離が0.6〜30.0mmであるのが望ましく、前記凸部が、前記部材(B)の仮想外周面25cm2あたり2〜80個の割合で存在するのが望ましい。さらに、前記部材(B)の外周面を幅方向にn個(ただし、nは1以上の整数である)に分割した場合、各分割面上に存在する凸部の総個数xが互いに等しいのが望ましい。
前記ゴム試験片は、加硫ゴムからなるのが好ましい。
本発明のゴム試験方法は、ゴムの耐摩耗性及び耐疲労性を評価するにあたり、請求項1〜9のいずれかに記載のゴム試験機を用いて、摩耗付加条件と疲労付加条件とを各々独立して制御しつつ、疲労付加されたゴム試験片の摩耗特性を測定することを特徴とする。
本発明のゴム試験機によれば、ゴム試験片を摩耗させるための円盤状の部材(A)と、ゴム試験片を疲労させるための円盤状の部材(B)とを兼ね具えているため、摩耗条件と疲労条件とを各々独立して制御することが可能となり、疲労条件の変動に伴った摩耗条件の変動を有効に防止することができる。
したがって、上記ゴム試験機を用いた本発明のゴム試験方法を採用すれば、より実車走行における使用環境に極めて近似した試験条件下で、疲労によるゴムの摩耗への影響を正確に評価することができる。
本発明のゴム試験機の機構部分を示す概略平面図である。 本発明のゴム試験機の機構部分を示す概略正面図である。 本発明のゴム試験機の制御部分の構成を示すブロック線図である。 部材(B)の軸方向に直交する面に沿った断面を示す部分拡大図である。 部材(B)の斜視図である。
以下、本発明について、必要に応じて本発明のゴム試験機の一実施態様を示す図面を参照しつつ詳細に説明する。
本発明のゴム試験機は、ゴム試験片を摩耗させるための円盤状の部材(A)及び前記部材(A)を回転させる回転手段と、ゴム試験片を回転させる回転手段及びゴム試験片を前記部材(A)に押圧する押圧手段と、ゴム試験片を疲労させるための円盤状の部材(B)及び前記部材(B)を回転させる回転手段と、前記部材(B)をゴム試験片に押圧する押圧手段とを具え、前記ゴム試験片を、回転駆動させた前記部材(A)に押圧し、前記部材(B)を前記ゴム試験片に押圧することにより、疲労付加された前記ゴム試験片の摩耗特性を測定する機能を有することを特徴とする。
図1に、本発明の一態様であるゴム試験機の概略平面図を、図2にかかるゴム試験機の概略正面図を示す。ゴム試験機1は、ゴム試験片2を摩耗させるための円盤状の部材(A)3とともに、回転軸34、軸受31及びモータ32からなる回転手段30を具え、これにより部材(A)3を回転軸L1周りに回転させるよう構成されている。また、ゴム試験機1は、部材(A)3の回転軸L1と平衡な軸L2を中心としてゴム試験片2を回転させるための回転軸24、軸受21及びモータ22からなる回転手段20とともに、ゴム試験片2を部材(A)3に押圧する押圧手段40を具えている。これらは部材(A)3の周面にゴム試験片2の周面を押圧しながら部材(A)3とゴム試験片2とを回転させて、ゴム試験片2を摩耗させるよう構成されている。
部材(A)3の材質としては、摩耗材として好適なものであれば特に制限はなく、研磨輪や粉砕石等が挙げられ、表面粗さや外周面の形状等を適宜選択することによって、ゴム試験機2に付加させる摩耗力を調整することが可能である。
一方、ゴム試験機1は、ゴム試験片2を疲労させるための円盤状の部材(B)101も兼ね具えており、回転軸102、軸受103及びモータ107からなる回転手段50を具え、これにより部材(A)3と同様にして、部材(B)101を回転軸L3周りに回転させるよう構成されている。回転軸L3は回転軸L1及び軸L2と平衡であり、部材(B)101が押圧手段60によってゴム試験片2にも押圧されるよう作動する。
したがって、上記のように、部材(A)3の周面にゴム試験片2の周面を押圧しながら部材(A)3とゴム試験片2とを回転させて、ゴム試験片2を摩耗させることができるよう構成されているだけでなく、ゴム試験片2の周面に部材(B)101の周面を押圧しながらゴム試験片2と部材(B)101とを回転させて、ゴム試験片2を疲労させることができるよう構成されている。
部材(B)101の材質としては、ゴム試験片2に疲労力を付加することに付随して摩耗が生じない材質であるのが望ましく、鉄やアルミニウム、ステンレス等の金属や、セラミック、プラスチック等が挙げられる。部材(B)101は、これら1種単独の材質からなるものであってもよく、2種以上組み合わせた材質からなるものであってもよい。
このように、ゴム試験機1は、ゴム試験片2を摩耗させるための部材(A)3と、ゴム試験片2を疲労させるための部材(B)とを独立して具えているため、部材(A)3にゴム試験片2が押圧されつつ双方が回転することによって摩耗条件を付加することができ、他方、ゴム試験片2に部材(B)101が押圧されつつ双方が回転することによって疲労条件を付加することができる。したがって選択した摩耗条件を変動させることなく、別途独立して疲労条件を選択することが可能となり、部材(A)3と部材(B)101とを兼ね具えることによってより実車走行に近似させた試験環境を実現することができる。なお、これら部材(A)3とゴム試験片2との作動による摩耗試験と、部材(B)101とゴム試験片2との作動による疲労試験とは、同時に実施してもよく、別々に実施してもよい。
すなわち、実車走行を想定した場合、タイヤは凹凸のある路面を走行し、その凹凸によってゴムは疲労させられる。疲労は、路面凹凸が与えるゴム変形の大小に影響されると考えられ、その疲労は摩耗を促進する一因となる。そのため、実車走行状態の摩耗を忠実に再現するには、疲労の影響を考慮した摩耗評価を実施することが非常に重要となるが、本発明のゴム試験機1を用いれば、こうした摩耗評価を容易に実施することが可能となる。
なお、ゴム試験片2の材質は、ゴム材料であれば特に制限されないが、ゴム成分のほかに加硫剤を添加してなるゴム複合材料であって、タイヤ材料として好適な加硫ゴムであるのが好ましい。
ゴム試験機1は、具体的には、例えば、図3のブロック線図に示されるような制御機構から構成される。すなわち、ゴム試験片2の回転手段20を制御する回転制御手段25が設けられ、この回転制御手段25は、ゴム試験片2を回転させるトルクが所望の変化パターンとなるようにする制御方式で回転手段20を制御できるように構成されているのが望ましい。
なお、本明細書において、変化パターンとは、対象とする物理量Qの時間的変化を意味し、その物理量の時間関数Q(t)のことである。
ゴム摩耗試験装置1には、また、部材(A)3の回転手段30を制御する回転制御手段35が設けられ、かかる回転制御手段35は、部材(A)3を回転させる際の回転速度が所望の変化パターンとなるよう、回転手段30を制御できるように構成されているのが好ましい。他方、ゴム試験片2の回転制御機構と同様に、部材(B)101の回転手段50を制御する回転制御手段55が設けられ、この回転制御手段55は、部材(B)101を回転させるトルクが所望の変化パターンとなるようにする制御方式で回転手段50を制御できるように構成されているのが好ましい。
そして、摩耗試験と疲労試験とを各々単独で実施する場合であっても、また同時に実施する場合であっても、ゴム試験片2と部材(B)101の間に生じる摩擦力を極力小さくするように、部材(B)101の回転を制御することが好ましい。これは、ゴム試験片2と部材(B)101との間で摩耗を生じさせないためであり、選択した疲労条件をより正確に付加させることが可能となる。
さらに、ゴム摩耗試験装置1には、ゴム試験片2の押圧手段40を制御する押圧制御手段45が設けられ、この押圧制御手段45は、部材(A)3に対抗してゴム試験片2を押圧する圧力が所望の変化パターンとなるよう、押圧制御手段45を制御することができるように構成されている。同様に、部材(B)101の押圧手段60を制御する押圧制御手段65が設けられ、この押圧制御手段65は、ゴム試験片2に対抗して部材(B)101を押圧する圧力が所望の変化パターンとなるよう、押圧制御手段65を制御することができるように構成されている。
また、ゴム試験片2の回転制御手段25が試験片2の回転に際して加えるべきトルクの変化パターンT0 (t)、すなわち、回転制御手段25の制御目標値を、指令値としてリアルタイムに回転制御手段25に出力する指令値出力手段10を設けるのが好ましく、このことによって、回転制御手段25を、トルク出力制御の機能に専念させることができ、また、指令値出力手段10に、1以上のトルクの変化パターンを記憶するメモリ11を配設することにより、同じトルク変化パターンの試験を繰り返したり複数の異なるトルク変化パターンの試験を連続的に実施したりすることが可能となる。
同様に、指令値出力手段10には、部材(A)3の回転制御手段35が部材(A)3の回転を制御する際の回転速度の変化パターンV0A(t)や、押圧制御手段45がゴム試験片2を部材(A)3に対して押圧する際の圧力の変化パターンP0A(t)についても、これらをメモリ11に記憶したり、指令値として、それぞれ、回転制御手段25や押圧制御手段45に出力したりする機能を具えさせるのが好ましい。また、これとは独立して、指令値出力手段10には、部材(B)101の回転制御手段55が部材(B)101の回転を制御する際の回転速度の変化パターンをV0B(t)や、押圧制御手段65が部材(B)101をゴム試験片2に対して押圧する際の圧力の変化パターンP0B(t)についても、これらをメモリ11に記憶したり、指令値として、それぞれ、回転制御手段55や押圧制御手段65に出力したりする機能を具えさせるのが好ましい。
なお、図3に示すゴム試験機1の制御部分の構成では、指令値出力手段10の制御を司るCPU12、指令値出力手段10の状態を示すモニタ13、及びデータを入力するためのキーボード等のデータ入力装置14を具えており、これらを用いて、指令値出力手段10にて記憶する各物理量の指令値データの作成をしたり、ゴム試験片2の試験を行う際の摩耗条件及び疲労条件としての各物理量の変化パターンを、各々独立して、メモリ11に記憶させたものの中から選択したりすることができることを示している。
また、トルクの変化パターンをより正確にゴム試験片2に付与する等のために、3分力計や歪みセンサ等のトルクセンサを回転軸24に取り付けてもよい。
ゴム試験片2の回転制御手段25は、モータ22からの出力トルクが所望の変化パターンとなるよう制御する制御方式の他、ゴム試験片2のスリップ率が所望の変化パターンとなるよう制御することも可能なよう構成されていて、トルクを制御する制御方式とスリップ率を制御する制御方式とのどちらかを選択できるよう構成されているのが好ましく、このことによって、対象とするゴム材料の使用条件がトルクに基づくのものであっても、スリップ率に基づくものであっても、どちらの場合でも、使用条件における結果に近い試験評価結果を得るようにすることができる。
また、部材(B)101の回転制御手段55は、モータ107からの出力トルクが所望の変化パターンとなるよう制御する制御方式の他、部材(B)101のスリップ率が所望の変化パターンとなるよう制御することも可能なよう構成されていて、トルクを制御する制御方式とスリップ率を制御する制御方式とのどちらかを選択できるよう構成されているのが好ましく、このことによって、ゴム試験片2の制御がトルクに基づくのものであっても、スリップ率に基づくものであっても、どちらの場合でも、ゴム試験片2と同期した制御をすることができる。
スリップ率に基づく制御を行う場合、上記回転制御手段25は、指令値出力手段10から出力されるスリップ率の変化パターンS0(t)に対して、部材(A)3の回転速度と、この部材の直径、及びゴム試験片の直径から、ゴム試験片を回転させる際の目標周速を求め、この周速からゴム試験片2の回転速度が所定の変化パターンになるよう制御すればよい。
同様にして、上記回転制御手段55は、指令値出力手段10から出力されるスリップ率の変化パターンS0(t)に対して、ゴム試験片2の回転速度と、この部材の直径、及び部材(B)101の直径から、ゴム試験片を回転させる際の目標周速を求め、この周速から部材(B)101の回転速度が所定の変化パターンになるよう制御すればよい。
また、部材(A)3の回転手段30については、これを、部材(A)3の回転軸34を軸支する軸受31と、その回転軸34を回転駆動させるモータ32とを具えるよう構成することができる。この場合も、回転制御手段35は、各々モータ32に応じてそれに入力される電圧等を所望の変化パターンとなるよう制御する周知の技術を用いて、モータ32の回転数を直接制御して、部材(A)3の回転数を独立して制御することができる。
ゴム試験片2の押圧手段40についても、これを、回転手段20を取り付ける可動ベース43と、可動ベース43を、軸線L2を軸線L1との間隔を変化させる方向にガイドするガイド機構42と、可動ベース43をその方向に往復変位させる油圧シリンダ41とを具えるよう構成され、部材(B)101の押圧手段60についても、これを、回転手段50を取り付ける可動ベース104と、可動ベース104を、軸線L3を軸線L2との間隔を変化させる方向にガイドするガイド機構105と、可動ベース104をその方向に往復変位させる油圧シリンダ106とを具えるよう構成される。この場合、押圧制御手段45は、ゴム試験片2の部材(A)3に対する押圧が所望の値になるように油圧シリンダ41の圧力を直接制御する構成とするのが簡易でよい。同様に、押圧制御手段65は、部材(B)101のゴム試験片2に対する押圧が所望の値になるように油圧シリンダ41の圧力を直接制御する構成とするのが簡易でよい。
より具体的には、例えば、部材(A)3の周面にゴム試験片2の周面を押圧する際、その荷重はその材質や選択する摩耗条件によっても変動し得るものであり、特に制限されないが、通常5〜200Nである。また、ゴム試験片2の周面に部材(B)101の周面を押圧する際、その荷重は通常10〜2000N、好ましくは500〜1500Nである。前記荷重範囲内で試験することにより、実車条件におけるタイヤ押圧範囲を忠実に再現することができる。
ゴム摩耗試験機1に、図2に示すように、クリーニングローラ36を、部材(A)3の周面に接するように配設し、部材(A)3の周面に付着したゴム粉を連続的に除去するようにし、また、ゴム試験片2の周面の温度を連続的にモニタするゴム温度モニタ9を設けて、ゴム温度データを採取することにより摩耗状況の解析に寄与させ、さらには、ゴム試験片2の周面にイオンを吹き付ける静電気除去装置4を設置し、ゴム試験片2の周面に蓄積される静電気を除去して火災の発生を未然に防止するように構成するのが好ましい。
また、少なくともゴム試験片2を覆うチャンバ6(図1〜2では、ゴム摩耗試験機1の機構部分の全体を覆う)を設け、試験時のゴム試験片2の温度が所望の値となるようゴム試験片2の周囲温度を制御するのが好ましい。
次に、ゴム試験機1の一部を構成する部材(B)101の外周面の形状について、その一実施態様である図4を参照しつつ詳細に述べる。図4は、部材(B)101の軸方向に直交する面に沿った断面を示す部分拡大図であり、(a)、(b)及び(c)は各々部材(B)101の外周面の形状の一態様を示している。
図4(a)に示すように、部材(B)101の外周面は、部材(B)101の軸中心から外周面外側方向へ伸びる複数の繰り返された凹凸形状を呈しているのが望ましい。かかる凹凸形状を呈して外周面上の表面形状に起伏変化をもたらすことにより、ゴム試験片2が外周面に接触した際、かかる試験片に対して屈曲や伸長または変形等を与えて、有効に疲労入力を付与することが可能となる。このような凹凸形状としては、例えば、図4(b)に示されるような略正弦曲線を呈する形状であってもよく、図4(c)に示されるような複数の突起を有する形状であってもよい。
ただし、凸部201は、滑らかな曲面形状を呈しているのが望ましい。凸部201が必要以上に角張っていると、ゴム試験片2にクラックが発生する要因となりかねず、疲労入力に対して正確な試験結果が得られないおそれがある。なお、凹部200も凸部201と同様に、滑らかな曲面形状を呈していてもよい。特にゴム試験片2に部材(B)101が押圧された際、凸部201が凹部200よりも強くゴム試験片2に接触するため、凸部201はより滑らかな曲面形状を呈しているのが望ましく、頂上部分に曲率半径0.3〜15.0mmの曲面を含む形状であるのが好適である。凸部201がかかる曲面を含む形状を呈することにより、ゴム試験片2に対してより正確な疲労入力を付与することが可能となる。なお、上記曲率半径とは、部材(B)101の外周面の軸方向断面図により、凸部201の頂上部分の輪郭に接するように円を描いた際の、かかる円の半径を意味する。
また、上記凸部201において、部材(B)101の外周面が凹凸形状を呈さない平滑面である仮想外周面110を仮定したとき、前記仮想外周面110から凸部201の頂点Aまでの高さhが、2mm以上であるのが好ましい。2mm未満であると、ゴム試験片2への疲労入力が小さくなりすぎ、所望の試験結果が得られなくなるおそれがある。
さらに、凸部201において、隣接する凸部201の頂点間の距離dが0.6〜30.0mmであるのが望ましく、0.3〜15.0mmであるのがより望ましい。凸部201の頂点間の距離dを上記範囲内とすることにより、ゴム試験片2へ適度な強さで接触することが可能となり、疲労入力をより有効に付加することができる。
また、上記凸部201は、部材(B)101の外周面が凹凸形状を呈さない平滑面である仮想外周面110の25cm2あたり2〜80個の割合で存在するのが好ましい。部材(B)101の仮想外周面110にかかる範囲内の割合で凸部201を存在させることによっても、ゴム試験片2へ適度に接触することが可能となり、疲労入力をより有効に付加することができる。なお、これら複数の凸部201は、部材(B)101の外周面上に規則的に存在していてもよく、不規則的に存在していてもよいが、接触面によって試験結果が変動することのないよう、外周面上に略均一に存在しているのが望ましい。
また、部材(B)101は、部材(B)101の外周面を幅方向Yにn個に分割した場合に、各々の分割面上に存在する凸部201の総個数xが互いに等しくなるように凸部201が配置されてなるのがよい。ここで、nは1以上の整数であれば特に制限されず、凸部201の形状や部材(B)101の回転速度等によっても変動し得る値であるが、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜6であるのが望ましい。このように凸部201を配置することで、部材(B)101の幅方向Yにおける疲労入力を均一にすることが可能となり、より好適な試験結果を得ることができる。
具体的には、例えば、図5に示すようにn=9とした場合、すなわち、部材(B)101の外周面を幅方向Yに9個に分割した場合、分割された各周面上に存在する凸部201の総個数xが互いに等しくなるように凸部201が配置されてなる。この際、凸部201は、分割された各周面上の周方向Zにおいて、必ずしも等間隔に配置されていなくてもよく、上記所定の数値範囲を満たしていれば好ましい。
ここで、図5(a)〜(b)は凸部201の上記総個数xが16である部材(B)101を示しており、部材(B)101の外周面上に極めて密に凸部201が存在している。一方、図5(c)〜(d)は凸部201の上記総個数xが5である部材(B)101を示しており、部材(B)101の外周面上に比較的粗く凸部201が存在している。なお、これら図5(a)〜(d)では、凸部201を模式的に201aで表している。疲労入力をより有効に付加する観点からは、これらいずれの態様も好適である。具体的には、図5(a)〜(b)のように凸部201を密に存在させる場合、部材(B)101の外周面を幅方向Yにn個に分割した場合に、各々の分割面上に存在する凸部201の総個数xは、31〜157、好ましくは50〜78である。ここで、図5(a)は分割線上に凸部201が存在しない態様であり、図5(b)は分割線上に跨って凸部201が存在する態様であるが、凸部201の総個数xが上記範囲内である限り、いずれの態様も好適である。一方、図5(c)〜(d)のように凸部201を粗く存在させる場合、部材(B)101の外周面を幅方向Yにn個に分割した場合に、各々の分割面上に存在する凸部201の総個数xは、5〜52、好ましくは10〜30である。ここで、図5(c)は分割線上に凸部201が存在しない態様であり、図5(d)は分割線上に跨って凸部201が存在する態様であるが、凸部201の総個数xが上記範囲内である限り、いずれの態様も好適である。
好適な一態様である図4(c)に示す部材(B)101は、直径30cmであり、凸部201がその頂上Aに曲率半径5mmの曲面を含んでおり、仮想外周面110から凸部201の頂点Aまでの高さhが10mmであり、凸部201が部材(B)101の外周面上で最も密に存在する。
ゴム試験機1の一部を構成する部材(A)3の外周面の形状については、特に制限されず、部材(A)3の材質やゴム試験片2に付加する摩耗条件等に応じて適宜選択し得る。したがって、部材(A)3の外周面は、凹凸形状を呈さない平滑面であってもよく、上記部材(B)101と同様の形状を呈していてもよい。
上述のような、部材(A)3と部材(B)101とを兼ね具えた本発明のゴム試験機1を用いたゴム試験方法によれば、摩耗付加条件と疲労付加条件とを各々独立して制御することができるため、疲労付加されたゴム試験片の摩耗特性を測定することが可能となる。これによって、実際の使用環境に極めて近似させた試験環境下で、ゴム材料の良否をより正確に判断することができる。
1: ゴム試験機
2: ゴム試験片
3: 部材(A)
4: 静電気除去装置
5: コモンヘッド
6: チャンバ
9: ゴム温度モニタ
20:ゴム試験片2の回転手段
21:ゴム試験片2を回転させるための軸受
22:ゴム試験片2を回転させるためのモータ
24:ゴム試験片2を回転させるための回転軸
25:ゴム試験片2の回転制御手段
30:部材(A)3の回転手段
31:部材(A)3を回転させるための軸受
32:部材(A)3を回転させるためのモータ
34:部材(A)3を回転させるための回転軸
35:部材(A)3の回転制御手段
36:クリーニングローラ
40:ゴム試験片2の押圧手段
41:油圧シリンダ
42:ガイド機構
43:可動ベース
45:ゴム試験片2の押圧制御手段
50:部材(B)の回転手段
55:部材(B)の回転制御手段
101:部材(B)
102:部材(B)101を回転させるための回転軸
103:部材(B)101を回転させるための軸受
104:可動ベース
105:ガイド機構
106:油圧シリンダ
107:モーター
110:仮想外周面
200:凹部
201:凸部
201a:模式的に示した凸部
A: 凸部201の頂点
Y: 部材(B)の幅方向
Z: 部材(B)の周方向

Claims (13)

  1. ゴム試験片を摩耗させるための円盤状の部材(A)及び前記部材(A)を回転させる回転手段と、ゴム試験片を回転させる回転手段及びゴム試験片を前記部材(A)に押圧する押圧手段と、ゴム試験片を疲労させるための円盤状の部材(B)及び前記部材(B)を回転させる回転手段と、前記部材(B)をゴム試験片に押圧する押圧手段とを具え、前記ゴム試験片を、回転駆動させた前記部材(A)に押圧し、前記部材(B)を前記ゴム試験片に押圧することにより、疲労付加された前記ゴム試験片の摩耗特性を測定する機能を有することを特徴とするゴム試験機。
  2. 前記部材(B)の外周面が、部材(B)の軸中心から外周面外側方向へ伸びる複数の繰り返された凹凸形状を呈していることを特徴とする請求項1に記載のゴム試験機。
  3. 前記凹凸形状が、面取り形成された凹部及び凸部を有することを特徴とする請求項2に記載のゴム試験機。
  4. 前記凸部が、滑らかな曲面形状を呈していることを特徴とする請求項3に記載のゴム試験機。
  5. 前記凸部が、頂上部分に曲率半径0.3〜15.0mmの曲面を含むことを特徴とする請求項3または4に記載のゴム試験機。
  6. 前記凸部において、前記部材(B)の外周面が凹凸形状を呈さない平滑面である仮想外周面を仮定したとき、前記仮想外周面から凸部の頂点までの高さが、2mm以上であることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載のゴム試験機。
  7. 前記凸部において、隣接する凸部の頂点間の距離が0.6〜30.0mmであることを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載のゴム試験機。
  8. 前記凸部が、前記部材(B)の仮想外周面25cm2あたり2〜80個の割合で存在することを特徴とする請求項2〜7のいずれかに記載のゴム試験機。
  9. 前記部材(B)の外周面を幅方向にn個(ただし、nは1以上の整数である)に分割した場合、各分割面上に存在する凸部の総個数xが互いに等しいことを特徴とする請求項2〜8のいずれかに記載のゴム試験機。
  10. 前記nが1〜10であり、かつ前記凸部の総個数xが31〜157であることを特徴とする請求項9に記載のゴム試験機。
  11. 前記nが1〜6であり、かつ前記凸部の総個数xが5〜52であることを特徴とする請求項9に記載のゴム試験機。
  12. 前記ゴム試験片が、加硫ゴムからなることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のゴム試験機。
  13. ゴムの耐摩耗性及び耐疲労性を評価するにあたり、請求項1〜12のいずれかに記載のゴム試験機を用いて、摩耗付加条件と疲労付加条件とを各々独立して制御しつつ、疲労付加されたゴム試験片の摩耗特性を測定することを特徴とするゴム試験方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103822838A (zh) * 2014-02-26 2014-05-28 沈阳工业大学 橡胶材料的疲劳磨损试验机
JP2014163703A (ja) * 2013-02-21 2014-09-08 Toyo Tire & Rubber Co Ltd ゴム摩耗試験方法
CN104677763A (zh) * 2015-03-03 2015-06-03 沈阳工业大学 橡胶湿磨粒磨损试验机

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