JP2015045578A - 摩耗試験機の試験条件決定方法及びタイヤの摩耗性能評価方法。 - Google Patents

摩耗試験機の試験条件決定方法及びタイヤの摩耗性能評価方法。 Download PDF

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Abstract

【課題】タイヤの摩耗性能を評価するための最適な試験条件を決定する。【解決手段】ゴム材料の耐摩耗性を評価する摩耗試験機について、タイヤ2の摩耗性能を評価するために最適な試験条件を、コンピュータ1を用いて決定するための方法である。この決定方法は、コンピュータ1が、路面モデル27の上でタイヤモデル21を転動させ、タイヤモデル21の摩耗エネルギーを計算する第1シミュレーション工程S3、砥石盤モデル33の上に試験片モデル31を接触させ、試験片モデル31の摩耗エネルギーを計算する第2シミュレーション工程S7、及び試験片モデル31の摩耗エネルギーがタイヤモデル21の摩耗エネルギーと近似する第2シミュレーション工程S7の試験条件を決定する特定工程S8を含む。【選択図】図6

Description

本発明は、タイヤの摩耗性能を評価するための最適な試験条件を決定しうる摩耗試験機の試験条件決定方法及びタイヤの摩耗性能評価方法に関する。
従来、ゴム材料の耐摩耗性を評価する摩耗試験を行うための摩耗試験機が知られている。この種の摩耗試験機では、例えば、回転する砥石盤を具えている。この砥石盤上には、ゴム材料からなる試験片が押し付けられる。この試験片の摩耗状況から、ゴム材料の耐摩耗性が評価される。従来、前記試験片に、例えば、タイヤのトレッド部に配されているトレッドゴム材料が用いられることにより、タイヤのトレッド部の摩耗性能が評価される。
特開2013−36900号公報
摩耗試験では、試験条件が予め決定される。試験条件としては、試験片への荷重等を含んでいる。これまでの試験条件は、オペレータの経験によって決定されていた。このため、従来の方法では、試験片の摩耗状況が、実際のタイヤの摩耗状況とは異なり、タイヤの摩耗性能を精度良く評価できないという問題があった。
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、タイヤの摩耗性能を評価するための最適な試験条件を決定しうる摩耗試験機の試験条件決定方法及びタイヤの摩耗性能評価方法を提供することを主たる目的としている。
本発明の摩耗試験機の試験条件決定方法は、回転する砥石盤上に、ゴム材料からなる試験片を押し付け、前記試験片の摩耗状況から前記ゴム材料の耐摩耗性を評価する摩耗試験機について、タイヤの摩耗性能を評価するために最適な試験条件を、コンピュータを用いて、決定するための方法であって、前記コンピュータに、前記タイヤを、有限個の要素でモデル化したタイヤモデルを設定する工程、前記コンピュータに、路面を、有限個の要素でモデル化した路面モデルを設定する工程、前記コンピュータが、前記路面モデルの上で前記タイヤモデルを転動させ、前記タイヤモデルのトレッド部の少なくとも一部において摩耗エネルギーを計算する第1シミュレーション工程、前記コンピュータに、前記試験片を、有限個の要素でモデル化した試験片モデルを設定する工程、前記コンピュータに、前記砥石盤を、有限個の要素でモデル化した砥石盤モデルを設定する工程、前記コンピュータが、前記砥石盤モデルの上に前記試験片モデルを接触させ、前記試験片モデルの摩耗エネルギーを計算する第2シミュレーション工程、及び前記コンピュータが、前記試験片モデルの摩耗エネルギーが前記タイヤモデルの摩耗エネルギーと近似する前記第2シミュレーション工程の試験条件を決定する特定工程を含むことを特徴とする。
本発明に係る前記摩耗試験機の試験条件決定方法において、前記第2シミュレーション工程は、前記試験片モデルを前記砥石盤モデルに接触させる試験条件を異ならせて複数回のシミュレーションが行われ、前記特定工程は、複数回のシミュレーションの中から、前記タイヤモデルの摩耗エネルギーと最も近い試験片モデルの摩耗エネルギーが得られた試験条件を決定するのが望ましい。
本発明に係る前記摩耗試験機の試験条件決定方法において、前記試験条件は、前記試験片モデルの前記砥石盤モデルへの荷重又は前記砥石盤モデルに対するスリップ角を含むのが望ましい。
本発明に係る前記摩耗試験機の試験条件決定方法において、前記タイヤモデルの前記要素は、複数の節点を含み、前記第1シミュレーション工程では、前記節点が前記路面モデルに接地している間、前記節点のせん断力及びすべり量が微小時間刻みで複数回計算されるのが望ましい。
本発明に係る前記摩耗試験機の試験条件決定方法において、前記タイヤモデルの前記摩耗エネルギーは、前記各節点において、前記せん断力と前記すべり量とを乗じた値を積算し、さらに、前記各節点の接地面積で除されることにより計算されるのが望ましい。
本発明に係る前記摩耗試験機の試験条件決定方法において、前記試験片モデルの前記要素は、複数の節点を含み、前記第2シミュレーション工程では、前記節点が前記砥石盤モデルに接触している間、前記節点のせん断力及びすべり量が微小時間刻みで複数回計算されるのが望ましい。
本発明に係る前記摩耗試験機の試験条件決定方法において、前記試験片モデルの前記摩耗エネルギーは、前記各節点において、前記せん断力と前記すべり量とを乗じた値を積算し、さらに、前記試験片モデルの接触面の全ての前記節点の前記積算値の和を、前記接触面の面積で除することにより計算されるのが望ましい。
本発明のタイヤの摩耗性能評価方法は、請求項1乃至7のいずれかに記載の摩耗試験機の試験条件決定方法で特定された前記試験条件に基づいて、前記砥石盤の上に前記タイヤのトレッドゴムからなる前記試験片を接触させて摩耗試験を行うことを特徴とする。
本発明の摩耗試験機の試験条件決定方法は、コンピュータが、路面モデルの上でタイヤモデルを転動させ、タイヤモデルのトレッド部の少なくとも一部において摩耗エネルギーを計算する第1シミュレーション工程、砥石盤モデルの上に試験片モデルを接触させ、試験片モデルの摩耗エネルギーを計算する第2シミュレーション工程、及び試験片モデルの摩耗エネルギーがタイヤモデルの摩耗エネルギーと近似する第2シミュレーション工程の試験条件を決定する特定工程を含む。
このように、本発明の試験条件決定方法では、試験片及びタイヤの実際の摩耗現象に基づくシミュレーションによって、摩耗試験機の試験条件が決定される。このため、本発明では、例えば、オペレータの経験によって試験条件が決定されていた従来の方法に比べて、タイヤの摩耗性能を精度よく評価しうる最適な試験条件を決定することができる。
本実施形態の決定方法を実行するコンピュータの斜視図である。 評価対象のタイヤの断面図である。 摩耗試験機の斜視図である。 試験片の拡大図である。 試験片及び砥石盤の平面図である。 本実施形態の決定方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。 タイヤモデルの断面図である。 タイヤモデル及び路面モデルの斜視図である。 本実施形態の第1シミュレーション工程の一例を示すフローチャートである。 タイヤモデルのトレッド部の部分拡大図である。 試験片モデルの斜視図である。 試験片モデル及び砥石盤モデルの斜視図である。 図11の平面図である。 本実施形態の第2シミュレーション工程の一例を示すフローチャートである。 (a)は、砥石盤モデルを転動する試験片モデルの側面図、(b)は、(a)の平面図である。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1に示されるように、本実施形態の摩耗試験機の試験条件決定方法(以下、単に「決定方法」ということがある。)は、タイヤの摩耗性能を評価するための最適な試験条件を、コンピュータを用いて決定するための方法である。
図1に示されるように、コンピュータ1は、本体1a、キーボード1b、マウス1c及びディスプレイ装置1dを含む。この本体1aには、演算処理装置(CPU)、ROM、作業用メモリー、磁気ディスクなどの記憶装置及びディスクドライブ装置1a1、1a2などが設けられる。なお、記憶装置には、本実施形態の決定方法を実行するための処理手順(プログラム)が予め記憶される。
図2に示されるように、評価対象のタイヤ2は、例えば、乗用車用の空気入りタイヤとして構成される。タイヤ2は、例えば、トレッド部2aからサイドウォール部2bを経てビード部2cのビードコア5に至るカーカス6と、このカーカス6のタイヤ半径方向外側かつトレッド部2aの内部に配されるベルト層7とが設けられる。
トレッド部2aには、ベルト層7のタイヤ半径方向外側にトレッドゴム2Gaが配されている。トレッドゴム2Gaの外面には、例えば、タイヤ周方向に連続してのびる主溝9A、該主溝9と交わる向きにのびる複数本の横溝(図示省略)とが設けられる。
カーカス6は、少なくとも1枚以上、本実施形態では1枚のカーカスプライ6Aで構成される。このカーカスプライ6Aは、トレッド部2aからサイドウォール部2bを経てビード部2cのビードコア5に至る本体部6aと、この本体部6aに連なりビードコア5の廻りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返された折返し部6bとを含んでいる。この本体部6aと折返し部6bとの間には、ビードコア5からタイヤ半径方向外側にのびるビードエーペックスゴム8が配される。また、カーカスプライ6Aは、タイヤ赤道Cに対して、例えば75〜90度の角度で配列されたカーカスコードを有している。
ベルト層7は、例えば、ベルトコードをタイヤ赤道Cに対して10〜40度の小角度で傾けて配列した少なくとも2枚、本例ではタイヤ半径方向内、外2枚のベルトプライ7A、7Bから構成される。
図3に示されるように、摩耗試験機11は、例えば、ゴム材料からなる試験片10の摩耗状況から、ゴム材料の耐摩耗性を評価する室内摩耗試験機が例示される。本実施形態の摩耗試験機11は、回転する砥石盤12、試験片10を支持する試験片支持部13、並びに砥石盤12及び試験片支持部13を支持するベース14を含んでいる。これらの砥石盤12、試験片支持部13及びベース14は、例えば、摩耗試験機11の運転及び停止させるスイッチ等が設けられる筐体(図示省略)に収納されている。
図4に示されるように、試験片10は、例えば、円筒状に形成されたゴム材からなる。また、試験片10の中央には、厚さ方向に貫通する孔部10oが設けられている。試験片10は、例えば、その外径D1aが50〜100mm程度、内径D1bが10〜40mm程度、幅W1が15〜30mm程度に設定されている。
図3に示されるように、砥石盤12は、円盤状の回転テーブル12Aと、該回転テーブル12Aに固着される砥石面12Bとを含んでいる。回転テーブル12Aは、ベース14から上方へ突出する垂直軸19の上端側に固着されている。また、垂直軸19の下端側は、ベース14に内蔵される電動機(図示省略)等に固着されている。このような砥石盤12は、電動機の駆動によって、垂直軸周りに回転することができる。また、砥石盤12は、砥石面12Bでの回転平均速度が、例えば、15〜25km/h程度に設定されている。
砥石面12Bには、複数の砥粒(図示省略)が形成されている。砥石面12Bの粒度としては、例えば、アスファルト路面に近似させるために、例えば40〜80(メッシュ)程度が望ましい。
試験片支持部13は、試験片10を水平軸周りに回転可能に支持する支持部15と、試験片10を移動させるシリンダ機構16とを含んでいる。
支持部15は、一端側が試験片10の孔部10o(図4に示す)に挿入される水平軸15aと、水平軸15aの他端側を水平軸周りに回転自在に枢支する水平軸固定部15bとを含んで構成されている。水平軸15aは、例えば、ベアリング等の軸受部29を介して、試験片10の孔部10oに挿入されるのが望ましい。
シリンダ機構16は、長手方向に伸縮するロッド16aと、該ロッド16aを出し入れ可能に支持するシリンダ16bと、ロッド16aを伸縮させる電動機(図示省略)とを含んでいる。ロッド16aの先端には、板状の連結部材17の一端側が固着されている、この連結部材17の他端側には、水平軸固定部15bが固着されている。これにより、シリンダ機構16は、ロッド16aの伸縮により、試験片10を、砥石面12Bに対し垂直移動させることができる。
また、本実施形態のシリンダ16bは、ベース14の上に、垂直軸回りに回転可能に支持されている。これにより、試験片支持部13は、試験片10に、砥石面12Bに対するスリップ角等を設定することができる。
このような摩耗試験機11を用いた摩耗試験では、先ず、シリンダ機構16のロッド16aを下方に収縮させて、試験片10を砥石面12Bに押し付ける。このとき、試験片10の砥石面12Bへの接触は、予め定められた試験条件に基づいて実施される。
図3及び図5に示されるように、試験条件としては、例えば、試験片10の砥石面12Bへの荷重、及び試験片10の砥石面12B対するスリップ角θ1等が含まれる。スリップ角θ1は、試験片10の進行方向A1と、試験片10の回転方向(即ち、試験片10の赤道面10cの方向)とのずれ角である。また、試験片10の進行方向A1は、砥石盤12の中心12cと試験片10の接地中心10sとを結ぶ直線18に対して直交する方向(即ち、円盤状の砥石盤12の接線方向)である。
次に、摩耗試験では、砥石面12Bを回転させて、試験片10を自由転動させる。これにより、試験片10は、砥石面12Bとの摩擦によって摩耗する。そして、摩耗試験では、試験片10を所定の距離に達するまで転動させた後に、試験片10の摩耗量が測定される。この摩耗量の大小により、耐摩耗性が評価される。
図6には、本実施形態の決定方法の具体的な処理手順が示される。
本実施形態では、先ず、コンピュータ1に、タイヤ2(図2に示す)をモデル化したタイヤモデルが設定される(工程S1)。図7に示されるように、タイヤモデル21は、タイヤ2を、数値解析法により取り扱い可能な有限個の要素Fi(i=1、2、…)でモデル化(離散化)することで設定される。この数値解析法としては、例えば有限要素法、有限体積法、差分法又は境界要素法が適宜採用できる。本実施形態では、有限要素法が採用される。
工程S1では、図2に示したトレッドゴム2Ga等を含むゴム部分2G、カーカスプライ6A及びベルトプライ7A、7Bが要素Fでモデル化される。これにより、ゴム部材モデル22、カーカスプライモデル23及びベルトプライモデル24を有するタイヤモデル21が設定される。
要素Fiとしては、例えば、4面体ソリッド要素、5面体ソリッド要素、又は6面体ソリッド要素などが用いられるのが望ましい。各要素Fiには、複数個の節点25が設けられる。このような各要素Fiには、要素番号、節点25の番号、節点25の座標値及び材料特性(例えば密度、ヤング率及び/又は減衰係数等)などの数値データが定義される。このようなタイヤモデル21は、コンピュータ1に記憶される。
次に、コンピュータ1に、路面をモデル化した路面モデルが設定される(工程S2)。図8に示されるように、路面モデル27は、路面(図示省略)を、数値解析法により取り扱い可能な有限個の要素Gi(i=1、2、…)でモデル化(離散化)することで設定される。この数値解析法としては、タイヤモデル21と同様に、有限要素法が採用される。
路面モデル27の要素Giは、変形不能に設定された剛平面要素からなる。この要素Giには、複数の節点28が設けられる。さらに、要素Giは、要素番号や、節点28の座標値等の数値データが定義される。
本実施形態の路面モデル27としては、平滑な表面を有するものが例示されたが、これに限定されるわけではない。例えば、路面モデル27には、必要に応じて、アスファルト路面のような微小凹凸、不規則な段差、窪み、うねり、又は轍等の実走行路面に近似した凹凸などが設けられても良い。このような路面モデル27は、コンピュータ1に記憶される。
次に、コンピュータ1が、路面モデル27の上でタイヤモデル21を転動させて、タイヤモデル21の摩耗エネルギーを計算する(第1シミュレーション工程S3)。図9には、本実施形態の第1シミュレーション工程S3の具体的な処理手順が示される。
シミュレーション工程S3では、先ず、タイヤモデル21(図7に示す)の内圧充填後の形状が計算される(工程S31)。工程S31では、図7に示されるように、先ず、タイヤモデル21のリム接触域21r、21rが変形不能に拘束される。次に、タイヤモデル21のビード部21c、21cの幅W1と、リム幅とが等しくなるように、ビード部21c、21cが強制変位される。
また、工程S31では、タイヤモデル21の回転軸21s(図8に示す)とビード部21cの底面とのタイヤ半径方向の距離Rs及びリム径が等しくなるように、ビード部21cが強制変位される。さらに、タイヤモデル21には、内圧条件に相当する等分布荷重wに基づいて変形計算される。これにより、工程S31では、タイヤモデル21の形状を、内圧充填後の形状に変形計算することができる。なお、内圧には、例えば、タイヤ2(図2に示す)が基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧が設定されるのが望ましい。
このようなタイヤモデル21の変形計算は、各要素Fiの形状及び材料特性などをもとに、各要素Fiの質量マトリックス、剛性マトリックス及び減衰マトリックスがそれぞれ作成される。さらに、これらの各マトリックスが組み合わされて、全体の系のマトリックスが作成される。そして、コンピュータ1が、前記各種の条件を当てはめて運動方程式を作成し、これらを単位時間T(i)(i=0、1、…)ごと(例えば、1μ秒ごと)にタイヤモデル21の変形計算を行う。このような変形計算は、例えば、LSTC社製のLS-DYNAなどの市販の有限要素解析アプリケーションソフトを用いて計算できる。
次に、内圧充填後のタイヤモデル21に、荷重が定義される(工程S32)。工程S32では、先ず、図8に示されるように、内圧充填後のタイヤモデル21と、路面モデル27との接触が設定される。さらに、工程S32では、予め定められた荷重T2に基づいて、タイヤモデル21の変形が計算される。これにより、工程S32では、路面モデル27に接地したタイヤモデル21が計算される。なお、荷重T2には、例えば、タイヤ2(図2に示す)の規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重が設定されるのが望ましい。
次に、タイヤモデル21のトレッド部21aの節点25が、路面モデル27に接地している間、節点25のせん断力及びすべり量が計算される(工程S33)。工程S33では、先ず、タイヤモデル21を路面モデル27上で転動させるための境界条件等が定義される。この境界条件としては、タイヤモデル21と路面モデル27との摩擦係数等が含まれる。
タイヤモデル21には、予め定められた走行速度V1に対応する角速度V1aが定義される。路面モデル27には、走行速度V1に対応する並進速度V1bが定義される。並進速度V1bは、タイヤモデル21の接地面での速度である。これらの条件に基づいて、工程S33では、路面モデル27上を転動するタイヤモデル21が計算される。
そして、本実施形態の工程S33では、トレッド部21aの少なくとも一部、本実施形態では、トレッド部21aの接地面の節点25において、せん断力P及びすべり量Qが計算される。せん断力Pには、タイヤ軸方向のせん断力Px及びタイヤ周方向のせん断力Pyが含まれる。また、すべり量Qには、前記せん断力Px、Pyに対応して、タイヤ軸方向のすべり量Qx及びタイヤ周方向のすべり量Qyが含まれる。これらのせん断力Px、Py及びすべり量Qx、Qyは、コンピュータ1に記憶される。
次に、予め定められた転動終了時間が経過したか否かが判断される(工程S34)。この工程S34では、転動終了時間が経過したと判断された場合、次の摩耗エネルギー計算工程S35が実施される。一方、転動終了時間が経過していないと判断された場合は、単位時間T(i)を一つ進めて(工程S36)、工程S33及び工程S34が再度実施される。これにより、工程S33では、転動開始から転動終了まで間、節点25のせん断力Px、Py及びすべり量Qx、Qyが微小時間(単位時間T(i))刻みで複数回計算される。そして、単位時間T(i)毎に計算された各せん断力Px(i)、Py(i)及び各すべり量Qx(i)、Qy(i)は、コンピュータ1に記憶される。
次に、タイヤモデル21のトレッド部21aの少なくとも一部、本実施形態では、トレッド部21aの接地面の摩耗エネルギーが計算される(摩耗エネルギー計算工程S35)。摩耗エネルギーは、コンピュータ1に記憶されているせん断力Px(i)、Py(i)及び各すべり量Qx(i)、Qy(i)に基づいて計算される。本実施形態では、先ず、トレッド部2aの各節点25において、各せん断力Px(i)、Py(i)と、該せん断力Px(i)、Py(i)に対応するすべり量Qx(i)、Qy(i)とを乗じた値を積算する。そして、これらの積算値を、各節点25に割り当てられる接地面積で除されることにより、各節点25の単位面積当たりの摩耗エネルギーが計算される。即ち、タイヤモデル21の摩耗エネルギーは、節点25毎に計算される単位面積当たりの摩耗エネルギーである。図10には、タイヤモデル21のトレッド部21aの部分拡大図が示される。本実施形態の各節点25に割り当てられる接地面積は、各節点25を共有する各要素Fiの重心点40(本実施形態では4つ)で囲まれる領域41内の面積として定義される。
このような各節点25の単位面積当たりの摩耗エネルギーは、各節点25が接地している間、単位時間T(i)毎に計算される。このようなタイヤモデル21の摩耗エネルギーは、コンピュータ1に記憶される。
次に、コンピュータ1に、試験片10(図4に示す)をモデル化した試験片モデルが設定される(工程S4)。図11に示されるように、試験片モデル31は、試験片10(図4に示す)を数値解析法により取り扱い可能な有限個の要素Ji(i=1、2、…)でモデル化(離散化)することによって設定される。この数値解析法としては、図8に示したタイヤモデル21及び路面モデル27の各要素Fi、Giと同様に、有限要素法が採用されるのが望ましい。
試験片モデル31の要素Jiとしては、タイヤモデル21の要素Fi(図7に示す)と同様に、4面体ソリッド要素、5面体ソリッド要素、又は6面体ソリッド要素等が用いられる。各要素Jiには、複数個の節点32が設けられる。このような各要素Jiには、要素番号、節点32の番号、節点32の座標値及び材料特性(例えば密度、ヤング率及び/又は減衰係数等)などの数値データが定義される。試験片モデル31は、コンピュータ1に記憶される。
次に、コンピュータ1に、砥石盤12(図3に示す)をモデル化した砥石盤モデルが設定される(工程S5)。図12に示されるように、本実施形態の砥石盤モデル33は、砥石盤12の砥石面12B(図3に示す)を、数値解析法により取り扱い可能な有限個の要素Ki(i=1、2、…)でモデル化(離散化)することによって設定される。この数値解析法としては、図8に示したタイヤモデル21及び路面モデル27の各要素Fi、Giと同様に、有限要素法が採用されるのが望ましい。
砥石盤モデル33の要素Kiは、路面モデル27の要素Gi(図8に示す)と同様に、変形不能に設定された剛平面要素からなる。この要素Kiには、複数の節点34が設けられる。さらに、要素Kiは、要素番号や、節点34の座標値等の数値データが定義される。
本実施形態の砥石盤モデル33としては、平滑な表面を有するものが例示されたが、これに限定されるわけではない。例えば、砥石盤モデル33には、必要に応じて、砥石面12B(図3に示す)の砥粒のような凹凸等が設定されてもよい。砥石盤モデル33は、コンピュータ1に記憶される。
次に、コンピュータ1に、砥石盤モデル33の上に試験片モデル31を接触させる試験条件が設定される(工程S6)。本実施形態の試験条件は、図12及び図13に示されるように、試験片モデル31の砥石盤モデル33への荷重T3、又は砥石盤モデル33に対するスリップ角θ3が含まれる。
スリップ角θ3は、図5に示したスリップ角θ1と同様に、試験片モデル31の進行方向A3と、試験片モデル31の回転方向(即ち、試験片モデル31の赤道面31cの方向)とのずれ角である。また、試験片モデル31の進行方向A3は、砥石盤モデル33の中心33cと試験片モデル31の接地中心31sとを結ぶ直線38に対して直交する方向である。
本実施形態では、荷重T3及びスリップ角θ3がそれぞれ異なる複数の試験条件が設定される。なお、荷重T3及びスリップ角θ3は、評価対象のタイヤ2(図2に示す)に基づいて、適宜設定することができる。本実施形態の荷重T3は、例えば、30〜120Nから選択される。また、スリップ角θ3は、例えば、0〜15度から選択される。これらの試験条件は、コンピュータ1に記憶される。
次に、コンピュータ1が、砥石盤モデル33の上に試験片モデル31を接触させて、試験片モデル31の摩耗エネルギーを計算する(第2シミュレーション工程S7)。図14には、本実施形態の第2シミュレーション工程S7の具体的な処理手順が示される。
本実施形態の第2シミュレーション工程S7では、先ず、図12に示されるように、砥石盤モデル33の上に試験片モデル31を接触させる(工程S71)。この工程S71では、先ず、工程S6で設定された複数の試験条件の中から一つの試験条件が選択される。そして、選択された試験条件(荷重T3及びスリップ角θ3)に基づいて、試験片モデル31が砥石盤モデル33の上に接触される。
次に、試験片モデル31の節点32が砥石盤モデル33に接触している間、接触面の節点32のせん断力及びすべり量が計算される(工程S72)。工程S72では、先ず、試験片モデル31を砥石盤モデル33上で転動させるための境界条件等が定義される。この境界条件としては、試験片モデル31と砥石盤モデル33との摩擦係数等が含まれる。
また、砥石盤モデル33には、予め定められた速度V2に対応する並進速度V2bが定義される。並進速度V2bは、試験片モデル31の接地面での速度である。なお、試験片モデル31には、図8に示したタイヤモデル21のような角速度V1aは定義されない。これにより、工程S72では、回転する砥石盤モデル33との摩擦によって、試験片モデル31が転動する状態が計算される。
このような試験片モデル31の転動計算は、各要素の形状及び材料特性などをもとに、各要素Jiの質量マトリックス、剛性マトリックス及び減衰マトリックスがそれぞれ作成される。さらに、これらの各マトリックスが組み合わされて、全体の系のマトリックスが作成される。そして、コンピュータ1が、前記各種の条件を当てはめて運動方程式を作成し、これらを単位時間T(i)(i=0、1、…)ごと(例えば、1μ秒ごと)に試験片モデル31の転動計算を行う。このような転動計算は、第1シミュレーション工程S3と同様に、LSTC社製のLS-DYNAなどの市販の有限要素解析アプリケーションソフトを用いて計算できる。
そして、工程S72では、試験片モデル31の接触面の節点32のせん断力R及びすべり量Uが計算される。せん断力Rには、X軸方向のせん断力Rx及びY軸方向のせん断力Ryが含まれる。
図15(a)及び図15(b)に示されるように、時間T(i)において砥石盤モデル33に接触している試験片モデル31の節点32は、次の時間T(i+1)経過後に、試験片モデル31の回転方向(赤道面31c)に沿って移動する(第一移動位置36)。しかし、試験片モデル31には、スリップ角θ3が設定されるため、進行方向A3の逆方向に移動した場合の第二移動位置37から第一移動位置36へすべりSLが生じる。このような観点より、本実施形態のすべり量Uは、第一移動位置36と第二移動位置37との差で求められる。
また、すべり量Uには、前記せん断力Rx、Ryに対応して、X軸方向のすべり量Ux及びY軸方向のすべり量Uyが含まれる。X軸方向のすべり量Uxは、第一移動位置36のX座標値36xと、第二移動位置37のX座標値37xとの差(36x−37x)で求められる。また、Y軸方向のすべり量Uyは、第一移動位置36のY座標値36yと、第二移動位置37のY座標値37yとの差(36y−37y)で求められる。
次に、予め定められた転動終了時間が経過したか否かが判断される(工程S73)。この工程S73では、転動終了時間が経過したと判断された場合、次の摩耗エネルギー計算工程S74が実施される。一方、転動終了時間が経過していないと判断された場合は、単位時間T(i)を一つ進めて(工程S75)、工程S72及び工程S73が再度実施される。これにより、工程S72では、試験片モデル31の節点32が砥石盤モデル33に接触している間、節点32のせん断力Rx、Ry及びすべり量Ux、Uyが微小時間(単位時間T(i))刻みで複数回計算される。そして、単位時間T(i)毎に計算された各せん断力Rx(i)、Ry(i)及び各すべり量Ux(i)、Uy(i)は、コンピュータ1に記憶される。
次に、試験片モデル31の摩耗エネルギーが計算される(摩耗エネルギー計算工程S74)。本実施形態の摩耗エネルギーは、コンピュータ1に記憶されている各せん断力Rx(i)、Ry(i)及び各すべり量Ux(i)、Uy(i)に基づいて計算される。本実施形態では、先ず、試験片モデル31の接触面の各節点32において、該節点32が砥石盤モデル33に接触している間、各せん断力Rx(i)、Ry(i)と、該せん断力Rx(i)、Ry(i)に対応するすべり量Ux(i)、Uy(i)とを乗じた値を積算することにより、各節点32の摩耗エネルギーが計算される。そして、接触面内の全ての節点32の摩耗エネルギー(積算値)の和が、試験片モデル31の接触面の面積で除されることにより、試験片モデル31の摩耗エネルギーが計算される。即ち、試験片モデル31の摩耗エネルギーは、試験片モデル31の接触面の単位面積当たりの摩耗エネルギーである。このような摩耗エネルギーは、単位時間T(i)毎に計算される。そして、試験片モデル31の摩耗エネルギーは、コンピュータ1に記憶される。
次に、予め設定された全ての試験条件において、試験片モデル31の摩耗エネルギーが計算されたか否かが判断される(工程S76)。この工程S76では、全ての試験条件において、試験片モデル31の摩耗エネルギーが計算されたと判断された場合、次の特定工程S8が実施される。一方、全ての試験条件において、試験片モデル31の摩耗エネルギーが計算されていないと判断された場合は、新たな試験条件を試験片モデル31に設定して(工程S77)、工程S71〜工程76が再度実施される。これにより、第2シミュレーション工程S7では、試験条件を異ならせて複数回のシミュレーションが行われる。従って、第2シミュレーション工程S7では、各試験条件に基づいて、異なる摩耗エネルギーを複数計算することができる。
次に、コンピュータ1が、第2シミュレーション工程S7で得られる試験片モデル31の摩耗エネルギーが、第1シミュレーション工程S3で得られたタイヤモデル21の摩耗エネルギーと近似する第2シミュレーション工程S7の試験条件を決定する(特定工程S8)。
本実施形態の特定工程S8は、先ず、摩耗エネルギーが計算されたタイヤモデル21の節点25のうち、評価対象の節点25を選択する。評価対象の節点25は、適宜選択できるが、例えば、摩耗エネルギーが最も大きい節点25や、実際のタイヤ2(図2に示す)の摩耗箇所に対応する節点25が選択される。
次に、試験条件毎に計算された試験片モデル31の摩耗エネルギーのうち、評価対象の節点25の摩耗エネルギーと最も近い試験片モデル31の摩耗エネルギーが選択される。そして、選択された試験片モデル31の摩耗エネルギーが得られた試験条件が、摩耗試験機11(図3に示す)の試験条件として決定される。
このように、本発明の決定方法では、試験片10(図3に示す)及びタイヤ2(図2に示す)の実際の摩耗現象に基づくシミュレーションによって、摩耗試験機11(図3に示す)の試験条件が決定される。このため、本発明では、例えば、オペレータの経験によって試験条件が決定されていた従来の方法に比べて、タイヤ2の摩耗性能を精度よく評価しうる最適な試験条件を決定することができる。
また、本実施形態の決定方法では、複数の試験条件毎に、試験片モデル31の摩耗エネルギーが計算されるため、タイヤモデル21の評価対象の各節点25の摩耗エネルギーに確実に近似させることができる。従って、本実施形態の決定方法では、評価対象に応じて、最適な試験条件を柔軟に決定することができる。
なお、試験条件の個数が少ないと、タイヤモデル21の摩耗エネルギーに近い試験片モデル31の摩耗エネルギーを選択することができず、最適な試験条件を決定できないおそれがある。また、試験条件の個数が多すぎても、計算時間が大幅に増加するおそれがある。このような観点より、試験条件の個数は、好ましくは9個以上が望ましく、また、好ましくは、100個以下が望ましい。
次に、本発明の決定方法で特定された試験条件に基づいて、タイヤ2(図2に示す)の摩耗性能を評価する方法(以下、単に「評価方法」ということがある。)について説明する。
本実施形態の評価方法では、先ず、評価対象のタイヤ2(図2に示す)のトレッドゴム2Gaから、図4に示した試験片10が作成される。次に、図3に示されるように、試験片10が、試験片支持部13を介して、回転する砥石盤12の砥石面12Bの上に接触される。このとき、試験片10には、特定工程S8で特定された試験条件(荷重T3及びスリップ角θ3)に基づいて、荷重及びスリップ角θ1(図5に示す)が設定される。そして、評価方法では、試験片10を自由転動させて、該試験片10の摩耗状況から、特定工程S8で選択された節点25に相当する箇所において、トレッドゴム2Gaの耐摩耗性が評価される。
このように、本実施形態の評価方法では、本発明の決定方法で特定された最適な試験条件に基づいて、試験片10が砥石面12Bの上に接触させられるため、試験片10の摩耗状況を、実際のタイヤ2(図2に示す)の摩耗状況に確実に近似させることができる。従って、本実施形態の評価方法では、タイヤ2の摩耗性能を精度良く評価しうる。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
図6及び図9に示した処理手順に従って、タイヤモデルの摩耗エネルギーが節点毎に計算された。また、図6及び図14に示した処理手順に従って、試験条件毎に、試験片モデルの摩耗エネルギーが計算された。試験条件の荷重T3は、10〜100Nを10N刻みで設定された。試験条件のスリップ角θ3は、0〜10度を1度刻みで設定された。従って、試験片モデルの摩耗エネルギーは、100通りの試験条件に基づいて計算された。
次に、タイヤモデルの各節点の摩耗エネルギーのうち、5箇所の節点の摩耗エネルギーがランダムに選択された。次に、タイヤモデルの5箇所の節点の摩耗エネルギーに近似する試験片モデルの摩耗エネルギーの試験条件が5つ選択された。
そして、選択された5つの試験条件に基づいて、摩耗試験機の砥石盤の上に、タイヤのトレッドゴムからなる試験片を接触させて、試験片モデルの摩耗量が測定された。評価は、最も大きい摩耗量を100とする指数で表示された。
さらに、評価対象のタイヤを下記リムに下記内圧でリム組み後、2000ccの後輪駆動車の全輪に装着し、一般道及び高速道路を合計3000km走行させて、選択されたタイヤモデルの節点に相当する箇所の摩耗量が測定された。評価は、最も大きい摩耗量を100とする指数で表示された。
そして、摩耗試験機を用いた摩耗試験の結果と、車両を用いた摩耗試験の結果との相関が評価された。なお、共通仕様は、次のとおりである。
タイヤサイズ:195/65R15
リムサイズ:15×6
内圧:230kPa
摩耗試験機:株式会社平泉洋行製のゴム摩耗試験機(型式:LAT100)
砥石面の粒度:50(メッシュ)
試験片:
外径D1a:80mm
内径D1b:35mm
幅W1:18mm
タイヤモデルの走行速度V1:20km/h
砥石盤モデルの速度V2:20km/h
テストの結果を表1に示す。
Figure 2015045578
テストの結果、摩耗試験機を用いた摩耗試験の結果と、車両を用いた摩耗試験の結果との相関係数が0.99であり、互いに相関が高いことが確認できた。従って、本発明は、タイヤの摩耗性能を精度よく評価しうる最適な試験条件を決定できることを確認できた。
21 タイヤモデル
27 路面モデル
31 試験片モデル
33 砥石盤モデル

Claims (8)

  1. 回転する砥石盤上に、ゴム材料からなる試験片を押し付け、前記試験片の摩耗状況から前記ゴム材料の耐摩耗性を評価する摩耗試験機について、タイヤの摩耗性能を評価するために最適な試験条件を、コンピュータを用いて、決定するための方法であって、
    前記コンピュータに、前記タイヤを、有限個の要素でモデル化したタイヤモデルを設定する工程、
    前記コンピュータに、路面を、有限個の要素でモデル化した路面モデルを設定する工程、
    前記コンピュータが、前記路面モデルの上で前記タイヤモデルを転動させ、前記タイヤモデルのトレッド部の少なくとも一部において摩耗エネルギーを計算する第1シミュレーション工程、
    前記コンピュータに、前記試験片を、有限個の要素でモデル化した試験片モデルを設定する工程、
    前記コンピュータに、前記砥石盤を、有限個の要素でモデル化した砥石盤モデルを設定する工程、
    前記コンピュータが、前記砥石盤モデルの上に前記試験片モデルを接触させ、前記試験片モデルの摩耗エネルギーを計算する第2シミュレーション工程、及び
    前記コンピュータが、前記試験片モデルの摩耗エネルギーが前記タイヤモデルの摩耗エネルギーと近似する前記第2シミュレーション工程の試験条件を決定する特定工程を含むことを特徴とする摩耗試験機の試験条件決定方法。
  2. 前記第2シミュレーション工程は、前記試験片モデルを前記砥石盤モデルに接触させる試験条件を異ならせて複数回のシミュレーションが行われ、
    前記特定工程は、複数回のシミュレーションの中から、前記タイヤモデルの摩耗エネルギーと最も近い試験片モデルの摩耗エネルギーが得られた試験条件を決定する請求項1に記載の摩耗試験機の試験条件決定方法。
  3. 前記試験条件は、前記試験片モデルの前記砥石盤モデルへの荷重又は前記砥石盤モデルに対するスリップ角を含む請求項1又は2に記載の摩耗試験機の試験条件決定方法。
  4. 前記タイヤモデルの前記要素は、複数の節点を含み、
    前記第1シミュレーション工程では、前記節点が前記路面モデルに接地している間、前記節点のせん断力及びすべり量が微小時間刻みで複数回計算される請求項1乃至3のいずれかに記載の摩耗試験機の試験条件決定方法。
  5. 前記タイヤモデルの前記摩耗エネルギーは、前記各節点において、前記せん断力と前記すべり量とを乗じた値を積算し、さらに、前記各節点の接地面積で除されることにより計算される請求項4に記載の摩耗試験機の試験条件決定方法。
  6. 前記試験片モデルの前記要素は、複数の節点を含み、
    前記第2シミュレーション工程では、前記節点が前記砥石盤モデルに接触している間、前記節点のせん断力及びすべり量が微小時間刻みで複数回計算される請求項1乃至5のいずれかに記載の摩耗試験機の試験条件決定方法。
  7. 前記試験片モデルの前記摩耗エネルギーは、前記各節点において、前記せん断力と前記すべり量とを乗じた値を積算し、さらに、前記試験片モデルの接触面の全ての前記節点の前記積算値の和を、前記接触面の面積で除することにより計算される請求項6に記載の摩耗試験機の試験条件決定方法。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の摩耗試験機の試験条件決定方法で特定された前記試験条件に基づいて、前記砥石盤の上に前記タイヤのトレッドゴムからなる前記試験片を接触させて摩耗試験を行うことを特徴とするタイヤの摩耗性能評価方法。
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