JP6272602B2 - 水中構造物の改造方法 - Google Patents

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本発明は、ダムの減勢工その他ダムの洪水吐に設置される各種の水中構造物を含む、河川、海などの各水域に設置される水中構造物の改造方法に関する。
ダムには、蓄えた水が堤体を越流しないように水位の上昇を制御する目的で、洪水吐が設けられる。洪水吐は上流側から、流入部、導流部、減勢工に区分され、流入部で堤体内の水を取り込み、取り込んだ水を導流部により下流側に向けて流し、水流の運動エネルギーを減勢工で減殺して下流に放流するようになっている。特に、減勢工は、跳水式、スキージャンプ式、自由落下式があり、例えば、跳水式は、減勢池を設け、この減勢池の下流部に堰を設置して、水流の運動エネルギーを跳水現象により減勢する方式を採っている。また、この跳水式の場合、堰の上流側の跳水渦領域に、歯型シルなどの水流を衝突分散させる水中構造物を設置して減勢効果を高める方法なども採用されている。
ところで、近時は、ゲリラ豪雨や爆弾低気圧などの異常気象の影響もあって、洪水が増加しており、既設のダムの機能を強化するため、ダムの各設備をリニューアルすることが求められている。既述のダムの洪水吐にあっても同様で、例えば、減勢工のリニューアル工事がその一つである。この種の減勢工のリニューアル工事としては、例えば歯型シルの嵩上げなど水中構造物の改造工事があり、かかる工事はダム直下の河川の水流の中で実施されることになる。
河川内で水中構造物の改造工事を実施する場合、例えば、特許文献1などに開示されているように、河川に仮締切りや転流工を設置して、施工箇所をドライアップし、施工する構造物に通常の型枠を用いてコンクリートを打設することが一般に行われる。
また、この種の水中構造物の施工方法として、水中に仮締切りを設置せずに実施する方法も提案されており、その方法が例えば特許文献2、3、4などに開示されている。
特許文献2は水中基礎構造物の構築方法および装置に関するもので、この文献2には、海岸線付近に橋脚基礎たるフーチングを構築する方法について記載されている。この文献2の方法では、まず、海岸線付近の地盤に複数の基礎杭を打設し、これらの基礎杭の杭頭部に基礎杭の延長上に向けて支持部材を取り付けて、これら支持部材間に桁部材を仮設する。そして桁部材から吊下げ部材によりフーチングの下型枠及び側壁型枠を吊下げて組み立てた後、側壁型枠と下型枠とに囲まれたコンクリート打設エリアの排水を行い、このコンクリート打設エリアに所定の配筋を実施してコンクリートを打設する。
特許文献3はコンクリート水中構造物の施工方法に関するもので、この文献3には、橋脚フーチングの施工方法について記載されている。この文献3の方法では、まず、水底に複数の本設杭を立設した後、これらの本設杭の上部側に、有底筒状をなし、底面に開口部を形成されたプレキャスト型枠を、本設杭がプレキャスト型枠の底面開口部内に下方から挿入された状態に支持させて、プレキャスト型枠を各本設杭に固定する。そして、プレキャスト型枠内の排水を行い、このプレキャスト型枠内にコンクリートを打設する。
特許文献4は水際のコンクリート構造物およびその施工方法に関するもので、この文献4には、水中につかる部分を有する水際のコンクリート構造物の施工方法について記載されている。この文献4の方法では、まず、海底又は河床に複数の杭を打設し、躯体コンクリートのうち少なくとも水面より下に位置する部分をプレキャスト化し、このプレキャスト化した部分を杭に取り付ける。そして、その上に躯体コンクリートの残りの部分を完成させる。
特開2009− 74269公報 特開2001−348888公報 特開平9−221774公報 特開平9− 13347公報
既述のように、河川内に水中構造物を施工する場合、一般的には、河川内に仮締切りや転流工を設置して施工箇所をドライにする必要があるが、ダムの減勢工などのリニューアル工事の場合、次のような問題がある。
(1)河川はダムの直下流で水流の速度も速いため、仮締切りの形状を設計、施工するのが困難である。
(2)仮締切りは、渇水期での施工になるが、大掛かりな工事のため、仮締切りを半分ずつ設置した場合でも、工期が2倍になる。
また、既述のとおり、水中での施工で、通常の型枠を用いてコンクリートを打設する施工方法では、ダムの減勢工などのリニューアル工事の場合、次のような問題がある。
(1)この場合、型枠の設置に多くの時間がかかり、ダムの放流によるリスクが高く、現実的ではない。
(2)コンクリートの養生期間を十分に(例えば28日)取れなければ、水中構造物はリニューアルされても、減勢工の激しい水流の中では、すぐに磨耗してしまう。
(3)コンクリートを打ち継ぐ場合、一体性を確保することが難しく、差筋や打継ぎ目処理により多くの手間がかかる。
(4)プレキャストコンクリート製にする場合、重量が重いという施工上の課題と、一体化させることに品質上の課題がある。
(5)打継ぎ目のせん断補強を十分に実施する必要がある。
また、上記特許文献2−4の各工法をダムの洪水吐における水中構造物のリニューアル工事に適用しようとすると、次のような問題がある。
(1)特許文献2の工法では、地盤に打設した複数の基礎杭の上に架台を組み立て、この架台から吊下げ部材により型枠を吊下げて組み立てた後、この型枠内にコンクリートを打設するので、流れの速い水中での抵抗力の点で弱く、ダムの洪水吐における水中構造物のリニューアル工事には不適である。
(2)特許文献3の工法では、プレキャストコンクリートは重量が重いため、河川内の工事では曳航する必要があるが、流れの速い水中での曳航は困難で、ダムの洪水吐における水中構造物のリニューアル工事には不適である。
(3)特許文献4の工法では、水中構造物の大部分が水面下になる場合、プレキャストの重量が大きくなり、流れの速い水中での施工は困難で、ダムの洪水吐における水中構造物のリニューアル工事には不適である。また、この場合、水中構造物を分割して設置する方法も考えられるが、一体化させることが課題となる。
本発明は、このような従来の問題を解決するものであり、この種の水中構造物の施工方法において、ダムの減勢工などのリニューアル工事での水中構造物の施工でも、仮締切りや転流工を設置する必要がないこと、仮締切りを設置する場合と比較しても、工期が大幅に短縮できること、通常の型枠を用いてコンクリートを打設する施工と比較しても、作業時間を大幅に短縮できること、水中作業を大幅に減少し、安全性の向上を図ること、減勢工のような激しい水流の中でも耐摩耗性に強いこと、せん断補強を十分にすることなど、を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、河川、海などの各水域において、水中の設置面に水中構造物を設置する水中構造物の施工方法であって、前記中の設置面に水面上方の所定の高さまで延びる鋼管杭を打設し、水中構造物の外形をなし、天面開口され、底面に前記鋼管杭を挿通可能な杭挿通部を有する箱形又は有底筒形の鋼製型枠を、前記杭挿通部に前記鋼管杭を通し、当該鋼管杭の案内により前記水中の設置面に位置決め設置して、 前記鋼製型枠内の止水処理を施した後、前記鋼製型枠内にコンクリートを打設して、前記鋼製型枠と前記コンクリートとを一体化する、ことを要旨とする。
また、この施工方法では、鋼管杭を前記鋼製型枠内に打設するコンクリートの天端よりも高くしておき、水中構造物の施工後、前記鋼管杭の前記コンクリートの天端より上部を前記鋼管杭の前記コンクリートと一体の残部から切断することが好ましい。この場合、杭挿通部を鋼製型枠の底面に前記鋼製型枠内に打設するコンクリートの天端に向けて延びる筒状に形成することが望ましい。
また、鋼製型枠を前記鋼製型枠内に打設するコンクリートの天端よりも高くしておき、水中構造物の施工後、前記鋼製型枠の前記コンクリートの天端より上部を前記鋼製型枠の前記コンクリートと一体の残部から切り離すことが好ましい。この場合、鋼製型枠の上部を残部から切り離し可能に、前記上部を前記残部に締結要素を介して連結することが望ましい。
本発明の水中構造物の施工方法によれば、上記の方法により、次のような効果を奏する。
(1)河川、海などの各水域において、中の設置面に水面上方の所定の高さまで延びる鋼管杭を打設し、この鋼管杭を案内にして、水中構造物の外形をなす鋼製型枠を水中の設置面に位置決め設置し、鋼製型枠内の止水処理を施した後、鋼製型枠内にコンクリートを打設して、鋼製型枠とコンクリートとを一体化するようにしたので、水中構造物を水中の設置面にその上方から設置することができ、水中での施工でありながら仮締切りや転流工を設置する必要がなく、ダムの減勢工などのリニューアル工事での水中構造物の施工でも、仮締切りや転流工を設置することに伴う従来の問題を解決することができる。また、仮締切りや転流工を設置する必要がない分だけ、仮締切りを設置する場合と比較して、工期を大幅に短縮することができる
(2)水中の設置面に水面上方の所定の高さまで延びる鋼管杭を打設し、この鋼管杭を案内にして、水中構造物の外形をなす鋼製型枠を水中の設置面に位置決め設置し、この鋼製型枠内にコンクリートを打設するので、施工を水中の設置面の上方から行え、水中での作業を大幅に減少し、安全性の向上を図ることができる。
(3)箱形又は有底筒形の鋼製型枠を用いてコンクリートを打設するので、通常の型枠を用いてコンクリートを打設する施工と比較しても、作業時間を大幅に短縮することができる。
(4)水中の設置面に打設した水面上方の所定の高さまで延びる鋼管杭を鋼製型枠内に通して、この鋼製型枠内にコンクリートを打設するので、鋼管杭がせん断補強となって、水中構造物と水中の設置面の一体化に必要な特別なアンカー構造が必要とならない。
(5)鋼製型枠とコンクリートとを一体化して、鋼製型枠は埋設するので、この鋼製型枠によりコンクリートを保護することができ、減勢工のような激しい水流の中でも、耐摩耗性に強い水中構造物を実現することができる。
本発明の一実施の形態における水中構造物の施工方法を示す図((a)は水中構造物を正面から見た図(b)は水中構造物を側面から見た図) 同施工方法の適用される水中構造物の一例として例示する減勢工に設置された既設の歯型シルを示す図 同施工方法を適用して行う歯型シルの嵩上げ改造工事の施工フローを示す図 同施工方法を適用して行う歯型シルの嵩上げ改造工事の施工現場に必要な各種設備、機械の設置状況を示す図 同施工方法を適用して行う歯型シルの嵩上げ改造工事において、鋼管杭を歯型シルに打設した状態を示す図 同施工方法を適用して行う歯型シルの嵩上げ改造工事の施工フロー、特に鋼製型枠の施工手順に関する施工フローを示す図 同施工方法を適用して行う歯型シルの嵩上げ改造工事の施工手順、特に鋼製型枠搬入、鋼製型枠組立、鋼製型枠据付の工程を示す図 同施工方法を適用して行う歯型シルの嵩上げ改造工事の施工手順の鋼製型枠据付の工程で、鋼製型枠を鋼管杭を案内にして設置する状態を一部を拡大して示す図 同施工方法を適用して行う歯型シルの嵩上げ改造工事の施工手順の鋼製型枠据付の工程で、鋼製型枠の設置状態を一部を拡大して示す図 同施工方法を適用して行う歯型シルの嵩上げ改造工事の施工手順、特に鋼製型枠据付状況、コンクリート打設、鋼製型枠上部撤去の工程を示す図 同施工方法を適用して行う歯型シルの嵩上げ改造工事の施工手順の鋼製型枠据付の工程で、鋼製型枠の設置状態を示す図 同施工方法を適用して行う歯型シルの嵩上げ改造工事の施工手順のコンクリートの打設の工程で、コンクリートの鋼製型枠への打設状態を一部を拡大して示す図 同施工方法を適用して行う歯型シルの嵩上げ改造工事により施工された改造後の嵩上げされた歯型シルを示す図
次に、この発明を実施するための形態について図を用いて説明する。図1に水中構造物の施工方法を示している。
図1に示すように、この水中構造物の施工方法は、水中の施工場所での水中構造物の施工方法であって、水中構造物の設置面Sに鋼管杭Pを打設し、水中構造物Dの外形をなし、天面が開口され、底面に鋼管杭Pを挿通可能な杭挿通部m10を有する箱形又は有底筒形の鋼製型枠Mを、杭挿通部m10に鋼管杭Pを通し、この鋼管杭Pの案内により水中構造物の設置面Sに位置決め設置して、鋼製型枠M内の止水処理を施した後、鋼製型枠M内にコンクリートCを打設して、鋼製型枠MとコンクリートCとを一体化する。
また、この施工方法では、鋼管杭Pを鋼製型枠M内に打設するコンクリートCの天端よりも高くし、鋼製型枠Mの杭挿通部m10を鋼製型枠Mの底面に鋼製型枠M内に打設するコンクリートCの天端に向けて略天端の高さまで延びる筒状に形成しておき、水中構造物Dの施工後、鋼管杭PのコンクリートCの天端より上部を鋼管杭PのコンクリートCと一体の残部から切断する。
また、鋼製型枠Mを鋼製型枠M内に打設するコンクリートCの天端よりも高くし、鋼製型枠MのコンクリートCの天端よりも上部を鋼製型枠MのコンクリートCと一体の残部から切り離し可能に、上部を残部に締結要素を介して連結しておき、水中構造物Dの施工後、鋼製型枠MのコンクリートCの天端より上部を鋼製型枠MのコンクリートCと一体の残部から切り離す。
図2乃至図13にこの施工方法を適用したダムの洪水吐のリニューアル工事として、特に減勢工(減勢池)に設置された既設の歯型シル(水中構造物)の嵩上げ改造工事を例示している。
図2に示すように、この歯型シルの嵩上げ改造工事での既設の歯型シルD1は、河川の流れに対向する面が水面に対して略垂直に立ち上げられる垂直面ブロックd1と、河川の流れに対向する面が斜め上方に向けて立ち上げられる傾斜面ブロックd2が交互に連続して構成され、歯型シルD1全体の天面は水面よりも低くなっている。そして、この歯型シルD1の嵩上げ改造工事では、隣り合う2つの垂直面ブロックd1,d1とその間の1つの傾斜面ブロックd2を1つの改造対象ブロックD11とするとともに、この1つの改造対象ブロックD11の両側に隣接する傾斜面ブロックd2,d2をそのままの形で残すようにして、歯型シルD1の各ブロックd1、d2を複数の改造対象ブロックD11に区分し、このようにして区分された各改造対象ブロックD11を嵩上げする。
この歯型シルD1の嵩上げ改造工事で用いる鋼管杭P1は、図5、図12に示すように、ガイド杭及びせん断補強部材として、改造対象ブロックD11の垂直面ブロックd1に天面から打込まれるもので、垂直ブロックd1の大きさに応じて、また、嵩上げの高さに応じて、所定の径及び長さを有する円筒形に形成される。また、鋼管杭P1は鋼製型枠M1内に打設するコンクリートC1の天端よりも高くし、この場合、後述する鋼製型枠M1の高さと略同じ高さにしておく。
また、この嵩上げ改造工事で用いる鋼製型枠M1は、図8、図9に示すように、改造対象ブロックD11上に鋼管杭P1を介して設置されるもので、水中構造物の外形、この場合、歯型シルD1の一部(嵩上げ部分。以下、嵩上げブロックd3と称す。)の外形をなし、天面が開口され、底面に(左右対称的に)2本の鋼管杭P1を挿通可能に2つの杭挿通部m11,m11を有する箱形に、各改造対象ブロックD11上の設置面積に略一致する平面積で、各改造対象ブロックD11の嵩上げに必要な高さに形成される。この場合、鋼製型枠M1は鋼製型枠M1内に打設するコンクリートC1の天端よりも高くし、鋼製型枠M1のコンクリートC1の天端よりも上部を鋼製型枠M1のコンクリートC1と一体の残部から切り離し可能に、上部の鋼製型枠上部M11と残部の鋼製型枠下部M12とにより構成され、これら鋼製型枠上部M11、下部M12が上下に締結要素としてボルト及びナットにより連結される。この鋼製型枠M1の底面、この場合、鋼製型枠下部M12の底面には改造対象ブロックD11の傾斜面ブロックd2の傾斜面上に、言い換えればその両側の垂直面ブロックd1,d1間の斜めの凹部に嵌合可能に略逆四角錐状の凸部M121が併せて形成される。鋼製型枠M1の各杭挿通部m11,m11は、鋼製型枠M1の底面に鋼製型枠M1内に打設するコンクリートC1の天端に向けて略天端の高さ、この場合、鋼製型枠下部M12の高さまで延びる筒状に形成される。また、この場合、鋼製型枠上部M11及び鋼製型枠下部M12の内壁に上下複数段に鋼材(平板)m1が水平に内壁全周に亘って固着され、さらに、鋼製型枠下部M12にあっては、型枠内部に上下複数段に鋼材(H鋼)m2が水平に相互に対向する各側面間に架け渡され、各杭挿通部m11,m11の周囲に十字形に組まれて固着され、鋼製型枠M1が各杭挿通部m11,m11とともに補強される。
なお、これら鋼管杭P1及び鋼製型枠上部M11、下部M12は予め工場で製造される。
この歯型シルの嵩上げ改造工事は図3の施工フローに従って進めていく。
この嵩上げ改造工事では、まず、付帯工事として、図4に示すように、減勢池の片側一方の沿岸陸地、この場合、右岸に、減勢池の施工現場へのアプローチ道路W1及び荷揚げ荷卸し場W2、その直下の減勢池の縁にクレーン設置・退避ヤード(クレーン組立・退避及び荷揚げ荷卸し場)W3をそれぞれ設け、アプローチ道路W1とクレーン設置・退避ヤードW3との間に作業構台(上段作業構台)W4を設置し、クレーン設置・退避ヤードW3から減勢池に、この場合、歯型シルD1の上流側で歯型シルD1に沿って作業構台(下段作業構台)W5を設置する。なお、下段作業構台W5はLIBRA工法により組み立て、減勢池に打設する鋼管杭で構台を支持する構造になっている。
次に、既設の歯型シルD1の改造対象ブロックD11毎に2本一対の鋼管杭P1,P1と1つの鋼製型枠M1を用いて、各改造対象ブロックD11を嵩上げ改造する。
まず、図5に示すように、2本一対の鋼管杭P1,P1を各改造対象ブロックD11の各垂直面ブロックd1,d1に天面から打込む。この鋼管杭P1の打設は、既設の歯型シルD11の一端の改造対象ブロックD11から順次行う。
続いて、鋼製型枠M1を各鋼管杭P1,P1を介して各改造対象ブロックD11の天面に設置する。この場合、既設の歯型シルD1の一端の改造対象ブロックD11から順次行う。この鋼製型枠M1の施工は、図6に示すように、鋼製型枠搬入、鋼製型枠組み立てを経て、鋼製型枠の据え付け、固定、漏洩防止の手順で行う。鋼製型枠搬入、鋼製型枠組み立ての状況は図7(1)、(2)に示すとおりである。この鋼製型枠M1は既述のとおり、予め、工場で製造されるので、この場合、鋼製型枠M1は鋼製型枠上部M11、鋼製型枠下部M12に分けられて搬入され、鋼製型枠M1の組み立てで、鋼製型枠上部M11を鋼製型枠下部M12にボルト、ナットにより切り離し可能に連結する。そして、鋼製型枠M1の据え付けを、下段作業構台W5上でクローラクレーンにより行う。図7(3)に示すように、鋼製型枠M1をクローラクレーンで減勢池の施工位置、すなわち既設の歯型シルD1の改造対象ブロックD11上に吊り下げて、この鋼製型枠M1を、図8に示すように、底面の各杭挿通部m11,m11と改造対象ブロックD11上に打込まれた各鋼管杭P1,P1とを位置合せしながら降ろしていき、各杭挿通部m11,m11に各鋼管杭P1,P1を通し、これら鋼管杭P1,P1の案内により、図9に示すように、改造対象ブロックD11上の天面に位置決めして設置する。なお、この鋼製型枠M1底面の凸部M121は改造対象ブロックD11の傾斜面ブロックd2の傾斜面上(両側の垂直面ブロックd1,d1間の斜めの凹部)に嵌め込まれる。この鋼製型枠M1の設置では、各鋼管杭P1,P1が、既述のとおり、鋼製型枠M1内に打設するコンクリートC1の天端よりも高く、鋼製型枠M1の高さと略同じ高さになっており、また、鋼製型枠M1の各杭挿通部m11,m11が、既述のとおり、鋼製型枠M1の底面に鋼製型枠M1内に打設するコンクリートC1の天端に向けて略天端の高さ、この場合、鋼製型枠下部M12の高さまで延びているので、これら鋼管杭P1,P1と杭挿通部m11,m11との係合案内により、クローラクレーンに吊り下げられた鋼製型枠M1はふらつくことなく、安定した姿勢を維持しつつ、改造対象ブロックD11の天面に向けて確実に下降案内され、改造対象ブロックD11の天面上に設置される。この鋼製型枠M1の設置は、図7(3)、図10(4)、図11に示すように、既設の歯型シルD11の一端の改造対象ブロックD11から順次行う。
この鋼製型枠M1の設置後、必要があれば各鋼管杭P1,P1と各杭挿通部m11,m11とを溶接などにより固定して、鋼製型枠M1内の止水処理を施す。
次いで、図10(5)、図12に示すように、この鋼製型枠M1内にコンクリートC1を打設して、鋼製型枠M1とコンクリートC1とを一体化する。このコンクリートC1の打設は、図10(5)に示すように、既設の歯型シルD1の一端の改造対象ブロックD11から順次行う。
そして、この施工方法では、鋼製型枠M1を鋼製型枠M1内に打設するコンクリートC1の天端よりも高くし、鋼管杭P1,P1を鋼製型枠M1内に打設するコンクリートC1の天端よりも高くしているので、この鋼製型枠M1にコンクリートC1を打設した後は、鋼製型枠M1のコンクリートC1の天端より上部の鋼製型枠上部M11をコンクリートC1と一体の鋼製型枠下部M12から切り離し、鋼管杭P1,P1のコンクリートC1の天端より上部を鋼管杭P1,P1のコンクリートC1と一体の残部から切断して、この鋼製型枠M1の上部を、図10(6)に示すように、クローラクレーンにより撤去する。
そして、施工現場から上段、下段の各作業構台W4、W5を撤去して、この嵩上げ改造工事を終了する。
図13に減勢池に設置された改造後の歯型シルD1を示す。この改造後の歯型シルD1は、既述の施工方法により、既設の歯型シルD1と嵩上げブロック(鋼製型枠M1とコンクリートC1の一体物)d3が両者間に通された鋼管杭P1,P1によりせん断補強されて一体化され、減勢工の流れの速い水中で、せん断作用に抗する構造となる。また、鋼製型枠M1が埋設となり、この鋼製型枠M1がコンクリートC1を保護するので、コンクリートC1のみの構造物に比べて耐摩耗性が大幅に高められる。かかる歯型シルD1の嵩上げ改造により、減勢工の機能を向上させることができる。
以上説明したように、この水中構造物の施工方法によれば、既設の歯型シルD1の嵩上げ対象ブロックD11の天面にそれぞれ、2本一対の鋼管杭P1,P1を打設し、これらの鋼管杭P1,P1を案内にして、歯型シルD1の一部(嵩上げブロックd3)の外形をなす鋼製型枠M1を嵩上げ対象ブロックD11の天面に位置決め設置し、鋼製型枠M1内の止水処理を施した後、この鋼製型枠M1内にコンクリートC1を打設して、鋼製型枠M1とコンクリートC1とを一体化するようにしたので、作業構台W5などを用いた既設の歯型シルD1の上方からの各種建設機械による施工で、歯型シルD1の天面に嵩上げブロックd3を設置して嵩上げすることができ、ダムの減勢工(水中)での施工でありながら仮締切りや転流工を設置する必要がなく、この種の工事において仮締切りや転流工を設置することに伴う従来の問題を解決することができる。また、仮締切りや転流工を設置する必要がない分だけ、仮締切りを設置する場合と比較して、工期を大幅に短縮することができ、渇水期での施工が可能となる。
また、既設の歯型シルD1の嵩上げを既設の歯型シルD1の上方から行うことで、水中作業を大幅に減少し、安全性の向上を図ることができる。
さらに、箱形の鋼製型枠M1を用いてコンクリートC1を打設するので、通常の型枠を用いてコンクリートを打設する施工と比較しても、作業時間を大幅に短縮することができる。
また、かかる施工により鋼製型枠M1とコンクリートC1とからなる嵩上げブロックd3が既設の歯型シルD1上に設置され、この嵩上げブロックd3の内部に歯型シルD1に打設された鋼管杭P1,P1が通されるので、この鋼管杭P1,P1がせん断補強となって、新旧コンクリートの一体化に必要な特別なアンカー構造が必要とならない。さらに、鋼製型枠M1とコンクリートC1との一体化により、鋼製型枠M1を埋設とするので、この鋼製型枠M1によりコンクリートC1を保護することができ、減勢工のような激しい水流の中でも、耐摩耗性に強い水中構造物を実現することができる。
なお、この実施の形態では、歯型シルの嵩上げ改造工事を例示して、本発明の水中構造物の施工方法について説明したが、この水中構造物の施工方法は、減勢工のリニューアル工事としての他の水中構造物の改造工事や、河川、海などでの各種水中構造物の改造工事にも同様に適用することができ、この施工方法を用いることで上記と概ね同様の作用効果を得ることができる。
また、この施工方法で使用する鋼製型枠は、箱形又は有底の筒形を基本形状とするが、全体の形状は、既設の水上構造物の形状や改造工事の目的に応じて、種々に変更される。
S 水中構造物の設置面
D 水中構造物
P 鋼管杭
M 鋼製型枠
m10 杭挿通部
C コンクリート
D1 歯型シル(水中構造物)
D11 改造対象ブロック
d1 垂直面ブロック
d2 傾斜面ブロック
d3 嵩上げブロック
P1 鋼管杭
M1 鋼製型枠
m11 杭挿通部
M11 鋼製型枠上部
M12 鋼製型枠下部
M121 凸部
m1 鋼材(平板)
m2 鋼材(H鋼)
C1 コンクリート
W1 アプローチ道路
W2 荷揚げ荷卸し場
W3 クレーン設置・退避ヤード
W4 作業構台(上段作業構台)
W5 作業構台(下段作業構台)

Claims (5)

  1. 河川、海などの各水域において、水中の設置面に水中構造物を設置する水中構造物の施工方法であって、
    前記中の設置面に水面上方の所定の高さまで延びる鋼管杭を打設し、
    水中構造物の外形をなし、天面開口され、底面に前記鋼管杭を挿通可能な杭挿通部を有する箱形又は有底筒形の鋼製型枠を、前記杭挿通部に前記鋼管杭を通し、当該鋼管杭の案内により前記水中の設置面に位置決め設置して、
    前記鋼製型枠内の止水処理を施した後、前記鋼製型枠内にコンクリートを打設して、前記鋼製型枠と前記コンクリートとを一体化する、
    ことを特徴とする水中構造物の施工方法。
  2. 鋼管杭を前記鋼製型枠内に打設するコンクリートの天端よりも高くしておき、水中構造物の施工後、前記鋼管杭の前記コンクリートの天端より上部を前記鋼管杭の前記コンクリートと一体の残部から切断する請求項1に記載の水中構造物の施工方法。
  3. 杭挿通部を鋼製型枠の底面に前記鋼製型枠内に打設するコンクリートの天端に向けて延びる筒状に形成する請求項1又は2に記載の水中構造物の施工方法。
  4. 鋼製型枠を前記鋼製型枠内に打設するコンクリートの天端よりも高くしておき、水中構造物の施工後、前記鋼製型枠の前記コンクリートの天端より上部を前記鋼製型枠の前記コンクリートと一体の残部から切り離す請求項1乃至3のいずれかに記載の水中構造物の施工方法。
  5. 鋼製型枠の上部を残部から切り離し可能に、前記上部を前記残部に締結要素を介して連結する請求項4に記載の水中構造物の施工方法。
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