JP2015211246A - フォトカプラ通信システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明に係るフォトカプラ通信システム(100)は、フォトカプラ(30A、30B)と、電流調整部(31、34)と、フォトカプラの二次側の電流に応じた出力信号を生成する出力信号生成部(33、35)と、電流調整部を制御することでフォトカプラの一次側の電流を調整するとともに前記出力信号を入力するデータ処理制御部(20)とを有する。前記データ処理制御部は、前記フォトカプラによって一方の装置から他方の装置に信号を送信する通常動作モードにおいて、フォトカプラの一次側の電流を第1電流値(Ifa1,Ifa2)とそれよりも小さい第2電流値(Ifb1,Ifb2)との間で切り替え、検査モードにおいてフォトカプラの一次側の電流を第2電流値に設定し、そのときの前記出力信号に基づいてフォトカプラの劣化を判定する。
【選択図】図4
Description
図1は、本発明の実施の形態に係るフォトカプラ通信システムを示す図である。同図に示されるフォトカプラ通信システム100は、例えば、産業機器や車載システム、医療機器等の内部に設けられた電気的な絶縁が必要な装置間で通信を行うための通信機構である。本実施の形態では、2つの装置1、2がフォトカプラ通信装置3を介して通信を行う場合を例示するが、フォトカプラ通信装置3を介して通信を行う装置の台数に特に制限はない。
フォトカプラ通信装置3は、装置1と装置2との間を絶縁し、装置1から出力された信号を装置2に送信するとともに、装置2から出力された信号を装置1に送信する。以下、フォトカプラ通信装置3について、装置1から装置2に信号を送信するための機能部と、装置2から装置1に信号を送信するための機能部とに分けて、それらの構成と動作を具体的に説明する。
図2は、フォトカプラ通信装置3の内部構成の一例を示す図である。同図には、装置1から装置2に信号を送信するための機能部が図示されており、装置2から装置1に信号を送信するための通信部については、図示を省略している。
図2に示されるように、フォトカプラ通信装置3は、装置1から装置2に信号を送信するための機能部として、フォトカプラ30A、電流調整部31、スイッチ駆動回路32、および出力信号生成部33を有する。
図3にスイッチ駆動回路32の内部構成を例示する。
同図に示されるように、スイッチ駆動回路32は、フォトカプラ8A、8Bと抵抗R10〜R13とから構成される。フォトカプラ8A、8Bとしては、フォトカプラ30Aよりも長寿命のものが用いられる。また、フォトカプラ30Aの二次側の電流の応答速度よりも早くスイッチSW1をオン・オフさせる必要があることから、フォトカプラ8A、8Bはフォトカプラ30Aよりも二次側の電流の応答速度が速い方が望ましい。
図4は、各動作モードにおけるフォトカプラ30Aの入力順電流IFと信号VIN2の信号波形を示す図である。
前述したように、データ処理制御部20は、周期的に通常動作モードと検査モードとを切り替えて、フォトカプラ通信装置3を制御する。動作モードが切り替わる周期Tは、例えば100ms〜200msである。
図5および図6は、装置1から装置2に信号を送信するときのフォトカプラ通信システム100のタイミングチャート図である。図5には、フォトカプラ30Aが劣化する前の各信号波形が示されており、図6には、フォトカプラ30Aが劣化した後の各信号波形が示されている。
例えば、図5に示されるように、時刻t0からt1までの通常動作モード期間では、データ処理制御部20によって、スイッチSW2がオフされるとともに、スイッチSW1のオン・オフが所定の周期で切り替えられる。この期間のうち、装置1がハイレベルの送信信号VTX1を出力している期間T1、T3では、フォトカプラ30Aに入力順電流が流れないため、フォトカプラ30AのLEDは発光せず、データ処理制御部20による信号VIN2の判定論理はローレベルとなる。
一方、装置1がローレベルの出力信号VOUTを出力している期間T2は、フォトカプラ30Aに入力順電流が流れるので、フォトカプラ30AのLEDが発光する。このとき、フォトカプラ30Aの入力順電流がIfaとIfbとの間で周期的に切り替わるため信号VIN2の電圧は変動するが、閾値Vth2よりも低くはならないので、データ処理制御部20による信号VIN2の判定論理はハイレベルとなる。また、期間T2におけるフォトカプラ30Aに流れる入力順電流の平均電流は、Ifa1、Ifb1、およびSW1のスイッチング周期(デューティ比)によって決まり、Ifa1よりも小さくなる。したがって、通常動作モードの期間では、フォトカプラ30Aの入力順電流を抑えつつ、装置1の送信信号VTX1の論理レベルに応じた信号VIN2を装置2に送信することが可能となる。
図6に示されるように、時刻t10からt11までの通常動作モード期間では、データ処理制御部20がスイッチSW2をオフさせるとともに、スイッチSW1のオン・オフを所定の周期で切り替える。この期間において、信号VIN2は、前述の図5の時刻t0からt1までの通常動作モード期間と同様に変化する。図6では、フォトカプラ30Aの劣化が進んでいる状況を想定しているため、期間T12における信号VIN2の信号レベルは、図5の期間T2のそれよりも小さくなるが、閾値Vth2よりも低くなることはない。したがって、時刻t10からt11までの通常動作モードの期間では、図5の場合と同様に、フォトカプラ30Aの入力順電流を抑えつつ、装置1の送信信号VTX1の論理レベルに応じた信号VIN2を装置2に送信することが可能となる。
次に、フォトカプラ通信装置3における装置2から装置1に信号を送信するための機能部について説明する。
図7は、フォトカプラ通信装置3の内部構成の別の一例を示す図である。同図には、装置2から装置1に信号を送信するための機能部が図示されており、装置1から装置2に信号を送信するための機能部については、図示を省略している。
図7に示されるように、フォトカプラ通信装置3は、装置2から装置1に信号を送信するための機能部として、フォトカプラ30B、出力信号生成部35、電流調整部34、および受信結果通知部36を有する。
出力信号生成部35は、フォトカプラ30Aの出力電流ICに応じた信号VIN1を生成する。具体的には、出力信号生成部35は、フォトカプラ30Bのフォトトランジスタのコレクタ電極と電源ラインVCC1との間に接続された抵抗R6から構成される。フォトカプラ30Bの出力電流ICは抵抗R6によって電圧に変換され、信号VIN1として装置1の入力端子INに入力される。
図8に受信結果通知部36の内部構成の一例を示す。同図に示されるように、受信結果通知部36は、フォトカプラ8Cと、抵抗R14、R15と、トランジスタMNとから構成される。
図9および図10は、フォトカプラ通信システム100において、装置2から装置1に信号を送信するときのタイミングチャート図である。図9には、フォトカプラ30Bが劣化する前の各信号波形が示されており、図10には、フォトカプラ30Bが劣化した後の各信号波形が示されている。
例えば、図9に示されるように、時刻t0からt1までの通常動作モード期間では、データ処理制御部20は、装置1に対して送信信号VTX2を送信する。この期間のうち、送信信号VTX2がハイレベルである期間T1、T3において、データ処理制御部20は、制御信号VCNTをハイレベルに固定する。これにより、フォトカプラ30Bに入力順電流が流れないので、フォトカプラ30BのLEDは発光せず、信号VIN1はハイレベル(VCC1)となる。
図10に示されるように、時刻t10からt11までの通常動作モード期間では、データ処理制御部20は、装置1に対して送信信号VTX2を送信する。この期間において、信号VIN1は、前述の図9の時刻t0からt1までの通常動作モード期間と同様に変化する。図10では、フォトカプラ30Bの劣化が進んでいる状況を想定しているため、期間T12における信号VIN1の信号レベルは、図9の期間T2のそれよりも高くなるが、閾値Vth1よりも高くなることはない。したがって、時刻t10からt11までの通常動作モードの期間では、図9の場合と同様に、フォトカプラ30Bの入力順電流を抑えつつ、装置2の送信信号VTX2の論理レベルに応じた信号VIN1を装置1に送信することが可能となる。
上述したフォトカプラ30Aの入力順電流Ifa1、Ifb1は以下のように決定される。なお、フォトカプラ30Bの入力順電流Ifa2、Ifb2の決定方法については、入力順電流Ifa1、Ifb1と同様であるため、説明を省略する。
例えば、フォトカプラ30Aの入力順電流をIfa1としたときのフォトカプラ30Aの出力電流をIca1(=CTR×Ifa1)とすると、信号VIN2の電圧(Ica1×R3)が入力端子PI1の入力論理の閾値電圧Vth2よりも十分大きくなるように、入力順電流Ifa1を決定する。
図11は、一般的なフォトカプラのCTRの経時特性を示す図である。同図に示されるように、一般的なフォトカプラは、使用を継続すると、CTRが経年的に劣化する。
ここで、フォトカプラの劣化を検出するための判定基準をCTR=50%とした場合のフォトカプラ30Aの入力順電流Ifa1、Ifb1の決定方法について説明する。
例えば、装置2の入力論理の判定に係る閾値電圧Vth2を2.5Vとし、出力信号生成部33の抵抗R3を10kΩとしたとき、信号VIN2の電圧が閾値電圧Vth2超えるためには、フォトカプラ30Aの出力電流Icbcは、0.25mA(=2.5V/10kΩ)以上でなければならない。すなわち、CTRが50%まで低下するまでは、フォトカプラ30Aの出力電流Icbcが0.25mA以上でなければならない。したがって、フォトカプラ30Aの使用開始時の入力順電流Ifb1は、0.5mA(=0.25mA/50%)となる。
フォトカプラ30Aの劣化が検出された後でも、しばらくの間はフォトカプラ30Aによる信号の送信を保証する必要がある。そこで、例えばCTRが25%まで低下しても、フォトカプラ30Aによる正常な信号伝達ができるようにするためには、フォトカプラ30Aの出力電流Icacを、0.25mA(=2.5V/10kΩ)以上にする必要がある。したがって、フォトカプラ30Aの使用開始時の入力順電流Ifa1は、1.0mA(=0.25mA/25%)となる。
Claims (7)
- 一次側の発光素子と二次側の受光素子とを備え、少なくとも2つの装置間で信号の送受信を行うフォトカプラと、
前記フォトカプラの一次側の発光素子に流れる電流を調整する電流調整部と、
前記フォトカプラの二次側の受光素子に流れる電流に応じた出力信号を生成する出力信号生成部と、
前記電流調整部を制御することにより、前記フォトカプラの一次側の発光素子に流れる電流を調整するとともに、前記出力信号生成部の出力信号を入力するデータ処理制御部を有し、
前記データ処理制御部は、一方の装置から送信された信号を他方の装置に入力する通常動作モードと、前記フォトカプラの劣化を検出する検査モードと有し、通常動作モードにおいて、前記フォトカプラの一次側の発光素子に供給する電流を第1電流値と前記第1電流値よりも小さい第2電流値との間で所定の周期で切り替え、前記検査モードにおいて、前記フォトカプラの一次側の発光素子に供給する電流を前記第2電流値に設定し、そのときの前記出力信号生成部の出力信号に基づいて前記フォトカプラの劣化を判定する
ことを特徴とするフォトカプラ通信システム。 - 請求項1に記載のフォトカプラ通信システムにおいて、
前記通常動作モードにおいて、前記フォトカプラの一次側の発光素子に供給する電流が前記第2電流値になる期間は、前記フォトカプラの一次側に供給する電流を前記第1電流値から前記第2電流値に切り替えてから前記フォトカプラの二次側に流れる電流が安定するまでの期間よりも短い
ことを特徴とするフォトカプラ通信システム。 - 請求項2に記載のフォトカプラ通信システムにおいて、
前記フォトカプラは、前記二次側の受光素子としてフォトトランジスタを有する
ことを特徴とするフォトカプラ通信システム。 - 請求項1乃至3のいずれか一項に記載のフォトカプラ通信システムにおいて、
前記データ処理制御部は、前記フォトカプラの劣化を検出したら、それ以降の前記通常動作モードにおいて、前記フォトカプラの一次側の発光素子に供給する電流の切り替えを停止するとともに、前記フォトカプラの一次側の発光素子に供給する電流を前記第1電流値に設定する
ことを特徴とするフォトカプラ通信システム。 - 請求項1乃至4のいずれか一項に記載のフォトカプラ通信システムにおいて、
信号を送信する送信側装置と、
信号を受信する受信側装置とを更に有し、
前記データ処理制御部は、前記受信側装置内に設けられる
ことを特徴とするフォトカプラ通信システム。 - 請求項1乃至4のいずれか一項に記載のフォトカプラ通信システムにおいて、
信号を送信する送信側装置と、
信号を受信する受信側装置と、
前記出力信号生成部によって生成された信号の信号レベルに応じて、前記受信側装置による信号受信の有無を示す受信結果信号を生成する受信結果送信部とを有し、
前記データ処理制御部は、前記送信側装置内に設けられる
ことを特徴とするフォトカプラ通信システム。 - 少なくとも2つの装置間でフォトカプラを介して信号の送受信を行うフォトカプラ通信システムであって、
一方の装置から送信された信号を他方の装置に入力する通常動作モードと、前記フォトカプラの劣化を検出する検査モードと有し、
前記通常動作モードにおいて、前記フォトカプラの一次側の発光素子に供給する電流を第1電流値と前記第1電流値よりも小さい第2電流値との間で所定の周期で切り替えて信号の送受信を行い、
前記検査モードにおいて、前記フォトカプラの一次側の発光素子に供給する電流を前記第2電流値に設定して信号の送受信を行い、受信側の装置で受信した信号に基づいてフォトカプラの劣化の有無を判定する
ことを特徴とするフォトカプラ通信システム。
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