JP6272724B2 - フォトカプラ通信システム - Google Patents

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Description

本発明は、フォトカプラを用いてデータの送受信を行うフォトカプラ通信システムに関する。
産業機器や車載システム等では、電気的に絶縁された装置間の信号伝達を行うために、フォトカプラがよく用いられている。フォトカプラは、発光素子と受光素子から構成され、一次側の発光素子が駆動されることによって生じた光を二次側の受光素子によって電気信号に変換することで、一次側から二次側への信号伝達を実現するものである。発光素子としては、例えば発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)が用いられ、受光素子としては、フォトダイオードやフォトトランジスタが用いられている。
一般的に、フォトカプラは、発光素子(LED)の光量の経年的な低下により、電流伝達率(CTR:Current Transfer Ratio)が経年的に劣化することが知られている。従来から、フォトカプラを備える産業用機器等では、フォトカプラの特性劣化に起因する機器の突然の故障が問題となっていた。
この問題の対処方法としては、例えば、予め製品寿命を想定し、予防保全を行うことが挙げられる。しかしながら、この方法では、実際には特性の劣化が進んでいないフォトカプラも一緒に交換することになるため、設備の維持に無駄があった。
一方、フォトカプラの劣化を検出するための技術も従来から知られている。例えば、特許文献1には、受信用のフォトカプラと送信用のフォトカプラを備えた通信装置において、一方のフォトカプラのLEDの順電流を通常動作時よりも小さくした状態で上記のフォトカプラ間でデータの送受信を行い、受信データが正常であるか否かを判断することにより、上記一方のフォトカプラの劣化の有無を判定する技術が開示されている。
実開平5−28158号公報
しかしながら、上記の従来技術を用いたとしても、フォトカプラの交換が必要になることには変わりはなく、設備維持のためにコストが発生することは否めない。そこで、本願発明者は、設備維持に掛かるコストの更なる低減を図るために、フォトカプラの劣化検出のみならず、フォトカプラの寿命を延ばしてフォトカプラの交換頻度を減らすための技術が必要であると考えた。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、フォトカプラの劣化の検出とフォトカプラの寿命を延ばすことを目的とする。
本発明に係るフォトカプラ通信システムは、一次側の発光素子と二次側の受光素子とを備え、少なくとも2つの装置間で信号の送受信を行うフォトカプラと、前記フォトカプラの一次側の発光素子に流れる電流を調整する電流調整部と、前記フォトカプラの二次側の受光素子に流れる電流に応じた出力信号を生成する出力信号生成部と、前記電流調整部を制御することにより、前記フォトカプラの一次側の発光素子に流れる電流を調整するとともに、前記出力信号生成部の出力信号を入力するデータ処理制御部とを有し、前記データ処理制御部は、一方の装置から送信された信号を他方の装置に入力する通常動作モードと、前記フォトカプラの劣化を検出する検査モードと有し、通常動作モードにおいて、前記フォトカプラの一次側の発光素子に供給する電流を第1電流値と前記第1電流値よりも小さい第2電流値との間で所定の周期で切り替え、前記検査モードにおいて、前記フォトカプラの一次側の発光素子に供給する電流を前記第2電流値に設定し、そのときの前記出力信号生成部の出力信号に基づいて前記フォトカプラの劣化を判定することを特徴とする。
上記フォトカプラ通信システムにおいて、前記通常動作モードにおいて、前記フォトカプラの一次側の発光素子に供給する電流が前記第2電流値になる期間は、前記フォトカプラの一次側に供給する電流を前記第1電流値から前記第2電流値に切り替えてから前記フォトカプラの二次側に流れる電流が安定するまでの期間よりも短くしてもよい。
上記フォトカプラ通信システムにおいて、前記フォトカプラは、前記二次側の受光素子としてフォトトランジスタを有してもよい。
上記フォトカプラ通信装置において、前記データ処理制御部は、前記フォトカプラの劣化を検出したら、それ以降の前記通常動作モードにおいて、前記フォトカプラの一次側の発光素子に供給する電流の切り替えを停止するとともに、前記フォトカプラの一次側の発光素子に供給する電流を前記第1電流値に設定してもよい。
上記フォトカプラ通信システムにおいて、信号を送信する送信側装置と、信号を受信する受信側装置とを更に有し、前記データ処理制御部は、前記受信側装置内に設けられてもよい。
上記フォトカプラ通信システムにおいて、信号を送信する送信側装置と、信号を受信する受信側装置と、前記出力信号生成部によって生成された信号の信号レベルに応じて、前記受信側装置による信号受信の有無を示す受信結果信号を生成する受信結果送信部とを有し、前記データ処理制御部は、前記送信側装置内に設けられてもよい。
また、本発明に係るフォトカプラ通信システムは、少なくとも2つの装置間でフォトカプラを介して信号の送受信を行うフォトカプラ通信システムであって、一方の装置から送信された信号を他方の装置に入力する通常動作モードと、前記フォトカプラの劣化を検出する検査モードと有し、前記通常動作モードにおいて、前記フォトカプラの一次側の発光素子に供給する電流を第1電流値と前記第1電流値よりも小さい第2電流値との間で所定の周期で切り替えて信号の送受信を行い、前記検査モードにおいて、前記フォトカプラの一次側の発光素子に供給する電流を前記第2電流値に設定して信号の送受信を行い、受信側の装置で受信した信号に基づいてフォトカプラの劣化の有無を判定することを特徴とする。
以上説明したことにより、本発明によれば、フォトカプラの劣化を検出することができ、且つフォトカプラの寿命を延ばすことが可能となる。
図1は、本発明の一実施の形態に係るフォトカプラ通信システム100を示す図である。 図2は、フォトカプラ通信装置3の内部構成の一例を示す図である。 図3は、スイッチ駆動回路32の内部構成の一例を示す図である。 図4は、各動作モードにおけるフォトカプラ30Aの入力順電流IFと信号VIN2の信号波形を示す図である。 図5は、フォトカプラ30Aの劣化前において装置1から装置2に信号を送信するときのフォトカプラ通信システム100のタイミングチャート図である。 図6は、フォトカプラ30Aの劣化後において装置1から装置2に信号を送信するときのフォトカプラ通信システム100のタイミングチャート図である。 図7は、フォトカプラ通信装置3の内部構成の別の一例を示す図である。 図8は、受信結果通知部36の内部構成の一例を示す図である。 図9は、フォトカプラ30Bの劣化前において装置2から装置1に信号を送信するときのフォトカプラ通信システム100のタイミングチャート図である。 図10は、フォトカプラ30Aの劣化後において装置2から装置1に信号を送信するときのフォトカプラ通信システム100のタイミングチャート図である。 図11は、一般的なフォトカプラのCTRの経時特性を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
≪フォトカプラ通信システムの構成≫
図1は、本発明の実施の形態に係るフォトカプラ通信システムを示す図である。同図に示されるフォトカプラ通信システム100は、例えば、産業機器や車載システム、医療機器等の内部に設けられた電気的な絶縁が必要な装置間で通信を行うための通信機構である。本実施の形態では、2つの装置1、2がフォトカプラ通信装置3を介して通信を行う場合を例示するが、フォトカプラ通信装置3を介して通信を行う装置の台数に特に制限はない。
装置1と装置2とは、フォトカプラ通信装置3を介して通信を行う。装置1および装置2は、例えば異なる電源電圧によって動作し、2つの装置間に電気的な絶縁が要求される。例えば、装置1は電源電圧VCC1とグラウンド電圧との間で動作し、装置2は電源電圧VCC1よりも十分に低い電源電圧VCC2とグラウンド電圧との間で動作する。以下の説明では、参照符号VCC1、VCC2は、電源電圧のみならず、その電源電圧が供給される電源ラインをも表すものとする。
フォトカプラ通信システム100は、動作モードとして、通常動作モードと検査モードを有する。通常動作モードとは、フォトカプラ通信装置3によって、一方の装置から出力された信号を他方の装置に送信する動作モードである。また、検査モードとは、フォトカプラ通信装置3の内部に設けられたフォトカプラの劣化の有無を検査する動作モードである。フォトカプラ通信システム100における動作モードは、装置2の内部に設けられたデータ処理制御部20によって管理される。
データ処理制御部20は、プログラム処理装置であり、例えばプログラムが格納されたROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等の記憶装置と、上記プログラムにしたがって各種の演算を実行するCPUやプロセッサ等によって実現される。データ処理制御部20は、装置2内の図示されない各種機能部を制御することにより、装置2全体の統括的な制御を行うとともに、フォトカプラ通信装置3を介して装置1との間で通信を行う。また、データ処理制御部20は、例えば周期的に通常動作モードと検査モードとを切り替え、各動作モードに応じてフォトカプラ通信装置3を制御する。なお、各動作モードにおける具体的な制御方法については後述する。
≪フォトカプラ通信装置3の具体的な構成≫
フォトカプラ通信装置3は、装置1と装置2との間を絶縁し、装置1から出力された信号を装置2に送信するとともに、装置2から出力された信号を装置1に送信する。以下、フォトカプラ通信装置3について、装置1から装置2に信号を送信するための機能部と、装置2から装置1に信号を送信するための機能部とに分けて、それらの構成と動作を具体的に説明する。
(1)装置1から装置2に信号を送信するための機能部について
図2は、フォトカプラ通信装置3の内部構成の一例を示す図である。同図には、装置1から装置2に信号を送信するための機能部が図示されており、装置2から装置1に信号を送信するための通信部については、図示を省略している。
図2に示されるように、フォトカプラ通信装置3は、装置1から装置2に信号を送信するための機能部として、フォトカプラ30A、電流調整部31、スイッチ駆動回路32、および出力信号生成部33を有する。
フォトカプラ30Aは、一次側の発光素子によって発生した光を二次側の受光素子で光電変換することによって、一次側から二次側に信号を伝達する。一次側の発光素子としては、例えばLEDを例示することができる。二次側の受光素子としては、例えばフォトトランジスタやフォトダイオードを例示することができる。詳細は後述するが、本フォトカプラ通信装置では、受信側装置に入力される信号の論理レベルが変化しない程度にフォトカプラ30Aの一次側の電流をスイッチングさせるので、フォトカプラ30Aの二次側の受光素子としては、フォトダイオードよりも電流の減少する速度が遅いフォトトランジスタの方が好ましい。以下の説明では、フォトカプラ30Aの一次側の発光素子がLEDであり、二次側の受光素子がフォトトランジスタであるとして説明する。
ここで、フォトカプラの一次側に流れる電流(以下、「入力順電流」と称する。)をIF、フォトカプラの二次側に流れる電流(以下、「出力電流」)をICとしたとき、フォトカプラ30AのCTRは“100×IC/IF〔%〕”で表すことができる。すなわち、CTRが100%であれば、フォトカプラ30Aの入力順電流IFと出力電流ICとは等しい。
出力信号生成部33は、フォトカプラ30Aの出力電流ICに応じた信号VIN2を生成する。具体的には、出力信号生成部33は、フォトカプラ30Aのフォトトランジスタのエミッタ電極とグラウンドGND2との間に接続された抵抗R3から構成される。出力電流ICは抵抗R3によって電圧に変換され、信号VIN2としてデータ処理制御部20の入力端子(入力ポート)PI1に入力される。
電流調整部31は、フォトカプラ30Aの入力順電流IFの電流値を調整する回路である。フォトカプラ30Aの入力順電流IFは、データ処理制御部20からスイッチ駆動回路32を介して供給された制御信号CNT1、CNT2に基づいて制御される。図2に示されるように、電流調整部31は、例えば、抵抗R1、R2とスイッチSW1、SW2とから構成される。抵抗R1は、フォトカプラ30AのLEDのアノードと電源ラインVCC1との間に接続される。抵抗R2とスイッチSW1とは、フォトカプラ30AのLEDのアノードと電源ラインVCC1との間に直列に接続される。スイッチSW2は、フォトカプラ30AのLEDのカソードとグラウンドGND1との間に接続される。また、フォトカプラ30AのLEDのカソードは、装置1の出力端子OUTに接続される。なお、グラウンドGND1とグラウンドGND2とは、相互に異なる電源ラインに供給された電圧であり、それらの電圧は同一の大きさであっても良いし、異なる大きさであってもよい。
装置1から装置2に信号を送信する場合、装置1は、出力端子OUTから電流を供給(ソース)することによって出力端子OUTの電圧をハイレベルにし、出力端子OUTから電流を流し込む(シンク)ことにより、出力端子OUTの電圧をローレベルにする。これにより、装置1の出力端子OUTから2値の信号VTX1が出力される。ここで、ハイレベルの電圧とは、例えば電源ラインVCC1の電圧であり、ローレベルの電圧とは、例えばグラウンドGND1の電圧(0V)である。
例えば、装置1がローレベルの信号VTX1を出力するとき、電源ラインVCC1から、抵抗R1、R2およびフォトカプラ30AのLEDを介して装置1の出力端子VOUTに電流IFが流れ込む。このとき、スイッチSW1のオン・オフを切り替えることにより、フォトカプラ30Aの入力順電流をIfa1とIfb1との間で切り替えることができる。
ここで、Ifb1は、スイッチSW1をオフしたときに抵抗R1を介してフォトカプラ30Aに流れる入力順電流を表し、Ifa1は、スイッチSW1をオンしたときに抵抗R1および抵抗R2を介してフォトカプラ30Aに流れる入力順電流を表す。なお、Ifb1<Ifa1である。Ifa1は、フォトカプラ30Aに“Ifa1”の入力順電流を流したときに、信号VIN2がデータ処理制御部20の入力論理の閾値電圧Vth2よりも十分に大きくなるような値に設定される。IfbはIfaよりも低い値に設定される。入力順電流Ifa1、Ifb1の詳細な決定方法については、後述する。
一方、装置1がハイレベルの信号VTXを出力するとき、スイッチSW2をオフしていれば、フォトカプラ30Aに入力順電流は流れない。一方、スイッチSW2をオンさせると、フォトカプラ30AのLEDに入力順電流を流すことができる。このときの入力順電流は、上述のようにスイッチSW1を切り替えることによって、IfaまたはIfbとの間で切り替えることができる。なお、このとき、装置1の出力端子OUTからもスイッチSW2を介してグラウンドGND1に電流が流れ込むので、その電流が大きくなりすぎないように、装置1のソース電流を制限する必要がある。
スイッチ駆動回路32は、データ処理制御部20と電流調整部31との間を絶縁し、データ処理制御部20からの制御信号に応じて電流調整部31のスイッチSW1、SW2のオン・オフを制御する。
図3にスイッチ駆動回路32の内部構成を例示する。
同図に示されるように、スイッチ駆動回路32は、フォトカプラ8A、8Bと抵抗R10〜R13とから構成される。フォトカプラ8A、8Bとしては、フォトカプラ30Aよりも長寿命のものが用いられる。また、フォトカプラ30Aの二次側の電流の応答速度よりも早くスイッチSW1をオン・オフさせる必要があることから、フォトカプラ8A、8Bはフォトカプラ30Aよりも二次側の電流の応答速度が速い方が望ましい。
抵抗R10は、フォトカプラ8Aの一次側のLEDのアノードと電源ラインVCC2との間に設けられる。フォトカプラ8Aの一次側のLEDのカソードは、データ処理制御部20の出力端子PO1に接続される。また、フォトカプラ8Aの二次側のフォトトランジスタのコレクタは電源ラインVCC1に接続される。抵抗R11は、フォトカプラ8Aの二次側のフォトトランジスタのエミッタとグラウンドGND1との間に接続される。抵抗R11とフォトカプラ8Aの二次側のフォトトランジスタのエミッタとの接続ノードの電圧がスイッチ制御信号CNT1として出力される。スイッチ制御信号CNT1は、スイッチSW1に供給され、スイッチSW1のオン・オフを切り替える。
抵抗R12は、フォトカプラ8Bの一次側のLEDのアノードと電源ラインVCC2との間に設けられる。フォトカプラ8Bの一次側のLEDのカソードは、データ処理制御部20の出力端子PO2に接続される。また、フォトカプラ8Aの二次側のフォトトランジスタのコレクタは電源ラインVCC1に接続される。抵抗R13は、フォトカプラ8Aの二次側のフォトトランジスタのエミッタとグラウンドGND1との間に接続される。抵抗R13とフォトカプラ8Bの二次側のフォトトランジスタのエミッタとの接続ノードの電圧がスイッチ制御信号CNT2として出力される。スイッチ制御信号CNT1は、スイッチSW2に供給され、スイッチSW2のオン・オフを切り替える。
例えば、データ処理制御部20の出力端子(ポート)PO1からローレベルの制御信号が出力された場合、フォトカプラ8Aの一次側のLEDに電流が流れ、当該LEDが発光することにより、フォトカプラ8Aの二次側のフォトトランジスタがオンする。これにより、抵抗R11の両端に電位差が発生し、スイッチ制御信号CNT1はハイレベルとなる。一方、データ処理制御部20の出力端子PO1からハイレベルの制御信号が出力された場合、フォトカプラ8Aの一次側のLEDに電流は流れないため、当該LEDは発光せず、フォトカプラ8Aの二次側のフォトトランジスタはオフする。これにより、スイッチ制御信号CNT1はローレベルとなる。スイッチSW1は、例えばスイッチ制御信号CNT1がハイレベルであるときにオンし、ローレベルであるときにオフする。なお、制御信号CNT2も、制御信号CNT1と同様に、データ処理制御部20の出力端子PO2の論理レベルに応じて生成される。
次に、各動作モードにおけるフォトカプラ30Aの制御について説明する。
図4は、各動作モードにおけるフォトカプラ30Aの入力順電流IFと信号VIN2の信号波形を示す図である。
前述したように、データ処理制御部20は、周期的に通常動作モードと検査モードとを切り替えて、フォトカプラ通信装置3を制御する。動作モードが切り替わる周期Tは、例えば100ms〜200msである。
通常動作モードにおいて、データ処理制御部20は、装置1から出力された送信信号VTX1の論理に反して装置2に供給される信号VIN2の論理が反転しない程度に、フォトカプラ30Aの入力順電流をIfa1とIfb2との間でスイッチングさせる。具体的には、図4に示されるように、フォトカプラ30Aの入力順電流が“Ifb1”になる期間Tfが、フォトカプラ30Aの入力順電流をIfa1からIfb1に切り替えてからフォトカプラ30Aの出力電流IC(信号VIN2の電圧)が安定するまでの期間Tcよりも短くなるように、データ処理制御部20は、電流調整部31のスイッチSW1のオン・オフを切り替える。このとき、スイッチSW2はオフさせる。これにより、通常動作モードの期間にフォトカプラ30Aに流れる入力順電流の平均値は、Ifa1よりも小さくなるので、フォトカプラ30Aに流れる入力順電流を従来よりも削減することが可能となる。
一方、検査モードにおいて、データ処理制御部20は、フォトカプラ30Aの入力順電流をIfb1に設定し、入力された信号VIN2に基づいてフォトカプラ30Aの劣化の有無を判定する。具体的には、データ処理制御部20は、スイッチ駆動回路32を介してスイッチSW1をオフ、スイッチSW2をオンにしてフォトカプラ30Aに通常動作モード時の平均電流よりも小さい入力順電流Ifbを流し、そのときの信号VIN2の論理レベルを判定する。
例えば、予め、フォトカプラ30Aに入力順電流Ifb1を流したときの信号VIN2が閾値電圧Vth2を超えるように設計しておく。そして、フォトカプラ30Aの劣化が進みCTRが低下すると、同じ入力順電流Ifb1を流してもフォトカプラ30Aの出力電流ICが減るので、信号VIN2の電圧レベルが徐々に低下し、いずれは閾値電圧Vth2より低くなる。したがって、信号VIN2の論理を判定すれば、フォトカプラ30Aが劣化しているか否かを容易に検出することができる。
例えば、図3に示されるように、検査モードの期間において信号VIN2がハイレベル(VIN2>Vth2)であれば、データ処理制御部20はフォトカプラ30Aが劣化していないと判定する。一方、信号VIN2がローレベル(VIN2<Vth2)であれば、データ処理制御部20はフォトカプラ30Aが劣化していると判定する。
次に、装置1から装置2に信号を送信する場合のフォトカプラ通信システム100の動作について、図5および図6を用いて具体的に説明する。
図5および図6は、装置1から装置2に信号を送信するときのフォトカプラ通信システム100のタイミングチャート図である。図5には、フォトカプラ30Aが劣化する前の各信号波形が示されており、図6には、フォトカプラ30Aが劣化した後の各信号波形が示されている。
フォトカプラ30Aが劣化していない場合の信号波形は以下のようになる。
例えば、図5に示されるように、時刻t0からt1までの通常動作モード期間では、データ処理制御部20によって、スイッチSW2がオフされるとともに、スイッチSW1のオン・オフが所定の周期で切り替えられる。この期間のうち、装置1がハイレベルの送信信号VTX1を出力している期間T1、T3では、フォトカプラ30Aに入力順電流が流れないため、フォトカプラ30AのLEDは発光せず、データ処理制御部20による信号VIN2の判定論理はローレベルとなる。
一方、装置1がローレベルの出力信号VOUTを出力している期間T2は、フォトカプラ30Aに入力順電流が流れるので、フォトカプラ30AのLEDが発光する。このとき、フォトカプラ30Aの入力順電流がIfaとIfbとの間で周期的に切り替わるため信号VIN2の電圧は変動するが、閾値Vth2よりも低くはならないので、データ処理制御部20による信号VIN2の判定論理はハイレベルとなる。また、期間T2におけるフォトカプラ30Aに流れる入力順電流の平均電流は、Ifa1、Ifb1、およびSW1のスイッチング周期(デューティ比)によって決まり、Ifa1よりも小さくなる。したがって、通常動作モードの期間では、フォトカプラ30Aの入力順電流を抑えつつ、装置1の送信信号VTX1の論理レベルに応じた信号VIN2を装置2に送信することが可能となる。
次に、図5における時刻t1からt2までの検査モード期間では、データ処理制御部20は、スイッチSW1のオン・オフの切り替え制御を停止し、スイッチSW1をオフ、スイッチSW2をオンさせる。これにより、フォトカプラ30Aに入力順電流Ifbが流れ、信号VIN2の電圧が通常動作モード時よりも低下する。例えば、図5に示されるように、上記検査モード期間において、信号VIN2の電圧は閾値電圧Vth1よりも大きくなるため、データ処理制御部20による信号VIN2の判定論理はハイレベルとなり、データ処理制御部20はフォトカプラ30Aが劣化していないと判定する。
一方、フォトカプラ30Aが劣化している場合の信号波形は以下のようになる。
図6に示されるように、時刻t10からt11までの通常動作モード期間では、データ処理制御部20がスイッチSW2をオフさせるとともに、スイッチSW1のオン・オフを所定の周期で切り替える。この期間において、信号VIN2は、前述の図5の時刻t0からt1までの通常動作モード期間と同様に変化する。図6では、フォトカプラ30Aの劣化が進んでいる状況を想定しているため、期間T12における信号VIN2の信号レベルは、図5の期間T2のそれよりも小さくなるが、閾値Vth2よりも低くなることはない。したがって、時刻t10からt11までの通常動作モードの期間では、図5の場合と同様に、フォトカプラ30Aの入力順電流を抑えつつ、装置1の送信信号VTX1の論理レベルに応じた信号VIN2を装置2に送信することが可能となる。
次に、図6における時刻t11からt12までの検査モード期間では、図5の場合と同様に、データ処理制御部20は、スイッチSW1のオン・オフの切り替え制御を停止し、スイッチSW1をオフ、スイッチSW2をオンさせるので、信号VIN2の電圧が通常動作モード時よりも低下する。このとき、図6に示されるように、信号VIN2の電圧は閾値電圧Vth2よりも低くなるため、データ処理制御部20による信号VIN2の判定論理はローレベルとなり、データ処理制御部20はフォトカプラ30Aが劣化していると判定する。
その後、データ処理制御部20は、通常動作モードにおけるフォトカプラ30Aの入力順電流の切り替え制御を停止し、フォトカプラ30Aの入力順電流をIfa1に固定する。例えば、図6に示されるように、フォトカプラ30Aの劣化が検出された後の時刻t12からt13までの通常動作モード期間において、データ処理制御部20は、スイッチSW1をオン状態に、スイッチSW2をオフ状態に固定する。これにより、装置1がローレベルの送信信号VTX1を出力しているときは、フォトカプラ30Aに劣化検出前の平均電流よりも大きい入力順電流Ifaが流れるので、信号VIN2は閾値電圧Vth2よりも高くなる。これにより、フォトカプラ30Aの劣化検出後、しばらくの間は、装置1から装置2への信号の伝達を安定して行うことができる。
(2)装置2から装置1に信号を送信するための機能部について
次に、フォトカプラ通信装置3における装置2から装置1に信号を送信するための機能部について説明する。
図7は、フォトカプラ通信装置3の内部構成の別の一例を示す図である。同図には、装置2から装置1に信号を送信するための機能部が図示されており、装置1から装置2に信号を送信するための機能部については、図示を省略している。
図7に示されるように、フォトカプラ通信装置3は、装置2から装置1に信号を送信するための機能部として、フォトカプラ30B、出力信号生成部35、電流調整部34、および受信結果通知部36を有する。
フォトカプラ30Bは、前述したフォトカプラ30Aと同様である。フォトカプラ30Bのフォトトランジスタのエミッタ電極はグラウンドGND1に接続される。
出力信号生成部35は、フォトカプラ30Aの出力電流ICに応じた信号VIN1を生成する。具体的には、出力信号生成部35は、フォトカプラ30Bのフォトトランジスタのコレクタ電極と電源ラインVCC1との間に接続された抵抗R6から構成される。フォトカプラ30Bの出力電流ICは抵抗R6によって電圧に変換され、信号VIN1として装置1の入力端子INに入力される。
電流調整部34は、フォトカプラ30Bの入力順電流の電流値を調整する機能部である。フォトカプラ30Bの入力順電流IFは、データ処理制御部20から供給される送信信号VTX2と制御信号VCNTに基づいて制御される。具体的に、電流調整部34は、例えば抵抗R4と抵抗R5とから構成される。抵抗R4は、フォトカプラ30Bの一次側のLEDのカソードとデータ処理制御部20の出力端子(出力ポート)PO4との間に接続される。抵抗R5は、フォトカプラ30Bの一次側のLEDのカソードとデータ処理制御部20の出力端子(出力ポート)PO5との間に接続される。
装置2から装置1に信号を送信する場合、データ処理制御部20は、出力端子PO4の電圧をハイレベルまたはローレベルにすることで2値の送信信号VTX2を出力する。ここで、ハイレベルの電圧とは、例えば電源ラインVCC2の電圧であり、ローレベルの電圧とは、例えばグラウンドGND2の電圧(0V)である。
例えば、データ処理制御部20がローレベルの送信信号VTX2を出力した場合、電源ラインVCC2から、フォトカプラ30BのLEDと抵抗R4を介して装置2の出力端子PO4に電流が流れ込む。同様に、データ処理制御部20がローレベルの制御信号VCNTを出力した場合、電源ラインVCC2から、フォトカプラ30BのLEDと抵抗R5を介して装置2の出力端子PO5に電流が流れ込む。一方、データ処理制御部20が送信信号VTX2と制御信号VCNTをともにハイレベルにした場合、フォトカプラ30Bの一次側のLEDには入力順電流が流れない。
したがって、送信信号VTX2をローレベルにした状態で、制御信号VCNTをハイレベル/ローレベルで切り替えることにより、フォトカプラ30Bに流れる入力順電流をIfa2とIfb2との間で切り替えることができる。ここで、Ifb2は、送信信号TX2をローレベル、制御信号VCNTをハイレベルにしたときに、抵抗R4を介してフォトカプラ30Bに流れる入力順電流を表し、Ifa2は、送信信号TX2と制御信号VCNTをともにローレベルにしたときに、抵抗R4および抵抗R5を介してフォトカプラ30Bに流れる入力順電流を表す。なお、Ifb2<Ifa2である。また、ダイオードD1は出力端子PO5がローレベル、出力端子PO4がハイレベルの時の逆流防止用である。
受信結果通知部36は、電源ラインVCC1からの給電により動作する回路(装置1、出力信号生成部35、フォトカプラ30Bの受光素子等)とデータ処理制御部20とを絶縁した状態で、装置1による信号の受信結果を装置2に通知する。
図8に受信結果通知部36の内部構成の一例を示す。同図に示されるように、受信結果通知部36は、フォトカプラ8Cと、抵抗R14、R15と、トランジスタMNとから構成される。
フォトカプラ8Cとしては、フォトカプラ8A、8Bと同様に、フォトカプラ30Bよりも長寿命のものが用いられる。抵抗R14は、フォトカプラ8Cの一次側のLEDのアノードと電源ラインVCC1との間に設けられる。トランジスタMNは、フォトカプラ8Aの一次側のLEDのカソードとグラウンドGND1との間に接続され、制御電極に信号VIN1が供給される。トランジスタMN1は、例えばNチャネル型のMOSトランジスタである。トランジスタMN1のゲート・ソース間の閾値電圧は、例えば、装置1の入力論理を判定する閾値電圧Vth2と略等しい。
フォトカプラ8Cのフォトトランジスタのコレクタは電源ラインVCC2に接続される。抵抗R15は、フォトカプラ8CのフォトトランジスタのエミッタとグラウンドGND2との間に接続される。抵抗R15とフォトカプラ8Cのフォトトランジスタのエミッタとの接続ノードの電圧は、装置1の受信結果を示す受信結果信号VPとして、データ処理制御部20の入力端子PI2に入力される。
例えば、装置1の入力端子に入力される信号VIN1がローレベルである場合、フォトカプラ8CのLEDに電流が流れないため、フォトカプラ8Cの二次側のフォトトランジスタにも電流が流れず、受信結果信号VPはローレベルとなる。一方、装置1の入力端子に入力される信号VIN1がハイレベルである場合、フォトカプラ8CのLEDに電流が流れて発光するため、フォトカプラ30Aの二次側のフォトトランジスタがオンし、受信結果信号VPはハイレベルとなる。これにより、装置2のデータ処理制御部20は、装置1で受信した信号VIN1の論理レベルを判定することができる。
次に、装置2から装置1に信号を送信する場合のフォトカプラ通信システム100の動作について、図9および図10を用いて具体的に説明する。
図9および図10は、フォトカプラ通信システム100において、装置2から装置1に信号を送信するときのタイミングチャート図である。図9には、フォトカプラ30Bが劣化する前の各信号波形が示されており、図10には、フォトカプラ30Bが劣化した後の各信号波形が示されている。
先ず、フォトカプラ30Aが劣化していない場合について説明する。
例えば、図9に示されるように、時刻t0からt1までの通常動作モード期間では、データ処理制御部20は、装置1に対して送信信号VTX2を送信する。この期間のうち、送信信号VTX2がハイレベルである期間T1、T3において、データ処理制御部20は、制御信号VCNTをハイレベルに固定する。これにより、フォトカプラ30Bに入力順電流が流れないので、フォトカプラ30BのLEDは発光せず、信号VIN1はハイレベル(VCC1)となる。
一方、送信信号VTX2がローレベルである期間T2において、データ処理制御部20は、制御信号VCNTの論理レベルを所定の周期で切り替え、フォトカプラ30Bの入力順電流をIfa2とIfb2との間で周期的に切り替える。フォトカプラ30Bの入力順電流の切り替え周期は、フォトカプラ30Aの入力順電流の切り替え周期と同様である。すなわち、フォトカプラ30Bの入力順電流がIfb2となる期間が、フォトカプラ30Bの入力順電流がIfa2からIfb2に切り替わってからフォトカプラ30Bの出力電流(信号VIN1の電圧)が安定するまでの期間よりも短くなるように、制御信号VCNTの論理レベルが切り替えられる。
これにより、期間T2におけるフォトカプラ30Bに流れる入力順電流の平均値は、フォトカプラ30Aの場合と同様に、Ifa2、Ifb2、および制御信号VCNTの切り替わり周期(デューティ比)によって決まり、Ifa2よりも小さくなる。また、期間T2では、信号VIN1の電圧は変動するが、閾値Vth2よりも高くはならないので、装置1による信号VIN2の判定論理はローレベルとなる。したがって、通常動作モードの期間では、フォトカプラ30Bの入力順電流を抑えつつ、装置2の送信信号VTX2の論理レベルに応じた信号VIN1を装置1に送信することが可能となる。
次に、図9における検査モード期間T4では、データ処理制御部20は、送信信号VTX2をローレベルに固定するとともに、制御信号VCNTをハイレベルに固定する。これにより、フォトカプラ30Bには入力順電流Ifb2が流れ、信号VIN1の電圧が通常動作モード時よりも上昇する。図9に示されるように、上記の検査モード期間T4では、信号VIN1の電圧は閾値電圧Vth2よりも小さいため、装置1による信号VIN1の判定論理はローレベルとなり、受信結果通知部36からローレベルの受信結果信号VPが出力される。これにより、データ処理制御部20は、フォトカプラ30Bが劣化していないと判定する。
次に、フォトカプラ30Bが劣化している場合について説明する。
図10に示されるように、時刻t10からt11までの通常動作モード期間では、データ処理制御部20は、装置1に対して送信信号VTX2を送信する。この期間において、信号VIN1は、前述の図9の時刻t0からt1までの通常動作モード期間と同様に変化する。図10では、フォトカプラ30Bの劣化が進んでいる状況を想定しているため、期間T12における信号VIN1の信号レベルは、図9の期間T2のそれよりも高くなるが、閾値Vth1よりも高くなることはない。したがって、時刻t10からt11までの通常動作モードの期間では、図9の場合と同様に、フォトカプラ30Bの入力順電流を抑えつつ、装置2の送信信号VTX2の論理レベルに応じた信号VIN1を装置1に送信することが可能となる。
図10における検査モード期間T14では、データ処理制御部20は、送信信号VTX2をローレベルに固定するとともに、制御信号VCNTをハイレベルに固定する。これにより、フォトカプラ30Bには、通常動作モード時の平均電流よりも小さい入力順電流Ifb2が流れ、信号VIN1の電圧が通常動作モード時よりも上昇する。図10に示されるように、検査モード期間T14では、信号VIN1の電圧は閾値電圧Vth1よりも大きいため、信号VIN1はハイレベルと判定され、受信結果通知部36からハイレベルの受信結果信号VPが出力される。これにより、データ処理制御部20は、フォトカプラ30Bが劣化していると判定する。
フォトカプラ30Bの劣化検出後、データ処理制御部20は、前述したフォトカプラ30Aと同様に、通常動作モードにおけるフォトカプラ30Bの入力順電流の切り替え制御を停止し、フォトカプラ30Bの入力順電流をIfa2に固定する。例えば、図10に示されるように、フォトカプラ30Bの劣化が検出された後の時刻t12からt13までの通常動作モード期間において、データ処理制御部20は、ハイレベルの送信信号VTX2を出力する場合には制御信号VCNTをハイレベルにし、ローレベルの送信信号VTX2を出力する場合には制御信号VCNTをローレベルに固定する。これにより、送信信号VTXがローレベルのときには、フォトカプラ30Bに劣化検出前の平均電流よりも大きい入力順電流Ifa2が流れるので、装置1に入力される信号VIN1は閾値電圧Vth1よりも十分小さくなる。これにより、フォトカプラ30Bの劣化検出後、しばらくの間は、装置2から装置1への信号の伝達が安定して行われる。
(3)フォトカプラ30A、30Bの入力順電流IFの決定方法について
上述したフォトカプラ30Aの入力順電流Ifa1、Ifb1は以下のように決定される。なお、フォトカプラ30Bの入力順電流Ifa2、Ifb2の決定方法については、入力順電流Ifa1、Ifb1と同様であるため、説明を省略する。
例えば、フォトカプラ30Aの入力順電流をIfa1としたときのフォトカプラ30Aの出力電流をIca1(=CTR×Ifa1)とすると、信号VIN2の電圧(Ica1×R3)が入力端子PI1の入力論理の閾値電圧Vth2よりも十分大きくなるように、入力順電流Ifa1を決定する。
また、フォトカプラ30Aの入力順電流をIfb1としたときのフォトカプラ30Aの二次側に流れる出力電流をIcb1(=CTR×Ifb1)とすると、入力順電流Ifb1は、信号VIN2の電圧(Icb1×R3)が入力端子PI1の入力論理の閾値電圧Vth2よりも大きく、且つ(Ica1×R3)よりも小さくなるように設定する。
以下、具体的な数値例を挙げて説明する。
図11は、一般的なフォトカプラのCTRの経時特性を示す図である。同図に示されるように、一般的なフォトカプラは、使用を継続すると、CTRが経年的に劣化する。
ここで、フォトカプラの劣化を検出するための判定基準をCTR=50%とした場合のフォトカプラ30Aの入力順電流Ifa1、Ifb1の決定方法について説明する。
入力順電流Ifb1は以下のように決定する。
例えば、装置2の入力論理の判定に係る閾値電圧Vth2を2.5Vとし、出力信号生成部33の抵抗R3を10kΩとしたとき、信号VIN2の電圧が閾値電圧Vth2超えるためには、フォトカプラ30Aの出力電流Icbcは、0.25mA(=2.5V/10kΩ)以上でなければならない。すなわち、CTRが50%まで低下するまでは、フォトカプラ30Aの出力電流Icbcが0.25mA以上でなければならない。したがって、フォトカプラ30Aの使用開始時の入力順電流Ifb1は、0.5mA(=0.25mA/50%)となる。
入力順電流Ifa1は以下のように決定する。
フォトカプラ30Aの劣化が検出された後でも、しばらくの間はフォトカプラ30Aによる信号の送信を保証する必要がある。そこで、例えばCTRが25%まで低下しても、フォトカプラ30Aによる正常な信号伝達ができるようにするためには、フォトカプラ30Aの出力電流Icacを、0.25mA(=2.5V/10kΩ)以上にする必要がある。したがって、フォトカプラ30Aの使用開始時の入力順電流Ifa1は、1.0mA(=0.25mA/25%)となる。
上記の条件(Ifa1=1.0mA、Ifb1=0.5mA)でフォトカプラ30Aを使用すると、CTRが50%を下回った時点で、フォトカプラ30Aの入力順電流をIfb1(=0.5mA)としたとき信号伝達ができなくなり、検査モードにてフォトカプラ30Aの劣化が検出される。劣化検出後は、上述したようにデータ処理制御部20が通常動作モードでのフォトカプラ30Aの入力順電流をIfa1(=1.0mA)に固定するので、CTRが25%まで低下するまでは正常な信号伝達が可能となる。すなわち、CTRが100%から25%に低下するまでの期間が、フォトカプラ30Aの使用可能期間となる。
したがって、フォトカプラ30Aの劣化が検出されても、すぐにフォトカプラ30Aによる通信が不能となるわけではないので、CTRが50%から25%に低下するまでの期間にフォトカプラ30Aを交換すればよく、計画的な修理および部品交換が可能となる。
以上、本発明に係るフォトカプラ通信システムによれば、動作モードとして通常動作モードと検査モードを設け、検査モードにおいてフォトカプラの入力順電流IFを通常動作モード時よりも小さくして信号の送受信を行うことで、フォトカプラの劣化を容易に検出することができる。
また、通常動作モードにおいて、受信側の装置に入力される信号の論理レベルが変化しない程度にフォトカプラの入力順電流IFをスイッチングさせることにより、通常動作モード時の信号伝達に影響を与えることなく、フォトカプラに流れる入力順電流IFを低減することができる。これにより、フォトカプラの延命を図ることが可能となる。
以上、本発明者らによってなされた発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
例えば、図11において、フォトカプラ30Aの劣化検出の基準となるCTRを50%とし、フォトカプラ30Aの動作保障の基準となるCTRを25%とする場合の入力順電流Ifa1,Ifb1の決定方法について説明したが、上記の基準となるCTRの値は、種々変更可能であることは言うまでもない。
図2や図7において示した電流調整部31、34、出力電圧生成部33、35、スイッチ駆動回路32、および受信結果通知部36等の具体的な回路構成はあくまで例示であり、それらの機能を実現することができれば、別の回路構成を用いることも可能である。
装置2の統括的な制御を行うデータ処理制御部20が、フォトカプラ30A、30Bの一次側の電流を調整するとともにフォトカプラ30A、30Bの劣化を検出する場合を例示したが、これに限られない。例えば、装置2の統括的な制御を行うCPUやプロセッサとは別に、フォトカプラ30A、30Bの一次側の電流を調整し且つフォトカプラ30A、30Bの劣化を検出する処理部を設けてもよい。この場合、上記処理部は、装置2の内部に設けてもよいし、外部に設けてもよい。
100…フォトカプラ通信システム、1、2…装置、3…フォトカプラ通信装置、20…データ処理制御部、PI1、PI2…入力端子、PO1、PO2、PO4、PO5…出力端子、30A、30B、8A、8B…フォトカプラ、31、34…電流調整部、33、35…出力電圧生成部、32…スイッチ駆動回路、36…受信結果通知部、VTX1…装置1の送信信号、VIN2…装置2の入力信号、VTX2…装置2の送信信号、VIN1…装置1の入力信号、CNT1、CNT2…スイッチ制御信号、VCNT…制御信号、VP…受信結果信号。

Claims (7)

  1. 一次側の発光素子と二次側の受光素子とを備え、少なくとも2つの装置間で信号の送受信を行うフォトカプラと、
    前記フォトカプラの一次側の発光素子に流れる電流を調整する電流調整部と、
    前記フォトカプラの二次側の受光素子に流れる電流に応じた出力信号を生成する出力信号生成部と、
    前記電流調整部を制御することにより、前記フォトカプラの一次側の発光素子に流れる電流を調整するとともに、前記出力信号生成部の出力信号を入力するデータ処理制御部を有し、
    前記データ処理制御部は、一方の装置から送信された信号を他方の装置に入力する通常動作モードと、前記フォトカプラの劣化を検出する検査モードと有し、通常動作モードにおいて、前記フォトカプラの一次側の発光素子に供給する電流を第1電流値と前記第1電流値よりも小さい第2電流値との間で所定の周期で切り替え、前記検査モードにおいて、前記フォトカプラの一次側の発光素子に供給する電流を前記第2電流値に設定し、そのときの前記出力信号生成部の出力信号に基づいて前記フォトカプラの劣化を判定する
    ことを特徴とするフォトカプラ通信システム。
  2. 請求項1に記載のフォトカプラ通信システムにおいて、
    前記通常動作モードにおいて、前記フォトカプラの一次側の発光素子に供給する電流が前記第2電流値になる期間は、前記フォトカプラの一次側に供給する電流を前記第1電流値から前記第2電流値に切り替えてから前記フォトカプラの二次側に流れる電流が安定するまでの期間よりも短い
    ことを特徴とするフォトカプラ通信システム。
  3. 請求項2に記載のフォトカプラ通信システムにおいて、
    前記フォトカプラは、前記二次側の受光素子としてフォトトランジスタを有する
    ことを特徴とするフォトカプラ通信システム。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載のフォトカプラ通信システムにおいて、
    前記データ処理制御部は、前記フォトカプラの劣化を検出したら、それ以降の前記通常動作モードにおいて、前記フォトカプラの一次側の発光素子に供給する電流の切り替えを停止するとともに、前記フォトカプラの一次側の発光素子に供給する電流を前記第1電流値に設定する
    ことを特徴とするフォトカプラ通信システム。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載のフォトカプラ通信システムにおいて、
    信号を送信する送信側装置と、
    信号を受信する受信側装置とを更に有し、
    前記データ処理制御部は、前記受信側装置内に設けられる
    ことを特徴とするフォトカプラ通信システム。
  6. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載のフォトカプラ通信システムにおいて、
    信号を送信する送信側装置と、
    信号を受信する受信側装置と、
    前記出力信号生成部によって生成された信号の信号レベルに応じて、前記受信側装置による信号受信の有無を示す受信結果信号を生成する受信結果送信部とを有し、
    前記データ処理制御部は、前記送信側装置内に設けられる
    ことを特徴とするフォトカプラ通信システム。
  7. 少なくとも2つの装置間でフォトカプラを介して信号の送受信を行うフォトカプラ通信システムであって、
    一方の装置から送信された信号を他方の装置に入力する通常動作モードと、前記フォトカプラの劣化を検出する検査モードと有し、
    前記通常動作モードにおいて、前記フォトカプラの一次側の発光素子に供給する電流を第1電流値と前記第1電流値よりも小さい第2電流値との間で所定の周期で切り替えて信号の送受信を行い、
    前記検査モードにおいて、前記フォトカプラの一次側の発光素子に供給する電流を前記第2電流値に設定して信号の送受信を行い、受信側の装置で受信した信号に基づいてフォトカプラの劣化の有無を判定する
    ことを特徴とするフォトカプラ通信システム。
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