JP6272063B2 - 伝動システム - Google Patents
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Description
特許文献1の伝動システムでは、特定補機による内燃機関の始動時は、特定補機に要求される要求トルクが大きいため、特定補機を高効率で作動させることができると考えられる。しかしながら、特定補機による内燃機関のアシスト時は、運転者の要求、車両の走行状態および内燃機関の運転状態等によっては特定補機に要求される要求トルクが小さくなる場合があるため、特定補機の効率が低下し、特定補機の消費電力が増大するおそれがある。
駆動プーリは、内燃機関の駆動軸に取り付けられ、駆動軸とともに回転する。特定補機プーリは、特定補機の軸である特定補機軸に取り付けられ、特定補機軸とともに回転する。無端伝動部材は、駆動プーリおよび特定補機プーリに掛け回され、駆動プーリおよび特定補機プーリとともに回転する。
第1オートテンショナは、無端伝動部材の回転方向において特定補機プーリに対し上流側となる無端伝動部材の部位のうち特定補機プーリと駆動プーリとの間に当接しながら回転可能、かつ、内燃機関に対し所定の相対移動可能範囲において相対移動可能な第1テンショナプーリを有し、第1テンショナプーリが内燃機関に対し相対移動することで無端伝動部材の張力を調整可能である。
また、間欠作動制御手段は、無端伝動部材の回転方向において特定補機プーリに対し上流側となる無端伝動部材の部位の張力が増大する期間、または、内燃機関の気筒毎の燃焼トルクが発生していない期間に、特定補機がトルクを出力するよう高トルク作動制御を行い、無端伝動部材の回転方向において特定補機プーリに対し上流側となる無端伝動部材の部位の張力が低下する期間、または、内燃機関の気筒毎の燃焼トルクが発生している期間に、特定補機がトルクを出力しないよう停止制御を行う。
(一実施形態)
本発明の一実施形態による伝動システムを図1に示す。伝動システム1は、図示しない車両に搭載される内燃機関(以下、「エンジン」という)2と特定補機11との間で動力を伝達する。また、伝動システム1は、エンジン2および特定補機11の動力を特定補機11以外の補機13、15、17に伝達する。なお、エンジン2は、例えばガソリンを燃料として駆動する4気筒エンジンである。
特定補機11は、例えば、エンジン2が停止しているとき、回転駆動(力行作動)することにより駆動プーリ4を回転させ、すなわち、エンジン2をクランキングし、エンジン2を始動させることができる。ここで、特定補機11は、スタータとして機能する。
このように、本実施形態では、特定補機11は、複数の機能を統合した補機、例えばISG(Integrated Starter Generator)である。
第1テンショナプーリ21は、円板状に形成され、ベルト9の特定補機プーリ5に対し一方側、すなわち、ベルト9の特定補機プーリ5と駆動プーリ4との間に当接可能に設けられている。
ベース25は、軸部23が中央に位置するよう、エンジン2の壁面に固定される。これにより、ベース25とアーム22の一端とは、相対回転可能である。
第2テンショナプーリ31は、第1テンショナプーリ21と同様、円板状に形成されている。第2テンショナプーリ31は、ベルト9の特定補機プーリ5に対し他方側、すなわち、ベルト9の特定補機プーリ5と補機プーリ6との間に当接可能に設けられている。
ベース35は、軸部33が中央に位置するよう、エンジン2の壁面に固定される。これにより、ベース35とアーム32の一端とは、相対回転可能である。
また、本実施形態では、車両に車速センサ63が設けられている。車速センサ63は、車両の走行速度、すなわち、車速に対応する信号をECU50に出力する。これにより、ECU50は、車速を検出可能である。
ECU50は、図示しない駆動回路を有している。ECU50が駆動回路にトルク指令値を印加すると、当該トルク指令値に応じた電流が特定補機11に流れ、特定補機11が力行作動する。
ECU50は、機能的な構成として要求トルク算出手段51、定常作動制御手段52および間欠作動制御手段53を有している。
また、間欠作動制御手段53は、「特定補機11を力行作動させ、前記要求トルクより大きなトルクが出力されるよう特定補機11を制御する高トルク作動制御」と「特定補機11が停止するよう特定補機11を制御する停止制御」とを「所定の期間である第2所定期間T2」内で交互に繰り返し、特定補機11から出力されるトルクの平均が前記要求トルクとなるよう特定補機11を制御する(図4に示す実線参照)。
図8は、ECU50による特定補機11の制御に関する一連の処理を示すフロー図である。図8に示す一連の処理S100は、例えば車両のイグニッションキーがオンされることにより開始される。
S102では、ECU50(要求トルク算出手段51)は、特定補機11から出力されるべきトルクである要求トルクを算出する。S102の後、処理はS103へ移行する。
S105の処理により、特定補機11には図6に示すような電流が流れ、特定補機11が間欠作動する。これにより、エンジン2がアシストまたは始動される。S105の後、処理は一連の処理S100を抜ける。
S106の処理により、要求トルクが出力されるよう特定補機11が定常作動する。これにより、エンジン2が始動またはアシストされる。S106の後、処理は一連の処理S100を抜ける。
図9は、特定補機11を期間t1で定常作動制御を行い、期間t2で間欠作動制御を行った場合の実験結果(トルク指令値、特定補機11に流れる電流値)を示すものである。図10は、特定補機11を期間t3で定常作動制御を行い、期間t4で間欠作動制御を行った場合の実験結果(特定補機11およびエンジン2の回転数の変化)を示すものである。なお、ここでは、特定補機11から比較的小さなトルク(例えば3N・m)が出力されるよう定常作動制御または間欠作動制御を行った場合の結果を示している。
上述の実施形態では、特定補機を駆動する駆動回路に対するトルク指令値の印加期間の始期および終期を、クランク角に対応して設定する例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、トルク指令値の印加期間の始期および終期は、処理開始後の経過時間に基づき設定することとしてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、間欠作動制御手段は、内燃機関の気筒毎の燃焼トルクが発生している期間に特定補機がトルクを出力するよう高トルク作動制御を行うこととしてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、その他補機、および、補機プーリは、それぞれ、3個に限らず、いくつ設けられていてもよい。また、その他補機、および、補機プーリを設けない構成としてもよい。
また、上述の実施形態では、ブラシレスモータを特定補機として採用する例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、例えばブラシ付きモータ等、他の電動機を特定補機として採用することとしてもよい。
このように、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
2 ・・・・エンジン(内燃機関)
3 ・・・・駆動軸
4 ・・・・駆動プーリ
5 ・・・・特定補機プーリ
9 ・・・・ベルト(無端伝動部材)
11 ・・・特定補機
12 ・・・特定補機軸
50 ・・・ECU(電子制御ユニット、制御部)
51 ・・・要求トルク算出手段
52 ・・・定常作動制御手段
53 ・・・間欠作動制御手段
Claims (5)
- 力行作動または回生作動可能な特定補機(11)と内燃機関(2)との間で動力を伝達する伝動システム(1)であって、
前記内燃機関の駆動軸(3)に取り付けられ、前記駆動軸とともに回転する駆動プーリ(4)と、
前記特定補機の軸である特定補機軸(12)に取り付けられ、前記特定補機軸とともに回転する特定補機プーリ(5)と、
前記駆動プーリおよび前記特定補機プーリに掛け回され、前記駆動プーリおよび前記特定補機プーリとともに回転する無端伝動部材(9)と、
前記特定補機の作動を制御可能な制御部(50)と、
前記無端伝動部材の回転方向において前記特定補機プーリに対し上流側となる前記無端伝動部材の部位のうち前記特定補機プーリと前記駆動プーリとの間に当接しながら回転可能、かつ、前記内燃機関に対し所定の相対移動可能範囲において相対移動可能な第1テンショナプーリ(21)を有し、前記第1テンショナプーリが前記内燃機関に対し相対移動することで前記無端伝動部材の張力を調整可能な第1オートテンショナ(20)と、を備え、
前記制御部は、
前記特定補機から出力されるべきトルクである要求トルクを算出する要求トルク算出手段(51)、
前記特定補機を力行作動させることにより前記特定補機から出力されるトルクである定常作動トルクが前記要求トルクとなるよう前記特定補機を制御する定常作動制御手段(52)、および、
「前記特定補機を力行作動させ、前記要求トルクより大きなトルクが出力されるよう前記特定補機を制御する高トルク作動制御」と「前記特定補機が停止するよう前記特定補機を制御する停止制御」とを所定期間内で交互に繰り返し、前記所定期間において前記特定補機から出力されるトルクの平均が前記要求トルクとなるよう前記特定補機を制御する間欠作動制御手段(53)を有し、
前記間欠作動制御手段は、
前記無端伝動部材の回転方向において前記特定補機プーリに対し上流側となる前記無端伝動部材の部位の張力が増大する期間、または、前記内燃機関の気筒毎の燃焼トルクが発生していない期間に、前記特定補機がトルクを出力するよう前記高トルク作動制御を行い、
前記無端伝動部材の回転方向において前記特定補機プーリに対し上流側となる前記無端伝動部材の部位の張力が低下する期間、または、前記内燃機関の気筒毎の燃焼トルクが発生している期間に、前記特定補機がトルクを出力しないよう前記停止制御を行うことを特徴とする伝動システム。 - 前記間欠作動制御手段は、
前記無端伝動部材の回転方向において前記特定補機プーリに対し上流側となる前記無端伝動部材の部位の張力が増大する期間、または、前記内燃機関の気筒毎の燃焼トルクが発生していない期間に、前記特定補機がトルクを出力するよう前記高トルク作動制御を行うことで、前記相対移動可能範囲の一方の端部に前記第1テンショナプーリを位置させ、
前記無端伝動部材の回転方向において前記特定補機プーリに対し上流側となる前記無端伝動部材の部位の張力が低下する期間、または、前記内燃機関の気筒毎の燃焼トルクが発生している期間に、前記特定補機がトルクを出力しないよう前記停止制御を行うことで、前記相対移動可能範囲の他方の端部に前記第1テンショナプーリを位置させることを特徴とする請求項1に記載の伝動システム。 - 前記無端伝動部材の回転方向において前記特定補機プーリに対し下流側となる前記無端伝動部材の部位に当接しながら回転可能、かつ、前記内燃機関に対し相対移動可能な第2テンショナプーリ(31)を有し、前記第2テンショナプーリが前記内燃機関に対し相対移動することで前記無端伝動部材の張力を調整可能な第2オートテンショナ(30)をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の伝動システム。
- 前記制御部は、前記要求トルクが「所定のトルク値である所定要求トルク値」以上の場合、前記定常作動制御手段により前記特定補機を制御し、前記要求トルクが前記所定要求トルク値より小さい場合、前記間欠作動制御手段により前記特定補機を制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の伝動システム。
- 前記制御部は、「前記要求トルクが出力されるよう前記定常作動制御手段により前記特定補機を制御した場合の前記特定補機の効率」が「前記要求トルクが出力されるよう前記間欠作動制御手段により前記特定補機を制御した場合の前記特定補機の効率」より低いと判断したとき、前記間欠作動制御手段により前記特定補機を制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の伝動システム。
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