JP6272292B2 - ポリマー光開始剤およびその用途 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリマー系の不可欠の部分としてポリアルキルエーテルを有する、新規ポリマー光開始剤およびその途に関する。光開始剤部分は、ポリマー主鎖上にペンダント基として存在する。
紫外(UV)放射線によるコーティングの硬化は、硬化プロセスに関与する化学反応を開始させる効率的な方法を必要とする。UV光での照射時のラジカル化学種の発生によるポリマー材料の架橋は、医療デバイスコーティング用のヒドロゲルを生成するために広く用いられている。同様に、ペイントおよびラッカー業界は、光開始剤が多くの場合に用いられる、アクリレートのUV開始硬化を利用している。これらの2つの例は、コーティング処方箋におけるUV活性成分が今までは比較的低い分子量の分子に依存している、UV硬化性コーティングの多様性を例示している。UV活性成分は、硬化材料の表面に部分的に自由に拡散し、それによってこれらの物質が環境に曝される状態にする。より高い分子量の光開始剤、特にポリマー光開始剤は、マトリックスを通してのより長い拡散時間をもたらすと思われる、より高い固有粘度を有する。従って、表面へのUV活性物質の移行は、より低い分子量光開始剤とは対照的にポリマー光開始剤が使用されるときに減少する。ポリマー光開始剤の主題についての科学および特許文献が乏しいことは、そのようなポリマーの開発が新規用途につながり、そして表面への物質の無視できるほどの(negligible)移行を材料に提供するなど、既存ニーズに対する解決策を提示することを示唆する。下記で考察される利用可能な文献は、ポリアルキルエーテル主鎖を有する光開始剤に関連する研究に焦点を絞り、ポリマー光開始剤の分野の中での先行研究を概説している。
ポリマー光開始剤の幾つかの記載は、たとえば4−アミノ−4’−[4−アミノチオフェニル]ベンゾフェノンがトルエン−2,4−ジイソシアネートと重合させられている、科学文献(J.Wei,H.Wang,J.Yin J.Polym.Sci.,Part A:Polym.Chem.,45(2007),576−587;J.Wei,H.Wang,X.Jiang,J.Yin,Macromolecules,40(2007),2344−2351)に見いだされる。アクリレートを重合させるためのこの光開始剤の使用の例もまたこの研究において示されている。また、類似の方策が4−[(4−マレイミド)チオフェニル]ベンゾフェノンを合成し、重合して高分子光開始剤にされた、J.Wei,F.Liu Macromolecules,42(2009),5486−5491においても考察されている。
ベンゾフェノンベースの化学構造体以外の様々なポリマー光開始剤が、T.Corrales,F.Catalina,C.Peinado,N.S.Allen J.Polym.Sci.,Part A:Polym.Chem.,159(2003),103−114において考察されている。高分子中にチオキサントン、ベンジル、アントラキノン、カンファーキノン、ベンゾインエーテル、アシルホスフィンオキシドおよびシラン官能性を有するポリマーが、低分子量類似物と比較した効率の観点から考察されている。幾つかの例においては、ポリマー光開始剤の光開始活性は、相当する低分子量類似物の混合物より1桁高かった。特定の場合における活性のこの増加は、ポリマー鎖上に存在する異なる部分間の効率的な励起エネルギー移動に帰せられた。その他の説明の一つとしては、開始剤がポリマー鎖上に「結合して」いるので、光開始剤部位上で形成されたラジカルの再結合が防止されるということができよう。
いくつかの特許文献はポリマー光開始剤を考察している。一例は、異なる芳香族ケトン系がシロキサンポリマー鎖上に置換されている米国特許出願公開第2007/0078246号明細書に見いだされる。次に、光重合反応の速度が低分子量類似物とは対照的にポリマー光開始剤の高められた性能を証明するために用いられている。
さらなる例として、ペンダントアルキルエーテル置換基を有するベンゾフェノン誘導体が国際公開第96/33156号公報に記載されているが、記載されている一次特性は、コーティングの表面への光開始剤の移行に関してであった。ベンゾフェノン類はポリマー中の繰り返し単位ではなく、国際公開第96/33156号公報に記載されているポリマーは、ベンゾフェノン部分で末端官能化されていると考えることができる。
チオキサントン部分がオリゴマー主鎖に結合している関連タイプの光開始剤クラスが国際公開第2009/060235号公報に記載されている。チオキサントンポリマー光開始剤は2000g/モルより下の分子量を有することが特に明記されている。
ペンダントポリアルキルエーテルを有する幾つかの光開始剤(たとえばベンゾフェノン、アントラキノン)が国際公開第97/49664号公報に記載されている。光開始剤に結合したポリエチレングリコール部分が150〜900Daの範囲の好ましい分子量を有し、さらにたった1つの光開始剤部分がポリマー光開始剤ごとに存在することがこれらの光開始剤に共通している。
国際公開第96/33156号公報に記載されている光開始剤に関連して、類似の化学構造体が、ペンダントアルキルエーテル基を有するベンゾフェノン誘導体が提示されている国際公開第98/51759号公報に記載されている。国際公開第98/51759号公報に記載されている発明の主な焦点は、酸素阻害および光開始剤の低い移行特性である。
国際公開第03/033492号公報は、ポリヒドロキシ残基に結合したチオキサントン誘導体を開示している。しかし、これらのポリヒドロキシ基は、鎖中に6個以下のヒドロキシ基が存在するにすぎない。
特許文献に記載されているポリマー光開始剤の最後の例として、米国特許第4,602,097号明細書は、2つの光開始剤部分がそれを水溶性にするのに十分な長さのポリアルキルエーテルによって一緒に架橋されている水溶性光開始剤に関する発明を詳述している。
活性の光開始剤部位が本発明の範囲外のたとえばポリエチレングリコール上の末端基として存在することが、特許文献からの上記発明のすべてに共通している。本発明は、光開始剤部分自体がポリマー光開始剤中の繰り返し単位の不可欠な部分であるポリマー光開始剤を詳述する。
新規ポリマー光開始剤を提供することならびにそれらの製造手段および方法を提供することが本発明の実施形態の目的である。本発明はまた、マトリックス組成物の硬化方法および前記方法によって得られる硬化マトリックス組成物を提供する。
本発明の一態様は、図1に示される一般モチーフを有する、特定の系においてはペンダント光開始剤部分が共有結合している主鎖ポリマーとしてのポリアルキルエーテルを有するポリマー光開始剤へのアクセスを提供することである。
従って、本発明は、一般式I
−(R(A−O)−(R(A−O)
[式中、RおよびRは独立してそれぞれ同一のもしくは異なる、線状もしくは分枝状のアルキレン基であり、
およびRは独立してそれぞれ、H、OHおよびCNから選択され、
oおよびpはそれぞれ、o+p≧10という条件で0〜5000の実数であり、
mおよびnはそれぞれ、m+n>0という条件で0〜10の実数であり、
およびは同一のまたは異なる、アルキレンエーテルスペーサー基を介してそれぞれR およびR に結合しているベンゾフェノン光開始剤部分又はチオキサントン光開始剤部分である。]
で示されるポリアルキルエーテル光開始剤に関する。
一般式I中の添え字m、n、o、p、rおよびsは平均/合計を表し、式Iはそれによって、交互、周期、統計/ランダム、ブロックおよびグラフト化コポリマーを表す。ランダムコポリマーの例として、式Aを有するコポリマーABAAABABBABAが挙げられてもよい。
本発明に記載される光開始剤に適用される式Iの一例は、スキーム1に示される。
スキーム1:光開始剤への式Iの適用例。式Iは、
HO(CHCHO)(CHCH(CHOPhCOPh))HまたはHO(CHCH1.75(CHOPhCOPh)0.25O)Hを示す。
およびRは、25個以下の炭素原子を有する任意のアルキレン基から選択することができ、分枝状と直鎖状状との両方のアルキレン基を含む。例となる、非限定的なアルキレン基としては、ノルマル、第二、イソおよびネオ結合異性体での、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン、ノニレンが挙げられる。例となる、非限定的なシクロアルキレン基としては、シクロプロピレン、シクロブチレン、シクロペンチレンおよびシクロヘキシレンが挙げられる。
上に提示されたように、アルキレン基RおよびRは、光開始剤部分は別として、CN、アジド、エステル、エーテル、アミド、ハロゲン原子、スルホン、スルホン酸誘導体、NHまたはNalkなどの置換基で置換されていてもよい。「alk」は、任意のC〜C直鎖状アルキル基、C〜C分枝状または環状アルキル基である。光開始剤部分は、R(A)およびR(A)(ここで、AおよびAは、本明細書において記載される光開始剤部分のいずれかであることができる)で表されるようにRおよび/またはRに共有結合していることができる。
およびRは独立してそれぞれ同一のもしくは異なる、線状もしくは分枝状のアルキルまたはシクロアルキル基であってもよい。RおよびRは、25個以下の炭素原子を有する任意のアルキル基から選択することができ、分枝状および直鎖状の両方のアルキル基を含む。例となる、非限定的なアルキル基としては、ノルマル、第二、イソおよびネオ結合異性体での、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニルが挙げられる。例となる、非限定的なシクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが挙げられる。
およびRはまた、20個以下の炭素原子の任意の芳香族炭化水素などの、アリール基から選択することができる。例となる、非限定的なアリール基としては、フェニル、ナフチル、フラニル、チオフェニル、ピロリル、セレノフェニル、およびテルロフェニルが挙げられる。RおよびRはまた、H、OH、CN、ハロゲン、アミン(たとえば−NR’R’’(ここで、R’およびR’’はアルキル基、好適にはC1〜C25アルキル基である))、アミド(たとえば−CONR’R’’またはR’CONR’’−(ここで、R’およびR’’はアルキル基、好適にはC1〜C25アルキル基である))、アルコール、エーテル、チオエーテル、スルホンおよびそれらの誘導体、スルホン酸およびその誘導体、スルホキシドおよびそれらの誘導体、カーボネート、イソシアネート、硝酸エステル、アクリレートであることができる。さらに、RおよびRはまた、ポリアクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミドおよびポリウレタンなどのポリマー実体から選択することができる。前記ポリマー実体の分子量は、典型的には50〜50,000Daの範囲にある。
およびRがアルキルおよびアリール基である、幾つかの場合には、それらは、光開始剤部分は別として、CN、OH、アジド、エステル、エーテル、アミド(たとえば−CONR’R’’またはR’CONR’’−(ここで、R’およびR’’はアルキル基、好適にはC1〜C25アルキル基である))、ハロゲン原子、スルホン、スルホン酸誘導体、NHまたはNalk(ここで、alkは任意のC1〜C8直鎖状アルキル基、C3〜C8分枝状または環状アルキル基である)などの置換基で置換されていてもよい。光開始剤部分は、R(A)およびR(A)(ここで、AおよびAは、上記の光開始剤部分のいずれかであることができる)で表されるようにRおよび/またはRに共有結合していることができる。
添え字m、n、o、p、rおよびsは次の通り定義される:
oおよびpはそれぞれ、o+p>0を条件として0〜5000の実数であり、
mおよびnはそれぞれ、m+n>0を条件として0〜10の実数であり、
rおよびsはそれぞれ、0〜5の実数である。
好適には、oおよびpはそれぞれ、0〜3000、好ましくは0〜2000である。好適には、oおよびpはそれぞれ独立して1以上、たとえば10以上である。整数mおよびnは、m+n>0であるという条件で、0〜8、好ましくは0〜5であってもよい。好適には、m+n≧1である。特定の態様においては、m=1および/またはn=1である。m=1およびn=0であるとき、比o:pは少なくとも1:1000、好ましくは少なくとも1:500である。
典型的には、rおよびsはそれぞれ0〜4、好ましくは0〜2である。好適には、rおよびsは独立して1以上、たとえば1または2である。
本発明によるポリアルキルエーテル光開始剤は、5〜10,000kDa、好ましくは10kDa〜1,000kDa、より好ましくは15kDa〜500kDaの分子量を有してもよい。
光開始剤部分は、2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノン、ベンゾフェノン、チオキサントン、ベンジル、アントラキノン、カンファーキノン、ベンゾインエーテル、アシルホスフィンオキシドおよびシラン誘導体から選択することができるが、光開始剤部分の選択は、これらのクラスの化合物に制限されない。ポリマー光開始剤中に潜在的に存在する部分の一例として、アミン(たとえば−NR’R’’(ここで、R’およびR’’はアルキル基、好適にはC1〜C25アルキル基である))である。別個の部分に関するより詳細は、〔発明を実施するための形態〕における考察のもと、以下に提供される。
本発明は、ポリマー光開始剤/マトリックスポリマー組成物および/またはポリマー光開始剤だけかのどちらかのUV硬化による、ポリマー光開始剤を用いるコーティング形成の態様を含む。本出願は、とりわけペイントおよびラッカー、ゴムならびに保護コーティングにまで及ぶ。
究極的には、本発明の態様は、コーティング組成物において光開始剤とマトリックスとを混合する必要性を排除してポリマー光開始剤だけをコーティング組成物に使用することである。
図1は、ポリアルキルエーテル上にぶら下がっている光開始剤部分を有する、ポリマー光開始剤の一般モチーフを例示する。 図2は、1に対して与えられる重合手順を用いたポリ−コ−エチレンオキシド−(4−(オキシラン−2−イルメトキシ)フェニル)(フェニル)メタノンのH−NMRスペクトルを示す。 図3は、2に対して与えられる重合手順を用いたポリ−コ−エチレンオキシド−(4−(オキシラン−2−イルメトキシ)フェニル)(フェニル)メタノンのH−NMRスペクトルを示す。 図4は、120℃での未処理のポリ−コ−エチレンオキシド−(4−(オキシラン−2−イルメトキシ)フェニル)(フェニル)メタノン(1)についての硬化プロフィールを示す。 図5は、120℃での未処理のポリ−コ−エチレンオキシド−(4−(オキシラン−2−イルメトキシ)フェニル)(フェニル)メタノン(2)についての硬化プロフィールを示す。
本発明は、ポリマー光開始剤の製造および用途を提供する。
光開始剤および光開始剤部分
本発明においては、光開始剤は、光を吸収すると、反応性化学種(イオンまたはラジカル)を発生し、1つまたは幾つかの化学反応または変換を開始させる物質(反応剤以外の)と定義される。光開始剤の好ましい特性の一つは、UV光源スペクトルと光開始剤吸収スペクトルとの間の良好な重なりである。別の所望の特性は、光開始剤吸収スペクトルとマトリックス中のその他の成分の固有の複合吸収スペクトルとの間の少ないまたはゼロの重なりである。硬化させられる材料からなるマトリックスにおけるポリマー光開始剤の良好な相溶性もまた、着目される特性である。
本発明によるポリアルキルエーテル光開始剤の実施形態においてA、A、AおよびAは、ベンゾインエーテル、フェニルヒドロキシアルキルケトン、フェニルアミノアルキルケトン、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、キサントン類、アクリドン類、アントラキノン類、フルオレノン類、ジベンゾスベロン類、ベンジル類、ベンジルケタール、α−ジアルコキシ−アセトフェノン、α−ヒドロキシ−アルキル−フェノン、α−アミノ−アルキル−フェノン、アシル−ホスフィンオキシド、フェニルケトクマリン、シラン、マレイミド類、およびそれらの誘導体からなる群から選択される同一のまたは異なる光開始剤部分である。光開始剤部分A、A、AおよびAはまた、リストされた光開始剤部分の誘導体からなることができる。
本発明によるポリアルキルエーテル光開始剤の実施形態においてA、A、AおよびAは、2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノン、ベンゾフェノン、チオキサントン、ベンジル、アントラキノン、カンファーキノン、ベンゾインエーテル、アシルホスフィンオキシド、シラン、およびそれらの誘導体からなる群から選択される同一のまたは異なる光開始剤部分である。光開始剤部分A、A、AおよびAはまた、リストされた光開始剤部分の誘導体からなることができる。
本発明によるポリアルキルエーテル光開始剤の実施形態においてA、A、AおよびAは、同一の光開始剤部分である。しかし、A、A、AおよびAは、少なくとも2つの異なる光開始剤部分であってもよい。
好適には、A、A、AおよびAの少なくとも1つは、ベンゾフェノン光開始剤部分である。少なくともAおよびAは、ベンゾフェノン光開始剤部分であってもよい。
本発明の光開始剤は、水素原子およびその他の不安定な原子をポリマーから引き抜き、それ故に共有結合架橋を達成することができる反応性ラジカルにUVまたは可視光源からの光を変換するのに好ましくは効率的である。任意選択的に、アミン、チオールおよびその他の電子供与体は、ポリマー光開始剤に共有結合するか別々に付加するかのどちらかまたは両方であることができる。ラジカル光開始剤は、開裂可能な(NorrishタイプI反応)か非開裂性(そのうちでNorrishタイプII反応は特別な場合である、たとえばA.Gilbert,J.Baggott:「Essentials of Molecular Photochemistry」,Blackwell,London,1991を参照されたい)かのどちらかとして分類することができる。励起すると、開裂可能な光開始剤部分は2つのラジカルへ自発的に分解し、その少なくとも1つは、ほとんどの基質から水素原子を引き抜くのに十分に反応性である。ベンゾインエーテル(ベンジルジアルキルケタールを含む)、フェニルヒドロキシアルキルケトンおよびフェニルアミノアルキルケトンは、開裂可能な光開始剤部分の重要な例である。電子供与体の添加は必要とされないが、下記の非開裂性光開始剤について記載されるものに類似のメカニズムに従って開裂可能な光開始剤の全体効率を高める可能性がある。
最近、新しいクラスのβ−ケトエステルベースの光開始剤が、Ashland Specialty Chemical,USAのM.L Gould,S.Narayan−Sarathy,T.E.Hammond,and R.B.Fechter(2005):「Novel Self−Initiating UV−Curable Resins:Generation Three」,Proceedings from RadTech Europe 05,Barcelona,Spain,October 18−20 2005,vol.1,p.245−251、Vincentzによって導入された。多官能性アクリレートへのエステルの塩基触媒Michael付加後に、それぞれが2つの隣接カルボニル基を有する、多数の第四級炭素原子で網状構造が形成される。UVまたは可視光励起時に、これらの光開始剤は、NorrishタイプIメカニズムによって主として開裂し、いかなる従来型光開始剤も存在せずにさらに架橋し、厚い層が硬化させられる可能性がある。そのような自己開始系は、本発明の範囲内である。
励起された非開裂性光開始剤は、ラジカルへ分解しないが、有機分子から水素原子を引き抜くかまたは、より効率的に、電子供与体(アミンまたはチオールなどの)から電子を引き抜く。電子移動は、光開始剤上にラジカルアニオンを、電子供与体上にラジカルカチオンを生成する。これに、ラジカルカチオンからラジカルアニオンへのプロトン移動が続いて2つの非荷電ラジカルを生成し;これらのうち電子供与体上のラジカルはほとんどの基質から水素原子を引き抜くのに十分に反応性である。ベンゾフェノン類ならびにチオキサントン類、キサントン類、アントラキノン類、フルオレノン類、ジベンゾスベロン類、ベンジル類、およびフェニルケトクマリンなどの関連ケトンは、非開裂性光開始剤の重要な例である。窒素原子のα−位にC−H結合を有するほとんどのアミンおよび多くのチオールは電子供与体として働くであろう。
マレイミド類をベースとする別の自己開始系がまた、Albemarle Corporation and Brady Associates LLC、両方ともUSAのC.K.Nguyen,W.Kuang and C.A.Brady(2003):「Maleimide Reactive Oligomers」,Proceedings from RadTech Europe 03,Berlin,Germany,November 3−5,2003,vol.1,p.589−94,Vincentzによって特定されている。マレイミド類は、非開裂性光開始剤としての機能を果たすことによって主としてラジカル重合を開始させ、同時にマレイミド二重結合を交差してのラジカル付加によって自発的に重合する。さらに、マレイミドの強いUV吸収はポリマーにおいて消失し、すなわち、マレイミドは光退色性光開始剤であり;これは、厚い層を硬化させることを可能にするであろう。
幾つかの光開始剤のブレンドは、たとえば「Radiation curing in Polymer Science and technology」,Vol.II(「Photo−initiating Systems」)、J.P.Fouassier and J.F.Rabek編、Elsevier,London,1993におけるJ.P.Fouassier:「Excited−State Reactivity in Radical Polymerization Photoinitiators」,Ch.1,pp.1−61によって記載されているように、相乗的特性を示す可能性がある。手短に言えば、効率的なエネルギー移動または電子移動が1つの光開始剤からペア[4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン+ベンゾフェノン]、[ベンゾフェノン+2,4,6−トリメチルベンゾフェノン]、[チオキサントン+メチルチオフェニルモルホリノアルキルケトン]のその他のものへと起こる。しかし、多くのその他の有益な組み合わせが予測されてもよい。従って、本発明の実施形態においては、光開始剤部分は、少なくとも2つの異なるタイプの光開始剤部分を含む。好ましくは、異なる光開始剤の吸光度ピークは異なる波長であり、それ故この系によって吸収される光の総量は増加する。異なる光開始剤は、すべて開裂可能であっても、すべて非開裂性であっても、または開裂可能と非開裂性との混合物であってもよい。
本発明によるポリアルキルエーテル光開始剤の実施形態においては、A、A、AおよびAの少なくとも1つはベンゾフェノン光開始剤部分である。
さらに、商品名Irgacure 2959で商業的に入手可能である、共有結合した2−ヒドロキシ−1−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−2−メチルプロパン−1−オン、および分子4−(4−ベンゾイルフェノキシエトキシ)フェニル2−ヒドロキシ−2−プロピルケトン中のベンゾフェノンは、2つの別個の化合物の単純混合物よりかなり高いラジカル重合の開始効率を与えることが最近分かった。Vienna University of Technology,AustriaのS.KopeinigおよびR.Liska(2005):「Further Covalently Bonded Photoinitiators」,Proceedings from RadTech Europe 05,Barcelona,Spain,October 18−20 2005,vol.2,p.375−81,Vincentzを参照されたい。これは、異なる光開始剤が同じオリゴマーまたはポリマー中に存在するときそれらがかなりの相乗効果を示す可能性があることを示す。そのような共有結合した光開始剤はまた、本発明内で適用できる。
上に考察されたタイプの光開始剤および光開始剤部分のいずれもが、本発明のポリマー光開始剤における光開始剤部分として利用されてもよい。
ポリマー主鎖(光開始剤セグメント)
ポリマー主鎖は、一般式−(R(A−O)−(R(A−O)−(式中、RおよびRは25個以下の炭素原子を有する任意のアルキレン基から選択することができ、分枝状と直鎖状の両方のアルキレンおよびシクロアルキレン基を含む)のポリアルキルエーテルセグメントからなる。スペーサー基の例となる非限定的なアルキレン基としては、ノルマル、第二、イソおよびネオ結合異性体での、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン、ノニレンが挙げられる。スペーサー基の例となる非限定的なシクロアルキレン基としては、シクロプロピレン、シクロブチレン、シクロペンチレンおよびシクロヘキシレンが挙げられる。
本発明によるポリアルキルエーテル光開始剤の実施形態においては、RおよびRは独立して、−CHCH−(式中、1つ以上のH原子は、それぞれ、AまたはAで置き換えられていてもよい)である。
本発明によるポリアルキルエーテル光開始剤の実施形態においては、RおよびRは独立して、−CH(CH)CH−(式中、1つ以上のH原子は、それぞれ、AまたはAで置き換えられていてもよい)である。
幾つかの場合にはアルキレン基は、光開始剤部分は別として、CN、アジド、エステル、エーテル、アミド(たとえば−CONR’R’’またはR’CONR’’−(ここで、R’およびR’’はアルキル基、好適にはC1〜C25アルキル基である))、ハロゲン原子、スルホン、スルホン酸誘導体、NHまたはNalk(ここで、alkは任意のC1〜C8直鎖状アルキル基、C3〜C8分枝状または環状アルキル基である)などの置換基を有してもよい。光開始剤部分は、R(AおよびR(A(ここで、AおよびAは、上記の光開始剤部分のいずれかあることができる)で表されるようにRおよび/またはRに共有結合していることができる。添え字m、n、oおよびpは上に提示された通りである。
硬化
紫外スペクトルは、A、BおよびCセグメントに分けられ、ここで、UV Aは400nmから315nmまで下がって、UV Bは315〜280nm、そしてUV Cは280〜100nmにわたる。可視領域の波長(400〜800nm)の光を発生する光源を使用することによって、光開始剤がこれらの波長で材料を成功裡に硬化させることができるという条件で、幾つかの利点が硬化の深さに関して得られる。特に、散乱現象は、より長い波長であまり顕著ではなく、従って材料においてより大きい侵入深さを与える。従って、より長い波長で吸収し、そして硬化を誘発することができる光開始剤が着目される。フェノン部分上の置換基を冷静な判断で選択することによって、ポリマー光開始剤の吸収スペクトルは、ある程度レッドシフトさせることができ、その結果比較的より大きい深さでの硬化が容易となるであろう。
可視領域の光を吸収する一クラスの化合物はチタノセンである。例として、ビス−ペンタフルオロフェニルチタノセンが約530nmまでを吸収することが知られている(K.Meier,Coordination Chemistry Reviews,111(1991),97−110)。この特定の化合物はまた、230℃まで安定であることが知られており、酸処理に反応しない。商業的に入手可能なチタノセンは、商品名Irgacure 784で入手可能である。
硬化プロセスにおいて、光開始剤は、光によって誘発される化学プロセスにおいて、本明細書において以下マトリックスと言われる、周囲ポリマー組成物を架橋するかまたはその他の方法で変換する。本発明はそれ故、マトリックス組成物を硬化させるための本発明によるポリアルキルエーテル光開始剤の使用法に関する。
さらに、本発明は、
a.上記のポリアルキルエーテル光開始剤をマトリックス組成物と混合する工程、および
b.工程a.で得られた混合物をUV放射線に露光することによって硬化させる工程
を含む、マトリックス組成物の硬化方法を提供する。
また、本発明は、
a.上記のポリアルキルエーテル光開始剤をマトリックス組成物と混合する工程、および
b.工程a.で得られた混合物をUV放射線に露光することによって硬化させる工程
を含む、マトリックス組成物の硬化物の製造方法に関する。
本明細書に記載されるポリマー光開始剤は、周囲マトリックスの硬化を促進することができるが、光開始剤自体がポリマーであるので、それらはまた「自動硬化する」ことができ、これはUV照射すると硬化するコーティング組成物をポリマー光開始剤が単独で構成し得ることを意味する。従って未処理のポリマー光開始剤は、架橋網状構造を形成するために硬化させることができるか、またはポリマー光開始剤は、架橋網状構造を形成するためにその後硬化させられる混合物中の成分であることができる。
本発明のポリマー光開始剤
ポリエチレンオキシド誘導光開始剤
本発明のポリマー光開始剤は、重合反応によって合成することもポリマー主鎖上にグラフトすることもできる。エポキシ開環をベースとするペンダント光開始剤部分を有するポリマー光開始剤の直接合成のための一般スキームは、ポリマー光開始剤についての一般式からの記号が例証される、スキーム2に示される。
スキーム2:エポキシド官能化光開始剤と置換エポキシドとのランダムコポリマーの一般的な製造方法。点付き実線は、特有の反応条件下に、この位置が光開始剤系で主として置換されることを表す。その他の反応は、破線で表示される位置での置換を主としてもたらす可能性がある。
重合のために使用されるエポキシド官能基は、エピクロロヒドリンとの反応によって得られるが、m−クロロ過安息香酸または過酸化水素などの酸化剤で次にその後酸化されるアリル誘導体との反応によって得られてもよい。
スキーム2に例示されるように、求核試薬、開始剤かアルコキシドイオンかのどちらかの攻撃が、スペーサー基上に存在するエポキシド上の最も少なく置換された炭素原子で起こる。ある反応条件、たとえば酸性条件は、エポキシド上の最も多く置換された炭素原子が求核試薬によって攻撃されるという逆の意味に有利である可能性がある。簡単にするために、光開始剤結合エポキシドにおける最も少なく置換された炭素原子の攻撃をもたらす重合のみが、下記において例示されるが、本発明はそのように限定されない。
置換基に関して、R’、R’、R’およびR’は、25個以下の炭素原子を有する任意のアルキル基から選択することができ、分枝状、環状と直鎖状の両方のアルキル基を含む。例となるアルキル基としては、ノルマル、第二、イソおよびネオ結合異性体での、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニルが挙げられる。R’、R’、R’およびR’はまた、20個以下の炭素原子を有する任意の芳香族炭化水素などの、アリール基から選択することができる。例となるアリール基としては、フェニル、ナフチル、フラニル、チオフェニル、ピロリル、セレノフェニル、およびテルロフェニルが挙げられる。幾つかの場合には、アルキルおよびアリール基は、CN、アジド、エステル、エーテル、アミド(たとえば−CONR’R’’またはR’CONR’’−(ここで、R’およびR’’はアルキル基、好適にはC1〜C25アルキル基である))、ハロゲン原子、スルホン、スルホン酸誘導体、NHまたはNalk(ここで、alkは任意のC1〜C8直鎖状アルキル基、C3〜C8分枝状または環状アルキル基である)などの置換基を有してもよい。R’、R’、R’およびR’はまたHであってもよい。
スペーサー基は、もしあれば、R’、R’、R’およびR’と同じ官能基から、ならびにさらに−(CHCHO)−(ここで、tは0〜100の任意の整数であることができる)などの、アルキレンエーテルから主としてなる基から選択されてもよい。
本発明によるポリアルキルエーテル光開始剤の実施形態において、R=OHである。
本発明によるポリアルキルエーテル光開始剤の実施形態において、R=Hである。
第1の例として、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(2−(オキシラン−2−イルメトキシ)エトキシ)フェニル)プロパン−1−オン(3)とそれ自体かエチレンオキシドかのどちらかとの重合は、ポリマー光開始剤である(コ)−ポリマーをもたらす(スキーム3)。このポリマーの合成のための前駆体は、2−ヒドロキシ−1−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−2−メチルプロパン−1−オン(Irgacure 2959)である。(3)の合成は米国特許第5,744,512号明細書に概説されている。
スキーム3:Irgacure 2959からのポリマー光開始剤の製造
(3)の類似物への代替ルートは、ヒドロキシアルキルフェノンが米国特許第5,744,512号明細書に記載されているようにイソブチリル(isobutyryl)クロリドとのフリーデル−クラフツ反応で形成される、スキーム4に例示される。
スキーム4:(3)の類似物の製造
Irgacure 2959の合成は、以前に別の場所(独国特許出願公開第3.512.179号明細書)に記載されている。ポリアルキルエーテル上へのIrgacure 2959と類似の構造を有する光開始剤の結合が本発明の主な焦点である。スキーム4の合成ルートに従って、当該技術分野において一般に公知の方法によってベンゼン環上に特有の置換基を入れることは可能であろう。
Irgacure 2959の誘導体は、Type I光開始剤として特徴付けられ、このカテゴリーに入るその他の光開始剤は、ベンゾインエーテル、ベンジルケタール、α−ジアルコキシ−アセトフェノン、α−ヒドロキシアルキル−フェノン、α−アミノ−アルキル−フェノンおよびアシル−ホスフィンオキシドである。ベンゾインエーテルをベースとするポリマー光開始剤のさらなる例は、スキーム5に例示される。
スキーム5:置換エポキシドと重合させられる、エポキシド置換ベンゾインエーテルの製造
ポリアルキルエーテル主鎖に結合したType I光開始剤の例がスキーム3〜5に描かれ、光開始剤部分それ自体としてキサントン類、チオキサントン類およびアクリドン類を有するType IIポリマー光開始剤の製造の例がスキーム6に示される。
スキーム6:キサントン、チオキサントンおよびアクリドン置換ポリマー光開始剤の製造
スキーム6に示されるポリマー光開始剤の製造は、光開始剤上に存在するヒドロキシ官能性がエピクロロヒドリンと反応させられる、スキーム3〜5に示されるものと同じ原理に従う。生じた化合物は次に、置換エポキシドと共重合させられ、こうしてポリマー光開始剤をもたらす。様々な置換キサントン、チオキサントンおよびアクリドン分子の製造は、J.Zhao,R.C.Larock J.Org.Chem.72(2007),583−588に詳述されている。R’’およびR’’は、R’、R’、R’およびR’と同じセットの官能基から選択されてもよい。
タイプIIポリマー光開始剤の別の例として、ベンゾフェノン置換ポリエチレンオキシドがスキーム7に例示される。
スキーム7:ベンゾフェノン置換ポリエチレンオキシドの合成
エポキシド誘導体化ベンゾフェノンの合成は、米国特許第4,376,788号明細書に純ベンゾフェノン以外の類似物について記載されている。スキーム7における中間体について詳細はまったく示されなかった。エポキシドはその後重合させられてポリエチレンオキシド置換ベンゾフェノンにすることができる。
誘導体化ポリエチレンオキシドへの代替ルートは、スキーム8において例証されるようなグラフト化技法によるものであることができる。
スキーム8:ポリエチレンオキシド上へのペルオキシベンゾフェノンエステルのグラフト化
ペルオキシエステルのグラフト化は、J.March:「Advanced Organic Chemistry.Reaction,Mechanisms,and Structure」、第3版、p.636−7,Wiley−Interscience,New York,1985)に記載されているように銅(I)によって触媒される。スキーム8において示される具体例はまた、国際公開第2008071796号公報に開示されている。
ポリアルキルオキシド誘導光開始剤
ポリアルキルオキシド誘導光開始剤の製造のための一般スキームは、ポリマーがアシクリックジエン メタセシス(acyclic diene methathesis)重合(ADMET)反応によって合成される、スキーム9において示される。
スキーム9:ポリアルキルエーテルベースの光開始剤を形成するためのジエンのADMET重合およびそれに続く水素化。m’、n’、o’、m’’、n’’、o’’、p’およびq’は0〜10000の任意の整数であることができる。
上記のような重合タイプは、K.B.Wagener,K.Brzezinska Macromolecules,24(1991),5273−5277に記載されている。
かなりの研究が、異なる開始剤および異なる溶媒を使って、置換オキシランを重合させることに焦点を絞ってきた。こうして(4−(オキシラン−2−イルメトキシ)フェニル)(フェニル)メタノンは、P.Yang,X.Zhu,Y.Yo,Y.M.Xia and T.Li Jour.Appl.Polym.Sci.113(2009),3656−3660で行われたようなアニオン重合スキームにおいて開始剤としてたとえばカリウムt−ブトキシドを使って重合させることができると思われる。開始剤としての水酸化カリウムなどの様々なその他の求核試薬での同様な重合のための反応条件は、J.Cao,N.−F.Yang,P.−D.Wang and L.−W.Yang Polymer International,57(2008),530−537に提示されている。幾つかの反応条件は同様に特許文献に公表されており、ここで、米国特許第4,472,560号明細書においては金属シアン化物錯体が、エポキシド重合のための触媒として使用されている。オルガノアルミニウム触媒がまたカチオン重合スキームにおいてうまくいくと米国特許第4,009,128号明細書に記載されている。
実施例1
(4−(オキシラン−2−イルメトキシ)フェニル)(フェニル)メタノンの合成
4−ヒドロキシ−ベンゾフェノン(15.02g、75.78ミリモル)の溶液をエタノール(75mL)に溶解させ、メタノール(75mL)中のNaOMe(4.11g、76.09ミリモル)を加えた。反応混合物を室温で20分間撹拌し、次にrotavaporでの蒸発によって濃縮した。残留物をジメチルホルムアミド(150mL)に溶解させ、エピクロロヒドリン(10.73g、116ミリモル)を加えた。110℃で4時間撹拌した後、活性炭を加え、濾過し、溶媒を除去することによって粗生成物を得た。粗生成物をエタノールから再結晶し、62%収率で白色化合物(12g)を残した。H−NMR(CDCl、RT、300MHz):7.81(d、2H、J=9Hz)、7.74(d、2H、J=7Hz)、7.55(t、1H、J=8Hz)、7.45(t、2H、J=7Hz)、6.97(d、2H、J=9Hz)、4.32(dd、1H、J=11Hz、J=3Hz)、3.99(dd、1H、J=11Hz、J=6Hz)、3.37(m、1H)、2.91(t、1H、J=5Hz)、2.76(dd、1H、J=5Hz、J=3Hz);13C−NMR(CDCl、RT、75MHz):195.4、161.9、138.0、132.4、131.9、130.5、129.6、128.1、114.1、68.8、49.8、44.5。
重合実施例1:ポリ−コ−エチレンオキシド−(4−(オキシラン−2−イルメトキシ)フェニル)(フェニル)メタノンの合成
重合の前に、(4−(オキシラン−2−イルメトキシ)フェニル)(フェニル)メタノンを真空下に注意深く乾燥させ、次に窒素下に乾燥丸底フラスコに移した。重合のための開始剤は、乾燥THFを丸底フラスコ中へ凝縮させることによって調製した。ナフタレンおよびカリウムをアルゴン雰囲気下に溶解させ、溶液を1日撹拌して暗緑色溶液を得た。ビフェニルメタンを加え、生じた溶液を3日間撹拌して深赤色開始剤溶液を得た。
重合のために用いられるガラス器具を十分に乾燥させ、窒素グローブボックス中で組み立てた。合成組立に取り付けたとき、ガラス器具を使用前に数回アルゴンでフラッシュした。エチレンオキシドを加圧缶から丸底フラスコ中へ凝縮させ、徹底的に乾燥させた。
(4−(オキシラン−2−イルメトキシ)フェニル)(フェニル)メタノン(0.8g、3ミリモル)を、窒素下に反応フラスコへ量り取り、フラスコをナトリウム−カリウム合金上で少なくとも24時間乾燥させた。THF(250mL)、引き続きエチレンオキシド(11.1g、0.252モル)を反応フラスコ中へ凝縮させた。その後、開始剤溶液を、アルゴンリンスした注射器で加えた。反応フラスコを、60℃恒温水浴に3〜5日間セットした。沈澱が反応中に形成した場合には、それを反応液から濾過した。反応液を、減圧によって反応溶媒の一部を取り去ることによって濃縮した。ポリマー(1)を冷ジエチルエーテルから沈澱させ、40℃で少なくとも24時間乾燥させた。収率:32重量%。MW 34000、PD 1.5(GPCによって測定されるように)。H−NMR(CDCl、300K、500MHz):7.85−7.79(m、2H)、7.78−7.73(m、2H)、7.61−7.53(m、1H)、7.51−7.43(m、2H)、7.02−6.95(m、2H)、4.24−4.18(m、2H)、3.93−3.82(m、4H)、3.80−3.35(m、243H)。ベンゾフェノン対エチレンオキシドの比はこのように約1:61である。
重合実施例2:ポリ−コ−エチレンオキシド−(4−(オキシラン−2−イルメトキシ)フェニル)(フェニル)メタノンの合成
ベンチ規模の重合を、触媒系としてトリ−イソブチルアルミニウムおよびカリウムt−ブトキシドを使用することによって250mlのガラス反応器で実施した(次表の使用標準重合条件を参照されたい)。
触媒合成およびエチレンオキシドの重合は、欧州特許第1566397号明細書の手順を用いることによって行った。
・250mlのガラス反応器を使用した。
・作業は、各工程を窒素雰囲気下の不活性条件下に行った;最終ポリマーはまた窒素下に貯蔵する(それは空気/水と接触しなかった)。
・エチレンオキシドの添加は、液体エチレンオキシド(圧力下の)を使用することにより100mlのサイトグラスを使用することによって行った。
・最終ポリマーをヘキサンで洗浄し、濾過し、室温で減圧下に乾燥させた。
重合は、トルエン(60mL)、カリウムt−ブトキシド(56mg)、トリイソブチルアルミニウム(ヘキサン中1M、1.4mL)、エチレンオキシドガス(26g)および4−(オキシラン−2−イルメトキシ)フェニル)(フェニル)メタノン(1.3g)を使用して行った。反応の収量は9.1gのターゲットポリマー(2)であった。H−NMR(CDCl、300K、300MHz):7.94−6.64(m、9H)、4.30−3.00(m、121H)。ベンゾフェノン対エチレンオキシドの比はこのように約1:29である。
硬化実施例:実施例1からのポリ−コ−エチレンオキシド−(4−(オキシラン−2−イルメトキシ)フェニル)(フェニル)メタノンの硬化
未処理のポリ−コ−エチレンオキシド−(4−(オキシラン−2−イルメトキシ)フェニル)(フェニル)メタノン(1)のオブラートを、流動計中の2つのプレート(平行プレート配置、底部プレートは石英ガラスプレートである)間に置いた。プレート間の距離を0.3mmに、温度を120℃にセットした。測定は、1%の固定歪みおよび1Hzの一定周波数で行った。損失弾性率および貯蔵弾性率が安定化したとき、UVランプのスイッチを入れ、こうしてランプからのファイバーによって流動計の底部プレートを通して試料を照射した。損失弾性率および貯蔵弾性率を次に、UVランプが試料を照射しながら、時間の関数として追跡した。上記のような測定の例示的な結果を図4に示す。
UV光での照射前の比較的低い弾性率は、約20kDaというポリマーのかなり低い分子量に一致して低い粘度を示唆する。しかし、損失弾性率は貯蔵弾性率より大きく、溶融物の液体挙動を示す。ポリエチレンオキシド鎖の共有結合網状構造を形成するUV源のスイッチを入れるとき、弾性率は増加し、架橋反応が開始されることを示唆する。最終的に、貯蔵弾性率は損失弾性率より大きくなり、固体またはゲルが硬化反応の結果として生じたことを示す。目視検査として、架橋ポリエチレンオキシドオブラートを水中に入れ、それは膨潤ゲルをもたらした。
硬化実施例:実施例2からのポリ−コ−エチレンオキシド−(4−(オキシラン−2−イルメトキシ)フェニル)(フェニル)メタノンの硬化
未処理のポリ−コ−エチレンオキシド−(4−(オキシラン−2−イルメトキシ)フェニル)(フェニル)メタノン(2)のオブラートを、流動計中の2つのプレート(平行プレート配置、底部プレートは石英ガラスプレートである)間に置いた。プレート間の距離を0.3mmに、温度を120℃にセットした。測定は、1%の固定歪みおよび1Hzの一定周波数で行った。損失および貯蔵弾性率が安定化したとき、UVランプのスイッチを入れ、こうしてランプからのファイバーによって流動計の底部プレートを通して試料を照射した。次に、損失弾性率および貯蔵弾性率をUVランプが試料を照射しながら時間の関数として追跡した。そのような測定の例示的な結果を図5に示す。
図5から理解されるように、ポリマーは実際にUV照射に応答するが、弾性率の初期値は固体を示唆する(減衰係数は1より低い)。UV照射への露光時に試料は、貯蔵弾性率および損失弾性率の両方の増加を示し、架橋が起こりつつあることを示唆する。本発明の実施態様の一部を以下の項目[1]−[24]に記載する。
[項目1]
一般式I
(A -(R (A -O) -(R (A -O) -R (A
[式中、R およびR は独立してそれぞれ同一のもしくは異なる、線状もしくは分枝状のアルキレンまたはシクロアルキレン基であり、R およびR は、CN、アジド、エステル、エーテル、アミド、ハロゲン原子、スルホン、スルホン酸誘導体、NH またはNalk (ここで、alkは任意のC 〜C 直鎖状アルキル基、C 〜C 分枝状または環状アルキル基である)から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよく、
およびR は独立してそれぞれ同一のもしくは異なる、線状もしくは分枝状のアルキルもしくはシクロアルキル基またはアリール基であるか、または独立してそれぞれ、H、OH、CN、ハロゲン、アミン、アミド、アルコール、エーテル、チオエーテル、スルホンおよびそれらの誘導体、スルホン酸およびその誘導体、スルホキシドおよびそれらの誘導体、カーボネート、イソシアネート、硝酸エステル、アクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリレートならびにポリウレタンから選択され、R およびR がアルキルおよびアリール基であるとき、それらは、CN、OH、アジド、エステル、エーテル、アミド、ハロゲン原子、スルホン、スルホン酸誘導体、NH またはNalk (ここで、alkは任意のC 〜C 直鎖状アルキル基、C 〜C 分枝状または環状アルキル基である)から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよく、
oおよびpはそれぞれ、o+p>0という条件で0〜5000の実数であり、
mおよびnはそれぞれ、m+n>0という条件で0〜10の実数であり、
rおよびsはそれぞれ、0〜5の実数であり、
、A 、A およびA は同一のまたは異なる光開始剤部分である。]
のポリアルキルエーテル光開始剤。
[項目2]
、A 、A およびA がスペーサー基を介して、それぞれ、R 、R 、R 、およびR に結合している、項目1に記載のポリアルキルエーテル光開始剤。
[項目3]
前記スペーサー基が、アルキレン、シクロアルキレン、アリーレン、およびアルキレンエーテル基からなる群から選択される、項目2に記載のポリアルキルエーテル光開始剤。
[項目4]
1個以上のH原子がA で置き換えられていてもよい、R =−CH CH −である、項目1〜3のいずれか1項に記載のポリアルキルエーテル光開始剤。
[項目5]
1個以上のH原子がA で置き換えられていてもよい、R =−CH CH −である、項目1〜4のいずれか1項に記載のポリアルキルエーテル光開始剤。
[項目6]
1個以上のH原子がA で置き換えられていてもよい、R =−CH(CH )CH −である、項目1〜3のいずれか1項に記載のポリアルキルエーテル光開始剤。
[項目7]
1個以上のH原子がA で置き換えられていてもよい、R =−CH(CH )CH −である、項目1〜3のいずれか1項に記載のポリアルキルエーテル光開始剤。
[項目8]
=OHである、項目1〜7のいずれか1項に記載のポリアルキルエーテル光開始剤。
[項目9]
=Hである、項目1〜8のいずれか1項に記載のポリアルキルエーテル光開始剤。
[項目10]
、A 、A およびA が、ベンゾインエーテル、フェニルヒドロキシアルキルケトン、フェニルアミノアルキルケトン、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、キサントン類、アクリドン類、アントラキノン類、フルオレノン類、ジベンゾスベロン類、ベンジル類、ベンジルケタール、α−ジアルコキシアセトフェノン、α−ヒドロキシ−アルキル−フェノン、α−アミノアルキル−フェノン、アシル−ホスフィンオキシド、フェニルケトクマリン、シラン、マレイミド類、およびそれらの誘導体からなる群から選択される同一のまたは異なる光開始剤部分である、項目1〜9のいずれか1項に記載のポリアルキルエーテル光開始剤。
[項目11]
、A 、A およびA が、2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノン、ベンゾフェノン、チオキサントン、ベンジル、アントラキノン、カンファーキノン、ベンゾインエーテル、アシルホスフィンオキシド、シラン、およびそれらの誘導体からなる群から選択される同一のまたは異なる光開始剤部分である、項目10に記載のポリアルキルエーテル光開始剤。
[項目12]
、A 、A およびA が同一の光開始剤部分である、項目11に記載のポリアルキルエーテル光開始剤。
[項目13]
、A 、A およびA が少なくとも2つの異なる光開始剤部分である、項目1〜11のいずれか1項に記載のポリアルキルエーテル光開始剤。
[項目14]
、A 、A およびA の少なくとも1つがベンゾフェノン光開始剤部分である、項目12に記載のポリアルキルエーテル光開始剤。
[項目15]
少なくともA およびA がベンゾフェノン光開始剤部分である、項目14に記載のポリアルキルエーテル光開始剤。
[項目16]
oおよびpがそれぞれ0〜3000、好ましくは0〜2000である、項目1〜15のいずれか1項に記載のポリアルキルエーテル光開始剤。
[項目17]
m+n>0であるという条件で、mおよびnがそれぞれ0〜8、好ましくは0〜5の整数である、項目1〜16のいずれか1項に記載のポリアルキルエーテル光開始剤。
[項目18]
m=1および/またはn=1である、項目1〜17のいずれか1項に記載のポリアルキルエーテル光開始剤。
[項目19]
m=1、n=0であり、比o:pが少なくとも1:1000、好ましくは少なくとも1:500である、項目1〜18のいずれか1項に記載のポリアルキルエーテル光開始剤。
[項目20]
rおよびsがそれぞれ0〜4、好ましくは0〜2である、項目1〜19のいずれか1項に記載のポリアルキルエーテル光開始剤。
[項目21]
5kDa〜10,000kDa、好ましくは10kDa〜1,000kDa、より好ましくは15kDa〜500kDaの分子量を有する、項目1〜20のいずれか1項に記載のポリアルキルエーテル光開始剤。
[項目22]
マトリックス組成物を硬化させるための項目1〜21のいずれか1項に記載のポリアルキルエーテル光開始剤の使用。
[項目23]
a.項目1〜21のいずれか1項に記載のポリアルキルエーテル光開始剤をマトリックス組成物と混合する工程、および
b.工程a.で得られた混合物をUV放射線に露光することによって硬化させる工程
を含む、マトリックス組成物の硬化方法。
[項目24]
項目23に記載の方法によって得られるマトリックス組成物。

Claims (8)

  1. 一般式I
    −(R(A−O)−(R(A−O)−R
    [式中、RおよびRは独立してそれぞれ同一のもしくは異なる、線状もしくは分枝状のアルキレン基であり、
    およびRは独立してそれぞれ、H、OHおよびCNから選択され、かつ、R およびR の内の少なくとも1つはCNであり
    oおよびpはそれぞれ、o+p≧10という条件で0〜5000の実数であり、
    mおよびnはそれぞれ、m+n>0という条件で0〜10の実数であり、
    およびAは同一のまたは異なる、アルキレンエーテルスペーサー基を介してそれぞれRおよびRに結合しているベンゾフェノン光開始剤部分又はチオキサントン光開始剤部分である。]
    で示されるポリアルキルエーテル光開始剤。
  2. =OHである、請求項1に記載のポリアルキルエーテル光開始剤。
  3. =Hである、請求項1又は2に記載のポリアルキルエーテル光開始剤。
  4. oおよびpがそれぞれ、o+p≧10という条件で0〜3000の実数である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリアルキルエーテル光開始剤。
  5. m=1、n=0であり、比o:pが少なくとも1:1000である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリアルキルエーテル光開始剤。
  6. マトリックス組成物を硬化させるための請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリアルキルエーテル光開始剤の使用法。
  7. a.請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリアルキルエーテル光開始剤をマトリックス組成物と混合する工程、および
    b.工程a.で得られた混合物をUV放射線に露光することによって硬化させる工程
    を含む、マトリックス組成物の硬化方法。
  8. a.請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリアルキルエーテル光開始剤をマトリックス組成物と混合する工程、および
    b.工程a.で得られた混合物をUV放射線に露光することによって硬化させる工程
    を含む、マトリックス組成物の硬化物の製造方法。
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