JP2655398B2 - 海底または河底に建設するトンネル工法 - Google Patents

海底または河底に建設するトンネル工法

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JP2655398B2
JP2655398B2 JP7192538A JP19253895A JP2655398B2 JP 2655398 B2 JP2655398 B2 JP 2655398B2 JP 7192538 A JP7192538 A JP 7192538A JP 19253895 A JP19253895 A JP 19253895A JP 2655398 B2 JP2655398 B2 JP 2655398B2
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tunnel
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栄造 西田
肇 井上
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TOOMEN KENKI KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、海峡や河川を横
切って海底または河底に沿って道路や鉄道を建設するト
ンネル工法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、大きな海峡や河川を横切って道路
や鉄道を建設するとき、たとえば以下のようなやり方が
あった。 1)橋脚を立てて橋脚で支持して地上部間に、吊り橋・
斜張橋・トラス橋などの橋を架ける。 2)地盤を掘削してトンネルでつなぐ。 3)海底や河底を浚渫してトレンチをつくり、そのトレ
ンチに沿って複数の沈埋函を沈めてそれらを順次連結
し、埋め戻して沈埋トンネルをつくる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、これらのや
り方には、それぞれ以下のような欠点があった。 1)地震によって橋脚が倒れないように大規模な基礎工
事を必要とし、工期が永くなり、工事費がかさむ。 2)良好な基礎地盤中を掘削する必要から、どうしても
深いところを掘ることとなり、トンネル長さが長くなっ
て、同様に工期が永くなり、工事費がかさむ。 3)沈埋函を安定支持する必要から、大規模な地盤改良
工事を行わなければならず、そのため汚濁防止工事も必
要となって、同様に工期が永くなり、工事費がかさむ。
【0004】そこで、この発明の目的は、海峡や河川を
横切って道路や鉄道を建設するときの工期を短くし、工
事費を安くすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】そのため、この発明によ
る海底または河底に建設するトンネル工法は、たとえば
以下の図示実施例に示すとおり、海峡または河川50を
横切って道路や鉄道を建設するとき、建設現場の海底ま
たは河底14に複数本の一群の杭11を打ち、それらの
群杭15の上端を入れてそれら群杭15で箱型の容器1
8を支持し、その容器18内にコンクリートを流し込ん
で該容器18とともに前記群杭15を一体化して水中基
礎20を構築し、その水中基礎20を、建設する道路や
鉄道に沿って間隔をあけて複数設けるとともに、他方、
陸上の製作ヤード21で、トンネル42の長さ方向の一
部を構成するトンネル函22を、その両端部を仮隔壁2
5で塞いで複数製作し、それらのトンネル函22を曳航
して前記建設現場へと運び、そこで沈めて前記水中基礎
20間に掛け渡し、順次既設の前記トンネル函22A側
に引き寄せてゴムガスケット26のような可撓性継手を
介して接合し、その後、接合部29間の水を除去すると
ともに前記仮隔壁25を取り除いてから、トンネル42
内の各種整備工事を行ってトンネル42内を仕上げる、
ことを特徴とする。
【0006】そして、この発明では、海底や河底14に
沿って間隔をあけて水中基礎20を構築し、陸上で製作
したトンネル函22を順次沈めてそれらの水中基礎20
で支持し、逐次既設のトンネル函22A側に引き寄せて
連結して後、各トンネル函22内を連通し、吸排気や配
線配管などの各種整備工事を行ってトンネル42内を仕
上げることにより、海峡や河川50を横切って道路や鉄
道を建設する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、以下図面を参照しながら、
この発明の実施の形態につき説明する。この発明による
トンネル工法では、海峡や河川を横切って道路や鉄道を
建設するとき、まず建設しようとする道路や鉄道に沿っ
て建設現場の海底または河底に間隔をあけて水中基礎を
構築する。たとえば図1に示すように、大型杭打船10
を用い、径が1000mmや1500mmの鋼管杭11をヤ
ットコ12で保持し、バイブロハンマ13で1本ずつ打
ち込み、海底または河底14に全部で約30〜70本の
一群の群杭15を打設する。このとき、図示のようにヤ
ットコ12を取り付けたバイブロハンマ13を用いる
と、適宜の深さまで打ち込むことができ、ドロップハン
マを用いたときのように鋼管杭11を水中で切断する必
要がなく、また引き抜きも可能であるから、打ち込み深
さの修正も容易である。
【0008】ところで、群杭15の中には、いくつかの
鋼管杭11に、たとえば図2に示すように上端近くに鍔
16を設けたものがある。それらの鍔16は、海底また
は河底14中に打ち込むことなく、高さ位置を揃えてな
る。
【0009】そして、各水中基礎の構築個所では、図3
に示すように、たとえば大型のクレーン船17で鋼性の
箱型容器18を吊るして水中に沈め、各鋼管杭11の上
端を入れて図示しないパッドを介して鍔16上に乗せ、
パッドで高低差を吸収して群杭15でその箱型容器18
を支持する。箱型容器18は、たとえば図4に示すよう
に長さaを幅bよりも若干小さく、それらの長さaや幅
bに比べて高さhをかなり低くつくり、図示しないが底
板には鋼管杭11の上端が入る複数の通孔をあけるとと
もに、上板18aには四角近くに開口18bを設けてな
る。
【0010】さて、そのような箱型容器18内には、該
開口18bを通して、たとえば図5に示すように特殊ト
レミー19を用いて海中コンクリートを流し込む。これ
により、容器18とともに群杭15を一体化し、水中基
礎20を構築する。そして、その水中基礎20を、建設
する道路や鉄道に沿って100〜150m程度の間隔を
あけて複数設ける。
【0011】他方、たとえば図6に示すように、海峡や
河川50の近くの陸上にはドライドラッグなどの製作ヤ
ード21を建設し、その製作ヤード21ではトンネル函
22を複数たとえばプレハブ方式で製作する。トンネル
函22は、トンネルの長さ方向の一部を構成するトンネ
ルエレメントで、たとえば図7に示すように高さHの数
倍の幅Bを有し、幅Bよりもかなり大きな長さAをもつ
箱型で、側面および底面を防水鋼板23で被い、上面を
防水シート24で被ってなり、内部に吸排気管や配線な
どを設け、両端面は仮隔壁25で塞いで周囲にゴムガス
ケット26を取り付けてなる。
【0012】そして、図8に示すように、そのようなト
ンネル函22を浮力で浮かべてタグボート27で曳航
し、建設現場へと運ぶ。その後、水荷重を加えて水より
も重くし、大型のクレーン船で沈めて隣り合う水中基礎
20間に掛け渡し、一端を沓を介して固定的に支持し、
他端をローラ沓等を介して可動に支持する。そうして、
1つの水中基礎20上には、たとえば図9に示すよう
に、既設のトンネル函22Aの一端22aを乗せるとと
もに、新設のトンネル函22Bの他端22bを乗せてな
る。
【0013】その後、図10に示すように、引き寄せジ
ャッキ28を用いて順次既設のトンネル函22A側に新
設トンネル函22B側を引き寄せ、図11に示すように
ゴムガスケット26を介して接合する。そうして、ポン
プで接合部29内の水を既設トンネル函22A側に排水
し、より大きな水圧でゴムガスケット26を圧縮して完
全な止水を行う。
【0014】それから、仮隔壁25を取り除き、海底ま
たは河底14を横切って複数のトンネル函22を連結し
て後、路床や舗装の工事を行い、また内装や諸設備など
の各種の整備工事を行ってトンネル内を仕上げ、図12
に示すように往復の車道部30・31とともに、避難路
32や排水路33を有し、電気配線路34やガス配管路
35などを備えるトンネルを完成する。
【0015】そして、図13に示すように、海底または
河底14に沿って陸上のトンネル部40・41と接続す
るトンネル42を完成し、海峡または河川50を横切る
道路や鉄道の建設を完了する。図13中符号43・44
で示すものは、陸上に設ける換気塔である。
【0016】なお、この発明において、箱型容器18や
トンネル函22の形状が、上述した図示のものに限定さ
れないことは当然である。また、群杭15で箱型の容器
18を支持する構造も、図示のものに限定されないこと
はいうまでもない。さらには、トンネル函22をゴムガ
スケット26を介して接合したが、ゴムガスケット26
に限らず、もちろん他の可撓性継手を用いてもよい。
【0017】
【発明の効果】したがって、この発明によれば、海峡や
河川を横切って道路や鉄道を建設するとき、以下の理由
から工期を短縮し、工事費を安くすることができる。 a.橋脚を立てないから、大規模な基礎工事を不要とす
る。 b.海底や河底に沿ってトンネルをつくるから、トンネ
ルが長くならない。 c.海底や河底の浚渫・地盤改良・埋め戻しの各工事を
不要とし、それにともない水質汚濁工事も不要とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるトンネル工法で、海底または河
底に複数本の杭を打つ工程説明図である。
【図2】その複数本の群杭の中で、鍔を有する杭の上端
拡大図である。
【図3】その群杭の上に箱型容器を乗せる工程説明図で
ある。
【図4】その箱型容器の斜視図である。
【図5】その箱型容器内にコンクリートを流し込む工程
説明図である。
【図6】上記この発明によるトンネル工法で、トンネル
函を製作する製作ヤードの斜視図である。
【図7】その製作ヤードで製作したトンネル函の斜視図
である。
【図8】そのトンネル函を建設現場へと曳航する状態説
明斜視図である。
【図9】そのトンネル函を水中基礎上に乗せた状態説明
図である。
【図10】その状態で、既設トンネル函側に新設トンネ
ル函側を引き寄せる工程説明図である。
【図11】その引き寄せ後の状態説明図である。
【図12】トンネル内の各種整備工事を行ってトンネル
内を仕上げて後のトンネル縦断面図である。
【図13】上述したこの発明によるトンネル工法を用い
て完成したトンネルの断面図である。
【符号の説明】
11 鋼管杭 14 海底または河底 15 群杭 18 箱型容器 20 水中基礎 21 製作ヤード 22 トンネル函 22A 既設のトンネル函 25 仮隔壁 26 ゴムガスケット(可撓性継手) 29 接合部 42 トンネル 50 海峡または河川
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−55397(JP,A) 特開 昭48−88742(JP,A) 特開 平2−128096(JP,A) 特開 昭57−24798(JP,A) 実開 昭53−102535(JP,U) 特公 昭48−17305(JP,B2)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 海峡または河川を横切って道路や鉄道を
    建設するとき、建設現場の海底または河底に複数本の一
    群の杭を打ち、それらの群杭の上端を入れてそれら群杭
    で箱型の容器を支持し、その容器内にコンクリートを流
    し込んで該容器とともに前記群杭を一体化して水中基礎
    を構築し、その水中基礎を、建設する道路や鉄道に沿っ
    て間隔をあけて複数設けるとともに、 他方、陸上の製作ヤードで、トンネルの長さ方向の一部
    を構成するトンネル函を、その両端部を仮隔壁で塞いで
    複数製作し、 それらのトンネル函を曳航して前記建設現場へと運び、 そこで沈めて前記水中基礎間に掛け渡し、 順次既設の前記トンネル函側に引き寄せて可撓性継手を
    介して接合し、 その後、接合部間の水を除去するとともに前記仮隔壁を
    取り除いてから、 トンネル内の各種整備工事を行ってトンネル内を仕上げ
    る、 ことを特徴とする、海底または河底に建設するトンネル
    工法。
JP7192538A 1995-07-05 1995-07-05 海底または河底に建設するトンネル工法 Expired - Lifetime JP2655398B2 (ja)

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